JP6196829B2 - 澱粉質含有食品およびその製造方法 - Google Patents
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Description
精米を、水に浸漬し、精米の含水量は、含水前の精米重量の1.2倍以上2.0倍未満の重量の水を含水させるように行い、ローラークリアランスが0.50〜2.00mmに設定したローラーを用いて粗粉砕した粒度が0.25mmより大きい粗粉砕米を、水分存在下で一次蒸し後、加水し、さらに二次蒸しし、これを澱粉質含有食品に配合することを特徴とする澱粉質含有食品に配合すること、
を要旨とするものである。
<1.米粗粉砕工程>洗米→浸漬→粗粉砕
↓
<2.米加熱処理工程>粗粉砕米→一次蒸し→加水→二次蒸し
↓
<3.澱粉質含有食品製造工程>
本発明で「米粗粉砕工程」というときは、洗米後、水に浸漬した米を粗粉砕することをいう。
本発明で「洗米」というときは、特に記載した場合を除き、通常の意味で用いている。工業的には効率を考え洗米機を使用しても良い。
本発明で「浸漬」というときは、特に記載した場合を除き、洗米後の米を水の中に浸すことをいう。浸漬し米に水を充分含ませ膨潤させた後粉砕することにより、下記のような簡易な設備で米を容易に粉砕することができる。
本発明で「粗粉砕」というときは、特に記載した場合を除き、洗米し浸漬した後、簡易な設備で米を粉砕することをいう。
本発明では、前記粗粉砕した米を蒸した後加水し、再度蒸す。この場合、「再度の蒸し」は複数回蒸しても良い。
粗粉砕米に水を加え一度のみ蒸した場合は、容器内に水蒸気の対流が起きずに、一部のみが蒸され、一部の米粒が残る。そのため、本発明の粗粉砕米の加熱方法は、粗粉砕米を蒸して水分を行き渡らせた後に、加水後再度蒸すことにより全体に水分を行き渡らせることができる。この方法により、より少ない水分で米粒残りしない米の配合率の高い澱粉質含有食品、例えばパン、麺を製造できる。
米加熱時の加水量を減らし米の配合率を高くするためには、一次蒸しの後二次蒸し前に加水する。加熱しない状態で水を加えても米は吸収せずひたひたに水が米を被っているのに対し、加熱後の加水により水をすぐにすべて吸収させることができるため、水分の不均一の問題が起こらない。加水した水分を使って蒸しあげることにより、澱粉質含有食品製造後に配合した米の粒を感じさせない加工上最適な状態にすることができる。
一次蒸しの段階では低水分で加熱することにより澱粉の水分要求度が上がり、二次蒸し前に加水することで米全体に加えた水を均質に急速に吸収させることができる。そのため、水分の不均一の問題が起こらずこの粗粉砕加熱米で製パンした場合は、そのパンの中に米の粒残りはない。
澱粉質含有食品とは、その食品中に澱粉質が含まれている食品をいい、制限はないが、パン、パン粉、麺、皮、菓子、ソース、パスタ、ピザ生地等が挙げられる。
粗粉砕加熱米を配合することにより、米の硬い粒が残らず、現有設備で米の配合率の高いパン製造ができる。
製パン法について特に制限はない。ストレート法、中種法等採用できる。
粗粉砕加熱米を配合することにより、米の硬い粒が残らず、現有設備でのパン製造およびパン粉ラインで低吸油の米の配合率の高いパン粉の製造ができる。
粗粉砕加熱米を配合することにより、米の硬い粒が残らず、しかも現有の製麺機で米の配合率を高めた食味の良い麺を製造できる。
粗粉砕の効果を検証するため、粒のままの米と、粗粉砕した米の各加熱方法による比較を、生米100gに対して、浸漬米130g、その後の加水160g、粗粉砕米の場合は浸漬米をローラークリアランス1.58mmのアーモンドクラッシャー(ラインテ ビーマー 3本ローラーBL6)で粗粉砕した。
本実施例におけるパンの配合は、加熱処理した米145.00g、小麦粉100.00g、食塩2.00g、ショートニング15.00g、砂糖14.00g、イースト3.00g、改良剤0.30gである。
実施例1として、澱粉質含有食品であるパンに配合し製造した場合、より少ない水分で米の粒が残らない粗粉砕加熱米の最適の条件を検討し、次の工程でその製パン性を検討した。
2度蒸し法で加える水の量について粗粉砕米をバットに入れ庫内温度100℃の蒸し庫で10分加熱した後、水を加え撹拌し庫内温度100℃の蒸し庫で15分加熱する条件で検討した。水が多いほど均一に炊飯でき粒が崩れやすくパン中に粒残りしにくいが、その後の製パン時の加水量を減らす必要があるため、結果として米配合率が少なくなる。そのため、「粗粉砕米→蒸し→加水→蒸し」工程の加水量のみ変え、どこまで水を減らして蒸気加熱できるかを検討した。これにより、米の重量の1.2倍以上が好ましく、1.0倍では製パン後に米の硬い粒が残ることが明らかとなった(下記表2)。
製パンに適した粗粉砕について、ローラークリアランスを変えて米を粗粉砕しそれぞれの粗粉砕米をバットに入れ庫内温度100℃の蒸し庫で10分加熱した後、水を加え撹拌し庫内温度100℃の蒸し庫で15分加熱した粗粉砕加熱米を上記表2の生米の1.2倍の含水量で検討した。ローラークリアランスが0.20mm以下の粒度が小さい粗粉砕米の場合は、表面積が大きいため加水時の吸水が早く、表面の水をかけた部分がすぐに吸水し、下部に吸水していない部分ができてしまう。一方、ローラークリアランス0.50mm、1.00mmおよび1.58mmの粒度が大きい粗粉砕米の場合は均一に水を吸収しており、水量が少ない条件でもより均質な加水状態となる(下記表3)。
ローラーで米を粗粉砕すると、ローラークリアランスの設定値以下の大きさの粉砕米が混在するため、所定の異なるサイズのメッシュのふるいを通して粒度で分級し、各クリアランスにおける粒度割合分布を調べた(表4)。
実施例5として、粗粉砕加熱米を配合したパンを次の工程で製造した。
<米前処理>洗米→浸漬→粗粉砕
↓
<米加熱工程>粗粉砕米→一次蒸し→加水→二次蒸し
↓
<パン工程>ミキシング→フロア→分割→丸目→ベンチ→モルダー→成形→ホイロ→オーブン→冷却
ストレート法および中種法で製造した。
ストレート法では、もっちりとした食感で、米の甘みがあり、米らしさがよく出ていた。中種法ではもっちり感もあるが、パンに近いふんわりとした食感があり、米の甘みを感じ、発酵風味も感じた。
実施例6として、粗粉砕加熱米を配合したパン粉を次の工程で製造した。
<米前処理>洗米→浸漬→粗粉砕
↓
<米加熱工程>粗粉砕米→一次蒸し→加水→二次蒸し
↓
<パン工程>ミキシング→フロア→分割→丸目→ベンチ→モルダー→成形→ホイロ→オーブン→冷却
↓
<パン粉工程>米配合パン→粉砕
本実施例の米パン粉用粗粉砕米は、使用米は北海道産ななつぼし、洗米条件は3.00kg/バッチ、0.15MPa 1分、浸漬条件は1時間、粉砕はアーモンドローラーのクリアランス1.58mmで製造した。
粗粉砕米9.50kg(生米7.50kg相当)をバット5枚に分けて、一次蒸し工程を庫内温度100℃、10分行い、蒸し直後温度96℃、重量10.25kgとなった。その後、加水7.75kg(対米水量1.3倍、米温度平均80℃、水温度平均46℃)を行い、攪拌後(米温度平均63℃)、二次蒸し工程を庫内温度100℃で10分、行った。二次蒸し工程直後の品温90℃、重量18.08kgであり、吸水率241%となった。その後真空冷却を行い、芯温25℃まで冷却した。最終的な重量16.59kg歩留り221%となった。
本実施例におけるストレート法によるパンの配合は、粗粉砕加熱米16.59kg(生米7.50kg)、小麦粉25.00kg、食塩0.25kg、ショートニング0.70kg、砂糖0.56kg、生イースト0.75kg、改良剤0.03kg、アナト―色素0.13kg、調整水8.00kgである。
上記方法で製造した米入りパンを冷凍・解凍後に10mmメッシュで粉砕して、コロッケ製造用のパン粉を製造した。
本実施例の米パン粉の実際の吸油量は、パン粉100gに対して、49.4gであった。普通のパン粉の実際の吸油量は、パン粉100gに対して、68.1gであるため、米パン粉の吸油量はパン粉100gあたり約20g、27.5%少ないことが明らかとなった(下記表6)。
通常のパン粉用の小麦粉で製造したパン粉は、硬い食感であったのに対し、粗粉砕することによって米を加えたパン粉は、固すぎず、良好の食感を得られた。また、上記のように、低吸油のパン粉が製造でき、油っぽさが従来のパン粉用の小麦粉を使ったものより、感じられなかった。
実施例7として、米の配合率を高めた食味の良い、しかも製麺機で製造可能な麺の製造を検証した。
[実施例8:米以外の穀物から製造した粗粉砕加熱物を配合した麺の製造]
実施例8として、米以外の穀物のうち、あわ、ハトムギを使用して麺の製造の検証をした。本発明において、米に変えて製造できる穀物について制限はない。
Claims (1)
- 精米を、水に浸漬し、精米の含水量は、含水前の精米重量の1.2倍以上2.0倍未満の重量の水を含水させるように行い、ローラークリアランスが0.50〜2.00mmに設定したローラーを用いて粗粉砕した粒度が0.25mmより大きい粗粉砕米を、水分存在下で一次蒸し後、加水し、さらに二次蒸しし、これを澱粉質含有食品に配合することを特徴とする澱粉質含有食品の製造方法。
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