JP6197681B2 - 車両用モータ駆動ユニット - Google Patents

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Description

本発明は、車両用モータ駆動ユニットに関し、特に、簡単な構成により作動のバリエーションを実現するための改良に関する。
モータと、差動機構と、その差動機構と左右1対の車輪との間にそれぞれ連結された左右1対の車軸とを、備えた車両用モータ駆動ユニットが知られている。この車両用モータ駆動ユニットは、例えば、モータの駆動力により副駆動輪である後輪を駆動する駆動装置として好適に用いられる。特許文献1に記載された駆動装置がその一例である。この駆動装置においては、モータから出力された駆動力が、カウンタ軸、差動機構(デファレンシャル)、及び左右1対の車軸を介して左右1対の車輪へ伝達される。
特開2007−57093号公報
しかし、前記従来の技術においては、前記モータの出力軸から前記左右1対の駆動輪までの動力伝達に係る変速比が固定であるため、車両の全運転域で所望の動力を満たすモータ性能を得るためには前記モータが肥大化するという不具合があった。また、系がリジッドであるため、急減速等によりモータ慣性に起因する過大トルクが問題となるおそれがあった。更に、左右の車輪への駆動力配分を制御できる機構ではなく、性能改善の余地があった。すなわち、簡単な構成により作動のバリエーションを実現する車両用モータ駆動ユニットは、未だ開発されていないのが現状である。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、簡単な構成により作動のバリエーションを実現する車両用モータ駆動ユニットを提供することにある。
斯かる目的を達成するために、本発明の要旨とするところは、(a)モータと、差動機構と、その差動機構と左右1対の車輪との間に連結された左右1対の車軸とを、備えた車両用モータ駆動ユニットであって、(b)前記モータの出力軸と前記差動機構との間に、所定の変速比の第1ギヤ対とワンウェイクラッチとを、直列に備え、(c)前記第1ギヤ対と前記一対の車軸の一方および他方との間をそれぞれ断接する一対のクラッチと前記一対のクラッチにそれぞれ直列な所定の変速比の一対の第2ギヤ対とを、前記第1ギヤ対と前記一対の車軸の一方および他方との間に並列に備え、(d)前記ワンウェイクラッチは、前記第2ギヤ対の変速比に対する前記第1ギヤ対の変速比の大小に応じて、前記モータの出力軸側の回転速度が前記差動機構側の回転速度よりも大きい場合には係合され、小さい場合には解放される配置、或いは、前記モータの出力軸側の回転速度が前記差動機構側の回転速度よりも小さい場合には係合され、大きい場合には解放される配置とされていることを特徴とするものである。
このようにすれば、前記モータの出力軸と前記差動機構との間の動力伝達経路に、ワンウェイクラッチと、所定の変速比の第1ギヤ対とワンウェイクラッチとを、直列に備え、前記第1ギヤ対と前記一対の車軸の一方および他方との間をそれぞれ断接する一対のクラッチと前記一対のクラッチにそれぞれ直列な所定の変速比の一対の第2ギヤ対とを、前記第1ギヤ対と前記一対の車軸の一方および他方との間に並列に備え、前記ワンウェイクラッチは、前記第2ギヤ対の変速比に対する前記第1ギヤ対の変速比の大小に応じて、前記モータの出力軸側の回転速度が前記差動機構側の回転速度よりも大きい場合には係合され、小さい場合には解放される配置、或いは、前記モータの出力軸側の回転速度が前記差動機構側の回転速度よりも小さい場合には係合され、大きい場合には解放される配置とされている。このことから、前記クラッチの係合状態を制御すること等により、前記モータ駆動ユニットを変速機構、左右駆動力分配機構、及びトルク入力低減機構の何れかとして選択的に機能させることができる。すなわち、簡単な構成により作動のバリエーションを実現する車両用モータ駆動ユニットを提供することができる。また、左右一対のクラッチの係合力をそれぞれ調整することにより左右の車輪へのトルクの配分割合の制御が可能となり、ドライバビリティを向上させることができる。さらに、一方向クラッチが空転しない状態で左右一対のクラッチを半係合させることで、LSD(リミッテドスリップディファレンシャル)として機構させ、低μ路でも安定した発信性能が得られる。
本発明の好適な実施例である車両用モータ駆動ユニットの構成を示す骨子図である。 図1の車両用モータ駆動ユニットにおいて、左右のクラッチを解放させた場合における動力の伝達を白抜き矢印で示す図である。 図1の車両用モータ駆動ユニットにおいて、左右のクラッチを係合させた場合における動力の伝達を白抜き矢印で示す図である。 図1の車両用モータ駆動ユニットにおける車速とアウトプットトルクとの関係を例示する図である。 本実施例の車両用モータ駆動ユニットとの比較のために、従来の車両用モータ駆動ユニットの構成を示す骨子図である。
本発明において、好適には、前記車両用モータ駆動ユニットが搭載された車両の車速が比較的低速、例えば車速が規定の閾値未満である場合には、前記クラッチを解放させるが、車両の車速が比較的高速、例えば車速が規定の閾値以上である場合には、前記クラッチを係合させる。
本発明において、好適には、前記クラッチの締結力を制御することで、例えば車両の急制動時等における、前記車輪側から入力される過大なトルクの入力を低減させる。換言すれば、車両の急制動等が判定される場合には、前記車輪側からの過大なトルクの入力を低減させるように、前記クラッチの締結力を制御する。
本発明において、好適には、前記車輪側から入力されるトルクに応じて、前記モータから出力される駆動力(出力トルク)を制御する。換言すれば、前記車輪側からの過大なトルクの入力を低減させるように、前記モータから出力されるトルクを制御する。
本発明において、好適には、前記左右の車輪にそれぞれ対応して設けられた前記左右のクラッチの係合力をそれぞれ調整することで、前記モータから出力された駆動力の前記左右の車輪への配分比(トルク配分)を制御する。
以下、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の好適な実施例である車両用モータ駆動ユニット10(以下、単にユニット10という)の構成を示す骨子図である。この図1に示すユニット10は、例えば、駆動力源であるモータ12から出力される駆動力により、副駆動輪である左右1対の車輪(例えば、後輪)14l、14rを駆動する駆動装置に好適に適用されるものである。前記モータ12は、好適には、駆動力を発生させるモータ(発動機)及び反力を発生させるジェネレータ(発電機)としての機能を有する所謂モータジェネレータであるが、少なくともモータとしての機能を備えたものである。
前記ユニット10は、前記モータ12の出力軸20と前記1対の車輪14l、14rとの間に差動機構16を備えている。その差動機構16と前記1対の車輪14l、14rとの間に、左右1対の車軸18l、18rを備えている。すなわち、前記1対の車軸18l、18rは、前記差動機構16と前記1対の車輪14l、14rとの間にそれぞれ連結されている。前記差動機構16は、入力される駆動力を左右の車輪14l、14r(車軸18l、18r)へ分割する公知の差動装置(デファレンシャルギヤ)である。
前記ユニット10は、前記モータ12の出力軸20と、前記差動機構16及び車軸18l、18rとの間に、カウンタ軸22を備えている。前記出力軸20は、相互に噛み合うカウンタギヤ対24a、24bを介して前記カウンタ軸22に連結されている。前記ユニット10は、前記モータ12の出力軸20と前記差動機構16との間の動力伝達経路に、ワンウェイクラッチ(一方向クラッチ)26と、相互に噛み合う第1ギヤ対28a、28bとを、備えている。好適には、前記カウンタ軸22と前記差動機構16との間の動力伝達経路に、前記ワンウェイクラッチ26及び第1ギヤ対28a、28bが設けられている。好適には、前記1ギヤ対28a、28bを構成する第1ギヤ28aは、前記ワンウェイクラッチ26を介して前記カウンタ軸22に連結されている。前記1ギヤ対28a、28bを構成する第1ギヤ28bは、前記差動機構16の入力回転部材(例えば、デフケース)に一体的に設けられている。図1においては、前記第1ギヤ対28a、28bに対して前記カウンタ軸22側に前記ワンウェイクラッチ26が設けられた構成を例示しているが、前記第1ギヤ対28a、28bに対して前記差動機構16側に前記ワンウェイクラッチ26が設けられたものであってもよい。
前記ユニット10は、前記モータ12の出力軸20と前記1対の車軸18l、18rとの間の動力伝達経路に、その動力伝達経路を断接する1対のクラッチ30l、30rと、相互に噛み合う第2ギヤ対32la、32lb、32ra、32rbとを、備えている。好適には、前記カウンタ軸22と前記車軸18lとの間の動力伝達経路に、前記クラッチ30l及び第2ギヤ対32la、32lbを備えている。前記カウンタ軸22と前記車軸18rとの間の動力伝達経路に、前記クラッチ30r及び第2ギヤ対32ra、32rbを備えている。好適には、前記2ギヤ対32la、32lbを構成する第2ギヤ32laは、前記クラッチ30lを介して前記カウンタ軸22に、前記2ギヤ対32ra、32rbを構成する第2ギヤ32raは、前記クラッチ30rを介して前記カウンタ軸22に、それぞれ連結されている。前記2ギヤ対32la、32lbを構成する第2ギヤ32lbは、前記車軸18lに、前記2ギヤ対32ra、32rbを構成する第2ギヤ32rbは、前記車軸18rに、それぞれ連結されている。図1においては、前記第2ギヤ対32la、32lb、32ra、32rbに対して前記カウンタ軸22側にクラッチ30l、30rが設けられた構成を例示しているが、前記第2ギヤ対32la、32lb、32ra、32rbに対して前記車軸18l、18r側にクラッチ30l、30rが設けられたものであってもよい。
前記ワンウェイクラッチ26は、前記モータ12の出力軸20側の回転速度が前記差動機構16側の回転速度よりも大きい場合には係合され、小さい場合には解放される配置とされている。換言すれば、前記ワンウェイクラッチ26は、前記カウンタ軸22の回転速度が前記差動機構16の入力回転部材である第1ギヤ28bの回転速度よりも大きい場合には係合(ロック)され、小さい場合には解放される。前記ワンウェイクラッチ26は、前記第2ギヤ32la、32raの回転速度が前記第1ギヤ28aの回転速度よりも大きい場合には係合され、小さい場合には解放される。
前記クラッチ30l、30rは、好適には、図示しない油圧制御回路から供給される油圧に応じてその係合状態が制御される公知の油圧式摩擦係合装置である。或いは、励磁力に応じてその係合状態が制御される公知の磁粉式クラッチ等であってもよい。前記クラッチ30l、30rは、例えば、図示しない電子制御装置からの指令値に応じて前記油圧制御回路から供給される油圧が制御されることにより、その係合状態が係合(完全係合)、半係合(スリップ係合)、解放(完全解放)の間で制御される。
前記第1ギヤ対28a、28bは、前記カウンタ軸22から前記ワンウェイクラッチ26を介して入力される回転を所定の変速比γ1で変速して前記差動機構16へ伝達する。前記第2ギヤ対32la、32lbは、前記カウンタ軸22から前記クラッチ30lを介して入力される回転を所定の変速比γ2で変速して前記車軸18lへ伝達する。前記第2ギヤ対32ra、32rbは、前記カウンタ軸22から前記クラッチ30rを介して入力される回転を所定の変速比γ2で変速して前記車軸18rへ伝達する。本実施例において、前記車軸18lに対応して設けられた前記第2ギヤ対32la、32lbの変速比γ2と、前記車軸18rに対応して設けられた前記第2ギヤ対32ra、32rbの変速比γ2とは等しい。前記第2ギヤ対32la、32lb、32ra、32rbの変速比γ2は、前記第1ギヤ対28a、28bの変速比γ1に比べて小さい(γ2<γ1)。換言すれば、前記第2ギヤ対32la、32lb、32ra、32rbは、前記第1ギヤ対28a、28bに比べてハイギヤとされている。
図5は、本実施例のユニット10との比較のために、従来の車両用モータ駆動ユニット100(以下、単にユニット100という)の構成を示す骨子図である。図5に示すユニット100において、前述した本実施例のユニット10と同等の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。前記ユニット100は、前記モータ12の出力軸20と、前記差動機構16との間に、カウンタ軸102を備えている。前記出力軸20は、相互に噛み合うカウンタギヤ対104a、104bを介して前記カウンタ軸102に連結されている。前記カウンタ軸102は、相互に噛み合うギヤ対106a、106bを介して前記差動機構16に連結されている。すなわち、図5に示すユニット100においては、前記モータ12から出力された駆動力が、前記カウンタギヤ対104a、104b、カウンタ軸102、及びギヤ対106a、106bを介して前記差動機構16へ入力される。前記カウンタギヤ対104a、104b、前記ギヤ対106a、106bは、それぞれ所定の変速比に対応する。
図5に示す従来のユニット100では、前記カウンタギヤ対104a、104b、及び前記ギヤ対106a、106bの変速比によって、前記モータ12の出力軸20から前記差動機構16までの動力伝達経路に係る変速比が定まる。従って、ひとつの変速比(固定変速比)で目標動力線を満足するように前記モータ12を設計する必要があり、低速域のトルクと高速域のトルクとを両立させるためには、大型のモータ12を選定せざるを得ないという不具合があった。前記モータ12から前記差動機構16までがリジッドに連結されており、大型のモータ12を採用した場合、そのモータ12の回転慣性が大きくなり、急制動時等において発生する過大入力の影響も問題となる。旋回時等において、内外輪でトルク分配を行う機構を備えないため、前記ユニット100の作動による旋回性向上には限界があった。
本実施例のユニット10では、前記クラッチ30l、30rの係合状態を制御すること等により、以下のような作動のバリエーションを実現できる。すなわち、前記クラッチ30l、30rの係合状態を係合乃至解放の間で切り替えることにより、前記モータ12の出力軸20から前記差動機構16までの動力伝達に係る変速比を変更する変速機構として作動する。前記ユニット10において、好適には、そのユニット10が搭載された車両の比較的低速走行時(例えば、車速が規定の閾値未満)においては、ローギヤモードとして、前記クラッチ30l、30rを共に解放させる。図2は、前記ユニット10において、前記クラッチ30l、30rを共に解放させた場合における動力の伝達を白抜き矢印で示す図である。この図2に示すように、前記ユニット10において、前記クラッチ30l、30rを共に解放させた場合、前記モータ12から出力された駆動力は前記ワンウェイクラッチ26を介して前記差動機構16へ入力され、その差動機構16を介して前記左右の車軸18l、18r延いては車輪14l、14rへと伝達される。
前記ユニット10において、好適には、そのユニット10が搭載された車両の比較的高速走行時(例えば、車速が規定の閾値以上)においては、ハイギヤモードとして、前記クラッチ30l、30rを共に係合させる。図3は、前記ユニット10において、前記クラッチ30l、30rを共に係合させた場合における動力の伝達を白抜き矢印で示す図である。この図3に示すように、前記ユニット10において、前記クラッチ30l、30rを共に係合させた場合、前記第1ギヤ対28a、28bに対して前記第2ギヤ対32la、32lb、32ra、32rbの方がハイギヤ(変速比が小さい)であるため、前記ワンウェイクラッチ26は空転させられる。前記モータ12から出力された駆動力は前記クラッチ30l、30r及び前記第2ギヤ対32la、32lb、32ra、32rbを介して前記左右の車軸18l、18r延いては車輪14l、14rへと伝達される。
以上のように、本実施例のユニット10においては、前記クラッチ30l、30rの係合状態を係合乃至解放の間で切り替えることにより、前記モータ12から出力される駆動力を、前記ワンウェイクラッチ26、前記第1ギヤ対28a、28b、及び前記差動機構16を介して前記車輪14l、14rへ伝達するローギヤモードと、前記モータ12から出力される駆動力を、前記クラッチ30l、30r、及び前記第2ギヤ対32la、32lb、32ra、32rbを介して前記車輪14l、14rへ伝達するハイギヤモードとを、選択的に成立させられる。すなわち、前記ユニット10は、前記クラッチ30l、30rの係合状態に応じて2段階で変速比を変化させる2段変速機構として機能する。図4は、前記ユニット10における車速とアウトプットトルク(左車軸18lと右車軸18rとのトルクの和)との関係(出力線)を例示する図であり、ローギヤモードにおける出力線を実線で、ハイギヤモードにおける出力線を一点鎖線でそれぞれ示している。図4に示すように、本実施例のユニット10においては、1つのモータ12の出力に対応して2つの態様の出力線(トルク線)を持つことが可能となり、前記ユニット10の出力可能範囲が拡大する。更に、前記モータ12の電費改善も可能となる。
本実施例のユニット10は、前記左右のクラッチ30l、30rの係合力をそれぞれ調整することで、前記モータ12から出力された駆動力の前記左右の車輪14l、14rへの配分比(トルク配分)を制御する動力分配機構として機能する。好適には、前記ハイギヤモードにおいては、運転状況に合わせて、前記左右のクラッチ30l、30rの係合力(トルク容量)をそれぞれ調整することにより、前記左右の車輪14l、14rへのトルク配分割合の制御が可能となる。これにより、例えば中高速度での旋回時における前記左右の車輪14l、14rへの分配の自由度を高め、ドライバビリティを向上させることができる。前記ローギヤモードにおいては、前記ワンウェイクラッチ26が解放(空転)しない範囲で前記左右のクラッチ30l、30rを半係合(スリップ係合)させることで、前記ユニット10を所謂LSD(リミッテド・スリップ・デファレンシャル)として機能させることができる。これにより、例えば車両発進時において、前記ユニット10がLSDとして機能することで、低μ路等においても安定した発進性能を実現することができる。
本実施例のユニット10は、前記左右のクラッチ30l、30rの係合力を調整することで、前記車輪14側から入力される過大なトルクを低減させる過大入力低減機構として機能する。好適には、前記ハイギヤモードにおいて、前記クラッチ30l、30rの締結力(トルク容量)を制御することで、例えば車両の急制動時等における、前記車輪14l、14r側から入力される過大なトルクの入力を低減させる。換言すれば、例えば図示しない前後Gセンサにより検出される車両の前後方向の加速度等に基づいて車両の急制動等が判定される場合には、前記車輪14l、14r側からの過大なトルクの入力を低減させるように、前記クラッチ30l、30rの締結力を制御する。更に好適には、前記車輪14l、14r側からの入力トルクが、予め定められた上限値を超えると予想される場合には、前記車輪14l、14r側からのトルク入力を低減させるように、前記クラッチ30l、30rの締結力を制御する。具体的には、前記クラッチ30l、30rを半係合又は解放させ、前記ワンウェイクラッチ26を空転させることで、前記ユニット10における各部に力が加わらないようにする。更に好適には、前記車輪14l、14r側から入力されるトルクに応じて、前記モータ12から出力される駆動力(出力トルク)を制御する。換言すれば、前記車輪14l、14r側からの過大なトルクの入力を低減させるように、前記モータ12から出力されるトルクを制御する。前記ユニット10に振幅系の力が加わった場合にも、片振り入力となるため入力の低減に繋がるが、前記モータ12を減速させることで、更に入力を低減させることが可能となる。
本実施例のユニット10においては、前記左右のクラッチ30l、30rを共に係合させることで回生を実現する。すなわち、前記車輪14l、14r側から入力されたトルクが、前記車軸18l、18r、前記クラッチ30l、30r、前記カウンタ軸22、前記カウンタギヤ対24、及び前記出力軸20等を介して前記モータ12に入力され、そのモータ12により発電が行われる。
前記実施例1においては、前記第2ギヤ対32la、32lb、32ra、32rbの変速比γ2が、前記第1ギヤ対28a、28bの変速比γ1に比べて小さい構成について説明したが、前記第2ギヤ対32la、32lb、32ra、32rbの変速比γ2が、前記第1ギヤ対28a、28bの変速比γ1に比べて大きい(γ2>γ1)構成にも、本発明は好適に適用される。斯かる構成において、前記ワンウェイクラッチ26は、前記モータ12の出力軸20側の回転速度が前記差動機構16側の回転速度よりも小さい場合には係合され、大きい場合には解放される配置とされる。そのように構成されたユニット10においては、比較的低速での走行時に前記ユニット10を駆動力配分装置として機能させたり、所謂LSD(リミッテド・スリップ・デファレンシャル)として機能させることができる。更に、前記左右のクラッチ30l、30rをスリップ係合させることで、前記車輪14l、14r側から過大なトルクが入力されるのを好適に抑制することができる。
このように、本実施例によれば、前記モータ12の出力軸20と前記差動機構16との間の動力伝達経路に、ワンウェイクラッチ26と、所定の変速比γ1の第1ギヤ対28a、28bとを、備え、前記モータ12の出力軸20と前記車軸18l、18rとの間の動力伝達経路に、その動力伝達経路を断接するクラッチ30l、30rと、所定の変速比γ2の第2ギヤ対32la、32lb、32ra、32rbとを、備え、前記ワンウェイクラッチ26は、前記第2ギヤ対32la、32lb、32ra、32rbの変速比γ2に対する前記第1ギヤ対28a、28bの変速比γ1の大小に応じて、前記モータ12の出力軸20側の回転速度が前記差動機構16側の回転速度よりも大きい場合には係合され、小さい場合には解放される配置、或いは、前記モータ12の出力軸20側の回転速度が前記差動機構16側の回転速度よりも小さい場合には係合され、大きい場合には解放される配置とされていることから、前記クラッチ30l、30rの係合状態を制御すること等により、前記ユニット10を変速機構、左右駆動力分配機構、及びトルク入力低減機構の何れかとして選択的に機能させることができる。すなわち、簡単な構成により作動のバリエーションを実現するユニット10を提供することができる。
以上、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が加えられて実施されるものである。
10:車両用モータ駆動ユニット、12:モータ、14l、14r:車輪、16:差動機構、18l、18r:車軸、20:出力軸、26:ワンウェイクラッチ、28a、28b:第1ギヤ対、30l、30r:クラッチ、32la、32lb、32ra、32rb:第2ギヤ対

Claims (1)

  1. モータと、差動機構と、該差動機構と左右1対の車輪との間に連結された左右1対の車軸とを、備えた車両用モータ駆動ユニットであって、
    前記モータの出力軸と前記差動機構との間に、所定の変速比の第1ギヤ対とワンウェイクラッチとを、直列に備え、
    前記第1ギヤ対と前記一対の車軸の一方および他方との間をそれぞれ断接する一対のクラッチと前記一対のクラッチにそれぞれ直列な所定の変速比の一対の第2ギヤ対とを、前記第1ギヤ対と前記一対の車軸の一方および他方との間に並列に備え、
    前記ワンウェイクラッチは、前記第2ギヤ対の変速比に対する前記第1ギヤ対の変速比の大小に応じて、前記モータの出力軸側の回転速度が前記差動機構側の回転速度よりも大きい場合には係合され、小さい場合には解放される配置、或いは、前記モータの出力軸側の回転速度が前記差動機構側の回転速度よりも小さい場合には係合され、大きい場合には解放される配置とされている
    ことを特徴とする車両用モータ駆動ユニット。
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