以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図7は本発明をパチンコ機に採用した一実施形態を例示している。図1において、遊技機本体1は、矩形状の外枠2と、この外枠2の前側に開閉自在に枢着された前枠3とを備えている。前枠3の前側には、ガラス扉4と前面板5とが上下に配置され、前枠3に開閉自在に枢支されている。前面板5には、その前側に、発射手段(図示省略)に供給するための遊技球を貯留する貯留皿6、発射手段を作動させるための発射ハンドル7等が設けられている。
ガラス扉4の後側には、図2に示す遊技盤11が前枠3に対して例えば前側から着脱自在に装着されている。遊技盤11の前面側には、発射手段から発射された遊技球を案内するガイドレール12が略環状に装着されると共に、そのガイドレール12の内側の遊技領域13に、センターケース14、普図始動手段15、特図始動手段16、大入賞手段17、普通入賞手段18等の各種遊技部品が配置されている。
センターケース14には、液晶表示手段等よりなる画像表示手段21の他、普通図柄表示手段22、特別図柄表示手段23、普図保留個数表示手段24等が設けられている。画像表示手段21は、普通図柄演出表示手段20、特別図柄演出表示手段25、特図保留個数表示手段26等を構成している。
普通図柄表示手段22は、普通図柄を変動表示可能な複数、例えば2個の発光体(例えばLED)により構成されており、通過ゲート等よりなる普図始動手段15が遊技球を検出すること(所定条件が成立すること)に基づいて、それら2つの発光体の発光状態の組み合わせを繰り返し変更することにより普通図柄を所定時間変動させた後、普図始動手段15による遊技球検出時に取得された当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致する場合には普図当選に対応する発光態様(普図当選態様)で、それ以外の場合には普図外れに対応する発光態様(普図外れ態様)で、それぞれ変動を停止させるようになっている。なお、この普通図柄表示手段(第1普図変動演出手段)22による普通図柄の変動表示が普図変動演出の一例である。
本実施形態の普図当選には例えば「普図大当選」と「普図小当選」との2種類あり、例えば当たり判定乱数値が当たり判定値と一致した場合に、当たり振分乱数値に基づいて「普図大当選」と「普図小当選」との何れかが選択され、「普図大当選」の場合には普通図柄は普図当選態様のうちの普図大当選態様で停止し、「普図小当選」の場合には普通図柄は普図当選態様のうちの普図小当選態様で停止するようになっている。もちろん、「普図小当選」と「普図大当選」との振り分けについても当たり判定乱数値を用いて行うようにしてもよい。即ち、当たり判定乱数値が、当たり判定値のうちの普図小当選判定値と一致する場合には「普図小当選」とし、当たり判定値のうちの普図大当選判定値と一致する場合には「普図大当選」とするように構成してもよい。
また、普通図柄表示手段22の変動表示中、又は後述する普通利益状態中に普図始動手段15が遊技球を検出した場合には、その検出時に取得された当たり判定乱数値が予め定められた上限保留個数、例えば4個を限度として記憶されると共に、例えば上限保留個数と同数の発光体よりなる普図保留個数表示手段24がその発光個数により当たり判定乱数値の記憶個数(以下、普図保留個数という)を表示して、その時点での普図保留個数を遊技者に報知するようになっている。
特図始動手段16は、特別図柄表示手段23による図柄変動を開始させるためのもので、上下2つの特図始動入賞手段27a,27bを備え、例えばセンターケース14の下側に配置されている。
上特図始動入賞手段27aは、開閉手段等を有しない非作動式の入賞手段である。下特図始動入賞手段(作動式始動入球手段)27bは、開閉手段28により遊技球が入賞不可能(又は入賞困難)な閉状態と入賞容易な開状態とに切り換え可能な作動式の入賞手段で、普通図柄表示手段22の変動後の停止図柄が普図当選態様となって普通利益状態が発生したときに、開閉手段28が例えば複数種類の開閉パターンの何れかに従って所定時間、所定回数だけ閉状態から開状態に変化するように構成されている。
本実施形態では、下特図始動入賞手段27bの開閉パターンが3種類設けられており、図4に示すように、後述する特別遊技状態中以外の通常遊技状態中は、普図大当選の場合には5.0秒開放×1回の開閉パターンが、普図小当選の場合には0.5秒開放×1回の開閉パターンがそれぞれ選択され、特別遊技状態中は、普図当選の種類に拘わらず1.8秒開放×3回の開閉パターンが選択されるようになっている。
特別図柄表示手段23は、1個又は複数個、例えば1個の特別図柄を変動表示可能な7セグメント式等の表示手段により構成されており、特図始動手段16が遊技球を検出すること、即ち上下2つの特図始動入賞手段27a,27bの何れかに遊技球が入賞することに基づいて特別図柄を所定時間変動表示させた後、特図始動入賞手段27a,27bへの入賞時に取得された大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致する場合には所定の特図当選態様で、それ以外の場合には特図外れ態様で停止させるようになっている。なお、この特別図柄表示手段(特図変動演出手段)23による特別図柄の変動表示が特図変動演出の一例である。
特別図柄には、例えば特図当選態様と特図外れ態様とが夫々1又は複数種類ずつ設けられている。なお、それら各態様には夫々数字図柄等を割り当ててもよいし、遊技者がその特別図柄の種類を容易に区別できないように、任意の線や点の組み合わせのような特別な意味を持たない図柄を割り当ててもよい。
また、特別図柄の変動表示中、又は後述する特別利益状態中に特図始動入賞手段27a,27bに遊技球が入賞した場合には、その入賞時に取得された大当たり判定乱数値等が夫々所定の上限保留個数、例えば各4個を限度として記憶されると共に、特図保留個数表示手段26が大当たり判定乱数値の記憶個数(以下、特図保留個数という)を表示して、その時点での特図保留個数を遊技者に報知するようになっている。
普通図柄演出表示手段20は、例えば普通図柄表示手段22による普通図柄の変動に関する演出表示を行うもので、1個又は複数個、例えば1個の普通演出図柄を画像表示手段21の表示画面21a上で変動表示可能に構成されており、普図始動手段15が遊技球を検出することに基づいて、例えば普通図柄の変動開始と同時に、複数種類の普通演出変動パターンの何れかに従って普通演出図柄の変動を開始すると共に、例えば普通図柄の変動停止と同時に最終停止するようになっている。
なお、この普通図柄演出表示手段(第2普図変動演出手段)20による普通演出図柄の変動表示も、普通図柄表示手段22による普通図柄の変動表示と同様、普図変動演出の一例である。即ち本実施形態では、普図変動演出を行う普図変動演出手段として、普通図柄表示手段22と普通図柄演出表示手段20との2種類設けられている。
本実施形態の普通演出図柄は、例えば複数種類のキャラクター画像で構成されており、例えば普通図柄の変動後の停止図柄態様が普図大当選態様となる場合には所定の「当たり態様」に対応するキャラクター画像で、普図小当選態様と普図外れ態様との何れかの場合には所定の「外れ態様」に対応するキャラクター画像で停止するようになっている。上述したように、通常遊技状態中の「普図小当選」の場合に選択される下特図始動入賞手段27bの開閉パターンは、入賞がほとんど期待できない0.5秒開放×1回であり、遊技者にとっては実質的に「普図外れ」と同じである。従って、本実施形態の普通図柄演出表示手段20による普通演出図柄の変動表示では、「普図小当選」は「普図外れ」と同じ扱いとなっている。
また本実施形態では、普通演出変動パターン(演出態様)として、例えば正方向に普通速度で変動するノーマル変動パターン、正方向にコマ送りで変動するコマ送り変動パターン、逆方向に普通速度で変動する逆回転変動パターン、発光しながら正方向に変動する発光変動パターン、発光しながら逆方向に変動する発光逆回転変動パターンの5種類が設けられているものとする(図7)。
特別図柄演出表示手段25は、例えば特別図柄表示手段23による特別図柄の変動に関する演出を行うもので、1個又は複数個、例えば左右方向に3個の特別演出図柄を例えば各種の演出画像と共に画像表示手段21の表示画面21a上で変動表示可能に構成されており、特図始動手段16が遊技球を検出すること、即ち上下2つの特図始動入賞手段27a,27bの何れかに遊技球が入賞することに基づいて、例えば特別図柄の変動開始と同時に、複数種類の特別演出変動パターンの何れかに従って特別演出図柄の変動を開始すると共に、特別図柄の変動停止と同時に最終停止するように、特別演出図柄を左、右、中等の所定の順序で停止させるようになっている。
なお、この特別図柄演出表示手段(特図変動演出手段)25による特別演出図柄の変動表示も、特別図柄表示手段23による特別図柄の変動表示と同様、特図変動演出の一例である。即ち本実施形態では、特図変動演出を行う特図変動演出手段として、特別図柄表示手段23と特別図柄演出表示手段25との2種類設けられている。
特別演出図柄には、例えば「0」〜「9」の10種類の数字図柄が用いられ、「6・6・6」「7・7・7」等、3つの図柄が全て同じ図柄で揃ったものが特図当選態様、少なくとも1つの図柄が異なるものが特図外れ態様となっており、例えば特別図柄が特図当選態様で停止する場合には特別演出図柄も特図当選態様で停止し、特別図柄が特図外れ態様で停止する場合には特別演出図柄も特図外れ態様で停止するようになっている。なお、特別図柄演出表示手段25は、特別図柄の変動内容とは直接関係のない演出を行う場合があってもよい。
特図保留個数表示手段26は、例えば保留表示画像Xの表示個数により特図保留個数を表示するもので、表示画面21a上の所定箇所、例えば下部側に特図保留個数分の保留表示画像Xを表示するようになっている。
大入賞手段17は、遊技球が入賞不可能な閉状態と入賞容易な開状態とに切り換え可能な開閉板29を備えた作動式の入賞手段で、特別図柄表示手段23の変動後の特別図柄が特図当選態様となることに基づいて特別利益状態(利益状態)が発生したときに、開閉板29が所定の開放パターンに従って前側に開放して、その上に落下した遊技球を内部へと入賞させるようになっている。
図3は本パチンコ機の制御系のブロック図である。図3において、31は主制御基板、32は演出制御基板で、これら各制御基板31,32は、遊技盤11に装着されたセンターケース14、その他の複数個の遊技部品を裏側から一括して覆う裏カバーの裏側等、前枠3及び遊技盤11を含む遊技機本体1の裏側の適宜箇所に着脱自在に装着された基板ケースに夫々収納されている。なお、図3では演出制御基板32以外のサブ制御基板、例えば払い出し制御基板、液晶制御基板等については省略している。
主制御基板31は、遊技の進行を統括的に制御するもので、CPU,ROM,RAM等により構成される普図乱数作成処理手段41、普図始動口チェック処理手段42、普図乱数記憶手段43、普通図柄処理手段44、普通図柄表示制御手段45、普通利益状態発生手段46、特図乱数作成処理手段51、特図始動口チェック処理手段52、特図乱数記憶手段53、特別図柄処理手段54、特別図柄表示制御手段55、特別利益状態発生手段56、特別遊技状態発生手段57、コマンド送信手段58等を備えている。
普図乱数作成処理手段41は、変動後の普通図柄を普図当選態様とするか否かの判定に用いる当たり判定乱数、普図大当選と普図小当選との振り分けに用いる当たり振分乱数等を所定時間毎に繰り返し発生するように構成されている。普図始動口チェック処理手段42は、普図始動手段15による遊技球の検出に基づく処理を行うもので、普図始動手段15が遊技球を検出することに基づいて、普図乱数作成処理手段41で作成された当たり判定乱数値、当たり振分乱数値等を各1個取得し、それら当たり判定乱数値等を予め定められた上限保留個数(例えば各4個)を限度として先入れ先出し式の普図乱数記憶手段43に記憶させるように構成されている。
普通図柄処理手段44は、普通図柄の変動表示に関する処理を行うもので、普図当選判定手段44a、普図停止態様選択手段44b、変動時間選択手段44c等を備えている。普図当選判定手段44aは、乱数抽選により普図当選か否か等の判定を行うもので、普通図柄表示手段22が変動表示可能な状態となり且つ普図乱数記憶手段43に1個以上の当たり判定乱数値が記憶されていること(普図保留個数が1以上であること)を条件に、普図乱数記憶手段43に記憶されている当たり判定乱数値の待ち行列からその先頭の当たり判定乱数値を取り出し、その当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致するか否かに応じて普図当選/普図外れの判定を行い、また普図当選の場合には、当たり判定乱数値と共に普図乱数記憶手段43に記憶されている当たり振分乱数値に基づいて普図大当選/普図小当選の判定を行うように構成されている。
本実施形態では、普図当選の確率は、後述する特別遊技状態中以外の通常遊技状態中は100/251に、特別遊技状態中は250/251にそれぞれ設定され、また普図大当選/普図小当選の振分率は遊技状態に拘わらず1:9に設定されるものとする(図4)。従って、通常遊技状態中に普図大当選/普図小当選/普図外れとなる確率はそれぞれ10/251、90/251、151/251となる。
普図停止態様選択手段44bは、普通図柄の変動後の停止図柄態様を選択するもので、普図当選判定手段44aによる普図大当選/普図小当選/普図外れの判定結果に基づいて普図大当選態様/普図小当選態様/普図外れ態様の何れかを選択するように構成されている。
変動時間選択手段44cは、普通図柄の変動時間を複数種類の中から選択するもので、普図当選判定手段44aによる普図大当選/普図小当選/普図外れの判定結果と普図変動時間振り分けテーブルとに基づいて、複数種対の変動時間の何れかを選択するように構成されている。本実施形態では、普通図柄の変動時間として、長/短の2種類と、後述する特別遊技状態専用の変動時間(例えば1s)との計3種類が設けられており、図5に示すような普図変動時間振り分けテーブルが予め設定されているものとする。
上述したように、特別遊技状態中については普図当選確率が250/251と極めて高確率に設定されており、普通図柄の変動によって遊技者を煽る必要がないため、図5の普図変動時間振り分けテーブルでは、特別遊技状態中の普通図柄の変動時間は一律に通常よりも短い1sに設定されている。また上述したように、通常遊技状態中の「普図小当選」の場合に選択される下特図始動入賞手段27bの開閉パターンは、入賞がほとんど期待できない0.5秒開放×1回であり、遊技者にとっては実質的に「普図外れ」と同じである。従って、図5の普図変動時間振り分けテーブルでは、通常遊技状態中の普図小当選の場合には、普図外れの場合と同様、長い変動時間の選択率(5/100)よりも短い変動時間の選択率(95/100)の方が高い値に設定されている。
普通図柄表示制御手段(第1普図変動演出制御手段)45は、普通図柄処理手段44による普通図柄処理に基づいて普通図柄表示手段22の表示制御を行うもので、普通図柄表示手段22が変動表示可能な状態となり且つ普図乱数記憶手段43に1個以上の当たり判定乱数値が記憶されていること(普図保留個数が1以上であること)を条件に普通図柄表示手段22による普通図柄の変動を開始させ、変動時間選択手段44cで選択された変動時間が経過することに基づいて、普図停止態様選択手段44bで選択された停止図柄態様で普通図柄の変動を停止させるようになっている。
普通利益状態発生手段46は、特図始動手段16の下特図始動入賞手段27bを例えば複数種類の開閉パターンの何れかに従って開状態に変化させる普通利益状態を発生させるもので、普図当選判定手段44aによる判定結果が普図当選となり、普通図柄表示手段22の変動後の停止図柄態様が普図当選態様となったときに普通利益状態を発生させるようになっている。
本実施形態では、図4に示すように、後述する特別遊技状態中以外の通常遊技状態中は普図大当選と普図小当選とで異なる開閉パターンが選択されるようになっている。即ち、普図大当選の場合の開閉パターンは例えば5.0秒開放×1回であり、その開放中の入賞が容易であるのに対し、普図小当選の場合の開閉パターンは例えば0.5秒開放×1回であり、開放中の入賞は極めて困難である。一方、特別遊技状態中に選択される開閉パターンは、通常遊技状態中に比べて開放時間が長くなっており、本実施形態では普図当選の種類に拘わらず1.8秒開放×3回に設定されている。
このように本実施形態では、通常遊技状態中に関しては、普図小当選は遊技者にとっては実質的に普図外れと同じであるため、通常遊技状態中における実質的な普図当選確率は、普図大当選の確率と同じ(ここでは10/251)である。
特図乱数作成処理手段51は、変動後の特別図柄を特図当選態様とするか否かについての判定に用いる大当たり判定乱数の他、変動後の特別図柄が特図当選態様となる場合の停止図柄態様の選択に用いる大当たり図柄乱数、変動後の特別図柄が特図外れ態様となる場合の停止図柄態様の選択に用いる外れ図柄乱数、特別演出図柄の変動パターンの選択に用いる変動パターン乱数、その他の所定の乱数を繰り返し発生する特図乱数作成処理を行うように構成されている。
特図始動口チェック処理手段52は、特図始動手段16への遊技球の入賞に基づく処理を行うもので、特図始動手段16が遊技球を検出すること、即ち特図始動入賞手段27a,27bに遊技球が入賞することに基づいて、特図乱数作成処理手段51で作成された大当たり判定乱数値及び大当たり図柄乱数値を1個ずつ取得し、それら大当たり判定乱数値及び大当たり図柄乱数値を予め定められた上限保留個数(例えば各4個)を限度として先入れ先出し式の特図乱数記憶手段53に記憶させるように構成されている。
特別図柄処理手段54は、特別図柄の変動表示に関する処理を行うもので、特図当選判定手段54a、特図停止態様選択手段54b、変動パターン選択手段54cを備えている。特図当選判定手段54aは、乱数抽選により特図当選か否か等の判定を行うもので、特別図柄表示手段23が変動表示可能な状態となり且つ特図乱数作成処理手段51に1個以上の大当たり判定乱数値が記憶されていること(特図保留個数が1以上であること)を条件に、特図乱数作成処理手段51から待ち行列の先頭の大当たり判定乱数値を取り出し、その大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致するか否かに応じて特図当選/特図外れの判定を行うように構成されている。
特図停止態様選択手段54bは、特別図柄の変動後の停止図柄態様を選択するもので、特図当選判定手段54aによる特図当選/特図外れの判定結果と、特図乱数記憶手段53に大当たり判定乱数値と共に記憶されている大当たり図柄乱数値又は新たに取得された外れ図柄乱数値とに基づいて、特別図柄の変動後の停止図柄態様を選択するように構成されている。また変動パターン選択手段54cは、特別演出図柄の変動パターン(特別演出変動パターン)を選択するもので、特図当選判定手段54aによる特図当選/特図外れの判定結果と、新たに取得された変動パターン乱数値とに基づいて特別演出変動パターンを選択するように構成されている。
特別図柄表示制御手段(特図変動演出制御手段)55は、特別図柄表示手段23の表示制御を行うもので、特別図柄処理手段54による特別図柄処理に基づいて、特別図柄表示手段23による特別図柄の変動を開始させると共に、変動パターン選択手段54cによって選択された変動パターンに対応する変動時間が経過することに基づいて、特図停止態様選択手段54bによって選択された停止図柄態様で特別図柄の変動を停止させるようになっている。
特別利益状態発生手段(利益状態発生手段)56は、大入賞手段17を所定の開放パターンに従って開放する特別利益状態を発生させるもので、特図当選判定手段54aによる判定結果が特図当選となり、特別図柄表示手段23による特別図柄の変動後の停止図柄態様が特図当選態様となることに基づいて特別利益状態を発生させるようになっている。本実施形態の開放パターンは、大入賞手段17の開放から所定時間(例えば28秒)経過するか、それまでに所定個数(例えば9個)の遊技球が入賞することを条件に大入賞手段17を閉鎖する動作を、所定ラウンド数(例えば15ラウンド)繰り返すように設定されているものとするが、複数種類の開放パターンを設け、例えば大当たり図柄乱数値に基づいてそれらの何れかを選択するように構成してもよい。
特別遊技状態発生手段57は、特別利益状態発生後の所定期間に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるためのもので、例えば特図乱数記憶手段53に記憶された大当たり判定乱数値が大当たり判定値と一致した場合の大当たり図柄乱数値に応じて、例えば時短状態と確変状態との何れかの特別遊技状態を発生させるように構成されている。
時短状態中は、特別図柄に関して特別図柄表示手段23の変動時間が通常変動時間よりも短い短縮変動時間に切り換えられる他、普通図柄に関して、普図当選確率が通常確率(例えば100/251)から高確率(例えば250/251)へ、変動時間が通常変動時間から短縮変動時間(例えば1秒)へ、下特図始動入賞手段27bの開閉手段28の開閉パターンが通常開閉パターン(例えば5.0秒開放×1回)から延長開閉パターン(例えば1.8秒開放×3回)へ、夫々切り換えられるようになっている(図4)。なお、時短状態は、例えば特別利益状態終了後に開始され、その開始後に特別図柄が所定回数(例えば50回)変動するか、それまでに次の特別利益状態が開始された時点で終了するようになっている。
確変状態中は、それ以外の通常確率状態中よりも大当たり判定値の数が例えば1個から10個へ増加されることにより、特別図柄が特図当選態様となる確率が通常確率よりも高い高確率に切り換えられると共に、例えば時短状態と同様の処理も併せて行われるようになっている。なお、確変状態は、例えば特別利益状態終了後に開始され、次の特別利益状態が開始された時点で終了するようになっている。
コマンド送信手段58は、所定の制御コマンドを一方向通信により演出制御基板32等のサブ制御基板側に送信して制御指令を与えるためのもので、普通図柄処理手段44による普通図柄処理に基づいて、普通図柄の変動開始時に、普通図柄の変動時間等を指定する普図変動パターンコマンドを演出制御基板32に送信し、普通図柄の変動終了時に普通演出図柄の変動停止を指示する普図変動停止コマンドを演出制御基板32に送信する機能、特別図柄処理手段54による特別図柄処理に基づいて、特別図柄の変動開始時に、特図保留個数の減算を指定する保留減算コマンド、特別演出変動パターンを指定する特図変動パターンコマンド、特別図柄の停止図柄を指定する特図停止態様指定コマンドをこの順序で演出制御基板32に送信し、特別図柄の変動終了時に特別演出図柄の変動停止を指示する特図変動停止コマンドを演出制御基板32に送信する機能、特図保留個数の増加時にその増加後の特図保留個数を指定する保留増加コマンドを演出制御基板32に送信する機能等を備えている。
ここで、本実施形態の普図変動パターンコマンドは、図5に示すように、例えば普図当選判定手段44aによる判定結果と、変動時間選択手段44cによる選択結果とに対応して複数種類設けられている。図5の例では、普図外れで変動時間:短の場合には“C001H”が、普図小当選で変動時間:長の場合には“C004H”が、特別遊技状態(時短状態又は確変状態)専用の1秒変動の場合には普図当選/普図外れに拘わらず“C007H”がそれぞれ送信される。
演出制御基板32は、画像表示手段21、スピーカ61、電飾手段62等の各種演出手段を制御するもので、演出制御手段63、特図保留個数表示制御手段64、特別図柄演出制御手段65、普通図柄演出制御手段66等を備えている。
演出制御手段63は、各種演出手段を制御するもので、画像表示手段21による画像表示を制御する画像表示制御手段63a、スピーカ61からの音声出力を制御する音声制御手段63b、電飾手段62等の発光を制御する発光制御手段63c等を備えている。
特図保留個数表示制御手段64は、画像表示制御手段63aを介して特図保留個数表示手段26の表示制御を行うもので、特図始動手段16により新たに遊技球が検出され、主制御基板31から保留増加コマンドを受信したときに、その保留増加コマンドに基づいて、画像表示手段21の表示画面21a上の所定位置に増加後の特図保留個数分の保留表示画像Xを表示し、例えば主制御基板31から保留減算コマンドを受信することに基づいて、表示中の保留表示画像Xの数を1個減少させて待ち行列の前側にシフトさせるように構成されている。
特別図柄演出制御手段(特図変動演出制御手段)65は、特別図柄演出表示手段25による特図変動演出を制御するもので、主制御基板31から特図変動パターンコマンド及び特図停止態様指定コマンドを受信した場合に、特別演出図柄の変動後の停止図柄態様、予告演出の種類等を抽選により決定すると共に、特図変動パターンコマンドに対応する変動パターンに基づいて画像表示手段21の表示画面21a上で特別演出図柄の変動を開始させ、その後に特図変動停止コマンドを受信したときに、抽選により決定した停止図柄態様で特別演出図柄の変動を停止させるようになっている。
普通図柄演出制御手段(第2普図変動演出制御手段)66は、普通図柄演出表示手段20による普図変動演出を制御するもので、演出実行抽選手段66a、演出態様抽選手段66b、停止図柄態様選択手段66c等を備えている。
演出実行抽選手段(普図変動演出選択手段)66aは、普通図柄演出表示手段20による普図変動演出を実行するか否かを抽選により決定するもので、例えば主制御基板31から普図変動パターンコマンドを受信したときに、予め設けられた普図変動演出抽選テーブルに基づいて普通図柄演出表示手段20による普図変動演出を実行するか否かの抽選を行うように構成されている。
図6に示すように、普図変動演出抽選テーブルには、特図変動演出の状態、その他の遊技状態に応じて、普通図柄演出表示手段20による普図変動演出の実行確率が設定されている。また、普図変動演出抽選テーブルは、普図当選判定手段44aによる判定結果に対応して複数種類(ここでは普図大当選、普図小当選、普図外れに対応する3種類)設けられている。
本実施形態の普図変動演出抽選テーブルでは、普図外れ(図6(c))よりも普図小当選(図6(b))の方が、また普図小当選(図6(b))よりも普図大当選(図6(a))の方が、普通図柄演出表示手段20による普図変動演出の実行確率が高い値に設定されている。また、各普図変動演出抽選テーブルにおいては、遊技者の利益獲得に対する期待感や遊技意欲が低下しやすい遊技状態(例えば特図変動停止中、リーチなし外れ変動パターンによる特図変動中)ほど、普通図柄演出表示手段20による普図変動演出の実行確率が相対的に高い値となるように設定されている。これにより、遊技者の遊技意欲の落ち込みを効果的に回避してパチンコ機の稼働率を高く維持できる。
なお本実施形態では、普図変動演出を行う普図変動演出手段として、普通図柄表示手段(第1普図変動演出手段)22と普通図柄演出表示手段(第2普図変動演出手段)20との2種類設けられているが、普通図柄表示手段22による普図変動演出は必ず実行されるようになっている。即ち本実施形態では、普図変動演出の演出形態として、普通図柄表示手段22のみを用いて普図変動演出を行う第1の演出形態と、普通図柄表示手段22と普通図柄演出表示手段20との両方を用いて普図変動演出を行う第2の演出形態との2種類設けられており、本実施形態の演出実行抽選手段(普図変動演出選択手段)66aは、それら2種類の演出形態の何れかを選択するように構成されている。
演出態様抽選手段66bは、普通図柄演出表示手段20による普通演出変動パターン(演出態様)を抽選により決定するもので、例えば演出実行抽選手段66aにより普通図柄演出表示手段20による普図変動演出を実行する旨の決定がされた場合に、予め設けられた演出抽選テーブルと、主制御基板31から受信した普図変動パターンコマンドより得られる普図大当選/普図小当選/普図外れの判定結果及び普通図柄の変動時間とに基づいて複数種類の普通演出変動パターン(演出態様)の何れかを選択するように構成されている。
演出抽選テーブルは、図7に示すように、普図大当選/普図小当選/普図外れの判定結果及び普通図柄の変動時間毎に各普通演出変動パターンの振り分け率を規定したものである。図7に示す演出抽選テーブルでは、正方向に普通速度で変動するノーマル変動パターン、正方向にコマ送りで変動するコマ送り変動パターン、逆方向に普通速度で変動する逆回転変動パターン、発光しながら正方向に変動する発光変動パターン、発光しながら逆方向に変動する発光逆回転変動パターンの5種類の普通演出変動パターンが選択対象となっている。
これら5種類の普通演出変動パターンは、その出現後に普通図柄が普図大当選態様となる確率(以下、信頼度という)が夫々異なっており、ノーマル変動パターン及びコマ送り変動パターン(低信頼度演出態様)はその他の変動パターンよりも信頼度が低く、発光逆回転変動パターンが最も信頼度が高く、逆回転変動パターン及び発光変動パターンが中程度の信頼度となっている。
なお上述したように、通常遊技状態中の「普図小当選」の場合に選択される下特図始動入賞手段27bの開閉パターンは、入賞がほとんど期待できない0.5秒開放×1回であり、遊技者にとっては「普図外れ」と同等である。従って、本実施形態における演出抽選テーブルでは「普図小当選」は「普図外れ」と同じ扱いとなっている。
停止図柄態様選択手段66cは、普通図柄演出表示手段20による普図変動演出後の普通演出図柄の停止図柄態様を選択するもので、例えば演出実行抽選手段66aにより普通図柄演出表示手段20による普図変動演出を実行する旨の決定がされた場合に、主制御基板31から受信した普図変動パターンコマンドより得られる普図大当選/普図小当選/普図外れの判定結果に基づいて、例えば普図大当選の場合には所定の「当たり態様」に対応するキャラクター画像を、普図小当選と普図外れとの何れかの場合には所定の「外れ態様」に対応するキャラクター画像をそれぞれ選択するように構成されている。
演出実行抽選手段66aによって普通図柄演出表示手段20による普図変動演出を実行する旨の決定がされ、演出態様抽選手段66bによって普通演出変動パターンが、停止図柄態様選択手段66cによって普通演出図柄の停止図柄態様がそれぞれ選択されると、普通図柄演出制御手段66は、演出態様抽選手段66bによって選択された普通演出変動パターンに基づいて画像表示手段21の表示画面21a上で普通演出図柄の変動を開始させ、その後に普図変動停止コマンドを受信したときに、停止図柄態様選択手段66cによって選択された停止図柄態様で普通演出図柄の変動を停止させるようになっている。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機では、普図変動演出手段として普通図柄表示手段22と普通図柄演出表示手段20とを設け、それらのうち、普図変動演出を実行させる1又は複数の普図変動演出手段を特図変動演出の状態、その他の遊技状態に応じて選択する演出実行抽選手段(普図変動演出選択手段)66aを備えているため、普図変動演出をより効果的に活用することができ、演出効果の更なる向上が期待できる。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、普図変動演出手段は、実施形態で示した複数の発光体よりなる普通図柄表示手段22、画像表示手段21上に画像表示を行う普通図柄演出表示手段20の他、7セグメント式の表示手段、可動体を用いた演出手段等を用いてもよい。また、同種の普図変動演出手段を複数設けてもよいし、普図変動演出手段を3種類以上設けてもよい。
実施形態では、普図大当選、普図小当選、普図外れに対応する3種類の普図変動演出抽選テーブルを設けた例を示したが、例えば普図小当選と普図外れとで共通の普図変動演出抽選テーブルを用いるようにしてもよい。また、普図当選と普図外れとに対応する2種類の普図変動演出抽選テーブルを設けてもよいし、普図当選と普図外れとで共通の普図変動演出抽選テーブルを用いるようにしてもよい。実施形態では、普図当選として普図大当選と普図小当選との2種類を設けた例を示したが、もちろん普図当選を1種類のみとしてもよい。
また実施形態では本発明をパチンコ機に適用した例を示したが、アレンジボール機等の他の弾球遊技機においても同様に実施可能であることは言うまでもない。