JP2016066631A - 有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

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Masahiro Kawamura
昌宏 河村
由美子 水木
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由美子 水木
俊成 荻原
Toshinari Ogiwara
俊成 荻原
均 熊
Hitoshi Kuma
均 熊
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Abstract

【課題】駆動電圧を低減し、発光効率を向上させることのできる有機エレクトロルミネッセンス素子を提供する。【解決手段】本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、陽極と、陰極と、前記陽極および前記陰極の間に配置された2層以上の有機層と、を有し、前記有機層には、正孔輸送層および発光層を備え、前記正孔輸送層は、下記一般式(111)で表される化合物を含み、前記発光層は、下記一般式(2)で表される化合物を含むことを特徴とする。【化1】【選択図】なし

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。
有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子という場合がある。)に電圧を印加すると、陽極から正孔が、また陰極から電子が、それぞれ発光層に注入される。そして、発光層において、注入された正孔と電子とが再結合し、励起子が形成される。このとき、電子スピンの統計則により、一重項励起子、及び三重項励起子が25%:75%の割合で生成する。発光原理に従って分類した場合、蛍光型では、一重項励起子による発光を用いるため、有機EL素子の内部量子効率は25%が限界といわれている。一方、燐光型では、三重項励起子による発光を用いるため、一重項励起子から項間交差が効率的に行われた場合には内部量子効率が100%まで高められることが知られている。
蛍光型の有機EL素子は、近年、長寿命化技術が進展し、携帯電話やテレビ等のフルカラーディスプレイへ応用されつつあるものの、高効率化が課題であった。
このような背景から、遅延蛍光を利用した高効率の蛍光型の有機EL素子が提案され、開発がなされている。例えば、遅延蛍光のメカニズムの一つであるTTF(Triplet−Triplet Fusion)機構を利用した有機EL素子が提案されている。TTF機構は、2つの三重項励起子の衝突によって一重項励起子が生成する現象を利用するものである。
このTTF機構による遅延蛍光を利用すると、蛍光型発光においても理論的に内部量子効率を40%まで高めることができると考えられている。しかしながら、依然として燐光型発光に比べて高効率化の課題を有するものである。そこで、さらなる内部量子効率向上を図るべく、他の遅延蛍光のメカニズムを利用するものが検討されている。
例えば、TADF(Thermally Activated Delayed Fluorescence、熱活性化遅延蛍光)機構が挙げられる。このTADF機構は、一重項エネルギー準位と三重項エネルギー準位とのエネルギー差(ΔST)の小さな材料を用いた場合に、三重項励起子から一重項励起子への逆項間交差が生じる現象を利用するものである。このTADF機構を利用した有機EL素子としては、例えば、非特許文献1に開示されている。
非特許文献1には、電子ドナー性ユニットとしてのフェノキサジンと、電子アクセプターユニットとしての2,4,6−トリフェニル−1,3,5−トリアジンとを有する化合物(以下、この化合物をPXZ−TRZと略記する場合がある。)を発光材料として用いることで、TADF機構による効率的な緑色の発光が得られると記載されている。非特許文献1には、ホスト材料であるCBP(4,4'-Bis(N-carbazolyl)-1,1'-biphenyl)中に発光材料であるPXZ−TRZがドーピングされた発光層を備える有機EL素子が、最大で12.5%の外部量子効率(EQE,external quantum efficiency)で発光する旨が記載されている。
安達千波矢、外3名、「Efficient green thermally activated delayed fluorescence(TADF) from a phenoxazine-triphenylazine(PXZ-TRZ) derivative」、Chemical Communications、2012年、48、p.11392−11394
しかしながら、非特許文献1に記載された有機EL素子は、外部量子効率が最大で12.5%となるものの、実用化のためには、素子駆動時の低電圧化、およびさらなる高効率化が求められている。
本発明の目的は、駆動電圧を低減し、発光効率を向上させることのできる有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することである。
本発明者らは、PXZ−TRZのような構造を有する化合物を発光材料として用いる有機EL素子の駆動電圧を低減し、発光効率を向上させるために、正孔輸送材料に着目した。
非特許文献1に記載された有機EL素子においてホスト材料として用いたCBPは、一重項エネルギーギャップが3.51eVであり、非常に広い。そのため、正孔および電子の発光層への注入が不充分で、駆動電圧が高く、さらに、励起子生成量も少なく、発光効率が低いと考えられる。そこで、本発明者らは、駆動電圧を実用的なレベルまで低下させ、かつ発光効率を向上させるためには、正孔輸送層の三重項エネルギー準位を高くすることにより、特に正孔輸送層と発光層との界面において、励起子の失活を抑えることができ、その結果、駆動電圧が低減し、発光効率が向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、陽極と、陰極と、前記陽極および前記陰極の間に配置された2層以上の有機層と、を有し、前記有機層には、正孔輸送層および発光層を備え、前記正孔輸送層は、下記一般式(111)で表される化合物を含み、
前記発光層は、下記一般式(2)で表される化合物を含むことを特徴とする。
(前記一般式(111)において、L131は、単結合または連結基を表し、連結基としては、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の2価の芳香族炭化水素基、または置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の2価の複素環基である。
HAr131,HAr132は、それぞれ独立に、下記一般式(111−1)で表される構造から誘導される基である。)
(前記一般式(111−1)において、Y301は、単結合、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、NR311、CR312313、SiR314315、またはGeR316317を表し、
およびBは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環構造を表し、環構造Aおよび環構造Bのうち少なくともいずれかが複数の置換基を有する場合、隣接する置換基同士が環を形成してもよい。前記環構造Aおよび前記環構造Bのうち少なくともいずれかが置換もしくは無置換の複素環構造であるとき、当該複素環構造は、下記一般式(111−2)で表される部分構造を有する。
311〜R317は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数3〜30のアルキルシリル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜60のアリールシリル基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルコキシ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールオキシ基、
置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルキルアミノ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜60のアリールアミノ基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキルチオ基、または、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールチオ基である。)
(前記一般式(2)において、L20は、置換もしくは無置換のa+1価の芳香族炭化水素基、または置換もしくは無置換のa+1価の複素環基を表し、
201は、置換もしくは無置換の2価の芳香族炭化水素基、または置換もしくは無置換の2価の複素環基を表し、
aは、1以上6以下の整数であり、bは、1以上6以下の整数であり、gは、0以上2以下の整数であり、
HArは、下記一般式(20)で表される構造から誘導される基である。)
(前記一般式(20)において、X20は、単結合、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、NR、CR1011、SiR1213、またはGeR1415を表し、
GおよびHは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環構造を表し、環構造Gおよび環構造Hのうち少なくともいずれかが複数の置換基を有する場合、隣接する置換基同士が環を形成してもよい。前記環構造Gおよび前記環構造Hのうち少なくともいずれかが置換もしくは無置換の複素環構造であるとき、当該複素環構造は、下記一般式(20−2)で表される部分構造を有する。
〜R15は、それぞれ独立に、前記一般式(111−1)のR311〜R317と同義である。)
(前記一般式(2)において、Azは、下記一般式(2d)で表される。)
(前記一般式(2d)において、X21〜X26は、それぞれ独立に、CR16または窒素原子を表し、X21〜X26のうち少なくとも1つ以上は、窒素原子であり、X21〜X26のうちb個は、L20またはL201と結合する炭素原子である。前記一般式(2d)において、隣接するR16同士が環を形成してもよい。
16は、それぞれ独立に、前記一般式(111−1)のR311〜R317と同義である。)
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
前記一般式(2)におけるHArが、下記一般式(2B)で表される構造から誘導される基であることが好ましい。
(前記一般式(2B)において、Xは、前記一般式(20)におけるX20と同義であり、
61およびR62は、それぞれ独立に、前記一般式(111−1)のR311〜R317と同義であり、
i、およびjは、4であり、
Eは、下記一般式(2h)で表される環構造を示し、Fは、下記一般式(2i)または下記一般式(2j)で表される環構造を示し、環構造Eおよび環構造Fは、隣接する環構造と任意の位置で縮合する。前記一般式(2B)において、hは、0以上4以下の整数である。なお、hは、環構造Eおよび環構造Fが縮合して形成される連結環構造の繰り返し単位である。hが2以上のとき、複数の環構造Fは、互いに同一でも異なっていてもよい。)
(前記一般式(2h)において、R63およびR64が隣接する位置で置換されている場合には環を形成してもよい。
前記一般式(2i)におけるYおよび前記一般式(2j)におけるYは、それぞれ独立に、CR6566、NR67、硫黄原子、酸素原子、またはL20と結合する窒素原子を表す。
前記一般式(2j)におけるXは、前記一般式(20)におけるX20と同義である。ただし、Xは単結合である場合はない。
63〜R67は、それぞれ独立に、前記一般式(111−1)のR311〜R317と同義である。)
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
前記一般式(2B)におけるhが0または1であることが好ましい。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
前記一般式(2B)で表される構造が、下記一般式(2b)または下記一般式(2bx)で表される基であることが好ましい。
(前記一般式(2b)および一般式(2bx)において、Xは、前記一般式(2B)におけるXと同義であり、
17、R18、およびArは、それぞれ独立に、前記一般式(111−1)のR311〜R317と同義であり、
cおよびdは、4である。なお、隣接するR17同士が環を形成してもよいし、隣接するR18同士が環を形成してもよい。)
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
前記一般式(2)におけるaが、1又は2であり、gが0であり、
前記一般式(2b)または前記一般式(2bx)におけるXが、酸素原子であることが好ましい。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
前記L20およびL201のうち少なくともいずれかが、下記一般式(2e)で表される2価の6員環構造であることが好ましい。
(前記一般式(2e)において、X41〜X44は、それぞれ独立に、CR52または窒素原子を表し、R52は、それぞれ独立に、前記一般式(111−1)のR311〜R317と同義である。)
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
前記一般式(2e)におけるX41〜X44は、それぞれ独立に、CR52であることが好ましい。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
前記一般式(111)は、下記一般式(101)で表されることが好ましい。
(前記一般式(101)において、
31およびY32は、それぞれ独立に、単結合、CR131132またはSiR133134を表す。
131〜R134は、それぞれ独立に、前記一般式(111−1)のR311〜R317と同義である。
31およびA32は、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、または
置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基である。
31〜L33は、それぞれ独立に、単結合または連結基を表し、連結基としては、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の2価の芳香族炭化水素基、または置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の2価の複素環基である。
35〜Z38のうちの1つと、Z41〜Z44のうちの1つは、ぞれぞれL33に結合する。それ以外のZ31〜Z38およびZ41〜Z48は、それぞれ独立に、CR135または窒素原子を表す。
135は、それぞれ独立に、前記一般式(111−1)のR311〜R317と同義である。
ただし、隣接するR135は、互いに結合して、環を形成する場合としない場合とがある。)
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記一般式(101)は、下記一般式(101−1)で表されることが好ましい。
(前記一般式(101−1)において、A31,A32,L31〜L33,Z31〜Z38,およびZ41〜Z48は、前記一般式(101)と同義である。)
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記一般式(101−1)のL33は、単結合であることが好ましい。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
前記一般式(101)は、下記一般式(101−2)で表されることが好ましい。
(前記一般式(101−2)において、A31,A32,L31〜L33,Z31〜Z38,およびZ41〜Z48は、前記一般式(101)と同義である。)
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
前記一般式(101)は、下記一般式(101−3)または(101−4)で表されることが好ましい。
(前記一般式(101−3)において、A31,A32,L31〜L32,Z31〜Z36,Z38およびZ41〜Z42,Z44〜Z48は、前記一般式(101)と同義である。
前記一般式(101−4)において、A31,A32,L31〜L32,Z31〜Z35,Z37〜Z38およびZ41,Z43〜Z48は、前記一般式(101)と同義である。)
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
31またはA32の少なくともいずれかは、置換もしくは無置換のジベンゾフラニル基、置換もしくは無置換のカルバゾリル基、または、置換もしくは無置換のジベンゾチオフェニル基であることが好ましい。
本発明の有機EL素子によれば、素子の駆動電圧を低減し、発光効率を向上させることができる。
本発明の第一実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子の一例の概略構成を示す図である。 第三実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子の発光層における、ホスト材料およびドーパント材料のエネルギー準位の関係を示す図である。 本発明の実施形態の変形例に係る有機エレクトロルミネッセンス素子の一例の概略構成を示す図である。
以下、本発明の有機EL素子に関して、実施形態を挙げて説明する。
[第一実施形態]
(有機EL素子の素子構成)
本発明の第一実施形態に係る有機EL素子の構成について説明する。
有機EL素子は、一対の電極間に有機層を備える。この有機層は、有機化合物で構成される層を二つ以上有する。有機層は、無機化合物をさらに含んでいてもよい。
本発明の有機EL素子において、有機層のうち少なくとも一層は、発光層であり、少なくとも一層は正孔輸送層である。ゆえに、有機層は、例えば、一層の発光層と一層の正孔輸送層とで構成されていてもよいし、さらに正孔注入層、電子注入層、電子輸送層、正孔障壁層、電子障壁層等の有機EL素子で採用される層を有していてもよい。
有機EL素子の代表的な素子構成としては、
(a)陽極/発光層/陰極
(b)陽極/正孔注入・輸送層/発光層/陰極
(c)陽極/発光層/電子注入・輸送層/陰極
(d)陽極/正孔注入・輸送層/発光層/電子注入・輸送層/陰極
(e)陽極/正孔注入・輸送層/第1発光層/第2発光層/電子注入・輸送層/陰極
(f)陽極/正孔注入・輸送層/発光層/障壁層/電子注入・輸送層/陰極
などの構造を挙げることができる。
上記の中で(d)の構成が好ましく用いられるが、もちろんこれらに限定されるものではない。
なお、上記「発光層」とは、一般的にドーピングシステムが採用されており、第一の材料と第二の材料とを含む有機化合物層である。第一の材料は、一般的に電子と正孔の再結合を促し、再結合により生じた励起エネルギーを第二の材料に伝達させる。このような第一の材料は、ホスト材料と呼ばれることが多く、以下の説明でも、第一の材料のことをホスト材料という。また、第二の材料は、一般的にホスト材料(第一の材料)から励起エネルギーを受け取り、高い発光性能を示す。このような第二の材料は、ドーパント材料と呼ばれることが多く、以下の説明でも、第二の材料のことをドーパント材料という。ドーパント材料としては、量子収率の高い化合物が好まれる。本実施形態では、ドーパント材料は、蛍光発光を示す材料が用いられる。
上記「正孔注入・輸送層」は、「正孔輸送層」または「正孔注入層および正孔輸送層」を意味し、「電子注入・輸送層」は「電子注入層および電子輸送層のうちの少なくともいずれか1つ」を意味する。ここで、正孔注入層および正孔輸送層を有する場合には、陽極側に正孔注入層が設けられていることが好ましい。また、電子注入層および電子輸送層を有する場合には、陰極側に電子注入層が設けられていることが好ましい。また、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層は、それぞれ、一層で構成されていても良いし、複数の層が積層されていてもよい。
本実施形態において電子輸送層といった場合には、発光層と陰極との間に存在する電子輸送領域の有機層のうち、最も電子移動度の高い有機層をいう。電子輸送領域が一層で構成されている場合には、当該層が電子輸送層である。また、発光層と電子輸送層との間には、構成(f)に示すように発光層で生成された励起エネルギーの拡散を防ぐ目的で、必ずしも電子移動度の高くない障壁層が設けられることがある。そのため、発光層に隣接する有機層が電子輸送層に必ずしも該当しない。
図1に、本実施形態における有機EL素子の一例の概略構成を示す。
有機EL素子1は、透光性の基板2と、陽極3と、陰極4と、陽極3と陰極4との間に配置された有機層10と、を有する。
有機層10は、ホスト材料およびドーパント材料を含む発光層5を有する。また、有機層10は、発光層5と陽極3との間に、正孔注入・輸送層6、を有する。さらに、有機層10は、発光層5と陰極4との間に、電子注入・輸送層7を有する。
(正孔注入・輸送層)
正孔注入・輸送層は、発光層への正孔注入を助け、発光領域まで輸送する層であって、正孔移動度が大きく、イオン化エネルギーが小さい化合物が用いられる。
正孔輸送層に用いる材料としては、より低い電界強度で正孔を発光層に輸送する材料が好ましく、本実施形態においては、下記一般式(111)で表される化合物を用いることが好ましい。
(前記一般式(111)において、L131は、単結合または連結基を表し、連結基としては、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の2価の芳香族炭化水素基、または置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の2価の複素環基である。
HAr131,HAr132は、それぞれ独立に、下記一般式(111−1)で表される構造から誘導される基である。)
(前記一般式(111−1)において、Y301は、単結合、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、NR311、CR312313、SiR314315、またはGeR316317を表し、
およびBは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環構造を表し、環構造Aおよび環構造Bのうち少なくともいずれかが複数の置換基を有する場合、隣接する置換基同士が環を形成してもよい。前記環構造Aおよび前記環構造Bのうち少なくともいずれかが置換もしくは無置換の複素環構造であるとき、当該複素環構造は、下記一般式(111−2)で表される部分構造を有する。
311〜R317は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数3〜30のアルキルシリル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜60のアリールシリル基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルコキシ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールオキシ基、
置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルキルアミノ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜60のアリールアミノ基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキルチオ基、または、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールチオ基である。)
前記一般式(111−1)で表される構造は、下記一般式(111b)〜(111i)で表される環構造からなる郡から選択される環構造であることが好ましい。

(前記一般式(111b)〜(111i)において、環構造A、環構造B、およびR311〜R317は、それぞれ独立に前記一般式(111−1)のものと同義である。
前記一般式(111)において、L131は、単結合または連結基を表し、連結基の場合、L131は、前記一般式(111−1)における環構造Aならびに環構造Bを形成する環形成原子および窒素原子から選ばれるいずれかの原子に結合する。
前記一般式(111)で表される化合物は、下記一般式(101)で表される化合物であることが好ましい。
(前記一般式(101)において、
31およびY32は、それぞれ独立に、単結合、CR131132またはSiR133134を表す。
131〜R134は、それぞれ独立に、前記一般式(111−1)のR311〜R317と同義である。
31およびA32は、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、または
置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基である。
31〜L33は、それぞれ独立に、単結合または連結基を表し、連結基としては、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の2価の芳香族炭化水素基、または置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の2価の複素環基である。
35〜Z38のうちの1つと、Z41〜Z44のうちの1つは、ぞれぞれL33に結合する。それ以外のZ31〜Z38およびZ41〜Z48は、それぞれ独立に、CR135または窒素原子を表す。
135は、それぞれ独立に、前記一般式(111−1)のR311〜R317と同義である。
隣接するR135は、互いに結合して、環を形成する場合としない場合とがある。)
前記一般式(101)において、隣接するR135が、互いに結合して、環を形成する場合としては、例えば、Y31を含む縮合環骨格が下記一般式(101a)〜(101c)で表され、Y32を含む縮合環骨格が下記一般式(101d)〜(101f)で表される場合が挙げられる。
(前記一般式(101a)〜(101f)において、A31,A32,L31〜L32,Y31,Y32,Z31〜Z38,およびZ41〜Z48は、前記一般式(101)と同義である。Z51〜Z54は、前記一般式(101)のZ31〜Z38およびZ41〜Z48と同義である。)
前記一般式(101)において、Y31が、単結合、CR131132またはSiR133134を表す場合、Y31を含む縮合環骨格は、下記一般式(101A)〜(101C)のいずれかで表される。
また、前記一般式(101)において、Y32が、単結合、CR131132またはSiR133134を表す場合、Y32を含む縮合環骨格は、下記一般式(101D)〜(101F)のいずれかで表される。
(前記一般式(101A)〜(101F)において、A31,A32,L31〜L32,Z31〜Z38,およびZ41〜Z48は、前記一般式(101)と同義である。)
これらの中でも、Y31を含む縮合環骨格が(101A)で表され、Y32を含む縮合環骨格が(101D)で表されることが好ましく、前記一般式(101)は、下記一般式(101−1)で表されることが好ましい。
(前記一般式(101−1)において、A31,A32,L31〜L33,Z31〜Z38,およびZ41〜Z48は、前記一般式(101)と同義である。)
さらに、前記一般式(101−1)において、L33は単結合であることが好ましく、当該単結合は、カルバゾリル基の3位同士を結合することがより好ましい。すなわち、前記一般式(101−1)は、Z36とZ43が炭素原子であり、これらが単結合で結合した下記一般式(101−2)で表されることが好ましい。
(前記一般式(101−2)において、A31,A32,L31〜L32,Z31〜Z35,Z37〜Z38およびZ41〜Z42,Z44〜Z48は、前記一般式(101)と同義である。)
また、前記一般式(101−1)において、L33は単結合であり、当該単結合は、カルバゾリル基の2位と3位とを結合することも好ましい。すなわち、前記一般式(101−1)は、Z37とZ43が炭素原子であり、これらが単結合で結合した下記一般式(101−3)で表されるか、または、Z36とZ42が炭素原子であり、これらが単結合で結合した下記一般式(101−3)で表されることが好ましい。
(前記一般式(101−3)において、A31,A32,L31〜L32,Z31〜Z36,Z38およびZ41〜Z42,Z44〜Z48は、前記一般式(101)と同義である。
前記一般式(101−4)において、A31,A32,L31〜L32,Z31〜Z35,Z37〜Z38およびZ41,Z43〜Z48は、前記一般式(101)と同義である。)
さらに前記一般式(101−2)〜(101−4)において、互いに結合する炭素原子以外のZ31〜Z38およびZ41〜Z48は、それぞれ独立に、CR135であり、下記一般式(101−2a)〜(101−4a)で表されることが好ましい。
(前記一般式(101−2a)〜(101−4a)において、A31,A32,L31,L32,R135は、前記一般式(101)と同義である。
n32,n35は0〜4の整数であり、n33,n34は0〜3の整数である。
複数のR135は互いに同一または異なる。)
前記一般式(101),(101−1)〜(101−4)および(101−2a)〜(101−4a)において、A31およびA32の少なくとも一つは、下記一般式(101−A30)で表されることが好ましく、下記一般式(101−31A)で表されることがより好ましい。さらに、一般式(101−31A)において、Y33は、窒素原子、酸素原子および硫黄原子のいずれかであることが好ましく、すなわち、A31およびA32の少なくとも一つは、置換もしくは無置換のジベンゾフラニル基、置換もしくは無置換のカルバゾリル基、または、置換もしくは無置換のジベンゾチオフェニル基であることが好ましい。
(前記一般式(101−A30)において、Y33は、窒素原子、酸素原子または硫黄原子を表す。Z61〜Z68は、前記一般式(101)においてL33に結合しないZ31〜Z38と同義である。)
(前記一般式(101−A31)において、Y33は、窒素原子、酸素原子または硫黄原子を表す。R136は、前記一般式(101)のR135と同義である。n3は0〜4の整数である。)
31およびA32の少なくとも一つは、置換もしくは無置換のジベンゾフラニル基、または、置換もしくは無置換のジベンゾチオフェニル基であることがさらに好ましい。
31が、置換もしくは無置換のジベンゾフラニル基、または、置換もしくは無置換のジベンゾチオフェニル基である場合、A31は、L31に1位または4位で結合することが好ましい。
32が、置換もしくは無置換のジベンゾフラニル基、または、置換もしくは無置換のジベンゾチオフェニル基である場合、A32は、L32に1位または4位で結合することが好ましい。
さらに、前記一般式(101),(101−1)〜(101−4)および(101−2a)〜(101−4a)においてL31およびL32としては、単結合または無置換の環形成炭素数6〜30の2価の芳香族炭化水素基が好ましい。
より好ましくは、A31が前記一般式(101−A31)で表され、L31が置換または無置換の環形成炭素数6〜30の2価の芳香族炭化水素基であることが好ましい。さらに好ましくは、A32が置換または無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基であり、L32が単結合である。この場合、L31における、置換または無置換の環形成炭素数6〜30の2価の芳香族炭化水素基としては、置換または無置換のフェニレン基がより好ましい。また、A32における、置換または無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基としては、置換または無置換のフェニル基がより好ましい。このような化合物は、例えば、前記一般式(101−1)において、下記一般式(101−5)で表される。
(前記一般式(101−5)において、Z31〜Z38およびZ41〜Z48は、前記一般式(1)と同義である。A33は、前記一般式(101−A31)を表す。R137は、前記一般式(1)のR135と同義である。n36は0〜4の整数であり、n37は0〜5の整数である。複数のR137は、互いに同一または異なる。)
前記一般式(101−5)は、下記一般式(101−6)で表されることがより好ましい。
(前記一般式(101−6)において、A33,R137,n36,n37は前記一般式(101−4)と同義である。)
前記一般式(111)におけるHAr131,HAr132は、それぞれ独立に、下記一般式(111−3)で表される構造から誘導される基であっても好ましい。
(前記一般式(111−3)において、Y302は、前記一般式(111−1)におけるY301と同義であり、
301およびR302は、それぞれ独立に、前記一般式(111−1)におけるR311〜R317と同義であり、
i3、およびj3は、4であり、
は、下記一般式(111−3a)で表される環構造を示し、Fは、下記一般式(111−3b)または下記一般式(111−3c)で表される環構造を示し、環構造Eおよび環構造Fは、隣接する環構造と任意の位置で縮合する。前記一般式(111−3)において、hは、0以上4以下の整数である。なお、hは、環構造Eおよび環構造Fが縮合して形成される連結環構造の繰り返し単位である。hが2以上のとき、複数の環構造Fは、互いに同一でも異なっていてもよい。)
(前記一般式(111−3a)において、R303およびR304は、前記一般式(111−1)におけるR311〜R317と同義である。前記一般式(111−3a)において、R303およびR304が隣接する位置で置換されている場合には環を形成していてもよい。)
(前記一般式(111−3b)におけるY311および前記一般式(111−3c)におけるY312は、NR318、CR319320、硫黄原子、酸素原子、またはL131と結合する窒素原子を表す。
前記一般式(111−3c)におけるY313は、前記一般式(111−1)におけるY301と同義である。ただし、Y313は単結合である場合はない。
318〜R320は、前記一般式(111−1)におけるR311〜R317と同義である。)
前記一般式(111−3)において、h3が1であって、環構造Fが前記一般式(111−3b)である場合、前記一般式(111−3)は下記一般式(111−3A)〜(111−3F)で表される構造となる。
(前記一般式(111−3A)〜(111−3F)において、Y302は前記一般式(111−3)におけるY302と同義である。
301〜R304は、それぞれ独立に前記一般式(111−1)におけるR311〜R317と同義である。なお、隣接するR301同士が環を形成してもよいし、隣接するR302同士が環を形成してもよい。また、隣接するR303とR304とが環を形成してもよい。
303は、前記一般式(111−3b)のY311と同義である。
i3およびj3は4である。)
なお、前記一般式(101),(101−1)〜(101−6)および(101−2a)〜(101−3a),(101−A30),(101−A31),(111),(111b)〜(111i),(111−1)〜(111−3),(111−3A)〜(111−3F),(111−3a)〜(111−3c)における各基の詳細については、後述する。
以下に前記一般式(101),(101−1)〜(101−6)および(101−2a)〜(101−3a),(101−A30),(101−A31),(111),(111b)〜(111i),(111−1)〜(111−3),(111−3A)〜(111−3F),(111−3a)〜(111−3c)で表される化合物の具体例を示すが、本発明は、これらの例示化合物に限定されるものではない。
本実施形態において、前記一般式(111)で表される化合物を含む正孔輸送層は、前記一般式(2)で表される化合物を含む発光層に隣接して設けられることが好ましい。
また、正孔輸送層は、複数設けられてもよく、その場合においても、前記一般式(111)で表される化合物を含む正孔輸送層は、発光層に隣接して設けられることが好ましい。
その際、前記一般式(111)で表される化合物は、発光層に含まれるドーパント材料とは異なる化合物であることが好ましい。
前記一般式(111)で表される化合物は、三重項エネルギーが大きいため、前記一般式(101)で表される化合物を含有する正孔輸送層を設けると、有機EL素子の駆動電圧を低下させ、発光効率を向上させることができる。この効果は、有機EL素子に前記一般式(2)で表される化合物のように正孔トラップ性のドーパント材料を含有する発光層を設けた場合に顕著である。
本実施形態において、正孔注入層を設ける場合、正孔注入層を形成する材料としては、より低い電界強度で正孔を発光層に輸送する材料が好ましく、例えば、芳香族アミン化合物が好適に用いられる。また、正孔注入層の材料としては、ポルフィリン化合物、芳香族第三級アミン化合物またはスチリルアミン化合物を用いることが好ましく、特に、ヘキサシアノヘキサアザトリフェニレン(HAT)などの芳香族第三級アミン化合物を用いることが好ましい。
(発光層)
本実施形態の有機EL素子において、発光層は、ホスト材料とドーパント材料とを含む。発光層に含有されるホスト材料とドーパント材料とでは、互いの分子構造が異なる。
・ホスト材料
本実施形態で用いるホスト材料としては、公知の蛍光ホスト材料や下記一般式(1)で表される。
前記一般式(1)において、Czは、下記一般式(10)で表される構造から誘導される基である。
前記一般式(10)において、Xは、単結合、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、NR、CR、SiR、またはGeRを表す。すなわち、前記一般式(10)で表される環構造は、下記一般式(10b)〜(10i)で表される環構造からなる群から選択される環構造である。
前記一般式(10),(10b)〜(10i)において、AおよびBは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環構造を表し、環構造Aおよび環構造Bのうち少なくともいずれかが複数の置換基を有する場合、隣接する置換基同士が環を形成してもよい。形成する環は、飽和環、不飽和環のどちらでもよい。この場合の置換基としては、電子ドナー性を有する置換基であることが好ましい。または、隣接する置換基同士が電子ドナー性を有する環をさらに形成することが好ましい。
前記一般式(10),(10b)〜(10i)において、前記環構造Aおよび前記環構造Bのうち少なくともいずれかが置換もしくは無置換の複素環構造であるとき、当該複素環構造は、下記一般式(11)で表される部分構造を有する。
前記一般式(10)で表される構造から誘導される基としては、下記一般式(10−1)で表される基であることが好ましい。
前記一般式(10−1)において、Xは、前記一般式(10)におけるXと同義である。すなわち、前記一般式(10−1)で表される基は、下記一般式(10b−1)〜(10i−1)で表される基からなる群から選択される基である。
前記一般式(10b−1)〜(10i―1)における、環構造Aおよび環構造Bは、それぞれ独立に、前記一般式(10),(10b)〜(10i)における環構造Aおよび環構造Bと同義である。
前記一般式(1)において、Lは、単結合、置換もしくは無置換のm+1価の芳香族炭化水素基、または置換もしくは無置換のm+1価の複素環基を表す。
は、単結合、置換もしくは無置換のn+p価の芳香族炭化水素基、または置換もしくは無置換のn+p価の複素環基を表す。
は、単結合、置換もしくは無置換のo+1価の芳香族炭化水素基、または置換もしくは無置換のo+1価の複素環基を表す。
前記一般式(1)において、mは、1以上6以下の整数であり、nおよびpは、それぞれ独立に、1以上6以下の整数であり、oは、1以上6以下の整数である。m、n、oおよびpは、それぞれ独立に、好ましくは1以上3以下の整数であり、より好ましくは1又は2である。
本実施形態において、Lは、mの値に応じてその価数が定まる連結基であり、mが1である場合、Lは、2価の連結基である。Lは、nおよびpの値に応じてその価数が決まる連結基であり、nおよびpがいずれも1である場合、Lは、2価の連結基である。以下の、L等の連結基においても同様である。
前記一般式(1)において、Azは、下記一般式(12)で表される。
前記一般式(12)において、X11〜X15は、それぞれ独立に、CRまたは窒素原子を表し、X11〜X15のうち少なくとも1つ以上は、窒素原子である。前記一般式(12)において、X11〜X15のうち窒素原子は、1つ以上3つ以下であることが好ましい。前記一般式(12)において、隣接するR同士が環を形成してもよい。
窒素原子が1つとなる場合としては、X11またはX15が窒素原子となることが好ましい。窒素原子が2つとなる場合としては、X11およびX15が窒素原子となることが好ましい。窒素原子が3つとなる場合としては、X11、X13およびX15が窒素原子となることが好ましい。これらのうち、前記一般式(12)において、X11、X13およびX15が窒素原子となるトリアジン環であることがより好ましい。
前記一般式(1),(10)〜(12)において、R〜Rは、前記一般式(111−1)のR311〜R317と同義である。すなわち、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数3〜30のアルキルシリル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜60のアリールシリル基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルコキシ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールオキシ基、
置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルキルアミノ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜60のアリールアミノ基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキルチオ基、または、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールチオ基である。
本実施形態において、前記一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(13)で表される化合物であることが好ましい。
前記一般式(13)において、X、環構造A、および環構造Bは、それぞれ、前記一般式(10)におけるX、環構造A、および環構造Bと同義である。
前記一般式(13)において、Lは、前記一般式(1)におけるLと同義である。
前記一般式(13)において、X11〜X15は、それぞれ独立に、前記一般式(12)におけるX11〜X15と同義である。
前記一般式(13)で表される化合物のうち、下記一般式(13a)〜(13c)で表される化合物が好ましく、下記一般式(13c)で表される化合物がより好ましい。
前記一般式(13a)〜(13c)において、X、環構造A、および環構造Bは、それぞれ、前記一般式(10)におけるX、環構造A、および環構造Bと同義である。
前記一般式(13a)〜(13c)において、Lは、前記一般式(1)におけるLと同義である。
前記一般式(13a)において、X11およびX13は、それぞれ独立に、前記一般式(12)におけるX11〜X15と同義である。
前記一般式(13a)〜(13c)において、R21およびR22は、それぞれ独立に、前記R〜Rと同義である。
前記一般式(1)、(13)、(13a)〜(13c)で表される化合物、または前記一般式(10),(10b)〜(10g)で表される基において、環構造Aおよび環構造Bとしては、飽和もしくは不飽和の5員環、飽和もしくは不飽和の6員環が挙げられる。それらの環構造のうち、芳香族炭化水素環または複素環が好ましく、ベンゼン環またはアジン環がより好ましく、ベンゼン環がさらに好ましい。
また、本実施形態において、環構造Aおよび環構造Bの両方が、置換もしくは無置換のベンゼン環であることが好ましく、この場合、少なくとも一方のベンゼン環が置換基を有することがより好ましい。このベンゼン環が有する置換基としては、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基が好ましい。さらに、環構造Aおよび環構造Bのうち少なくともいずれかが置換基を有することが好ましく、この場合の置換基としては電子ドナー性を有する置換基であることが好ましい。
本実施形態において、前記一般式(1)におけるCzが、前記一般式(10b)で表されることが好ましく、さらに環構造Aおよび環構造Bの両方が、置換もしくは無置換のベンゼン環であることが好ましい。この場合の置換基としては前述したとおりである。
また、前記一般式(10b)において、環構造Aおよび環構造Bのうち少なくともいずれかが複素環である場合には、前記一般式(11)で表される部分構造を有することが好ましく、前記一般式(10b)における環構造Aおよび環構造Bが、前記一般式(11)で表される部分構造を有する6員環の複素環であることが好ましい。
本実施形態において、前記一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(14)で表される化合物であることが好ましい。
前記一般式(14)において、L、L、L、m、n、o、pは、それぞれ、前記一般式(1)におけるL、L、L、m、n、o、pと同義である。
前記一般式(14)において、X11〜X15は、それぞれ独立に、前記一般式(12)におけるX11〜X15と同義である。
前記一般式(14)において、R31およびR32は、それぞれ独立に、前記R〜Rと同義である。なお、隣接するR31同士が環を形成してもよいし、隣接するR32同士が環を形成してもよい。
前記一般式(14)において、qおよびrは、4である。
本実施形態において、前記一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(16)で表される化合物であることが好ましい。すなわち、前記一般式(14)で表される化合物において、LおよびLが単結合であり、n、oおよびpが、1であることが好ましい。
前記一般式(16)において、L、mは、それぞれ、前記一般式(1)におけるL、mと同義である。
前記一般式(16)において、X11〜X15は、それぞれ独立に、前記一般式(12)におけるX11〜X15と同義である。
前記一般式(16)において、R31およびR32は、それぞれ独立に、前記R〜Rと同義である。なお、隣接するR31同士が環を形成してもよいし、隣接するR32同士が環を形成してもよい。
前記一般式(16)において、qおよびrは、4である。
本実施形態において、前記一般式(16)で表される化合物が、下記一般式(17)で表される化合物であることが好ましい。すなわち、前記一般式(16)で表される化合物において、mが1であり、4つのR32のうち一つがカルバゾリル基であることが好ましい。
前記一般式(17)において、Lは、前記一般式(1)におけるLと同義である。
前記一般式(17)において、X11〜X15は、それぞれ独立に、前記一般式(12)におけるX11〜X15と同義である。
前記一般式(17)において、R31〜R34は、それぞれ独立に、前記R〜Rと同義である。なお、隣接するR31同士が環を形成してもよいし、隣接するR32同士が環を形成してもよいし、隣接するR33同士が環を形成してもよいし、隣接するR34同士が環を形成してもよい。
前記一般式(17)において、qおよびrは4であり、sは3であり、tは4である。
前記一般式(17)において、Arは、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、または置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基を表す。なお、Arは、カルバゾール骨格の窒素原子に対して直接結合せず、連結基を介して結合してもよい。Arとカルバゾール骨格の窒素原子とを連結する連結基としては、上述のLと同義である。なお、Arとしては、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基が好ましい。Arとしては、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、トリフェニレル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、カルバゾリル基等が好ましい。Arが置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基である場合、連結基を介さずに、直接、カルバゾール骨格の窒素原子と結合していることが好ましい。
本実施形態で用いるホスト材料としては、前記一般式(17)で表されるように、前記一般式(10)で表される電子アクセプター性部位がビスカルバゾール構造であることが好ましい。前記一般式(10)で表される部位が1つのカルバゾール骨格で構成されるモノカルバゾール構造である場合、当該モノカルバゾール構造の電子ドナー性は、アミン構造よりも小さくなると考えられる。モノカルバゾール構造にアジン環が直接結合または連結基を介して結合した化合物では、アジン環の電子アクセプター性をモノカルバゾール構造の電子ドナー性によって相殺することができないと考えられる。したがって、このような、モノカルバゾール構造にアジン環が直接結合または連結基を介して結合した化合物は、電子アクセプター性の化合物となる。一方で、カルバゾール骨格に置換基が結合した構造であれば電子ドナー性が向上すると考えられる。上記ビスカルバゾール構造は、電子ドナー性を向上させることができる点で好ましい。ビスカルバゾール構造にアジン環が連結基を介して結合した前記一般式(17)で表される化合物では、アジン環の電子アクセプター性とビスカルバゾール構造の電子ドナー性とが釣り合い、ΔSTが小さくなると考えられる。
本実施形態において、前記一般式(17)で表される化合物が、下記一般式(18)で表される化合物であることが好ましい。
前記一般式(18)において、Lは、前記一般式(1)におけるLと同義である。
前記一般式(18)において、X11〜X15は、それぞれ独立に、前記一般式(12)におけるX11〜X15と同義である。
前記一般式(18)において、R31〜R34は、それぞれ独立に、前記R〜Rと同義である。なお、隣接するR31同士が環を形成してもよいし、隣接するR32同士が環を形成してもよいし、隣接するR33同士が環を形成してもよいし、隣接するR34同士が環を形成してもよい。
前記一般式(18)において、q、r、s、tは、それぞれ、前記一般式(17)におけるq、r、s、tと同義である。
前記一般式(18)において、Arは、前記一般式(17)におけるArと同義である。
本実施形態において、前記一般式(17)で表される化合物が、下記一般式(19)で表される化合物であることが好ましい。
前記一般式(19)において、Lは、前記一般式(1)におけるLと同義である。
前記一般式(19)において、X11〜X15は、それぞれ独立に、前記一般式(12)におけるX11〜X15と同義である。
前記一般式(19)において、R31〜R34は、それぞれ独立に、前記R〜Rと同義である。なお、隣接するR31同士が環を形成してもよいし、隣接するR32同士が環を形成してもよいし、隣接するR33同士が環を形成してもよいし、隣接するR34同士が環を形成してもよい。
前記一般式(19)において、q、r、s、tは、それぞれ、前記一般式(17)におけるq、r、s、tと同義である。
前記一般式(19)において、Arは、前記一般式(17)におけるArと同義である。
本実施形態では、前記一般式(10)で表される基において、環構造Aが置換もしくは無置換のベンゼン環であり、環構造Bが複数の5員環および6員環のいずれかが縮合して連結した環構造であることが好ましい。この場合、いずれかの環構造が置換基を有してもよい。そして、本実施形態において、前記一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(31)で表される化合物であることが好ましい。
前記一般式(31)において、Lは、前記一般式(1)におけるLと同義である。
前記一般式(31)において、X11〜X15は、それぞれ独立に、前記一般式(12)におけるX11〜X15と同義である。
前記一般式(31)において、R41およびR44は、それぞれ独立に、前記R〜Rと同義である。なお、隣接するR41同士が環を形成してもよいし、隣接するR44同士が環を形成してもよい。
前記一般式(31)において、uおよびvは、4である。
前記一般式(31)において、Cは、下記一般式(32)で表される環構造を示し、Dは、下記一般式(33)で表される環構造を示す。環構造Cおよび環構造Dは、隣接する環構造と任意の位置で縮合する。
前記一般式(31)において、wは、1以上4以下の整数である。なお、wは、環構造Cおよび環構造Dが縮合して形成される連結環構造の繰り返し単位である。
前記一般式(32)において、R42およびR43は、それぞれ独立に、前記一般式(1)におけるR〜Rと同義であり、R42およびR43が隣接する位置で置換されている場合には環を形成してもよい。
前記一般式(33)において、Yは、CR4546、NR47、硫黄原子、または酸素原子を表し、R45〜R47は、それぞれ独立に、前記一般式(1)におけるR〜Rと同義である。
本実施形態で用いるホスト材料としては、前記一般式(31)で表されるように、前記一般式(10)で表される電子アクセプター性部位がインドロカルバゾール骨格、またはインドロカルバゾール環にさらにインドール環が連結して縮合した骨格を有することが好ましい。このような電子ドナー性部位とすることで、前述のモノカルバゾール構造よりも電子ドナー性を向上させることができる。前記一般式(31)で表される化合物では、アジン環の電子アクセプター性と、インドロカルバゾール骨格等の電子ドナー性部位の電子ドナー性とが釣り合い、ΔSTが小さくなると考えられる。
前記一般式(31)において、wは1であることが好ましく、この場合の前記一般式(31)で表される化合物は、下記一般式(31a)で表される。
前記一般式(31a)において、Lは、前記一般式(1)におけるLと同義である。
前記一般式(31a)において、X11〜X15は、それぞれ独立に、前記一般式(12)におけるX11〜X15と同義である。
前記一般式(31a)において、R41およびR44は、それぞれ独立に、前記R〜Rと同義である。なお、隣接するR41同士が環を形成してもよいし、隣接するR44同士が環を形成してもよい。
前記一般式(31a)において、uおよびvは、4である。
前記一般式(31a)において、Cは、前記一般式(32)で表される環構造を示し、Dは、前記一般式(33)で表される環構造を示す。環構造Cおよび環構造Dは、隣接する環構造と任意の位置で縮合する。
本実施形態において、前記一般式(1)におけるCzが、下記一般式(H−110)〜(H−115)で表される基からなる群から選択される基であることが好ましい。
前記一般式(H−110)〜(H−115)において、Yは、CR4849、NR50、硫黄原子、または酸素原子を表し、R48〜R50は、それぞれ独立に、前記一般式(1)におけるR〜Rと同義である。前記一般式(H−110)〜(H−115)で表される基は、さらに置換基を有していてもよい。
前記一般式(H−110)〜(H−115)におけるYが酸素原子であることが好ましい。
前記一般式(H−110)〜(H−115)で表される基を備える化合物としては、下記一般式(31b)〜(31g)で表される化合物が好ましい。
前記一般式(31b)〜(31g)において、Lは、前記一般式(1)におけるLと同義である。
前記一般式(31b)〜(31g)において、X11〜X15は、それぞれ独立に、前記一般式(12)におけるX11〜X15と同義である。
前記一般式(31b)〜(31g)において、Yは、CR4849、NR50、硫黄原子、または酸素原子を表し、R48〜R50は、それぞれ独立に、前記一般式(1)におけるR〜Rと同義である。
前記一般式(31b)〜(31g)におけるYが酸素原子であることが好ましい。
なお、上述の本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記一般式(1)におけるCzが、下記一般式(H−116)〜(H−119)で表される構造から誘導される基からなる群から選択される基であってもよい。
前記一般式(H−116)〜(H−119)において、Y,Y,Yは、それぞれ独立に、CR4849、NR50、硫黄原子、または酸素原子を表し、R48〜R50は、それぞれ独立に、前記一般式(1)におけるR〜R16と同義である。前記一般式(H−116)〜(H−119)で表される構造から誘導される基は、任意の位置に結合手を有し、前記一般式(1)におけるLと結合する。なお、前記一般式(H−116)〜(H−119)で表される構造から誘導される基は、さらに置換基を有していてもよい。
本実施形態において、前記Lが2価の連結基となる場合には、Lは、置換もしくは無置換の2価の芳香族炭化水素基であることが好ましい。
または、本実施形態において、前記Lが2価の連結基となる場合には、2価の6員環構造であることが好ましく、Lが、下記一般式(3)、一般式(3a)または一般式(3b)で表される2価の6員環構造のうちいずれかであることがより好ましく、下記一般式(3)で表される2価の6員環構造であることがさらに好ましい。
前記一般式(3),(3a),(3b)において、X31〜X34は、それぞれ独立に、CR51または窒素原子を表し、R51は、それぞれ独立に、前記一般式(1)におけるR〜Rと同義である。本実施形態において、X31〜X34は、それぞれ独立に、CR51であることが好ましましく、R51は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シアノ基、ハロゲン原子、シリル基であることがより好ましい。
本実施形態における環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基(すなわち、アリール基)としては、例えば、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、フルオレニル基、ピレニル基、クリセニル基、フルオランテニル基、ベンゾ[a]アントリル基、ベンゾ[c]フェナントリル基、トリフェニレニル基、ベンゾ[k]フルオランテニル基、ベンゾ[g]クリセニル基、ベンゾ[b]トリフェニレニル基、ピセニル基、ペリレニル基などが挙げられる。
本実施形態におけるアリール基としては、環形成炭素数が6〜20であることが好ましく、より好ましくは6〜12であることが更に好ましい。上記アリール基の中でもフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、ターフェニル基、フルオレニル基が特に好ましい。1−フルオレニル基、2−フルオレニル基、3−フルオレニル基および4−フルオレニル基については、9位の炭素原子に、後述する本実施形態における置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基が置換されていることが好ましい。
本実施形態における環形成原子数5〜30の複素環基としては、例えば、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キノリル基、イソキノリニル基、ナフチリジニル基、フタラジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、インドリル基、ベンズイミダゾリル基、インダゾリル基、イミダゾピリジニル基、ベンズトリアゾリル基、カルバゾリル基、フリル基、チエニル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、イソキサゾリル基、イソチアゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾイソキサゾリル基、ベンゾイソチアゾリル基、ベンゾオキサジアゾリル基、ベンゾチアジアゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ピペリジニル基、ピロリジニル基、ピペラジニル基、モルホリル基、フェナジニル基、フェノチアジニル基、フェノキサジニル基などが挙げられる。
本実施形態における複素環基の環形成原子数は、5〜20であることが好ましく、5〜14であることがさらに好ましい。上記複素環基の中でも1−ジベンゾフラニル基、2−ジベンゾフラニル基、3−ジベンゾフラニル基、4−ジベンゾフラニル基、1−ジベンゾチオフェニル基、2−ジベンゾチオフェニル基、3−ジベンゾチオフェニル基、4−ジベンゾチオフェニル基、1−カルバゾリル基、2−カルバゾリル基、3−カルバゾリル基、4−カルバゾリル基、9−カルバゾリル基が特に好ましい。1−カルバゾリル基、2−カルバゾリル基、3−カルバゾリル基および4−カルバゾリル基については、9位の窒素原子に、本実施形態における置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基または置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基が置換されていることが好ましい。
本実施形態における炭素数1〜30のアルキル基としては、直鎖、分岐鎖又は環状のいずれであってもよい。直鎖または分岐鎖のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、ネオペンチル基、アミル基、イソアミル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、1−ペンチルヘキシル基、1−ブチルペンチル基、1−ヘプチルオクチル基、3−メチルペンチル基、が挙げられる。
本実施形態における直鎖または分岐鎖のアルキル基の炭素数は、1〜10であることが好ましく、1〜6であることがさらに好ましい。上記直鎖または分岐鎖のアルキル基の中でもメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、アミル基、イソアミル基、ネオペンチル基が特に好ましい。
本実施形態におけるシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基等が挙げられる。シクロアルキル基の環形成炭素数は、3〜10であることが好ましく、5〜8であることがさらに好ましい。上記シクロアルキル基の中でも、シクロペンチル基やシクロヘキシル基が特に好ましい。
アルキル基がハロゲン原子で置換されたハロゲン化アルキル基としては、例えば、上記炭素数1〜30のアルキル基が1以上のハロゲン基で置換されたものが挙げられる。具体的には、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、フルオロエチル基、トリフルオロメチルメチル基、トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基等が挙げられる。
本実施形態における炭素数3〜30のアルキルシリル基としては、上記炭素数1〜30のアルキル基で例示したアルキル基を有するトリアルキルシリル基が挙げられ、具体的にはトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリ−n−ブチルシリル基、トリ−n−オクチルシリル基、トリイソブチルシリル基、ジメチルエチルシリル基、ジメチルイソプロピルシリル基、ジメチル−n−プロピルシリル基、ジメチル−n−ブチルシリル基、ジメチル−t−ブチルシリル基、ジエチルイソプロピルシリル基、ビニルジメチルシリル基、プロピルジメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基等が挙げられる。トリアルキルシリル基における3つのアルキル基は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
本実施形態における環形成炭素数6〜30のアリールシリル基としては、ジアルキルアリールシリル基、アルキルジアリールシリル基、トリアリールシリル基が挙げられる。
ジアルキルアリールシリル基は、例えば、上記炭素数1〜30のアルキル基で例示したアルキル基を2つ有し、上記環形成炭素数6〜30のアリール基を1つ有するジアルキルアリールシリル基が挙げられる。ジアルキルアリールシリル基の炭素数は、8〜30であることが好ましい。
アルキルジアリールシリル基は、例えば、上記炭素数1〜30のアルキル基で例示したアルキル基を1つ有し、上記環形成炭素数6〜30のアリール基を2つ有するアルキルジアリールシリル基が挙げられる。アルキルジアリールシリル基の炭素数は、13〜30であることが好ましい。
トリアリールシリル基は、例えば、上記環形成炭素数6〜30のアリール基を3つ有するトリアリールシリル基が挙げられる。トリアリールシリル基の炭素数は、18〜30であることが好ましい。
本実施形態における炭素数1〜30のアルコキシ基は、−OZと表される。このZの例として、上記炭素数1〜30のアルキル基が挙げられる。アルコキシ基は、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基があげられる。
アルコキシ基がハロゲン原子で置換されたハロゲン化アルコキシ基としては、例えば、上記炭素数1〜30のアルコキシ基が1以上のハロゲン基で置換されたものが挙げられる。
本実施形態における環形成炭素数6〜30のアリールオキシ基は、−OZと表される。このZの例として、上記環形成炭素数6〜30アリール基または後述する単環基および縮合環基が挙げられる。このアリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基が挙げられる。
炭素数2〜30のアルキルアミノ基は、−NH、または−NH(Rと表される。このRの例として、上記炭素数1〜30のアルキル基が挙げられる。
環形成炭素数6〜60のアリールアミノ基は、−NH、または−NH(Rと表される。このRの例として、上記環形成炭素数6〜30のアリール基が挙げられる。
炭素数1〜30のアルキルチオ基は、−SRと表される。このRの例として、上記炭素数1〜30のアルキル基が挙げられる。
環形成炭素数6〜30のアリールチオ基は、−SRと表される。このRの例として、上記環形成炭素数6〜30のアリール基が挙げられる。
本発明において、「環形成炭素」とは飽和環、不飽和環、又は芳香環を構成する炭素原子を意味する。「環形成原子」とはヘテロ環(飽和環、不飽和環、および芳香環を含む)を構成する炭素原子およびヘテロ原子を意味する。
また、本発明において、水素原子とは、中性子数の異なる同位体、すなわち、軽水素(Protium)、重水素(Deuterium)、三重水素(Tritium)を包含する。
本発明において、「置換もしくは無置換の」という場合における置換基や、環構造A,環構造Bにおける置換基としては、上述のようなアリール基、複素環基、アルキル基(直鎖または分岐鎖のアルキル基、シクロアルキル基、ハロアルキル基)、アルキルシリル基、アリールシリル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基の他に、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、およびカルボキシ基が挙げられる。
ここで挙げた置換基の中では、アリール基、複素環基、アルキル基、ハロゲン原子、アルキルシリル基、アリールシリル基、シアノ基が好ましく、さらには、各置換基の説明において好ましいとした具体的な置換基が好ましい。
また、本発明において、芳香族炭化水素基は、環形成炭素数6〜30のアリール基であることが好ましく、複素環基は、環形成原子数5〜30の複素環基であることが好ましい。
アルケニル基としては、炭素数2〜30のアルケニル基が好ましく、直鎖、分岐鎖又は環状のいずれであってもよく、例えば、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、オレイル基、エイコサペンタエニル基、ドコサヘキサエニル基、スチリル基、2,2−ジフェニルビニル基、1,2,2−トリフェニルビニル基、2−フェニル−2−プロペニル基、シクロペンタジエニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘキサジエニル基等が挙げられる。
アルキニル基としては、炭素数2〜30のアルキニル基が好ましく、直鎖、分岐鎖又は環状のいずれであってもよく、例えば、エチニル、プロピニル、2−フェニルエチニル等が挙げられる。
アラルキル基としては、環形成炭素数6〜30のアラルキル基が好ましく、−Z−Zと表される。このZの例として、上記炭素数1〜30のアルキル基に対応するアルキレン基が挙げられる。このZの例として、上記環形成炭素数6〜30のアリール基の例が挙げられる。このアラルキル基は、炭素数7〜30アラルキル基(アリール部分は炭素数6〜30、好ましくは6〜20、より好ましくは6〜12)、アルキル部分は炭素数1〜30(好ましくは1〜20、より好ましくは1〜10、さらに好ましくは1〜6)であることが好ましい。このアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、2−フェニルプロパン−2−イル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基、1−フェニルイソプロピル基、2−フェニルイソプロピル基、フェニル−t−ブチル基、α−ナフチルメチル基、1−α−ナフチルエチル基、2−α−ナフチルエチル基、1−α−ナフチルイソプロピル基、2−α−ナフチルイソプロピル基、β−ナフチルメチル基、1−β−ナフチルエチル基、2−β−ナフチルエチル基、1−β−ナフチルイソプロピル基、2−β−ナフチルイソプロピル基が挙げられる。
ハロゲン原子として、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられ、好ましくはフッ素原子である。
「置換もしくは無置換の」という場合における「無置換」とは前記置換基で置換されておらず、水素原子が結合していることを意味する。
なお、本明細書において、「置換もしくは無置換の炭素数a〜bのXX基」という表現における「炭素数a〜b」は、XX基が無置換である場合の炭素数を表すものであり、XX基が置換されている場合の置換基の炭素数は含めない。
以下に説明する化合物またはその部分構造において、「置換もしくは無置換の」という場合についても、前記と同様である。
以下に前記一般式(1)で表される化合物の具体例を示すが、本発明は、これらの例示化合物に限定されるものではない。
・ドーパント材料
本実施形態で用いるドーパント材料は、下記一般式(2)で表される。
本実施形態のドーパント材料は、遅延蛍光発光性の化合物であることが好ましい。また、このドーパント材料からの発光が、有機EL素子の発光の最大発光成分であることが好ましい。
前記一般式(2)において、L20は、置換もしくは無置換のa+1価の芳香族炭化水素基、または置換もしくは無置換のa+1価の複素環基を表す。
前記一般式(2)において、L201は、置換もしくは無置換の2価の芳香族炭化水素基、または置換もしくは無置換の2価の複素環基を表す。
前記一般式(2)において、aは、1以上6以下の整数であり、bは、1以上6以下の整数である。aおよびbは、それぞれ独立に、1以上3以下の整数であることが好ましく、1又は2であることがより好ましい。aが2以上の場合、L20に結合するHArが2以上になり、これらのHArは、互いに同一でも異なっていてもよい。
前記一般式(2)において、gは、0以上2以下の整数であり、0または1であることが好ましい。gが1以上2以下の場合、L20およびL201は、互いに同一でも異なっていてもよい。また、gが2の場合、2つのL201は、互いに同一でも異なっていてもよい。
前記一般式(2)において、HArは、下記一般式(20)で表される構造から誘導される基である。
前記一般式(20)において、X20は、単結合、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、NR、CR1011、SiR1213、またはGeR1415を表す。R〜R15は、それぞれ独立に、前記一般式(111−1)のR311〜R317と同義である。前記一般式(20)において、X20は、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、NR、CR1011、SiR1213、またはGeR1415を表すことが好ましい。
前記一般式(20)で表される環構造は、下記一般式(20b)〜(20i)で表される環構造からなる群から選択される環構造である。
前記一般式(20),(20b)〜(20i)において、GおよびHは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環構造を表し、環構造Gおよび環構造Hのうち少なくともいずれかが複数の置換基を有する場合、隣接する置換基同士が環を形成してもよい。形成する環は、飽和環、不飽和環のどちらでもよい。この場合の置換基としては、電子ドナー性を有する置換基であることが好ましい。または、隣接する置換基同士が電子ドナー性を有する環をさらに形成することが好ましい。これらの環構造のうち、下記一般式(20c)〜(20i)で表される環構造からなる群から選択される環構造が好ましい。
前記一般式(20),(20b)〜(20i)において、前記環構造Gおよび前記環構造Hのうち少なくともいずれかが置換もしくは無置換の複素環構造であるとき、当該複素環構造は、下記一般式(20−2)で表される部分構造を有する。
前記一般式(20)で表される構造から誘導される基としては、下記一般式(20−1)で表される基であることが好ましい。
前記一般式(20−1)において、X20は、前記一般式(20)におけるX20と同義である。すなわち、前記一般式(20−1)で表される基は、下記一般式(20b−1)〜(20i−1)で表される基からなる群から選択される基である。
前記一般式(20b−1)〜(20i―1)における、環構造Gおよび環構造Hは、それぞれ独立に、前記一般式(20),(20b)〜(20i)における環構造Gおよび環構造Hと同義である。前記一般式(2)におけるHArとしては、これらの基のうち、前記一般式(20c−1)〜(20i−1)で表される基からなる群から選択される基が好ましい。
本実施形態において、前記一般式(2)におけるHArが、下記一般式(2B)で表される構造から誘導される基であることが好ましい。
前記一般式(2B)において、Xは、前記一般式(20)におけるX20と同義である。Xとしては、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、NR、CR1011、SiR1213、またはGeR1415を表すことが好ましい。
前記一般式(2B)において、R61およびR62は、それぞれ独立に、前記一般式(111−1)のR311〜R317と同義である。なお、隣接するR61同士が環を形成してもよいし、隣接するR62同士が環を形成してもよい。
前記一般式(2B)において、i、およびjは、4である。
前記一般式(2B)において、Eは、下記一般式(2h)で表される環構造を示し、Fは、下記一般式(2i)または下記一般式(2j)で表される環構造を示し、環構造Eおよび環構造Fは、隣接する環構造と任意の位置で縮合する。前記一般式(2B)において、hは、0以上4以下の整数である。なお、hは、環構造Eおよび環構造Fが縮合して形成される連結環構造の繰り返し単位である。hが2以上のとき、複数の環構造Fは、互いに同一でも異なっていてもよい。
前記一般式(2h)において、R63およびR64が隣接する位置で置換されている場合には環を形成してもよい。
前記一般式(2i)におけるYおよび前記一般式(2j)におけるYは、それぞれ独立に、CR6566、NR67、硫黄原子、酸素原子、またはL20と結合する窒素原子を表す。
前記一般式(2j)におけるXは、前記一般式(20)におけるX20と同義である。ただし、Xは単結合である場合はない。
63〜R67は、それぞれ独立に、前記一般式(111−1)のR311〜R317と同義である。
本実施形態において、前記一般式(2B)におけるhが、0または1であることが好ましい。
前記一般式(2B)において、hが0のとき、HArは、下記一般式(2b)または下記一般式(2bx)で表される基であることが好ましい。
前記一般式(2b)および一般式(2bx)において、Xは、単結合、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、NR、CR1011、SiR1213、またはGeR1415を表す。すなわち、前記一般式(2b)で表される基は、下記一般式(2b−1)〜(2b−8)で表される基からなる群から選択される基である。
前記一般式(2b)、(2bx)、(2b−1)〜(2b−8)において、cおよびdは、4である。前記一般式(2)におけるHArとしては、これらの基のうち、前記一般式(2b−2)〜(2b−8)で表される基からなる群から選択される基が好ましい。
前記一般式(2b)、(2bx)、(2b−1)〜(2b−8)において、R10〜R18は、それぞれ独立に、前記一般式(111−1)のR311〜R317と同義である。なお、隣接するR17同士が環を形成してもよいし、隣接するR18同士が環を形成してもよい。
前記一般式(2bx)において、Arは、は、前記R〜Rと同義である。Arは、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、または置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基であることが好ましく、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基がより好ましい。Arとしては、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、トリフェニレル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、カルバゾリル基等が好ましい。
前記一般式(2)において、Azは、下記一般式(2d)で表される。
前記一般式(2d)において、X21〜X26は、それぞれ独立に、CR16または窒素原子を表し、X21〜X26のうち少なくとも1つ以上は、窒素原子であり、X21〜X26のうちb個は、L20またはL201と結合する炭素原子である。前記一般式(2d)において、隣接するR16同士が環を形成してもよい。R16は、それぞれ独立に、前記一般式(111−1)のR311〜R317と同義である。
前述のとおり、bは、1以上3以下の整数であるので、X21〜X26のうち1以上3以下がL20と結合する炭素原子となる。
前記一般式(21)において、X21〜X26のうち窒素原子は、1つ以上3つ以下であることが好ましい。例えば、X26がL20と結合する炭素原子であり、さらに、X21〜X25のうち、窒素原子が1つとなる場合としては、X21またはX25が窒素原子となることが好ましい。X21〜X25のうち、窒素原子が2つとなる場合としては、X21およびX25が窒素原子となることが好ましい。X21〜X25のうち、窒素原子が3つとなる場合としては、X21、X23およびX25が窒素原子となることが好ましい。前記一般式(2d)において、X21、X23およびX25が窒素原子となるトリアジン環であることがより好ましい。
本実施形態において、前記一般式(2)におけるaおよびbが1であり、gが0であり、前記一般式(2d)におけるX26がL20と結合する炭素原子であることが好ましい。すなわち、前記一般式(2)で表される化合物が、下記一般式(21)で表される化合物であることが好ましい。
前記一般式(21)において、Xは、前記一般式(2b)におけるXと同義である。
前記一般式(21)において、L21は、置換もしくは無置換の2価の芳香族炭化水素基、または置換もしくは無置換の2価の複素環基を表す。
前記一般式(21)において、X21〜X25は、それぞれ独立に、CR16または窒素原子を表し、X21〜X25のうち少なくとも1つ以上は、窒素原子である。X21〜X25のうち、窒素原子が1つとなる場合としては、X21またはX25が窒素原子となることが好ましい。X21〜X25のうち、窒素原子が2つとなる場合としては、X21およびX25が窒素原子となることが好ましい。X21〜X25のうち、窒素原子が3つとなる場合としては、X21、X23およびX25が窒素原子となることが好ましい。
前記一般式(21)において、cおよびdは、4であり、R17およびR18は、それぞれ独立に、前記R〜Rと同義である。なお、複数のR17同士、並びに複数のR18同士は、互いに同一でも異なっていてもよい。
本実施形態において、前記一般式(2)で表される化合物が、前記一般式(21)で表される化合物であり、前記一般式(21)におけるXが、酸素原子であることが好ましい。
また、本実施形態において、前記一般式(2)におけるaが2であり、bが1であり、前記一般式(2d)におけるX26がL20と結合する炭素原子であることが好ましい。すなわち、前記一般式(2)で表される化合物が、下記一般式(22)で表される化合物であることが好ましい。
前記一般式(22)において、X27およびX28は、それぞれ独立に、前記一般式(2b)におけるXと同義であり、X27およびX28は、同一でも異なっていてもよい。
前記一般式(22)において、L22は、置換もしくは無置換の3価の芳香族炭化水素基、または置換もしくは無置換の3価の複素環基を表す。
前記一般式(22)において、X21〜X25は、それぞれ独立に、CR16または窒素原子を表し、X21〜X25のうち少なくとも1つ以上は、窒素原子である。X21〜X25のうち、窒素原子が1つとなる場合としては、X21またはX25が窒素原子となることが好ましい。X21〜X25のうち、窒素原子が2つとなる場合としては、X21およびX25が窒素原子となることが好ましい。X21〜X25のうち、窒素原子が3つとなる場合としては、X21、X23およびX25が窒素原子となることが好ましい。
前記一般式(22)において、c,d,e,fは、それぞれ、4であり、R17〜R20は、それぞれ独立に、前記一般式(111−1)のR311〜R317と同義である。なお、隣接するR17同士が環を形成してもよいし、隣接するR18同士が環を形成してもよい。
本実施形態において、前記一般式(2)で表される化合物が、前記一般式(22)で表される化合物であり、X27およびX28が、酸素原子であることが好ましい。
また、本実施形態において、前記一般式(2)におけるaが1であり、bが2であり、gが0であり、前記一般式(2d)におけるX24およびX26がL20と結合する炭素原子であり、X21、X23およびX25が窒素原子となることが好ましい。すなわち、前記一般式(2)で表される化合物が、下記一般式(23)で表される化合物であることが好ましい。
前記一般式(23)において、X27およびX28は、前記一般式(2b)におけるXと同義であり、X27およびX28は、同一でも異なっていてもよい。
前記一般式(23)において、L23およびL24は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の2価の芳香族炭化水素基、または置換もしくは無置換の2価の複素環基を表す。
前記一般式(23)において、Arは、前記一般式(111−1)のR311〜R317と同義である。Arは、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、または置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基であることが好ましく、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基がより好ましい。Arとしては、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、トリフェニレル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、カルバゾリル基等が好ましい。
前記一般式(23)において、c,d,e,fは、それぞれ、4であり、R17〜R20は、それぞれ独立に、前記一般式(111−1)のR311〜R317と同義である。なお、隣接するR17同士が環を形成してもよいし、隣接するR18同士が環を形成してもよい。
本実施形態では、前記一般式(23)で表される化合物が好ましく、X27およびX28が、酸素原子であることがより好ましい。
また、本実施形態では、前記一般式(2)で表される化合物は、HArが前記一般式(2b)で表される基であり、L20が置換もしくは無置換の2価の複素環基であり、gが1であることが好ましい。この場合、L20は、置換もしくは無置換の2価のカルバゾリル基であることがより好ましい。さらに、前記一般式(2)で表される化合物は、下記一般式(24)で表される化合物であることが好ましい。
前記一般式(24)において、X21〜X25は、前記一般式(21)におけるX21〜X25と同義である。
前記一般式(24)において、R17〜R18,R23〜R24は、それぞれ独立に、前記一般式(111−1)のR311〜R317と同義である。なお、隣接するR17同士が環を形成してもよいし、隣接するR18同士が環を形成してもよいし、隣接するR23同士が環を形成してもよいし、隣接するR24同士が環を形成してもよい。
前記一般式(24)において、L201は、前記一般式(2)におけるL201と同義である。
前記一般式(24)において、c、dおよびxは、4であり、wは、3である。
前記一般式(2B)において、hが1であって、環構造Fが前記一般式(i)である場合、下記一般式(2B−1)〜(2B−6)で表される構造となる。
前記(2B−1)〜(2B−6)において、Xは、前記一般式(2b)におけるXと同義である。
前記(2B−1)〜(2B−6)において、R61〜R64は、それぞれ独立に、前記一般式(111−1)のR311〜R317と同義である。なお、隣接するR61同士が環を形成してもよいし、隣接するR62同士が環を形成してもよい。また、隣接するR63とR64とが環を形成してもよい。
前記(2B−1)〜(2B−6)において、Yは、前記一般式(2i)におけるYと同義である。
前記(2B−1)〜(2B−6)において、i、およびjは、4である。
前記一般式(2B−1)〜(2B−6)から誘導される基としては、下記一般式(2B−7)〜(2B−18)で表される基が好ましい。
前記(2B−7)〜(2B−12)において、Xは、前記一般式(2b)におけるXと同義であり、Xが酸素原子であることが好ましい。
前記(2B−7)〜(2B−12)において、R61〜R64は、それぞれ独立に、前記一般式(111−1)のR311〜R317と同義である。なお、隣接するR61同士が環を形成してもよいし、隣接するR62同士が環を形成してもよい。また、隣接するR63とR64とが環を形成してもよい。
前記(2B−7)〜(2B−12)において、Yは、前記一般式(2i)におけるYと同義であり、NR67であることが好ましい。R67は、前記一般式(111−1)のR311〜R317と同義であり、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基であることが好ましい。
前記(2B−7)〜(2B−12)において、i、およびjは、4である。
前記(2B−13)〜(2B−18)において、Xは、前記一般式(2b)におけるXと同義であり、Xが酸素原子であることが好ましい。
前記(2B−13)〜(2B−18)において、R61〜R64は、それぞれ独立に、前記一般式(111−1)のR311〜R317と同義である。なお、隣接するR61同士が環を形成してもよいし、隣接するR62同士が環を形成してもよい。また、隣接するR63とR64とが環を形成してもよい。
前記(2B−13)〜(2B−18)において、Arは、前記一般式(111−1)のR311〜R317と同義である。Arは、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、または置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基であることが好ましく、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基がより好ましい。Arとしては、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、トリフェニレル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、カルバゾリル基等が好ましい。
前記(2B−13)〜(2B−18)において、i、およびjは、4である。
前記一般式(2B)において、hが1であって、環構造Fが前記一般式(2j)である場合、下記一般式(2B−19)〜(2B−20)で表される構造となる。
前記(2B−19)〜(2B−20)において、XおよびXは、前記一般式(2b)におけるXと同義である。ただし、Xは単結合である場合はない。
前記(2B−19)〜(2B−20)において、R61〜R64は、それぞれ独立に、前記一般式(111−1)のR311〜R317と同義である。なお、隣接するR61同士が環を形成してもよいし、隣接するR62同士が環を形成してもよい。また、隣接するR63とR64とが環を形成してもよい。
前記前記(2B−19)〜(2B−20)において、Yは、前記一般式(2i)におけるYと同義である。
前記(2B−19)〜(2B−20)において、i、およびjは、4である。
前記一般式(2B−19)〜(2B−20)から誘導される基としては、下記一般式(2B−21)〜(2B−22)で表される基が好ましい。
前記(2B−21)〜(2B−22)において、X、X、R61〜R64、Y、i、およびjは、それぞれ、前記一般式(2B−19)〜(2B−20)におけるX、X、R61〜R64、Y、i、およびjと同義である。
本実施形態において、前記L20〜L24,L201が、Azに結合する2価の連結基となる場合には、前記L20〜L24,L201は、置換もしくは無置換の2価の芳香族炭化水素基であることが好ましい。前記一般式(2)においてgが1以上である場合は、L20ではなく、L201がAzに結合する2価の連結基となる。
または、本実施形態において、前記L20〜L24,L201が、Azに結合する2価の連結基となる場合には、2価の6員環構造であることが好ましく、前記L20〜L24,L201が、下記一般式(2e)、一般式(2f)または一般式(2g)で表される2価の6員環構造のうちいずれかであることがより好ましく、下記一般式(2e)で表される2価の6員環構造であることがさらに好ましい。
前記一般式(2e)〜(2g)において、X41〜X44は、それぞれ独立に、CR52または窒素原子を表し、R52は、それぞれ独立に、前記一般式(111−1)のR311〜R317と同義である。
本実施形態において、前記一般式(2e)〜(2g)におけるX41〜X44は、それぞれ独立に、CR52であることが好ましく、R52は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シアノ基、ハロゲン原子、シリル基であることがより好ましい。
前記一般式(2)におけるgが1であるとき、L201が、前記一般式(2e)で表される2価の6員環構造であり、さらに、L20が、環形成原子数5〜30の複素環基であることが好ましい。この場合の複素環基としては、カルバゾリル基が好ましく、当該カルバゾリル基の9位の窒素原子がL201と結合していることが好ましい。さらに、当該カルバゾリル基に、前記一般式(2b)および一般式(2bx)で表される構造の少なくともいずれかが結合していることが好ましい。
また、前記一般式(21)においてL21が、前記一般式(22)においてL22が、前記一般式(23)においてL23およびL24が、前記一般式(24)においてL201が、それぞれ、前記一般式(2e)で表される2価の6員環構造であることが好ましい。
以下に前記一般式(2)で表される化合物の具体例を示すが、本発明は、これらの例示化合物に限定されるものではない。
本実施形態に係る有機EL素子の発光層には、金属錯体が含有されていないことが好ましい。金属錯体としては燐光発光性の有機金属錯体が挙げられる。すなわち、発光層に燐光発光性の材料が含有されていないことが好ましい。
前記一般式(1)で表される化合物および前記一般式(2)で表される化合物は、公知の合成方法によって合成することができる。
前記一般式(1)で表される化合物および前記一般式(2)で表される化合物を発光層に含有させることで、有機EL素子の駆動電圧を低下させ、発光効率を向上させることができる。また、このような有機EL素子は、0.01mA/cm程度の低い電流密度領域において高効率で発光し、さらには、1mA/cm〜10mA/cm程度の高い電流密度領域においても、発光効率の低下を抑制することができる。
発光層の膜厚は、好ましくは5nm以上50nm以下、より好ましくは7nm以上50nm以下、最も好ましくは10nm以上50nm以下である。5nm未満では発光層形成が困難となり、色度の調整が困難となるおそれがあり、50nmを超えると駆動電圧が上昇するおそれがある。
発光層において、ホスト材料とドーパント材料との比率は、質量比で99:1以上50:50以下であることが好ましい。
(基板)
本実施形態の有機EL素子は、透光性の基板上に作製する。この透光性基板は、有機EL素子を構成する陽極、有機化合物層、陰極等を支持する基板であり、400nm以上700nm以下の可視領域の光の透過率が50%以上で平滑な基板が好ましい。
透光性基板としては、ガラス板やポリマー板などが挙げられる。
ガラス板としては、特にソーダ石灰ガラス、バリウム・ストロンチウム含有ガラス、鉛ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス、石英などを原料として用いてなるものを挙げられる。
またポリマー板としては、ポリカーボネート、アクリル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルファイド、ポリサルフォンなどを原料として用いてなるものを挙げることができる。
(陽極および陰極)
有機EL素子の陽極は、正孔を発光層に注入する役割を担うものであり、4.5eV以上の仕事関数を有することが効果的である。
陽極材料の具体例としては、酸化インジウム錫合金(ITO)、酸化錫(NESA)、酸化インジウム亜鉛酸化物、金、銀、白金、銅などが挙げられる。
発光層からの発光を陽極側から取り出す場合、陽極の可視領域の光の透過率を10%より大きくすることが好ましい。また、陽極のシート抵抗は、数百Ω/□(Ω/sq。オーム・パー・スクウェア。)以下が好ましい。陽極の膜厚は、材料にもよるが、通常10nm以上1μm以下、好ましくは10nm以上200nm以下の範囲で選択される。
陰極としては、発光層に電子を注入する目的で、仕事関数の小さい材料が好ましい。
陰極材料は特に限定されないが、具体的にはインジウム、アルミニウム、マグネシウム、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、アルミニウム−リチウム合金、アルミニウム−スカンジウム−リチウム合金、マグネシウム−銀合金などが使用できる。
陰極も、陽極と同様に、蒸着法などの方法で、例えば、電子輸送層や電子注入層上に薄膜を形成できる。また、陰極側から、発光層からの発光を取り出す態様を採用することもできる。発光層からの発光を陰極側から取り出す場合、陰極の可視領域の光の透過率を10%より大きくすることが好ましい。陰極のシート抵抗は、数百Ω/□以下が好ましい。陰極の膜厚は、材料にもよるが、通常10nm以上1μm以下、好ましくは50nm以上200nm以下の範囲で選択される。
(電子注入・輸送層)
電子注入・輸送層は、発光層への電子の注入を助け、発光領域まで輸送する層であって、電子移動度が大きい化合物が用いられる。
電子注入・輸送層に用いられる化合物としては、例えば、分子内にヘテロ原子を1個以上含有する芳香族ヘテロ環化合物が好ましく用いられ、特に含窒素環誘導体が好ましい。また、含窒素環誘導体としては、含窒素6員環もしくは含窒素5員環骨格を有する複素環化合物や、または含窒素6員環もしくは含窒素5員環骨格を有する縮合芳香族環化合物が好ましい。また、電子注入・輸送層には、アルカリ金属等が含有されていてもよい。
本発明の有機EL素子において、発光層以外の有機化合物層には、上述の例示した化合物以外に、有機EL素子において使用される化合物の中から任意の化合物を選択して用いることができる。
(層形成方法)
本発明の有機EL素子の各層の形成方法としては、上記で特に言及した以外には制限されないが、真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマ法、イオンプレーティング法などの乾式成膜法や、スピンコーティング法、ディッピング法、フローコーティング法、インクジェット法などの湿式成膜法などの公知の方法を採用することができる。
(膜厚)
本発明の有機EL素子の各有機層の膜厚は、上記で特に言及した以外には制限されないが、一般に膜厚が薄すぎるとピンホール等の欠陥が生じやすく、逆に厚すぎると高い印加電圧が必要となり効率が悪くなるため、通常は数nmから1μmの範囲が好ましい。
[第二実施形態]
本発明の第三実施形態に係る有機EL素子の構成について説明する。第三実施形態の説明において第一実施形態と同一の構成要素は、同一符号や名称を付す等して説明を省略もしくは簡略にする。また、第三実施形態では、特に言及されない材料や化合物については、第一実施形態で説明したものと同様の材料や化合物を用いることができる。
第二実施形態の有機EL素子は、第一実施形態の有機EL素子と同様の素子構成を備え、正孔輸送材料、ホスト材料およびドーパント材料の三重項エネルギーが特定の関係を満たすものである。
・正孔輸送材料、ホスト材料およびドーパント材料の三重項エネルギーの関係
本実施形態において、前記一般式(111)で表される正孔輸送材料に用いる化合物の三重項エネルギーEgT(HT)および前記一般式(2)で表されるドーパント材料に用いる化合物の三重項エネルギーEgT(D)は、下記数式(数10)を満たすことが好ましい。
EgT(HT)>EgT(D) …(数10)
前記数式(数10)の関係を満たすことで、ドーパント材料の三重項エネルギーに移動した励起子が正孔輸送材料の三重項エネルギーに移動し難くなる。その結果、ドーパント材料が効率良く蛍光発光し、発光効率がさらに向上する。
さらに、正孔輸送材料に用いる化合物の三重項エネルギーEgT(HT)および前記一般式(1)で表されるホスト材料に用いる化合物の三重項エネルギーEgT(H)は、下記数式(数11)を満たすことが好ましい。
EgT(HT)>EgT(H) …(数11)
前記数式(数11)の関係を満たすことで、ホスト材料の三重項エネルギーに移動した励起子が正孔輸送材料の三重項エネルギーに移動し難くなる。その結果、発光効率がさらに向上する。
[第三実施形態]
本発明の第三実施形態に係る有機EL素子の構成について説明する。第三実施形態の説明において第一実施形態と同一の構成要素は、同一符号や名称を付す等して説明を省略もしくは簡略にする。また、第三実施形態では、特に言及されない材料や化合物については、第一実施形態で説明したものと同様の材料や化合物を用いることができる。
第三実施形態の有機EL素子は、第一実施形態の有機EL素子と同様の素子構成を備え、発光層に含まれるホスト材料およびドーパント材料が特定のΔST値を有することを特徴とする。すなわち、ホスト材料の一重項エネルギーEgS(H)と、77[K]におけるエネルギーギャップEg77K(H)との差ΔST(H)が下記数式(数1)を満たし、さらに、ドーパント材料の一重項エネルギーEgS(D)と、77[K]におけるエネルギーギャップEg77K(D)との差ΔST(H)が下記数式(数2)を満たすことを特徴とする。
ΔST(H)=EgS(H)−Eg77K (H)<0.4[eV] …(数1)
ΔST(D)=EgS(D)−Eg77K (D)<0.4[eV] …(数2)
また、前記ΔST(H)は、0.3[eV]未満であることが好ましく、前記ΔST(D)は、0.3[eV]未満であることが好ましい。
・ホスト材料とドーパント材料の一重項エネルギーの関係
本実施形態において、ホスト材料に用いる化合物とドーパント材料に用いる化合物は、下記数式(数3)の一重項エネルギーの大小関係を満たす。
EgS(H)>EgS(D) …(数3)
前記数式(数3)の関係を満たすことで、ホスト材料に当初生成する一重項励起子と遅延蛍光由来の一重項励起子が、ドーパント材料へエネルギー移動し易くなる。その結果、ドーパント材料が効率良く蛍光発光する。
本実施形態では、前記一般式(1)で表され、上記数式(数1)を満たす化合物をホスト材料として用い、前記一般式(2)で表され、上記数式(数2)を満たす化合物をドーパント材料として用いて発光層を構成することが好ましい。
ここで、ΔSTについて説明する。
ホスト材料およびドーパント材料として、一重項エネルギーEgSと三重項エネルギーEgTとのエネルギー差(ΔST)が小さい化合物を用いると、ΔSTが大きいホスト材料とΔSTが小さいドーパント材料との組合せよりも電圧が低下する。
一重項エネルギーEgSと三重項エネルギーEgTの差に値するΔSTを小さくするには、量子化学的には、一重項エネルギーEgSと三重項エネルギーEgTにおける交換相互作用が小さいことで実現する。ΔSTと交換相互作用の関係性における物理的な詳細に関しては、例えば、次の参考文献1や参考文献2に記載されている。
参考文献1:安達千波矢ら、有機EL討論会 第10回例会予稿集、S2−5,p11〜12
参考文献2:徳丸克己、有機光化学反応論、東京化学同人出版、(1973)
このような材料は、量子計算により分子設計を行い合成することが可能であり、具体的には、LUMO、及びHOMOの電子軌道を重ねないように局在化させた化合物である。
ΔSTの小さな化合物の例としては、分子内でドナー要素とアクセプター要素とを結合した化合物であり、さらに電気化学的な安定性(酸化還元安定性)を考慮し、ΔSTが0eV以上0.3eV未満の化合物が挙げられる。
また、より好ましい化合物は、分子の励起状態で形成される双極子(ダイポール)が互いに相互作用し、交換相互作用エネルギーが小さくなるような会合体を形成する化合物である。本発明者らの検討によれば、このような化合物は、双極子(ダイポール)の方向がおおよそ揃い、分子の相互作用により、さらにΔSTが小さくなり得る。このような場合、ΔSTは、0eV以上0.2eV以下と極めて小さくなり得る。なお、ホスト材料の三重項エネルギー準位からドーパント材料の三重項エネルギー準位へのデクスター機構によるエネルギー移動も起こり得る。
・TADF機構
前述したとおり、有機材料のΔSTが小さいと、外部から与えられる熱エネルギーによって、当該有機材料の三重項エネルギー準位から一重項エネルギー準位への逆項間交差が起こり易くなる。有機EL素子内部の電気励起された励起子の励起三重項状態が、逆項間交差によって、励起一重項状態へスピン交換がされるエネルギー状態変換機構をTADF機構と呼ぶ。
本実施形態では、ホスト材料およびドーパント材料にΔSTが小さい化合物を用いることが好ましい。外部から与えられる熱エネルギーによって、ホスト材料の三重項エネルギー準位からホスト材料の一重項エネルギー準位への逆項間交差が起こり易くなり、ドーパント材料の三重項エネルギー準位からドーパント材料の一重項エネルギー準位への逆項間交差が起こり易くなる。
図2は、発光層のホスト材料およびドーパント材料のエネルギー準位の関係を示すものである。図2において、S0は、基底状態を表し、S1は、ホスト材料の最低励起一重項状態を表し、T1は、ホスト材料の最低励起三重項状態を表し、S1は、ドーパント材料の最低励起一重項状態を表し、T1は、ドーパント材料の最低励起三重項状態を表し、破線の矢印は、各励起状態間のエネルギー移動を表し、励起三重項状態から励起一重項状態へ向かって延びる太線の矢印は、逆項間交差を表す。
本実施形態では、ホスト材料にΔST(H)の小さな化合物を用いる。ΔST(H)が小さければ、最低励起三重項状態T1に生じた三重項励起子が、熱エネルギーにより、ホスト材料の最低励起一重項状態S1に逆項間交差する現象が起こり易くなると考えられる。ホスト材料のΔST(H)が小さいため、例えば、室温程度でも逆項間交差が起こり易くなる。このような逆項間交差が起こり易くなれば、ホスト材料からドーパント材料の最低励起一重項状態T1へとフェルスター移動によりエネルギー移動する割合も増え、結果として有機EL素子の発光効率が向上する。
さらに、本実施形態では、ドーパント材料にΔST(D)の小さな材料を用いる。ΔST(D)が小さければ、最低励起三重項状態T1に生じた三重項励起子が熱エネルギーにより、最低励起一重項状態S1に逆項間交差する現象も起こり易くなると考えられる。ドーパント材料についても、ホスト材料と同様、ΔST(D)が小さいため、例えば、室温程度でも逆項間交差が起こり易くなる。この結果、ドーパント材料の最低励起一重項状態S1からの蛍光発光を観測することができる。
つまり、ホスト材料にΔST(H)が小さい化合物を用い、ドーパント材料にΔST(D)が小さい化合物を用いることで、TADF機構に由来する発光が増え、結果として遅延蛍光比率が大きくなる。遅延蛍光比率が大きくなれば、高い内部量子効率を得ることができる。このようなTADF機構による遅延蛍光を利用することによって、理論的に内部効率を100%まで高めることができると考えられている。
・EgTとEg77Kとの関係
上記した三重項エネルギーEgTは、通常定義される三重項エネルギーとは異なる点がある。この点について、以下に説明する。
一般に、三重項エネルギーは、測定対象となる化合物を溶媒に溶解させた試料を低温(77[K])で燐光スペクトル(縦軸:燐光発光強度、横軸:波長とする。)を測定し、この燐光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対して接線を引き、その接線と横軸との交点の波長値に基づいて、所定の換算式から算出される。
ここで、本実施形態のドーパント材料に用いる化合物としては、上記のとおりΔSTが小さい化合物であることが好ましい。ΔSTが小さいと、低温(77[K])状態でも、項間交差、及び逆項間交差が起こりやすく、励起一重項状態と励起三重項状態とが混在する。その結果、上記と同様にして測定されるスペクトルは、励起一重項状態および励起三重項状態の両者からの発光を含んだものとなり、いずれの状態から発光したものかについて峻別することは困難であるが、基本的には三重項エネルギーの値が支配的と考えられる。
そのため、本実施形態では、通常の三重項エネルギーEgTと測定手法は同じであるが、その厳密な意味において異なることを区別するため、測定対象となる化合物を溶媒に溶解させた試料について低温(77[K])で燐光スペクトル(縦軸:燐光発光強度、横軸:波長とする。)を測定し、この燐光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対して接線を引き、その接線と横軸との交点の波長値に基づいて、所定の換算式から算出されるエネルギー量をエネルギーギャップEg77Kとし、ΔSTを一重項エネルギーEgSとエネルギーギャップEg77Kとの差として定義する。それゆえ、ΔST(H)やΔST(D)については、上記数式(数1)や数式(数2)のように表される。
一重項エネルギーEgS、及びエネルギーギャップEg77Kの具体的な算出については、後述する。
[実施形態の変形]
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変更、改良などは、本発明に含まれるものである。
発光層は、1層に限られず、複数の発光層が積層されていてもよい。有機EL素子が複数の発光層を有する場合、少なくとも1つの発光層が前記一般式(1)で表される化合物および前記一般式(2)で表される化合物を含んでいればよく、その他の発光層が蛍光発光型の発光層であっても、燐光発光型の発光層であってもよい。
また、有機EL素子が複数の発光層を有する場合、これらの発光層が互いに隣接して設けられていてもよいし、中間層を介して複数の発光ユニットが積層された、いわゆるタンデム型の有機EL素子であってもよい。
発光層が複数層積層されている場合としては、例えば図3に示される有機EL素子1Aが挙げられる。有機EL素子1Aは、有機層10Aを有し、この有機層10Aは、正孔注入・輸送層6と電子注入・輸送層7との間に、第1発光層51及び第2発光層52を有する点で、図1に示された有機EL素子1と異なる。第1発光層51及び第2発光層52のうち少なくともいずれかが前記一般式(1)で表される化合物および前記一般式(2)で表される化合物を含んでいる。その他の点においては、有機EL素子1Aは、有機EL素子1と同様に構成される。
また、正孔輸送層は、1層に限られず、複数の正孔輸送層が積層されていてもよい。有機EL素子が複数の正孔輸送層を有する場合、少なくとも1つの正孔輸送層が前記一般式(111)で表される化合物を含んでいればよい。この場合、前記一般式(111)で表される化合物を含む正孔輸送層は、発光層に隣接して積層されていることが好ましい。
また、発光層の陽極側に電子障壁層を、発光層の陰極側に正孔障壁層を、隣接させて、それぞれ設けてもよい。これにより、電子や正孔を発光層に閉じ込めて、発光層における励起子の生成確率を高めることができる。
その他、本発明の実施における具体的な構造および形状などは、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造などとしてもよい。
以下、本発明に係る実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されない。
本実施例において有機EL素子の作製に使用した化合物は、次の通りである。
<有機EL素子の作製、及び評価>
有機EL素子を以下のように作製し、評価した。
(実施例1)
25mm×75mm×1.1mm厚のITO透明電極(陽極)付きガラス基板(ジオマティック社製)をイソプロピルアルコール中で超音波洗浄を5分間行なった後、UVオゾン洗浄を30分間行なった。ITOの膜厚は、130nmとした。
洗浄後の透明電極ライン付きガラス基板を真空蒸着装置の基板ホルダーに装着し、まず透明電極ラインが形成されている側の面上に透明電極を覆うようにして化合物HIを蒸着し、膜厚5nmの化合物HI膜を形成した。このHI膜は、正孔注入層として機能する。
このHI膜の成膜に続けて、化合物HT1を蒸着し、HI膜上に膜厚160nmのHT1膜を成膜した。このHT1膜は、第1正孔輸送層として機能する。
さらにHT1膜上に、化合物HT2を蒸着し、HT1膜上に膜厚10nmのHT2膜を成膜した。このHT2膜は、第2正孔輸送層として機能する。
このHT2膜上に、ホスト材料としての化合物H1およびTADFドーパント材料としてのD1を共蒸着し、膜厚35nmの発光層を成膜した。ドーパント材料濃度は、6質量%とした。
この発光層上に、化合物ET1を蒸着し、膜厚5nmの化合物ET1膜を成膜した。この化合物ET1膜は、第1電子輸送層として機能する。
このET1膜上に化合物ET2を蒸着し、膜厚25nmの化合物ET2膜を成膜した。この化合物ET2膜は、第2電子輸送層として機能する。
このET2膜上にLiFを蒸着して、膜厚1nmのLiF層を形成した。
このLiF膜上に金属Alを蒸着して、膜厚80nmの金属陰極を形成した。
実施例1の有機EL素子の素子構成を略式的に示すと、次のとおりである。
ITO(130) / HI(5) / HT1(160) / HT2(10) / H1:D1(35, 6%) / ET1(5) / ET2(25) / LiF(1) / Al(80)
なお、括弧内の数字は、膜厚(単位:nm)を示す。また、同じく括弧内において、パーセント表示された数字は、発光層におけるドーパント材料等のように、添加される成分の割合(質量%)を示す。
(実施例2〜12および比較例1〜12)
実施例2〜12の有機EL素子は、実施例1の有機EL素子において、発光層のホスト材料およびドーパント材料濃度を変更した以外は、実施例1と同様にして作製した。
また、比較例1〜12は、実施例1〜12においてそれぞれ、第二正孔輸送層の材料HT2をHT3に変更した以外は、実施例1〜12と同様にして作製した。
以下に実施例2〜12および比較例1〜12の詳細を説明する。また、表2および表3に実施例1〜12および比較例1〜12を一覧で表示する。
なお、以下の説明における有機EL素子の素子構成中、括弧内の数字は、膜厚(単位:nm)を示す。また、同じく括弧内において、パーセント表示された数字は、発光層におけるドーパント材料等のように、添加される成分の割合(質量%)を示す。
・実施例2
実施例2の有機EL素子は、実施例1の有機EL素子において発光層のドーパント材料濃度を12質量%に変更した以外は、実施例1と同様にして作製した。
実施例2の有機EL素子の素子構成を略式的に示すと、次のとおりである。
ITO(130) / HI(5) / HT1(160) / HT2(10) / H1:D1(35, 12%) / ET1(5) / ET2(25) / LiF(1) / Al(80)
・実施例3
実施例3の有機EL素子は、実施例1の有機EL素子において発光層のドーパント材料を化合物H2に変更した以外は、実施例1と同様にして作製した。
実施例3の有機EL素子の素子構成を略式的に示すと、次のとおりである。
ITO(130) / HI(5) / HT1(160) / HT2(10) / H2:D1(35, 6%) / ET1(5) / ET2(25) / LiF(1) / Al(80)
・実施例4
実施例4の有機EL素子は、実施例1の有機EL素子において、発光層のドーパント材料を化合物H2に変更し、さらにドーパントドーパント材料濃度を12質量%に変更した以外は、実施例1と同様にして作製した。
実施例4の有機EL素子の素子構成を略式的に示すと、次のとおりである。
ITO(130) / HI(5) / HT1(160) / HT2(10) / H2:D1(35, 12%) / ET1(5) / ET2(25) / LiF(1) / Al(80)
・実施例5
実施例5の有機EL素子は、実施例1の有機EL素子において発光層のドーパント材料を化合物H3に変更した以外は、実施例1と同様にして作製した。
実施例5の有機EL素子の素子構成を略式的に示すと、次のとおりである。
ITO(130) / HI(5) / HT1(160) / HT2(10) / H3:D1(35, 6%) / ET1(5) / ET2(25) / LiF(1) / Al(80)
・実施例6
実施例6の有機EL素子は、実施例1の有機EL素子において、発光層のドーパント材料を化合物H3に変更し、さらにドーパントドーパント材料濃度を12質量%に変更した以外は、実施例1と同様にして作製した。
実施例6の有機EL素子の素子構成を略式的に示すと、次のとおりである。
ITO(130) / HI(5) / HT1(160) / HT2(10) / H3:D1(35, 12%) / ET1(5) / ET2(25) / LiF(1) / Al(80)
・実施例7
実施例7の有機EL素子は、実施例1の有機EL素子において発光層のドーパント材料を化合物H4に変更した以外は、実施例1と同様にして作製した。
実施例7の有機EL素子の素子構成を略式的に示すと、次のとおりである。
ITO(130) / HI(5) / HT1(160) / HT2(10) / H4:D1(35, 6%) / ET1(5) / ET2(25) / LiF(1) / Al(80)
・実施例8
実施例8の有機EL素子は、実施例1の有機EL素子において、発光層のドーパント材料を化合物H4に変更し、さらにドーパントドーパント材料濃度を12質量%に変更した以外は、実施例1と同様にして作製した。
実施例8の有機EL素子の素子構成を略式的に示すと、次のとおりである。
ITO(130) / HI(5) / HT1(160) / HT2(10) / H4:D1(35, 12%) / ET1(5) / ET2(25) / LiF(1) / Al(80)
・実施例9
実施例9の有機EL素子は、実施例1の有機EL素子において発光層のドーパント材料を化合物H5に変更した以外は、実施例1と同様にして作製した。
実施例9の有機EL素子の素子構成を略式的に示すと、次のとおりである。
ITO(130) / HI(5) / HT1(160) / HT2(10) / H5:D1(35, 6%) / ET1(5) / ET2(25) / LiF(1) / Al(80)
・実施例10
実施例10の有機EL素子は、実施例1の有機EL素子において、発光層のドーパント材料を化合物H5に変更し、さらにドーパントドーパント材料濃度を12質量%に変更した以外は、実施例1と同様にして作製した。
実施例10の有機EL素子の素子構成を略式的に示すと、次のとおりである。
ITO(130) / HI(5) / HT1(160) / HT2(10) / H5:D1(35, 12%) / ET1(5) / ET2(25) / LiF(1) / Al(80)
・実施例11
実施例11の有機EL素子は、実施例1の有機EL素子において発光層のドーパント材料を化合物H6に変更した以外は、実施例1と同様にして作製した。
実施例11の有機EL素子の素子構成を略式的に示すと、次のとおりである。
ITO(130) / HI(5) / HT1(160) / HT2(10) / H6:D1(35, 6%) / ET1(5) / ET2(25) / LiF(1) / Al(80)
・実施例12
実施例12の有機EL素子は、実施例1の有機EL素子において、発光層のドーパント材料を化合物H6に変更し、さらにドーパントドーパント材料濃度を12質量%に変更した以外は、実施例1と同様にして作製した。
実施例12の有機EL素子の素子構成を略式的に示すと、次のとおりである。
ITO(130) / HI(5) / HT1(160) / HT2(10) / H6:D1(35, 12%) / ET1(5) / ET2(25) / LiF(1) / Al(80)
・比較例1
比較例1の有機EL素子は、実施例1の有機EL素子において、第二正孔輸送層の材料を化合物HT3に変更した以外は、実施例1と同様にして作製した。
比較例1の有機EL素子の素子構成を略式的に示すと、次のとおりである。
ITO(130) / HI(5) / HT1(160) / HT3(10) / H1:D1(35, 6%) / ET1(5) / ET2(25) / LiF(1) / Al(80)
・比較例2
比較例2の有機EL素子は、実施例2の有機EL素子において、第二正孔輸送層の材料を化合物HT3に変更した以外は、実施例2と同様にして作製した。
比較例1の有機EL素子の素子構成を略式的に示すと、次のとおりである。
ITO(130) / HI(5) / HT1(160) / HT3(10) / H1:D1(35, 12%) / ET1(5) / ET2(25) / LiF(1) / Al(80)
・比較例3
比較例3の有機EL素子は、実施例3の有機EL素子において、第二正孔輸送層の材料を化合物HT3に変更した以外は、実施例3と同様にして作製した。
比較例3の有機EL素子の素子構成を略式的に示すと、次のとおりである。
ITO(130) / HI(5) / HT1(160) / HT3(10) / H2:D1(35, 6%) / ET1(5) / ET2(25) / LiF(1) / Al(80)
・比較例4
比較例4の有機EL素子は、実施例4の有機EL素子において、第二正孔輸送層の材料を化合物HT3に変更した以外は、実施例4と同様にして作製した。
比較例4の有機EL素子の素子構成を略式的に示すと、次のとおりである。
ITO(130) / HI(5) / HT1(160) / HT3(10) / H2:D1(35, 12%) / ET1(5) / ET2(25) / LiF(1) / Al(80)
・比較例5
比較例5の有機EL素子は、実施例5の有機EL素子において、第二正孔輸送層の材料を化合物HT3に変更した以外は、実施例5と同様にして作製した。
比較例5の有機EL素子の素子構成を略式的に示すと、次のとおりである。
ITO(130) / HI(5) / HT1(160) / HT3(10) / H3:D1(35, 6%) / ET1(5) / ET2(25) / LiF(1) / Al(80)
・比較例6
比較例6の有機EL素子は、実施例6の有機EL素子において、第二正孔輸送層の材料を化合物HT3に変更した以外は、実施例6と同様にして作製した。
比較例6の有機EL素子の素子構成を略式的に示すと、次のとおりである。
ITO(130) / HI(5) / HT1(160) / HT3(10) / H3:D1(35, 12%) / ET1(5) / ET2(25) / LiF(1) / Al(80)
・比較例7
比較例7の有機EL素子は、実施例7の有機EL素子において、第二正孔輸送層の材料を化合物HT3に変更した以外は、実施例7と同様にして作製した。
比較例7の有機EL素子の素子構成を略式的に示すと、次のとおりである。
ITO(130) / HI(5) / HT1(160) / HT3(10) / H4:D1(35, 6%) / ET1(5) / ET2(25) / LiF(1) / Al(80)
・比較例8
比較例8の有機EL素子は、実施例8の有機EL素子において、第二正孔輸送層の材料を化合物HT3に変更した以外は、実施例8と同様にして作製した。
比較例8の有機EL素子の素子構成を略式的に示すと、次のとおりである。
ITO(130) / HI(5) / HT1(160) / HT3(10) / H4:D1(35, 12%) / ET1(5) / ET2(25) / LiF(1) / Al(80)
・比較例9
比較例9の有機EL素子は、実施例9の有機EL素子において、第二正孔輸送層の材料を化合物HT3に変更した以外は、実施例9と同様にして作製した。
比較例9の有機EL素子の素子構成を略式的に示すと、次のとおりである。
ITO(130) / HI(5) / HT1(160) / HT3(10) / H5:D1(35, 6%) / ET1(5) / ET2(25) / LiF(1) / Al(80)
・比較例10
比較例10の有機EL素子は、実施例10の有機EL素子において、第二正孔輸送層の材料を化合物HT3に変更した以外は、実施例10と同様にして作製した。
比較例10の有機EL素子の素子構成を略式的に示すと、次のとおりである。
ITO(130) / HI(5) / HT1(160) / HT3(10) / H5:D1(35, 12%) / ET1(5) / ET2(25) / LiF(1) / Al(80)
・比較例11
比較例11の有機EL素子は、実施例11の有機EL素子において、第二正孔輸送層の材料を化合物HT3に変更した以外は、実施例11と同様にして作製した。
比較例11の有機EL素子の素子構成を略式的に示すと、次のとおりである。
ITO(130) / HI(5) / HT1(160) / HT3(10) / H6:D1(35, 6%) / ET1(5) / ET2(25) / LiF(1) / Al(80)
・比較例12
比較例12の有機EL素子は、実施例12の有機EL素子において、第二正孔輸送層の材料を化合物HT3に変更した以外は、実施例12と同様にして作製した。
比較例12の有機EL素子の素子構成を略式的に示すと、次のとおりである。
ITO(130) / HI(5) / HT1(160) / HT3(10) / H6:D1(35, 12%) / ET1(5) / ET2(25) / LiF(1) / Al(80)
〔有機EL素子の評価〕
実施例1〜12および比較例1〜12において作製した有機EL素子について、以下の評価を行った。実施例1〜12の有機EL素子の評価結果を表4に示し、比較例1〜12の評価結果を表5に示す。
・駆動電圧
電流密度が0.1mA/cm、1mA/cmまたは10mA/cmとなるようにITOとAlとの間に通電したときの電圧(単位:V)を計測した。
・輝度、及びCIE1931色度
電流密度が0.1mA/cm、1mA/cmまたは10mA/cmとなるように素子に電圧を印加した時の輝度、及びCIE1931色度座標(x、y)を分光放射輝度計CS−1000(コニカミノルタ社製)で計測した。
・電流効率L/J、及び電力効率η
電流密度が0.1mA/cm、1.00mA/cmまたは10.00mA/cmとなるように素子に電圧を印加した時の分光放射輝度スペクトルを上記分光放射輝度計で計測し、得られた分光放射輝度スペクトルから、電流効率(単位:cd/A)、及び電力効率η(単位:lm/W)を算出した。
・主ピーク波長λ
得られた上記分光放射輝度スペクトルから主ピーク波長λを求めた。
・外部量子効率EQE
電流密度が0.1mA/cm、1mA/cmまたは10mA/cmとなるように素子に電圧を印加した時の分光放射輝度スペクトルを分光放射輝度計CS−1000(コニカミノルタ社製)で計測した。得られた上記分光放射輝度スペクトルから、ランバシアン放射を行なったと仮定し外部量子効率EQE(単位:%)を算出した。
表4および表5に示すように、前記一般式(111)で表される化合物を含有する第二正孔輸送層と、前記一般式(2)で表される化合物を含有する発光層とを備えた実施例1〜実施例12の有機EL素子は、前記一般式(111)で表される化合物を含有する正孔輸送層を備えていない比較例1〜12の有機EL素子に比べて、駆動電圧が低く、高い効率で発光することが分かった。特に、実施例9および10では、比較例9および10に比べて、電流効率L/J、電力効率ηおよび外部量子効率EQEが2倍以上にも向上することが分かった。
本発明は、発光効率が向上した有機EL素子を提供することができる。
1…有機EL素子
2…基板
3…陽極
4…陰極
5…発光層
6…正孔注入・輸送層
7…電子注入・輸送層
10…有機層

Claims (13)

  1. 陽極と、
    陰極と、
    前記陽極および前記陰極の間に配置された2層以上の有機層と、を有し、
    前記有機層は、正孔輸送層および発光層を有し、
    前記正孔輸送層は、下記一般式(111)で表される化合物を含み、
    前記発光層は、下記一般式(2)で表される化合物を含む
    ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。

    (前記一般式(111)において、L131は、単結合または連結基を表し、連結基としては、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の2価の芳香族炭化水素基、または置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の2価の複素環基である。
    HAr131,HAr132は、それぞれ独立に、下記一般式(111−1)で表される構造から誘導される基である。

    (前記一般式(111−1)において、Y301は、単結合、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、NR311、CR312313、SiR314315、またはGeR316317を表し、
    およびBは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環構造を表し、環構造Aおよび環構造Bのうち少なくともいずれかが複数の置換基を有する場合、隣接する置換基同士が環を形成してもよい。
    前記環構造Aおよび前記環構造Bのうち少なくともいずれかが置換もしくは無置換の複素環構造であるとき、当該複素環構造は、下記一般式(111−2)で表される部分構造を有する。
    311〜R317は、それぞれ独立に、
    水素原子、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、
    置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基、
    置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、
    置換もしくは無置換の炭素数3〜30のアルキルシリル基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜60のアリールシリル基、
    置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルコキシ基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールオキシ基、
    置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルキルアミノ基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜60のアリールアミノ基、
    置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキルチオ基、または、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールチオ基である。)

    (前記一般式(2)において、L20は、置換もしくは無置換のa+1価の芳香族炭化水素基、または置換もしくは無置換のa+1価の複素環基を表し、
    201は、置換もしくは無置換の2価の芳香族炭化水素基、または置換もしくは無置換の2価の複素環基を表し、
    aは、1以上6以下の整数であり、bは、1以上6以下の整数であり、gは、0以上2以下の整数であり、
    HArは、下記一般式(20)で表される構造から誘導される基である。)
    (前記一般式(20)において、X20は、単結合、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、NR、CR1011、SiR1213、またはGeR1415を表し、
    GおよびHは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環構造を表し、環構造Gおよび環構造Hのうち少なくともいずれかが複数の置換基を有する場合、隣接する置換基同士が環を形成してもよい。前記環構造Gおよび前記環構造Hのうち少なくともいずれかが置換もしくは無置換の複素環構造であるとき、当該複素環構造は、下記一般式(20−2)で表される部分構造を有する。
    〜R15は、それぞれ独立に、前記一般式(111−1)のR311〜R317と同義である。)
    (前記一般式(2)において、Azは、下記一般式(2d)で表される。)
    (前記一般式(2d)において、X21〜X26は、それぞれ独立に、CR16または窒素原子を表し、X21〜X26のうち少なくとも1つ以上は、窒素原子であり、X21〜X26のうちb個は、L20またはL201と結合する炭素原子である。前記一般式(2d)において、隣接するR16同士が環を形成してもよい。
    16は、それぞれ独立に、前記一般式(111−1)のR311〜R317と同義である。)
  2. 請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    前記一般式(2)におけるHArが、下記一般式(2B)で表される構造から誘導される基である
    ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
    (前記一般式(2B)において、Xは、前記一般式(20)におけるX20と同義であり、
    61およびR62は、それぞれ独立に、前記一般式(111−1)のR311〜R317と同義であり、
    i、およびjは、4であり、
    Eは、下記一般式(2h)で表される環構造を示し、Fは、下記一般式(2i)または下記一般式(2j)で表される環構造を示し、環構造Eおよび環構造Fは、隣接する環構造と任意の位置で縮合する。前記一般式(2B)において、hは、0以上4以下の整数である。なお、hは、環構造Eおよび環構造Fが縮合して形成される連結環構造の繰り返し単位である。hが2以上のとき、複数の環構造Fは、互いに同一でも異なっていてもよい。)
    (前記一般式(2h)において、R63およびR64が隣接する位置で置換されている場合には環を形成してもよい。
    前記一般式(2i)におけるYおよび前記一般式(2j)におけるYは、それぞれ独立に、CR6566、NR67、硫黄原子、酸素原子、またはL20と結合する窒素原子を表す。
    前記一般式(2j)におけるXは、前記一般式(20)におけるX20と同義である。ただし、Xは単結合である場合はない。
    63〜R67は、それぞれ独立に、前記一般式(111−1)のR311〜R317と同義であると同義である。)
  3. 請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    前記一般式(2B)におけるhが0または1である
    ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 請求項2または請求項3に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    前記一般式(2B)で表される構造が、下記一般式(2b)または下記一般式(2bx)で表される基である
    ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
    (前記一般式(2b)および一般式(2bx)において、Xは、前記一般式(2B)におけるXと同義であり、
    17、R18、およびArは、それぞれ独立に、前記一般式(111−1)のR311〜R317と同義であり、
    cおよびdは、4である。なお、隣接するR17同士が環を形成してもよいし、隣接するR18同士が環を形成してもよい。)
  5. 請求項4に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    前記一般式(2)におけるaが、1又は2であり、gが0であり、
    前記一般式(2b)または前記一般式(2bx)におけるXが、酸素原子である
    ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    前記L20およびL201のうち少なくともいずれかが、下記一般式(2e)で表される2価の6員環構造である
    ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
    (前記一般式(2e)において、X41〜X44は、それぞれ独立に、CR52または窒素原子を表し、R52は、それぞれ独立に、前記一般式(111−1)のR311〜R317と同義である。)
  7. 請求項6に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    前記一般式(2e)におけるX41〜X44は、それぞれ独立に、CR52である
    ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  8. 請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    前記一般式(111)は、下記一般式(101)で表される
    ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。

    (前記一般式(101)において、
    31およびY32は、それぞれ独立に、単結合、CR131132またはSiR133134を表す。
    131〜R134は、それぞれ独立に、前記一般式(111−1)のR311〜R317と同義である。
    31およびA32は、それぞれ独立に、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、または
    置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基である。
    31〜L33は、それぞれ独立に、単結合または連結基を表し、連結基としては、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の2価の芳香族炭化水素基、または置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の2価の複素環基である。
    35〜Z38のうちの1つと、Z41〜Z44のうちの1つは、ぞれぞれL33に結合する。それ以外のZ31〜Z38およびZ41〜Z48は、それぞれ独立に、CR135または窒素原子を表す。
    135は、それぞれ独立に、前記一般式(111−1)のR311〜R317と同義である。
    ただし、隣接するR135は、互いに結合して、環を形成する場合としない場合とがある。)
  9. 請求項8に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    前記一般式(101)は、下記一般式(101−1)で表される
    ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。

    (前記一般式(101−1)において、A31,A32,L31〜L33,Z31〜Z38,およびZ41〜Z48は、前記一般式(101)と同義である。)
  10. 請求項9に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    前記一般式(101−1)のL33は、単結合である
    ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  11. 請求項8に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    前記一般式(101)は、下記一般式(101−2)で表される
    ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。

    (前記一般式(101−2)において、A31,A32,L31〜L33,Z31〜Z38,およびZ41〜Z48は、前記一般式(101)と同義である。)
  12. 請求項8に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    前記一般式(101)は、下記一般式(101−3)または(101−4)で表される
    ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。

    (前記一般式(101−3)において、A31,A32,L31〜L32,Z31〜Z36,Z38およびZ41〜Z42,Z44〜Z48は、前記一般式(101)と同義である。
    前記一般式(101−4)において、A31,A32,L31〜L32,Z31〜Z35,Z37〜Z38およびZ41,Z43〜Z48は、前記一般式(101)と同義である。)
  13. 請求項8から請求項12までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    31またはA32の少なくともいずれかは、置換もしくは無置換のジベンゾフラニル基、置換もしくは無置換のカルバゾリル基、または、置換もしくは無置換のジベンゾチオフェニル基である
    ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
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