JP6196521B2 - 火災受信機および火災受信機の情報提供システム - Google Patents
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また、消火設備用の機器も高度化したものが使用されてきており、設置時や点検時等に説明書が必要となる場合がある。
さらに、いわゆる防災センターのような管理室等の火災受信機を設けた建物の中の収納場所に冊子やファイルにした説明書をしまっておいても、設備の管理者が使用する際に用意が手間になったり、所在が不明となったりする不具合が発生してしまう。
また、定期点検等の際に点検員が持参するとしても、他の機種の説明書を間違えて持参してしまったり、説明書を現場に置き忘れてしまったりする可能性があり、さらにどういう設備がどこにいつから設置されているかなどの設備状況情報も、印刷物として用意しなければならなかった。
(1)筐体を備える消防用設備機器において、前記筐体の内面に識別コードが付与され、前記識別コードは、アドレス情報を有し、前記アドレス情報は、前記消防用設備機器の情報を表示するサイトのアドレスであることを特徴とする消防用設備機器。
(2)前記筐体は、扉体を有し、前記扉体の内面に識別コードが付与されていることを特徴とする、(1)に記載の消防用設備機器。
(3)前記識別コードは、前記扉体の内面にレーザー印字されていることを特徴とする、(1)又は(2)に記載の消防用設備機器。
(4)前記扉体が樹脂製であることを特徴とする(1)乃至(3)のいずれかに記載の消防用設備機器。
(5)内面に識別コードが付与される扉体を有する消防用設備機器と、前記消防用設備機器の情報を記憶する情報提供装置と、前記識別コードを読込みアドレス情報を得て、インターネットを介して前記情報提供装置にアクセスし、前記消防用設備機器の情報を読込んでブラウザ表示する携帯端末と、を有することを特徴とする消防用設備機器の情報提供システム。
また、消防用設備機器の情報は、取扱説明の最初の画面であって、前記画面からリンクを選択して「取扱説明書」、「施工説明書」、「初期設定」等の具体的な説明の画面へ切り替わるものでもよいが、これらの具体的な取扱説明の画面について別々に識別コードが付与されており、その中から管理者等が必要なものを選ぶようにしてもよい。その際にはどの識別コードでどの情報を表示するのか管理者等が分かるように近傍等に文字、記号や絵で記載してもよい。このように、別々に識別コードを設けると、迅速に必要な情報を表示することができ、必要な情報が何であるか把握している熟練度の高い管理者や点検員にとって利便性が高い。なお、「初期設定」とは、ディップスイッチなどでの各種条件設定が必要な場合の初期での設定状態のことをいう。
さらに、サイトは、インターネットのウェブサイトであってもよく、専用回線等を用いる場合は専用回線に接続されたサーバーであってもよい。アドレス情報はインターネットを用いるにはURLであってもよい。「消防用設備機器の情報を表示するサイト」は、消防用設備機器の情報が保存される場所であって、そこから消防用設備機器の情報が取り出されて表示されるものである。
携帯端末は、スマートフォンや携帯電話等の電話機、iPad(登録商標)、NEXUS 7(登録商標)等のタブレット端末やノートパソコン等の汎用端末でもよく、専門に開発された専用端末でもよい。また携帯端末で使用するソフトウェアについても、識別コードが読めればよく、汎用であっても、専用に開発したものであっても、それらを組み合わせたものであっても良い。
また、例えば、火災受信機の筐体は配線や電源等が設置される箱体と扉体とから構成される。箱体の内面に設置される配線や電源等は、火災受信機が設置される個々の建物等により異なるが、小さい箱体にほぼ密に配線等が組み込まれることもある。一方、扉体の内面には取扱説明書等を読みやすく貼り付けるほどのスペースはないが、QRコード等の識別コードを付与するには十分な広さがある。このことから、識別コードは扉体の内面に設けるとより効果的である。なお、簡易な説明書を扉体の内面に貼り付けようとする場合、小さな文字で表示することになってしまうとともに、小さくしても多くの情報を記載することはできない。同時に、扉体が90度以上で約135度程度開放しなければ、扉の内側に張り付けた説明書等は読みづらい。
さらに、管理者や点検員へは扉体の内面に識別コードがある場合があることを講習会等で知らせておけば、すぐに識別コードを発見することができる。また、LCD表示機能付きの火災受信機の場合、LCD表示されるメニューに取扱説明書の項目を設けて、その項目の中で識別コードのある位置を説明するようにしてもよい。また、携帯端末にはNEXUS 7(登録商標)のように画面側だけにカメラがある機種が存在するが、そのような機種であっても扉体の内面にQRコード等の識別コードを設けることによって、扉体を半開きにして撮影することができ、箱体の内面に設けるよりも作業しやすい。
また、火災受信機等の筐体の箱体には奥行きがあるが、これに比べて扉体は薄いので取り扱いやすくレーザーの焦点距離も短くて済むため、扉体の内面にレーザー印字する方が箱体の内面にレーザー印字するより作業が行いやすい。
そして、識別コードとしてQRコードを用いた場合には、筐体外よりも汚れや劣化が少ない筐体内に、さらに汚れ等に強いQRコードを付与することで、長期間の経過後に汚れや劣化により読めなくなるような事態を避けることができる。
装置の扉を開ける場合、普通は扉を開けて真っ直ぐに中を見るため、扉の中に識別コードを表示するに際しては、一般的には手前に開かれる扉体よりも内部の装置本体等に表示した方が見つけやすい。しかしながら、消防設備機器では識別コードを使用するのは管理や設置、メンテナンスなどを行う専門の管理者等であるから、識別コードを扉体の内面に設けても容易に見つけることができる。
図1は、QRコードを火災受信機の扉体に付与して取扱説明書等を携帯端末に表示する技術を説明する図であり、この発明を適用する消防用設備機器の一例としての自動火災報知設備1および携帯端末2、インターネット32に接続された情報提供サーバー4等の周辺システムを示すシステム構成図である。
図1において、QRコード14はその横に図示されている携帯端末2で撮影される。携帯端末2は、その内部を詳細に説明しないが、図示しないカメラを備えるとともに、QRコード14から情報を認識する読込ソフトを備え、無線LAN、CDMA、LTE(Long Term Evolution)等に対応した情報通信設備31を介してインターネット32に接続されている。さらに携帯端末2は、読込ソフトと同様に後述するサイトを表示するためのソフト、いわゆるブラウザを備えている。
大規模な自動火災報知設備では火災受信機11と火災感知器16の間に中継器が設けられる。QRコード等の識別コードはこの中継器が設置される中継器盤の扉体の内面、あるいは、いわゆるリンクモジュールのような盤形状の中継器自体の扉体の内面に付与されてもよい。そのことにより、管理者や点検員は中継器が設置されている場所で説明書等の情報を入手することができる。
自動火災報知設備1の管理者や点検員が火災受信機11の情報として、火災受信機11の取扱説明書41を参照したいとき、管理者等は、所持している携帯端末2のカメラ機能で、火災受信機11の扉体12内面側に付与されたQRコード14を撮影する。
そうすると、携帯端末2が備えている読込ソフトによって、QRコード14の形状に基づくテキスト情報を認識する。
このテキスト情報には情報提供サーバー4の取扱説明書41のデータにアクセスするためのフロントページのURL情報が含まれており、携帯端末2から情報通信設備31およびインターネット32を経由して情報提供サーバー4のフロントページ(図示せず)の情報を自動的に得て画面21にブラウザで表示する。フロントページには取扱説明書41、施工説明書42、初期設定43へのリンクがあり、携帯端末2で取扱説明書41のリンクを選択することによって、インターネット32および情報通信設備31を介して携帯端末2に取扱説明書41のデータが送られ、画面21にブラウザで表示されてその内容を見ることができる。
なお、ここではQRコードによりフロントページにアクセスしたが、扉体12の内側にQRコードを複数付与しておき、その中から取扱説明書41のQRコードを撮影し、フロントページを介さずに取扱説明書41の内容を見るようにすることもできる。このようにQRコードを複数付与する場合には、どのQRコードがどの説明書等に対応するのかをコードの近傍に記載しておくとわかりやすい。また、フロントページと各種説明書のQRコードの両方を扉体12の内側に付与してもよく、取扱説明書41しか見る必要がない火災受信機11であれば、取扱説明書用のQRコード14を読み取ることにより直接取扱説明書41の内容にアクセスして、携帯端末2の画面21に表示するようにしてもよい。
なお、火災受信機11の形状によっては、扉体12の前面に配置される各種スイッチによる操作部のうち、一部の点検用等のスイッチを覆い隠す点検用カバーが扉状に開閉可能に設置される場合があり、このカバーで隠れている部分も筐体の内面ということができる。また、火災受信機11の前面には、上記のような操作部と同時にLCDを用いた表示部を備える場合もあり、このLCDの内部としてメニューから情報取得の項目を選択していくときに、隠していたQRコードを表示させるようにしてもよく、この表示形態は内面への表示と同様に消えてしまう等の懸念がない。
配線やコネクタ、電源等が設置されるため、箱体13の内側は扉体12の内側よりも深く形成されている。箱体13の内面側部や奥の面の開いている部分にQRコード14を付与することも可能であり、そのことにより外面に付与するよりも汚れたり消えたりすることは少なくなるが、箱体13内面にQRコード14を付与すると比較的に奥まった部分に配置されることとなり、携帯端末2のカメラで撮影しづらい。さらに、扉体12を開放する際であっても、火災受信機11の電源を落とすと設備が機能せず未監視状態となってしまうため、電源を投入したままの場合が多く、箱体13内面にQRコード14を付与するとその表面が汚れている場合には布などでふき取る必要があるが、箱体13内には重要な配線等が設置されているため、清掃用の布などを中に入れることは好ましくない。また、箱体13内部の側面に配置するとしても、配線等の陰になりやすい。
箱体13内に設置されている部品等の上にQRコードを付与することも考えられるが、部品が共用されるため特定の機器専用の部品はほとんどないため、あらかじめ特定の機器専用の部品の表面にQRコードを付与してから組み立てることはできない。さらに、消防設備用の機器においてコネクタ等は電気的な動作を直接支える重要な機器であって、異常時に必ず動作しなければならない高い信頼度を要求されるため、シールを張り付けたりレーザーで印字したりすることは好ましくない。
インターネットに接続できる携帯端末2としては、スマートフォンや携帯電話等の電話機、iPad(登録商標)、NEXUS 7(登録商標)等のタブレット端末やノートパソコン等の汎用端末でもよく、専門に開発された専用端末でもよい。また携帯端末2で用いる読込ソフト等のソフトウェアについても、汎用であっても、専用に開発したものであっても、それらを組み合わせたものであっても良い。また、携帯端末2は必ずしも統一した機種にする必要はない。携帯端末にはNEXUS 7(登録商標)のような画面側だけにカメラがある機種が存在するが、そのような機種で箱体13の内面を撮影しようとすると画面が撮影者の逆側となりきわめて撮影しづらい。しかしながら、扉体12の内面にQRコード14を設けることによって、扉体12を半開きにして撮影することができ、箱体13の内面に設けるよりも撮影しやすい。なお、図2のような大型の火災受信機11の場合、扉体12も大きく、内面のスペースや扉体12と箱体13との空間も大きいが、QRコード14を扉体12の軸側でなく先端側にすることで、半開き以下に開放度合いを押さえても撮影することができる。
さらに、図2のように電話機17の近傍に設けると、管理者等にとってより見つけやすい。具体的には電話機17から30cm以内がより好ましい。
11 火災受信機
12 扉体
13 箱体
14 QRコード
15 信号線
16 火災感知器
17 電話機
2 携帯端末
21 画面
31 情報通信設備
32 インターネット
4 情報提供サーバー
41 取扱説明書
42 施工説明書
43 初期設定
Claims (3)
- 筐体、操作部及び表示部を備える火災受信機において、
前記筐体は扉体を有し、識別コードは、前記扉体の内面に付与されるとともに、前記操作部の操作により前記表示部に表示可能であり、
前記識別コードは、アドレス情報を有し、
前記アドレス情報は、前記火災受信機の説明書を表示するサイトのアドレスであることを特徴とする火災受信機。 - 前記扉体の内面に付与された前記識別コードは、前記扉体の軸側でなく先端側に設けたことを特徴とする請求項1の火災受信機。
- 扉体を有した筐体、操作部及び表示部を備え、前記扉体の内面に識別コードが付与されるとともに、前記操作部の操作により前記表示部に前記識別コードが表示可能である火災受信機と、
前記火災受信機の説明書を記憶する情報提供装置と、
前記識別コードを読込みアドレス情報を得て、インターネットを介して前記情報提供装置にアクセスし、前記火災受信機の説明書を読込んでブラウザ表示する携帯端末と、
を有することを特徴とする火災受信機の情報提供システム。
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