JP6197167B2 - 電気炊飯器 - Google Patents

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Description

本発明は土鍋によりヒータや電磁誘導などを利用した電気的な加熱源からの加熱で炊飯を行う電気炊飯器に関するものである。
電磁誘導加熱調理器用の土鍋は種々知られているし(例えば、特許文献1、2参照)、土鍋を着脱できるよう本体に収容して電気的な加熱源によって炊飯を行う炊飯器も既に知られている(例えば、特許文献3参照。)。特許文献1、2に記載の土鍋はいずれも外面と内外両面との違いはあっても底部に電磁誘導加熱のための発熱層を設けて、電磁誘導加熱により底部から加熱し調理を行うようにしている。特許文献3に記載のものは土鍋の底部外面に磁性加熱部材を設けて誘導加熱コイルからの交番磁界との磁気結合によって電磁誘導加熱し、炊飯を行うようにしている。
特開2005−296161号公報 特開2005−334351号公報 特開2005−413号公報
ところで、炊飯は特に均一加熱がおいしいご飯を炊き上げる重要な条件である。また、炊き上げたご飯の保温時に部分的な温度差があると結露が発生しご飯をべたつかせたり白化させたりするので均一保温が重要である。
本発明者等は、このような観点を踏まえ土鍋を用いた電気炊飯器の実用に向け研究をし実験と検討を繰り返すなか、土鍋の熱伝導性がアルミニウムの1/200と小さいことが原因して、底部からの高出力加熱を炊飯に生かしにくく、その分出力を高めると局部加熱、加熱源自体の異常昇温を招いてしまうことが判明した。また、側部からの低出力加熱による保温でも局部加熱の原因になることが判明した。
本発明者等は、このような実験結果はいずれも従来からある土鍋や特許文献1〜3に記載された土鍋のように、底部から上部にかけて同じ厚みのものを採用していることに気付き解析した、その結果、均等な厚みの土鍋で炊いたご飯のおいしさは炎が土鍋の外面を舐めるように側部にまで及ぶことによる土鍋内での水および米全域での活発な対流を伴い、均一加熱が実現できることによるものと思われるのに対し、電気炊飯での底部からの高出力加熱ではそれに及ばないこと、これを土鍋の厚みを単純に薄くして対応するのでは正立姿勢での耐落下強度が低下して実用できないこと、および側面からの低出力加熱での保温では底部側に加熱が及びにくく局部加熱、保温むらになることを知見した。このような知見のもとに本発明者等は、土鍋での電気炊飯、電気保温が好適に実現できる条件を見出し、本発明を想到するに至った。
本発明の目的は、上記のような知見に基づき耐落下強度を損なわず土鍋で好適な炊飯およびご飯の保温ができる電気炊飯器を提供することにある。
上記のような目的を達成するため、本発明の電気炊飯器は、土鍋と、この土鍋を着脱できるように収容した本体と、本体および土鍋を開閉する蓋体と、土鍋の底部外周の湾曲部とこれに囲われた中央部とに設けた電磁誘導発熱部とこれらに対向して本体側に配した加熱コイルよりなる底部加熱源と、土鍋の側部から加熱する側部加熱源とを備え、底部の外周の湾曲部と中央部との電磁誘導熱部を設けた部分は、この電磁誘導発熱部を含んで、側部加熱源との対向部に対し厚みを薄肉とし、土鍋の底部内面は、凹凸が形成されていることを特徴としている。
このような構成では、土鍋を本体に着脱できるように収容して脚部で載置し、土鍋の底部の外周の湾曲部および中央部に設けた電磁誘導発熱部と、これらに対向して本体側に配した加熱コイルよりなる底部加熱源および側部加熱源からの加熱により炊飯やご飯の保温を行うのに、側部加熱源との対向部に対し厚みが薄肉でも、側部の厚みが大きいことにより耐落下強度を損なうことがなく、底部加熱源との対向部を薄くする分だけ蓄熱容量を下げて底部加熱源からの高出力加熱が炊飯加熱に生きやすくして、しかも厚肉の側部加熱源との対向部への熱移動をも促進するので、土鍋内の水および米全域での活発な対流を伴なう均一加熱での炊飯が可能になる。また、側部加熱源との対向部が底部加熱源との対向部よりも厚く蓄熱容量が高いことで側部加熱源からの低出力加熱がご飯に局部的に及ぶのを緩和するのに併せ、蓄熱容量の小さな底部加熱源との対向部への熱移動を促進するので、均一保温が可能となる。特に、蓋体は、土鍋の開口部の上面に土鍋の側部加熱源との対向部に対応した保温に有利な位置にて、同対向部の厚みに対応する異物噛み込みに対するシール漏れ防止に十分な圧接幅を持ったシールパッキングで圧接して閉じることができる。
本発明のそれ以上の目的および特徴は、以下の詳細な説明および図面によって明らかになる。本発明の各特徴は可能な限りそれ単独で、あるいは種々な組合せで複合して採用することができる。
本発明の電気炊飯器によれば、土鍋にて電気炊飯やご飯の電気保温を行うのに、土鍋の底部の電磁誘導発熱部が設けられる外周の湾曲部および中央部が、薄く側部加熱源との対向部が厚い関係にて実用上の耐落下強度を確保し、薄く蓄熱容量の小さい底部加熱源との対向部で底部加熱源からの高出力加熱を炊飯加熱に生かしながら厚く蓄熱容量の高い側部加熱源との対向部への熱移動を促進して均一加熱での美味しい炊飯ができる。また、側部加熱源との対向部が厚く蓄熱容量が高いことで側部加熱源からの低出力加熱がご飯に局部的に及ぶのを緩和しながら蓄熱容量の小さな底部加熱源との対向部への熱移動を促進して均一保温を可能とし温度差による結露の発生を防止できる。さらに土鍋の脚部が、土鍋の底部の電磁誘導発熱部を有し側部よりも薄肉とされる周辺部と中央部との間に、それらの薄肉であることを損なわずに得て載置部とし電磁誘導発熱部を本体側から浮かせて熱的安全が図れる。特に、蓋体は、土鍋の開口部の上面に土鍋の側部加熱源との対向部に対応した保温に有利な位置にて、同対向部の厚みに対応する異物噛み込みに対するシール漏れ防止に十分な圧接幅を持ったシールパッキングで圧接して閉じるので、炊飯性能、保温性能共にさらに高めることができる。
本発明の実施の形態に係る電気炊飯器の1つの例を示す前後方向での断面図である。 図1の電気炊飯器の左右方向での断面図である。 図1の電気炊飯器の土鍋開口部まわりの断面図である。 本発明の実施の形態に係る電気炊飯器の別の例を示す左右方向での半部の断面図である。 本発明の実施の形態に係る電気炊飯器の土鍋の別の例を示す一部の断面図である。 本発明の実施の形態に係る電気炊飯器の土鍋の他の例を示す一部の断面図である。 本発明の実施の形態に係る電気炊飯器の土鍋の今1つの例を示す一部の断面図である。 本発明の実施の形態に係る電気炊飯器の土鍋のさらに別の例を示す一部の断面図である。 本発明の実施の形態に係る電気炊飯器の平面視円形の土鍋と四角形の土鍋との比較図である。
以下、本発明に係る電気炊飯器の実施の形態について、図1〜図9を参照しながら詳細に説明し本発明の理解に供する。
本実施の形態の電気炊飯器は図1、図2に示すように、土鍋1と、この土鍋1を着脱できるように収容した本体2と、本体2および土鍋1を開閉する蓋体3と、土鍋1の底部から加熱する底部加熱源4と、土鍋1の側部から加熱する側部加熱源5とを備え、土鍋1の底部加熱源4との対向部1aは側部加熱源5との対向部1bよりも薄肉としている。このように、土鍋1を本体2に着脱できるように収容して、底部加熱源4および側部加熱源5からの加熱により炊飯やご飯の保温を行うことになるが、主として底部加熱源4は炊飯用であり、側部加熱源5は保温用である。しかし、これに限られることはなく、双方を炊飯に利用したり、保温に利用したりすることもできる。
土鍋1は主として陶土を焼成したものでよいがセラミック類も含み、既に知られる種々のものを採用することができる。底部加熱源4は土鍋1の底部下の加熱コイル4a1、土鍋1の底部外周部、図示例では底部湾曲部ないしは底部アール形状部まわりの加熱コイル4a2とこれら加熱コイル4a1、4a2からの交番磁界によって渦電流を発生し発熱する導電層4b1、4b2とからなり、導電層4b1、4b2は土鍋1の外面に設けた10〜数十μm程度の銀ペーストの塗布層、銀箔の貼り合わせ層、あるいは銀の蒸着層などでよい。しかし、材料や層形成の方法は自由に選択できる。側部加熱源5はヒータ5aよりなり、土鍋1の側部に対向するアルミニウムや鋼板、ステンレスなどの放熱板5bの外面に押え板5cとの間に挟み込んで装備している。
本体2は外装ケース11と内装ケース12とを持った中空形態をなし、内装ケース12は前記放熱板5bを樹脂製の底部保護枠12aと樹脂製の上部保護枠12bとの間に挟み込んで形成し、底部保護枠12aの外まわりに加熱コイル4a1、4a2を配置し、加熱コイル4a1は樹脂製の中央コイル台13a上に保持し、加熱コイル4a2は中央コイル台13aに支持した外周コイル台13bにより保持して設けている。底部保護枠12aや上部保護枠12bは従来PETで形成されているが、耐熱温度が150℃程度と低くヒータ5aからの熱影響が懸念されるので、耐熱温度が250℃程度と高いPPSとしている。中央コイル台13a、外周コイル台13bの外まわりにはフェライト17を放射上に配置して加熱コイル4a1、4a2が形成する交番磁界の安定を図るようにしている。底部保護枠12aの底部上にはセラミックなどよりなる断熱層14を設けるとともに土鍋1の底部との間にはエアギャップ15を形成し、本体2の底部下への熱影響を防止している。このエアギャップ15は土鍋1の底部外周に形成した環状の脚部1dを、底部保護枠12aの底部外周部の円周上3ヵ所程度に設けた図2に示すシリコンゴムなどよりなる弾性支持台16により支持した高さにて確保している。
外装ケース11はPETなどの樹脂製の底部材11aおよび肩部材11b間に鋼板やステンレスなどの金属製の胴部11cを挟み込んだ構造とし、肩部材11bの内周側を上部保護枠12bと接続し、内装ケース12とで中空の本体2を形成し、内装ケース12との間にエアギャップ18を残して土鍋1を着脱できるように受け入れ、前記弾性支持台16上に載置することで、土鍋1の上端のフランジ1cが肩部材12bの上に図1に示すエアギャップ19ができるようにしている。また、肩部材11bの左右2箇所には図2に示すように土鍋1のフランジ1cとの間にフランジ1cへの手掛りを容易にするための凹部21を形成している。胴部11cの上部には肩部材11bにまで達して軸受したハンドル118を設けてある。
中央コイル台13aの中央には温度センサ22を設けてばね23により底部保護枠12aおよび断熱層14を貫通してその上に常時突出するように付勢し、弾性支持台16上に載置される土鍋1の底部に圧接し、土鍋1の温度をモニタできるようにしている。一方、加熱コイル4a1、4a2、ヒータ5aなどへの給電を行う電源基板24、その通電を温度センサ22による検知温度、本体2の前部の上部に斜めに設けた操作部25からの操作信号などに従って電源基板24からの給電の制御などを行う制御基板26を設け、操作部25の内側には操作に対応するスイッチや表示ランプ、液晶表示部などを装備した操作基板27を設けている。電源基板24は加熱コイル4a1、4a2を高周波駆動するIGBTなどの発熱素子を含み内装ケース12の前部近くに縦向きに配置して、底部材11aのファン設置部28の上に位置するように底部保護枠12aと中央コイル台13aとの間に挟持し、図示しないファンによって冷却するようにしている。制御基板26は外装ケース11の肩部材11bと底部材11aとの間に挟持するなどして支持し、操作基板27の内側にそれとほぼ平行に位置し、電源基板24から大きく離した配置とし、前記ファンからの送風も受けられるようにしている。
蓋体3は本体2の後部に軸31により開閉できるように支持して本体2をその肩部材11bとの間で開閉する外蓋33と、土鍋1を開閉する内蓋34との二重構造としてある。内蓋34はアルミニウムや鋼板、ステンレスなどからなるおねば受皿兼用の放熱板34aの外周に樹脂製の外枠34bを装着し、放熱板34aと外枠34bとの間に基部を挟み込んだくの字状のシールパッキン34cが土鍋1のフランジ1cに上方から密接して土鍋1を閉じるようにしている。外蓋33は樹脂製の外板33aと中央部に金属板33bを嵌め付けた樹脂製の内板33cとで中空に形成し、中央部に調圧用の逆止弁35をもった蒸気放出室36が設けられ、放熱板34aの蒸気孔を通じ蒸気放出室36に流入する蒸気をおねばと分離しながら外部に放出しながら、分離したおねばは放熱板34a上に戻し、放熱板34aはその上に流出し、また蒸気放出室36から戻されたおねばを溜めながらも適度に土鍋1内に戻す。
このような蒸気処理のために、外蓋33の自由端部である前部と本体2の肩部材11bとの間に外蓋33を閉じ状態にロックするロック機構41を設け、ロック状態では外蓋33の内板33cと金属板33bとの間に挟み込んだくの字状のシールパッキン33dが内蓋34の外周上面に圧接して相互間での蒸気漏れを防止し、同時に内蓋34を押圧してそのシールパッキン34cを土鍋1のフランジ1cに圧接させて相互間での蒸気漏れを防止するようにしている。ロック機構41は外蓋33が開き方向へ付勢するばね42に抗して閉じられるとき、その最終段階で前部の係止部43が肩部材11bに軸44で枢支されたロックレバー45の係止片45aに係合してロックレバー45の係止片45aを図1に示す軸44まわりのロック安定位置まで押し込んで閉じ終え、ばね42の付勢によってもロックレバー45は軸まわりに突っ張ってロック解除側に回動させられず、閉じ状態にロックされるようにしている。このロック状態ではロックレバー45の操作部45bが図に示すように肩部材11b上に突出しており、これを前方へ押し倒すと係止片45aが外蓋33の前部を伴い持ち上がり、それ以降は外蓋33がばね42の付勢にてロックレバー45を回動させながら自動的に開かれるようにしている。しかし、外蓋33および内蓋34は一体で開閉できるようにしてもよく、その場合内蓋34を必要に応じ外蓋33から取り外せるようにもできる。
以上の構成によって土鍋1を利用した炊飯および炊飯後のご飯の保温が制御プログラムと使用者の選択、設定操作とによって自動的に達成される。本実施の形態では、特に、土鍋1の底部加熱源4との対向部1aが、側部加熱源5との対向部1bよりも薄肉としているが、底部の外周部に載置部としての脚部を有して側部加熱源5との対向部1bの厚みが大きいこととの協働により耐落下強度を損なうことがない。特に、正立姿勢での落下時の必要強度を満足する。そして、底部加熱源4との対向部1aを薄くする分だけ蓄熱容量を下げて底部加熱源4からの高出力加熱が炊飯加熱に生きやすくするし、厚肉の側部加熱源5との対向部1bへの熱移動をも促進する。従って、土鍋1内の水および米全域での活発な対流を伴なう均一加熱での炊飯が実現する。また、側部加熱源5との対向部1bが底部加熱源4との対向部1aよりも厚く蓄熱容量が高いことで側部加熱源5からの低出力加熱がご飯に局部的に及ぶのを緩和するのに併せ、蓄熱容量の小さな底部加熱源4との対向部1aへの熱移動を促進する。従って、均一保温が可能となる。ここに、土鍋1の側部は、上部が厚肉で、下部が土鍋1の底部アール部を含んで薄肉であるともいえ、薄肉域を土鍋1の耐落下強度一杯になる側部域まで延長することで、土鍋1の薄肉部を利用した底部加熱源4からの高出力加熱による均一加熱での炊飯特性がさらに高まる。土鍋1の厚肉部と薄肉部との間は土鍋1の外面に丸みのある段差部Dをなして連続し、応力集中なく比較的急な厚みの切り換えを達成している。
ここで、1つの実施例を示せば、通常の土鍋では10〜15mm程度の均一厚さとするのが主流であるところを、ムライト−コージェライトを主成分とするセラミック製で、ガラス系の釉薬にて封孔処理をした土鍋1につき、底部加熱源4との対向部1aの厚みを3〜4mm程度、側部加熱源5との対向部1bの厚みを7〜8mm程度として十分な耐落下強度が得られたし、均一加熱による炊飯、均一保温が実現できた。このような寸法関係から土鍋1の厚肉部と薄肉部との厚みの差はほぼ2倍程度とすることもできる。なお、ヒータ5aの放熱板5bと加熱コイル4a2と対向する導電層4b2との間Sは加熱源がないので土鍋1の厚みは小さい程炊飯時の均一加熱には有利であり、3mm程度とするのが好適であり、場合によっては耐落下強度を満足するのを条件に土鍋1の底部加熱源4との対向部1aよりも薄くしてもよい。
なお、本例では図3に示すように土鍋1の開口部は、側部から例えば内側にtだけ増厚させている。これにより、土鍋1の開口部は前記蓋閉じ構造によっても外気の影響を受けて温度低下しやすいが、開口部の側部からの増厚分tにより蓄熱容量が増大して炊飯時の熱を蓄熱して外気による温度低下を抑制し、特に水分の多い炊飯直後の保温開始時でも、温度差による結露が発生するのを防止することができる。このような増厚tはあまり大きいと昇温に時間が掛かりすぎるので6mm未満程度がよく、あまり小さいと蓄熱効果が得られないので3mm程度以上とするのが好適である。また、内蓋34のシールパッキン34cは土鍋1のフランジ1cの平坦な上面1eに圧接するような位置関係とする。また、平坦な上面1eはほぼ水平であるのがより好ましい。これにより、土鍋1の開口の成形誤差が半径で見て金属鍋が±0.5mmであるのに対し±2〜4mmと大きくなるが、そのような誤差範囲ではシールパッキン34cはフランジ1cの上面1eから外れることはないし、圧接幅、シール幅の増大が図れて異物噛み込みによるシール抜け防止にもなり、シール不良の問題を回避できる。それには、土鍋1の開口部の側部からの増厚tを内側に向け増厚すればフランジ1cの上面1eを幅広くしやすく有利である。また、フランジ1cの外周部も土鍋1の側部とほぼ同厚の内周側よりもt1増厚させてあり、土鍋1の開口部強度を高めている。この場合の増厚は図示するように上向きとすることでフランジ1cの上面での外側への汁漏れを防止しやすい利点がある。さらに、土鍋1の脚部1dは導電層4b1、4b2の間に位置しており、導電層4b1、4b2を貼り付ける場合の位置決めとすることができる。しかし、導電層4b1、4b2は図1、図2に示すように土鍋1の表面に埋め込み状態に設けることもでき、そのための凹部は導電層4b1、4b2を設ける場合の位置決めになる上、導電層4b1、4b2が土鍋1の外面と面一か窪む程度に設けると土鍋1を丸洗いするような場合に導電層4b1、4b2の周囲が引っ掛かって剥がれるような不都合を防止しやすくなる。ヒータ5aの外まわりには断熱壁145を設ければヒータ5aの熱を外部に逃がさず保温に効率良く活かせる。
図4に示す例では、側部加熱源5を加熱コイル5dとこの加熱コイル5dからの交番磁界による渦電流にて発熱する導電層5eとで構成しており、導電層5eは土鍋1の内面に設けてある。このような導電層5eの発熱はご飯を直接加熱するので先の例のヒータ5aに比しさらに低出力加熱となるように通電制御し、局部加熱の問題を回避する。もっとも、導電層5eは土鍋1の外面に設けることもできるし、薄くて土鍋1との熱膨張係数の違いに問題がなければ、また問題をなくせば土鍋1内に埋め込んで設けることもできる。これらのことは加熱コイル4a1、4a2の場合も同様である。加熱コイル5dは肩部材11bを内外二重構造にして保護枠およびコイル台に共用することで設置している。なお、加熱コイル5dおよび導電層5eは土鍋1の側部の先の例より高い位置まで延長して設けてあり、炊飯時の加熱域を拡大している。
土鍋1の底部内面は図5に示すような凹凸を所定ピッチで同心配置で形成すると、土鍋1の底部内面の表面積、つまり水および米への加熱面積を外面の受熱面積に比して拡大し加熱効率が向上する上、凹部が形成する薄肉部の熱伝導が凸部が形成する厚肉部よりも高いために、早期昇温による泡の発生、早期沸騰をもたらして、炊飯全域での活発で均一な対流を発生させることができ、これによって炊飯時の均一加熱特性をさらに高められる。
図6、図7に示す例は土鍋1に設ける発熱体としての別の導電層4fを示し、土鍋1側への熱伝導面に矩形や丸型の凹凸を形成して土鍋1への熱伝導面を拡張し、土鍋1およびその内側への加熱効率を高めている。また、この場合導電層4fの凹凸によって形成される土鍋1の薄肉部でも図5の例の場合のような早期昇温による泡の発生、早期沸騰による対流効果を発揮させられる。
図8に示す例は土鍋1の外面に凹凸を形成して導電層4fを設けることで、導電層4fから土鍋1への加熱効率を高めている。この場合も、土鍋1の凹凸による薄肉部にて図5の例の場合のような早期昇温による泡の発生、早期沸騰による対流効果を発揮させられる。
さらに、図6〜図8に示す各例のように導電層4fの裏面に断熱層4gを設けておけば熱が外部に逃げるのを防止でき、これによっても加熱効率が高まる。
既述のものは平面視円形の土鍋1を用いているが、図9に示すように平面視四角形の土鍋101を用いると、土鍋1に外接する大きさで図9に斜線を施した分だけ横断面積が増大し、この横断面積が増大した分だけ土鍋101の高さH2を土鍋1の高さH1よりもΔH小さくして同じ容量とすることができる。従って、土鍋1、101は金属鍋に比べて嵩張りやすいが、四角形とすることで嵩低く設けられる。
本発明は土鍋を用いた電気炊飯にて、土鍋の落下強度を損なうことなく均一加熱の炊飯および均一保温が実現する。
1 土鍋
1a、1b 対向部
1c フランジ
2 本体
3 蓋体
4 底部加熱源
4a1、4a2 加熱コイル
4b1、4b2 導電層
5 側部加熱源
5a ヒータ
5b 放熱板
5c 押え板
5d 加熱コイル
5e 導電層
11 外装ケース
12 内装ケース
t 増厚

Claims (1)

  1. 土鍋と、この土鍋を着脱できるように収容した本体と、本体および土鍋を開閉する蓋体と、土鍋の底部外周の湾曲部とこれに囲われた中央部とに設けた電磁誘導発熱部とこれらに対向して本体側に配した加熱コイルよりなる底部加熱源と、土鍋の側部から加熱する側部加熱源とを備え、底部の外周の湾曲部と中央部との電磁誘導熱部を設けた部分は、この電磁誘導発熱部を含んで、側部加熱源との対向部に対し厚みを薄肉とし、土鍋の底部内面は、凹凸が形成されていることを特徴とする電気炊飯器。
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