JP6196791B2 - 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法に関する。
有機物質を使用した有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子と略記する場合がある。)は、固体発光型の安価な大面積フルカラー表示素子としての用途が有望視され、多くの開発が行われている。
一般に有機EL素子は、対向する一対の電極と、当該一対の電極間に配置された発光層やその他の有機層等とで構成されている。有機EL素子の両電極間に電界が印加されると、陰極側から電子が注入され、陽極側から正孔が注入される。注入された電子と正孔とが発光層において再結合すると励起子が形成され、励起状態から基底状態へ戻る際に、エネルギーを光として放出する。有機EL素子は、このような原理によって発光する。
発光層としては、ドーピングシステムが採用されることがある。この場合の発光層は、ホスト材料とドーパント材料とで構成される。ホスト材料は、一般的に電子と正孔の再結合を促し、再結合により生じた励起エネルギーをドーパント材料に伝達させる。また、ドーパント材料は、一般的にホスト材料から励起エネルギーを受け取り、発光する。
有機EL素子の一対の電極間に設けられる有機層は、蒸着法によって形成することができる。発光層は、上述のようにホスト材料とドーパント材料とを含有させる場合には、ホスト材料とドーパント材料とを同時に蒸着するいわゆる共蒸着法によって形成することができる。
ドーピングシステムを採用した場合、発光層におけるドーパント材料濃度が高すぎると濃度消光によって発光効率が低下したり、ドーパント材料濃度に大きく依存して発光効率等の有機EL素子の特性が異なったりするため、ドーパント材料濃度を制御することが必要である。しかし、共蒸着法により発光層を形成する場合には、ドーパント材料濃度の制御が困難であった。
そこで、例えば特許文献1では、ドーパント材料としてサリチリデンアミノフェノールの金属錯体を用いることで、ホスト材料とドーパント材料とを共蒸着して発光層を形成する場合であっても、ドーパント材料濃度を10重量%まで高めることが可能になり、ドーパント材料濃度の制御が容易になって、有機EL素子の特性のばらつきを低減できる旨が記載されている。
また、特許文献2では、ホスト材料としてのルブレンと、蛍光発光性のドーパント材料としてのピロメテン錯体とを99:1の比で混合して、その混合物を同一の蒸着源から蒸着する製造方法について検討されている。
特許文献2に記載されているように、蛍光発光性のドーパント材料を用いて、ホスト材料と共に同一蒸着源から共蒸着させることは可能と考えられている。蛍光発光性のドーパント材料と、これと共に用いられるホスト材料は、主に炭素原子、窒素原子、酸素原子、水素原子、リン原子で構成された分子構造を有するため、分子量に大きな違いが生じないと考えられる。その結果、同一蒸着源における蒸着レートの制御が可能となるからである。
特開2006−32844号公報 国際公開第2010/098119号
しかしながら、特許文献1や特許文献2に記載されているような特定のドーパント材料を用いた場合であっても、10重量%までドーパント材料濃度を上げることが可能になるにすぎず、ドーパント材料の濃度依存性が未だに大きい。濃度依存性が大きい場合、有機EL素子を連続製造している間に各ロットの素子ごとにドーパント材料濃度が異なってくると、素子特性が安定しないおそれがある。特に、同一蒸着源からホスト材料およびドーパント材料を共蒸着する場合には、特許文献2に記載されているように低いドーパント材料濃度における発光が確認されたにすぎない。したがって、同一蒸着源からホスト材料およびドーパント材料を共蒸着させて有機EL素子を製造する場合において、素子特性のばらつきを低減させることのできる技術が要望されている。
一方、燐光発光性のドーパント材料を用いる場合、当該ドーパント材料は、イリジウムや白金などの重原子を含む分子構造を有するため、ホスト材料よりも分子量が著しく大きくなる。そのため、ホスト材料と燐光発光性ドーパントとを混合し、その混合物を同一の蒸着源から蒸着する際には、両者の蒸着レートを制御することが困難であり、有機EL素子の特性のばらつきを低減することは容易ではない。
ホスト材料およびドーパント材料を同一の蒸着源から蒸着する場合に限らず、その他の互いに異なる材料を同一の蒸着源から蒸着する場合においても、素子特性がばらつく可能性があることから、そのばらつきを低減可能な技術が要望されている。
本発明の目的は、同一蒸着源から互いに異なる材料を共蒸着しても、素子特性のばらつきを低減することのできる有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法を提供することである。
本発明の一実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法は、一重項エネルギーEgS(D)と、77[K]におけるエネルギーギャップEg77K(D)との差ΔST(D)が下記数式(数1)を満たす第1の材料と、第2の材料とを同一の蒸着源に収容し、前記蒸着源から前記第1の材料および前記第2の材料を同時に蒸着させて発光層を形成する工程を有することを特徴とする。
ΔST(D)=EgS(D)−Eg77K (D)<0.3[eV] …(数1)
本発明の一実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子は、陽極と、陰極と、前記陽極および前記陰極の間に配置された少なくとも1層以上の有機層と、を有し、前記有機層の内、少なくとも一層は、同一の蒸着源から蒸着された第1の材料および第2の材料を含有する発光層であり、前記第1の材料の一重項エネルギーEgS(D)と、前記第1の材料の77[K]におけるエネルギーギャップEg77K(D)との差ΔST(D)が前記数式(数1)を満たすことを特徴とする。
本発明の一実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法、および有機エレクトロルミネッセンス素子によれば、同一蒸着源から互いに異なる材料を共蒸着しても、素子特性のばらつきを低減することができる。
第一実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子の一例を示す図。 第一実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法を説明する図。
以下、本発明の一態様に係る第一実施形態を図面に基づいて説明する。
[第一実施形態]
(有機EL素子の素子構成)
本発明の第一実施形態に係る有機EL素子の構成について説明する。
図1に、本実施形態における有機EL素子の一例の概略構成を示す。
有機EL素子1は、透光性の基板2と、陽極3と、陰極4と、陽極3と陰極4との間に配置された有機層10と、を有する。
有機層10は、ホスト材料およびドーパント材料を含む発光層5を有する。発光層5は、ドーピングシステムが採用されており、ホスト材料は、一般的に電子と正孔の再結合を促し、再結合により生じた励起エネルギーをドーパント材料に伝達させる。また、ドーパント材料は、一般的にホスト材料から励起エネルギーを受け取り、高い発光性能を示す。ドーパント材料としては、量子収率の高い化合物が好まれる。本実施形態では、第1の材料が、ドーパント材料であり、第2の材料が、ホスト材料である態様を例に挙げて説明するが、本発明は本実施形態の例に限定されない。本実施形態において、発光層5には、金属錯体が含有されない。
有機層10は、発光層5と陽極3との間に、正孔注入・輸送層6を有し、さらに、発光層5と陰極4との間に、電子注入・輸送層7を有する。
正孔注入・輸送層6は、「正孔注入層および正孔輸送層のうちの少なくともいずれか1つ」を意味し、電子注入・輸送層7は「電子注入層および電子輸送層のうちの少なくともいずれか1つ」を意味する。ここで、正孔注入層および正孔輸送層を有する場合には、陽極3側に正孔注入層が設けられていることが好ましい。また、電子注入層および電子輸送層を有する場合には、陰極4側に電子注入層が設けられていることが好ましい。また、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層は、それぞれ、一層で構成されていても良いし、複数の層が積層されていてもよい。
なお、有機層10は、有機化合物で構成される層であるが、無機化合物をさらに含んでいてもよい。
(発光層)
本実施形態において、発光層5は、同一の蒸着源から共蒸着されたドーパント材料(第1の材料)とホスト材料(第2の材料)とで構成されている。発光層5に含有されるホスト材料とドーパント材料とでは、互いの分子構造が異なる。
発光層5に含有されているドーパント材料の一重項エネルギーEgS(D)と、ドーパント材料の77[K]におけるエネルギーギャップEg77K(D)との差ΔST(D)が下記数式(数1)を満たす。
ΔST(D)=EgS(D)−Eg77K (D)<0.3[eV] …(数1)
前記数式(数1)を満たす化合物は、発光層5におけるドーパント材料濃度依存性が特許文献1や特許文献2に記載されているような化合物に比べて小さい。そのため、同一蒸着源からホスト材料と共に共蒸着されて発光層5が形成されていても、素子特性のばらつきを低減できる。ΔST(D)は、0.2[eV]未満であることが好ましい。
本実施形態において、ホスト材料の一重項エネルギーEgS(H)と、ホスト材料の77[K]におけるエネルギーギャップEg77K(H)との差ΔST(H)が下記数式(数2)を満たすことが好ましい。
ΔST(H)=EgS(H)−Eg77K (H)<0.3[eV] …(数2)
また、本実施形態においては、ホスト材料の77[K]におけるエネルギーギャップEg77K(H)が、ドーパント材料の77[K]におけるエネルギーギャップEg77K(D)よりも大きいことが好ましい。ΔST(H)は、0.2[eV]未満であることが好ましい。
本実施形態において、ドーパント材料の一重項エネルギーEgS(D)と、ホスト材料の一重項エネルギーEgS(H)とが、下記数式(数3)を満たすことが好ましい。
EgS(H)>EgS(D) …(数3)
本実施形態において、発光層5中の前記ドーパント材料の濃度は、10質量%以上50質量%以下であることが好ましく、15質量%以上35質量%以下であることがより好ましい。
ここで、前記数式(数1)で示されたΔSTについて説明する。
ドーパント材料として、一重項エネルギーEgSと三重項エネルギーEgTとのエネルギー差(ΔST)が小さい化合物を用いると、高電流密度領域で有機EL素子が高効率で発光する。上記ΔST(D)は、ドーパント材料のΔSTについて示すものである。
一重項エネルギーEgSと三重項エネルギーEgTの差に値するΔSTを小さくするには、量子化学的には、一重項エネルギーEgSと三重項エネルギーEgTにおける交換相互作用が小さいことで実現する。ΔSTと交換相互作用の関係性における物理的な詳細に関しては、例えば、次の参考文献1や参考文献2に記載されている。
参考文献1:安達千波矢ら、有機EL討論会 第10回例会予稿集、S2−5,p11〜12
参考文献2:徳丸克己、有機光化学反応論、東京化学同人出版、(1973)
このような材料は、量子計算により分子設計を行い合成することが可能であり、具体的には、LUMO、およびHOMOの電子軌道を重ねないように局在化させた化合物である。
本発明のドーパント材料に用いるΔSTの小さな化合物の例としては、分子内でドナー要素とアクセプター要素とを結合した化合物であり、さらに電気化学的な安定性(酸化還元安定性)を考慮し、ΔSTが0eV以上0.3eV未満の化合物が挙げられる。
また、より好ましい化合物は、分子の励起状態で形成される双極子(ダイポール)が互いに相互作用し、交換相互作用エネルギーが小さくなるような会合体を形成する化合物である。本発明者らの検討によれば、このような化合物は、双極子(ダイポール)の方向がおおよそ揃い、分子の相互作用により、さらにΔSTが小さくなり得る。このような場合、ΔSTは、0eV以上0.2eV以下と極めて小さくなり得る。
・TADF機構
有機材料のΔST(D)が小さいと、外部から与えられる熱エネルギーによって、ドーパント材料の三重項準位からドーパント材料の一重項準位への逆項間交差が起こり易くなる。有機EL素子内部の電気励起された励起子の励起三重項状態が、逆項間交差によって、励起一重項状態へスピン交換がされるエネルギー状態変換機構をTADF(Thermally Activated Delayed Fluorescence、熱活性化遅延蛍光)機構と呼ぶ。
本実施形態では、ドーパント材料として、ΔST(D)が前記数式(1)を満たす化合物を用いる。そのため、外部から与えられる熱エネルギーによって、ドーパント材料の三重項準位からドーパント材料の一重項準位への逆項間交差が起こり易くなる。
・EgTとEg77Kとの関係
上記した三重項エネルギーEgTは、通常定義される三重項エネルギーとは異なる点がある。この点について、以下に説明する。
一般に、三重項エネルギーは、NMRチューブに入れた測定対象となる燐光測定用試料について低温(77[K])で燐光スペクトル(縦軸:燐光発光強度、横軸:波長とする。)を測定し、この燐光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対して接線を引き、その接線と横軸との交点の波長値に基づいて、所定の換算式から算出される。
ここで、本実施形態でドーパント材料に用いる化合物は、上記のとおりΔST(D)が前記数式(数1)を満たす化合物である。ΔST(D)が小さいと、低温(77[K])状態でも、項間交差、および逆項間交差が起こりやすく、励起一重項状態と励起三重項状態とが混在する。その結果、上記と同様にして測定されるスペクトルは、励起一重項状態および励起三重項状態の両者からの発光を含んだものとなり、いずれの状態から発光したものかについて峻別することは困難であるが、基本的には三重項エネルギーの値が支配的と考えられる。
そのため、本実施形態では、通常の三重項エネルギーEgTと測定手法は同じであるが、その厳密な意味において異なることを区別するため、NMRチューブに入れた測定対象となる燐光測定用試料について低温(77[K])で燐光スペクトル(縦軸:燐光発光強度、横軸:波長とする。)を測定し、この燐光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対して接線を引き、その接線と横軸との交点の波長値に基づいて、所定の換算式から算出されるエネルギー量をエネルギーギャップEg77Kとし、ΔSTを一重項エネルギーEgSとエネルギーギャップEg77Kとの差として定義する。それゆえ、ΔST(D)については、上記数式(数1)のように表される。
・一重項エネルギーEgS
一重項エネルギーEgSについては、本実施形態においても通常の手法と同様にして算出されるもので定義される。すなわち、測定対象となる化合物を石英基板上に蒸着して試料を作製し、常温(300K)でこの試料の発光スペクトル(縦軸:発光強度、横軸:波長とする。)を測定する。この発光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対して接線を引き、その接線と横軸との交点の波長値に基づいて、所定の換算式から算出される。
なお、一重項エネルギーEgS、およびエネルギーギャップEg77Kの具体的な算出については、後述する。
・第2の材料
本実施形態における第2の材料としては、有機EL素子に適用し得るホスト材料が挙げられ、特に限定されないが、下記一般式(1)で表される化合物であることが好ましい。但し、下記一般式(1)で表される化合物を第1の材料として用いてもよい。
前記一般式(1)において、Czは、下記一般式(10)で表される構造から誘導される基である。
前記一般式(10)において、Xは、単結合、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、NR、CR、SiR、またはGeRを表す。すなわち、前記一般式(10)で表される環構造は、下記一般式(10b)〜(10i)で表される環構造からなる群から選択される環構造である。
前記一般式(10),(10b)〜(10i)において、AおよびBは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環構造を表し、環構造Aおよび環構造Bのうち少なくともいずれかが複数の置換基を有する場合、隣接する置換基同士が環を形成してもよい。形成する環は、飽和環または不飽和環のどちらでもよい。
環構造Aおよび環構造Bのうち少なくともいずれかが有する置換基としては、電子ドナー性を有する置換基であることが好ましい。または、隣接する置換基同士が電子ドナー性を有する環をさらに形成することが好ましい。
前記一般式(10),(10b)〜(10i)において、前記環構造Aおよび前記環構造Bのうち少なくともいずれかが置換もしくは無置換の複素環構造であるとき、当該複素環構造は、下記一般式(11)で表される部分構造を有する。
前記一般式(10)で表される構造から誘導される基としては、下記一般式(10−1)で表される基であることが好ましい。
前記一般式(10−1)において、Xは、前記一般式(10)におけるXと同義である。すなわち、前記一般式(10−1)で表される基は、下記一般式(10b−1)〜(10i−1)で表される基からなる群から選択される基である。
前記一般式(10b−1)〜(10i―1)における、環構造Aおよび環構造Bは、それぞれ独立に、前記一般式(10),(10b)〜(10i)における環構造Aおよび環構造Bと同義である。
前記一般式(1)において、Lは、単結合、置換もしくは無置換のm+1価の芳香族炭化水素基、または置換もしくは無置換のm+1価の複素環基を表す。
は、単結合、置換もしくは無置換のn+p価の芳香族炭化水素基、または置換もしくは無置換のn+p価の複素環基を表す。
は、単結合、置換もしくは無置換のo+1価の芳香族炭化水素基、または置換もしくは無置換のo+1価の複素環基を表す。
前記一般式(1)において、m、n、oおよびpは、それぞれ独立に、1以上6以下の整数である。m、n、oおよびpは、それぞれ独立に、好ましくは1以上3以下の整数であり、より好ましくは1又は2である。
mが2以上の場合、複数のCzは、互いに同一でも異なってもよい。oが2以上の場合、複数のAzは、互いに同一でも異なってもよい。nが2以上の場合、前記一般式(1)における(Cz)−L−で構成される複数の部位は、互いに同一でも異なってもよい。pが2以上の場合、−L−(Azで構成される複数の部位は、互いに同一でも異なってもよい。
本実施形態において、Lは、mの値に応じてその価数が定まる連結基であり、mが1である場合、Lは、2価の連結基である。Lは、nおよびpの値に応じてその価数が決まる連結基であり、nおよびpがいずれも1である場合、Lは、2価の連結基である。以下、L等の連結基においても同様である。
前記一般式(1)において、Azは、下記一般式(12)で表される。
前記一般式(12)において、X11〜X15は、それぞれ独立に、CRまたは窒素原子を表し、X11〜X15のうち少なくとも1つ以上は、窒素原子である。前記一般式(12)において、X11〜X15のうち窒素原子は、1つ以上3つ以下であることが好ましい。なお、複数のR同士は、互いに同一でも異なっていてもよい。また、前記一般式(12)において、隣接するR同士が結合して環を形成してもよい。
窒素原子が1つとなる場合としては、X11またはX15が窒素原子となることが好ましい。窒素原子が2つとなる場合としては、X11およびX15が窒素原子となることが好ましい。窒素原子が3つとなる場合としては、X11、X13およびX15が窒素原子となることが好ましい。これらのうち、前記一般式(12)において、X11、X13およびX15が窒素原子となるトリアジン環であることがより好ましい。
前記一般式(1)において、Cz、L、L、L、およびAzからなる群から選ばれる2つ以上の構造同士が結合して環を形成してもよい。
、L、およびLのうち少なくとも2つ以上が連結基である場合、連結基同士、連結基の置換基同士、連結基の置換基と隣接する連結基とが結合して環を形成してもよい。
前記一般式(1)において、Lが連結基である場合には、Lの置換基と、環構造Aおよび環構造Bの少なくともいずれかの置換基とが結合して環を形成してもよいし、Lと、環構造Aおよび環構造Bの少なくともいずれかの置換基とが結合して環を形成してもよいし、Lの置換基と、環構造Aおよび環構造Bの少なくともいずれかとが結合して環を形成してもよい。
前記一般式(1)において、Lが単結合であって、Lが連結基である場合、並びにLおよびLが単結合であって、Lが連結基である場合には、上述のLが連結基である場合と同様にして環を形成してもよい。
また、前記一般式(1),(10)において、XにおけるR〜Rの少なくともいずれかと、環構造Aおよび環構造Bの少なくともいずれかとが結合して環を形成してもよいし、XにおけるR〜Rの少なくともいずれかと、環構造Aおよび環構造Bの少なくともいずれかの置換基とが結合して環を形成してもよい。
前記一般式(1)において、Lが連結基である場合には、Lの置換基と、X11〜X15におけるCRのRとが結合して環を形成してもよいし、Lと、当該Rとが結合して環を形成してもよいし、Lの置換基と、X11〜X15における炭素原子Cとが結合して環を形成してもよい。
前記一般式(1)において、Lが単結合であって、Lが連結基である場合、並びにLおよびLが単結合であって、Lが連結基である場合には、上述のLが連結基である場合と同様にして環を形成してもよい。
このようにして隣接する置換基同士、隣り合う環構造同士の置換基同士、連結基と環構造の置換基同士などで結合して環を形成する場合については、以下においても同様である。
前記一般式(1),(10)〜(12)において、R〜Rは、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数3〜30のアルキルシリル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜60のアリールシリル基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルコキシ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールオキシ基、
置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルキルアミノ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜60のアリールアミノ基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキルチオ基、または、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールチオ基である。
本実施形態において、前記一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(13)で表される化合物であることが好ましい。
前記一般式(13)において、X、環構造A、および環構造Bは、それぞれ、前記一般式(10)におけるX、環構造A、および環構造Bと同義である。
前記一般式(13)において、Lは、前記一般式(1)におけるLと同義である。
前記一般式(13)において、X11〜X15は、それぞれ独立に、前記一般式(12)におけるX11〜X15と同義である。
前記一般式(13)で表される化合物のうち、下記一般式(13a)〜(13c)で表される化合物が好ましく、下記一般式(13c)で表される化合物がより好ましい。
前記一般式(13a)〜(13c)において、X、環構造A、および環構造Bは、それぞれ、前記一般式(10)におけるX、環構造A、および環構造Bと同義である。
前記一般式(13a)〜(13c)において、Lは、前記一般式(1)におけるLと同義である。
前記一般式(13a)のX11およびX13、並びに前記一般式(13b)のX13は、それぞれ独立に、前記一般式(12)におけるX11〜X15と同義である。
前記一般式(13a)〜(13c)において、R21およびR22は、それぞれ独立に、前記R〜Rと同義である。
前記一般式(1)、(10)、(10b)〜(10i)、(10b−1)〜(10i−1)、(10−1)、(13)、(13a)〜(13c)において環構造Aおよび環構造Bのうち少なくともいずれかが、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基、および置換もしくは無置換のアミノ基からなる群から選択される少なくともいずれかの置換基を有することが好ましく、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基、および置換もしくは無置換のアミノ基からなる群から選択される少なくともいずれかの置換基を有することがより好ましい。
本実施形態において、前記一般式(1)で表される化合物のうち、下記一般式(100)で表される化合物であることが好ましい。
前記一般式(100)において、L、環構造A、環構造B、X、X11〜X15は、それぞれ前記一般式(1),(10),(12)におけるL、環構造A、環構造B、X、X11〜X15と同義である。
前記一般式(100)において、R51〜R54は、それぞれ独立に、前記R〜Rと同義である。R51とR52とで結合して環を形成してもよいし、R53とR54とで結合して環を形成してもよい。前記一般式(100)において、R51〜R54は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基、または置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基であることが好ましい。
前記一般式(100)において、yおよびzは、それぞれ独立に、1以上4以下の整数である。yやzが2以上の整数の場合、環構造Aに結合するアミノ基は、互いに同一でも異なっていてもよいし、環構造Bに結合するアミノ基も、互いに同一でも異なっていてもよい。
前記一般式(100)において、R51およびR52が結合する窒素原子は、さらに環構造Bを構成する原子と結合し、R53およびR54が結合する窒素原子は、さらに環構造Aを構成する原子と結合する。
前記一般式(100)で表される化合物において、R51とR52とで結合して環を形成し、R53とR54とで結合して環を形成することが好ましく、この場合、前記一般式(100)で表される化合物のうち下記一般式(101)で表される化合物が好ましい。
前記一般式(101)において、L、環構造A、環構造B、X、X11〜X15は、それぞれ前記一般式(1),(10),(12)におけるL、環構造A、環構造B、X、X11〜X15と同義である。
前記一般式(101)において、R55〜R58は、それぞれ独立に、前記R〜Rと同義である。なお、隣接するR55同士が結合して環を形成してもよいし、隣接するR56同士が結合して環を形成してもよいし、隣接するR57同士が結合して環を形成してもよいし、隣接するR58同士が結合して環を形成してもよい。R55〜R58は、それぞれ、カルバゾール環を構成する6員環の炭素原子に結合する。
前記一般式(101)において、M、N、O、およびPは、4である。
前記一般式(101)において、N−カルバゾリル基は、環構造Aまたは環構造Bを構成する原子と結合する。
前記一般式(101)において、yおよびzは、それぞれ独立に、1以上4以下の整数である。yやzが2以上の整数の場合、環構造Aに結合するN−カルバゾリル基は、互いに同一でも異なっていてもよいし、環構造Bに結合するN−カルバゾリル基も、互いに同一でも異なっていてもよい。
前記一般式(101)において、yおよびzは、それぞれ1であることが好ましい。この場合、前記一般式(101)で表される化合物は、下記一般式(102)で表される。
前記一般式(102)において、L、環構造A、環構造B、X、X11〜X15、R55〜R58、M、N、O、およびPは、それぞれ、前記一般式(101)におけるL、環構造A、環構造B、X、X11〜X15、R55〜R58、M、N、O、およびPと同義である。
また、本実施形態において、前記一般式(100)で表される化合物のうち下記一般式(103)で表される化合物も好ましい。
前記一般式(103)において、L、環構造A、環構造B、X、X11〜X15は、それぞれ前記一般式(1),(10),(12)におけるL、環構造A、環構造B、X、X11〜X15と同義である。
前記一般式(103)において、R71〜R74は、それぞれ独立に、前記R〜Rと同義である。なお、隣接するR71同士が結合して環を形成してもよいし、隣接するR72同士が結合して環を形成してもよいし、隣接するR73同士が結合して環を形成してもよいし、隣接するR74同士が結合して環を形成してもよい。R71〜R74は、それぞれ、カルバゾール環を構成する6員環の炭素原子に結合する。
前記一般式(103)において、QおよびTは、4であり、RおよびSは、3である。
前記一般式(103)において、ArおよびArは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、または置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基を表す。ただし、Arが置換もしくは無置換の6員環の含窒素複素環基である場合、当該含窒素複素環基は、R71およびR72が置換されているカルバゾール環の9位の窒素原子に対して単結合で直接結合してもよいし、連結基を介して結合してもよい。このArと、R71およびR72が置換されているカルバゾール環の9位の窒素原子との間に設けられる連結基としては、前記一般式(1)におけるLと同義である。Arとカルバゾール環との結合においても同様である。なお、ArおよびArとしては、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基が好ましく、具体的には、例えば、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、トリフェニレル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、カルバゾリル基等が好ましい。
前記一般式(103)において、R71およびR72が置換されているカルバゾール環を構成する6員環の炭素原子の一つが、環構造Bを構成する原子と結合し、R73およびR74が置換されているカルバゾール環を構成する6員環の炭素原子の一つが、環構造Aを構成する原子と結合する。
前記一般式(103)において、UおよびVは、それぞれ独立に、1以上4以下の整数である。UやVが2以上の整数の場合、環構造Aに結合するカルバゾリル基は、互いに同一でも異なっていてもよいし、環構造Bに結合するカルバゾリル基も、互いに同一でも異なっていてもよい。
前記一般式(103)において、UおよびVは、それぞれ1であることが好ましい。
また、本実施形態において、前記一般式(1)で表される化合物のうち、下記一般式(104)で表される化合物も好ましい。
前記一般式(104)において、L、環構造A、環構造B、X、X11〜X15は、それぞれ前記一般式(1),(10),(12)におけるL、環構造A、環構造B、X、X11〜X15と同義である。
前記一般式(104)において、R51およびR52は、それぞれ独立に、前記R〜Rと同義である。R51とR52とで結合して環を形成してもよい。
前記一般式(104)において、yは、1以上4以下の整数である。前記一般式(104)において、yが2以上の整数の場合、環構造Bに結合するアミノ基は、互いに同一でも異なっていてもよい。
前記一般式(104)において、R51およびR52が結合する窒素原子は、環構造Bを構成する原子と結合する。
前記一般式(104)で表される化合物において、R51とR52とで結合して環を形成することが好ましく、この場合、前記一般式(104)で表される化合物のうち下記一般式(105)で表される化合物が好ましい。
前記一般式(105)において、L、環構造A、環構造B、X、X11〜X15は、それぞれ前記一般式(1),(10),(12)におけるL、環構造A、環構造B、X、X11〜X15と同義である。
前記一般式(105)において、R55およびR56は、それぞれ独立に、前記R〜Rと同義である。なお、隣接するR55同士が結合して環を形成してもよいし、隣接するR56同士が結合して環を形成してもよい。R55およびR56は、それぞれ、カルバゾール環を構成する6員環の炭素原子に結合する。
前記一般式(105)において、MおよびNは、4である。
前記一般式(105)において、N−カルバゾリル基は、環構造Bを構成する原子と結合する。
前記一般式(105)において、yは、1以上4以下の整数である。yが2以上の整数の場合、環構造Bに結合するN−カルバゾリル基は、互いに同一でも異なっていてもよい。
前記一般式(105)において、yは、1であることが好ましい。この場合、前記一般式(105)で表される化合物は、下記一般式(106)で表される。
前記一般式(106)において、L、環構造A、環構造B、X、X11〜X15、R55、R56、M、Nは、それぞれ、前記一般式(105)におけるL、環構造A、環構造B、X、X11〜X15、R55、R56、M、Nと同義である。
また、本実施形態において、前記一般式(1)で表される化合物のうち、下記一般式(107)で表される化合物も好ましい。
前記一般式(107)において、L、環構造A、環構造B、X、X11〜X15は、それぞれ前記一般式(1),(10),(12)におけるL、環構造A、環構造B、X、X11〜X15と同義である。
前記一般式(107)において、R71およびR72は、それぞれ独立に、前記R〜Rと同義である。なお、隣接するR71同士が結合して環を形成してもよいし、隣接するR72同士が結合して環を形成してもよい。R71およびR72は、それぞれ、カルバゾール環を構成する6員環の炭素原子に結合する。
前記一般式(107)において、Qは、4であり、Rは、3である。
前記一般式(107)において、Arは、前記一般式(103)におけるArと同義である。
前記一般式(107)において、R71およびR72が置換されているカルバゾール環を構成する6員環の炭素原子の一つが、環構造Bを構成する原子と結合する。
前記一般式(107)において、yは、1以上4以下の整数である。yが2以上の整数の場合、環構造Bに結合するカルバゾリル基は、互いに同一でも異なっていてもよい。
前記一般式(1)、(10)、(10b)〜(10i)、(10b−1)〜(10i−1)、(10−1)、(13)、(13a)〜(13c)、(101)〜(107)において、環構造Aおよび環構造Bとしては、飽和もしくは不飽和の5員環、飽和もしくは不飽和の6員環が挙げられ、不飽和の6員環であるベンゼン環またはアジン環が好ましく、ベンゼン環がより好ましい。
本実施形態において、前記一般式(1)におけるCzが、前記一般式(10b)で表されることが好ましく、さらに環構造Aおよび環構造Bの両方が、置換もしくは無置換のベンゼン環であることが好ましい。この場合の置換基としては前述したとおりである。
また、前記一般式(10b)において、環構造Aおよび環構造Bのうち少なくともいずれかが複素環である場合には、前記一般式(11)で表される部分構造を有することが好ましく、前記一般式(10b)における環構造Aおよび環構造Bが、前記一般式(11)で表される部分構造を有する6員環の複素環であることが好ましい。
本実施形態において、前記一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(14)で表される化合物であることが好ましい。
前記一般式(14)において、L、L、L、m、n、o、pは、それぞれ、前記一般式(1)におけるL、L、L、m、n、o、pと同義である。
前記一般式(14)において、X11〜X15は、それぞれ独立に、前記一般式(12)におけるX11〜X15と同義である。
前記一般式(14)において、R31およびR32は、それぞれ独立に、前記R〜Rと同義である。R31〜R32は、それぞれ、カルバゾール環を構成する6員環の炭素原子に結合する。また、隣接するR31同士が結合して環を形成してもよいし、隣接するR32同士が結合して環を形成してもよい。また、R31またはその置換基と、L、LおよびLの少なくともいずれかまたはその置換基とで、上述と同様にして結合して環を形成してもよいし、R32またはその置換基と、L、LおよびLの少なくともいずれかまたはその置換基とで、上述と同様にして結合して環を形成してもよい。
前記一般式(14)において、qおよびrは、4である。
本実施形態において、前記一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(15)で表される化合物であることが好ましい。すなわち、前記一般式(14)で表される化合物において、LおよびLが単結合であり、n、oおよびpが、1であることが好ましい。
前記一般式(15)において、L、mは、それぞれ、前記一般式(1)におけるL、mと同義である。
前記一般式(15)において、X11〜X15は、それぞれ独立に、前記一般式(12)におけるX11〜X15と同義である。
前記一般式(15)において、R31およびR32は、それぞれ独立に、前記R〜Rと同義である。なお、隣接するR31同士が結合して環を形成してもよいし、隣接するR32同士が結合して環を形成してもよい。
前記一般式(15)において、qおよびrは、4である。
なお、前記一般式(15)において、R31〜R32は、それぞれ、カルバゾール環を構成する6員環の炭素原子に結合する。
本実施形態において、前記一般式(15)で表される化合物は、下記一般式(16)で表される化合物であることが好ましい。
前記一般式(16)において、Lは、前記一般式(1)におけるLと同義である。
前記一般式(16)において、X11〜X15は、前記一般式(12)における、X11〜X15と同義である。
前記一般式(16)において、R31、R32、R55およびR55は、それぞれ独立に、前記R〜Rと同義である。なお、隣接するR31同士が結合して環を形成してもよいし、隣接するR32同士が結合して環を形成してもよいし、隣接するR55同士が結合して環を形成してもよいし、隣接するR56同士が結合して環を形成してもよい。R31、R32、R55およびR55は、それぞれ、カルバゾール環を構成する6員環の炭素原子に結合する。
前記一般式(16)において、MおよびNは、4である。
前記一般式(16)において、qおよびrは、4であり、yは、1以上3以下の整数である。yが2以上の整数の場合、置換基としてR55およびR56を有する複数のN−カルバゾリル基は、互いに同一でも異なっていてもよい。
前記一般式(16)において、置換基としてR55およびR56を有するN−カルバゾリル基の窒素原子は、置換基としてR32を有する6員環を構成する炭素原子と結合する。
本実施形態では、前記一般式(16)においてyが1である場合が好ましく、この場合、下記一般式(17)で表され、さらに、下記一般式(18)で表される化合物がより好ましい。
前記一般式(17)において、L、X11〜X15、R31、R32、R55、R56、M、N、q、rは、それぞれ、前記一般式(16)における、L、X11〜X15、R31、R32、R55、R56、M、N、q、rと同義である。
前記一般式(18)において、L、X11〜X15、R31、R32、R55、R56、M、N、q、rは、それぞれ、前記一般式(16)における、L、X11〜X15、R31、R32、R55、R56、M、N、q、rと同義である。
また、本実施形態において、前記一般式(14)で表される化合物は、下記一般式(19)で表される化合物であることが好ましい。
前記一般式(19)において、Lは、前記一般式(1)におけるLと同義である。
前記一般式(19)において、X11〜X15は、前記一般式(12)における、X11〜X15と同義である。
前記一般式(19)において、R31、R32、R55〜R58は、それぞれ独立に、前記R〜Rと同義である。なお、隣接するR31同士が結合して環を形成してもよいし、隣接するR32同士が結合して環を形成してもよいし、隣接するR55同士が結合して環を形成してもよいし、隣接するR56同士が結合して環を形成してもよいし、隣接するR57同士が結合して環を形成してもよいし、隣接するR58同士が結合して環を形成してもよい。R31、R32、R55〜R58は、それぞれ、カルバゾール環を構成する6員環の炭素原子に結合する。
前記一般式(19)において、M、N、OおよびPは、4である。
前記一般式(19)において、qおよびrは、4であり、yおよびzは、それぞれ独立に、1以上3以下の整数である。yが2以上の整数の場合、置換基としてR55およびR56を有する複数のN−カルバゾリル基は、互いに同一でも異なっていてもよい。zが2以上の整数の場合、置換基としてR57およびR58を有する複数のN−カルバゾリル基は、互いに同一でも異なっていてもよい。
前記一般式(19)において、置換基としてR55およびR56を有するN−カルバゾリル基の窒素原子は、置換基としてR32を有する6員環を構成する炭素原子と結合する。前記一般式(19)において、置換基としてR57およびR58を有するN−カルバゾリル基の窒素原子は、置換基としてR31を有する6員環を構成する炭素原子と結合する。
本実施形態では、前記一般式(19)においてyおよびzが1である場合の化合物が好ましく、さらに、下記一般式(19a)で表される化合物がより好ましい。
前記一般式(19a)において、L、X11〜X15、R31、R32、R55〜R58、M、N、O、Pは、それぞれ、前記一般式(19)における、L、X11〜X15、R31、R32、R55〜R58、M、N、O、Pと同義である。
また、本実施形態において、前記一般式(1)で表される化合物は、下記一般式(5)で表される化合物であることが好ましい。すなわち、前記一般式(15)で表される化合物において、mが1であり、4つのR32のうち一つがカルバゾリル基であることが好ましい。
前記一般式(5)において、Lは、前記一般式(1)におけるLと同義である。
前記一般式(5)において、X〜Xは、前記一般式(12)における、X11〜X15と同義である。
前記一般式(5)において、R31〜R34は、それぞれ独立に、前記一般式(1)におけるR〜Rと同義であり、qおよびrは4であり、sは3であり、tは4である。R31〜R34は、それぞれ、カルバゾール環を構成する6員環の炭素原子に結合する。
前記一般式(5)において、Arは、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、または置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基を表す。ただし、Arが置換もしくは無置換の6員環の含窒素複素環基である場合、当該含窒素複素環基は、R33およびR34が置換されているカルバゾール環の9位の窒素原子に対して単結合で直接結合してもよいし、連結基を介して結合してもよい。このArと、R33およびR34が置換されているカルバゾール環の9位の窒素原子との間に設けられる連結基としては、前記一般式(1)におけるLと同義である。なお、Arとしては、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基が好ましく、具体的には、例えば、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、トリフェニレル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、カルバゾリル基等が好ましい。
前記一般式(5)において、R32が置換されているカルバゾール環を構成する6員環の炭素原子の一つが、R33が置換されているカルバゾール環を構成する6員環の炭素原子の一つと結合する。
前記一般式(5)で表される化合物のうち、下記一般式(5A)または一般式(5B)で表される化合物が好ましい。
前記一般式(5A)または一般式(5B)において、L、X11〜X15、R31〜R34、q、r、s、t、Arは、それぞれ前記一般式(5)におけるL、X11〜X15、R31〜R34、q、r、s、t、Arと同義である。
本実施形態では、前記一般式(10)で表される基において、環構造Aが置換もしくは無置換のベンゼン環であり、環構造Bが複数の5員環および6員環のいずれかが縮合して連結した環構造であることが好ましい。この場合、いずれかの環構造が置換基を有してもよい。そして、本実施形態において、前記一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(31)で表される化合物であることが好ましい。
前記一般式(31)において、Lは、前記一般式(1)におけるLと同義である。
前記一般式(31)において、X11〜X15は、それぞれ独立に、前記一般式(12)におけるX11〜X15と同義である。
前記一般式(31)において、R41およびR44は、それぞれ独立に、前記R〜Rと同義である。なお、複数のR41同士、並びに複数のR44同士は、互いに同一でも異なっていてもよい。また、隣接するR41同士が環を形成してもよいし、隣接するR44同士が環を形成してもよい。なお、前記一般式(31)において、R41およびR44は、それぞれ、6員環の炭素原子に結合する。
前記一般式(31)において、uおよびvは、4である。
前記一般式(31)において、Cは、下記一般式(32)で表される環構造を示し、Dは、下記一般式(33)で表される環構造を示す。環構造Cおよび環構造Dは、隣接する環構造と任意の位置で縮合する。
前記一般式(31)において、wは、1以上4以下の整数である。なお、wは、環構造Cおよび環構造Dが縮合して形成される連結環構造の繰り返し単位である。
前記一般式(32)において、R42およびR43は、それぞれ独立に、前記R〜Rと同義であり、R42およびR43が隣接する位置で置換されている場合には環を形成してもよい。なお、前記一般式(32)において、R42およびR43は、それぞれ、6員環の炭素原子に結合する。
前記一般式(33)において、Yは、CR4546、NR47、硫黄原子、または酸素原子を表し、R45〜R47は、それぞれ独立に、前記R〜Rと同義である。
前記一般式(31)において、wは1であることが好ましく、この場合の前記一般式(31)で表される化合物は、下記一般式(31a)で表される。
前記一般式(31a)において、Lは、前記一般式(1)におけるLと同義である。
前記一般式(31a)において、X11〜X15は、それぞれ独立に、前記一般式(12)におけるX11〜X15と同義である。
前記一般式(31a)において、R41およびR44は、それぞれ独立に、前記R〜Rと同義である。なお、隣接するR41同士が環を形成してもよいし、隣接するR44同士が環を形成してもよい。なお、前記一般式(31a)において、R41およびR44は、それぞれ、6員環の炭素原子に結合する。
前記一般式(31a)において、uおよびvは、4である。
前記一般式(31a)において、Cは、前記一般式(32)で表される環構造を示し、Dは、前記一般式(33)で表される環構造を示す。環構造Cおよび環構造Dは、隣接する環構造と任意の位置で縮合する。
本実施形態において、前記一般式(1)におけるCzが、下記一般式(110)〜(115)で表される基からなる群から選択される基であることが好ましい。
前記一般式(110)〜(115)において、Yは、CR4849、NR50、硫黄原子、または酸素原子を表し、R48〜R50は、それぞれ独立に、前記R〜Rと同義である。前記一般式(110)〜(115)で表される基は、さらに置換基を有していてもよい。
前記一般式(110)〜(115)におけるYが酸素原子であることが好ましい。
前記一般式(110)〜(115)で表される基を備える化合物としては、下記一般式(31b)〜(31g)で表される化合物が好ましい。
前記一般式(31b)〜(31g)において、Lは、前記一般式(1)におけるLと同義である。
前記一般式(31b)〜(31g)において、X11〜X15は、それぞれ独立に、前記一般式(12)におけるX11〜X15と同義である。
前記一般式(31b)〜(31g)において、Yは、CR4849、NR50、硫黄原子、または酸素原子を表し、R48〜R50は、それぞれ独立に、前記R〜Rと同義である。
前記一般式(31b)〜(31g)におけるYが酸素原子であることが好ましい。
なお、本実施形態において、前記一般式(1)におけるCzが、下記一般式(116)〜(119)で表される構造から誘導される基からなる群から選択される基であってもよい。
前記一般式(116)〜(119)において、Y,Y,Yは、それぞれ独立に、CR4849、NR50、硫黄原子、または酸素原子を表し、R48〜R50は、それぞれ独立に、前記R〜Rと同義である。前記一般式(116)〜(119)で表される構造から誘導される基は、任意の位置に結合手を有し、前記一般式(1)におけるLと結合する。なお、前記一般式(116)〜(119)で表される構造から誘導される基は、さらに置換基を有していてもよい。
本実施形態において、前記Lが2価の連結基となる場合には、Lは、置換もしくは無置換の2価の芳香族炭化水素基であることが好ましい。
または、本実施形態において、前記Lが2価の連結基となる場合には、2価の6員環構造であることが好ましく、Lが、下記一般式(3)、一般式(3a)または一般式(3b)で表される2価の6員環構造のうちいずれかであることがより好ましく、下記一般式(3)で表される2価の6員環構造であることがさらに好ましい。
前記一般式(3),(3a),(3b)において、X31〜X34は、それぞれ独立に、CR101または窒素原子を表し、R101は、それぞれ独立に、前記一般式(1)におけるR〜Rと同義である。本実施形態において、X31〜X34は、それぞれ独立に、CR101であることが好ましましく、R101は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シアノ基、ハロゲン原子、シリル基であることがより好ましい。
本実施形態における環形成炭素数6〜30のアリール基としては、例えば、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、フルオレニル基、ピレニル基、クリセニル基、フルオランテニル基、ベンゾ[a]アントリル基、ベンゾ[c]フェナントリル基、トリフェニレニル基、ベンゾ[k]フルオランテニル基、ベンゾ[g]クリセニル基、ベンゾ[b]トリフェニレニル基、ピセニル基、ペリレニル基などが挙げられる。
本実施形態におけるアリール基としては、環形成炭素数が6〜20であることが好ましく、より好ましくは6〜12であることが更に好ましい。上記アリール基の中でもフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、ターフェニル基、フルオレニル基が特に好ましい。1−フルオレニル基、2−フルオレニル基、3−フルオレニル基および4−フルオレニル基については、9位の炭素原子に、後述する本実施形態における置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基が置換されていることが好ましい。
本実施形態における環形成原子数5〜30の複素環基としては、例えば、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キノリル基、イソキノリニル基、ナフチリジニル基、フタラジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、インドリル基、ベンズイミダゾリル基、インダゾリル基、イミダゾピリジニル基、ベンズトリアゾリル基、カルバゾリル基、フリル基、チエニル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、イソキサゾリル基、イソチアゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾイソキサゾリル基、ベンゾイソチアゾリル基、ベンゾオキサジアゾリル基、ベンゾチアジアゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ピペリジニル基、ピロリジニル基、ピペラジニル基、モルホリル基、フェナジニル基、フェノチアジニル基、フェノキサジニル基などが挙げられる。
本実施形態における複素環基の環形成原子数は、5〜20であることが好ましく、5〜14であることがさらに好ましい。上記複素環基の中でも1−ジベンゾフラニル基、2−ジベンゾフラニル基、3−ジベンゾフラニル基、4−ジベンゾフラニル基、1−ジベンゾチオフェニル基、2−ジベンゾチオフェニル基、3−ジベンゾチオフェニル基、4−ジベンゾチオフェニル基、1−カルバゾリル基、2−カルバゾリル基、3−カルバゾリル基、4−カルバゾリル基、9−カルバゾリル基が特に好ましい。1−カルバゾリル基、2−カルバゾリル基、3−カルバゾリル基および4−カルバゾリル基については、9位の窒素原子に、本実施形態における置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基または置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基が置換されていることが好ましい。
本実施形態における炭素数1〜30のアルキル基としては、直鎖、分岐鎖又は環状のいずれであってもよい。直鎖または分岐鎖のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、ネオペンチル基、アミル基、イソアミル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、1−ペンチルヘキシル基、1−ブチルペンチル基、1−ヘプチルオクチル基、3−メチルペンチル基、が挙げられる。
本実施形態における直鎖または分岐鎖のアルキル基の炭素数は、1〜10であることが好ましく、1〜6であることがさらに好ましい。上記直鎖または分岐鎖のアルキル基の中でもメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、アミル基、イソアミル基、ネオペンチル基が特に好ましい。
本実施形態におけるシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基等が挙げられる。シクロアルキル基の環形成炭素数は、3〜10であることが好ましく、5〜8であることがさらに好ましい。上記シクロアルキル基の中でも、シクロペンチル基やシクロヘキシル基が特に好ましい。
アルキル基がハロゲン原子で置換されたハロゲン化アルキル基としては、例えば、上記炭素数1〜30のアルキル基が1以上のハロゲン基で置換されたものが挙げられる。具体的には、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、フルオロエチル基、トリフルオロメチルメチル基、トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基等が挙げられる。
本実施形態における炭素数3〜30のアルキルシリル基としては、上記炭素数1〜30のアルキル基で例示したアルキル基を有するトリアルキルシリル基が挙げられ、具体的にはトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリ−n−ブチルシリル基、トリ−n−オクチルシリル基、トリイソブチルシリル基、ジメチルエチルシリル基、ジメチルイソプロピルシリル基、ジメチル−n−プロピルシリル基、ジメチル−n−ブチルシリル基、ジメチル−t−ブチルシリル基、ジエチルイソプロピルシリル基、ビニルジメチルシリル基、プロピルジメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基等が挙げられる。トリアルキルシリル基における3つのアルキル基は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
本実施形態における環形成炭素数6〜30のアリールシリル基としては、ジアルキルアリールシリル基、アルキルジアリールシリル基、トリアリールシリル基が挙げられる。
ジアルキルアリールシリル基は、例えば、上記炭素数1〜30のアルキル基で例示したアルキル基を2つ有し、上記環形成炭素数6〜30のアリール基を1つ有するジアルキルアリールシリル基が挙げられる。ジアルキルアリールシリル基の炭素数は、8〜30であることが好ましい。
アルキルジアリールシリル基は、例えば、上記炭素数1〜30のアルキル基で例示したアルキル基を1つ有し、上記環形成炭素数6〜30のアリール基を2つ有するアルキルジアリールシリル基が挙げられる。アルキルジアリールシリル基の炭素数は、13〜30であることが好ましい。
トリアリールシリル基は、例えば、上記環形成炭素数6〜30のアリール基を3つ有するトリアリールシリル基が挙げられる。トリアリールシリル基の炭素数は、18〜30であることが好ましい。
本実施形態における炭素数1〜30のアルコキシ基は、−OZと表される。このZの例として、上記炭素数1〜30のアルキル基が挙げられる。アルコキシ基は、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基があげられる。
アルコキシ基がハロゲン原子で置換されたハロゲン化アルコキシ基としては、例えば、上記炭素数1〜30のアルコキシ基が1以上のハロゲン基で置換されたものが挙げられる。
本実施形態における環形成炭素数6〜30のアリールオキシ基は、−OZと表される。このZの例として、上記環形成炭素数6〜30のアリール基が挙げられる。このアリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基が挙げられる。
炭素数2〜30のアルキルアミノ基は、−NHR、または−N(Rと表される。このRの例として、上記炭素数1〜30のアルキル基が挙げられる。
環形成炭素数6〜60のアリールアミノ基は、−NHR、または−N(Rと表される。このRの例として、上記環形成炭素数6〜30のアリール基が挙げられる。
炭素数1〜30のアルキルチオ基は、−SRと表される。このRの例として、上記炭素数1〜30のアルキル基が挙げられる。
環形成炭素数6〜30のアリールチオ基は、−SRと表される。このRの例として、上記環形成炭素数6〜30のアリール基が挙げられる。
本発明において、「環形成炭素」とは飽和環、不飽和環、又は芳香環を構成する炭素原子を意味する。「環形成原子」とはヘテロ環(飽和環、不飽和環、および芳香環を含む)を構成する炭素原子およびヘテロ原子を意味する。
また、本発明において、水素原子とは、中性子数の異なる同位体、すなわち、軽水素(Protium)、重水素(Deuterium)、三重水素(Tritium)を包含する。
また、「置換もしくは無置換の」という場合における置換基、L〜Lの連結基における置換基、環構造A,環構造Bにおける置換基等、本実施形態における置換基としては、上述のようなアリール基、複素環基、アルキル基(直鎖または分岐鎖のアルキル基、シクロアルキル基、ハロアルキル基)、アルキルシリル基、アリールシリル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基の他に、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、およびカルボキシ基が挙げられる。
ここで挙げた置換基の中では、アリール基、複素環基、アルキル基、ハロゲン原子、アルキルシリル基、アリールシリル基、シアノ基が好ましく、さらには、各置換基の説明において好ましいとした具体的な置換基が好ましい。
また、連結基としてのL〜L等における芳香族炭化水素基は、例えば、上記環形成炭素数6〜30のアリール基から誘導される基が挙げられ、複素環基は、例えば、上記環形成原子数5〜30の複素環基から誘導される基が挙げられる。
アルケニル基としては、炭素数2〜30のアルケニル基が好ましく、直鎖、分岐鎖又は環状のいずれであってもよく、例えば、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、オレイル基、エイコサペンタエニル基、ドコサヘキサエニル基、スチリル基、2,2−ジフェニルビニル基、1,2,2−トリフェニルビニル基、2−フェニル−2−プロペニル基、シクロペンタジエニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘキサジエニル基等が挙げられる。
アルキニル基としては、炭素数2〜30のアルキニル基が好ましく、直鎖、分岐鎖又は環状のいずれであってもよく、例えば、エチニル、プロピニル、2−フェニルエチニル等が挙げられる。
アラルキル基としては、環形成炭素数6〜30のアラルキル基が好ましく、−Z−Zと表される。このZの例として、上記炭素数1〜30のアルキル基に対応するアルキレン基が挙げられる。このZの例として、上記環形成炭素数6〜30のアリール基の例が挙げられる。このアラルキル基は、炭素数7〜30のアラルキル基(アリール部分は炭素数6〜30、好ましくは6〜20、より好ましくは6〜12)、アルキル部分は炭素数1〜30(好ましくは1〜20、より好ましくは1〜10、さらに好ましくは1〜6)であることが好ましい。このアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、2−フェニルプロパン−2−イル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基、1−フェニルイソプロピル基、2−フェニルイソプロピル基、フェニル−t−ブチル基、α−ナフチルメチル基、1−α−ナフチルエチル基、2−α−ナフチルエチル基、1−α−ナフチルイソプロピル基、2−α−ナフチルイソプロピル基、β−ナフチルメチル基、1−β−ナフチルエチル基、2−β−ナフチルエチル基、1−β−ナフチルイソプロピル基、2−β−ナフチルイソプロピル基が挙げられる。
ハロゲン原子として、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられ、好ましくはフッ素原子である。
「置換もしくは無置換の」という場合における「無置換」とは前記置換基で置換されておらず、水素原子が結合していることを意味する。
なお、本明細書において、「置換もしくは無置換の炭素数a〜bのXX基」という表現における「炭素数a〜b」は、XX基が無置換である場合の炭素数を表すものであり、XX基が置換されている場合の置換基の炭素数は含めない。
以下に説明する化合物またはその部分構造において、「置換もしくは無置換の」という場合についても、前記と同様である。
以下に前記一般式(1)で表される化合物の具体例を示すが、本発明は、これらの例示化合物に限定されるものではない。
本実施形態に係る第2の材料は、公知の合成方法によって合成することができる。
・第1の材料
本実施形態で用いる第1の材料は、有機EL素子に適用し得るドーパント材料が挙げられ、下記一般式(2)又は一般式(3)で表される。
本実施形態の第1の材料は、遅延蛍光発光性の化合物であることが好ましい。また、この第1の材料からの発光が、有機EL素子の発光の最大発光成分であることが好ましい。なお、発光の最大発光成分であるとは、例えば、本実施形態のように発光層に第1の材料と第2の材料とが含有されている場合に、当該発光層から放射される光のうち、最も大きい強度の発光成分をいう。
但し、下記一般式(2)で表される化合物を第2の材料として用いてもよい。
前記一般式(2)において、L20は、単結合、置換もしくは無置換のa+1価の芳香族炭化水素基、または置換もしくは無置換のa+1価の複素環基を表す。
前記一般式(2)において、L201は、置換もしくは無置換の2価の芳香族炭化水素基、または置換もしくは無置換の2価の複素環基を表す。
前記一般式(2)において、aは、1以上6以下の整数であり、bは、1以上6以下の整数である。aおよびbは、それぞれ独立に、1以上3以下の整数であることが好ましく、1又は2であることがより好ましい。aが2以上の場合、L20に結合するHArが2以上になり、これらのHArは、互いに同一でも異なっていてもよい。
前記一般式(2)において、gは、0以上2以下の整数であり、0または1であることが好ましい。gが1以上2以下の場合、L20およびL201は、互いに同一でも異なっていてもよい。また、gが2の場合、2つのL201は、互いに同一でも異なっていてもよい。bが2以上の場合、Azに結合する下記一般式(2−1)で表される複数の部分は、互いに同一でも異なっていてもよい。
前記一般式(2)において、HArは、下記一般式(20)で表される構造から誘導される基である。
前記一般式(20)において、X20は、単結合、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、NR、CR1011、SiR1213、またはGeR1415を表す。R〜R15は、それぞれ独立に、前記R〜Rと同義である。前記一般式(20)において、X20は、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、NR、CR1011、SiR1213、またはGeR1415を表すことが好ましい。
前記一般式(20)で表される環構造は、下記一般式(20b)〜(20i)で表される環構造からなる群から選択される環構造である。
前記一般式(20),(20b)〜(20i)において、GおよびHは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環構造を表し、環構造Gおよび環構造Hのうち少なくともいずれかが複数の置換基を有する場合、隣接する置換基同士が結合して環を形成してもよい。形成する環は、飽和環、不飽和環のどちらでもよい。
この場合の置換基としては、電子ドナー性を有する置換基であることが好ましい。または、隣接する置換基同士が電子ドナー性を有する環をさらに形成することが好ましい。
前記一般式(20),(20b)〜(20i)において、前記環構造Gおよび前記環構造Hのうち少なくともいずれかが置換もしくは無置換の複素環構造であるとき、当該複素環構造は、下記一般式(20−2)で表される部分構造を有する。
前記一般式(20)で表される構造から誘導される基としては、下記一般式(20−1)で表される基であることが好ましい。
前記一般式(20−1)において、X20は、前記一般式(20)におけるX20と同義である。すなわち、前記一般式(20−1)で表される基は、下記一般式(20b−1)〜(20i−1)で表される基からなる群から選択される基である。
前記一般式(20b−1)〜(20i―1)における、環構造Gおよび環構造Hは、それぞれ独立に、前記一般式(20),(20b)〜(20i)における環構造Gおよび環構造Hと同義である
本実施形態において、前記一般式(2)におけるHArが、下記一般式(2B)で表される構造から誘導される基であることが好ましい。
前記一般式(2B)において、Xは、前記一般式(20)におけるX20と同義である。Xとしては、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、NR、CR1011、SiR1213、またはGeR1415を表すことが好ましい。
前記一般式(2B)において、R61およびR62は、それぞれ独立に、前記R〜Rと同義である。なお、複数のR61同士、並びに複数のR62同士は、互いに同一でも異なっていてもよい。また、隣接するR61同士が結合して環を形成してもよいし、隣接するR62同士が結合して環を形成してもよい。なお、前記一般式(2B)において、R61〜R62は、それぞれ、6員環の炭素原子に結合する。
前記一般式(2B)において、i、およびjは、4である。
前記一般式(2B)において、Eは、下記一般式(2h)で表される環構造を示し、Fは、下記一般式(2i)または下記一般式(2j)で表される環構造を示す。環構造Eおよび環構造Fは、隣接する環構造と任意の位置で縮合する。前記一般式(2B)において、hは、0以上4以下の整数である。なお、hは、環構造Eおよび環構造Fが縮合して形成される連結環構造の繰り返し単位である。hが2以上のとき、複数の環構造Eおよび環構造Fは、互いに同一でも異なっていてもよい。
前記一般式(2h)において、R63およびR64が隣接する位置で置換されている場合には結合して環を形成してもよい。なお、前記一般式(2h)において、R63およびR64は、それぞれ、6員環の炭素原子に結合する。
前記一般式(2i)におけるYおよび前記一般式(2j)におけるYは、それぞれ独立に、CR6566、NR67、硫黄原子、酸素原子、またはL20と結合する窒素原子を表す。
前記一般式(2j)におけるXは、前記一般式(20)におけるX20と同義である。ただし、Xは単結合である場合はない。
63〜R67は、それぞれ独立に、前記R〜Rと同義である。
本実施形態において、前記一般式(2B)におけるhが、0または1であることが好ましい。
前記一般式(2B)において、hが0のとき、HArは、下記一般式(2b)または下記一般式(2bx)で表される基であることが好ましい。
前記一般式(2b)および一般式(2bx)において、Xは、単結合、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、NR、CR1011、SiR1213、またはGeR1415を表す。すなわち、前記一般式(2b)で表される基は、下記一般式(2b−1)〜(2b−8)で表される基からなる群から選択される基である。
前記一般式(2b)、(2bx)、(2b−1)〜(2b−8)において、cおよびdは、4である。
前記一般式(2b)、(2bx)、(2b−1)〜(2b−8)において、R〜R15、17、18は、それぞれ独立に、前記R〜Rと同義である。なお、複数のR17同士、並びに複数のR18同士は、互いに同一でも異なっていてもよい。また、隣接するR17同士が結合して環を形成してもよいし、隣接するR18同士が結合して環を形成してもよい。前記一般式(2),(20)において、X20におけるR〜R15の少なくともいずれかと、R17およびR18の少なくともいずれかとが結合して環を形成してもよい。なお、前記一般式(2b)、(2bx)、(2b−1)〜(2b−8)において、R17およびR18は、それぞれ、6員環の炭素原子に結合する。
前記一般式(2bx)において、Arは、前記R〜Rと同義である。Arは、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、または置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基であることが好ましく、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基がより好ましい。Arとしては、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、トリフェニレル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、カルバゾリル基等が好ましい。
本実施形態では、前記一般式(2)におけるAzは、下記一般式(2d)で表されることが好ましい。
前記一般式(2d)において、X21〜X26は、それぞれ独立に、CR16または窒素原子を表し、X21〜X26のうち少なくとも1つ以上は、窒素原子であり、X21〜X26のうちb個は、L20またはL201と結合する炭素原子である。前述のとおり、bは、1以上3以下の整数であるので、X21〜X26のうち1以上3以下がL20と結合する炭素原子となる。前記一般式(2d)において、隣接するR16同士が結合して環を形成してもよい。前記一般式(2d)において、R16は、前記R〜Rと同義である。
前記一般式(2d)において、X21〜X26のうち窒素原子は、1つ以上3つ以下であることが好ましい。例えば、X26がL20と結合する炭素原子であり、さらに、X21〜X25のうち、窒素原子が1つとなる場合としては、X21またはX25が窒素原子となることが好ましい。X21〜X25のうち、窒素原子が2つとなる場合としては、X21およびX25が窒素原子となることが好ましい。X21〜X25のうち、窒素原子が3つとなる場合としては、X21、X23およびX25が窒素原子となることが好ましい。前記一般式(2d)において、X21、X23およびX25が窒素原子となるトリアジン環であることがより好ましい。
前記一般式(2)において、HAr、L20、L201、およびAzからなる群から選ばれる2つ以上の構造同士が結合して環を形成してもよい。
前記一般式(2)において、gが1または2である場合、L20およびL201同士、L20およびL201のそれぞれが有する置換基同士、L20およびL201の一方と他方が有する置換基とが結合して環を形成してもよい。
前記一般式(2),(20)において、L20の置換基と、環構造Gおよび環構造Hの少なくともいずれかの置換基とが結合して環を形成してもよいし、L20と、環構造Gおよび環構造Hの少なくともいずれかの置換基とが結合して環を形成してもよいし、L20の置換基と、環構造Gおよび環構造Hの少なくともいずれかとが結合して環を形成してもよい。
また、前記一般式(2),(20)において、X20におけるR〜R15の少なくともいずれかと、環構造Gおよび環構造Hの少なくともいずれかとが結合して環を形成してもよいし、X20におけるR〜R15の少なくともいずれかと、環構造Gおよび環構造Hの少なくともいずれかの置換基とが結合して環を形成してもよい。
前記一般式(2),(2d)において、gが1または2である場合には、L201の置換基と、X21〜X25におけるCR16のR16とが結合して環を形成してもよいし、L201と、当該R16とが結合して環を形成してもよいし、L201の置換基と、X11〜X15における炭素原子Cとが結合して環を形成してもよい。
前記一般式(2),(2d)において、gが0である場合には、上述と同様にして、L20またはその置換基と、CR16のR16またはX11〜X15における炭素原子Cとが結合して環を形成してもよい。
本実施形態において、前記一般式(2)におけるaおよびbが1であり、gが0であり、前記一般式(2d)におけるX26がL20と結合する炭素原子であり、HArが前記一般式(2b)であることが好ましい。この場合の化合物のうち、下記一般式(21)で表される化合物であることが好ましい。
前記一般式(21)において、Xは、前記一般式(2b)におけるXと同義である。
前記一般式(21)において、L21は、置換もしくは無置換の2価の芳香族炭化水素基、または置換もしくは無置換の2価の複素環基を表す。
前記一般式(21)において、X21〜X25は、それぞれ独立に、CR16または窒素原子を表し、X21〜X25のうち少なくとも1つ以上は、窒素原子である。X21〜X25のうち、窒素原子が1つとなる場合としては、X21またはX25が窒素原子となることが好ましい。X21〜X25のうち、窒素原子が2つとなる場合としては、X21およびX25が窒素原子となることが好ましい。X21〜X25のうち、窒素原子が3つとなる場合としては、X21、X23およびX25が窒素原子となることが好ましい。
前記一般式(21)において、cおよびdは、4であり、R17およびR18は、それぞれ独立に、前記R〜Rと同義である。なお、複数のR17同士、並びに複数のR18同士は、互いに同一でも異なっていてもよい。なお、前記一般式(21)において、R17およびR18は、それぞれ、6員環の炭素原子に結合する。
本実施形態において、前記一般式(2)で表される化合物が、前記一般式(21)で表される化合物であり、前記一般式(21)におけるXが、酸素原子であることが好ましい。
また、本実施形態において、前記一般式(2)におけるaが2であり、bが1であり、前記一般式(2d)におけるX26がL20と結合する炭素原子であり、HArが前記一般式(2b)であることが好ましい。すなわち、前記一般式(2)で表される化合物が、下記一般式(22)で表される化合物であることが好ましい。
前記一般式(22)において、X27およびX28は、それぞれ独立に、前記一般式(2b)におけるXと同義であり、X27およびX28は、同一でも異なっていてもよい。
前記一般式(22)において、L22は、置換もしくは無置換の3価の芳香族炭化水素基、または置換もしくは無置換の3価の複素環基を表す。
前記一般式(22)において、X21〜X25は、それぞれ独立に、CR16または窒素原子を表し、X21〜X25のうち少なくとも1つ以上は、窒素原子である。X21〜X25のうち、窒素原子が1つとなる場合としては、X21またはX25が窒素原子となることが好ましい。X21〜X25のうち、窒素原子が2つとなる場合としては、X21およびX25が窒素原子となることが好ましい。X21〜X25のうち、窒素原子が3つとなる場合としては、X21、X23およびX25が窒素原子となることが好ましい。
前記一般式(22)において、c,d,e,fは、それぞれ、4であり、R17〜R20は、それぞれ独立に、前記R〜Rと同義である。なお、複数のR17同士、複数のR18同士、複数のR19同士並びに複数のR20同士は、互いに同一でも異なっていてもよい。また、なお、隣接するR17同士が結合して環を形成してもよいし、隣接するR18同士が結合して環を形成してもよいし、隣接するR19同士が環を形成してもよいし、隣接するR20同士が結合して環を形成してもよい。なお、前記一般式(22)において、R17〜R20は、それぞれ、6員環の炭素原子に結合する。
本実施形態において、前記一般式(2)で表される化合物が、前記一般式(22)で表される化合物であり、X27およびX28が、酸素原子であることが好ましい。
また、本実施形態において、前記一般式(2)におけるaが1であり、bが2であり、gが0であり、前記一般式(2d)におけるX24およびX26がL20と結合する炭素原子であり、HArが前記一般式(2b)であり、X21、X23およびX25が窒素原子となることが好ましい。すなわち、前記一般式(2)で表される化合物が、下記一般式(23)で表される化合物であることが好ましい。
前記一般式(23)において、X27およびX28は、それぞれ独立に、前記一般式(2b)におけるXと同義である。
前記一般式(23)において、L23およびL24は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の2価の芳香族炭化水素基、または置換もしくは無置換の2価の複素環基を表す。
前記一般式(23)において、Arは、前記R〜Rと同義である。Arは、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、または置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基であることが好ましく、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基がより好ましい。Arとしては、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、トリフェニレル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、カルバゾリル基等が好ましい。
前記一般式(23)において、c,d,e,fは、それぞれ、4であり、R17〜R20は、それぞれ独立に、前記R〜Rと同義である。また、隣接するR17同士が結合して環を形成してもよいし、隣接するR18同士が結合して環を形成してもよいし、隣接するR19同士が環を形成してもよいし、隣接するR20同士が結合して環を形成してもよい。なお、前記一般式(23)において、R17〜R20は、それぞれ、6員環の炭素原子に結合する。
本実施形態では、前記一般式(23)で表される化合物が好ましく、X27およびX28が、酸素原子であることがより好ましい。
また、本実施形態では、前記一般式(2)で表される化合物は、HArが前記一般式(2b)で表される基であり、L20が置換もしくは無置換の2価の複素環基であり、gが1であることが好ましい。この場合、L20は、置換もしくは無置換の2価のカルバゾリル基であることがより好ましい。さらに、この場合の前記一般式(2)で表される化合物は、下記一般式(24)で表される化合物であることが好ましい。
前記一般式(24)において、X21〜X25は、前記一般式(21)におけるX21〜X25と同義である。
前記一般式(24)において、R17〜R18、R23〜R24は、それぞれ独立に、前記R〜Rと同義である。また、隣接するR17同士が結合して環を形成してもよいし、隣接するR18同士が結合して環を形成してもよいし、隣接するR23同士が結合して環を形成してもよいし、隣接するR24同士が結合して環を形成してもよい。なお、前記一般式(24)において、R17〜R18、R23〜R24は、それぞれ、6員環の炭素原子に結合する。
前記一般式(24)において、L201は、前記一般式(2)におけるL201と同義である。
前記一般式(24)において、c、dおよびxは、4であり、kは、3である。
前記一般式(2B)において、hが1であって、環構造Fが前記一般式(i)である場合、下記一般式(2B−1)〜(2B−6)で表される構造となる。
前記(2B−1)〜(2B−6)において、Xは、前記一般式(2b)におけるXと同義である。
前記(2B−1)〜(2B−6)において、R61〜R64は、それぞれ独立に、前記R〜Rと同義である。なお、複数のR61同士、並びに複数のR62同士は、互いに同一でも異なっていてもよい。また、隣接するR61同士が結合して環を形成してもよいし、隣接するR62同士が結合して環を形成してもよい。また、隣接するR63とR64とが結合して環を形成してもよい。なお、前記一般式(2B−1)〜(2B−6)において、R61〜R62は、それぞれ、6員環の炭素原子に結合する。
前記(2B−1)〜(2B−6)において、Yは、前記一般式(2i)におけるYと同義である。
前記(2B−1)〜(2B−6)において、i、およびjは、4である。
前記一般式(2B−1)〜(2B−6)から誘導される基としては、下記一般式(2B−7)〜(2B−18)で表される基が好ましい。
前記(2B−7)〜(2B−12)において、Xは、前記一般式(2b)におけるXと同義であり、Xが酸素原子であることが好ましい。
前記(2B−7)〜(2B−12)において、R61〜R64は、それぞれ独立に、前記R〜Rと同義である。なお、複数のR61同士、並びに複数のR62同士は、互いに同一でも異なっていてもよい。また、隣接するR61同士が結合して環を形成してもよいし、隣接するR62同士が結合して環を形成してもよい。また、隣接するR63とR64とが結合して環を形成してもよい。なお、前記一般式(2B−7)〜(2B−12)において、R61〜R62は、それぞれ、6員環の炭素原子に結合する。
前記(2B−7)〜(2B−12)において、Yは、前記一般式(2i)におけるYと同義であり、NR67であることが好ましい。R67は、前記R〜Rと同義であり、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基であることが好ましい。
前記(2B−7)〜(2B−12)において、i、およびjは、4である。
前記(2B−13)〜(2B−18)において、Xは、前記一般式(2b)におけるXと同義であり、Xが酸素原子であることが好ましい。
前記(2B−13)〜(2B−18)において、R61〜R64は、それぞれ独立に、前記R〜Rと同義である。なお、複数のR61同士、並びに複数のR62同士は、互いに同一でも異なっていてもよい。また、隣接するR61同士が結合して環を形成してもよいし、隣接するR62同士が結合して環を形成してもよい。また、隣接するR63とR64とが結合して環を形成してもよい。
前記(2B−13)〜(2B−18)において、Arは、前記R〜Rと同義である。Arは、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、または置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基であることが好ましく、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基がより好ましい。Arとしては、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、トリフェニレル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、カルバゾリル基等が好ましい。
前記(2B−13)〜(2B−18)において、i、およびjは、4である。
前記一般式(2B)において、hが1であって、環構造Fが前記一般式(j)である場合、下記一般式(2B−19)〜(2B−20)で表される構造となる。
前記(2B−19)〜(2B−20)において、XおよびXは、前記一般式(2B)におけるXと同義である。ただし、Xは単結合である場合はない。
前記(2B−19)〜(2B−20)において、R61〜R64は、それぞれ独立に、前記R〜Rと同義である。なお、隣接するR61同士が結合して環を形成してもよいし、隣接するR62同士が結合して環を形成してもよい。また、隣接するR63とR64とが結合して環を形成してもよい。なお、前記一般式(2B−19)〜(2B−20)において、R61〜R62は、それぞれ、6員環の炭素原子に結合する。
前記(2B−19)〜(2B−20)において、Yは、前記一般式(2j)におけるYと同義である。
前記(2B−19)〜(2B−20)において、i、およびjは、4である。
前記一般式(2B−19)〜(2B−20)から誘導される基としては、下記一般式(2B−21)〜(2B−22)で表される基が好ましい。
前記(2B−21)〜(2B−22)において、X、X、R61〜R64、Y、i、およびjは、それぞれ、前記一般式(2B−19)〜(2B−20)におけるX、X、R61〜R64、Y、i、およびjと同義である。
本実施形態において、前記L20〜L24,L201が、Azに結合する2価の連結基となる場合には、前記L20〜L24,L201は、置換もしくは無置換の2価の芳香族炭化水素基であることが好ましい。前記一般式(2)においてgが1以上である場合は、L20ではなく、L201がAzに結合する2価の連結基となる。
または、本実施形態において、前記L20〜L24,L201が、Azに結合する2価の連結基となる場合には、2価の6員環構造であることが好ましく、前記L20〜L24,L201が、下記一般式(2e)、一般式(2f)または一般式(2g)で表される2価の6員環構造のうちいずれかであることがより好ましく、下記一般式(2e)で表される2価の6員環構造であることがさらに好ましい。
前記一般式(2e)〜(2g)において、X41〜X44は、それぞれ独立に、CR102または窒素原子を表し、R102は、それぞれ独立に、前記R〜Rと同義である。
本実施形態において、前記一般式(2e)〜(2g)におけるX41〜X44は、それぞれ独立に、CR102であることが好ましく、R102は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シアノ基、ハロゲン原子、シリル基であることがより好ましい。
前記一般式(2)におけるgが1であるとき、L201が、前記一般式(2e)で表される2価の6員環構造であり、さらに、L20が、環形成原子数5〜30の複素環基であることが好ましい。この場合の複素環基としては、カルバゾリル基が好ましく、当該カルバゾリル基の9位の窒素原子がL201と結合していることが好ましい。さらに、当該カルバゾリル基に、前記一般式(2b)および一般式(2bx)で表される構造の少なくともいずれかが結合していることが好ましい。
また、前記一般式(21)におけるL21、前記一般式(22)におけるL22、前記一般式(23)におけるL23およびL24、並びに前記一般式(24)におけるL201が、それぞれ、前記一般式(2e)で表される2価の6員環構造であることが好ましい。
本実施形態では、前記一般式(2)で表される化合物が、下記一般式(25)で表される化合物であることが好ましい。すなわち、前記一般式(2)において、HArが前記一般式(2b)であり、L20が単結合であり、gが0であり、HArとAzとが単結合で直接結合した化合物であって、下記一般式(25)で表される。
前記一般式(25)において、X51〜X56は、それぞれ独立に、CR81、窒素原子、シアノ基、または前記一般式(2b)で表される部分構造の窒素原子と結合する炭素原子であり、X51〜X56のうち少なくともいずれかは、当該炭素原子であり、さらにX51〜X56のうち少なくともいずれかが、シアノ基である。R81は、前記R〜Rと同義である。
前記一般式(25)において、Xは、単結合、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、NR、CR1011、SiR1213、またはGeR1415を表す。
前記一般式(25)において、R17およびR18は、前記R〜Rと同義である。
前記一般式(25)において、aは、1以上5以下の整数を表し、好ましくは、1以上4以下の整数である。前記一般式(25)において、cおよびdは、4である。
前記一般式(25)において、Xは、単結合であることが好ましく、この場合、前記一般式(25)で表される化合物は、下記一般式(26)で表される。
前記一般式(26)において、X51〜X56、R17、R18、a、c、dは、前記一般式(25)におけるX51〜X56、R17、R18、a、c、dと同義である。
以下に前記一般式(2)で表される化合物の具体例を示すが、本発明は、これらの例示化合物に限定されるものではない。
本実施形態に係る第1の材料は、公知の合成方法によって合成することができる。
発光層の膜厚は、好ましくは5nm以上50nm以下、より好ましくは7nm以上50nm以下、最も好ましくは10nm以上50nm以下である。5nm未満では発光層形成が困難となり、色度の調整が困難となるおそれがあり、50nmを超えると駆動電圧が上昇するおそれがある。
(基板)
本実施形態の有機EL素子1は、透光性の基板2上に作製する。この透光性の基板2は、有機EL素子1を構成する陽極3、有機層10、陰極4等を支持する基板である。本実施形態では、基板2上に陽極3を形成し、その上に順次、有機層10および陰極4が積層されて有機EL素子1が構成される。基板2としては、400nm以上700nm以下の可視領域の光の透過率が50%以上で平滑な基板が好ましい。
透光性の基板2としては、ガラス板やポリマー板などが挙げられる。
ガラス板としては、特にソーダ石灰ガラス、バリウム・ストロンチウム含有ガラス、鉛ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス、石英などを原料として用いてなるものを挙げられる。
またポリマー板としては、ポリカーボネート、アクリル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルファイド、ポリサルフォンなどを原料として用いてなるものを挙げることができる。
(陽極および陰極)
有機EL素子1の陽極3は、正孔を発光層5に注入する役割を担うものであり、4.5eV以上の仕事関数を有することが効果的である。
陽極3に用いる材料の具体例としては、酸化インジウム錫合金(ITO)、酸化錫(NESA)、酸化インジウム亜鉛酸化物、金、銀、白金、銅などが挙げられる。
発光層5からの放射光を陽極3側から取り出す場合、陽極3の可視領域の光の透過率を10%より大きくすることが好ましい。本実施形態では、発光層5から放射された光を陽極3側から取り出すため、陽極3を透光性の材料で構成する。また、陽極3のシート抵抗は、数百Ω/□(Ω/sq。オーム・パー・スクウェア。)以下が好ましい。陽極3の膜厚は、材料にもよるが、通常10nm以上1μm以下、好ましくは10nm以上200nm以下の範囲で選択される。陽極は、蒸着法やスパッタリング法により形成することができる。
陰極4としては、発光層5に電子を注入する目的で、仕事関数の小さい材料が好ましい。
陰極4に用いる材料は特に限定されないが、具体的にはインジウム、アルミニウム、マグネシウム、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、アルミニウム−リチウム合金、アルミニウム−スカンジウム−リチウム合金、マグネシウム−銀合金などが使用できる。
陰極4も、陽極3と同様に、蒸着法などの方法で、例えば、電子輸送層や電子注入層上に薄膜を形成できる。また、陰極21側から、発光層5からの発光を取り出す態様を採用することもできる。発光層5からの発光を陰極4から取り出す場合、陰極4の可視領域の光の透過率を10%より大きくすることが好ましい。陰極4のシート抵抗は、数百Ω/□以下が好ましい。陰極4の膜厚は、材料にもよるが、通常10nm以上1μm以下、好ましくは50nm以上200nm以下の範囲で選択される。
(正孔注入・輸送層)
正孔注入・輸送層6は、発光層5への正孔注入を助け、発光領域まで輸送する層であって、正孔移動度が大きく、イオン化エネルギーが小さい化合物が用いられる。
正孔注入・輸送層6を形成する材料としては、より低い電界強度で正孔を発光層5に輸送する材料が好ましく、例えば、芳香族アミン化合物が好適に用いられる。また、正孔注入層の材料としては、ポルフィリン化合物、芳香族第三級アミン化合物またはスチリルアミン化合物を用いることが好ましく、特に、ヘキサシアノヘキサアザトリフェニレン(HAT)などの芳香族第三級アミン化合物を用いることが好ましい。
(電子注入・輸送層)
電子注入・輸送層7は、発光層5への電子の注入を助け、発光領域まで輸送する層であって、電子移動度が大きい化合物が用いられる。
電子注入・輸送層7に用いられる化合物としては、例えば、分子内にヘテロ原子を1個以上含有する芳香族ヘテロ環化合物が好ましく用いられ、特に含窒素環誘導体が好ましい。また、含窒素環誘導体としては、含窒素6員環もしくは含窒素5員環骨格を有する複素環化合物や、または含窒素6員環もしくは含窒素5員環骨格を有する縮合芳香族環化合物が好ましい。また、電子注入・輸送層7には、アルカリ金属等が含有されていてもよい。
本実施形態の有機EL素子1において、発光層5以外の有機層10には、上述の例示した化合物以外に、有機EL素子において使用される化合物の中から任意の化合物を選択して用いることができる。
(膜厚)
有機EL素子1の各有機層10の膜厚は、上記で特に言及した以外には制限されないが、一般に膜厚が薄すぎるとピンホール等の欠陥が生じやすく、逆に厚すぎると高い印加電圧が必要となり効率が悪くなるため、通常は数nmから1μmの範囲が好ましい。
(有機EL素子の製造方法)
次に本実施形態に係る有機EL素子1の製造方法について説明する。
まず、基板2上に陽極3を成膜し、陽極3の上に正孔注入・輸送層6を成膜する。
次に、発光層5を正孔注入・輸送層6の上に成膜する。
図2には、発光層5を成膜する際の真空蒸着装置100の概略図が示されている。
真空蒸着装置100は、ホスト材料Hおよびドーパント材料Dが収容される蒸着源101と、蒸着源101に対向して配置された基板保持部102と、を備える。
基板保持部102には、正孔注入・輸送層6まで成膜された基板2が保持される。基板2側が、基板保持部102に着脱可能に取り付けられ、正孔注入・輸送層6が、蒸着源101と向かい合っている。基板保持部102には、基板2を水平姿勢に保持した状態で、基板2の所定位置を回転中心として所定の速度で回転させる回転装置が備え付けられていてもよい。成膜処理中に基板2を回転装置により回転させることで、形成される膜の膜厚分布の均一化を図ることができる。
真空蒸着装置100は、その他にも例えば、蒸着材料の蒸散を遮蔽するシャッタや、成膜された膜の膜厚を計測する膜厚計などを備えていてもよい。
蒸着源101には、ホスト材料および前記数式(数1)の関係を満たすドーパント材料が混合されて収容されている。蒸着源101に供給されるホスト材料およびドーパントは、粉末状であっても、圧縮成形体の状態であってももよい。蒸着源101に収容された材料中のドーパント材料の濃度は、10質量%以上50質量%以下であることが好ましく、15質量%以上35質量%以下であることがより好ましい。
本実施形態の有機EL素子の製造方法では、ドーパント材料およびホスト材料を同一の蒸着源101から蒸発させて成膜する工程を実施する。なお、本実施形態では、図示しない加熱装置により蒸着源101を加熱してホスト材料およびドーパント材料の蒸気を発生させ、対向して配置された基板2の正孔注入・輸送層6上に、ホスト材料およびドーパント材料が混合した膜を成膜させ、発光層5を形成する。加熱装置としては、特に限定されないが、例えば、電熱ヒータ等が用いられる。
発光層5の成膜後、発光層5の上に電子注入・輸送層7を成膜し、さらに電子注入・輸送層7の上に陰極4を成膜する。
有機EL素子1において、発光層5の形成以外の各層の形成方法としては、上記で特に言及しない限り制限されないが、真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマ法、イオンプレーティング法などの乾式成膜法や、スピンコーティング法、ディッピング法、フローコーティング法、インクジェット法などの湿式成膜法などの公知の方法を採用することができる。発光層5以外の層についても同じ真空蒸着装置を使用して成膜すれば、有機EL素子製造工程の簡略化を図ることができるため、好ましい。
本実施形態によれば、次のような効果を奏する。
本実施形態に係る有機EL素子の製造方法によれば、同一の蒸着源101からホスト材料および前記数式(数1)の関係を満たすドーパント材料を同時に蒸発させて成膜する工程を実施する。前記数式(数1)を満たす化合物は、成膜された発光層5におけるドーパント材料濃度依存性が小さい。そのため、ドーパント材料が同一の蒸着源101からホスト材料と共に共蒸着されて、発光層5が形成されていても、有機EL素子1の特性のばらつきを低減できる。
本実施形態に係る有機EL素子によれば、発光層5が、同一の蒸着源101からホスト材料および前記数式(数1)の関係を満たすドーパント材料を蒸発させて成膜されているため、有機EL素子1の特性のばらつきを低減できる。
<実施形態の変形>
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
有機EL素子の代表的な素子構成としては、
(a)陽極/発光層/陰極
(b)陽極/正孔注入・輸送層/発光層/陰極
(c)陽極/発光層/電子注入・輸送層/陰極
(d)陽極/正孔注入・輸送層/発光層/電子注入・輸送層/陰極
(e)陽極/正孔注入・輸送層/第1発光層/第2発光層/電子注入・輸送層/陰極
(f)陽極/正孔注入・輸送層/発光層/障壁層/電子注入・輸送層/陰極
などの構造を挙げることができる。
上記実施形態では、上記の中で(d)の構成が用いられた有機EL素子を例に挙げて説明したが、本発明は、この態様に限定されないし、ここで示した(a)〜(f)の構成にも限定されない。正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層、正孔障壁層、電子障壁層等の有機EL素子で採用される層を有していてもよい。
発光層は、1層に限られず、複数の発光層が積層されていてもよく、例えば上記(e)の構成の有機EL素子としてもよい。有機EL素子が複数の発光層を有する場合、少なくとも1つの発光層が前記数式(数1)を満たす化合物を含んでいればよいが、すべての発光層において当該化合物を含んでいる有機EL素子であれば、当該化合物を含有しない発光層に起因する特性のばらつきを低減できるので好ましい。
また、有機EL素子が複数の発光層を有する場合、例えば上記(e)の構成の有機EL素子ように発光層が互いに隣接して設けられていてもよいし、中間層を介して複数の発光ユニットが積層された、いわゆるタンデム型の有機EL素子であってもよい。なお、中間層は、中間導電層、電荷発生層、またはCGLと呼ばれる場合がある。
また、電子輸送層といった場合には、発光層と陰極との間に存在する電子輸送領域の有機層のうち、最も電子移動度の高い有機層をいう。電子輸送領域が一層で構成されている場合には、当該層が電子輸送層である。また、発光層と電子輸送層との間には、構成(f)に示すように発光層で生成された励起エネルギーの拡散を防ぐ目的で、必ずしも電子移動度の高くない障壁層が設けられることがある。そのため、発光層に隣接する有機層が電子輸送層に必ずしも該当しない。
また、発光層の陽極側に電子障壁層を設けてもよい。これにより、電子を発光層に閉じ込めて、発光層における励起子の生成確率を高めることができる。
ホスト材料は、上記実施形態において説明した化合物に限定されず、例えば、アミン誘導体、アジン誘導体、縮合多環芳香族誘導体なども使用することができる。アミン誘導体としては、モノアミン化合物、ジアミン化合物、トリアミン化合物、テトラミン化合物、カルバゾール基で置換されたアミン化合物などが挙げられる。アジン誘導体としては、モノアジン誘導体、ジアジン誘導体、およびトリアジン誘導体などが挙げられる。縮合多環芳香族誘導体としては、縮合多環芳香族炭化水素環骨格を有する化合物が挙げられ、複素環骨格を有しない縮合多環芳香族炭化水素化合物が好ましく、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、クリセン、フルオランテン、トリフェニレンなどの縮合多環芳香族炭化水素化合物、もしくは、これらの誘導体が挙げられる。縮合多環複素環誘導体としては、縮合多環複素環骨格を有する化合物が挙げられ、カルバゾール誘導体などが挙げられる。
前記実施形態では、第1の材料が、ドーパント材料であり、第2の材料が、ホスト材料である態様を例に挙げて説明したが、本発明は、このような例に限定されない。
第1の材料をホスト材料とし、第2の材料をドーパント材料としてもよい。また、同一の蒸着源から第1の材料および第2の材料を共蒸着して形成する層は、発光層に限定されず、その他の層であってもよい。また、有機EL素子の複数の層において、同一の蒸着源から互いに異なる材料が共蒸着で形成されていてもよい。この場合、陽極および陰極の間に設けられる複数の有機層について、第1の有機層が、互いに異なる第1の材料と第2の材料とが共蒸着されて形成され、第2の有機層において、互いに異なる第3の材料と第4の材料とが共蒸着されて形成されていてもよい。第3の材料および第4の材料の少なくともいずれかが、前記数式(数1)を満たす化合物である。
(電子機器)
本発明の製造方法によって製造された有機EL素子や、本発明の有機EL素子は、有機ELパネルモジュール等の表示部品、テレビ、携帯電話、タブレットもしくはパーソナルコンピュータ等の表示装置、および照明、もしくは車両用灯具の発光装置等の電子機器に使用できる。
以下、本発明に係る実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されない。
本実施例において使用した化合物は、次の通りである。
<化合物の評価>
次に、本実施例で使用した化合物の物性を測定した。測定方法および算出方法を以下に示すとともに、測定結果および算出結果を表1に示す。
評価(1):一重項エネルギーEgS
一重項エネルギーEgSは、以下の方法により求めた。
測定対象化合物を石英基板上に蒸着して試料を作製し、常温(300K)でこの試料の発光スペクトルを測定した。試料の膜厚は100nmとした。発光スペクトルは、励起光を発光測定用試料に照射し、波長を変えながら発光強度を測定した。発光スペクトルは、縦軸を発光強度とし、横軸を波長とした。この発光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対して接線を引き、その接線と横軸との交点の波長値λedge[nm]を求めた。この波長値を次に示す換算式でエネルギー値に換算した値をEgSとした。
換算式:EgS[eV]=1239.85/λedge
発光スペクトルの測定には、分光光度計(日立製、U3310)を用いた。
発光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対する接線は以下のように引いた。発光スペクトルの短波長側から、スペクトルの極大値のうち、最も短波長側の極大値までスペクトル曲線上を移動する際に、長波長側に向けて曲線上の各点における接線を考える。この接線は、曲線が立ち上がるにつれ(つまり縦軸が増加するにつれ)、傾きが増加する。この傾きの値が極大値をとる点において引いた接線(すなわち変曲点における接線)が、当該発光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対する接線とした。
なお、スペクトルの最大ピーク強度の15%以下のピーク強度をもつ極大点は、上述の最も短波長側の極大値には含めず、最も短波長側の極大値に最も近い、傾きの値が極大値をとる点において引いた接線を当該発光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対する接線とする。
評価(2):エネルギーギャップEg77K
Eg77Kは、以下の方法により求めた。
測定対象化合物を石英基板上に蒸着して燐光測定用試料を作製し、膜厚は100nmとした。NMRチューブへ入れた燐光測定用試料を77[K]に冷却し、励起光を燐光測定用試料に照射し、波長を変えながら燐光強度を測定した。燐光スペクトルは、縦軸を燐光強度、横軸を波長とした。この燐光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対して接線を引き、その接線と横軸との交点の波長値λedge[nm]を求めた。この波長値を次に示す換算式でエネルギー値に換算した値をEg77K(D)とした。
換算式:Eg77K (D)[eV]=1239.85/λedge
燐光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対する接線は以下のように引いた。燐光スペクトルの短波長側から、スペクトルの極大値のうち、最も短波長側の極大値までスペクトル曲線上を移動する際に、長波長側に向けて曲線上の各点における接線を考える。この接線は、曲線が立ち上がるにつれ(つまり縦軸が増加するにつれ)、傾きが増加する。この傾きの値が極大値をとる点において引いた接線(すなわち変曲点における接線)が、当該燐光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対する接線とした。
なお、スペクトルの最大ピーク強度の15%以下のピーク強度をもつ極大点は、上述の最も短波長側の極大値には含めず、最も短波長側の極大値に最も近い、傾きの値が極大値をとる点において引いた接線を当該燐光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対する接線とする。
燐光の測定には、(株)日立ハイテクノロジー製のF−4500形分光蛍光光度計本体を用いた。なお、測定装置はこの限りではなく、冷却装置及び低温用容器と、励起光源と、受光装置とを組み合わせることにより、測定してもよい。
評価(3):ΔST
ΔSTは、上記評価(1)、および評価(2)で測定したEgSとEg77Kとの差として求めた(上記数式(数1)参照)。結果を表1に示す。
<有機EL素子の作製、および評価>
有機EL素子を以下のように作製し、評価した。
(実施例1)
25mm×75mm×1.1mm厚のITO透明電極(陽極)付きガラス基板(ジオマティック社製)を、イソプロピルアルコール中で5分間超音波洗浄を行なった後、UVオゾン洗浄を30分間行なった。ITOの膜厚は、130nmとした。
洗浄後の透明電極ライン付きガラス基板を真空蒸着装置の基板ホルダーに装着し、まず透明電極ラインが形成されている側の面上に透明電極を覆うようにして化合物HI1を蒸着し、膜厚5nmの化合物HI1膜を形成した。このHI1膜は、正孔注入層として機能する。
このHI1膜の成膜に続けて、化合物HT1を蒸着し、HI1膜上に膜厚160nmのHT1膜を成膜した。このHT1膜は、第1正孔輸送層として機能する。
次に、HT1膜上に、化合物HT2を蒸着し、膜厚10nmのHT2膜を成膜した。このHT2膜は、第2正孔輸送層として機能する。
さらにHT2膜上に、ホスト材料としての化合物H1およびドーパント材料としての化合物D1を共蒸着し、膜厚35nmの発光層を成膜した。ドーパント材料濃度は、6質量%とした。
この発光層上に、化合物BL1を蒸着し、膜厚5nmのBL1膜を成膜した。このBL1膜は、正孔障壁層として機能する。
さらにBL1膜上に化合物ET1を蒸着し、膜厚25nmの化合物ET1膜を成膜した。この化合物ET1膜は、電子輸送層として機能する。
この電子輸送層上にLiFを蒸着して、膜厚1nmのLiF層を形成した。
このLiF膜上に金属Alを蒸着して、膜厚80nmの金属陰極を形成した。
実施例1の有機EL素子の素子構成を略式的に示すと、次のとおりである。
ITO(130) / HI1(5) / HT1(160) / HT2(10) / H1:D1(35, 6%) / BL1(5) / ET1(25) / LiF(1) / Al(80)
なお、括弧内の数字は、膜厚(単位:nm)を示す。また、同じく括弧内において、パーセント表示された数字は、発光層におけるドーパント材料等のように、添加される成分の割合(質量%)を示す。
(実施例2〜4)
実施例2〜4の有機EL素子は、実施例1の有機EL素子におけるドーパント材料濃度をそれぞれ変更した以外は、実施例1と同様にして作製した。
各実施例におけるドーパント材料濃度は、実施例2では12質量%とし、実施例3では24質量%とし、実施例4では、50質量%とした。
(比較例1)
25mm×75mm×1.1mm厚のITO透明電極(陽極)付きガラス基板(ジオマティック社製)を、イソプロピルアルコール中で5分間超音波洗浄を行なった後、UVオゾン洗浄を30分間行なった。ITOの膜厚は、130nmとした。
洗浄後の透明電極ライン付きガラス基板を真空蒸着装置の基板ホルダーに装着し、まず透明電極ラインが形成されている側の面上に透明電極を覆うようにして化合物HI2を蒸着し、膜厚60nmの化合物HI2膜を形成した。このHI2膜は、正孔注入層として機能する。
このHI2膜の成膜に続けて、化合物HT3を蒸着し、HI2膜上に膜厚10nmのHT3膜を成膜した。このHT3膜は、正孔輸送層として機能する。
さらにHT3膜上に、ホスト材料としての化合物H2およびドーパント材料としての化合物D2を共蒸着し、膜厚40nmの発光層を成膜した。ドーパント材料濃度は、0.5質量%とした。
この発光層上に化合物ET1を蒸着し、膜厚30nmの化合物ET1膜を成膜した。この化合物ET1膜は、電子輸送層として機能する。
この電子輸送層上にLiFを蒸着して、膜厚1nmのLiF層を形成した。
このLiF膜上に金属Alを蒸着して、膜厚150nmの金属陰極を形成した。
比較例1の有機EL素子の素子構成を略式的に示すと、次のとおりである。
ITO(130) / HI2(60) / HT3(10) / H2:D2 (40, 0.5%) / ET1(30) / LiF(1) / Al(150)
なお、括弧内の数字は、膜厚(単位:nm)を示す。また、同じく括弧内において、パーセント表示された数字は、発光層におけるドーパント材料等のように、添加される成分の割合(質量%)を示す。
(比較例2〜4)
比較例2〜4の有機EL素子は、比較例1の有機EL素子におけるドーパント材料濃度をそれぞれ変更した以外は、比較例1と同様にして作製した。
各比較例におけるドーパント材料濃度は、比較例2では1質量%とし、比較例3では2質量%とし、比較例4では、3質量%とした。
〔有機EL素子の評価〕
実施例1〜4並びに比較例1〜4において作製した有機EL素子について、以下の評価を行った。評価結果を表2に示す。
・駆動電圧
電流密度が10mA/cmとなるようにITOとAlとの間に通電したときの電圧(単位:V)を計測した。
・輝度およびCIE1931色度
電流密度が10mA/cmとなるように素子に電圧を印加した時の輝度(単位:cd/m)、およびCIE1931色度座標(x、y)を分光放射輝度計CS−1000(コニカミノルタ社製)で計測した。
・電流効率L/Jおよび電力効率η
電流密度が10mA/cmとなるように素子に電圧を印加した時の分光放射輝度スペクトルを分光放射輝度計CS−1000で計測し、得られた分光放射輝度スペクトルから、電流効率L/J(単位:cd/A)、および電力効率η(単位:lm/W)を算出した。
・主ピーク波長λ
得られた上記分光放射輝度スペクトルから主ピーク波長λ(単位:nm)を求めた。
・外部量子効率EQE
電流密度が10mA/cmとなるように素子に電圧を印加した時の分光放射輝度スペクトルを分光放射輝度計CS−1000で計測した。得られた上記分光放射輝度スペクトルから、ランバシアン放射を行なったと仮定し外部量子効率EQE(単位:%)を算出した。
表2に示すように実施例1〜4の有機EL素子によれば、ドーパント材料として、前記数式(数1)の関係を満たす化合物D1を用いた結果、発光層におけるドーパント材料濃度が6質量%から、10質量%を超えて50質量%までの広い範囲においても、素子特性のばらつきが小さいことが分かった。ゆえに、前記数式(数1)の関係を満たす化合物をドーパント材料として用いれば、同一蒸着源からホスト材料とドーパント材料とを共蒸着して発光層を形成した場合でも、素子特性のばらつきを抑制できることが分かる。
一方で、表2に示すように比較例1〜4の有機EL素子では、ドーパント材料として用いた化合物D2は、前記数式(数1)の関係を満たさず、ドーパント材料濃度が0.5質量%から3質量%までの狭い範囲にもかかわらず、素子特性のばらつきが大きいことがわかった。ゆえに、前記数式(数1)の関係を満たさない化合物をドーパント材料に用い、同一蒸着源からホスト材料と共に蒸着して発光層を形成すると、ドーパント材料濃度のわずかな違いにより、素子特性が大きくばらつくことが分かる。なお、化合物D1は、遅延蛍光発光性のドーパント材料であり、化合物D2は、遅延蛍光発光性ではなく、蛍光発光性のドーパントである。化合物D2は、特表2011−508368号公報や米国特許出願公開第2005/0249972号明細書において、蛍光発光性ドーパント材料であることが記載されている。
1…有機EL素子
3…陽極
4…陰極
5…発光層
6…正孔注入・輸送層
7…電子注入・輸送層
10…有機層
101…蒸着源
D…ドーパント材料
H…ホスト材料

Claims (15)

  1. 一重項エネルギーEgS(D)と、77[K]におけるエネルギーギャップEg77K(D)との差ΔST(D)が下記数式(数1)を満たす第1の材料と、第2の材料とを同一の蒸着源に収容し、前記蒸着源から前記第1の材料および前記第2の材料を同時に蒸着させて発光層を形成する工程を有し、
    前記第1の材料は、下記一般式(2)で表される化合物であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
    ΔST(D)=EgS(D)−Eg77K(D)<0.3[eV] …(数1)
    (前記一般式(2)において、L 20 は、単結合、置換もしくは無置換のa+1価の芳香族炭化水素基、または置換もしくは無置換のa+1価の複素環基を表し、
    201 は、置換もしくは無置換の2価の芳香族炭化水素基、または置換もしくは無置換の2価の複素環基を表し、
    aは、1以上6以下の整数であり、bは、1以上6以下の整数であり、gは、0以上2以下の整数であり、
    HArは、下記一般式(20)で表される構造から誘導される基である。)
    (前記一般式(20)において、X 20 は、単結合、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、NR 、CR 10 11 、SiR 12 13 、またはGeR 14 15 を表し、
    GおよびHは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環構造を表し、環構造Gおよび環構造Hのうち少なくともいずれかが複数の置換基を有する場合、隣接する置換基同士が結合して環を形成してもよい。前記環構造Gおよび前記環構造Hのうち少なくともいずれかが置換もしくは無置換の複素環構造であるとき、当該複素環構造は、下記一般式(20−2)で表される部分構造を有する。)
    (前記一般式(2)において、Az は、下記一般式(2d)で表される。)
    (前記一般式(2d)において、X 21 〜X 26 は、それぞれ独立に、CR 16 または窒素原子を表し、X 21 〜X 26 のうち少なくとも1つ以上は、窒素原子であり、X 21 〜X 26 のうちb個は、L 20 またはL 201 と結合する炭素原子である。前記一般式(2d)において、隣接するR 16 同士が結合して環を形成してもよい。
    前記一般式(2)において、HAr、L 20 、L 201 、およびAz からなる群から選ばれる2つ以上の構造同士が結合して環を形成してもよい。
    〜R 16 は、それぞれ独立に、
    水素原子、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、
    置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基、
    置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、
    置換もしくは無置換の炭素数3〜30のアルキルシリル基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜60のアリールシリル基、
    置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルコキシ基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールオキシ基、
    置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルキルアミノ基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜60のアリールアミノ基、
    置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキルチオ基、または、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールチオ基である。)
  2. 請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、
    前記第1の材料が、ドーパント材料であり、
    前記第2の材料が、ホスト材料である
    ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  3. 請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、
    前記第1の材料が、発光の最大発光成分の材料であり、
    前記第2の材料が、ホスト材料である
    ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  4. 請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、
    前記第1の材料が、遅延蛍光発光性の材料であり、
    前記第2の材料が、ホスト材料である
    ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、
    前記蒸着源に収容された前記第1の材料および前記第2の材料のうち、前記第1の材料の濃度は、10質量%以上50質量%以下である
    ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、
    前記一般式(20)におけるX20が、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、NR、CR1011、SiR1213、またはGeR1415を表す
    ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、
    前記一般式(2)におけるHArが、下記一般式(2B)で表される構造から誘導される基である
    ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
    (前記一般式(2B)において、Xは、前記一般式(20)におけるX20と同義である。
    前記一般式(2B)において、R61およびR62は、それぞれ独立に、前記R〜R16と同義である。なお、前記一般式(2B)において、R61およびR62は、それぞれ、6員環の炭素原子に結合する。
    前記一般式(2B)において、i、およびjは、4である。
    前記一般式(2B)において、Eは、下記一般式(2h)で表される環構造を示し、Fは、下記一般式(2i)または下記一般式(2j)で表される環構造を示し、環構造Eおよび環構造Fは、隣接する環構造と任意の位置で縮合する。
    前記一般式(2B)において、hは、0以上4以下の整数である。なお、hは、環構造Eおよび環構造Fが縮合して形成される連結環構造の繰り返し単位である。hが2以上のとき、複数の環構造Fは、互いに同一でも異なっていてもよい。)
    (前記一般式(2h)において、R63およびR64は、それぞれ、6員環の炭素原子に結合する。前記一般式(2h)において、R63およびR64が隣接する位置で置換されている場合には結合して環を形成してもよい。
    前記一般式(2i)におけるYおよび前記一般式(2j)におけるYは、それぞれ独立に、CR6566、NR67、硫黄原子、酸素原子、またはL20と結合する窒素原子を表す。
    前記一般式(2j)におけるXは、前記一般式(20)におけるX20と同義である。ただし、Xは単結合である場合はない。
    63〜R67は、それぞれ独立に、前記R〜R16と同義である。)
  8. 請求項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、
    前記一般式(2B)におけるhが0または1である
    ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  9. 請求項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、
    前記HArが、下記一般式(2b)または下記一般式(2bx)で表される基である
    ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
    (前記一般式(2b)および一般式(2bx)において、Xは、前記一般式(2B)におけるXと同義である。
    前記一般式(2b)および一般式(2bx)において、R17、R18、およびArは、それぞれ独立に、前記R〜R16と同義である。前記一般式(2b)および一般式(2bx)において、R17およびR18は、それぞれ、6員環の炭素原子に結合する。なお、隣接するR17同士が結合して環を形成してもよいし、隣接するR18同士が結合して環を形成してもよい。
    前記一般式(2b)および一般式(2bx)において、cおよびdは、4である。)
  10. 請求項1から請求項までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、
    前記第2の材料は、下記一般式(1)で表される化合物である
    ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
    (前記一般式(1)において、Czは、下記一般式(10)で表される構造から誘導される基である。)
    (前記一般式(10)において、Xは、単結合、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、NR、CR、SiR、またはGeRを表す。
    AおよびBは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環構造を表し、環構造Aおよび環構造Bのうち少なくともいずれかが複数の置換基を有する場合、隣接する置換基同士が結合して環を形成してもよい。前記環構造Aおよび前記環構造Bのうち少なくともいずれかが置換もしくは無置換の複素環構造であるとき、当該複素環構造は、下記一般式(11)で表される部分構造を有する。)
    (前記一般式(1)において、
    は、単結合、置換もしくは無置換のm+1価の芳香族炭化水素基、または置換もしくは無置換のm+1価の複素環基を表し、
    は、単結合、置換もしくは無置換のn+p価の芳香族炭化水素基、または置換もしくは無置換のn+p価の複素環基を表し、
    は、単結合、置換もしくは無置換のo+1価の芳香族炭化水素基、または置換もしくは無置換のo+1価の複素環基を表す。
    mは、1以上6以下の整数であり、
    nおよびpは、それぞれ独立に、1以上6以下の整数であり、
    oは、1以上6以下の整数である。
    Azは、下記一般式(12)で表される。)
    (前記一般式(12)において、X11〜X15は、それぞれ独立に、CRまたは窒素原子を表し、X11〜X15のうち少なくとも1つ以上は、窒素原子である。前記一般式(12)において、隣接するR同士が結合して環を形成してもよい。
    前記一般式(1)において、Cz、L、L、L、およびAzからなる群から選ばれる2つ以上の構造同士が結合して環を形成してもよい。
    〜Rは、それぞれ独立に、
    水素原子、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、
    置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基、
    置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、
    置換もしくは無置換の炭素数3〜30のアルキルシリル基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜60のアリールシリル基、
    置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルコキシ基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールオキシ基、
    置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルキルアミノ基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜60のアリールアミノ基、
    置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキルチオ基、または、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールチオ基である。)
  11. 請求項10に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、
    前記一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(13)で表される化合物である
    ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
    (前記一般式(13)において、X、環構造A、および環構造Bは、それぞれ、前記一般式(10)におけるX、環構造A、および環構造Bと同義であり、
    は、前記一般式(1)におけるLと同義であり、
    11〜X15は、それぞれ独立に、前記一般式(12)におけるX11〜X15と同義である。)
  12. 請求項10に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、
    前記一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(5)で表される化合物である
    ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
    (前記一般式(5)において、Lは、前記一般式(1)におけるLと同義である。
    前記一般式(5)において、X11〜X15は、それぞれ独立に、前記一般式(12)におけるX11〜X15と同義である。
    前記一般式(5)において、R31〜R34は、それぞれ独立に、前記R〜Rと同義である。前記一般式(5)において、R31〜R34は、それぞれ、6員環の炭素原子に結合する。なお、隣接するR31同士が結合して環を形成してもよいし、隣接するR32同士が結合して環を形成してもよいし、隣接するR33同士が結合して環を形成してもよいし、隣接するR34同士が結合して環を形成してもよい。
    前記一般式(5)において、qおよびrは4であり、sは3であり、tは4である。
    前記一般式(5)において、Arは、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、または置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基を表す。)
  13. 請求項1から請求項12までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、
    前記発光層は、金属錯体を含有しない
    ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  14. 請求項1から請求項13までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、
    前記第2の材料の一重項エネルギーEgS(H)と、前記第2の材料の77[K]におけるエネルギーギャップEg77K(H)との差ΔST(H)が下記数式(数2)を満たす
    ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
    ΔST(H)=EgS(H)−Eg77K(H)<0.3[eV] …(数2)
  15. 請求項1から請求項14までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、
    前記第1の材料の一重項エネルギーEgS(D)と、前記第2の材料の一重項エネルギーEgS(H)とが、下記数式(数3)を満たす
    ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
    EgS(H)>EgS(D) …(数3)
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