JP6197481B2 - ウィンドスクリーン装置 - Google Patents
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Description
ヘッドパイプ111は、後傾する管状の構成を有する。
左右一対のメインフレーム112は、ヘッドパイプ111の後部から後側斜め下に向かって延伸する棒状に形成される。また、左右一対のメインフレーム112は、車幅方向に互いに離間している。
左右一対のリヤフレーム113は、左右一対のメインフレーム112の後部から後方斜め上に向かって延伸する棒状に形成される。また、左右一対のリヤフレーム113は、車幅方向に互いに離間している。
ヘッドパイプ111と、メインフレーム112と、リヤフレーム113は、それぞれ鉄系材料またはアルミニウム合金などといった金属材料により形成され、溶接などによって一体に接合される。
ステアリングシャフト122は、ヘッドパイプ111に回転可能に支持される。
左右一対のフロントフォーク123の上部は、ブラケットを介してステアリングシャフト122に結合される。左右一対のフロントフォーク123の下端部は、前輪121を回転可能に支持する。このほか、左右一対のフロントフォーク123には、前輪121の上部を覆うフロントフェンダ151と、前輪121のブレーキキャリパ152が取り付けられる。
ハンドルユニット124は、ステアリングシャフト122および左右一対のフロントフォーク123の上端部に設けられ、ヘッドパイプ111により回転可能に支持される。ハンドルユニット124は、ハンドルバー125と、ハンドルバー125の左右両端部に設けられるハンドルグリップ126とを有する。このほか、ハンドルユニット124には、前輪121のブレーキキャリパ152を操作するブレーキレバーと、クラッチを操作するクラッチレバーと、自動二輪車1の各部(たとえばヘッドライトユニット21など)を操作するスイッチ類とが設けられる。
シリンダアセンブリ131は、シリンダブロックと、シリンダヘッドと、シリンダヘッドカバーとを含む。シリンダブロックの内部には、燃焼室が形成されるとともに、ピストンが往復動可能に配設される。シリンダヘッドは、シリンダブロックの上側に設けられる。シリンダヘッドには、燃焼室とシリンダブロックの外部とを連通するインテークポートおよびエグゾーストポートが形成される。シリンダヘッドカバーは、シリンダヘッドの蓋となる部材であり、シリンダヘッドの上側に配設される。
クランクケースアセンブリ132の内部には、前寄りにクランク室が形成され、後寄りにミッション室が形成される。クランク室の内部には、クランクシャフトが回転可能に配設される。ミッション室の内部には、カウンターシャフトとドリブンシャフトとが回転可能に配設されるとともに、変速機が設けられる。クランクケースアセンブリ132の左側外部には、ドリブンシャフトの端部が突出している。そして、ドリブンシャフトの端部には、ドライブチェーンスプロケット(図略)が設けられる。ドライブチェーンスプロケットは、スプロケットカバーにより覆われる。
クランクケースアセンブリ132の右側には、クラッチが配設される。クランクケースアセンブリ132の左側であって、ドライブチェーンスプロケットの前側には、発電機であるマグネトと、エンジンユニット13を始動させる始動装置とが設けられる。
左右一対のスイングアーム141は、それらの前端部がメインフレーム112の後端部またはその近傍に連結されており、メインフレーム112に対して上下方向に揺動可能である。スイングアーム141の後端部には、後輪142が回転可能に支持される。
後輪142の左側にはドリブンチェーンスプロケット143が一体に回転するように設けられる。そして、エンジンユニット13のドライブチェーンスプロケットと後輪142のドリブンチェーンスプロケット143には、ドライブチェーン145が巻き掛けられている。エンジンユニット13からの動力は、ドライブチェーン145によって後輪142に伝達される。
左右一対のスイングアーム141のそれぞれと、左右一対のリヤフレーム113のそれぞれとの間には、ショックアブソーバーが設けられる(図1においては隠れて見えない)。ショックアブソーバーは、後輪142から車体フレーム11に伝達する振動や衝撃を緩和する。
シート153の前側であってメインフレーム112の上側には、燃料タンク154が設けられる。
リヤフレーム113の後部には、テールライト155やウィンカーなどの灯火類と、後輪142の上側を覆うリヤフェンダー157とが設けられる。
メインフレーム112の車幅方向外側には、サイドカバー158が設けられる。リヤフレーム113の車幅方向外側には、リヤカバー159が設けられる。サイドカバー158やリヤカバー159は、たとえば合成樹脂などによって形成されるシェル状の部材であり、自動二輪車1の外観の意匠を構成する。
ウィンドスクリーン装置3は、ウィンドスクリーン31を有する。ウィンドスクリーン31は、運転者D(搭乗者)の前方に設けられる。図1(b)に示すように、ウィンドスクリーン31は、前面視において、運転者Dの体の一部に重畳する。
カウリングブレース23は、金属パイプなどによって形成され、前面視において略四辺形の額縁状の構成を有する。
カウリングブレース23には、後傾する管状に形成され、車幅方向に互いに離れて設けられる部分(以下、縦ブレース231と記す)が含まれる。左右の縦ブレース231は、車幅中心線Cを基準として左右対称の位置に設けられる。
さらにカウリングブレース23には、左右の縦ブレース231を連結するように、車幅方向に延伸する管状の複数の部分(以下、横ブレース232と記す)が含まれる。本実施形態では、3本の横ブレース232が設けられる構成の例を示す。中央と最下の横ブレース232には、後方に向かって延伸する管状または棒状の連結部233が設けられる。そして連結部233の後部には、ヘッドパイプ111に連結するためのブラケット234が設けられる。カウリングブレース23は、このブラケット234を介して、ヘッドパイプ111の前側に取り付けられる(図8参照)。
このように、カウリングブレース23が管状の縦ブレース231と横ブレース232とにより略四辺形の額縁状に形成される。このため、左右の縦ブレース231どうしの間には、前後方向に貫通する開口部が形成される。
なお、カウリングブレース23は、この構成に限定されるものではない。カウリングブレース23は、ヘッドパイプ111の前側に位置するように車体フレーム11のいずれかの部分に取り付けられ、かつ、ウィンドスクリーン装置3の左右の回転機構4を互いに車幅方向に離れた位置に取り付けることができる構成であればよい。
ヘッドライトユニット21は、カウリングブレース23の前側に配置される。ただし、カウリングブレース23に開口部が形成される構成であれば、ヘッドライトユニット21の一部がこの開口部を通じてカウリングブレース23の後側に突出していてもよい(図8参照)。このような構成によれば、ヘッドライトユニット21のレイアウトの自由度が向上する。また、自動二輪車1の前上部の小型化、特に前後方向寸法の短縮を図ることができる。
ウィンドスクリーン装置3は、ウィンドスクリーン31と、ウィンドスクリーン31を回転移動可能に支持する支持機構を含む。そして支持機構は、左右の回転機構4からなる。左右の回転機構は、左右(車幅方向)対称の構成を有する。支持機構としての左右の回転機構4は、それぞれ、ベースブラケット41と、支持部材42と、固定機構5(図9と図10においては隠れて見えない)と、付勢機構34と、減衰機構としての回転式ダンパー33と、移動範囲規制機構35とを有する。
図9と図10に示すように、ベースブラケット41は、カウリングブレース23の縦ブレース231の上部に取り付けられている。
支持部材42は、ベースブラケット41に、車幅方向に平行な軸を中心として前後方向(ピッチング方向)に回転可能に連結されている。支持部材42には、ウィンドスクリーン31が取り付けられる。
ウィンドスクリーン31は、支持部材42の回転にともなって回転移動し、位置および角度が変化する。具体的には、ウィンドスクリーン31は、支持部材42と一体となって、前後方向(ピッチング方向)に所定の可動範囲内において回転移動することができる。そして、ウィンドスクリーン31は、可動範囲の最も後側に位置すると、側面視において最も寝た状態になる。一方、可動範囲の最も前側に位置すると、側面視において最も立った状態になる。
固定機構5は、支持部材42の角度(すなわち、ウィンドスクリーン31の位置および角度)を固定する。
付勢機構34は、支持部材42(すなわちウィンドスクリーン31)を、可動範囲の一方の端部に向けて付勢する。本実施形態では、付勢機構34は、ウィンドスクリーン31を後側に向けて付勢する。
減衰機構としての回転式ダンパー33は、ベースブラケット41に対する支持部材42の回転運動(すなわち、ウィンドスクリーン31の運動)を減衰する。これにより、ウィンドスクリーン31の移動を防止または抑制し、ウィンドスクリーン31を安定した状態に維持する。
移動範囲規制機構35は、支持部材42(すなわちウィンドスクリーン31)の可動範囲を規制する。
このように、本実施形態では、ベースブラケット41と、支持部材42と、固定機構5と、減衰機構である回転式ダンパー33を有する支持機構が、車幅方向に2組が並べて設けられるという構成を有する。
また、左右の支持部材が連結部材によって連結される構成であると、運転者Dの前方に連結部材が位置することになる。このため、連結部材によって運転者Dの視界が制限されることがある。これに対して、本実施形態によれば、左右の支持部材42の間には連結部材などが存在しないから、運転者Dの視界を広くすることができる。
また、連結部材が設けられない構成であると、ウィンドスクリーン装置3の可動部分の軽量化を図ることができる。このため、ウィンドスクリーン31の位置の調整における操作性が向上する。
また、左右の回転機構4は左右対称の構成を有しており、それぞれがウィンドスクリーン31の位置を固定する固定機構を有する。このため、ウィンドスクリーンの操作方法は、従来と同じである。
内側プレート部材411の後部は、縦ブレース231の上部に、たとえば溶接などによって接合されている。内側プレート部材411の前上部で、かつ車幅方向の内側には、減衰機構の例である回転式ダンパー33(ロータリーダンパー)の本体331が取り付けられる。回転式ダンパー33は、支持部材42のベースブラケット41に対する運動を減衰させる。これにより、回転式ダンパー33は、ウィンドスクリーン31の振動やがたつきを防止または抑制する。回転式ダンパー33の回転軸332は、車幅方向に平行である。そして、回転式ダンパー33の回転軸332は、内側プレート部材411から車幅方向外側に突出している。なお、右側の回転機構4と左側の回転機構4の回転式ダンパー33は、同軸に配設される。
外側プレート部材412は、内側プレート部材411の車幅方向外側に取り付けられる。そして、内側プレート部材411と外側プレート部材412との間には隙間が形成される。この隙間には、支持部材42の本体部421の一部が挿入されている。このように、内側プレート部材411と外側プレート部材412とは、支持部材42の本体部421を車幅方向内側と外側から挟むようにして回転可能に支持する。
本体部421の下部は、ベースブラケット41の内側プレート部材411と外側プレート部材412との間に入り込んでいる。本体部421の前下部であって、内側プレート部材411と外側プレート部材412との間に入り込んでいる部分は、回転式ダンパー33の回転軸332に結合している。たとえば、支持部材42の前下部には車幅方向に貫通する軸孔が形成され、この軸孔に回転式ダンパー33の回転軸332が嵌め込まれている。そして、支持部材42は、回転式ダンパー33の回転軸332と一体に回転する。このため、支持部材42の回転中心は、回転式ダンパー33の回転軸332の中心となる。前記のとおり、左右の回転式ダンパー33は同軸に配設されているため、左右の支持部材42の回転中心は一致している。
本体部421の上側には、取付部422(ステー)が設けられる。取付部422は、ウィンドスクリーン31を取り付ける部分である。取付部422は、本体部421の上端から後方斜め上かつ車幅方向外側に向かって延伸する帯板状に形成される。取付部422には、たとえば、ウィンドスクリーン31を取り付けるネジなどを挿通するための貫通孔が形成される。なお、取付部422にウィンドスクリーン31を取り付けるための構成は、ネジ止めに限定されるものではない。
固定側係合部413は、ベースブラケット41の外側プレート部材412の最下部に設けられる。また、固定側係合部413は、前面視において回転式ダンパー33の本体331よりも車幅方向外側で、かつ、側面視において回転式ダンパー33の回転軸332よりも後側に設けられる。たとえば、固定側係合部413は、外側プレート部材412の最下部が車幅方向外側に向かって曲げ起こされた舌片状の構成を有する。
可動側係合部423は、支持部材42の後部であって、回転式ダンパー33の回転軸332よりも後側に設けられる。また、可動側係合部423は、前面視において回転式ダンパー33の本体331よりも車幅方向外側に設けられる。さらに、可動側係合部423は、固定側係合部413の上方に位置するように設けられる。たとえば、可動側係合部423は、支持部材42の本体部421の下部から後方に延出し、さらにその先端部が車幅方向外側に延出する舌片状の構成が適用できる。
そして、固定側係合部413と可動側係合部423とに、第1の付勢部材の例であるコイルバネ32が架設される。コイルバネ32は、可動側係合部423を下側に向かって引っ張る。可動側係合部423は、支持部材42の回転中心である回転式ダンパー33の回転軸332よりも後側に設けられている。このため、支持部材42(すなわちウィンドスクリーン31)は、コイルバネ32によって可動範囲の後端側に倒れる向きに付勢される。
係合孔424は、側面視において回転式ダンパー33の回転軸332を中心とする円周方向に延伸する円弧状の長孔である。また、係合孔424は、支持部材42の本体部421を車幅方向に貫通する。
規制ピン414は棒状の部材であり、ベースブラケット41の内側プレート部材411と外側プレート部材412との間に架設される。
そして、支持部材42は、規制ピン414が係合孔424の長手方向(円周方向)の一端の内周面に接触する位置から他端の内周面に接触する位置の間で回転することができる。このように、移動範囲規制機構35によって、支持部材42の可動範囲が規制される。
このような減衰機構が用いられない構成においては、ベースブラケット41と支持部材42との間に架設される付勢部材であるコイルバネ32の付勢力によって、ウィンドスクリーン31の安定性を確保していた。このような構成では、速い衝撃や振動などに対応するためには、コイルバネ32の付勢力(バネ係数)を大きくしなければならない。そうすると、ウィンドスクリーン31を前側に向けて移動させるために要する力が大きくなる。その結果、ウィンドスクリーン31の操作性が低下する。
本実施形態においては、減衰機構である回転式ダンパー33によって、速い衝撃や振動を緩和したり収束させたりする。なお、運転者Dの操作のようなウィンドスクリーン31の遅い移動に対しては、回転式ダンパー33は抵抗にならない。
そして、速い衝撃や振動の緩和や収束を回転式ダンパー33で行わせることにより、コイルバネ32の付勢力を、回転式ダンパー33を備えない構成に比較して小さくすることができる。このため、ウィンドスクリーン31の操作性の低下を防止できる。
また、回転式ダンパー33は、作動時において外形寸法が変化しないため、周囲に他の部材や機器が密集している箇所に配置することが可能である。
さらに、コイルバネ32の付勢力を小さくできるから、コイルバネ32の小型化を図ることができる。したがって、自動二輪車1の前上部の小型化や、前上部における機器のレイアウトの自由度の向上を図ることができる。
係合面511には、爪部材54と係合面511との相対的な移動方向(支持部材42の回転方向)に、所定の間隔をおいて、複数の係合凹部512が形成される。係合凹部512は、半径方向内側に窪む凹部であり、爪部材54の係合爪541(後述)が嵌まり込むことができる構成を有する。また、係合凹部512は、側面視において略V字状に形成される。なお、係合凹部512の数および間隔は特に限定されるものではない。
復帰機構である第1の押圧部52は、係合面511の上側に設けられる。第1の押圧部52は、爪部材54の係合爪541を係合面511に接近する向きに押圧する。本実施形態では、第1の押圧部52は可動側係合部423の下面に設けられる。なお、第1の押圧部52は、爪部材54の係合爪541を係合面511に接近する向きに押すことができる構成であればよく、具体的な構成は限定されるものではない。
第2の押圧部53は、爪部材54の係合爪541を係合面511から離れる向きに押圧する。第2の押圧部53は、係合面511の下側において、係合面511から半径方向外側に向かって張り出すように形成される。なお、第2の押圧部53は、係合面511に対して傾斜する傾斜面を有する。傾斜面よりも下側は、係合面511とほぼ平行な面に形成される。
トーションバネ55は、爪部材54を所定の方向に付勢する。具体的には、図16〜図18に示す状態においては、トーションバネ55は、爪部材54の係合爪541を、係合面511に押し付ける向き(ここでは前転する向き)に付勢する。一方、図19に示す状態においては、トーションバネ55は、爪部材54の係合爪541を、係合面511から離れる向き(ここでは後転する向き)に付勢する。
なお、爪部材54の付勢部材係合部542は、トーションバネ55による付勢力が作用する位置が変更可能に構成される。たとえば、付勢部材係合部542としては、爪部材54の外周に所定の長さを有する凹部に形成される。そして、トーションバネ55の他方のアーム552は、この凹部に引っ掛けられる。このため、トーションバネ55の他方のアーム552が凹部に引っ掛かっている位置(すなわち、第2の付勢部材の付勢力が作用する位置)は、この凹部の長さの範囲内で移動できる。
運転者Dが、ウィンドスクリーン31を可動範囲の後端から前側に向けて回転移動させると、係合面511は爪部材54に対して相対的に上側に向かって移動する。そして、爪部材54の係合爪541は、係合面511の上端部に形成される傾斜面によって後側(半径方向外側)に向かって押され、係合面511に乗り上げる。
なお、前記のとおり、ベースブラケット41と支持部材42との間にはコイルバネ32(第1の付勢部材)が設けられており、ベースブラケット41はコイルバネ32によって下側に向かって(後転する向きに)付勢される。このため、運転者Dは、コイルバネ32の付勢力に抗してウィンドスクリーン31を前側に移動させることになる。
このように、係合爪541が係合凹部512に嵌まり込んだ状態であっても、運転者Dはウィンドスクリーン31を前側に向かってさらに回転移動させることができる。
爪部材54が退避位置に位置すると、係合爪541は係合凹部512に嵌まり込まない。このため、運転者Dは、ウィンドスクリーン31を後側に移動させて、可動範囲の後端に戻すことができる。
なお、図18と図19に示すように、ウィンドスクリーン31の可動範囲の前端よりも後側に所定の距離を離れた位置において、第2の押圧部53は爪部材54を後転するように押圧する。なお、この距離は適宜設定されるものであり、特に限定されるものではない。この距離は、運転者Dがウィンドスクリーン31を前側に向けて移動させた場合において、ウィンドスクリーン31が可動範囲の前端に達するよりも前に、確実に図19に示す状態に遷移させることができる距離であればよい。
また、伸縮式ダンパーは、作動時のストロークを確保するために、ベースブラケット41と支持部材42の回転中心から離れた位置に配設する必要がある。このため、回転機構4の半径方向サイズが大きくなる。これに対して、回転式ダンパー33を用いる構成であると、回転中心から離れた位置に配設する必要がないから、回転機構4の小型化を図ることができる。
なお、伸縮式のダンパーを用いる場合であっても、伸縮式ダンパーをコイルバネ32の内部に配設する構成であれば、回転機構4の大型化を招くことがない。
このような構成であれば、左右の回転機構4を構成する各部材がベースブラケット41および支持部材42の周囲に分散して配置される構成となる。このため、これらの部材を密集して配置する必要がないから、レイアウトの自由度が向上する。また、これらの部材が特定の箇所に集中して配置されることが防止されるから、これらの部材がフロントカバー162の形状に与える影響を小さくできる。したがって、フロントカバー162の意匠の自由度が向上する。
また、回転式ダンパー33を用いることにより、コイルバネ32の小型化を図ることができるから、コイルバネ32やその周辺の部材のレイアウトの自由度が向上する。また、コイルバネ32の小型化によって、フロントカバー162の小型化を図ることができる。特に、コイルバネ32とフロントカバー162の干渉が少なくなり、フロントカバー162の意匠の自由度を高めることもできる。
そして、回転式ダンパー33はベースブラケット41の車幅方向中心側に設けられ、コイルバネ32はベースブラケット41の車幅方向外側に設けられる。一方、回転式ダンパー33は、コイルバネ32の前側に設けられる。このように、高さ方向寸法が大きいコイルバネ32が、回転機構4の後部に配置され、コイルバネ32に比較して小型で作動時に寸法が大きくならない回転式ダンパーが、回転機構4の前部に配置される。このような構成であると、フロントカバー162を前すぼまり形状に形成しやすくなる。したがって、自動二輪車1の外観を細く見えるようにできる。
さらに、固定側係合部413の上側に可動側係合部423が位置する構成であるため、コイルバネ32の軸線が垂直に近くなる。したがって、回転機構4の前後方向寸法の小型化を図ることができる。
さらに、車幅方向の中心に1つの支持機構(回転機構)が設けられる構成であってもよい。この場合であっても、支持機構に回転式のダンパーを設けることによって、発明の効果が得られる。支持機構の構成も、前記のようなラチェット機構を有する構成に限定されるものではない。
Claims (3)
- 前面視において搭乗者の一部に重畳するウィンドスクリーンと、前記ウィンドスクリーンを移動可能に支持する支持機構とを有し、車体の前上部に設けられるウィンドスクリーン装置であって、
前記支持機構は、
車体に設けられるベースブラケットと、
前記ベースブラケットに回転可能に連結されるとともに前記ウィンドスクリーンが取り付けられる支持部材と、
前記支持部材を所定の方向に付勢する付勢部材を有し、前記支持部材と前記ベースブラケットとの角度を固定する固定機構と、
前記支持部材の前記ベースブラケットに対する移動を減衰させる減衰機構と、
を有し、
前記減衰機構は回転式ダンパーであり、
前記ベースブラケットは、内側プレート部材と前記内側プレート部材の車幅方向の外側に取付けられている外側プレート部材との2枚のプレート部材を有し、前記内側プレート部材と前記外側プレート部材との間には隙間が設けられ、
前記回転式ダンパーは内側プレート部材に取付けられ、前記回転式ダンパーの回転軸は車幅方向外側に突出し、
前記支持部材の一部が前記隙間に挿入されて前記回転式ダンパーの前記回転軸に結合し、前記支持部材は前記回転式ダンパーの前記回転軸と一体に回転し、
前記内側プレート部材と前記外側プレート部材とは、前記支持部材を車幅方向内側と外側から挟むようにして回転可能に支持することを特徴とするウィンドスクリーン装置。 - 前記ベースブラケットと前記支持部材と前記固定機構と前記減衰機構とは、車幅方向に並べて2組が設けられ、
各組の前記減衰機構は、前記支持部材の車幅方向の内側に同軸に設けられることを特徴とする請求項1に記載のウィンドスクリーン装置。 - 側面視において、前記付勢部材は前記減衰機構よりも後側に設けられ、
前面視において、前記減衰機構と前記付勢部材とは前記ベースブラケットを挟んで互いに反対側に設けられることを特徴とする請求項1または2に記載のウィンドスクリーン装置。
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