JP6197982B1 - 魚類寄生虫症防除剤及び飼料 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、魚類の養殖においてβ−1,4−マンノビオースを含有することを特徴とする、魚類の寄生虫による疾病を防除する添加剤、飼料を提供することを課題とした。【解決手段】本発明の魚類の寄生虫用の防除剤および飼料は、β−1,4−マンノビオースを含有することを特徴とする。本発明の魚類の寄生虫用の防除剤は、これを飼料に添加すること、またはそのまま飼料として使用することによって、寄生虫のシスト数の減少、および寄生虫による疾病を改善することができ、低塩水浴や薬浴のような移し変えの煩雑さ、魚への負担を伴わず、寄生虫の防除を実現することができる。【選択図】なし

Description

本発明は、魚類養殖時の寄生虫を防除するための防除剤および飼料に関する。
海面養殖業において寄生虫症は養殖魚の大量斃死の原因となり、海面養殖業における大きな問題のひとつとなっている。この中でも例えば原生動物の繊毛虫綱に属する海水白点虫などは、宿主範囲も非常に広く多種類の海産魚類に寄生する。もともとは、水族館や陸上水槽などの閉鎖的は飼育環境で発生するものとされてきたが、近年は養魚場でも多発するようになっており、海面養殖業の阻害要因となっている。
寄生虫の代表的なものとしては、マタイ、ヒラメなどに寄生する海水白点虫(Cryptocaryon irritans)、ブリ類、マダイなどに寄生するハダムシ(Benedenia seriolae)などが知られている。
たとえば海水白点虫(Cryptocaryon irritans)の感染環は魚体に寄生して宿主を死に至らしめるトロホント、これが成長するとみずから魚を離れ、水中に沈んでシスト(トモント)を形成し、白点虫はシストの中で不等分裂を繰り返し、分裂後、シストから遊出してきた虫体セロントとなり、これが魚体に感染する、というステージを繰り返す。
これらの寄生虫症の防除対策としては、Cryptocaryon irritansは低塩分に比較的弱く、3時間の低塩水浴(1%)を3日おきに4回行うことが有効という。また単に白点虫フリーの海水の水槽への移し変えも有効という。(非特許文献1)
他に過酸化水素による薬浴法もあるが、これらはいずれも魚におよぼすストレス、薬剤による魚そのものへの悪影響、さらには養殖業者の煩雑な作業といった問題が多い。また薬浴法では食用の魚での薬物の残留や、環境への悪影響などの問題もある。
また寄生虫以外の感染症の防除対策として、マンノビオースを含む素材に関しては、パーム核ミール、コプラミール、コーヒー粕、グアーミール等には、マンノースを構成糖とするマンナンが豊富に含有されることが知られており、これら天然原料に酵素を作用させて調製したマンノビオースを主成分とするマンノノオリゴ糖類を含む組成物を添加された飼料は、有害細菌であるサルモネラ菌の動物腸内での定着を抑制し体外へ排出する排菌効果(サルモネラ菌定着抑制効果)を有することが知られている(非特許文献2)。
特許文献1には、β−1,4−マンノビオースを含有することを特徴とする水産養殖用の飼料が成長性を改善し、それらの残留による人体の影響に問題がない飼料を得られることが記載されている。
特開2010−57518号公報
魚介類の感染症・寄生虫病(若林久嗣、室賀清邦編)、恒星社厚生閣, p.295-303, 2004 Poultry Science, 687, p.1357-1360, 1989
本発明は、魚類の養殖においてβ−1,4−マンノビオースを含有することを特徴とする、魚類の寄生虫による疾病を防除する添加剤、飼料を提供することを課題とした。
従来技術である特許文献1は、β−1,4−マンノビオースを含有することを特徴とする水産養殖用の飼料が成長性を改善することが言及されているが、寄生虫の感染時におけるシストの防除や、この発生時の死亡数の減少効果については、何ら明確にされていなかった。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、魚へのストレスや、薬剤の魚への悪影響や残留の問題、それに養殖業者の煩雑な作業を伴わずに、β−1,4−マンノビオースを含有する防除剤を用いることで、寄生虫の感染時におけるシスト産生の抑制効果と、寄生虫による死亡を劇的に改善することを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は、
(1)β−1,4−マンノビオースを含有することを特徴とする魚類寄生虫症の防除剤、
(2)β−1,4−マンノビオースがコプラミール、パーム核ミールまたはコーヒー粕由来である、(1)記載の魚類寄生虫症の防除剤、
(3)β−1,4−マンノビオースがマンナン含有天然物にマンナン分解酵素を作用させて生成したものである、(1)記載の魚類寄生虫症の防除剤、
(4)β−1,4−マンノビオースの含有量が3重量%以上である、(1)〜(3)いずれか1項に記載の魚類寄生虫症の防除剤、
(5)β−1,4−マンノビオースを含有することを特徴とする魚類寄生虫症防除用飼料、
(6)魚類にβ−1,4−マンノビオースを含有する組成物を投与することを特徴とする寄生虫症の防除法、
である。
本発明の魚類の寄生虫用の防除剤および飼料は、これを飼料に添加することによって、またはそのまま飼料として使用することによって、寄生虫のシスト数の減少、および寄生虫による疾病を改善することができ、魚へのストレスや、薬剤の魚への悪影響や残留の問題及び養殖業者の低塩水浴や薬浴のような移し変えのような煩雑な作業を伴わずに、寄生虫の防除を実現することができる。

図1はマダイ稚魚を用いた飼養試験の生残率を示した図である。飼養開始後7〜11日後には対照区の水槽では39尾が全滅し、生残率が0%になったのに対し、試験4%区の水槽では1尾のみ死亡にとどまり、また試験2%区の水槽では死亡例は無く、100%の生残率となった。
本発明の魚類の寄生虫用の防除剤および飼料は、β−1,4−マンノビオースを含有することを特徴とする。
(β1,4−マンノビオース)
本発明の魚類の寄生虫用の防除剤および飼料は、β−1,4−マンノビオース(以下、単にマンノビオースともいう)は、マンノース2分子がβ−1,4−グリコシド結合してなるものである。本発明で用いられるβ−1,4−マンノビオースは、例えば、マンノースを合成する方法や、β−1,4−マンナン(以下、単にマンナンともいう)を分解する方法により得ることができる。
(β1,4−マンノビオースの製造方法)
β−1,4−マンナンを分解する方法は、原料の資源性及び反応効率の点でより好ましく、より簡便にβ−1,4−マンノビオースを得ることができる。この方法では、例えば、マンナンを豊富に含有するパーム核ミール、コプラミール、コーヒー豆粕、グアーガム、ローカストビーンガムなどのマンナン含有天然物又はこれらの天然物から抽出したマンナンに、マンナン分解酵素を作用させて、β−1,4−マンノビオースを得ることができる。
また、この方法において使用されるマンナン分解酵素としては、マンナナーゼ、マンノシダーゼ、ヘミセルラーゼ等、マンナンを分解してマンノビオースを生成する活性を有するものであればいずれでもよいが、Aspergillus niger由来のもので、市販されているもの(例えばヘミセルラーゼGM「アマノ」(天野製薬株式会社製)、スミチームACH(新日本化学工業株式会社製)、セルロシンGM5(阪急バイオインダストリー株式会社)等を好ましく使用できる。また、これらのほか、キシラナーゼ、セルラーゼとして市販されているものであっても、当該加水分解活性を有するものも使用でき、例えば、セルラーゼY−NC(ヤクルト薬品工業株式会社製)を使用できる。特に、マンノシダーゼ(exo型)活性が低く、マンナナーゼ(endo型)活性が高いヘミセルラーゼGM「アマノ」(天野製薬株式会社製)、スミチームACH(新日本化学工業株式会社製)が、マンノースの生成を抑え、多量にマンノビオースを生成させることができる点で好ましい。
さらに、この方法では、マンナン分解酵素は、水に溶解又は分散させた酵素液として、マンナン含有天然物又はこれから抽出したマンナンに作用させる。そして、マンナン含有天然物を用いる場合において効率的な反応を行うためには、マンナン含有天然物、マンナン分解酵素及び水からなる反応系における水分の調整が重要である。水を添加することにより、マンナン類の繊維質を十分に膨潤させ、酵素液を接触しやすくすることができる。水分調整のための水の添加量としては、マンナン100重量部に対して、50〜10000重量部が好ましく、より好ましくは50〜1500重量部であり、さらに好ましくは50〜500重量部である。水分量が少ないと、酵素反応が進みにくい傾向があり、水分量が多い場合は、酵素反応効率が低下する傾向になる。
また、酵素量、反応時間としては、マンノビオースが出来るだけ多く生成するように酵素を選択し、反応時間を調整することができる。但し、マンナナーゼ(endo型)活性が高い酵素は、通常、マンノシダーゼ(exo型)活性も有していることから、酵素反応の時間が長すぎると、マンノビオースが分解されてマンノース量が増加してしまうため、反応時間は必要以上に長い時間としないことが好ましい。これら酵素反応条件は、マンノビオース生成量ができるだけ多くなるように適宜設定される。この場合、β−1,4−マンノビオースがマンノースより多く含まれるよう設定するのが好ましい。例えば、β−1,4−マンノビオースに対するマンノースの割合は、60重量%以下が好ましく、より好ましくは20重量%以下である。以上のようにして、例えば、原料としてコプラルミール(マンナン含有量は、およそ30%)を用いて3〜36時間反応させた場合、マンノビオース量は、使用する酵素の種類や量、時間にもよるが、原料100重量部に対して、5〜15重量部程度まで生成させることができる。
(β1,4−マンノビオースの含有量)
このようにして生成したマンノビオースを含有する酵素処理物(β−1,4−マンノビオース含有組成物)は、不溶物を除去する等してマンノビオース濃度を高めて魚類の寄生虫用の防除剤としても良いが、濃縮のためのコストを要するため、寧ろ、不溶物などは除去せず、そのまま、又は必要に応じた乾燥を行って防除剤とするのが良い。この場合、防除剤中に、マンノビオースとして3重量%以上含有するものが好ましい。より好ましくは5重量%以上、さらに好ましくは7重量%以上、さらに好ましくは9重量%以上である。この防除剤は、飼料に配合して使用することができる。一方、酵素処理物からマンノビオース等を水抽出物したものを、そのまま飼料に添加する防除剤として使用することもできる。この場合も、当該水抽出物は、マンノビオースの他にマンノースやマンノオリゴ糖類などを含有するが、特にマンノビオースのみを抽出、精製する必要はなく、むしろこれらが含まれていることが好ましい。
本発明の魚類の寄生虫用の防除剤は、飼料に添加する場合、配合飼料中の含有量がマンノビオースとして0.001〜2.00重量%となるように混合することが好ましい。更に好ましくは0.005〜1.00%、最も好ましくは0.01〜0.50%となるように添加するのが良い。このような飼料は、魚類に、固形状(DP)、もしくは水分を含む団子状(MP)で給餌することによって、寄生虫を防除することができる。また、水溶液を養殖を行う海域の海水に直接混合しても良い。海水に混合する場合は、魚の養殖飼育数、摂餌量に応じて飼料に添加する場合と同等のマンノビオース量を目安にすることができる。
(魚類)
魚類は水中で生活し、主としてえらで呼吸を行い、ひれをもっている脊椎動物であり、無顎類、軟骨魚類、硬骨魚類などで総称されるが、本発明の魚類の防除剤および飼料はこれらのあらゆる魚類に使用することができる。すなわち、本発明の魚類の寄生虫用の防除剤および飼料が使用できる魚類として、マタイ、ブリ類、フグ、ヒラメ、ウナギ、ドジョウ、アナゴ、マグロ、アジ、サケ・マス、アユ、カンパチ、ハタ類、コイ類などが例示される。本発明の防除剤および飼料を給与する段階としては、孵化後の稚魚に一定期間給餌しても良いし、その後の成魚に至る養殖段階の全てを通じて用いても良い。
(寄生虫)
本発明の魚類の寄生虫用の防除剤および飼料は、養殖の現場において発生する魚類の寄生虫によって発症し、その適切な防除が嘱望されているいかなる寄生虫症をも対象とする。例えば、繊毛虫である白点虫(Cryptocaryon irritans、Ichthyophthirius multifiliis)、トリコジナ(Trichodina spp.等)、キロドネラ(Chilodonella piscicola等)、単生虫であるハダムシ(Benedenia seriolae、Neobenedenia girellae等)、エラムシ(Heteraxine heterocerca、Bivagina tai、Heterobothrium okamotoi、Neoheterobothrium hirame等)、甲殻虫であるカリグス(Caligus spinosus等) 、吸虫である魚類血吸虫(Paradeontacylix spp.、Cardicola spp. 等)などが例示される。特に養殖業界で問題となっている白点虫については、海水白点虫(Cryptocaryon irritans)、淡水白点虫(Ichthyophthirius multifiliis)のいずれに対しても有効である。
(飼料としての使用)
本発明の防除剤を飼料に混合して使用する場合、他の通常の飼料原料として用いられる材料と自由に配合しても構わない。例えば、魚粉、ミートミール、脱脂粉乳、乾燥ホエー、オキアミミール、カゼイン、ゼラチンなどの動物性材料、酵母類、トウモロコシデンプン、デキストリンなどの糖類、大豆タンパク、小麦グルテン、トウモロコシツエインなどの植物性たん白質、トウモロコシ、マイロ、小麦、大麦、米、ライ麦、燕麦、ルーピン、甘薯、キャッサバなどの穀物類、大豆、おから、脱脂大豆などの豆類、菜種粕、ヒマワリ粕、サフラワー粕などの植物性油粕類、米ヌカ、フスマ、麦ヌカなどの糟糠類、コーングルテンフィード、ビートパルプ、ビール粕、酒粕、コンニャク飛粉などの製造副産物類、綿実油、菜種油、トウモロコシ油、大豆油、ヒマワリ油、サフラワー油、オリーブ油、ヤシ油、パーム油などの油脂類などが挙げられる。これらは単独で使用してもよいし又は二種以上の混合物として用いられることができる。飼料の給餌形態として、水分を含まない固形飼料(DP)および水分を含む団子状飼料(MP)の形態などがあるが、いずれの形態で給餌してもよい。
さらに他に、飼料の品質の低下の防止、飼料の栄養成分その他有効成分の補給、飼料の含有している栄養成分の有効な利用の促進を目的に各種の添加物が用いられる。例えばアミノ酸類、ビタミン類、ミネラル類、脂肪酸類などの栄養成分、酵素類、生菌剤、防カビ剤、抗酸化剤、乳化剤などを本防除剤の効果を阻害しない範囲で自由に配合することは差し支えない。
以下、本発明の実施例を示し、本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。実施例中の「部」、「%」は、特に断りがない限りそれぞれ「重量部」、「重量%」を表す。
(実施例1)
コプラミール(マンナン含有量30%、水分4.4%)100部に、酵素ヘミセルラーゼGM「アマノ」(天野製薬株式会社製)0.25部を溶解した酵素液150部を、60℃で12時間作用させた後、流動層乾燥装置(大河原製作所製)にて水分9.3%にまで乾燥させて、乾燥粉体106部を得た。この乾燥粉体のマンノビオース含有量およびマンノース含有量をイオン交換クロマトグラフィー法で測定したところ、β−1,4−マンノビオースが12.7部、マンノースが1.41部生成していた。
(実施例2、マダイ稚魚を用いた寄生虫防除試験1、人工寄生によるシスト数抑制による評価)
マダイ稚魚(平均体重6.8g)120尾を、200L水槽6基に体重を揃えて20尾ずつ収容した。その翌日、全ての水槽に、密封状態で冷蔵保存しておいた白点病シストから浮出した幼生を1水槽あたり4420虫ずつ投入して飼育を行った(攻撃)。その翌日から、水槽3基には実施例1で製造したβ−1,4−マンノビオースを防除剤として4%含む飼料を、残りの水槽3基にはコントロール区として対照飼料を与えて飼育継続した。攻撃後、3週間毎日観察を行い、死亡やその他の異常の有無を観察した。白点虫の寄生を明瞭に視認した翌日から、2日毎にシストを回収、計数した。供試魚を予備水槽に移動後、飼育水を全て排水し、水槽底面に付着したシストをヘラを用いて残さずに回収した。回収したシストは70%エタノールで固定し、後日、実体顕微鏡で計数した。
実施例2の防除試験に用いた飼料は、試験4%区の飼料には、基礎飼料(日清丸紅株式会社製、マダイEPスーパー2号)100部に対して、実施例1で製造したβ−1,4−マンノビオースを含む防除剤4部を加えて混合したのち、展着剤として1部のカルボキシメチルセルロースを混合し、これに10部の水を加えて混合した。対照区の飼料には、基礎飼料100部に対して、防除剤を添加せずに、展着剤として1部のカルボキシメチルセルロースを混合し、これに10部の水を加えて混合した。
実施例2の防除試験の結果を表1に示した。人為感染の7〜8日後に体表の寄生を初めて確認し、9日めから2日おきにシストを回収・計数を行った。感染3週間後までの合計シスト数は対照区の水槽3基の合計は184個となったのに対して、試験4%区の水槽3基の合計は117個となった。また水槽ごとのシスト数は、対照区の水槽3基の平均数は61.3±13.3個に対して、試験4%区の水槽3基の平均数は39.0±5.2個となり、顕著な防除効果がみられた。
(実施例3、マダイ稚魚を用いた寄生虫防除試験2、海産寄生虫の感染防除による評価)
マダイ稚魚(平均体重20.5g)120尾に、300L水槽3基に体重を揃えて40尾ずつ収容した。そのうちの水槽1基には実施例1で製造したβ−1,4−マンノビオースを防除剤として4%含む飼料を、もう1基には防除剤を2%含む飼料を、残りの1基にはコントロールとした対照飼料を給餌して飼育継続した。海水はポンプを用いて沖合より採水したが、上記の3基の水槽は同一箇所から採水された海水を用いているため、全ての水槽に概ね同一数の寄生虫が存在する。飼養開始から3週間毎日観察し、死亡やその他の異常の有無を確認した。
実施例3の防除試験に用いた飼料は、試験4%区の飼料には、基礎飼料(マダイEPスーパー2号)100部に対して、実施例1で製造したβ−1,4−マンノビオースを含む防除剤4部を加えて混合したのち、展着剤として1部のカルボキシメチルセルロースを混合し、これに10部の水を加えて混合した。試験2%区の飼料には、基礎飼料100部に対して、実施例1で製造したβ−1,4−マンノビオースを含む防除剤2部を加えて混合したのち、展着剤として1部のカルボキシメチルセルロースを混合し、これに10部の水を加えて混合した。対照区の飼料には、基礎飼料100部に対して、防除剤を添加せずに、展着剤として1部のカルボキシメチルセルロースを混合し、これに10部の水を加えて混合した。
実施例3の飼養試験の生残率を図1に示した。飼養開始後6日め以降に全ての水槽で白点病の寄生感染が見られ始め、9日後ごろには、対照区の水槽ではほぼ全例に白点がみられ、試験4%区および試験2%区の水槽では6,7割程度に白点がみられた。飼養開始後7〜11日後には対照区の水槽では39尾が全滅したのに対し、試験4%区の水槽では1尾のみ死亡にとどまり、また試験2%区の水槽では死亡例は無かった。これらの死亡例の全例が重度の白点病に罹患していた。その後も飼育を継続したが、試験4%区および2%区の水槽での白点病の病状は快方に向かい、開始後15日ごろには白点病罹患個体はみられなくなり、その後、開始後20日めまで飼育を継続したが、試験4%区および試験2%区とも新たな死亡例はみられなかった。以上より、本防除剤入りの飼料の使用によって外部寄生虫を顕著に防除できることが確認できた。
(表1)マダイ稚魚を用いた寄生虫抑制試験結果
以上のことから、本発明のβ−1,4−マンノビオースを含有する防除剤および飼料を用いることで、寄生虫の感染時におけるシストの防除効果と、寄生虫による症状および死亡率を劇的に改善することが見出された。魚類の寄生虫症に対して有効な天然の生理活性物質を含有する魚類の飼料を提供することができる。これを使用することで魚へのストレスや、薬剤の魚への悪影響や残留の問題、それに養殖業者の煩雑な作業を伴わずに安全に魚類の寄生虫症による体重減少や斃死を防ぐことができ、魚類養殖における経済性も向上することができる。

Claims (6)

  1. β−1,4−マンノビオースを含有することを特徴とする魚類寄生虫症の防除剤。
  2. β−1,4−マンノビオースがコプラミール、パーム核ミールまたはコーヒー粕由来である、請求項1記載の魚類寄生虫症の防除剤。
  3. β−1,4−マンノビオースがマンナン含有天然物にマンナン分解酵素を作用させて生成したものである、請求項1記載の魚類寄生虫症の防除剤。
  4. β−1,4−マンノビオースの含有量が3重量%以上である、請求項1〜3いずれか1項に記載の魚類寄生虫症の防除剤。
  5. β−1,4−マンノビオースを含有することを特徴とする魚類寄生虫症防除用飼料
  6. 魚類にβ−1,4−マンノビオースを含有する組成物を投与することを特徴とする寄生虫症の防除法。
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