JP6193808B2 - アルミニウム合金押出材及びその製造方法 - Google Patents

アルミニウム合金押出材及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6193808B2
JP6193808B2 JP2014106428A JP2014106428A JP6193808B2 JP 6193808 B2 JP6193808 B2 JP 6193808B2 JP 2014106428 A JP2014106428 A JP 2014106428A JP 2014106428 A JP2014106428 A JP 2014106428A JP 6193808 B2 JP6193808 B2 JP 6193808B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass
extruded material
aluminum alloy
mgzn
less
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2014106428A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015221924A (ja
Inventor
隆広 志鎌
隆広 志鎌
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP2014106428A priority Critical patent/JP6193808B2/ja
Publication of JP2015221924A publication Critical patent/JP2015221924A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6193808B2 publication Critical patent/JP6193808B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Extrusion Of Metal (AREA)

Description

本発明は、アルミニウム合金押出材及びその製造方法に関し、特に、自動車のバンパービームやドアビーム等のエネルギー吸収部材として適する7000系(Al−Zn−Mg−Cu系)アルミニウム合金押出材及びその製造方法に関する。
特許文献1〜4には、7000系アルミニウム合金押出材をプレス焼き入れした後、時効処理又は過時効処理を施して、バンパービームやドアビーム等のエネルギー吸収部材を製造することが記載されている。なお、押出材のプレス焼き入れ(又はダイクエンチ)とは、熱間押出直後の押出材が高温を保っているうちに、オンラインで急冷し焼入れ処理することをいう。
特開2001−140029号公報 特開2006−233336号公報 特開2011−1563号公報 特開2008−274441号公報
特許文献1には、空冷によるプレス焼き入れを行った押出材に対し、過時効処理を施した場合、一般的な時効処理材に比べ、押出材の耐圧壊割れ性が改善し、特許文献2には、曲げ変形時の破断変位が改善することが示されている。また、特許文献1,2には、耐圧壊割れ性又は破断変位が改善することで、横圧壊時又は曲げ変形時の有効ストローク内で急激な荷重の低下がなく、平均荷重が増加し、押出材のエネルギー吸収量が増加することが記載されている。しかし、過時効処理を行うと耐圧壊割れ性又は破断変位が改善する一方で、材料強度が低下するため、過時効処理によって増加するエネルギー吸収量には限界がある。
特許文献3には、プレス焼き入れの冷却速度を30℃/分以上とすることにより、押出材の耐圧壊割れ性を改善し、軸圧壊時のくの字状の座屈を防止することが記載されている。特許文献4には、プレス焼き入れの冷却速度を通常のファン空冷より大きい約300℃/分(特許文献4の実施例参照)として、引張試験を実施したときの破断面の肉厚減少率を20%以上とし、押出材の耐圧壊割れ性を改善することが記載されている。また、特許文献4には、耐圧壊割れ性が改善することで、横圧壊時のエネルギー吸収量が増加することが記載されている。一方、プレス焼き入れで製造した7000系アルミニウム合金押出材において、さらなるエネルギー吸収特性の向上(耐圧壊割れ性の改善及びエネルギー吸収量の増加)が望まれている。
本発明は、7000系アルミニウム合金押出材をプレス焼き入れ後、時効処理(過時効処理を含む)を施してエネルギー吸収部材を製造する場合に、圧壊時のエネルギー吸収特性をより向上させることを目的とする。
本発明者の知見によれば、空冷によるプレス焼き入れを行った押出材には、プレス焼き入れ時の冷却過程で結晶粒界に粗大なMgZn析出物が生成する。このMgZn析出物は、その後の時効処理により成長し(図1の右側写真、白く見える部分が析出物)、これが圧壊時の破壊の起点となる。プレス焼き入れの冷却速度が300℃/分程度では、結晶粒界に粗大析出物が生成するのを防止できず、耐圧壊割れ性の改善及びエネルギー吸収量の増加には限界がある。本発明は、以上の知見に基づいてなされたものである。
本発明に係るアルミニウム合金押出材は、Zn:5.5〜9.0質量%、Mg:1.0〜2.0質量%、Cu:0.1〜1.0質量%、Fe:0.01〜0.40質量%、Si:0.01〜0.20質量%、Ti:0.005〜0.2質量%を含有し、さらにZr:0.01〜0.25質量%、Cr:0.01〜0.25質量%、Mn:0.01〜0.25質量%、V:0.01〜0.25質量%、Sc:0.01〜0.25質量%のうち1種以上を合計で0.1〜0.5質量%含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなる組成を有し、押出方向に垂直な断面における肉厚が6mm以下、結晶粒界に存在するMgZn析出物の長辺の平均長さが5μm以下、かつ結晶粒界の長さ100μmあたりに存在する長辺の長さが5μmより大きいMgZn析出物の個数が3個以下であることを特徴とする。
本発明に係るアルミニウム合金押出材の製造方法は、前記組成を有するアルミニウム合金鋳塊に均質化処理を行い、400〜560℃の温度に加熱して押出加工を行い、押出方向に垂直な断面における肉厚が6mm以下の押出材とし、前記押出材の温度が400℃以上である間に200℃/秒以上の冷却速度で押出水冷を行い、人工時効処理を行うことを特徴とする。なお、押出水冷とは、プレス焼き入れの冷却を水冷で行うことを意味する。
上記製造方法において、人工時効処理は過時効処理を含む。
本発明によれば、プレス焼き入れ及び時効処理(過時効処理を含む)を行った7000系アルミニウム合金押出材のエネルギー吸収特性を、従来材に比べて向上させることができる。本発明に係るアルミニウム合金押出材は、横圧壊に対する耐圧壊割れ性のほか、縦圧壊(軸圧壊)に対する耐圧壊割れ性にも優れ、自動車のバンパービーム、ドアビーム、バンパーステイ、車体フレーム等のエネルギー吸収部材として適する。
なお、本発明は、耐圧壊割れ性が低下する要因が、プレス焼き入れ時の冷却過程で結晶粒界に生成した粗大なMgZn析出物であるとの知見を基になされたものである。その知見を基に、過時効処理材だけでなく通常の時効処理材でも、エネルギー吸収特性を向上させることができる。
本発明に係る7000系アルミニウム合金押出材(実施例のNo.1)の走査型顕微鏡組織写真(左)、及び冷却速度が小さい7000系アルミニウム合金押出材(実施例のNo.11)の走査型顕微鏡組織写真(右)である。 圧壊試験の方法を説明する圧壊前(左)及び圧壊後の図(右)である。
以下、本発明に係る7000系アルミニウム合金押出材及びその製造方法について、具体的に説明する。
(アルミニウム合金の組成)
本発明に係る7000系アルミニウム合金は、Zn:5.5〜9.0質量%、Mg:1.0〜2.0質量%、Cu:0.1〜1.0質量%、Fe:0.01〜0.40質量%、Si:0.01〜0.20質量%、Ti:0.005〜0.2質量%を含有し、さらにZr:0.01〜0.25質量%、Cr:0.01〜0.25質量%、Mn:0.01〜0.25質量%、V:0.01〜0.25質量%、Sc:0.01〜0.25質量%のうち1種以上を合計で0.1〜0.5質量%含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなる。この組成自体は7000系アルミニウム合金として公知のものである。以下、この組成について説明する。
Zn:5.5〜9.0質量%
Mg:1.0〜2.0質量%
ZnとMgは金属間化合物であるMgZnを形成して、7000系アルミニウム合金の強度を向上させる元素である。Zn含有量が5.5質量%未満又はMg含有量が1.0質量%未満では、エネルギー吸収部材として必要な350MPa以上の耐力が得られない。一方、Zn含有量が9.0質量%を超え又はMg含有量が2.0質量%を超えると、プレス焼き入れ後に所定の熱処理を行っても耐圧壊割れ性を改善できず、エネルギー吸収量の増加が見込めない。耐圧壊割れ性を改善するとの観点から、Zn含有量、Mg含有量の上限は、それぞれ8.0質量%、1.7質量%が好ましい。
Cu:0.1〜1.0質量%
Cuは7000系アルミニウム合金の強度を向上させる元素である。Cu含有量が0.1質量%未満では十分な強度向上効果がなく、一方、1.0質量%を越えると押出加工性の低下を招く。押出加工性及び耐食性向上の観点から、Cu含有量の上限は好ましくは0.6質量%、より好ましくは0.5質量%である。
Ti:0.005〜0.2質量%
Tiは7000系アルミニウム合金の鋳造時に結晶粒を微細化して、押出材の成形性(例えば曲げ加工性)及び耐圧壊割れ性を向上させる作用があり、0.005質量%以上添加する。一方、0.2質量%を越えるとその作用が飽和し、かつ粗大な金属間化合物が晶出して、かえって成形性を低下させる。
Mn,Cr,Zr,V,Scの1種以上:0.1〜0.5質量%
Mn,Cr,Zr,V,Scは7000系アルミニウム合金押出材の再結晶を抑制して、結晶組織を繊維状組織とし、耐応力腐食割れ性を向上させる作用があり、1種以上を0.1〜0.5質量%の範囲で添加する。これらの元素の含有量(2種以上含有する場合は合計含有量)が0.1質量%未満では前記効果が十分ではなく、一方、0.5質量%を超えると押出性が低下し、さらに焼き入れ感受性を高め強度低下を招く。Mn,Cr,Zr,V,Scの個々の含有量は、Zr:0.01〜0.25質量%、Cr:0.01〜0.25質量%、Mn:0.01〜0.25質量%、V:0.01〜0.25質量%、Sc:0.01〜0.25質量%の範囲内とする。Mn,Cr,Zr,V,Scの個々の含有量がそれぞれ0.01質量%未満では前記効果がなく、0.25質量%を超えると、押出性が低下し、焼き入れ感受性を高め強度低下を招く。
不可避不純物
Fe、Siは、7000系アルミニウム合金の主要な不可避不純物であり、7000系アルミニウム合金の諸特性を低下させないため、それぞれ0.40質量%、0.20質量%以下に規制される。一方、7000系アルミニウム合金中のFe、Siをそれぞれ0.01質量%未満に低減することはコスト面の負担が大きい。従って、Fe含有量は0.01〜0.40質量%、Si含有量は0.01〜0.20質量%とする。
Fe、Si以外の不可避不純物は、単体で0.05質量%以下、総量で0.15質量%以下とする。
(押出材の断面形状)
本発明に係る7000系アルミニウム合金押出材は、自動車等のエネルギー吸収部材として適し、その場合の断面形状はホロー断面(中空の閉じた断面)又はセミホロー断面(中空の閉じた断面に近いが一部開いた断面)が好ましい。ホロー断面には、多角形(例えば四角形)断面や、多角形の輪郭の内部に1又は複数本の中リブを有する断面が含まれる。
本発明に係る7000系アルミニウム合金押出材は、押出方向に垂直な断面における肉厚が6mm以下(最大肉厚が6mm以下)とされる。その理由については後述する。
(MgZn析出物)
本発明に係る7000系アルミニウム合金押出材において、結晶粒界に存在するMgZn析出物は、長辺の平均長さが5μm以下に制限される。また、結晶粒界に存在するMgZn析出物のうち長辺の長さが5μmより大きいMgZn析出物は、結晶粒界の長さ100μmあたり3個以下に制限される。このMgZn析出物の析出形態は、押出材の断面の輪郭部分において充足されていればよく、中リブでは充足されていなくてもよい。
結晶粒界に形成される粗大なMgZn析出物は、押出材の耐圧壊割れ性及びエネルギー吸収量を低下させるが、上記範囲内であれば特に問題は生じない。長辺の長さが5μmより大きいMgZn析出物は、結晶粒界に存在しないことが好ましい。なお、結晶粒界に存在するMgZn析出物の長辺の長さとは、結晶粒界に沿って存在するMgZn析出物の両端を結ぶ線分の長さを意味する。また、前記平均長さは、結晶粒界に存在するMgZn析出物のうち長辺の長さが0.5μm以上のMgZn析出物の当該長辺の長さの平均値である。
(アルミニウム合金押出材の製造方法)
上記組成を有する7000系アルミニウム合金鋳塊に均質化処理を行い、400〜560℃の温度に加熱して押出加工を行い、押出材の温度が400℃以上である間に200℃/秒以上の冷却速度で押出水冷を行い、続いて人工時効処理を行う。押出材の肉厚は6mm以下とする。
鋳塊の加熱温度(押出温度)が400℃未満では、変形抵抗が大きく押出加工が困難となり、560℃を超えると加工発熱が加わって押出材に局所的な融解を生じる。従って、押出温度は400〜560℃の範囲とする。均質化処理後の冷却過程で析出したMgZn析出物を十分固溶させるため、及びMgZnの再析出が始まる前に押出水冷を開始できるようにするため、押出ダイス出側における材料到達温度(ダイス出側温度)を500℃以上とすることが好ましい。押出水冷の開始温度を400℃以上とし、その冷却速度を200℃/秒以上とするのは、押出水冷を開始するまで及び押出水冷開始後の冷却過程で、結晶粒界に粗大なMgZn析出物が生成するのを防止するためである。押出水冷の開始温度は500℃以上であることがより好ましい。押出水冷の冷却速度は大きいほど好ましく、例えば400℃/秒以上が好ましい。実操業的に安定して達成し得る冷却速度の上限値は1000℃/秒程度である。なお、この高い冷却速度は押出材の温度が150℃に達するまで維持されればよく、それ以降の冷却速度は200℃/秒に達していなくてもよい。押出水冷の手段として、シャワー冷却、流水等による冷却が利用できる。
押出材の肉厚を6mm以下としたのは、押出材の押出水冷において前記の大きい冷却速度(200℃/秒以上)を達成し、冷却過程で結晶粒界に粗大なMgZn析出物が生成するのを防止するためである。押出材の断面に肉厚が6mmを超える部分があると、当該部分において前記冷却速度を達成することが困難となる。押出材の肉厚は薄いほど前記の大きい冷却速度を達成しやすく、その観点から押出材の肉厚は例えば4mm以下が好ましい。
人工時効処理の条件は、特に限定的ではなく、一般的な時効処理条件で行うことができる。又は、一般的な時効処理より高温・長時間の条件で時効処理(過時効処理)を行うことができる。具体的な時効処理条件は、例えば85〜95℃×2〜4時間+130〜140℃×5〜10時間の範囲で適宜選択すればよい。具体的な過時効処理条件は、例えば85〜95℃×2〜4時間+150〜180℃×4〜14時間の範囲で適宜選択すればよい。
表1に記載されたNo.1〜13の組成を有する7000系アルミニウム合金ビレットに、470℃×6時間の均質化処理を行い、押出温度(ビレット温度)480℃、押出速度6m/分の条件で押し出し、押出直後の押出材をプレス焼き入れした。押出材は押出方向に垂直な断面の輪郭が60mm×120mmの略四角形で、内部中央に1つの中リブを有し、四角形の輪郭部分及び中リブの肉厚は3.0mmで均一厚さである。プレス焼き入れは、No.1〜10の押出材は水冷(押出水冷)、No.11,12の押出材は空冷、No.13の押出材はミスト冷却により行い、いずれも室温付近まで連続して急冷した。押出材の冷却開始温度と冷却速度は下記要領で測定した。その結果を表2に示す。
(冷却開始温度と冷却速度の測定)
押出ダイスから押し出されてくる押出材の上に冷却ゾーンの手前で小型温度計(時々刻々の温度データを記録できる)を乗せ、そのまま小型温度計を冷却ゾーンに突入させ、押出材の温度(表面の温度)を記録する。記録した温度データから、押出材の冷却開始温度(T℃)を特定するとともに、押出材が当該冷却開始温度T℃から150℃に達するまでの時間(t秒)を求め、冷却速度を(T−150)/t(℃/秒)として算出した。算出された冷却速度は押出材の表面の温度であるが、押出材の肉厚が薄い(6mm以下)ことから、押出材の肉厚内部の冷却速度も同程度と推測される。
この押出材に対し、表2に示す条件で人工時効処理を行った。No.1〜4,10,11の時効処理は一般的な時効処理であり、No.5〜9,12,13の時効処理は過時効処理に相当する。
時効処理後の押出材を用い、下記要領で、MgZn析出物の析出形態の観察、引張試験、及び圧壊試験を行った。その結果を表2に示す。
(MgZn析出物の析出形態の観察)
押出材の側壁から供試材を切り出し、押出方向に垂直な面の肉厚中央部をSEM(走査型電子顕微鏡)で観察し、結晶粒界に存在するMgZn析出物の析出形態を観察した。結晶粒界に存在するMgZn析出物のうち長辺の長さ(結晶粒界に存在するMgZn析出物の両端を結ぶ線分の長さ)が0.5μm以上のMgZn析出物をピックアップし、当該MgZn析出物の長辺の長さの平均値を求めた。また、結晶粒界の長さ100μmあたりに存在するMgZn析出物のうち長辺の長さが5μmより大きいMgZn析出物の個数を求めた。
(引張試験)
押出材の側壁部分から押出方向に平行にJIS13号B試験片を採取し、JISZ2241の規定に準じて引張試験を行い、耐力を求めた。
(圧壊試験)
押出材を押出方向に対し垂直に長さ150mmに切断して供試材とした。30ton万能試験機を用い、供試材1を定盤2の上に置き(図2の左側の図参照)、供試材1の上面より剛体3を押し付け、変位量20mmまで潰す横圧壊試験を行った(図2の右側の図参照)。得られた荷重−変位曲線から、最大荷重及びエネルギー吸収量を求めた。また、試験後の供試材の屈曲した側壁4を観察し、圧壊割れのレベルを、1:割れ無し、2:表面割れ(肉厚貫通なしの割れ)あり、3:一部に肉厚を貫通する割れあり、4:肉厚を貫通する割れによる側壁の分断あり、の4段階で評価した。なお、圧壊試験において屈曲した側壁4が割れて破断すると、荷重が急激に低下し、平均荷重が小さくなり、エネルギー吸収量が小さくなる。一方、屈曲した側壁4が破断せずに曲げ変形した場合、エネルギー吸収量が大きい。
表2に示すように、本発明に規定する条件で押出水冷を行ったNo.1〜9は、結晶粒界に存在するMgZn析出物の析出形態が本発明の規定範囲内であり、エネルギー吸収量が大きく、圧壊試験後の供試材の側壁に分断割れが生じていなかった。冷却速度が大きいほど、耐圧壊割れ性が良好でエネルギー吸収量が大きい傾向にある。
一方、押出水冷の開始温度が低いNo.10、冷却を空冷で行ったNo.11,12、及び押出水冷の冷却速度が200℃/秒に満たないNo.13は、いずれも粗大なMgZn析出物が結晶粒界に存在し、耐圧壊割れ性が劣り、エネルギー吸収量が小さかった。特に過時効処理を行っていないNo.10,11は、圧壊試験後の供試材の側壁に分断割れが生じていた。なお、No.11,12は特許文献1,4に記載された従来材に相当する。
1 供試材
2 定盤
3 剛体
4 側壁

Claims (3)

  1. Zn:5.5〜9.0質量%、Mg:1.0〜2.0質量%、Cu:0.1〜1.0質量%、Fe:0.01〜0.40質量%、Si:0.01〜0.20質量%、Ti:0.005〜0.2質量%を含有し、さらにZr:0.01〜0.25質量%,Cr:0.01〜0.25質量%、Mn:0.01〜0.25質量%、V:0.01〜0.25質量%、Sc:0.01〜0.25質量%のうち1種以上を合計で0.1〜0.5質量%含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなる組成を有し、押出方向に垂直な断面における肉厚が6mm以下、結晶粒界に存在するMgZn析出物の長辺の平均長さが5μm以下、かつ結晶粒界の長さ100μmあたりに存在する長辺の長さが5μmより大きいMgZn析出物の個数が3個以下であることを特徴とするアルミニウム合金押出材。
  2. Zn:5.5〜9.0質量%、Mg:1.0〜2.0質量%、Cu:0.1〜1.0質量%、Fe:0.01〜0.40質量%、Si:0.01〜0.20質量%、Ti:0.005〜0.2質量%を含有し、さらにZr:0.01〜0.25質量%、Cr:0.01〜0.25質量%、Mn:0.01〜0.25質量%、V:0.01〜0.25質量%、Sc:0.01〜0.25質量%のうち1種以上を合計で0.1〜0.5質量%含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなる組成の鋳塊に均質化処理を行い、400〜560℃の温度に加熱して押出加工を行い、押出方向に垂直な断面における肉厚が6mm以下の押出材とし、前記押出材の温度が400℃以上である間に200℃/秒以上の冷却速度で押出水冷を行い、人工時効処理を行うアルミニウム合金押出材の製造方法。
  3. 前記人工時効処理が過時効処理であることを特徴とする請求項2に記載されたアルミニウム合金押出材の製造方法。
JP2014106428A 2014-05-22 2014-05-22 アルミニウム合金押出材及びその製造方法 Expired - Fee Related JP6193808B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014106428A JP6193808B2 (ja) 2014-05-22 2014-05-22 アルミニウム合金押出材及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014106428A JP6193808B2 (ja) 2014-05-22 2014-05-22 アルミニウム合金押出材及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015221924A JP2015221924A (ja) 2015-12-10
JP6193808B2 true JP6193808B2 (ja) 2017-09-06

Family

ID=54785100

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014106428A Expired - Fee Related JP6193808B2 (ja) 2014-05-22 2014-05-22 アルミニウム合金押出材及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6193808B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6955483B2 (ja) 2016-03-30 2021-10-27 アイシン軽金属株式会社 耐食性に優れ、良好な焼入れ性を有する高強度アルミニウム合金押出材及びその製造方法
JP2018080355A (ja) * 2016-11-14 2018-05-24 株式会社神戸製鋼所 アルミニウム合金押出材
EP3701052A1 (en) * 2017-10-23 2020-09-02 Novelis, Inc. Reactive quenching solutions and methods of use
JP7018332B2 (ja) * 2018-02-24 2022-02-10 アイシン軽金属株式会社 アルミニウム合金を用いた曲げ成形品の製造方法
CN108866404B (zh) * 2018-06-21 2020-04-03 东北轻合金有限责任公司 一种大规格高强高韧7000系铝合金圆铸锭的制备方法
CN108456812B (zh) * 2018-06-29 2020-02-18 中南大学 一种低Sc高强高韧高淬透性铝锌镁系合金及制备方法
JP7119153B1 (ja) 2021-03-15 2022-08-16 株式会社神戸製鋼所 高強度アルミニウム合金押出材およびその製造方法
JP7140892B1 (ja) 2021-06-28 2022-09-21 株式会社神戸製鋼所 アルミニウム合金押出材およびその製造方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07268533A (ja) * 1994-03-29 1995-10-17 Aisin Keikinzoku Kk 自動車衝撃吸収部材用アルミニウム合金
JP4977281B2 (ja) * 2005-09-27 2012-07-18 アイシン軽金属株式会社 衝撃吸収性及び耐応力腐食割れ性に優れた高強度アルミニウム合金押出材及びその製造方法
JP5023232B1 (ja) * 2011-06-23 2012-09-12 住友軽金属工業株式会社 高強度アルミニウム合金材およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015221924A (ja) 2015-12-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6193808B2 (ja) アルミニウム合金押出材及びその製造方法
US10487383B2 (en) Method for producing 7000-series aluminum alloy member excellent in stress corrosion cracking resistance
JP6955483B2 (ja) 耐食性に優れ、良好な焼入れ性を有する高強度アルミニウム合金押出材及びその製造方法
RU2404276C2 (ru) ПРОДУКТ ИЗ ВЫСОКОПРОЧНОГО, ВЫСОКОВЯЗКОГО Al-Zn СПЛАВА И СПОСОБ ИЗГОТОВЛЕНИЯ ТАКОГО ПРОДУКТА
US10087508B2 (en) Aluminum alloy and method of manufacturing extrusion using same
RU2716722C2 (ru) Алюминиево-литиевые сплавы с высокой прочностью, высокой деформируемостью и низкой стоимостью
KR20180095556A (ko) 개선된 기계적 물성을 갖는 열처리 가능한 알루미늄 합금의 생산 방법
JP2008516079A5 (ja)
JP2011058047A (ja) 強度および延性に優れたアルミニウム合金厚板の製造方法
EP3464659A1 (en) 6xxx-series aluminium alloy forging stock material and method of manufacting thereof
EP3521467B1 (en) A low cost, low density, substantially ag-free and zn-free aluminum-lithium plate alloy for aerospace application
JP6677584B2 (ja) エネルギー吸収部材の製造方法
CA2950075C (en) Method for manufacturing aluminum alloy member and aluminum alloy member manufactured by the same
JP2009167464A (ja) 靱性に優れたアルミニウム合金材の製造方法
JP7479854B2 (ja) アルミニウム合金押出材の製造方法
JP6235513B2 (ja) マグネシウム−リチウム合金部品の製造方法及びマグネシウム−リチウム合金の製造方法
US10202671B2 (en) High proof stress Al—Zn aluminum alloy extrusion material superior in bendability
JP6612029B2 (ja) 耐衝撃性に優れる高強度アルミニウム合金押出材及びその製造方法
JP6096488B2 (ja) 7000系アルミニウム合金の押出成形用ビレット及び押出形材の製造方法
JP6581347B2 (ja) アルミニウム合金板の製造方法
WO2022181306A1 (ja) 高強度で耐scc性及び焼入れ性に優れるアルミニウム合金押出材の製造方法
JP5823010B2 (ja) 耐応力腐食割れ性に優れた自動車構造部材用高強度アルミニウム合金押出材
JP2012201923A (ja) アルミ押出形材及びその押出成形方法
JP6611287B2 (ja) 耐応力腐食割れ性に優れた7000系アルミニウム合金部材の製造方法
JP2007254809A (ja) 衝撃吸収特性に優れ、かつ良好な焼入れ性を有するアルミニウム合金押出形材及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160901

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170614

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170718

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170810

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6193808

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees