[第1実施形態]
以下、本発明をパチンコ遊技機に適用した一実施形態を、図1〜図33を用いて説明する。本実施形態に係るパチンコ遊技機10は、図1に示されており、パチンコ遊技機10の遊技盤11の前面にガイドレール12で囲まれたほぼ円形の遊技領域R1が形成されている。
遊技盤11の前面は、パチンコ遊技機10の前面に開閉可能に取り付けられた前面枠10Zにて覆われ、その前面枠10Zに形成されたガラス窓10Wを通して遊技領域R1の全体が視認可能となっている。ガラス窓10Wの周囲には、装飾ランプ22が設けられ、ガラス窓10Wの上方の両側には、スピーカ25S,25Sが備えられている。また、ガラス窓10Wより下方には、上皿27A及び下皿27Bが上下2段にして設けられている。下皿27Bの右端部には操作ノブ28が設けられ、操作ノブ28を例えば時計回り方向に回動操作すると遊技球が遊技領域R1に打ち込まれるようになっている。また、上皿27Aの上面中央には、操作ボタン29(本発明の「操作手段」に相当する)が備えられている。操作ボタン29は、上面が透光部材によって構成されており、操作ボタン29の操作が有効とされる期間(後述する有効期間E2)になると、下面側に設置された発光部が点灯して発光する。また、操作ボタン29の操作は、内部に備えたボタン検出スイッチ29W(図3参照)によって検出される。
遊技盤11のうち遊技領域R1の中央には、異形の遊技盤表示窓11Hが貫通形成されており、その遊技盤表示窓11Hに遊技盤11の裏面側から液晶表示装置13が対向している。液晶表示装置13は、液晶モジュール(例えば、TFT−LCDモジュール)で構成され、その表示画面34が、遊技盤11の奥側に配置されている。
遊技盤11の前面中央には、表示画面34を囲むように表示装飾枠23が取り付けられている。表示装飾枠23は、遊技盤11の前面側から遊技盤表示窓11Hに嵌め込まれ、遊技盤表示窓11Hの内側に張り出すと共に、遊技盤11の前面から突出している。そして、遊技領域R1を流下する遊技球が、表示装飾枠23の外側を通過して表示装飾枠23の内側に進入しないように構成されている。
遊技領域R1のうち表示装飾枠23の下方には、第1と第2の始動入賞口14A,14B、大入賞口15が、上から順に間隔を開けて並べて設けられている。第1の始動入賞口14Aの左側には、ガイドレール12に沿って一般入賞口20が複数設けられている。各入賞口14A,14B,15,20の何れにも入賞しなかった遊技球は、遊技領域R1の下端に配置されたアウト口16に全て取り込まれる。また、表示装飾枠23の左側には、始動ゲート18と風車19が設けられている。なお、図示しないが、遊技領域R1には多数の障害釘が植設されている。
次に所要の各部位についてさらに詳説する。一般入賞口20は、所謂、ポケット構造をなしており、遊技球が丁度1つ入球可能な大きさで上方に開口している。一般入賞口20に遊技球が入ると、例えば、4個の遊技球が賞球として上皿27Aに払い出される。
始動ゲート18は、遊技球が潜って通過可能な門形構造をなし、通過した遊技球は始動ゲート18に内蔵された普通図柄始動スイッチ18W(図3参照)によって検出される。この検出信号に基づいて、普通図柄当否判定が行われ、普通図柄表示装置18X(図3参照)にて普通図柄が変動表示後に停止表示される。詳細には、普通図柄表示装置18Xは、例えば、「○」と「×」の図柄を交互に変動表示可能となっており、普通図柄当否判定が当り(以下、適宜「小当り」という)の場合は、「○」が停止表示され、普通図柄当否判定が外れの場合は「×」が停止表示される。そして、次の変動表示が開始されるまで普通図柄の停止表示を継続する。
普通図柄表示装置18Xの変動表示中に始動ゲート18を遊技球が通過した場合、その通過に起因した普通図柄表示装置18Xの変動表示は、最大で4回分まで保留記憶され、普通図柄表示装置18Xの変動表示が終了すると、その保留記憶に基づいて再び普通図柄表示装置18Xが変動表示される。なお、普通図柄の変動表示の保留記憶数は、普通図柄保留表示部(図示せず)にて表示される。
第1と第2の始動入賞口14A,14Bは、共に遊技盤11から突出した部材の上面に開口を備えた、所謂、ポケット構造をなしている。そして、各始動入賞口14A,14Bに入った遊技球は、遊技盤11に設けた図示しない貫通孔を通って、遊技盤11の裏側に回収される。
上側に配置された第1の始動入賞口14Aは、遊技球が1つだけ入る開口幅を有している。一方、第2の始動入賞口14Bは、第1の始動入賞口14Aの真下に配置され、その開口の左右両側には可動翼片14C,14Cが備えられている。これら両可動翼片14C,14Cは、常には起立状態になっており、両可動翼片14C,14Cに挟まれた第2の始動入賞口14Bの開口幅は、遊技球が1つだけ入る大きさとなっている。また、第2の始動入賞口14Bの上方空間は、常には、第1の始動入賞口14Aを構成する部材と可動翼片14C,14Cとで囲まれて、遊技球が入らないようになっている。そして、上述した「小当り」の場合に、可動翼片14C,14Cが所定期間に亘って横に倒される。すると、第2の始動入賞口14Bの上方空間が側方に開放し、第1の始動入賞口14Aの両脇を通過した遊技球が可動翼片14Cに受け止められて第2の始動入賞口14Bに案内されるようになる(図1の状態)。
各始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞すると、各始動入賞口14A,14B内に設けた始動口センサ14W1,14W2(図3参照)が遊技球を検出し、その検出信号に基づいて、例えば、4個の遊技球が賞球として上皿27Aに払い出されると共に、特別図柄当否判定が行われる。その判定結果は、特別図柄表示装置14X(図3参照)にて表示されると共に、液晶表示装置13(本発明の「表示手段」に相当する)の表示画面34において特別図柄13A,13B,13C(本発明の「識別情報」に相当する)の組み合わせで表示される。
具体的には、液晶表示装置13には、図1に示すように、通常、3つ(左、中、右)の特別図柄13A,13B,13Cが横並びに停止表示されている。これら各特別図柄13A,13B,13Cは、例えば、「0」〜「11」の数字を表記した複数種類のもので構成されており、通常は、各特別図柄13A,13B,13Cごと、所定の種類のものが停止表示されている。そして、始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞したときに、これら3つの特別図柄13A,13B,13Cが、上下方向にスクロール表示され、所定時間後に、例えば、左、右、中の順で各特別図柄13A,13B,13Cが停止表示される。そして、当否判定結果が当り(以下、「大当り」という)の場合には、各特別図柄13A,13B,13Cが全て同じ図柄(ゾロ目)で停止表示され、大当り遊技状態に移行する。このとき、特別図柄13A,13B,13Cが奇数の図柄のゾロ目で停止表示された場合には、大当り遊技終了後に、特別図柄の当否判定が当りとなる確率が通常時(3/630)に比較して高く(30/630)なる確変遊技状態となる。これに対し、当否判定結果が外れの場合には、ゾロ目以外の組み合わせで停止表示され、大当り遊技状態ではない通常遊技状態が続く。
表示画面34で変動停止表示される各特別図柄13A,13B,13Cのうち、最後に停止表示される特別図柄(例えば、中特別図柄13B)を除いて他の特別図柄(例えば、左特別図柄13Aと右特別図柄13C)が同一となる状態を「リーチ状態」といい、リーチを経てゾロ目以外の組み合わせで停止表示することを「リーチ外れ」、リーチを経ずにゾロ目以外の組み合わせで停止表示することを「通常外れ」と呼ぶことにする。
なお、リーチ状態とは、上記のものに限られるものではなく、遊技の当り外れを複数の図柄組み合わせで表示する場合に、複数の図柄の一部が停止表示されており、他の図柄が変動中において、停止表示されている図柄が当りを意味する図柄組み合わせの一部を構成している状態をいう。
また、液晶表示装置13において変動表示中又は大当り遊技の最中に始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞した場合、その入賞に起因した特別図柄13A,13B,13Cの変動表示は、最大で4回分まで保留記憶され、特別図柄13A,13B,13Cが停止表示又は大当り遊技が終了すると、その保留記憶に基づいて再び特別図柄13A,13B,13Cが変動表示される。特別図柄13A,13B,13Cの変動表示の保留記憶数は、液晶表示装置13の下端部に位置する特別図柄保留表示部14Hにて表示される。具体的には、特別図柄13A,13B,13Cの変動表示が保留されると、特別図柄保留表示部14Hの左側から右側へ、丸いマークが順番に表示され、そのマークの数によって保留記憶数を表示するようになっている。
図1に示すように、大入賞口15は、横長矩形に形成されて、常には、可動扉15T(図1参照)にて閉塞されている。大当り遊技状態になると、遊技盤11の裏に設けた大入賞ソレノイド15S(図3参照)によって可動扉15Tが前側に倒されて大入賞口15が開放し、可動扉15Tを案内にして、大入賞口15に多くの遊技球が入賞可能となる。
可動扉15Tが、開放してから閉じるまでの動作を「ラウンド」と称すると、1回の大当り遊技状態は、所定複数回(例えば、15回)のラウンドが実行されるまで継続する。1回のラウンドは、大入賞口15に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、又は、開放時間が所定時間(例えば、30秒)経過すると終了する。そして、大入賞口15に入球した入賞個数は、大入賞口15の内部に設けられた入賞センサ(図示せず)によってカウントされ、例えば、1個の入賞につき15個の遊技球が賞球として上皿27Aに払い出される。また、大当り遊技の最終ラウンドが終了した後に、表示画面34において「大当り遊技表示演出」が行われる。「大当り遊技表示演出」については後に詳説する。以上が遊技領域R1に備えた各種役物に関する説明である。
図2に示すように、パチンコ遊技機10の後面中央には、主制御基板50が設けられ、この主制御基板50の上方には、音声制御基板55、サブ制御基板57、演出制御基板70が設けられている。さらに、各制御基板50,55,57,70の下方には、電源基板60、払出制御基板58が備えられている。各制御基板は、電源基板60から電源供給を受けて作動する。
次に、図3を参照しつつ、本実施形態のパチンコ遊技機10の電気的な構成について説明する。同図に示すように、符号50は、主制御基板50であって、CPU51AとRAM51B及びROM51C、複数のカウンタを備えたマイクロコンピュータと、該マイクロコンピュータとサブ制御基板57を結ぶ入出力回路と、大入賞口15等が接続された中継回路80及び払出制御基板58等を結ぶ入出力回路とを備え、遊技に関わる主制御を行う。CPU51Aは、当否判定部、制御部、演算部、各種カウンタ、各種レジスタ、各種フラグ等を備え、演算制御を行う他、特別図柄当りや普通図柄当りに関する乱数等も生成し、制御信号をサブ制御基板57等へ出力(送信)可能に構成されている。RAM51Bは、始動口センサ14W1,14W2で検出された特別図柄用保留球数及び普通図柄始動スイッチ18Wで検出された普通図柄用保留球数の記憶領域、CPU51Aで生成される各種乱数値用の記憶領域、各種データを一時的に記憶する記憶領域やフラグ、CPU51Aの作業領域を備える。ROM51Cには、後述する主制御基板メインプログラムPG1(図5参照)や制御データ、特別図柄表示装置14Xや普通図柄表示装置18Xでの変動表示に関する図柄変動データ等が書き込まれている他、特別図柄当り及び普通図柄当りの判定値等が書き込まれている。
サブ制御基板57は、主制御基板50と同様に、CPU52AとRAM52B、ROM52C、複数のカウンタを備えたマイクロコンピュータと、該マイクロコンピュータと主制御基板50を結ぶ入出力回路と、演出制御基板70及びランプ制御基板71等を結ぶ入出力回路を備えている。CPU52Aは、制御部、演算部、各種カウンタ、各種レジスタ、各種フラグ等を備え、演算制御を行う他、制御信号を演出制御基板70及びランプ制御基板71、音声制御基板55等へ出力(送信)可能に構成されている。RAM52Bは、各種データの記憶領域とCPU52Aによる作業領域を有している。ROM52Cは、後述するサブ制御基板メインプログラムPG2(図27参照)や定数、大当り遊技表示演出のパターンテーブル(図32参照)等が記憶されている。
サブ制御基板57は、主制御基板50から出力された制御信号を受信し、受信した制御信号に基づいて、演出制御基板70等へ制御信号を出力している。主制御基板50からの制御信号には、変動パターンや遊技の当否情報、さらには、サブ制御基板57より下位の電気的作動部(演出制御基板70、音声制御基板55、ランプ制御基板71等)を制御するための制御信号が含まれている。
演出制御基板70は、サブ制御基板57からの制御信号に基づきCPUがROMから所定の表示制御データを読み出し、RAMの記憶領域で制御用データを生成してVDP(図示せず)に出力する。VDPは、CPUからの指令に基づいてROMから必要なデータを読み出し、液晶表示装置13で表示する表示画像(特別図柄13A,13B,13C、演出図柄、背景画像、キャラクター画像、文字画像等)のマップデータを作成し、VRAMに格納する。VRAMに格納記憶された画像データは、入出力回路に備えるD/A変換回路にてRGB信号に変換されて表示画面34に出力される。
ランプ制御基板71は、サブ制御基板57と接続され、サブ制御基板57から出力されたサイドランプ22,22等の電飾制御を行うための制御信号を中継するための基板である。
音声制御基板55は、サブ制御基板57から出力される制御信号に基づき、スピーカ25S,25Sから発生されるBGMや演出時の音声の選択を行い、音声を制御する。
上記した本実施形態のパチンコ遊技機10の動作を実現するため、主制御基板50、サブ制御基板57等は、後に詳説する主制御基板メインプログラムPG1、サブ制御基板メインプログラムPG2等を実行して、情報を処理している。以下、主制御基板50及びサブ制御基板57における情報処理に関して詳説する。
図4には、主制御基板50に備えられたRAM51Bの記憶領域R0が概念的に示されている。この記憶領域R0は、例えば、複数のアドレス空間に区分されてアドレス(番地)が付されている。そして、所定のアドレス空間に設けられたカウンタ値記憶領域R10が、表1に示した特別図柄に関連する各種乱数カウンター値(表1における最下段の乱数カウンター値を除いた乱数カウンター値)のデータ格納部になっている。また、アドレス空間に設けられた普通図柄カウンタ値記憶領域R11が、表1の最下段に示した普通図柄当りの判定を行うための乱数カウンタ値のデータ格納部になっている。さらに、このアドレス空間は、乱数カウンタのデータ格納部以外にも、例えば、フラグ等のデータ格納部としても用いられている。また、RAM51Bには、カウンタ値の更新値記憶領域、CPU51Aの作業領域も備えられている。
上記表1において、「大当り判定用(ラベル−TRND−A)」乱数カウンタは、特別図柄当りの判定に用いられ、0〜629の乱数からなる。また、「大当り図柄決定用(ラベル−TRND−AZ)」乱数カウンタは、大当り時の特別図柄13A,13B,13Cを決定するものであり、0〜11の乱数からなる。そして、「リーチ有無決定用(ラベル−TRND−RC)」乱数カウンタは、大当り判定乱数値による当否判定結果が外れとなる場合において、リーチ状態を経るか否かを決めるリーチ有無決定用のものであり、0〜126の乱数からなる。なお、大当りの場合、本実施形態では必ずリーチになるため、「リーチ有無決定用(ラベル−TRND−RC)」乱数カウンタは使用されない。「変動態様決定用(ラベル−TRND−T)」乱数カウンタは、変動パターンテーブルから変動パターンを選択する際に用いられるものであり、0〜198の乱数からなる。これら乱数カウンタは、パチンコ遊技機10の電源オン時、0から始まって後述する乱数更新処理(図5のステップS3、図6のステップS13参照)ごとに1ずつ加算され、「数値範囲」の最大値に至ると0にされて再び前記加算を繰り返すようになっている。
また、左図柄決定用乱数「ラベル−TRND−B1」は、左特別図柄13Aの外れ図柄作成に使用する乱数であり、電源オン時に0からスタートし、乱数更新処理で1加算される。そして、このカウンタが11までいくと再び0に戻って加算を繰り返す。中図柄決定用乱数「ラベル−TRND−B2」は、中特別図柄13Bの外れ図柄作成に使用する乱数であり、電源オン時に0からスタートし、左図柄決定用乱数「ラベル−TRND−B1」が0に戻る毎に1加算される。そして、このカウンタが11までいくと再び0に戻って加算を繰り返す。右図柄決定用乱数「ラベル−TRND−B3」は、右特別図柄13Cの外れ図柄作成に使用する乱数であり、電源オン時に0からスタートし、中図柄決定用乱数「ラベル−TRND−B2」が0でない時に1加算される。そして、このカウンタが11までいくと再び0に戻って加算を繰り返す。
そして、上記表1において、「普通図柄当り判定用(ラベル−TRND−H)」乱数カウンタは、普通図柄当りの判定に用いられ、0〜299の乱数からなる。この乱数カウンタは、パチンコ遊技機10の電源オン時、0から始まって後述する乱数更新処理(図5のステップS3、図6のステップS13参照)ごとに1ずつ加算され、「数値範囲」の最大値に至ると0にされて再び前記加算を繰り返すようになっている。
上記表1に示した乱数カウンタは、逐次、そのカウント結果、即ち、「カウンタ値」が、図4の記憶領域R0のうちカウンタ値記憶領域R10,R11とは別の更新値記憶領域に格納されていく。これにより、更新値記憶領域に格納されているデータが更新されていき、上記表1に示した各乱数カウンタのカウンタ値同士の組み合わせが変化していく。
そして、始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞したときには、表1に示した最下段を除く各種乱数カウンタの値がカウンタ値記憶領域R10に格納(記憶)され、始動ゲート18を遊技球が通過したときには、表1の最下段に示した乱数カウンタの値が普通図柄カウンタ値記憶領域R11に格納(記憶)される。
ここで、カウンタ値記憶領域R10には、上記した始動入賞口14A,14Bに記憶される保留球数の保留上限数の「4つ」に対応して4組の乱数値群(更新値記憶領域の各種カウンタ値群)が格納(記憶)されるようになっている。また、普通図柄カウンタ値記憶領域R11にも、上記した始動ゲート18に記憶される保留球の保留上限数の「4つ」に対応して4組の乱数値群(更新値記憶領域の各種カウンタ値群)が格納(記憶)されるようになっている。
主制御基板50に備えたワンチップマイコンは、パチンコ遊技機10の電源をオンすると、ROM51Cから図5に示した主制御基板メインプログラムPG1を取り出してランする。同図に示すように、主制御基板メインプログラムPG1がランされると、まずスタックの設定、定数設定、CPU51Aの設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)の設定等を行う初期設定が行われる(S1)。なお、初期設定(S1)は、主制御基板メインプログラムPG1が、電源オン後の1回目にランされたときだけ実行され、それ以降は実行されない。
図5に示すように、初期設定(S1)に次いで、後述する主制御基板割り込み処理(S5)が実行されるまでの残余時間には、以下のステップS2〜S4の各処理がループして行われる。まず、割り込みが禁止され(S2)、タイマ割り込みが入って来ても割り込み許可となるまで割り込み処理を行わないようにさせる。続いて、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)が実行される。この処理(S3)では、上記表1に示した乱数カウンタが1加算されて更新される。更新されたカウンタ値は主制御基板50のRAM51Bの記憶領域R0(図4参照)のうち、前記した更新値記憶領域に逐一記憶される。普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)が終了すると、割り込みが許可され(S4)、主制御基板割り込み処理(S5)が実行可能となる。
主制御基板割り込み処理(S5)は、CPU51Aに割り込みパルスが入力すると、例えば、4msec周期で繰り返して実行される。そして、主制御基板割り込み処理(S5)が終了してから、次に主制御基板割り込み処理(S5)が開始されるまでの残余処理期間中に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)による各種カウンタ値の更新処理が複数回に亘って繰り返し実行される。また、割り込み禁止状態のときにCPU51Aに割り込みパルスが入力した場合は、主制御基板割り込み処理(S5)はすぐには開始されず、割り込み許可(S4)がされてから開始される。
主制御基板割り込み処理(S5)について説明する。図6に示すように、主制御基板割り込み処理(S5)では、まず、出力処理(S10)が行われる。出力処理(S10)では、以下説明する各処理により主制御基板50の出力バッファに記憶された各コマンド(制御信号)等が、サブ制御基板57へ出力される。ここで出力されるコマンド(制御信号)には、変動パターンコマンド等が挙げられる。
出力処理(S10)に次いで、入力処理(S11)が行われる。入力処理(S11)では、主にパチンコ遊技機10に取り付けられている各種センサ(普通図柄始動スイッチ18W、始動口センサ14W1,14W2、ボタン検出スイッチ29W、その他センサ、スイッチ類等(図3参照))が検知した信号入力が行なわれる。続いて行われる動作タイマー減算処理(S12)では、動作タイマーを減算する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S13)は、上記した主制御基板メインプログラムPG1のループ処理内で行われている普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)と同じである。即ち、上記表1に示した各種カウンタ値の更新処理は、主制御基板割り込み処理(S5)の実行期間と、その残余処理期間(主制御基板割り込み処理(S5)の終了後、次の主制御基板割り込み処理(S5)が開始されるまでの期間)の両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S13)に次いで、入賞検出処理(S15)が実行される。入賞検出処理(S15)は、図7に示されており、まず、始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞したかどうか判断する(S150)。そして、始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞していなければ(S150でN)、この処理(S15)を終了する一方、入賞していれば(S150でY)、特別図柄保留球数(始動入賞口の保留球数)をロードし、特別図柄保留球数が4以上であるか判断する(S151)。特別図柄保留球数が4以上である場合(S151でY)、直ちにこの処理(S15)を終了する。特別図柄保留球数が4以上でなければ(S151でN)、特別図柄保留球数に1加算して(S152)、特別図柄関係乱数取得処理(S153)を実行して更新値記憶領域から当該入賞に対する各カウンタ(大当り判定用乱数「ラベル−TRND−A」及び大当り図柄決定用乱数「ラベル−TRND−AZ」)の値等を乱数として取得して各保留に対応した乱数バッファ(R10)へ転送する。
図6に示すように、入賞検出処理(S15)が終了すると、普通動作処理(S16)が行われる。主制御基板50は、この処理(S16)によって、普通図柄当り乱数「ラベル−TRND−H」値に基づいて、普通図柄当りの判定や普通図柄表示装置18Hでの普通図柄の変動及び停止表示、普通図柄当りに基づく始動入賞口14Bにおける可動翼片14C,14Cの開閉を、サブ制御基板57を介さずに直接制御して、普通図柄当りに関する処理を行う。
普通動作処理(S16)に次いで行われる特別動作処理(S17)は、液晶表示装置13の表示を制御するための処理であり、上記入賞検出処理(S15)においてRAM51Bのカウンタ値記憶領域に格納された各種カウンタ値に基づいて行われる。なお、主制御基板50は、以下説明する特別動作処理(S17)によって、サブ制御基板57を介して液晶表示装置13を間接的に制御する。
この特別動作処理(S17)は、図8に示されており、液晶表示装置13の表示状態を4つの状態に場合分け、それら各状態を「特別動作ステータス1,2,3,4」に割り当てている。そして、「特別動作ステータス」が「1」である場合に(S171でY)、特別図柄待機処理(S172)を行い、「特別動作ステータス」が「2」である場合に(S171でN,S173でY)、特別図柄変動中処理(S174)を行い、「特別動作ステータス」が「3」である場合に(S171,S173で共にN、S175でY)、特別図柄確定処理(S176)を行い、「特別動作ステータス」が「4」である場合に(S171,S173,S175でN)、特別電動役物処理(S177)を行う。
図8に示した特別動作処理(S17)において特別図柄待機処理(S172)を実行すると、図9に示すように、始動入賞口14の保留球数が「0」か否かがチェックされる(S200)。特別図柄保留球数が「0」である場合(S200でY)、即ち、始動入賞口14への入賞に起因して取得された各種カウンタ値の記憶が無い場合には、表示画面34の表示が待機画面であるか否かがチェックされる(S201)。そして、待機画面中である場合(S201でY)には、直ちにこの処理(S172)を抜ける一方、待機画面中でない場合(S201でN)には、待機画面設定処理(S202)を行ってから、この処理(S172)を抜ける。
一方、特別図柄保留球数が「0」ではない場合(S200でN)、即ち、始動入賞口14への入賞に起因して取得された各種カウンタ値の記憶が1つ以上ある場合には、以下に説明する、特別図柄大当り判定処理(S203)、特別図柄変動態様選択処理(S204)、図柄作成処理(S205)、特別図柄乱数シフト処理(S206)、特別図柄変動開始設定(S207)が行われる。
特別図柄大当り判定処理(S203)は、「大当り遊技」の実行の可否を判定する。また、この特別図柄大当り判定処理(S203)を実行することで、CPU51Aが本発明に係る「当否判定手段」として機能する。詳細には、図10に示すように、まず、判定値として、RAM51Bの最下位のカウンタ値記憶領域(即ち特別図柄の保留1個目にあたるRAM領域)に保留記憶された各種乱数値がロードされて、大当り判定用カウンタ(ラベル−TRND−A)値を読み出す(S310)。次に、大当り判定値テーブルのアドレスをセットする(S311)。そして、確変中か否かがチェックされる(S312)。確変中でない場合(S312でN)、即ち、通常遊技時は、大当り判定用カウンタ(ラベル−TRND−A)が通常遊技用(低確率用)の当り数値の何れかと一致したか否かがチェックされ(S313)、確変中である場合(S312でY)、即ち、確率変動状態時では、大当り判定用カウンタ(ラベル−TRND−A)が、確変遊技用(高確率用)の当り数値の何れかと一致したか否かがチェックされる(S314)。
そして、各ステップS313,S314において、取得した大当り判定用カウンタ(ラベル−TRND−A)が何れの当り数値とも一致しなかった場合には(ステップS313,S314でN)、直ちにこの処理(S203)を抜ける。一方、取得した大当り判定用カウンタ(ラベル−TRND−A)が何れかの当り数値と一致した場合には(S313でY又はS314でY)、大当りフラグをオンして(S315)、この処理(S203)を抜ける。
特別図柄変動態様選択処理(S204)では、変動態様決定用乱数「ラベル−TRND−T」値に基づいて遊技状態に応じた変動パターンテーブルから変動パターンが選択される。なお、変動パターンテーブルには、通常遊技状態と確変遊技状態のそれぞれについて、当否判定が当りのときと外れのときのテーブルがあり、詳細には、通常遊技状態で当否判定が外れのときのテーブルには、リーチが成立するときの通常リーチ外れテーブルと、リーチが成立しないときの通常外れテーブルとがある。
特別図柄変動態様選択処理(S204)では、図11に示すように、まず最初に遊技状態が確変中か否かがチェックされる(S330)。そして、通常遊技状態の場合(S330でN)には、大当りフラグがオンしているか否かが判別される(S331)。大当りフラグがオンの場合(S331でY)、変動態様決定用乱数「ラベル−TRND−T」値に基づいて、通常当りテーブルから変動パターンを選択する(S332)。
一方、ステップS331において、大当りフラグがオンでない場合(S331でN)には、リーチ有無決定用乱数「ラベル−TRND−RC」値がリーチ成立値であるかが判断される(S333)。そして、リーチ成立の場合(S333でY)には、変動態様決定用乱数「ラベル−TRND−T」値に基づいて、通常リーチ外れテーブルから変動パターンを選択する(S334)一方、リーチ成立でない場合(S333でN)には、変動態様決定用乱数「ラベル−TRND−T」値に基づいて、通常外れテーブルから変動パターンを選択する(S335)。
また、ステップS330において、遊技状態が確変遊技状態であると判断された場合(S330でY)には、ステップS331と同様に、大当りフラグがオンしているか否かが判別される(S336)。そして、大当りフラグがオンの場合(S336でY)には、変動態様決定用乱数「ラベル−TRND−T」値に基づいて、確変当りテーブルから変動パターンを選択する(S337)。ステップS336で、大当りフラグがオンでないと判断された場合(S336でN)には、変動態様決定用乱数「ラベル−TRND−T」値に基づいて、確変外れテーブルから変動パターンを選択する(S339)。一方、リーチ成立でない場合(S338でN)には、変動態様決定用乱数「ラベル−TRND−T」値に基づいて、確変外れテーブルから変動パターンを選択する(S340)。
そして、上述した各ステップS332,S334,S335,S337,S339,S340の何れかが終了すると、その他の処理(S341)を行って、特別図柄変動態様選択処理(S204)を抜ける。
特別図柄変動態様選択処理(S204)が終了すると、特別図柄13A,13B,13Cを決定するための図柄作成処理(S205)が実行される。この処理(S205)は、図12に示されており、まず、大当りフラグがオンか否か判断する(S350)。そして、大当りフラグがオンであれば(S350でY)、大当り図柄決定用乱数「ラベル−TRND−AZ」値を、左図柄、中図柄、右図柄にセットし(S351)、この処理(S205)を終了する。
一方、大当りフラグがオンでなければ(S350でN)、左図柄決定用乱数「ラベル−TRND−B1」、中図柄決定用乱数「ラベル−TRND−B2」、右図柄決定用乱数「ラベル−TRND−B3」の値を取得する(S352)。そして、各乱数値が一致しているか判断し(S353)、一致していれば(S353でY)、リーチ有無決定用乱数「ラベル−TRND−RC」値がリーチ成立乱数値と一致しているかどうか判断し(S354)、一致していない場合には(S354でN)、次述するステップS358へジャンプする一方、一致していれば(S354でY)、中図柄決定用乱数「ラベル−TRND−B2」値を1加算する(S355)。
また、左・中・右の各乱数値が一致していなければ(S353でN)、続いて、左・右の乱数値が一致しているか判断する(S356)。そして、左・右の乱数値が一致していれば(S356でY)、リーチ有無決定用乱数「ラベル−TRND−RC」値がリーチ成立乱数値と一致しているかどうか判断し(S357)、一致していなければ(S357でN)、右図柄決定用乱数「ラベル−TRND−B3」値を1加算する(S358)一方、一致していれば(S357でY)、取得した停止図柄に基づく値にする(S360)。
そして、左・右の乱数値が一致していなければ(S356でN)、リーチ有無決定用乱数「ラベル−TRND−RC」値がリーチ成立乱数値と一致しているかどうか判断し(S359)、一致していなければ(S359でN)、上述したステップS360へジャンプする一方、一致していれば(S359でY)、右図柄を左図柄決定用乱数「ラベル−TRND−B1」値と同一数値とし、中図柄を左図柄決定用乱数「ラベル−TRND−B1」値に1加算した値にする(S361)。以上により、特別図柄13A,13B,13Cが決定される。
図柄作成処理(S205)が終了すると、特別図柄乱数シフト処理(S206)が行われ、特別図柄保留球数(RAM51Bの特別図柄の保留数記憶領域の数値)を1ディクリメントすると共に、各種カウンタ値の格納場所を1つ下位側にシフトして、特別図柄保留4個目にあたるRAM領域を0クリアする。続いて、特別図柄変動開始処理(S207)が行われ、特別図柄が変動中であることを示すため変動中フラグを1にセットするなど、特別図柄の変動開始に必要な処理が行われる。そして、選択された変動パターンに応じた「特図変動コマンド」がRAM51Bの出力バッファにセットされる(S208)。これにより、RAM51Bの出力バッファにセットされた「特図変動コマンド」が、上記した出力処理(S10)によってサブ制御基板57に出力される。ステップS208の処理が終了すると、特別動作ステータスが「2」に設定される(S209)。そして、特別図柄保留球数が0になるまで、これら特別図柄に対する処理(S203〜S209)が行われ、特別図柄保留球数が消化されることとなる。以上が特別図柄待機処理(S172)の説明である。
特別ステータスが「2」に設定されると、図8に示した特別動作処理(S17)において、特別図柄変動中処理(S174)が実行される。図13に示すように、特別図柄変動中処理(S174)では、まず、変動時間が経過したか否かがチェックされる(S262)。ここでいう「変動時間」は、特別図柄変動態様選択処理(S204、図11参照)で設定された変動パターンに応じた変動時間のことであり、変動時間のタイマを確認することで、現在変動中の図柄の動作終了時間か否かを判定する。そして、変動時間が経過していない場合(S262でN)には、直ちにこの処理(S174)を抜けて変動表示を続行する。
一方、変動時間が経過した場合(S262でY)には、「変動停止コマンド」をRAM51Bの出力バッファにセットし(S263)、特別動作ステータスを「3」にセットして(S264)、その他の処理(S265)を行ってから、特別図柄変動中処理(S174)を抜ける。
特別動作ステータスが「3」にセットされると、図8に示した特別動作処理(S17)において、特別図柄確定処理(S176)が実行される。図14に示すように、この処理(S176)では、まず最初に大当りフラグがオンか否か(大当りか否か)がチェックされる(S270)。ここで、大当りフラグがオンしている場合(S270でY)、即ち、当否判定結果が「当り」である場合には、ラウンドカウンタをセット(S271)し、特別動作ステータスを「4」にセット(S272)して、この処理(S176)を抜ける。一方、大当りフラグがオンでない場合(S270でN)、即ち、当否判定結果が「外れ」である場合には、特別動作ステータスを「1」にセットして(S273)、この処理(S176)を抜ける。ここで、ラウンドカウンタとは、「大当り遊技」における「ラウンド」数をカウントするものであり、ラウンドカウンタの初期値は「15」に設定されている。
特別動ステータスが「4」にセットされると、図8に示した特別動作処理(S17)において、特別電動役物処理(S177)が実行される。図15に示すように、この処理(S177)では、まず最初に後述する大当り終了フラグがオンか否か(大当り遊技が終了したか否か)がチェックされる(S280)。ここで、大当り遊技が終了していない場合(S280でN)、即ち、大当り遊技中である場合の場合には、大入賞口15が開放中か否かがチェックされ(S281)、大入賞口15が開放していない場合(S281でN)には、大入賞口15の開放時間であるか否かをチェックする(S282)。大入賞口15の開放時間でない場合(S282でN)には、直ちにこの処理(S177)を抜ける一方、大入賞口15の開放時間である場合(S282でY)には、大入賞口開放処理(S283)を実行してこの処理(S177)を抜ける。
一方、大入賞口15が開放中である場合(S281でY)には、該ラウンド中の入賞個数が10個に達したか否かがチェックされ(S284)、入賞個数が10個の場合(S284でY)には、次述するステップS286へジャンプする一方、入賞個数が10個未満の場合(S284でN)には、ラウンド開始から所定時間が経過したか否かがチェックされる(S285)。所定時間が経過していない場合(S285でN)には、直ちにこの処理(S177)を抜ける一方、所定時間が経過した場合(S285でY)には、大入賞口閉鎖処理(S286)が実行される。そして、ラウンドカウンタを1減算して(S287)、ラウンドカウンタが0になったか否かをチェックする(S288)。ラウンドカウンタが0でない場合(S288でN)には、ラウンドカウンタが0になるまで、ラウンドが繰り返し実行される一方、ラウンドカウンタが0の場合(S288でY)には、大当り遊技終了処理(S289)を実行し、大当り終了フラグをオンして(S290)、この処理(S177)を抜ける。
そして、大当り終了フラグがオンである場合(S280)、即ち、大当り遊技が終了した場合には、大当り終了フラグをオフする(S291)と共に大当りフラグをオフし(S292)、大当り遊技終了後に行われる遊技が確変遊技か否かがチェックされる(S293)。大当り遊技終了後の遊技が確変遊技である場合(S293でY)には、確変フラグをオンする(S294)一方、確変遊技でない場合(S293でN)、即ち、通常遊技状態である場合には、確変フラグをオフしてから(S295)、特別動作ステータスを「1」にセットして(S296)、この処理(S177)を抜ける。
以上が、特別動作処理(S17、図8参照)で行われる各処理(S171〜S177)についての説明である。図6に示すように、特別動作処理(S17)が終了すると、保留球数処理(S18)が実行される。この処理(S18)は、図16に示されており、RAM51Bに記憶されたカウンタ値群の組数から保留球数を読み取り(S180)、その保留球数のデータを、RAM51Bの出力バッファにセットする(S181)。
図6に示すように、保留球数処理(S18)が終了すると、電源断監視処理(S19)が実行される。この処理(S19)は、図17に示されており、電源断信号が入力した(本実施形態では、電源断状態が12ms続いた)か否かを判定する(S190)。そして、電源断信号が入力していれば(S190でYes)、現在のデータをRAM51Bへバックアップし(S191)、電源断フラグをオンする(S192)。その後、無限ループへ移行し待機状態とされる。
図6に示すように、主制御基板割り込み処理(S5)では、電源断監視処理(S19)に次いで、本発明に深く関連しないその他の処理(S20)を実行して、主制御基板割り込み処理(S5)から抜ける。そして、図4に示すように、次にメインCPU51Aに割り込みパルスが入力するまで、ステップS2〜S4の処理を繰り返し実行し、割り込みパルスの入力を起因(約4msec後)に、再度、主制御基板割り込み処理(S5)を実行する。すると、上述の如く、前回の主制御基板割り込み処理(S5)においてRAM51Bの送信バッファにセットされた各種コマンドが、次に実行された主制御基板割り込み処理(S5)の出力処理(S10)において出力される。以上が主制御基板メインプログラムPG1の説明である。
次に、サブ制御基板57(本発明の「演出態様選択手段」に相当する)が実行するサブ制御基板メインプログラムPG2について、図18〜図31に示すフローチャートを参照しつつ詳説する。サブ制御基板メインプログラムPG2では、まず最初にCPU初期化処理(S50)が行われ、スタックの設定、定数設定、CPU52Aの設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)等の設定や各種フラグ及びカウンタ値のリセット等を行う。また、電源をオンすると、電源基板60から電源断信号がサブ制御基板57に送信される。この電源断信号が送信されたときに、RAM52Bのバックアップデータの内容が正常かどうか判断する(S51)。正常であれば(S51でY)、ステップS53へ進み、RAM52Bの内容が正常でなければ(S51でN)、RAM52Bを初期化し、各種フラグ及びカウンタ値がリセットされ(S52)、ステップS53へ進む。ステップS53では、ウォッチドッグタイマカウンタ1,2が初期化される(S53)。なお、これらステップS50〜S53は、サブ制御基板メインプログラムPG2が、電源投入後の1回目にランされたときだけ実行され、それ以降は実行されない。
ステップS50〜S53によって初期設定が終了すると、割込みが禁止され(S54)、乱数シードフラグがオフか否かがチェックされる(S55)。乱数シードフラグがオフでない場合(S55でN)には、ステップS57にジャンプする一方、乱数シードフラグがオフの場合(S55でY)には、乱数シード更新処理(S56)が実行される。この処理(S56)では、大当りエンディング抽選用乱数値(ラベル−TRND−E)が更新される。大当りエンディング抽選用乱数値は、「大当り遊技表示演出」に先だって行われる「大当りエンディング演出」を決定する際に使用される乱数値であって、例えば「0〜99」の数値範囲で更新される。次いで、演出制御基板70、ランプ制御基板71、音声制御基板55(図3参照)に各種コマンドを送信するコマンド送信処理(S57)を実行し、ウォッチドッグタイマカウンタ1の初期化(S58)、割込み許可(S59)を行う。そして、これら処理(S54〜S59)を無限ループで繰り返す。
サブ制御基板メインプログラムPG2では、上述したステップS54〜S59の無限ループに対して、受信割り込み処理(S60)、2msタイマ割り込み処理(S61)、10msタイマ割り込み処理(S62)が割り込んで実行される。サブ制御基板57が主制御基板50からストローブ信号を受けると、他の割り込み処理(S61,S62)に優先して受信割り込み処理(S60)が実行される。また、2msタイマ割り込み処理(S61)は、10msタイマ割り込み処理(S62)より優先して実行され、10msタイマ割り込み処理(S62)は、2msタイマ割り込み処理(S61)間の残余時間に割り込んで実行される。
図19に示すように、受信割り込み処理(S60)では、ストローブ信号をチェックし(S600)、ストローブ信号がオンであれば(S600でY)、主制御基板50からサブ制御基板57に送信された制御信号(変動態様、特別図柄当否判定、確変遊技に関するデータ、コマンド等)を取り込み、RAM52Bに格納する(S601)。ストローブ信号がオンでなければ(S600でN)、そのままこの処理(S60)を抜ける。
2msタイマ割り込み処理(S61)は、サブ制御基板57に2msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行される。図20に示すように、この処理(S61)では、ランプデータ出力処理(S610)、SW/駆動出力処理(S611)、入力処理(S612)、ウォッチドッグタイマ処理(S613)を行う。
ランプデータ出力処理(S610)では、次述する10msタイマ割り込み処理(S62,図21参照)で作成されたランプデータの出力を行う。ウォッチドッグタイマ処理(S613)では、ウォッチドッグタイマをリセットする。
10msタイマ割り込み処理(S62)は、サブ制御基板57に10msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行される。図21に示すように、この処理(S62)では、音声制御処理(S620)、報知タイマ判定処理(S621)に次いで、メインコマンド解析処理(S622)を実行する。
メインコマンド解析処理(S622)では、受信割り込み処理(S60、図19参照)で受信した主制御基板50からのデータ、コマンドの解析処理及び動作の設定を行い、メインシナリオ制御処理(S623)では、「大当り遊技表示演出」をタイマで動作させる。そして、スイッチ制御処理(S624)にて、「大当り遊技表示演出」中に行われる「スイッチ演出」の動作の設定を行い、ウォッチドッグタイマカウンタ2を初期化して(S625)、その他の処理(S626)を実行する。
メインコマンド解析処理(S622)及びスイッチ制御処理(S624)は、「大当り遊技表示演出」及び「スイッチ演出」に深く関わる処理である。ここで、メインコマンド解析処理(S622)及びスイッチ制御処理(S624)を説明する前に、「大当り遊技表示演出」及び「スイッチ演出」について説明しておく。
まず、「大当り遊技表示演出」は、上述した大当り遊技の最終ラウンドが終了した後に表示画面34にて行われる表示演出である。大当り遊技表示演出には複数の演出態様があり、それら複数の演出態様の中からサブ制御基板57がランダムに1つを選択する。
「大当り遊技表示演出」の演出態様には、「スイッチ演出付き」のものと、「スイッチ演出無し」のものがある。「スイッチ演出付きの大当り遊技表示演出」には、「スイッチ演出」の演出パターンを異ならせた複数種類のものが設定されている(図32(A)及び同図(B)参照)。なお、「スイッチ演出付きの大当り遊技表示演出」とは、本発明の「操作演出態様」に相当する。以下の説明において「大当り遊技表示演出」とは、特記しない限り、「スイッチ演出付きの大当り遊技表示演出」のことである。
「大当り遊技表示演出」には、大当り遊技終了後の遊技状態が確変状態(高確率状態)になる場合の演出パターン(図32(A)に示したA〜Cパターン)と、通常状態(低確率状態)になる場合の演出パターン(図32(B)に示したD〜Fパターン)とが設定されている。以下、遊技状態が確変状態になる場合の大当り遊技表示演出を、「確変確定の大当り遊技表示演出」という
「スイッチ演出」とは、操作ボタン29の操作と表示画面34の表示演出とを関連させた演出のことである。具体的には、図33に示すように、「大当り遊技表示演出」の演出期間RT中には、操作ボタン29の操作が有効になる「有効期間E2」が予め設定されており、「確変確定の大当り遊技表示演出」では、有効期間E2中の操作ボタン29の操作回数が、予め設定された基準達成回数K3に達したか否かによって、有効期間E2より後(操作対応演出期間E3)の演出内容が変化する。また、「大当り遊技表示演出」は、上記した有効期間E2を含む複数の期間E1〜E5に区切られており、それら複数の各期間E1〜E5の時間配分が演出パターンごとに異なっている(図32参照)。
より詳細には、大当り遊技表示演出の演出期間RTは、待機期間E1、有効期間E2、操作対応演出期間E3とに区切られており、さらに、有効期間E2は、前半の第1有効期間E4と、後半の第2有効期間E5とに区切られている。例えば、Aパターンの「大当り遊技表示演出」では、待機期間E1が15秒、有効期間E2が20秒(第1有効期間E4が10秒、第2有効期間E5が10秒)、操作対応演出期間E3が15秒に設定されている。
待機期間E1は、「大当り遊技表示演出」の開始と同時に開始され、待機期間E1が終了すると有効期間E2が開始される。有効期間E2になると、表示画面34にて操作ボタン29を操作するようメッセージが表示されると共に、操作ボタン29が点灯して操作可能な状態であることが遊技者に報知される。確変確定の大当り遊技表示演出(図32におけるA〜Cパターン)の場合は、有効期間E2内に操作ボタン29を操作した操作回数がカウントされ、その操作回数が基準達成回数K3に到達した場合には、操作対応演出期間E3にて「達成演出」が表示され、到達していない場合には「未達成演出」が表示される。なお、確変確定の大当たり遊技演出の場合には、操作ボタン29を操作した回数が基準達成回数K3に到達していなくても、強制的に達成演出を表示するようにしてもよい。
なお、確変確定ではない大当り遊技表示演出(図32におけるD〜Fパターン)の場合も、有効期間E2内に操作ボタン29を操作した操作回数がカウントされるが、その操作回数によって「達成演出」が表示されることはなく、必ず「未達成演出」が表示される。
以下、確変確定の大当り遊技表示演出(図32におけるA〜Cパターン)を例にとって、スイッチ演出における各期間E1〜E3と、表示画面34における表示内容との関係を説明する。例えば、図33(A)から同図(B)への変化に示すように、大当り遊技の最終ラウンドが終了すると、表示画面34が切り替わって大当りエンディング演出が開始される。大当りエンディング演出では、例えば、主人公と敵がにらみ合った状態が表示される(図33(B)参照)。大当りエンディング演出が終了すると表示画面34が切り替わり、「大当り遊技表示演出」が開始される。大当り遊技表示演出は、開始と同時に待機期間E1となる。その待機期間E1には、表示画面34に、例えば、主人公と敵とが取っ組み合いになり、主人公が敵の攻撃を受け続ける様子が表示される(図33(C)参照)。また、待機期間E1の開始と同時に、表示画面34の下部には、主人公の戦闘レベルを表すグラフ34Gが表示される。待機期間E1の開始直後(戦闘が開始された直後)は、グラフ34G(戦闘レベル)が最高レベルになっているが、待機期間E1の終了に近づくに従って、グラフ34Gが次第に減少していく。そして、待機期間E1の終了間際には、例えば、主人公がピンチになった様子が表示される。
待機期間E1が終了して有効期間E2に移行すると、図33(D)に示すように、表示画面34に「操作ボタンを連打せよ!」というメッセージが表示されると共に、操作ボタン29が点灯する。ここで、操作ボタン29を繰り返し操作(連打)すると、その繰り返し操作回数と繰り返し操作速度に応じてグラフ34G(戦闘レベル)が最高レベルに向かって延びていく。また、表示画面34の中央では、例えば、攻撃を受けて倒れていた主人公が立ち上がり、さらに反撃を開始する様子が表示される(図33(E)参照)。有効期間E2が終了すると「操作ボタンを連打せよ!」というメッセージが消えるのと同時に、操作ボタン29が消灯して、遊技者に有効期間E2が終了したことが報知される。また、有効期間E2が終了すると、表示画面34が切り替わると共に操作対応演出期間E3に移行し、確変大当たりの場合には、有効期間E2中の操作ボタン29の操作回数に基づいて「達成演出」か「未達成演出」の何れか一方が表示される。
有効期間E2中の操作ボタン29の操作回数が、基準達成回数K3に達している場合は、有効期間E2の終了時点でグラフ34Gが最高レベルとなり、その後の操作対応演出期間E3において、例えば、図33(F)に示すように、主人公が敵を倒す「達成演出」が表示される。また、達成演出の中で、確変状態になる旨が表示される。
一方、有効期間E2中に操作ボタン29が全く操作されなかった場合や、操作回数が基準達成回数K3に満たなかった場合は、有効期間E2の終了時点でグラフ34Gは最高レベルまで達しておらず、その後の操作対応演出期間E3では、例えば、図33(G)に示すように、主人公が敵に惨敗する「未達成演出」が表示される。また、未達成演出の後に、図示しない救済演出が行われて、その救済演出の中で確変状態になる旨が表示される。
なお、確変確定ではない大当り遊技表示演出(図32におけるD〜Fパターン)においても、有効期間E2の終了までは、確変確定の大当り遊技表示演出と同様に表示演出が進行し、操作対応演出期間E3で「未達成演出」が表示される。
このように、確変確定の大当り遊技表示演出(図32におけるA〜Cパターン)では、遊技者の操作ボタン29の操作によって、その後の表示演出が「達成演出」となるか「未達成演出」となるかが決定されるので、スイッチ演出無しの大当り遊技表示演出よりも興味を惹きつけることができ、趣向性の高いものとなる。
以上のことを踏まえて、「大当り遊技表示演出」及び「スイッチ演出」に深く関係する「メインコマンド解析処理(S622)」及び「スイッチ制御処理(S624)」の説明を行う。図22に示すように、メインコマンド解析処理(S622)では、まずスイッチ演出開始条件が成立したか否かがチェックされる(S700)。この処理(ステップS700)では、受信割り込み処理(S60、図19参照)で受信した主制御基板50からのデータ、コマンドの中に「スイッチ演出付きの大当り遊技表示演出」の開始コマンドが存在することをスイッチ演出開始条件の成立とし、条件が成立した場合(S700でY)には、スイッチ設定処理(S701)を実行する一方、条件が不成立の場合(S700でN)には、ステップS702へジャンプする。
スイッチ設定処理(S701)では、図23に示すように、次述するスイッチ制御処理(S624)で使用されるシナリオフラグのシナリオ開始bitがオンされると共に、シナリオ継続bitがオフされる(S710)。スイッチ設定処理(S701)が終了すると、図22に示すように、その他の処理(S702)を実行して、この処理(S622)を抜ける。
図21に示すように、メインコマンド解析処理(S622)に次いで、メインシナリオ制御処理(S623)が実行され、さらに、スイッチ制御処理(S624)が実行される。
図24に示すように、スイッチ制御処理(S624)では、スイッチシナリオ制御処理(S720)とスイッチ制御確認処理(S721)とが行われ、スイッチシナリオ制御処理(S624)では、図25に示すように、まず、シナリオタイマが0でないか否かがチェックされる(S730)。シナリオタイマとは、大当り遊技表示演出に含まれる待機期間E1、第1有効期間E4及び第2有効期間E5(図32及び図33参照)の残り時間を計時するタイマのことであり、シナリオタイマが0である場合(S730でNo)、即ち、実行中の待機期間E1、第1有効期間E4又は第2有効期間E5が終了した場合には、ステップS732へジャンプする一方、シナリオタイマが0でない場合(S730でYes)、即ち、待機期間E1、第1有効期間E4又は第2有効期間E5の途中である場合には、シナリオタイマを1減算する。
次いで、シナリオフラグのシナリオ開始bitがオンか否かがチェックされ(S732)、シナリオ開始bitがオフの場合(S732でNo)には、シナリオ継続bitがオンでかつシナリオタイマが0であるか否かがチェックされる(S733)。ここで、シナリオ開始bit及びシナリオ継続bitは、何れか一方がオンのときに他方がオフとなるように切り替えられ、そのオンオフの組み合わせとシナリオタイマとによって、大当り遊技表示演出が、待機期間E1、第1有効期間E4、第2有効期間E5の順に移行する。具体的には、シナリオ開始bitがオン(シナリオ継続bitがオフ)の場合(S732でYes)に、待機期間E1が開始される。また、シナリオ開始bitがオフ(シナリオ継続bitがオン)でかつシナリオタイマが0の場合(S733でYes)に、第1有効期間E4又は第2有効期間E5が開始される。
スイッチシナリオ設定処理(S734)は、待機期間E1の開始時、待機期間E1の終了時(第1有効期間E4の開始時)、第1有効期間E4の終了時(第2有効期間E5の開始時)にそれぞれ1回だけ実行される。シナリオ継続bitがオン(シナリオ開始bitがオフ)でかつシナリオタイマが0であるという条件を満たさない場合(S732でNo、S733でNo)、即ち、待機期間E1、第1有効期間E4又は第2有効期間E5の途中である場合には、この処理(S720)は行われない。
スイッチシナリオ設定処理(S734)は、図26に示されており、まずシナリオフラグのシナリオ開始bitがオンか否かがチェックされる(S740)。ここで、メインコマンド解析処理(S622、図22)でスイッチ演出開始条件を満たした後、最初にこの処理(S734)に入るときには、ステップS710(図23参照)にてシナリオ開始bitがオンに設定されているので、ステップS740でYesとなり、シナリオカウンタが「0」に設定される。そして、ステップS743にてシナリオ開始bitがオフに、シナリオ継続bitがオンに設定される。これにより、次にこの処理(S734)に入るとき、即ち、シナリオ継続bitがオン(シナリオ開始bitがオフ)でかつシナリオタイマが「0」のとき(S733でYes)に、ステップS740でNoとなり、シナリオカウンタが1加算される(S742)。つまり、待機期間E1が終了して第1有効期間E4が開始されるときに、シナリオカウンタが1加算されて、「0」から「1」になる。また、第1有効期間E4が終了して第2有効期間E5が開始されるときに、シナリオカウンタがさらに1加算されて「1」から「2」となる。
次いで、シナリオカウンタの値に対応するスイッチ関数をRAM52Bに設定する(S744)。ここで、本実施形態では、各シナリオカウンタ「0」,「1」,「2」に対応するスイッチ関数1〜3が設けられていて、シナリオカウンタが「0」の場合には、待機期間E1に対応したスイッチ関数1が設定され、シナリオカウンタが「1」である場合には、第1有効期間E4に対応したスイッチ関数2が設定され、シナリオカウンタが「2」である場合には、第2有効期間E5に対応したスイッチ関数3が設定される。なお、これらスイッチ関数1〜3に対応する処理(S81〜S83)については、後に詳説する。スイッチ関数の設定を終えたら、そのスイッチ関数に対応したシナリオタイマを設定(S745)する。具体的には、各期間E1,E4,E5に設定された時間T1,T4,T5(図32参照)を割り込み周期である10msで除した数値を、シナリオタイマの初期値として設定する。その後、この処理(S720)を抜ける。
図24に示すように、スイッチシナリオ制御処理(S720)を抜けると、スイッチ制御確認処理(S721)が実行される。この処理は、図31に示されており、まず、スイッチシナリオ設定処理(S734)にて、何らかのスイッチ関数が設定されたか否かがチェックされる(S750)。スイッチ関数が何ら設定されていない場合(S750でNo)には、この処理(S721)を抜ける一方、スイッチ関数が設定されている場合(S750でYes)には、その設定されている何れかのスイッチ関数に対応した処理(S81〜S83)が実行される(S751)。
スイッチ関数1処理(S81)が実行されると、図27に示すように、まず、達成演出を行う条件が満たされたか否かがチェックされる(S810)。条件が満たされていない場合(S810でNo)には、この処理(S81)を抜ける一方、条件が満たされている場合(S810でYes)には、達成演出を行うことができる(演出成功)と判断して(S811)、この処理(S81)を抜ける。演出成功の場合は、待機期間E1の終了後、有効期間E2に移行せずに操作対応演出期間E3に移行して「達成演出」が表示される。
スイッチ関数1処理(S81)において達成演出を行う条件が満たされなかった(演出成功にならなかった)場合には、スイッチ関数2処理(S82)が実行される。スイッチ関数2処理(S82)が実行されると、図28に示すように、まず、操作ボタン29が操作されたか否かがチェックされる(S820)。操作ボタン29が操作されていない場合(S820でNo)には、この処理(S82)を抜ける一方、操作ボタン29が操作された場合(S820でYes)には、達成演出を行うための条件が満たされたか否かがチェックされる(S821)。条件が満たされている場合(S821でYes)には、達成演出を行うことできる(演出成功)と判断して(S822)、この処理(S82)を抜ける。演出成功の場合は、第1有効期間E4の終了後、第2有効期間E5に移行せずに操作対応演出期間E3に移行して「達成演出」が表示される。
一方、達成演出を行う条件が満たされていない場合(S821でNo)には、第1有効期間E4内における操作ボタン29の操作回数(以下、「第1期間操作回数P1」という)をカウントするカウンタを1加算する(S823)。
スイッチ関数2処理(S82)において達成演出を行う条件が満たされなかった(演出成功にならなかった)場合には、スイッチ関数3処理(S83)が実行される。スイッチ関数3処理(S83)が実行されると、図29に示すように、まず、実行中の「大当り遊技表示演出」におけるスイッチ関数3のコールが1回目か(スイッチ関数2処理(S82)の後の最初の1回目か)否かがチェックされる(S830)。コールが1回目である場合(S830でYes)には、条件再設定処理(S831)が行われる。一方、コールが1回目でない場合(S830でNo)には、条件再設定処理(S831)が既に終了しているから、ステップS832へジャンプする。なお、条件再設定処理(S831)は、本発明の「基準回数再設定手段」に相当する。
上述したように、条件再設定処理(S831)は、スイッチ関数2処理(S82)の後の最初の1回目にスイッチ関数3処理(S83)が実行されたときだけ行われる処理である。条件再設定処理(S831)は、図30に示されており、第1有効期間E4中の操作ボタン29の繰り返し操作速度と同じ操作速度を維持して第2有効期間E5の終了まで操作ボタン29が操作された場合を想定して、第2有効期間E5の間に操作することが可能な第2期間操作回数P2を、第1期間操作回数P1に基づいて推定する。具体的には、下記の計算式(1)によって第2期間操作回数P2の推定値を演算する。ここで、T4は第1有効期間E4の時間であり、T5は第2有効期間E5の時間である(図32参照)。
P2=T5・(P1/T4)・・・(1)
例えば、図32に示す大当り遊技表示演出のAパターン又はDパターンにおいて、第1有効期間E4(T4=10秒)の間に、例えば、操作ボタン29が14回(P1=14)操作された場合には、第2有効期間E5(T5=10秒)の間に操作することが可能な第2期間操作回数P2は、「14回」と推定される。即ち、有効期間E2の開始から終了まで、同じ繰り返し操作速度を維持して操作ボタン29が操作されたと仮定したときに到達し得る推定操作回数P3(=P1+P2)は、28回となる。
同じくAパターン又はDパターンにおいて、第1有効期間E4(T4=10秒)の間に、例えば、操作ボタン29が7回(P1=7)しか操作されなかった場合には、第2有効期間E5(T5=10秒)の間に操作することが可能な第2期間操作回数P2は、「7回」と推定される。即ち、有効期間E2の開始から終了まで、同じ繰り返し操作速度を維持して操作ボタン29が操作されたと仮定したときに到達し得る推定操作回数P3(=P1+P2)は、14回となる。
次に、この第2期間操作回数P2の推定値に基づいて第2基準回数K2を設定する際の条件を決定し(S842)、その条件に従って第2基準回数K2を設定する(S843)。例えば、第2期間操作回数P2の推定値(少数点以下切り捨て)をそのまま第2基準回数K2に設定してもよいし、第2期間操作回数P2の推定値(少数点以下切り捨て)から所定の整数N(例えば、N=1)を差し引いた値「P2−N」を、第2基準回数K2に設定してもよいし、第2期間操作回数P2の推定値に1未満の係数α(例えば、α=0.9)をかけた値「α・P2」(少数点以下切り捨て)を、第2基準回数K2に設定してもよい。これにより、第2基準回数K2が、第1有効期間E4における遊技者それぞれの繰り返し操作速度に対応したものに設定される。つまり、第1有効期間E4中の操作ボタン29の繰り返し操作が速いほど(第1期間操作回数P1が多いほど)、設定される第2基準回数K2並びに、第1期間操作回数P1と第2基準回数K2の和である基準達成回数K3が多くなり、第1有効期間E4中の操作ボタン29の繰り返し操作が遅いほど(第1期間操作回数P1が少ないほど)、設定される第2基準回数K2及び基準達成回数K3が少なくなる。
また、上記した3つの設定条件のように、第2基準回数K2が第2期間操作回数P2の推定値以下でありかつ、第2基準回数K2と第2期間操作回数P2との差分がなるべく小さくなるような(例えば、P2−K2≦2)条件としておけば、有効期間E2の開始から終了まで同じ繰り返し操作速度を維持して操作ボタン29の操作を続けた場合に、殆どの遊技者は、有効期間E2の終了間際に、操作回数が基準達成回数K3(=P1+K2)に到達するようになる。即ち、操作ボタン29の繰り返し操作の遅速に拘わらず、各遊技者は、有効期間E2のほぼ全期間を費やして、それぞれの繰り返し操作速度に応じて設定された基準達成回数K3に到達することが可能になる。なお、有効期間E2の終了まで同じ繰り返し操作速度が維持されていなくても、結果的に、第2有効期間E5中の単位時間当たりの操作回数が、第1有効期間E4中の単位時間当たりの操作回数以上になれば、基準達成回数K3に到達することが可能になる。
また、条件再設定処理(S831)では、第2基準回数K2の設定に伴い、表示画面34に表示されるグラフ34Gの変化速度を変更する。即ち、第2基準回数K2が比較的多い回数に設定されたということは、第1期間操作回数P1も比較的多かったということであり、第1有効期間E4の終了時点でグラフ34Gは最高レベルに比較的近づいている。換言すれば、グラフ34Gが最高レベルに到達するまでに残された「伸びしろ」が比較的短いから、第2有効期間E5中の操作回数が第2基準回数K2(有効期間E2中の通算操作回数が基準達成回数K3)に到達するタイミングと、グラフ34Gが最高レベルに到達するタイミングとがマッチするように、第2有効期間E5におけるグラフ34Gの変化速度を、第1有効期間E4における変化速度よりも遅くする。
一方、第2基準回数K2が比較的少ない回数に設定されたということは、第1期間操作回数P1も比較的少なかったということであり、第1有効期間E4の終了時でグラフ34Gは最高レベルから比較的離れている。換言すれば、グラフ34Gが最高レベルに到達するまでに残された「伸びしろ」が比較的長いから、第2有効期間E5中の操作回数が第2基準回数K2(有効期間E2中の通算操作回数が基準達成回数K3)に到達するタイミングと、グラフ34Gが最高レベルに到達するタイミングとがマッチするように、第2有効期間E5におけるグラフ34Gの変化速度を、第1有効期間E4における変化速度よりも速くする。
これにより、有効期間E2の開始から終了まで同じ繰り返し操作速度を維持して操作ボタン29の操作を続けると、殆どの遊技者は、有効期間E2が終了する間際に、基準達成回数K3に到達すると共に、グラフ34Gが最高レベルに到達することになる。
図29に示すように、条件再設定処理(S831)が終了すると、操作ボタン29が操作されたか否かがチェックされる(S832)。操作ボタン29が操作されていない場合(S832でNo)には、この処理(S83)を抜ける一方、操作ボタン29が操作された場合(S832でYes)には、第2有効期間E5における実際のボタン操作回数(第2期間操作回数P2)がステップS843にて設定された第2基準回数K2に達したか否かがチェックされる(S833)。そして、実際の第2期間操作回数P2が第2基準回数K2に達していない場合(S833でNo)、即ち、有効期間E2における通算の操作回数が、基準達成回数K3(=P1+K2)に達していない場合には、実際の第2期間操作回数P2をカウントするカウンタを1加算して(S835)、この処理(S83)を抜ける。一方、実際の第2期間操作回数P2が第2基準回数K2に達している場合(S833でYes)、即ち、有効期間E2における通算の操作回数が基準達成回数K3に達している場合には、演出成功と判断しスイッチ演出の処理を終了する(S834)。
そして、有効期間E2における通算の操作回数が基準達成回数K3に達した場合(S833でYes)には、操作対応演出期間E3の演出として、「達成演出」が設定される。また、有効期間E2における通算の操作回数が基準達成回数K3に満たなかった場合には、操作対応演出期間E3の演出として「未達成演出」が設定される。
本実施形態のパチンコ遊技機10の構成に関する説明は以上である。次に、本実施形態の動作を説明する。大当りエンディング演出(図33(B)参照)に次いで、確変確定の大当り遊技表示演出(図32におけるA〜Cパターン)が開始されると、表示画面34では待機期間E1の表示演出が開始される。例えば、図33(C)に示すように表示画面34上に主人公と敵が登場すると共に、戦闘レベルを示すグラフ34Gが表示される。グラフ34Gを表示することで、遊技者に操作ボタン29の操作が必要になることを暗に予告することができる。待機期間E1が終了して有効期間E2になると、表示画面34が切り替わって「操作ボタンを連打せよ!」というメッセージが表示される(図33(D)参照)と共に、操作ボタン29が点灯して遊技者に操作を促す。有効期間E2になった後で操作ボタン29を繰り返し操作(連打)すると、その繰り返し操作速度に応じてグラフ34Gが、最高レベルに向かって徐々に延びていく(図33(E)参照)。このとき遊技者は、グラフ34Gによって基準達成回数K3までの到達度を把握し、グラフ34Gが最高レベルに到達することを目標にして操作ボタン29の操作を続ける。そして、有効期間E2が終了すると、表示画面34が切り替わって、操作ボタン29の操作回数に応じた表示演出が行われる。即ち、有効期間E2における操作ボタン29の操作回数が、基準達成回数K3に達していた場合には、主人公が敵を倒す達成演出(図33(F)参照)が表示され、基準達成回数K3に満たなかった場合には、主人公が敵に敗れる未達成演出(図33(G)参照)が表示される。
ところで、上述した確変確定の大当り遊技表示演出は、有効期間E2の開始から終了まで操作ボタン29を休まず連打し続けた場合の操作回数が、有効期間E2の終了間際になんとか基準達成回数K3に到達する、という内容で行うことができれば、遊技者の遊技意欲を最後まで持続させることができる。しかしながら、操作ボタン29の繰り返し操作速度には個人差があり、操作ボタン29を平均的な繰り返し操作速度よりも速く行うことができる遊技者もいれば、平均的な繰り返し操作速度よりも遅い遊技者もいる。そして、従来のパチンコ遊技機では、基準達成回数K3が一律に定められていたため、操作ボタン29の繰り返し操作が比較的速い遊技者や比較的遅い遊技者は、遊技意欲を持続させることができないという問題があった。具体的には、操作ボタン29の繰り返し操作が速い遊技者は、有効期間E2を十分に残したまま基準達成回数K3に到達してしまうため、早々と達成演出が表示されることが分かってしまい、次第に緊張感が無くなったり、有効期間E2が無駄に長過ぎると感じるようになって、遊技意欲が減退してしまっていた。一方、操作ボタン29の繰り返し操作が遅い遊技者は、有効期間E2の終了まで休まず操作ボタン29の連打を続けたにも拘わらず、達成演出を見ることができないため、次第に操作ボタン29の操作に対する興味を無くしてしまう。これに対し、本実施形態のパチンコ遊技機10は、以下に説明するように、操作ボタン29の繰り返し操作の遅速に拘わらず、確変確定の大当り遊技表示演出に対する遊技意欲を持続させることが可能となっている。
具体的には、有効期間E2の前半(第1有効期間E4)における操作ボタン29の繰り返し操作が比較的速く行われて、第1期間操作回数P1が多くなるほど、その後の「達成演出」の実行に必要な基準達成回数K3(第2基準回数K2)が多くなるように設定される。従って、操作ボタン29の繰り返し操作が速い遊技者であっても、有効期間E2の後半(第2有効期間E5)で油断をすると、基準達成回数K3に到達せず、達成演出が見られないという事態が起こり得るから、操作ボタン29の繰り返し操作が早い遊技者でも、達成演出が表示されるか否かは有効期間E2の最後まで把握することが困難になる。しかも、有効期間E2の後半(第2有効期間E5)になると、前半よりもグラフ34Gの変化速度が遅くなるから、グラフ34Gを目安にしてボタン操作を行う遊技者に危機感を抱かせることができる。これにより、操作ボタン29の繰り返し操作が比較的速い遊技者に対し、有効期間E2の終了まで確実に期待感と緊張感を持たせることができる。
一方、有効期間E2の前半(第1有効期間E4)における操作ボタン29の繰り返し操作が比較的遅く行われて、第1期間操作回数P1が少なくなるほど、その後の「達成演出」の実行に必要な基準達成回数K3(第2基準回数K2)が少なくなるように設定される。従って、操作ボタン29の繰り返し操作が遅い遊技者でも、有効期間E2の終了まで諦めずに操作ボタン29の操作を続ければ、有効期間E2の終了間際に基準達成回数K3に到達して達成演出が見られる可能性が高まる。しかも、有効期間E2の後半(第2有効期間E5)になると、前半よりもグラフ34Gの変化速度が速くなるから、グラフ34Gを目安にしてボタン操作を行う遊技者の、ボタン操作に対する意欲を喚起することができる。従って、操作ボタン29の繰り返し操作の遅い遊技者に対し、有効期間E2の最後まで確実に期待感を持たせることができる。
つまり、本実施形態のパチンコ遊技機10によれば、操作ボタン29の繰り返し操作の遅速に拘わらず、大当り遊技表示演出において、遊技意欲を持続させることができる。
また、第2基準回数K2を第2期間操作回数P2の推定値以下に設定することで、有効期間E2の終了まで同じ繰り返し操作速度を維持して(第1有効期間E4と第2有効期間E5の単位時間当たりの操作回数が同じになるような操作で)操作ボタン29を操作すれば、確実に基準達成回数K3に到達可能になるので、有効期間E2が終了するまで諦めずに操作ボタン29の操作を続けたという努力に対して、確実に報いることができる。
[第2実施形態]
本実施形態のパチンコ遊技機10は、予め第1基準回数K1,第2基準回数K2及び基準達成回数K3の既定値がそれぞれ設定されており(図32参照)、第1期間操作回数P1が第1基準回数K1の既定値より多いほど、基準達成回数K3(第2基準回数K2)が既定値に対して多くなるように再設定する一方、第1期間操作回数P1が第1基準回数K1の既定値より少ないほど、基準達成回数K3(第2基準回数K2)が既定値に対して少なくなるように再設定する構成となっている。
具体的には、図34に示すように、条件再設定処理(S831)において、まず、第1期間操作回数P1が予め設定された第1基準回数K1(図32参照)と同じか否かがチェックされる(S840)。第1期間操作回数P1が第1基準回数K1と同じである場合(S840でYes)には、設定される第2基準回数K2(基準達成回数K3)を既定値(図32参照)のままとして(S843)、この処理(S831)を抜ける。なお、このとき、グラフ34Gの変化速度は変更されない。
一方、第1期間操作回数P1が第1基準回数K1と同じではない場合(S840でNo)、即ち、第1期間操作回数P1が第1基準回数K1より多いか又は少ない場合には、上記実施形態と同様の処理(S841〜S842)を実行して第2基準回数K2(基準達成回数K3)を再設定する。
例えば、図32に示す大当り遊技表示演出のAパターン又はDパターンにおいて、第1有効期間E4(T4=10秒)の間に、例えば、操作ボタン29が第1基準回数K1(10回)を上回る14回(P1=14)操作された場合には、第2有効期間E5(T5=10秒)の間に操作することが可能な第2期間操作回数P2は、第2基準回数K2の既定値(10回)より多い「14回」と推定されるから、その推定回数に基づいて第2基準回数K2が既定値より多くなるように再設定する。例えば、第2基準回数K2を「14回」に再設定する。即ち、有効期間E2の開始から終了まで、同じ繰り返し操作速度を維持して操作ボタン29が操作された場合に到達し得る推定操作回数P3(=P1+P2)は、28回であるから、その推定操作回数P3に基づいて、基準達成回数K3を既定値(20回)よりも多い回数(例えば、28回)に再設定する。このとき、グラフ34Gの変化速度は、第1有効期間E4よりも遅くなる。
同じくAパターン又はBパターンにおいて、第1有効期間E4(T4=10秒)の間に、例えば、操作ボタン29が第1基準回数(10回)を下回る7回(P1=7)しか操作されなかった場合には、第2有効期間E5(T5=10秒)の間に操作することが可能な第2期間操作回数P2は、既定の第2基準回数K2(10回)より少ない「7回」と推定されるから、その推定回数に基づいて第2基準回数K2が既定の回数より少なくなるように再設定する。例えば、第2基準回数K2を「7回」に再設定する。即ち、有効期間E2の開始から終了まで、同じ繰り返し操作速度を維持して操作ボタン29が操作された場合に到達し得る推定操作回数P3(=P1+P2)は、14回であるから、その推定操作回数P3に基づいて、基準達成回数K3を既定値(20回)よりも少ない回数(例えば、14回)に再設定する。このとき、グラフ34Gの変化速度は、第1有効期間E4よりも速くなる。
その他の構成は上記第1実施形態と同一であるから、重複する説明は省略する。本実施形態によれば、上記第1実施形態と同等の効果を奏する。
本実施形態では、第1有効期間E4における操作ボタン29の操作回数(第1期間操作回数P1)に応じて、再設定される第2基準回数K2を既定値に対して増減させていたが、第1期間操作回数P1が、第1基準回数K1以下の場合は、設定される第2基準回数K2を既定値のままとし、第1期間操作回数P1が第1基準回数K1より多いほど、再設定される第2基準回数K2が既定値より多くなるようにしてもよい。
例えば、第1基準回数K1の既定値を、繰り返し操作の遅い遊技者でも到達可能な比較的少ない回数(例えば、第1有効期間10秒に対して5回)としておき、第1期間操作回数P1が、この第1基準回数K1より多いほど、再設定される第2基準回数K2が多くなるようにしてもよい。例えば、「1」以上の複数種類の係数(「1」,「1.2」,「1.4」,「1.6」・・・)を予め設定して、その中から選択された一の係数を第2基準回数K2の既定値にかけた値を、第2基準回数K2として再設定するようにしておき、第1期間操作回数P1が第1基準回数K1からかけ離れるほど、大きい係数が選択されるようにしてもよい。
また、第1期間操作回数P1が、第1基準回数K1以上の場合は、設定される第2基準回数K2を既定値のままとし、第1期間操作回数P1が第1基準回数より少ないほど、再設定される第2基準回数K2が既定値より少なくなるようにしてもよい。
例えば、第1基準回数K1の既定値を、繰り返し操作の速い遊技者でも殆ど到達し得ない回数(例えば、第1有効期間10秒に対して30回)としておき、第1期間操作回数P1が、この第1基準回数K1より少ないほど、再設定される第2基準回数K2が少なくなるようにしてもよい。例えば、「1」以下の複数種類の係数(「1」,「0.8」,「0.6」,「0.4」・・・)を予め設定して、その中から選択された一の係数を第2基準回数K2の既定値にかけた値を、第2基準回数K2として再設定するようにしておき、第1期間操作回数P1が第1基準回数K1からかけ離れるほど、小さい係数が選択されるようにしてもよい。
[第3実施形態]
上記第1実施形態では、条件再設定処理(S831)において、第1期間操作回数P1から第2期間操作回数P2を推定し、第1期間操作回数P1と第2期間操作回数P2とに基づいて、基準達成回数K3が設定されていたが、第1有効期間E4中の操作ボタン29の繰り返し操作速度と同じ繰り返し操作速度を維持して有効期間E2の終了まで操作ボタン29が操作された場合に、有効期間E2の間に到達し得る推定操作回数P3を、下記計算式(2)によって演算し、基準達成回数K3を推定操作回数P3以下に設定するように構成してもよい。ここで、T4は第1有効期間E4の時間であり、T2は有効期間E2の時間である(図32参照)。
P3=P1・(T2/T4)・・・(2)
例えば、図32に示す大当り遊技表示演出のAパターン又はDパターンにおいて、第1有効期間E4(T4=10秒)の間に、例えば、操作ボタン29が14回(P1=14)操作された場合には、有効期間E2の開始から終了まで、同じ繰り返し操作速度を維持して操作ボタン29が操作された場合に、有効期間E2(T2=20秒)の間に操作することが可能な推定操作回数P3は28回であるから、基準達成回数K3を28回以下に設定する。
同じくAパターン又はDパターンにおいて、第1有効期間E4(T4=10秒)の間に、例えば、操作ボタン29が7回(P1=7)しか操作されなかった場合には、有効期間E2の開始から終了まで、同じ繰り返し操作速度を維持して操作ボタン29が操作された場合に有効期間E2の間に到達し得る推定操作回数P3は14回であるから、基準達成回数を14回以下に設定する。
その他の構成は上記第1実施形態と同一であるから、重複する説明は省略する。本実施形態によっても、上記第1実施形態と同等の効果を奏する。
[他の実施形態]
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)前記実施形態では、パチンコ遊技機10に本発明を適用していたが、他の弾球遊技機やコイン遊技機に適用してもよい。
(2)前記実施形態では、第1期間操作回数P1に基づいて第2期間操作回数P2を推定し、第1期間操作回数P1と第2期間操作回数P2とに基づいて、設定する基準達成回数K3を演算していたが、例えば、第1有効期間E4と第2有効期間E5が同じ長さである場合に、第2期間操作回数P2を推定せずに、例えば、第1期間操作回数P1を、そのまま第2基準回数K2として設定して、それら第1期間操作回数P1と第2基準回数K2の合計を、基準達成回数K3としてもよい。
(3)前記実施形態では、表示画面34に、操作ボタン29の繰り返し操作速度に応じて変化するグラフ34Gが表示されるように構成されていたが、操作ボタン29の繰り返し操作速度に応じて変化(増加又は減少)する数値を表示するようにしてもよい。また、これらグラフ34Gや数値を表示しない構成でもよい。
(4)前記実施形態では、大当り遊技表示演出を、大当り遊技における最終ラウンドの終了後に行っていたが、最初のラウンドの前に行ってもよいし、何れかのラウンド中に行ってもよいし、ラウンド間のインターバル期間に行ってもよい。
(5)前記実施形態では、本発明に係る「操作演出態様」として、大当り状態のときに行われる大当り遊技表示演出を例示したが、「操作演出態様」は、通常の遊技状態のときに行われる表示演出でもよい。
(6)前記実施形態では、本発明に係る「操作手段」として操作ボタン29を例示したが、パチンコ遊技機10の前面にタッチセンサを設けて「操作手段」としてもよい。また、液晶表示装置13の表示画面34をタッチパネルで構成して「操作手段」としてもよい。