JP6196808B2 - マンドレル - Google Patents

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Description

本発明は、ステントの製造に使用するマンドレルに関する。
ステントは、一般的に、血管等の生体内管腔の狭窄または閉塞に起因する種々疾患を治療するために、疾患における狭窄または閉塞部位を拡張し、疾患の管腔サイズを維持するためにそこに留置される医療用具として知られている。
製造からみたステントの種類としては、例えば、1本の線状の金属または高分子材料で形成されたコイル状のステント、金属チューブをレーザーによって切り抜いて加工したステント、線状の部材をレーザーによって溶接して組み立てたステント、または、複数の線状金属を織って作ったステントが挙げられる。
また、拡張からみたステントの種類としては、例えば、2種類のタイプ(型)が挙げられる。1つは、バルーンカテーテルにおけるバルーンによって拡張されるバルーン拡張型であり、もう1つは、拡張しようとするステントを外部から抑える部材が除去されることで、自ら拡張していく自己拡張型である。
この自己拡張型ステントは、一般的に、カテーテルの先端付近に取り付けられ、その上からシース等が被せられる。そして、カテーテルが、患者の生体内管腔の治療部位へ進められ、その治療部位にてシース等が取り除かれ、これに伴ってステントが自己拡張し、治療部位に留置される。近年では、尿管、胆管、または下肢動脈の形成術に対して、このようなステントが多く用いられている。
そして、通常、自己拡張型ステントは、形状記憶合金または超弾性合金と称されるニッケル−チタン合金等の金属チューブに、所望の空隙模様(これをステントデザインと称する)に則ってカットされた後、所定の外径まで拡径し、熱処理を施され、さらに、表面平滑性のために電解研磨等を施されることで、完成する。ところで、熱処理(形状記憶処理とも称する)においては、特許文献1に記載のようにマンドレルが使用されることが多い。
特表2005−512687号公報
そして、熱処理では、カット済金属チューブがステントデザインを記憶することになるので、そのステントデザインが所望の形状になっていなくてはならない。すると、特許文献1の場合、マンドレルを挿入されたカット済金属チューブに対して、ピンセット等を用いた手作業で、空隙模様が調整される(この調整を加熱前調整と称する)。
しかしながら、手作業の熟練度の低い作業者であると、加熱前調整に多くの時間を要する上、高精度な調整をしがたい。そのため、このようなマンドレルでは、簡単かつ短時間で、高品質なステントを製造しがたい。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものである。そして、その目的は、簡単かつ短時間で、高品質なステントを製造するのに好適なマンドレルを提供することにある。
ステントの製造に使用するマンドレルでは、複数のマンドレル片の組み立てによって形成されており、複数のマンドレル片の少なくとも1つは、自身の外面に目盛を付し、一方のマンドレル片に対して他方のマンドレル片を、位置変化または取替させる機構が、含まれる。
また、目盛は、マンドレルの軸方向に沿って延びる軸線、軸線に対して交差する交線、軸線と交線との両線に対して非平行に交差する斜線、曲線、および、点、における少なくとも1種の集合で形成されると望ましい。
なお、目盛が複数のマンドレル片に形成されている場合、マンドレル片同士の目盛の模様は、同一模様または異なる模様であっても構わない。
また、一方のマンドレル片に対する他方のマンドレル片の、位置変化前後または取替前後で、マンドレル全体の目盛の模様は変化すると望ましい。
ところで、機構は、一方のマンドレル片の一端と、他方のマンドレル片に含まれる、一端に係合する係合部と、であると望ましい。
詳説すると、一端は、一方のマンドレル片の外面であり、係合部は、一方のマンドレル片を受け入れることで外面を覆う中空の他方のマンドレル片に装着され、その他方のマンドレル片の内面からの突き出し量を変化させる進退材である、と望ましい。
なお、進退材としては、例えば、他方のマンドレル片の肉厚に刻まれる第1雌ネジ孔に嵌り合う第1雄ネジが挙げられる。
また、一端は、一方のマンドレル片に含まれる第2雄ネジまたは第2雌ネジ孔であり、係合部は、他方のマンドレル片に含まれる、第2雄ネジに嵌り合う第3雌ネジ孔または第2雌ネジ孔に嵌り合う第3雄ネジ、であってもよい。
なお、第2雄ネジまたは第2雌ネジ孔は、一方のマンドレル片の両端のうちの少なくとも一方から、そのマンドレル片の軸方向に突き出た軸状の雄ネジまたはそのマンドレル片の軸方向に掘り込まれる雌ネジである、と望ましい。さらには、第3雌ネジ孔または第3雄ネジは、他方のマンドレル片に形成される一方のマンドレル片の挿入腔の底から、そのマンドレル片の軸方向に掘り込まれる雌ネジまたはそのマンドレル片の軸方向に沿って突き出た軸状の雄ネジである、と望ましい。
また、一端は、一方のマンドレル片の端に形成される、外面突起または外面窪みを有するピンであり、係合部は、他方のマンドレル片の端に形成される、ピンを受け入れるとともに、外面突起を受け入れる内面窪みまたは外面窪みに嵌る内面突起を有するピン受け孔、であってもよい。
なお、ピンの外周面に形成される外面突起または外面窪みの個数、および、ピン受け孔の内腔面に形成される内面窪みまたは内面突起の個数では、一方の面の個数が、他方の面の個数よりも少ない、と望ましい。
また、複数のマンドレル片には、棒状のマンドレル片、および、一方向に向けて先太りするフレネル状のマンドレル片が含まれると望ましい。
本発明のマンドレルは、簡単かつ短時間で、高品質なステントを製造する。
は、マンドレルを示す分解側面図である。 は、マンドレルを示す側面図である。 は、カット済金属チューブを嵌めたマンドレルの側面図である。 は、カット済金属チューブを嵌めたマンドレルの側面図である。 は、目盛の模様を示した平面図で、(A)〜(D)は種々種類の目盛模様を示す平面図である。 は、ステントデザインの展開図である。 は、マンドレルを示す分解側面図である。 は、マンドレルを示す側面図であり、(A)と(B)とは、直管部分の長さを異ならせた側面図である。 は、マンドレルを示す側面図であり、(A)と(B)とは、直管部分の長さを異ならせた側面図である。 は、マンドレルを示す分解側面図である。 は、直管部分を含むマンドレル片を示す側面図で、(A)と(B)とは、直管部分の長さを異ならせた側面図である。 は、先太部分を含むマンドレル片を示す側面図で、(A)と(B)とは、外径および全長を異ならせた側面図である。 は、マンドレルを示す側面図である。 は、マンドレルを示す分解側面図である。 では、(A)はマンドレルを示す分解斜視図であり、(B)はマンドレルの直管部分を軸方向に対して交差させた交差断面図であり、(C)はマンドレルの先太部分を軸方向に対して交差させた交差断面図であり、(D)はマンドレルの目盛の模様を示す側面図である。 は、(A)はマンドレルを示す分解斜視図であり、(B)はマンドレルの直管部分を軸方向に対して交差させた交差断面図であり、(C)はマンドレルの先太部分を軸方向に対して交差させた交差断面図であり、(D)はマンドレルの目盛の模様を示す側面図である。 は、(A)はマンドレルの直管部分を軸方向に対して交差させた交差断面図であり、(B)はマンドレルの先太部分を軸方向に対して交差させた交差断面図である。 では、(A)はステントの斜視図であり、(B)はステントを簡略化した側面図である。 は、ステントの製造工程における一工程を示す側面図で、(A)〜(C)は拡径棒を用いた工程を示す側面図で、(C)〜(E)はマンドレルを用いた工程を示す側面図である。 は、マンドレルを示す側面図である。
[実施の形態1]
実施の一形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、便宜上、ハッチングや部材符号等を省略する場合もあるが、かかる場合、他の図面を参照するものとする。逆に、便宜上、断面図でなくてもハッチングを使用することもある。また、図面における種々部材の寸法、線種、後述のステントデザイン等は、便宜上、見やすいように調整、簡略していることもある。
図18Aの斜視図および図18Bの側面図に示されるような空隙模様(ステントデザイン)を形成されたステント50は、例えば、形状記憶合金または超弾性合金と称されるニッケル−チタン合金の金属チューブ51で形成される(なお、ステント50のデザインは、空隙52の周縁となるストランド53で形成される模様ともいえる)。
詳説すると、まず、外径1mmから5mm程度の金属チューブ51に対し、ステントデザインにあわせてレーザーカット等が行われる。その後、図19Aに示されるように、カット済の金属チューブ51が、先細りした拡径棒60の先細りした先端に嵌め込まれる。そして、図19Bに示されるように、カット済金属チューブ51は、拡径棒60上を先太りした方向に移動(白色矢印参照)させられることで、外径6mm〜15mm程度に拡径(拡張)される(これを拡径工程とも称する)。
次に、この拡径した金属チューブ51は、拘束状態下にて、所定温度条件(例えば、時間は2分から3時間程度、温度は400℃から600℃程度)で熱処理されることで、拘束状態での形状を記憶し、所望のデザインを有するステント50が完成する。この拘束状態、例えば、両端付近をフレア状(このラッパ状の部分をフレア体55とも称する)、両端付近以外の中間付近を直管状(この円筒状の部分を直管体54とも称する)のステント50の作製に要する拘束状態を維持するために、例えば、図19Cに示されるようなマンドレル10(詳説すると、図1に示されるマンドレル10に含まれるマンドレル片11Aが用いられる(なお、この拘束状態を作り出す工程を、加熱前調整とも称する)。
このマンドレル10は、複数のマンドレル片11の組み立てによって形成され、図19Cに示されるのは、直線状の軸で形成される部分である棒状の直管部分14Aと、この直管部分14Aの端に連なり、一方向に向かって先太りした部分である先太部分15Aと、を有するマンドレル片11Aである(なお、マンドレル片11Aは中実であっても中空であっても構わず、直管部分14Aは、円柱状のものを例に挙げて説明する)。
マンドレル片11Aは、直管部分14Aの外径を、拡径棒60の最大外径(先太りした先端の外径)と同じ大きさにしている。そして、図19Cに示されるように、直管部分14Aの端と拡径棒60の先太りした先端とが段差を極力生じさせないよう(極力面一)に突き当てられる。
その後、カット済み金属チューブ51は、拡径棒60から、図19Dに示されるように、マンドレル片11Aに移動させられる(なお、直管部分14Aの端の面と拡径棒60の先太りした端の面とは、平面であると望ましい)。そして、カット済み金属チューブ51を所望の拘束状態にするために、金属チューブ51の一方の端の付近(金属チューブ51において、先太部分15Aに近い端の付近)は、図19Eに示されるように、先太部分15Aを覆うように移動される。
次に、カット済金属チューブ51の他方の端の付近を、フレア状にするために、マンドレル10は、図1に示されるように、マンドレル片11Aに連結するマンドレル片11Bを含む。マンドレル片11Bは、中空21を有する筒状体で、その中空(内腔)21の内径は、マンドレル片11Aの直管部分14Aの外径よりも若干大きい。そのため、マンドレル片11Bは、マンドレル片11Aの直管部分14Aの端から先太部分15Aに向かって嵌る。いいかえると、図2に示されるように、マンドレル片11Bの中空21に、マンドレル片11A(詳説すると直管部分14A)が挿入される。
また、マンドレル片11Bは、自身の両端のうちの少なくとも一方の端から他方の端に向かって先太る先太部分15Bを含む(いいかえると、先太部分15Bは、マンドレル片11Bの中空21の軸方向AXにおける中間付近から端に向かって先細りした先細部分15Bともいえる)。
さらに、この一方向に向かって先太りすることでフレア状となるマンドレル片11Bは、マンドレル片11Aの直管部分14A上(要は、マンドレル片11Aの一端である外面11T)に、着いたり外れたりするための着脱ネジ[係合部]22を含む。着脱ネジ22は、マンドレル片11Aを挿入されることでそのマンドレル片11Aの外面11Tを覆うマンドレル片11Bの肉厚を貫通するように形成された雌ネジ孔[第1雌ネジ孔]23に装着される。すなわち、着脱ネジ22は、雌ネジ孔23に嵌る雄ネジ[第1雄ネジ孔]22である。
そして、この着脱ネジ22は、マンドレル片11Bの外側から作業者によって操作される。詳説すると、着脱ネジ[進退材]22は、マンドレル片11Bの内面21Nからの自身の突き出し量を変化させる。例えば、着脱ネジ22は、マンドレル片11Aの外面11Tに接触するまで突き出ることで、マンドレル片11Bをマンドレル片11Aに固定させる。一方で、着脱ネジ22は、マンドレル片11Aの外面11Tから離れることで、そのマンドレル片11A上に対し、マンドレル片11Bを移動させたり、外させたりする。
すると、図19Eに示されるように、先太部分15Aにまで押し進められたカット済金属チューブ51を嵌めたマンドレル片11Aに対して、マンドレル片11Bが、図2に示されるように、直管部分14Aから取り付けられる。詳説すると、着脱ネジ22の内面21Nからの突出量が短くなるように(例えば、内面21Nから全く突出しないように)調整されることで、マンドレル片11Bは、マンドレル片11Aの直管部分14Aの端に嵌り、先太部分15Aに向かって所望位置まで移動する。そして、マンドレル片11Bは、着脱ネジ22の内面21Nからの突出量が長くなるように(例えば、マンドレル片11Aの外面11Tに接触するまで)調整されることで、マンドレル片11Aに固定される。
すなわち、マンドレル片11Bに含まれる着脱ネジ22がマンドレル片11Aの一端である外面11Tを押さえることで、マンドレル片11Bが、マンドレル片11Aに対して取り付けまたは取り外しされる。要は、マンドレル片11Bがマンドレル片11Aに対して取り替えられる{なお、着脱ネジ22と、それに押さえられる部分と(外面11T等)は、複数のマンドレル片11による組み立てに要する機構MMとも称される}。
そして、このようなマンドレル片11(11A・11B)を含むマンドレル10には、一方のマンドレル片11Aの外面11T、詳説すると直管部分14Aの外面11Tに、目盛SCが付される。このような目盛SCが付されていると、形状記憶処理と称される熱処理前である加熱前調整において、カット済金属チューブ51の拘束状態を所望状態に整えられる。詳説すると、カット済金属チューブ51のストランド53(別表現すると空隙52)が、所望の配置状態に拘束される。
通常、熱処理の場合に、ストランド同士が適切な間隔(すなわち、空隙が適切な間隔)を形成せずに、例えば疎密状態になっていると、熱の影響によって、一部ストランドが過度に歪み、その箇所に局所的に応力が発生し、破断が生じやすい。また、熱処理にて破断しなかったとしても、カット済金属チューブは、不均一な拡張状態で形状を記憶されたステントになり、そのようなステントは、クリンピングされる場合(ステントが血管中を通れる径にまで畳まれる場合)に、過度に変形したり、ストランド同士の干渉で破損したりしやすい。
しかしながら、マンドレル10に目盛SCが付されていれば、そのマンドレル10の外面11Tを覆うカット済み金属チューブ51のストランド53は、目盛SCに合わせて、簡単かつ短時間で、高精度に所望形状に配置される。また、ストランド53を目盛SCに合わせて配置させる作業は、ピンセットまたは定規等を用いた手作業で行われることが多く、この場合、高い熟練度を要するが、目盛SC付きマンドレル10であれば、熟練度の低い作業者であっても、簡単かつ短時間で、高精度にストランド53を所望形状に配置できる。
そして、ストランド53(いいかえると空隙52)を適切に配置させて、所望の拡張状態に拘束されたカット済金属チューブ51が熱処理されると、破断等を含まない高品質なステントになる(すなわち、マンドレル10が用いられると、簡単かつ短時間で、高品質なステント50が製造される。
なお、今般のステント50は、耐フラクチャー性を担保するために、ステント50における軸方向AXの高柔軟性または周方向CDの高柔軟性(高捻れ性)を確保すべく、複雑かつ微細なステントデザインが必要である。そのため、このようなステントデザインに基づいたステント50の製造に、このマンドレル10は好適といえる。
また、このマンドレル10は、2つのマンドレル片11A・11Bの組み立てによって形成されており、マンドレル片11Bは、マンドレル片11Aに対して取り替えられるだけでなく、マンドレル片11Aの直管部分14A上を移動(位置変化)して任意の位置で固定される(図3および図4参照)。
詳説すると、図3におけるマンドレル10では、マンドレル片11Aの目盛SCにおける軸方向AXのマス目の数は4マスであるが、図4におけるマンドレル10では、マス目の数は12マスである。これは、いいかえると、一方のマンドレル片11(例えばマンドレル片11A)に対する他方のマンドレル11(例えばマンドレル片11B)の、位置変化前後で、マンドレル10全体の目盛SCの模様は変化する。そのため、このマンドレル10は、例えば、全長若しくは外径を異とするステント50またはステントデザインを異とするステント50といった多種類のステントに対応でき、高い汎用性を有する。
ここで、目盛SCの模様をわかりやすくするために、マンドレル10の周方向CDに沿って展開して平面図示する。すると、図1〜図4のマンドレル10の直管部分14Aの目盛SCは、図5Aに示されるように、マンドレル10の軸方向AXに沿って延びる軸線41(いいかえると軸方向AXと同方向に延びる軸線41)と、この軸線41に対して交差(例えば直交)する交線42とで形成されるマス目がマトリックス状に整列した模様(マス目模様)となる。しかし、これに限定されるものではない。
例えば、図5Bに示されるように、軸線41のみで形成される目盛SCでもよいし、図5Cに示されるように、交線42のみで形成される目盛SCでもよい。また、図5Cに示されるように、マス目模様に対して、軸線41と交線42との両線に対して非平行に交差する斜線43が重なった目盛SCであってもよいし、斜線43のみの目盛SCでもよい。
また、目盛SCを形成する線は、直線に限定されるものではなく、曲線44で形成されてもよい。例えば、図5Eに示されるように、周方向CDに波打ちながら軸方向AXに延びた波線44が、周方向CDに沿って複数並ぶことで、目盛SCが形成されてもよい。また、目盛SCは、線に限定されるものではなく、点で形成されてもよい。例えば、図5Fに示されるように、散らばる×点55がマトリックス状に配置(散点配置)されることで、マトリックス模様の目盛SCが形成されてもよい。
また、他にも多々種類の模様が想定されるが、軸線41、交線42、斜線43、曲線44、および、点55、における少なくとも1種の集合で、目盛SCが形成されているとよい。なお、目盛SCは、例えば、図6に示されるストランド53の屈曲点であるクラウンCWの配置目標として機能する。詳説すると、目盛SCにおける線、線同士の交点、曲線の頂点、または散らばった点が、クラウンCWの配置目標箇所として機能する。
なお、以上では、目盛SCはマンドレル片11Aの直管部分14Aにしか刻まれていなかったが、これに限定されるものではない。例えば、図7に示されるように、マンドレル片11Aの先太部分15A、または、マンドレル片11Bの先太部分15Bに、目盛SCが形成されてもよい。
ただし、図7において、先太部分15Bのみを正面視した二点差線で囲まれる図面(軸方向AXを紙面に対して垂直にした図面)に示されるように、軸方向AXを中心にして放射状に伸びる直線を放射線46、軸方向AXを中心にした円状の曲線を円線47とする。なお、放射線46は、軸方向AXに対して傾斜しているものの、軸方向AXを紙面に対して平行にした図面(図1等)では、軸方向AXに沿って延びているともいえるので軸線41としてもよく、この放射線46に対して交差する円線47も、交線42としてもよい。さらに、放射線46および円線47に対して非平行に交差する線も斜線43としてもよい。
また、目盛SCを形成された先太部分15Bであれば、マンドレル片11A・11Bの軸方向AXにおける相対的な位置変化に起因して、マンドレル10全体の目盛SCが変わるだけでなく、マンドレル片11A・11Bの相対的な回転位置変化に起因しても、マンドレル10全体の目盛SCが変わることもある。
また、図7では、先太部分15A、先太部分15B、および直管部分14Aにおける目盛SCは、同一のマス目模様であるが、これに限定されるものではない。例えば、先太部分15Aおよび先太部分15Bの目盛SCは軸線41のみで形成される模様で、直管部分14Aの目盛SCの模様はマス目模様であってもよい。すなわち、目盛SCが複数のマンドレル片11A・11Bに形成されている場合、マンドレル片11A・11B同士の目盛SCの模様は、異なる模様であっても構わない。
また、目盛SCの模様を異ならせた多種類のマンドレル片11Bが用意されていれば、例えば、マンドレル片11Aに対してマンドレル片11Bが取り替えられると、取替前後で、マンドレル10全体の目盛SCの模様は変化する。そのため、このようなマンドレル10でも、多種類のステントデザインに対応でき、高い汎用性を有する。
なお、以上のマンドレル片11Aでは、直管部分14Aと先太部分15Aとが一体成型されているが、これに限定されるものではない。例えば、直管部分の端と、先太部分の端とに連結機構(例えば、一方に雄ネジ、他方に雄ネジに嵌り合う雌ネジ孔)が取り付けられており、先太部分15Aが、直管部分14Aに対して取り付けまたは取り外しされても構わない。
[実施の形態2]
実施の形態2について説明する。なお、実施の形態1で用いた部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付記し、その部材の種々説明を簡略化することもあり得る。また、実施の形態1にて説明した作用効果と同じ作用効果が奏ずる場合も、その説明を簡略化することもあり得る。
実施の形態1では、マンドレル片11Aの一端である外面11Tと、マンドレル片11Bに装着された着脱ネジ22との係り合いによって、両マンドレル片11A・11Bは、互いに連結または乖離し、さらには、両マンドレル片11A・11B同士での位置(軸方向AXの位置または回転位置)が変化し、加えて位置変化に伴って目盛SCの模様も変化した。しかし、このような機能・作用効果をもたらす機構MMは、外面11Tと着脱ネジ22に限らない。
例えば、図8Aおよび図8Bに示されるマンドレル10は、雄ネジ26と雌ネジ孔27とを含む機構MMによって、マンドレル片11Cとマンドレル片11Dとの組み立てによって形成される。
詳説すると、マンドレル片11Cは、マンドレル片11Aと同様な、直管部分14Cおよび先太部分15Cを含む。さらに、直管部分14Cの端には、その直管部分14Cの軸方向AXに沿う軸雄ネジ[第2雄ネジ]26が突き出るように形成される。
マンドレル片11Dは、マンドレル片11B同様に、自身の両端のうちの少なくとも一方の端から他方の端に向かって先太る先太部分15Dを含み、さらに、先細りした端から他方の端に向かう内腔[挿入腔]25を含む。この内腔25は、直管部分14Cの外径よりも若干大きな内径を有することで、直管部分14Cを受け入れられる。加えて、この内腔25の底25Bには、軸雄ネジ26に嵌り合う雌ネジ孔[第3雌ネジ孔]27が掘り込むように形成される(なお、雌ネジ孔27は、マンドレル片11Dの軸方向AXに沿うように掘り込まれる)。
このようなマンドレル片11Cおよび11Dを含むマンドレル10では、マンドレル片11Cの直管部分14Cが、マンドレル片11Dの内腔25に挿入される。そして、この挿入状態にて、直管部分14Cの直交断面上における軸雄ネジ26と雌ネジ孔27との位置が一致していることから(同軸であるから)、この軸雄ネジ26は雌ネジ孔27に入り込み、両マンドレル片11C・11Dの相対的な回転によって、軸雄ネジ26は雌ネジ孔27に嵌り合う。
この結果、マンドレル片11Cに対して、マンドレル片Dは固定される。特に、このマンドレル10では、実施の形態1でのマンドレル10同様に、マンドレル片11Dが、マンドレル片11Cの直管部分14Cの軸方向AXに沿って移動して任意の位置で固定される(図8Aおよび図8B参照)。詳説すると、雌ネジ孔27に対する軸雄ネジ26の埋没量の変化に応じて、マンドレル片11Dが、マンドレル片11Cの直管部分14C上の任意の位置で固定される。
そして、このように目盛SC付したマンドレル10の場合、一方のマンドレル片11Cに対して他方のマンドレル片11Dが軸方向AXに沿って移動すると、位置変化前後で、マンドレル10全体の目盛SCの模様は変化する。また、目盛SCを形成された先太部分15Dがあれば、マンドレル片11C・11Dの軸方向AXにおける相対的な位置変化に起因して、マンドレル10全体の目盛SCが変わるだけでなく、マンドレル片11C・11Dの相対的な回転位置変化に起因しても、マンドレル10全体の目盛SCが変わることもある。
また、目盛SCの模様を異ならせた多種類のマンドレル片11Cが用意されていれば、例えば、マンドレル片11Dに対してマンドレル片11Cが取り替えられると、取替前後で、マンドレル10全体の目盛SCの模様は変化する。そのため、このようなマンドレル10は、多種類のステントデザインに対応でき、高い汎用性を有する。
なお、以上では、軸雄ネジ26がマンドレル片11Cの直管部分14Cに形成され、雌ネジ孔27はマンドレル片11Dの内腔25の底25Bに形成されていたが、これに限定されるものではない。例えば、図9Aおよび図9Bに示されるように、マンドレル片11Cの直管部分14Cの端に軸方向AXに雌ネジ孔[第2雌ネジ孔]27が掘り込むように形成され、マンドレル片11Dの内腔25の底25Bに、雌ネジ孔27に嵌り合う軸雄ネジ[第3雄ネジ]26が突き出るように形成されてもよい。
このようなマンドレル10であっても、図8Aおよび図8Bに示されるマンドレル同様に、雌ネジ孔27に対する軸雄ネジ26の埋没量の変化に応じて、マンドレル片11Dが、マンドレル片11Cの軸方向AX上(直管部分14C上)の任意の位置または任意の回転位置で固定される。そのため、このようなマンドレル10も、多種類のステントデザインに対応でき、高い汎用性を有する。
なお、以上では、機構MMとして、軸雄ネジ26とこれに嵌り合う雌ネジ孔27とを例に挙げたが、これに限定されるものではない。例えば、マンドレル片11Cの直管部分14Cの端に、軸方向AXに沿う軸が形成され、その軸外面に半球状等のポッチが形成される一方、マンドレル片11Dの内腔25の底25Bには、軸を受け入れる孔が形成され、その孔内面にポッチの収まる半球状等の窪みが形成されてもよい。このようなポッチ付き軸および窪み付き孔であっても、機構MM(部材同士の係り合いを利用して、マンドレル片11同士を組み立てさせる機構)として機能するためである。
[実施の形態3]
実施の形態3について説明する。なお、実施の形態1・2で用いた部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付記し、その部材の種々説明を簡略化することもあり得る。また、実施の形態1・2にて説明した作用効果と同じ作用効果が奏ずる場合も、その説明を簡略化することもあり得る。
実施の形態2でのマンドレル10は、雄ネジとして軸状になった軸雄ネジ26と、雌ネジ孔として軸雄ネジ26に嵌り合う雌ネジ孔27とを機構MMとして含むことで、マンドレル片11Cとマンドレル片11Dとを組み立てていた。しかし、雄ネジと雌ネジ孔とは、これらに限定されるものではない。
例えば、図10に示されるような、直管部分14Eを含む1つのマンドレル片11Eと、先太部分15Fを含む2つのマンドレル片11Fとの組み立てで完成するマンドレル10は、雄ネジと雌ネジ孔とを以下のようにしている(なお、マンドレル片11Fには目盛SCが形成されていないが、目盛SCを形成されたマンドレル片11Fであっても構わない)。
すなわち、雄ネジ[第2雄ネジ]28は、マンドレル片11Eの両端における外周の面に表出するように形成され、マンドレル片11Fの先細りした端に軸方向AXに沿って掘り込まれるように形成される雌ネジ孔[第3雌ネジ孔]29は、直管部分14Eの外径並に大口径の雄ネジ28に嵌り合うように、大口径とされる。
このようなマンドレル10は、図11A、図11B、図12A、および図12Bに示されるように、全長および外径の少なくとも一方を異ならせた多種類のマンドレル片11E・11Fを用意しておくと、組み立て完成品としてのマンドレル10(図13参照)は、様々な形となる。また、目盛SCの模様を異ならせた多種類のマンドレル片11E・11Fが用意されていれば、例えば、マンドレル片11Fに対してマンドレル片11Eが取り替えられると、取替前後で、マンドレル10全体の目盛SCの模様は変化する。そのため、このマンドレル10は、多種類のステントデザインに対応でき、高い汎用性を有する。
なお、以上では、雄ネジ28はマンドレル片11Eの両端における外周の面に表出するように形成され、雌ネジ孔29はマンドレル片11Fの先細りした端に形成されていたが、これに限定されるものではない。例えば、図14に示されるように、雄ネジ[第3雄ネジ]28がマンドレル片11Fの先細りした端における外周の面に表出するように形成され、雌ネジ孔[第2雌ネジ孔]29がマンドレル片11Eの両端に軸方向AXに沿って掘り込まれるように形成されていてもよい。
このようなマンドレル10であっても、雄ネジ28と雌ネジ孔29との嵌り合いによって、マンドレル片11Eとマンドレル片11Fとが連結する。そのため、このようなマンドレル10も、多種類のステントデザインに対応でき、高い汎用性を有する。
[実施の形態4]
実施の形態4について説明する。なお、実施の形態1〜3で用いた部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付記し、その部材の種々説明を簡略化することもあり得る。また、実施の形態1〜3にて説明した作用効果と同じ作用効果が奏ずる場合も、その説明を簡略化することもあり得る。
実施の形態1〜3では、一方のマンドレル片に対する他方のマンドレル片の位置変化または取替において、ネジによる嵌め合わせを用いていた。しかし、組み立て式のマンドレル10において、ネジが必須とは限らない。
例えば、図15Aに示されるようなマンドレル10では、直管部分14Gおよび先太部分15Gで形成されるマンドレル片11Gと、先太部分15Hを含むマンドレル片11Hとが、ネジ以外の機構MMによって組み立てられる(なお、マンドレル片11G・11Hには目盛SCが付される)。この機構MMは、嵌め込みピン[ピン]31と、その嵌め込みピン31を受け入れる嵌め込み孔[ピン受け孔]32とを含む。
詳説すると、嵌め込みピン31は、図15Aおよび図15B(図15AにおけるX−X’線矢視断面図)に示されるように、直管部分14Gの端から軸方向AXに沿って延びる円筒状のピン軸31Aと、このピン軸31Aの外周面31Tに、軸方向AXに延びる突起レール[外面突起]PRを含む。
嵌め込み孔32は、図15Aおよび図15C(図15AにおけるY−Y’線矢視断面図)に示されるように、マンドレル片11Hの先細った端から、軸方向AXに沿って掘り込まれる円柱状の内腔で、この内腔面32Nには突起レールPRを受け入れる溝レール[内面窪み]NRを含む。詳説すると、嵌め込み孔32は、嵌め込みピン31の突起レールPRを溝レールNRで受け入れつつ、嵌め込みピン31全体を受け入れる。
これにより、嵌め込みピン31と嵌め込み孔32との嵌り合いによって、マンドレル片11Gとマンドレル片11Hとが連結する{なお、嵌め込みピン(詳説するとピン軸31A)31の外径と、これが嵌る嵌め込み孔32の内径と、さらには、突起レールPRの高さおよび幅と、これが嵌る溝レールNRの深長および幅とは、嵌め込まれた場合に互いの係り合いが維持されるように、適宜設計されている}
なお、図15Aに示されるように、嵌め込み孔32には2つの溝レールNR(NR1・NR2)が形成されている。そのため、図15A〜図15Dに示されるように、突起レールPRと溝レールNR1とが嵌りつつ、嵌め込みピン31と嵌め込み孔32とが嵌ることで、マンドレル片11Gとマンドレル片11Hとが連結する場合と、図16A〜図16Dに示されるように、突起レールPRと溝レールNR2とが嵌りつつ、嵌め込みピン31と嵌め込み孔32とが嵌ることで、マンドレル片11Gとマンドレル片11Hとが連結する場合とがある。
そして、突起レールPRと溝レールNR1とが嵌っている場合、図15Dに示されるように、マンドレル片11Gの軸線41とマンドレル片11Hの放射線(軸線)46とが連なる目盛SCの模様になっていると、突起レールPRと溝レールNR2とが嵌っている場合、図16Dに示されるように、マンドレル片11Gの軸線41とマンドレル片11Hの放射線(軸線)46とが、周方向CDにずれた目盛SCの模様になる。
つまり、嵌め込み孔32の中心軸を基準とする溝レールNR1と溝レールNR2との乖離角度δは、突起レールPRと溝レールNR1とが嵌る場合には、マンドレル片11G・11H間の軸線41・41同士を一筆書き状にさせる一方、突起レールPRと溝レールNR2とが嵌る場合には、マンドレル片11G・11H間の軸線41・41同士をずらすように設計される。
そのため、このようなマンドレル10では、一方のマンドレル片(例えば、マンドレル片11G)に対して他方のマンドレル片11(例えば、マンドレル片11H)を、位置変化させた場合、位置変化前で、マンドレル10全体の目盛SCの模様は変化する。そのため、このマンドレル10は、多種類のステントデザインに対応でき、高い汎用性を有する。
また、目盛SCの模様を異ならせた多種類のマンドレル片11Hが用意されていれば、例えば、マンドレル片11Gに対してマンドレル片11Hが取り替えられると、取替前後で、マンドレル10全体の目盛SCの模様は変化する。そのため、このようなマンドレル10でも、多種類のステントデザインに対応でき、高い汎用性を有する。
なお、以上では、嵌め込みピン31が突起レールPRを含み、嵌め込み孔32が複数の溝レールNRを含んでいたが、これに限定されるものではない。例えば、図17の断面図に示されるように、嵌め込みピン31が溝レール[外面窪み]NRを含み、嵌め込み孔32が複数の突起レール[内面突起]PRを含んでいても構わない。
このようになっていても、溝レールNRと突起レールPR1または突起レールPR2とが嵌りつつ、嵌め込みピン31と嵌め込み孔32とが嵌ることで、マンドレル片11Gとマンドレル片11Hとが連結する。そのため、このようなマンドレル10でも、多種類のステントデザインに対応でき、高い汎用性を有する。
なお、以上では、1つの突起レールPRに対して2つの溝レールNR、および、1つの溝レールNRに対して2つの突起レールPRと、1つのレールに対して2つのレールの例を挙げたが、これに限定されるものではない。例えば、1つのレールに対して3つ以上のレールを含むマンドレルであっても構わない。
要は、嵌め込みピン31(詳説するとピン軸31A)の外周面31Tに形成される突起レールPRまたは溝レールNRの個数、および、嵌め込み孔32の内腔面32Nに形成される溝レールNRまたは突起レールPRの個数では、一方の面の個数が、他方の面の個数よりも少ないと望ましい。このようになっていれば、少ないレールが、多いレールに対して嵌り方が複数になるので、簡単に、目盛SCの模様が、変わるためである。
ここで、以上のマンドレル10のうち、幾つかの具体的な実施例および評価の結果を示す。なお、各測定値の詳細は、下記の表1および表2を参照するものとする。
<実施例1〜3(EX1〜EX3)>
実施例1〜3におけるカット済金属チューブ51は、外径(直径)3mmのニッケル−チタン合金製の金属チューブ51がステントデザイン(図6参照)に則ってレーザーカットされることで形成される。また、このカット済金属チューブ51は、切断されることで、実施例毎に異なる全長Lmsに調整される。そして、図19Aおよび図19Bに示されるような最小外径φAを3mm、最大外径φBを9mmとするテーパ状の拡径棒60によって、カット済金属チューブ51は、内径(直径)9mmにまで拡径された後、マンドレル10に装着される。
カット済金属チューブ51は、図2に示されるようなマンドレル10を用いて加熱前調整される。実施例1〜3では、マンドレル10の直管部分14Aの外径φmsは8mm、マンドレル10の先太部分15A・15Bにおいて、軸方向AXに対して傾斜した面で形成される先太領域15Rの最大外径φmuは9mm、全長Lmuは10mmであるが、直管部分14Aの全長が実施例毎に変わる。なお、実施例1〜3において、マンドレル10の目盛SCは、マス目模様で、周方向CDにおいて、マス目は12個均等に配置され、軸方向AXにおけるマス目間隔は2.5mmに設定される。
加熱前調整後、実施例1〜3のカット済金属チューブ51は、500℃の炉において、30分間熱処理される。そして、形状記憶されたカット済金属チューブ51、すなわち、ステント50の種々形状を測定した(なお、このようなステント50をフレアステント50とも称する)。詳説すると、図18Bに示されるような直管体54の外径φssを3箇所測定した平均値、直管体54の全長Lss、両フレア体55・55の最大外径φsuの平均値、フレア体55の全長Lsu、ステント50の全長Lst、を測定した{なお、必要に応じて、キーエンス製の画像寸法測定器IM-6020を使用した}。
<実施例4〜7(EX4〜EX7)>
実施例4〜7におけるカット済金属チューブ51は、実施例1〜3同様にレーザーカットされることで形成される。また、このカット済金属チューブ51の全長は、切断されることで、実施例に応じて種々調整される。そして、実施例1〜3同様の拡径棒60によって、カット済金属チューブ51は、内径(直径)9mmにまで拡径された後、マンドレル10に装着される。
カット済金属チューブ51は、図13に示されるようなマンドレル10を用いて加熱前調整される。実施例4〜7では、マンドレル10の直管部分14Eの外径φmsは実施例1〜3同様に8mmではあるものの、直管部分14Eの全長Lms、先太領域15Rの最大外径φmu、先太領域15Rの全長Lmuは、実施例に応じて種々調整される。なお、実施例4〜7のマンドレル10の目盛SCは、実施例1〜3と同様のマス目模様である(なお、マス目の数は、直管部分14Eの全長に応じて変わる)。
加熱前調整後、実施例4〜7のカット済金属チューブ51は、実施例1〜3同様、500℃の炉において、30分間熱処理される。そして、完成したステント50の種々形状を、実施例1〜3同様に測定した。
<比較例>
比較例におけるカット済金属チューブ51は、実施例1〜7同様にレーザーカットされることで形成される。また、このカット済金属チューブ51の全長は62mmに調整される。そして、実施例1〜7同様の拡径棒60によって、カット済金属チューブ51は、内径(直径)9mmにまで拡径された後、図20に示されるようなマンドレル100に装着される。このマンドレル100は、直管部分140と先太部分150・150とを、分解不可にした一体構造ものである。
そして、マンドレル100は、直管部分140の外径φmsは実施例1〜7同様に8mmではあるものの、直管部分140の全長Lmsを40mm、先太領域150Rの最大外径φmuを9mm、先太領域150Rの全長Lmuを10mmとする。なお、このマンドレル100には、目盛は無い。
加熱前調整後、比較例のカット済金属チューブ51は、実施例1〜7同様、500℃の炉において、30分間熱処理される。そして、完成したステントの種々形状を、実施例1〜7同様に測定した。
表1から、実施例1〜3では、マンドレル10におけるマンドレル片11Bがマンドレル片11A上を移動するだけで、3種類のステント50を製造できることを意味する。また、実施例4〜7では、構成部品であるマンドレル片11Cおよびマンドレル片11Dの少なくとも一方が変わるだけで、4種類のステント50を製造できることを意味する。一方で、比較例では、1種類のステントしか製造できない。
すなわち、マンドレル10は、多種類のステントデザインに対応できることで、複数のステント50を製造できる。また、目盛SC付きマンドレル10であるので、目盛無しのマンドレル100に比べて、簡単、短時間にストランド53を所望形状に配置できた。
また、実施例1〜7では、カット済金属チューブ51には、最初に、マンドレル片11Aの直管部分14Aが挿入される。一方、比較例では、カット済金属チューブ51には、最初に、マンドレル100の端に位置する先太部分150が挿入される。そのため、ステントの直管体となるべきカット済金属チューブ51の中間部分には、不要な変形が加わる。そして、この変形に起因して、カット済金属チューブ51に、破損が生じることもあった。しかし、実施例1〜7では、破損が非常に少なかった。
また、1種類のステントデザインであっても、ステント50を完成させるまでに、複数回、加熱前処理を要することもあるが、実施例1〜7よりわかるように、マンドレル10は、一部のマンドレル片11を変位または取り替えることで、複数回の加熱前処理に対応できるが、比較例のマンドレル100は、多数の品種を要し、高コストとなる。
<評価>
ステント50の拡張正確性を以下の方法で評価した(評価結果は、表2を参照)。まず、Visicon社製ステント検査装置FS−85を用いることで、完成した円筒状のステント50を展開図にして種々数値データを取得する。そして、図6に示されるように、各クラウンCW、軸方向AX(展開図中ではx軸方向)、周方向CD(展開図中ではy軸方向)の位置ずれを測定した。
詳説すると、周方向CDにて隣り合うクラウンCWの軸方向AXの位置差(Δx)を測定し、二乗平均平方根(xrms)を求めた。実施例および比較例のステントは、隣り合うクラウンCWが周方向CDに並ぶように設計している。そのため、Δxの値がゼロに近いほど、正確な形状であることになる。
また、周方向CDにて隣り合うクラウンCWの間隔(Δy)を測定し、それらのデータを母集団とした標準偏差(σy)を求めた。なお、実施例および比較例のステント50では、Δy=2.2mmになるように設計している。
表2から、比較例に比べて、実施例2および実施例4はともに0(ゼロ)に近いことがわかる。したがって、実施例のステント50では、Δx、Δyはバラツキが少ないことになるので、それらステント50は、ストランド53(空隙52)を均等に配置させた、高品質な製品だといえる。
10 マンドレル
11 マンドレル片
11A〜11H マンドレル片
11T マンドレル片の外面[係合部、機構]
14 マンドレル片に含まれる直管部分
φms 直管部分の外径
Lms 直管部分の全長
15 マンドレル片に含まれる先太部分
15R 先太部分の先太領域
φmu 先太領域の最大外径
Lmu 先太領域の全長
MM 機構
21 中空
21N 中空の内面
22 着脱ネジ[第1雄ネジ、進退材、係合部、機構]
23 雌ネジ孔[第1雌ネジ孔]
25 内腔[挿入孔]
26 軸雄ネジ[第2雄ネジ、第3雄ネジ、係合部、機構]
27 雌ネジ孔[第3雌ネジ孔、第2雌ネジ孔、係合部、機構]
28 雄ネジ[第2雄ネジ、第3雄ネジ、係合部、機構]
29 雌ネジ孔[第3雌ネジ孔、第2雌ネジ孔、係合部、機構]
31 嵌め込みピン[ピン、係合部、機構]
31A ピン軸
31T ピン軸の外面
32 嵌め込み孔[ピン受け孔、係合部、機構]
32N 嵌め込み孔の内面
PR 外面突起、内面突起
NR 内面窪み、外面窪み
SC 目盛
41 軸線
42 交線
43 斜線
44 曲線、波線
45 点
46 放射線[軸線]
47 円線[交線]
50 ステント
51 金属チューブ
52 空隙
53 ストランド
CW クラウン
54 直管体
φss 直管体の外径
Lss 直管体の全長
55 フレア体
φsu フレア体の最大外径
Lsu フレア体の全長
Lst ストランドの全長
60 拡径棒
AX 軸方向
CD 周方向

Claims (12)

  1. ステントの製造に使用するマンドレルであって、
    上記マンドレルは、複数のマンドレル片の組み立てによって形成され、
    複数の上記マンドレル片の少なくとも1つは、自身の外面にステントの周方向の位置を特定する目盛を付し、
    一方の上記マンドレル片に対して他方の上記マンドレル片を、位置変化または取替させる機構が、含まれるマンドレル。
  2. 上記目盛は、
    上記マンドレルの軸方向に沿って延びる軸線、上記軸線に対して交差する交線、上記軸線と上記交線との両線に対して非平行に交差する斜線、曲線、および、点、における少なくとも1種の集合で形成される請求項1に記載のマンドレル。
  3. 上記目盛が複数の上記マンドレル片に形成されている場合、
    上記マンドレル片同士の上記目盛の模様は、同一模様または異なる模様である請求項1または2に記載のマンドレル。
  4. 一方の上記マンドレル片に対する他方のマンドレル片の、位置変化前後または取替前後で、上記マンドレル全体の上記目盛の模様は変化する請求項1〜3のいずれか1項に記載のマンドレル。
  5. 上記機構は、一方の上記マンドレル片の一端と、他方の上記マンドレル片に含まれる上記一端に係合する係合部と、である請求項1〜4のいずれか1項に記載のマンドレル。
  6. 上記一端は、一方の上記マンドレル片の外面であり、
    上記係合部は、一方の上記マンドレル片を受け入れることで上記外面を覆う中空の他方の上記マンドレル片に装着され、その他方のマンドレル片の内面からの突き出し量を変化させる進退材である、請求項5に記載のマンドレル。
  7. 上記進退材は、他方の上記マンドレル片の肉厚に刻まれる第1雌ネジ孔に嵌り合う第1雄ネジである請求項6に記載のマンドレル。
  8. 上記一端は、一方の上記マンドレル片に含まれる第2雄ネジまたは第2雌ネジ孔であり、
    上記係合部は、他方のマンドレル片に含まれる、上記第2雄ネジに嵌り合う第3雌ネジ孔または上記第2雌ネジ孔に嵌り合う第3雄ネジ、である請求項5に記載のマンドレル。
  9. 上記第2雄ネジまたは上記第2雌ネジ孔は、一方の上記マンドレル片の両端のうちの少なくとも一方から、そのマンドレル片の軸方向に突き出た軸状の雄ネジまたはそのマンドレル片の軸方向に掘り込まれる雌ネジであり、
    上記第3雌ネジ孔または上記第3雄ネジは、他方の上記マンドレル片に形成される一方の上記マンドレル片の挿入腔の底から、そのマンドレル片の軸方向に掘り込まれる雌ネジまたはそのマンドレル片の軸方向に沿って突き出た軸状の雄ネジである、請求項8に記載のマンドレル。
  10. 上記一端は、一方の上記マンドレル片の端に形成される、外面突起または外面窪みを有するピンであり、
    上記係合部は、他方の上記マンドレル片の端に形成される、上記ピンを受け入れるとともに、上記外面突起を受け入れる内面窪みまたは上記外面窪みに嵌る内面突起を有するピン受け孔である、請求項5に記載のマンドレル。
  11. 上記ピンの外周面に形成される上記外面突起の個数が上記ピン受け孔の内腔面に形成される上記内面窪みの個数よりも少ないか、または、上記ピン受け孔の内腔面に形成される内面突起の個数が上記ピンの外周面に形成される上記外面窪みの個数よりも少ない、請求項10に記載のマンドレル。
  12. 複数の上記マンドレル片には、棒状の上記マンドレル片、および、一方向に向けて先太りするフレネル状の上記マンドレル片が含まれる請求項1〜11のいずれか1項に記載のマンドレル。
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