JP6196844B2 - 潤滑油用添加剤、潤滑油用添加剤組成物及びそれを含有する潤滑油組成物 - Google Patents

潤滑油用添加剤、潤滑油用添加剤組成物及びそれを含有する潤滑油組成物 Download PDF

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Description

本発明は、潤滑油に使用することができる取扱いが容易なリン系の耐磨耗剤、及びそれを含有する潤滑油組成物に関する。
潤滑油は、工業用機械や自動車等に幅広く使用されている。多くは金属同士の摩擦磨耗の低減や、摺動部の発熱を低減させるためであり、そのために潤滑油には様々な添加剤が添加されている。
金属の磨耗を低減させる添加剤としては、トリフェニルホスフェイト、トリクレジルホスフェイト、チオリン酸エステル等のリン系化合物や、硫化油脂、オレフィンポリスルフィド、ジベンジルスルフィド等の硫黄系化合物がよく利用されるが、条件の厳しい潤滑領域では、これらの磨耗防止剤より更に効果の高いものが望まれていた。
こうした要望から、更に磨耗防止効果の高い磨耗防止剤としてポリマー型のリン化合物が開発されている(例えば、特許文献1、2を参照)。これらの化合物は潤滑油用の添加剤として、高い磨耗防止効果を持つものであるが、製品形態が固体や高粘度であるため取扱いが困難な場合や、基油に溶解しにくいといった欠点があった。そこで市場からは液状で取扱い易く基油への溶解性が良好で、且つ磨耗防止効果の高い磨耗防止剤が求められていた。
特開2011−178990号公報 特開2012−107108号公報
従って、本発明が解決しようとする課題は、良好な磨耗防止効果を持ちながら、液状で取り扱い易い潤滑油用の磨耗防止剤を提供することにある。
そこで本発明者らは鋭意検討し、本発明に至った。即ち、本発明は、(A)成分として、下記の一般式(1)で表される化合物、及び(B)成分として、一般式(5)で表される化合物を含む潤滑油用添加剤組成物であって、Xを構成するアリール基を除く全アリール基中のフェニル基の割合が3〜30モル%である潤滑油用添加剤組成物である。
Figure 0006196844
(式中、Xは下記の式(2)〜(4)で表されるいずれかの基を表し、nは1〜10の数を表し、R〜Rは水素原子又は炭素数3〜5のアルキル基を表す。但し、R〜Rのいずれかの置換基を2つ有するアリール基において、当該2つの置換基がいずれも水素原子であるアリール基が1〜3つなければならない。)
Figure 0006196844
Figure 0006196844
(式中、Xは式(2)〜(4)で表されるいずれかの基を表し、mは1〜10の数を表し、R〜R16は水素原子又は炭素数3〜5のアルキル基を表す。但し、R〜R16のいずれかの置換基を2つ有するアリール基において、当該2つの置換基がいずれも水素原子になることはない。)
本発明の効果は、良好な磨耗防止効果を持ちながら、液状で取扱い易く、基油への溶解性が良好な潤滑油用の磨耗防止剤を提供したことにある。
本発明は、(A)成分として、下記の一般式(1)で表される化合物、及び(B)成分として、一般式(5)で表される化合物を含む潤滑油用添加剤組成物であって、Xを構成するアリール基を除く全アリール基中のフェニル基の割合が3〜30モル%である潤滑油用添加剤組成物である。
本発明では、(A)成分として、下記の一般式(1)で表される化合物を使用する。
Figure 0006196844
(式中、Xは下記の式(2)〜(4)で表されるいずれかの基を表し、nは1〜10の数を表し、R〜Rは水素原子又は炭素数3〜5のアルキル基を表す。但し、R〜Rのいずれかの置換基を2つ有するアリール基において、当該2つの置換基がいずれも水素原子であるアリール基が1〜3つなければならない。)
Figure 0006196844
一般式(1)のR〜Rはそれぞれ独立して水素原子、又は炭素数3〜5のアルキル基を表わす。こうしたアルキル基としては、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ターシャリブチル基、ペンチル基、イソペンチル基等が挙げられる。これらの中でも、磨耗防止効果と製品形態が液体になるかどうかのバランスから、分岐のアルキル基が好ましく、ターシャリブチル基がより好ましい。
ここで、R〜Rのいずれかの置換基を2つ有するアリール基は、当該2つの置換基がいずれも水素原子であるアリール基(フェニル基)が1〜3つなければならない。炭素数3〜5のアルキル基を有するアリール基と、フェニル基が分子中に混在することにより、高い磨耗防止効果と取り扱いやすい液状の製品形態を得ることができる。
〜Rが全て炭素数3〜5のアルキル基の場合、製品形態は固体あるいは高粘度になる場合や、磨耗防止効果が低下してしまう場合がある。
一方、R〜Rが全て水素原子の場合は製品が基油に溶解しにくくなり、R〜Rが炭素数1又は2のアルキル基、若しくは水素原子の場合は、水素原子の割合に係わらず製品が基油に溶解しにくくなる。一方、炭素数6以上のアルキル基の場合、水素原子の量に係らず、磨耗防止効果が低下してしまう場合や、製品形態が固体あるいは高粘度になる場合がある。
一般式(1)のXは、下記の式(2)〜(4)のいずれかで表される。これらの中でも、一般式(1)の化合物を製造する上で原料事情が好ましい場合や、磨耗防止効果が高い場合があることから、式(2)または式(3)で表される基が好ましい。なお、一般式(2)で表される基の場合、結合する箇所によってオルト体、メタ体及びパラ体の3つの構造になるが、いずれの構造であってもよく、これらの違いによって性能は変わらない。
Figure 0006196844
一般式(1)のnは平均重合度を表わし、nは1〜10の数である。本発明において摩耗防止剤としてnの異なる複数の化合物が共存する場合は、nは平均重合度として表される。平均重合度は本発明品の有効成分のモル比から計算され、例えば、n=1の化合物が50モル%、且つn=2の化合物が50モル%の組成ならば、平均重合度は1.5となる。なお、nの値は高速液体クロマトグラフィーの測定結果から算出できる。
一般式(1)で表される化合物で構成される(A)成分は、平均重合度nが1〜10であれば、n=0(リン酸トリフェニル)又はnが11以上の化合物を含有しても良いが、これらの含有量は(A)成分100質量部に対して10質量部以下が好ましく、5質量部がより好ましく、2質量部以下が更に好ましい。10質量部以上含有すると、摩耗防止剤としての効果を効率よく発揮できない場合がある。
摩耗防止剤としてより高い効果を得るために、一般式(1)のnの平均は、1.0〜5.0であることが好ましく、1.0〜2.0がより好ましく、1.0〜1.8が更に好ましく、1.0〜1.5が最も好ましい。nの平均が5.0を超える場合は摩耗防止効果が小さくなる場合や基油に対して溶解しない場合がある。
また、nは上記の平均重合度を満たせば、nの組成比の制限は特にないが、十分な効果を得るためには、モル比で、n=1が30〜90%且つn=2〜10が10〜70%が好ましく、n=1が70〜90%、且つn=2〜10が10〜30%がより好ましい。n=1が30モル%未満の場合や90モル%より多い場合は基油への溶解が困難になる場合や摩耗防止効果が小さくなる場合がある。
本発明の潤滑油用添加剤組成物は、(B)成分として、一般式(5)で表される化合物を含む。
Figure 0006196844
(式中、Xは式(2)〜(4)で表されるいずれかの基を表し、mは1〜10の数を表し、R〜R16は水素原子又は炭素数3〜5のアルキル基を表す。但し、R〜R16のいずれかの置換基を2つ有するアリール基において、当該2つの置換基がいずれも水素原子になることはない。)
一般式(5)のXは一般式(1)のXと同じであり、式(2)〜(4)のいずれかで表される。これらの中でも、一般式(1)の化合物を製造する上で原料事情が好ましい場合や、磨耗防止効果が高い場合があることから、式(2)または式(3)で表される基が好ましい。なお、一般式(2)で表される基の場合、結合する箇所によってオルト体、メタ体及びパラ体の3つの構造になるが、いずれの構造であってもよく、これらの違いによって性能は変わらない。
一般式(5)のmは平均重合度を表わし、mは1〜10の数である。本発明において摩耗防止剤としてmの異なる複数の化合物が共存する場合は、mは平均重合度として表される。平均重合度は本発明品の有効成分のモル比から計算され、例えば、m=1の化合物が50モル%、且つm=2の化合物が50モル%の組成ならば、平均重合度は1.5となる。なお、mの値は高速液体クロマトグラフィーの測定結果から算出できる。
一般式(5)で表される化合物で構成される(B)成分は、平均重合度mが1〜10であれば、m=0(リン酸トリアルキルフェニル)又はmが11以上の化合物を含有しても良いが、これらの含有量は(B)成分100質量部に対して10質量部以下が好ましく、5質量部がより好ましく、2質量部以下が更に好ましい。10質量部以上含有すると、摩耗防止剤としての効果を効率よく発揮できない場合がある。
摩耗防止剤としてより高い効果を得るために、一般式(5)のmの平均は、1.0〜5.0であることが好ましく、1.0〜2.0がより好ましく、1.0〜1.8が更に好ましく、1.0〜1.5が最も好ましい。mの平均が5.0を超える場合は摩耗防止効果が小さくなる場合や基油に対して溶解しない場合がある。
また、上記nの値とmの値との関係において、nが1.0〜2.0であるときにmが1.0〜2.0であることが好ましく、nが1.2の時に、mが1.2であるときが特に好ましい。
また、mは上記の平均重合度を満たせば、mの組成比の制限は特にないが、十分な効果を得るためには、モル比で、m=1が30〜90%且つm=2〜10が10〜70%が好ましく、m=1が70〜90%、且つm=2〜10が10〜30%がより好ましい。m=1が30モル%未満の場合や90モル%より多い場合は基油への溶解が困難になる場合や摩耗防止効果が小さくなる場合がある。
一般式(5)のR〜R16はそれぞれ独立して水素原子、又は炭素数3〜5のアルキル基を表わす。こうしたアルキル基としては、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ターシャリブチル基、ペンチル基、イソペンチル基等が挙げられる。これらの中でも、磨耗防止効果と製品形態が液体になるかどうかのバランスから、分岐のアルキル基が好ましく、ターシャリブチル基がより好ましい。
本発明の潤滑油添加剤組成物は、一般式(1)で表される化合物と一般式(5)で表される化合物との混合物であって、Xを構成するアリール基を除く全アリール基中のフェニル基の割合が3〜30モル%の混合物であり、4〜20モル%の混合物が好ましく、4〜10モル%の混合物が更に好ましい。なお、一般式(5)で表される化合物には当該フェニル基は存在しないため、この場合のフェニル基とは、一般式(1)で表される化合物が有するフェニル基のことである。
フェニル基の割合が3モル%未満になると製品粘度が高くなり、磨耗防止効果が低下する。30モル%を超えると基油への溶解性が低下する。
本発明の潤滑油用添加剤組成物は、公知の方法で製造することが可能である。例えば、ベンゼンジオールとオキシ塩化リンとを反応させた後に、アルキルフェノール及びフェノールを反応する方法が存在する。この方法により、一般式(1)で表される化合物および一般式(5)で表される化合物の混合物を調製することができる。
例えば、触媒の存在下、ベンゼンジオール1モルに対し、オキシ塩化リンを2〜6モル(好ましくは3〜5モル)添加して、これらの化合物を反応させ、必要であれば、未反応のオキシ塩化リンを除去した後、この反応生成物に、炭素数3〜5のアルキル基を有するモノもしくはジアルキルフェノールを2.8〜3.8モル(好ましくは3.0〜3.8モル)、フェノールを0.1〜1.2モル(好ましくは0.2〜1.2)を反応させることにより得られる。
なお上記ベンゼンジオール以外に、ビスフェノールA(一般式(3)に対応)や4−ヒドロキシ−4−フェニルフェノール(一般式(4)に対応)も使用することができる。
ベンゼンジオールとオキシ塩化リンを反応させるときは、温度は80〜120℃の範囲で3〜10時間程度反応させればよい。その際、反応時間を短縮する目的で必要であれば触媒を使用することができる。触媒としては、四塩化チタン、塩化ハフニウム、塩化ジルコニウム、塩化アルミニウム、塩化マグネシウム、塩化ガリウム、塩化インジウム、塩化鉄、塩化スズ、フッ化硼素等の金属ハロゲン化物;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ソジウムメチラート、炭酸ナトリウム等のアルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物、アルコラート物、炭酸塩;酸化アルミニウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化ナトリウム等の金属酸化物;テトライソプロプルチタネート、ジブチル錫ジクロライド、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ビス(2−エチルヘキシルチオグリコレート)等の有機金属化合物が挙げられる。これらの触媒を使用する場合は、ベンゼンジオールとオキシ塩化リンの合計量に対して0.01〜0.5質量%になるように系内に添加すればよい。
ベンゼンジオールとオキシ塩化リンの反応後、未反応のオキシ塩化リンが系内に残留している場合はこれらを除去することが好ましい。除去の方法は特に指定されるものではなく、公知の方法のいずれも使用することができるが、容易に除去することができることから減圧にして除去することが好ましい。具体的には、系内を5×10〜5×10Paに減圧し、更に90〜140℃に昇温して減圧蒸留にて除去することが好ましい。
上記反応の終了後、系内を80〜120℃にして、モノ又はジアルキルフェノール及びフェノールを所定の量添加し、3〜10時間反応することで本発明の潤滑油添加剤組成物を得ることができる。なお、触媒を使用した場合は、ろ過や吸着剤による吸着等の公知の方法で除去すればよい。
また、一般式(1)化合物および一般式(5)化合物をそれぞれ合成して、Xを構成するアリール基を除く全アリール基中のフェニル基の割合が所定の範囲になるように混合することで本発明の潤滑油用添加剤組成物を得ることができる。
一般式(1)で表される化合物を製造する方法としては、公知の方法であればいずれの方法を使用してもよく、例えば、1モルのベンゼンジオールに1モルのクロロリン酸ジフェニル及び1モルのクロロリン酸ジアルキルフェニルを反応させる方法、1モルのベンゼンジオールにジクロロリン酸フェニルを反応させ、この反応生成物にさらにアルキルフェノールを反応させること等が挙げられる。
一般式(5)で表される化合物を製造する方法として、上記一般式(1)で表される化合物と同様な方法で、1モルのベンゼンジオールに2モルのクロロリン酸ジアルキルフェニルを反応させる方法が挙げられる。
さらに、本発明者らは、上記の(A)成分に該当する一般式(1)で表される化合物が、単独で、良好な磨耗防止効果を持ちながら、液状で取り扱い易い潤滑油用の磨耗防止剤として使用できることも見出した。つまり、本発明は、一般式(1)からなる潤滑油用添加剤も提供する。
Figure 0006196844
(式中、Xは下記の式(2)〜(4)で表されるいずれかの基を表し、nは1〜10の数を表し、R〜Rは水素原子又は炭素数3〜5のアルキル基を表す。但し、R〜Rのいずれかの置換基を2つ有するアリール基において、当該2つの置換基がいずれも水素原子であるアリール基が1〜3つなければならない。)
Figure 0006196844
本発明の一般式(1)からなる潤滑油用添加剤における、一般式(1)のR〜R、nなどの内容は上記の(A)成分としての説明を準用する。また、一般式(1)で表される化合物の製造方法も上記の通りである。
〜Rが全て炭素数3〜5のアルキル基の場合、製品形態は固体あるいは高粘度になる場合や、磨耗防止効果が低下してしまう場合がある。なお、例えば一般式(1)のn=1において、R、R、R及びRが水素原子であって、R、R、R及びRがアルキル基の場合、製品粘度が高くなってしまう。しかし、R、R、R及びRが水素原子であって、R、R、R及びRがアルキル基の場合は、前記の化合物と分子中の水素原子の割合は同じであるが、製品粘度は低くなる。
一方、R〜Rが全て水素原子の場合は製品が基油に溶解しにくくなり、R〜Rが炭素数1又は2のアルキル基、若しくは水素原子の場合は、水素原子の割合に係わらず製品が基油に溶解しにくくなる。一方、炭素数6以上のアルキル基の場合、水素原子の量に係らず、磨耗防止効果が低下してしまう場合や、製品形態が固体あるいは高粘度になる場合がある。
本発明の潤滑油用添加剤組成物及び本発明の潤滑油用添加剤は、各種潤滑油に添加して使用することができる。これらの潤滑油に使用できる基油は、公知の基油であれば種類を選ばず使用できるが、一般的に使用される鉱油、合成油及びこれらの混合物を基油とすることが好ましい。具体的には、例えば、ポリ−α−オレフィン、エチレン−α−オレフィン共重合体、ポリブテン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、ポリアルキレングリコール、ポリフェニルエーテル、アルキル置換ジフェニルエーテル、ポリオールエステル、芳香族エステル、ペンタエリスリトール骨格を持つヒンダードエステル、二塩基酸エステル、炭酸エステル、GTL等の合成油;パラフィン系鉱油、ナフテン系鉱油あるいはこれらを精製した精製鉱油等が挙げられる。これらの基油はそれぞれ単独で用いてもよく、混合物で用いてもよい。
本発明の潤滑油組成物は、本発明の潤滑油用添加剤組成物及び本発明の潤滑油用添加剤を基油に対して0.01〜10質量%含有させたものであるが、0.05〜7質量%が好ましく、0.1〜5質量%が更に好ましい。配合量が少なすぎると摩耗防止剤としての効果が発揮できない場合があり、配合量が多すぎると不溶解物がでてくる場合や配合量に見合った効果を得られない場合がある。
本発明の潤滑油組成物は、公知の潤滑油添加剤の添加を拒むものではなく、使用目的に応じて、本発明以外の摩耗防止剤、摩擦調整剤、金属系清浄剤、無灰分散剤、酸化防止剤、摩擦低減剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、防錆剤、腐食防止剤、耐荷重添加剤、消泡剤、金属不活性化剤、乳化剤、抗乳化剤、かび防止剤などを本発明の効果を損なわない範囲で添加してもよい。
なお、一般式(1)の化合物を単独で潤滑剤用添加剤として使用する場合は、一般式(5)の化合物を含まないことが好ましい。
本発明の潤滑油組成物は、潤滑油が使用できる用途であればいずれの用途にも使用できる。これらの用途としては、例えば、エンジン油、変速機用潤滑油、ギヤー油、タービン油、作動油、難燃性作動液、冷凍機油、コンプレッサー油、真空ポンプ油、軸受油、しゅう動面油、ロックドリル油、金属加工油、塑性加工油、熱処理油、グリース、加工油等が挙げられるが、本発明の潤滑油組成物は摩耗防止効果が高いことから、エンジン油、変速機用潤滑油、ギヤー油、タービン油、軸受油、しゅう動面油、ロックドリル油、加工油等に使用することが好ましい。
以下本発明を実施例により、具体的に説明する。実施例に使用した化合物及び組成物の製造方法を下記に記す。なお、各化合物及び組成物の製造に使用した原料の種類及び配合量は、表1に記した。
(製造1)
攪拌機、温度計、窒素導入管を備えた1000ml4つ口フラスコに、水スクラバーを連結したコンデンサーを取り付け、1,3−ベンゼンジオール110g(1.0mol)、ジクロロリン酸フェニル422g(2.0mol)及び触媒として塩化マグネシウム0.5gを仕込み、反応装置内の雰囲気を窒素で置換後、温度を徐々に100℃まで5時間かけて昇温させた。同温度にて2時間熟成後、系内に4−ターシャリブチルフェノール300g(2.0mol)を添加し、更に4時間熟成して反応を終了した。その後、常法により触媒を除去し、140℃にて減圧乾燥して本発明品1を得た。なお、同様の装置及び方法によって本発明品2及び比較品1〜3を製造した(いずれも平均重合度は1)。
(製造2)
攪拌機、温度計、窒素導入管を備えた1000ml4つ口フラスコに、水スクラバーを連結したコンデンサーを取り付け、1,3−ベンゼンジオール110g(1.0mol)、クロロリン酸ジ(4−ターシャリブチルフェニル)649g(2.0mol)及び触媒として塩化マグネシウム0.5gを仕込み、反応装置内の雰囲気を窒素で置換後、温度を徐々に100℃まで5時間かけて昇温させた。同温度にて2時間熟成して反応を終了した。その後、常法により触媒を除去し、140℃にて減圧乾燥して比較品4を得た(いずれも平均重合度は1)。
(製造3)
攪拌機、温度計、窒素導入管を備えた1000ml4つ口フラスコに、水スクラバーを連結したコンデンサーを取り付け、1,3−ベンゼンジオール110g(1.0mol)、オキシ塩化リン608g(4.0mol)及び触媒として塩化マグネシウム0.5gを仕込み、反応装置内の雰囲気を窒素で置換後、温度を徐々に100℃まで5時間かけて昇温させた。同温度にて2時間熟成後、減圧の上130℃に昇温して更に熟成を2時間行った。この反応液に4−ターシャリブチルフェノール570g(3.8モル)とフェノール19g(0.2モル)の混合物を添加して100℃で5時間熟成させ、反応を終了した。その後、常法により触媒を除去し、140℃にて減圧乾燥し、本発明品3を得た(平均重合度1.2)。同様の装置及び方法によって本発明品3〜5及び比較品5〜8を製造した。なお製法上、製造3の方法によって製造されたものは、一般式(1)で表される化合物と一般式(5)で表される化合物との混合物となっており、いずれも平均重合度は1.2である。
Figure 0006196844
原料1:1,3−ベンゼンジオール
原料2:ジクロロリン酸フェニル
原料3:4−ターシャリブチルフェノール
原料4:2,6−ジターシャリブチルフェノール
原料5:フェノール
原料6:4−エチルフェノール
原料7:4−ヘキシルフェノール
原料8:クロロリン酸ジ(4−ターシャリブチルフェニル)
原料9:オキシ塩化リン
原料10:4−ブチルフェノール
(補足説明)
本発明品1:一般式(1)においてn=1、R及びRがターシャリブチル基、R〜Rが水素原子
本発明品2:一般式(1)においてn=1、R、R、R及びRがターシャリブチル基、R〜Rが水素原子
比較品1:一般式(1)においてn=1、R〜Rが水素原子
比較品2:一般式(1)においてn=1、R及びRがエチル基、R〜Rが水素原子
比較品3:一般式(1)においてn=1、R及びRがヘキシル基、R〜Rが水素原子
比較品4:一般式(1)においてn=1、R、R、R及びRがターシャリブチル基、R、R、R及びRが水素原子
本発明品3:一般式(1)及び一般式(5)で表される化合物の混合物(n=1.2、m=1.2)で、R〜R16はターシャリブチル基と水素原子。混合物中のフェニル基の割合は5モル%
本発明品4:一般式(1)及び一般式(5)で表される化合物の混合物(n=1.2、m=1.2)で、R〜R16はターシャリブチル基と水素原子。混合物中のフェニル基の割合は25モル%
本発明品5:一般式(1)及び一般式(5)で表される化合物の混合物(n=1.2、m=1.2)で、R〜R16はターシャリブチル基と水素原子。混合物中のフェニル基の割合は5モル%
本発明品6:一般式(1)及び一般式(5)で表される化合物の混合物(n=1.2、m=1.2)で、R〜R16はブチル基と水素原子。混合物中のフェニル基の割合は5モル%
比較品5:一般式(1)及び一般式(5)で表される化合物の混合物(n=1.2、m=1.2)で、R〜R16はターシャリブチル基と水素原子。混合物中のフェニル基の割合は35モル%
比較品6:一般式(1)及び一般式(5)で表される化合物の混合物(n=1.2、m=1.2)で、R〜R16はターシャリブチル基と水素原子。混合物中のフェニル基の割合は0モル%
比較品7:一般式(1)及び一般式(5)で表される化合物の混合物(n=1.2、m=1.2)で、R〜R16は水素原子。混合物中のフェニル基の割合は100モル%
比較品8:一般式(1)及び一般式(5)で表される化合物の混合物(n=1.2、m=1.2)で、R〜R16はエチル基と水素原子。混合物中のフェニル基の割合は5モル%
比較品9:一般式(1)及び一般式(5)で表される化合物の混合物(n=1.2、m=1.2)で、R〜R16はヘキシル基と水素原子。混合物中のフェニル基の割合は5モル%
<流動性試験>
得られた化合物が液体か固体かの判断は、ASTM D4359−90の試験方法に準拠して判定した。即ち、100mlのスクリュー管(深さ100mm)に化合物又は組成物を20ml入れ、38℃の高温槽に24時間放置した。その後スクリュー管を取り出して机の上に逆さに立て、3分間管内の化合物等を観察した。3分以内に50mm以上化合物等が流れれば、当該化合物等は液体であり、50mm未満であれば固体と判定した。
<溶解性試験>
動粘度4.1mm/s(100℃)、18.3mm/s(40℃)、粘度指数(VI)=126の鉱物油に、化合物又は組成物を0.5質量%及び1質量%になるように添加した。30分間攪拌した後、25℃の高温槽に3時間放置し、放置後の液の状態を以下の基準で評価した。
○:透明液状
△:液に曇りが見られる
×:溶け残りが確認できる
<潤滑性試験>
上記の溶解性試験で使用した1質量%溶解させたサンプルを使用して、シェル式高速四球試験機にて、荷重40kg、油温40℃、回転数1,500rpm、時間10分間の条件で、ボールの摩耗痕径を測定した。
Figure 0006196844

Claims (11)

  1. (A)成分として、下記の一般式(1)表される化合物及び、(B)成分として、一般式(5)で表される化合物を含む潤滑油用添加剤組成物であって、Xを構成するアリール基を除く全アリール基中のフェニル基の割合が3〜30モル%であることを特徴とする潤滑油用添加剤組成物。
    Figure 0006196844
    (式中、Xは下記の式(2)〜(4)で表されるいずれかの基を表し、nは1〜10の数を表し、R〜Rは水素原子又は炭素数3〜5のアルキル基を表す。但し、R〜Rのいずれかの置換基を2つ有するアリール基において、当該2つの置換基がいずれも水素原子であるアリール基が1〜3つなければならない。)
    Figure 0006196844
    Figure 0006196844
    (式中、Xは式(2)〜(4)で表されるいずれかの基を表し、mは1〜10の数を表し、R〜R16は水素原子又は炭素数3〜5のアルキル基を表す。但し、R〜R16のいずれかの置換基を2つ有するアリール基において、当該2つの置換基がいずれも水素原子になることはない。)
  2. 前記炭素数3〜5のアルキル基がターシャリブチル基であることを特徴とする、請求項1に記載の潤滑油用添加剤組成物。
  3. 一般式(1)のnが1〜2の数を表し、一般式(5)のmが1〜2の数を表すことを特徴とする、請求項1または2に記載の潤滑油用添加剤組成物。
  4. 一般式(1)のnが1.2の数を表し、一般式(5)のmが1.2の数を表すことを特徴とする、請求項3に記載の潤滑油用添加剤組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の潤滑油添加剤組成物を基油に対して0.1〜10質量%含有させたことを特徴とする潤滑油組成物。
  6. (i)1モルの、ベンゼンジオール、ビスフェノールAまたは4−ヒドロキシ−4−フェニルフェノールに対し、オキシ塩化リンを2〜6モル添加して、これらの化合物を反応させる工程、
    (ii)工程(i)の反応生成物に、炭素数3〜5のアルキル基を有するモノもしくはジアルキルフェノールを2.8〜3.8モル、フェノールを0.1〜1.2モルを反応させる工程を含む、潤滑油用添加剤組成物の製造方法。
  7. 前記工程(i)の後、未反応のオキシ塩化リンを除去することを含む、請求項6に記載の潤滑油用添加剤組成物の製造方法。
  8. 下記一般式(1)で表される化合物からなる潤滑油用添加剤。
    Figure 0006196844
    (式中、Xは下記の式(2)〜(4)で表されるいずれかの基を表し、nは1〜10の数を表し、R〜Rは水素原子又は炭素数3〜5のアルキル基を表す。但し、R〜Rのいずれかの置換基を2つ有するアリール基において、当該2つの置換基がいずれも水素原子であるアリール基が1〜3つなければならない。)
    Figure 0006196844
  9. 前記炭素数3〜5のアルキル基がターシャリブチル基であることを特徴とする、請求項に記載の潤滑油用添加剤。
  10. 一般式(1)のnが1であることを特徴とする、請求項またはに記載の潤滑油用添加剤。
  11. 請求項8〜10のいずれかに記載の潤滑油用添加剤を基油に対して0.1〜10質量%含有させたことを特徴とする潤滑油組成物。
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