JP6192158B2 - 分電盤の保護装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電力系統に対して需用回路系を分岐接続させる受電装置を介してさらに分岐接続される別の需用回路系と、当該受電装置との間に備えられる分電盤の保護装置に関する。
電力系統の主幹系統に分岐接続された需用回路系における漏電、短絡等の発生に伴う過電流などの電気的事故が主幹系統に波及しないようにするために、主幹系統と各需用回路系との間には保護回路が設けられている。特開2005−322603号公報(特許文献1)には、そのような保護回路の一例が開示されている。この保護回路は、3相交流の電力系統の各相に分岐接続された回路系の電源側に、放出型ヒューズが内装された三極連動開放機能付きプライマリーカットアウトと、限流ヒューズが内装された別のプライマリーカットアウトとの直列回路により構成されている。放出型ヒューズと限流ヒューズとでは、遮断領域が異なるため、それぞれのヒューズの遮断領域における保護動作が確実に行われる。従って、短絡保護や地絡保護の保護協調を図ることができ、遮断器を用いるような場合と比べて、安価な保護回路を構成することができる(特許文献1:第6〜9段落、図1等)。
ところで、電力系統から電力の供給を受ける需用回路系を有する施設において、改修工事等を実施するに際し、当該施設の需用回路系から分電して工事用機器の電力供給を受ける場合がある。この際、工事用機器の使用に際しての漏電、短絡等の発生が、当該施設や電力系統に波及することを防止する必要がある。上述したように、電力系統と当該施設の需用回路系(主幹需用回路系)との間には、保護回路が設けられているが、さらに、需用回路系(主幹需用回路系)と工事用機器の回路系(分電需用回路系)との間にも、保護回路が設けられる。
この際、需用回路系の保護回路と、工事用機器の回路系の保護回路との保護領域(例えば、短絡時に動作するブレーカの動作範囲)が近接していると、工事用機器の回路系において電気的事故障が発生した際に、先に動作する保護回路が一義的に決まらない場合がある。つまり、工事用機器の回路系(分電需用回路系)において電気的事故が発生している場合には、工事用機器の回路系(分電需用回路系)の保護回路のみが動作して、当該回路系のみを遮断すれば足りるにも拘わらず、施設の需用回路系(主幹需用回路系)の保護回路が先に動作してしまい、電力系統と需用回路系(主幹需用回路系)との接続を遮断してしまう可能性がある。この場合、需用回路系(主幹需用回路系)から電力の供給を受ける当該施設を停電状態にさせてしまうこととなる。
特開2005−322603号公報
上記背景に鑑みて、電力系統に対して需用回路系を分岐接続させる受電装置を介してさらに分岐接続される分電需用回路系において電気的事故障が発生した際に、分電需用回路系の保護回路が先に動作するように、それぞれの需用回路系の保護領域を明確に分離して保護協調を実現することが望まれる。
上記課題に鑑みた本発明に係る分電盤の保護装置の特徴構成は、
電力系統に対して分岐接続される主幹需用回路系と前記電力系統との間の電気的接続を遮断可能な主幹遮断装置を有する主幹受電装置からさらに分岐接続される分電需用回路系と、前記主幹受電装置との間に備えられる分電盤の保護装置であって、
前記分電需用回路系において生じた漏電事象又は過負荷事象に基づく電流に応じて前記主幹受電装置から前記分電需用回路系への電力供給路を遮断可能な漏電遮断装置と、
前記漏電遮断装置に直列に接続され、前記分電需用回路系において生じた短絡事象に基づく電流に応じて前記電力供給路を遮断可能な短絡遮断装置と、を備え、
前記短絡遮断装置が、前記主幹遮断装置よりも短時間で前記電力供給路を遮断するように構成され
前記主幹遮断装置、前記漏電遮断装置、前記短絡遮断装置が保護動作を行う動作領域として、電流の多い状態が継続している場合に保護動作が行われる過負荷動作領域と、瞬時に大電流が流れる場合に保護動作が行われる短絡動作領域とが設定されており、
前記短絡遮断装置は、前記短絡動作領域において電流の瞬時値に基づいて保護動作を行い、前記主幹遮断装置及び前記漏電遮断装置は、前記過負荷動作領域において電流の積分値に基づいて保護動作を行い、
前記短絡遮断装置は、前記主幹遮断装置及び前記漏電遮断装置が保護動作を行う電流値よりも低い電流値で前記電力供給路を遮断し、
前記漏電遮断装置は、前記短絡遮断装置が保護動作を行う電流値よりも高く、前記主幹遮断装置が保護動作を行う電流値よりも低い電流値で前記電力供給路を遮断し、
前記主幹遮断装置は、前記漏電遮断装置が保護動作を行う電流値よりも高い電流値で前記電力供給路を遮断する点にある。
この特徴構成によれば、主幹遮断装置が導通状態を保っている間に、短絡遮断装置が電力供給路を遮断するので、電力系統と主幹需用回路系との電気的接続が主幹受電装置を介して維持されている状態で、主幹受電装置を介した電力系統と分電需用回路系との電気的接続が遮断される。従って、分電需用回路系において電気的事故障が発生した場合であっても、主幹需用回路系に影響を与えること無く、分電需用回路系への電力供給のみを遮断することができる。即ち、本特徴構成によれば、電力系統に対して需用回路系を分岐接続させる受電装置を介してさらに分岐接続される分電需用回路系において電気的事故障が発生した際に、分電需用回路系の保護回路が先に動作するように、それぞれの需用回路系の保護領域を明確に分離して保護協調を実現することができる。
上述したように、前記短絡遮断装置、少なくとも短絡事象に基づく電流が流れる短絡動作領域においては、前記漏電遮断装置よりも短時間で前記電力供給路を遮断するように構成されている。これにより、瞬時に大電流が流れる短絡事象が生じる際には、短絡遮断装置が漏電遮断装置よりも短時間で動作して、電力供給路を遮断する。従って、分電需用回路系の電流容量をより高く設定することができ、分電需用回路系において充分な電力を使用することができる。即ち、主幹需用回路系と分電需用回路系とにおける適正な保護協調を実現することができる。
また、本発明に係る分電盤の保護装置は、前記漏電遮断装置が前記主幹受電装置の側に配置され、前記短絡遮断装置が前記分電需用回路系の側に配置されていると好適である。短絡遮断装置が、分電需用回路系の側に配置されることによって、分電需用回路系において短絡事象が生じた場合に、迅速に電力供給路を遮断することができる。
短絡遮断装置は、短絡電流に対して迅速に動作して、確実に電力供給路を遮断することが望ましい。従って、短絡遮断装置は、例えば、溶断によって電力供給路を分断するヒューズによって構成されると好適である。ヒューズは、エレメントの溶断に必要なジュール熱に応じて種々の種類のものが実用化されているが、短絡遮断装置には、当該ジュール熱が小さく、迅速に溶断するヒューズが用いられると好適である。1つの態様として、本発明に係る分電盤の保護装置の前記短絡遮断装置は、限流ヒューズにより構成されていると好適である。
分電盤の保護装置が設置される電力系統図 主幹遮断装置・漏電遮断装置・短絡遮断装置の動作領域を示す図 主幹遮断装置・漏電遮断装置の動作領域を示す図
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係る分電盤の保護装置が設置される電力系統図を模式的に示している。図1に示すように、3相交流の電力系統としての配電線50(50u,50v,50w)に対して、電力を使用する主幹需用回路系80の回路網が分岐接続されている。配電線50と主幹需用回路系80との間には、主幹受電装置8が備えられ、主幹需用回路系80は、主幹受電装置8を介して電力の供給を受ける。主幹受電装置8には、電力系統としての配電線50と主幹需用回路系80との間の電気的接続を遮断可能な主幹遮断装置9が備えられている。主幹遮断装置9は、例えば配線遮断器(MCCB:Molded Case Circuit Breaker)や、漏電遮断器(ELCB(ELB・ECB):Earth Leakage Circuit Breaker)である。本実施形態では、ELCBにより主幹遮断装置9が構成されている形態を例示する。
主幹受電装置8からは、さらに分電需用回路系10の回路網が分岐接続されている。主幹受電装置8と分電需用回路系10との間には、分電盤1が備えられている。つまり、分電需用回路系10は、電力系統としての配電線50から、主幹受電装置8、分電盤1を介して電力の供給を受ける。分電盤1には、保護装置(分電盤の保護装置)が備えられている。詳細は後述するが、分電盤1は、この保護装置として、漏電遮断装置3と短絡遮断装置5とを備えて構成されている。漏電遮断装置3と短絡遮断装置5とは、直列に接続されており、何れか一方の遮断装置が動作した場合には、主幹受電装置8から分電需用回路系10への電力供給が遮断される。
配電線50から主幹需用回路系80及び分電需用回路系10への電力供給の経路を、保護装置(遮断装置)に着目して表すと、以下のようになる。
〔主幹需用回路系〕
配電線50→主幹遮断装置9→主幹需用回路系80
〔分電需用回路系〕
配電線50→主幹遮断装置9→漏電遮断装置3/短絡遮断装置5→分電需用回路系10
これらの経路より明らかなように、漏電遮断装置3及び短絡遮断装置5の少なくとも一方が動作した場合には、主幹受電装置8から分電需用回路系10への電力供給が遮断される。当然ながら、漏電遮断装置3及び短絡遮断装置5の少なくとも一方が動作しても、配電線50から主幹需用回路系80への電力供給は遮断されない。一方、主幹遮断装置9が動作した場合には、配電線50から主幹需用回路系80への電力供給が遮断されると共に、主幹受電装置8から分電需用回路系10への電力供給も遮断される。即ち、主幹遮断装置9が動作した場合には、漏電遮断装置3及び短絡遮断装置5の動作状態に拘わらず、主幹受電装置8から分電需用回路系10への電力供給も遮断される。
ところで、漏電遮断装置3及び短絡遮断装置5は、分電盤1から分電需用回路系10の範囲において異常が生じた場合に動作する(以降、簡易的に“分電需用回路系10において生じた異常”等と表現する場合がある。)。一方、主幹受電装置8に設置された主幹遮断装置9は、主幹受電装置8から主幹需用回路系80の範囲において異常が発生した場合に限らず、分電盤1から分電需用回路系10の範囲において異常が生じた場合にも動作する可能性がある。例えば、分電需用回路系10において異常が生じ、主幹需用回路系80は正常である場合に、主幹遮断装置9により電力の供給を遮断すると、遮断の必要のない主幹需用回路系80へも電力が供給されなくなってしまう。従って、このような場合には、分電需用回路系10への電力供給のみを遮断することができるように、主幹遮断装置9、漏電遮断装置3、短絡遮断装置5の間で、適切な保護協調が実現されることが好ましい。以下、そのような保護協調を実現する好適な形態について説明する。
図2は、動作時間と電流との関係で規定される主幹遮断装置9、漏電遮断装置3、短絡遮断装置5の動作範囲を示している。横軸及び縦軸は、対数軸である。ここで、主幹遮断装置9は、主幹受電装置8よりも下流の回路(例えば、主幹需用回路系80と分電需用回路系10)において生じた事象に基づく電流、具体的には少なくとも漏電事象又は過負荷事象を含む事象に基づく電流に応じて主幹受電装置8よりも下流側への電力供給路を遮断可能な保護装置である。上述したように、本実施形態において主幹遮断装置9は、ELCB(漏電遮断器)により構成されている。
漏電遮断装置3は、分電需用回路系10において生じた事象に基づく電流、具体的には少なくとも漏電事象又は過負荷事象を含む事象に基づく電流に応じて主幹受電装置8から分電需用回路系10への電力供給路を遮断可能な保護装置である。本実施形態においては、主幹遮断装置9と同様に、漏電遮断装置3もELCB(漏電遮断器)により構成されている。詳細は後述するが、漏電遮断装置3は、主幹遮断装置9よりも定格電流の値が小さいELCBによって構成されている。
短絡遮断装置5は、漏電遮断装置3に直列に接続され、分電需用回路系10において生じた事象に基づく電流、具体的には少なくとも短絡事象に基づく電流に応じて主幹受電装置8から分電需用回路系10への電力供給路を遮断可能な保護装置である。本実施形態においては、短絡遮断装置5は、ヒューズによって構成されている。ヒューズは、エレメントの溶断に必要なジュール熱に応じて種々の種類のものが実用化されているが、本実施形態では、このジュール熱が小さく、迅速に溶断するヒューズが用いられる。例えば、短絡遮断装置5は、限流ヒューズにより構成されていると好適である。
ここで、限流ヒューズとは、ヒューズのエレメント切断時のアーク電圧が高くなるように高いアーク抵抗を発生させるように構成されているヒューズである。限流ヒューズは、このような構成によって、アークが消弧し易く、短絡電流が立ち上がるきる前に、例えば半周期で短絡電流を遮断することができる。一般的なヒューズの場合には、アークが消えづらく、ヒューズのエレメントが溶断しても数周期の間、短絡電流が流れ続ける場合がある。短絡遮断装置5が限流ヒューズにより構成されていると、主幹受電装置8と分電需用回路系との間の電力供給路を迅速に遮断することができる。
ところで、ELCBなどの保護装置の動作領域には、図2に示すように“過負荷動作領域”と“短絡動作領域”とがある。過負荷動作領域は、主幹需用回路系80や分電需用回路系10などの需用回路系において、負荷の消費電流が多くなっている状態や、漏電が生じている状態において保護装置が動作する領域を示している。一般的には、長時間に亘って電流の多い状態が続いている場合に保護装置が保護動作を行う領域である。つまり、電流の瞬時値ではなく、積分値に応じて保護装置が動作する領域ということができる。
一方、短絡動作領域は、主幹需用回路系80や分電需用回路系10などの需用回路系において、短絡が生じて瞬時に大電流が流れるような状態において保護装置が動作する領域である。一般的には、保護装置の定格値を超えた場合に迅速に保護装置が保護動作を行う領域である。つまり、ほぼ電流の瞬時値(厳密には短時間における積分値にはなる)に応じて保護装置が動作する領域ということができる。
図2において、“R9”は主幹遮断装置9の動作範囲を示しており、“R3”は漏電遮断装置3の動作範囲を示しており、“L5”は短絡遮断装置5の動作特性曲線を示している。尚、主幹遮断装置9の動作範囲“R9”の内、過負荷動作領域に対応する動作範囲は“R9v”で示し、短絡動作領域に対応する動作範囲は“R9s”で示している。また、漏電遮断装置3の動作範囲“R3”の内、過負荷動作領域に対応する動作範囲は“R3v”で示し、短絡動作領域に対応する動作範囲は“R3s”で示している。
短絡遮断装置5の動作特性曲線“L5”は、一部が過負荷動作領域に達しているが、短絡遮断装置5を適用させる動作領域は、後述するように短絡動作領域のみであるため、領域ごとに異なる符号は付与していない。また、動作特性曲線“L5”も許容差を有するため、厳密には動作範囲を規定することができるが、本例では簡素化のため省略している。好適には、そのような短絡遮断装置5の動作範囲の全ての範囲が、漏電遮断装置3の短絡動作領域における動作範囲“R3s”と重複することなく、定電流側に設定されているとよい。
図2に示すように、短絡遮断装置5の動作特性曲線“L5”は、少なくとも短絡動作領域において主幹遮断装置9の動作範囲“R9”及び漏電遮断装置3の動作範囲“R3”と全く重複しないように設定されている。より詳しくは、短絡遮断装置5は、少なくとも短絡動作領域において、少なくとも主幹遮断装置9よりも短時間で主幹受電装置8から分電需用回路系10への電力供給路を遮断するように構成されている。従って、分電盤1よりも下流(分電需用回路系10)において短絡事象が生じて電流が急激に増加した場合に、主幹需用回路系80への電力供給に影響を与えることなく、迅速に分電需用回路系10を切り離すことができる。
図2に示すように、主幹遮断装置9と漏電遮断装置3とは定格電流が異なるELCBであり、特に過負荷動作領域においては、両動作範囲(R9,R3)が重複しないように構成されている。しかし、短絡動作領域においては、特に大電流が流れて速い動作時間の領域(例えば0.2[秒]以下)においては、両動作範囲(R9,R3)が重複する動作範囲(重複動作範囲)“R39”が出現する。
この重複動作範囲R39においては、主幹遮断装置9と漏電遮断装置3との何れか一方、或いは双方が動作する可能性がある。例えば、主幹遮断装置9が漏電遮断装置3よりも先に動作する場合や、主幹遮断装置9と漏電遮断装置3とがほぼ同時に動作する場合がある。何れの場合においても、主幹遮断装置9が動作すると主幹需用回路系80を含む全ての回路系への電力供給が遮断されることになる。しかし、少なくとも短絡動作領域において、少なくとも主幹遮断装置9よりも短時間で主幹受電装置8から分電需用回路系10への電力供給路を遮断する短絡遮断装置5を備えることによって、上述したような重複動作範囲R39において生じる問題を抑制することができる。
ここで、好適な適用例について説明する。例えば、電力系統から電力の供給を受ける需用回路系を有する施設において、改修工事等を実施するに際し、当該施設の需用回路系から分電して工事用機器の電力供給を受ける場合がある。この需用回路系は、主幹需用回路系80に対応し、工事用機器が接続される回路網は分電需用回路系10に対応する。この際、工事用機器の使用に際しての漏電、短絡等の発生が、当該施設の需用回路系(主幹需用回路系80)や電力系統に波及することを防止する必要がある。このため、電力系統と需用回路系(主幹需用回路系80)との間に設けられている保護回路(主幹遮断装置9に対応する)に加え、さらに、需用回路系(主幹需用回路系80)と工事用機器の回路系(分電需用回路系10)との間にも保護回路(漏電遮断装置3、短絡遮断装置5に対応する)が設けられる。
この際、需用回路系(主幹需用回路系80)の保護回路(主幹遮断装置9)と、工事用機器の回路系(分電需用回路系10)の保護回路(漏電遮断装置3)との保護領域(動作範囲)が近接していると、工事用機器の回路系において電気的事故障が発生した際に、先に動作する保護回路が一義的に決まらない場合がある。つまり、工事用機器の回路系において電気的事故が発生している場合には、工事用機器の回路系の保護回路(例えば漏電遮断装置3)のみが動作して、当該回路系のみを遮断すれば足りるにも拘わらず、施設の需用回路系(主幹需用回路系80)の保護回路(主幹遮断装置9)が先に動作してしまい、電力系統と需用回路系(主幹需用回路系80)との接続を遮断してしまう可能性がある。この場合、需用回路系(主幹需用回路系80)から電力の供給を受ける当該施設を停電状態にさせてしまうこととなる。
改修工事の対象となる施設から工事用機器の電力の融通を受けながら、改修工事を原因として当該施設を停電させることは好ましくない。改修工事を請け負う事業者の信頼を損なうばかりでなく、当該施設の利用者にも不便を生じさせることになる。従って、改修工事を原因とした電気的事故障が影響する範囲は、工事用機器の回路系に限定されるように制御されることが好ましい。上述したように、本発明を適用すれば、電力系統に対して需用回路系(主幹需用回路系80)を分岐接続させる受電装置(主幹受電装置8)を介してさらに分岐接続される分電需用回路系10において電気的事故障が発生した際に、分電需用回路系10の保護回路(3,5)が先に動作するように、それぞれの需用回路系(80,10)の保護領域(保護装置の動作範囲)を明確に分離して保護協調を実現することができる。
ところで、過負荷動作領域及び短絡保護領域の双方に適用可能であることから、保護装置としては、ELCBがしばしば用いられる。例えば、下流側にいくほど定格値の小さいELCBを用いることによって、異なる需用回路系をカスケード接続し、各需用回路系をそれぞれ保護することができる。しかし、ELCBの動作範囲は、図2に示すように過負荷動作領域においては、定格値によって排他性を担保することが可能であっても、短絡動作領域においては排他性が弱くなる傾向がある。従って、短絡遮断装置5は、ELCBの短絡動作領域における動作範囲、より具体的には分電盤1に設置される漏電遮断装置3の短絡動作領域における動作範囲に応じた動作特性(動作特性曲線“L5”)を有することが好ましい。即ち、短絡遮断装置5が、少なくとも短絡事象に基づく電流が流れる短絡動作領域においては、漏電遮断装置3よりも短時間で電力供給路を遮断するように構成されていると好適である。
図2に示すように、瞬時に大電流が流れる短絡事象が生じる際には、短絡遮断装置5が漏電遮断装置3よりも確実に短時間で動作して、電力供給路を遮断する。このような保護協調が可能であると、漏電遮断装置3の定格値を大きくすることができ、分電需用回路系10の電流容量をより高く設定することができる。つまり、分電需用回路系10において充分な電力を使用することができる。即ち、主幹需用回路系80と分電需用回路系10との保護協調をより最適化することができる。
図3は、本発明の比較例となる保護協調を例示しており、動作時間と電流との関係で規定される主幹遮断装置9、漏電遮断装置3の動作範囲を示している。この比較例では、短絡遮断装置5が備えられていないため、短絡遮断装置5の動作特性曲線“L5”は図示していない。図2と図3とにおいて、主幹遮断装置9は同一のELCBであり、主幹遮断装置9の動作範囲“R9”も同一である。
漏電遮断装置3は、図2よりも定格値の小さいELCBである。図3における漏電遮断装置3の動作範囲“R3”は、図2に比べて低電流側にシフトされている。これは、重複動作範囲R39における問題を抑制するためである。即ち、短絡電流が流れる際に、主幹遮断装置9よりも先に動作する確率を高くするために、図2に比べて図3の方が、漏電遮断装置3の定格値が低く設定され、動作範囲“R3”が低電流側に設定されている。このため、図2と図3との比較により明らかなように、過負荷動作領域における両動作範囲(R9,R3)の間隔も広がり、分電需用回路系10において使用可能な電力も、図2の構成に比べて図3の構成の方が小さくなる。
短絡遮断装置5を備えない場合には、このように動作順序の確率を頼りとして、漏電遮断装置3の定格値を設定することとなるので、分電需用回路系10に供給可能な電力も抑制的となる。また、分電需用回路系10に供給する電力を抑制しても、主幹遮断装置9と漏電遮断装置3との動作範囲(R9,R3)には重複動作範囲R39が存在するために、盤石な保護協調は実現できていない。
これに対して、図1及び図2を参照して上述したように、短絡遮断装置5を備える場合には、重複動作範囲R39における保護動作を短絡遮断装置5に任せることができるため、漏電遮断装置3の定格値は短絡事象を考慮することなく、より高い値に設定することが可能である。つまり、過負荷動作領域における動作範囲に重複がないようにさえ設定できれば、可能な限り大きい定格値のELCBを用いて漏電遮断装置3を構成することができる。過負荷動作領域における両動作範囲(R9,R3)の間隔も広がり、分電需用回路系10において使用可能な電力も、より大きくすることが可能である。
例えば、主幹遮断装置9のELCBの定格値が175[A]([AT]:アンペアトリップ)の場合、短絡遮断装置5の限流ヒューズの定格値を100[A]として、漏電遮断装置3のELCBの定格値を150[A]([AT])とすることができる。これに対して、短絡遮断装置5を備えない場合には、漏電遮断装置3のELCBの定格値は100[A]([AT])程度にとどめることが好ましい。このように、本発明を適用することによって、分電需用回路系10により多くの電力を供給することが可能となる。
漏電遮断装置3と短絡遮断装置5との定格値の組み合わせは、漏電遮断装置3の定格値が、短絡遮断装置5の定格値の1.5〜2倍程度となるように設定されていると好適である。図2を参照して上述した例においては、短絡遮断装置5の限流ヒューズの定格値を100[A]、漏電遮断装置3のELCBの定格値を150[A]とした。この他、以下のような組み合わせも好適である。
漏電遮断装置3(ELCB): 短絡遮断装置5(限流ヒューズ)
75[A]([AT]) : 50[A]
50[A]([AT]) : 30[A]
30[A]([AT]) : 20[A]
尚、短絡遮断装置5は、漏電遮断装置3が主幹受電装置8の側に配置され、短絡遮断装置5が分電需用回路系10の側に配置されていると好適である。短絡遮断装置5が、分電需用回路系10の側に配置されることによって、分電需用回路系10において短絡事象が生じた場合に、迅速に電力供給路を遮断することができる。尚、当然ながら、漏電遮断装置3が分電需用回路系10の側に配置され、短絡遮断装置5が主幹受電装置8の側に配置されている構成を妨げるものではない。
ところで、電力系統から電力の供給を受ける需用回路系(主幹需用回路系80)を有する施設において、改修工事等を実施するに際し、当該施設の需用回路系から分電して工事用機器の電力供給を受けるような場合、主幹受電装置8に備えられる主幹遮断装置9の定格値は様々である。従って、保護装置を備えた分電盤1は種々の主幹受電装置8に対応できるように、漏電遮断装置3と短絡遮断装置5との組み合わせを複数有していると好適である。これは、施設に応じて(主幹受電装置8に応じて)漏電遮断装置3及び短絡遮断装置5の少なくも一方を選択可能に構成されていても良いし、漏電遮断装置3と短絡遮断装置5とを組み合わせたセットを複数種類準備し、施設に応じて(主幹受電装置8に応じて)当該セットを選択可能に構成されていてもよい。
主幹遮断装置9の定格値と、漏電遮断装置3の定格値との関係は、一般的はELCBなどの動作範囲を考慮して設定すると好適である。例えば、漏電遮断装置3の定格値は、主幹遮断装置9の定格値よりも20〜30[A]([AT])程度小さい値とすると好適である。上述した漏電遮断装置3及び短絡遮断装置5の定格値の例と組み合わせると、例えば、以下のような組み合わせを設定することができる。
主幹遮断装置9 : 漏電遮断装置3 : 短絡遮断装置5
175[A]([AT]):150[A]([AT]): 100[A]
100[A]([AT]): 75[A]([AT]): 50[A]
75[A]([AT]): 50[A]([AT]): 30[A]
50[A]([AT]): 30[A]([AT]): 20[A]
〔その他の実施形態〕
以下、本発明のその他の実施形態について説明する。尚、以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用されるものに限られず、矛盾が生じない限り、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記の説明においては、短絡遮断装置5が限流ヒューズにより構成されている場合を例示したが、主幹遮断装置9の動作範囲“R9”(特に“R9s”)に重複することなく、短絡電流を消滅させることが可能であれば、他のヒューズなどを用いて短絡遮断装置5を構成することを妨げるものではない。
(2)短絡遮断装置5をヒューズで構成する場合、短絡事象の発生によって当該ヒューズは溶断する。従って、短絡遮断装置5は、ヒューズホルダを備え、当該ヒューズホルダに対してヒューズを挿抜可能に構成されていると好適である。また、このようにヒューズホルダを備える場合には、中性相のヒューズの代わりに銅バーなどの短絡部材を実装することも可能である。即ち、1つの分電盤1を利用して、保護協調を実現しつつ、動力用電源や電灯用電源など、必要に応じて商用電源の種類を設定することができる。例えば、単相3線210−105[V]電源、3相3線210[V]電源、3相3線440[V]電源などを実現することが可能である。
以上説明したように、本発明によって、電力系統に対して需用回路系を分岐接続させる受電装置を介してさらに分岐接続される分電需用回路系において電気的事故障が発生した際に、分電需用回路系の保護回路が先に動作するように、それぞれの需用回路系の保護領域を明確に分離して保護協調を実現することが可能となる。
1 :分電盤
3 :漏電遮断装置
5 :短絡遮断装置
8 :主幹受電装置
9 :主幹遮断装置
10 :分電需用回路系
50 :配電線(電力系統)
80 :主幹需用回路系

Claims (3)

  1. 電力系統に対して分岐接続される主幹需用回路系と前記電力系統との間の電気的接続を遮断可能な主幹遮断装置を有する主幹受電装置からさらに分岐接続される分電需用回路系と、前記主幹受電装置との間に備えられる分電盤の保護装置であって、
    前記分電需用回路系において生じた漏電事象又は過負荷事象に基づく電流に応じて前記主幹受電装置から前記分電需用回路系への電力供給路を遮断可能な漏電遮断装置と、
    前記漏電遮断装置に直列に接続され、前記分電需用回路系において生じた短絡事象に基づく電流に応じて前記電力供給路を遮断可能な短絡遮断装置と、を備え、
    前記短絡遮断装置は、前記主幹遮断装置よりも短時間で前記電力供給路を遮断するように構成され
    前記主幹遮断装置、前記漏電遮断装置、前記短絡遮断装置が保護動作を行う動作領域として、電流の多い状態が継続している場合に保護動作が行われる過負荷動作領域と、瞬時に大電流が流れる場合に保護動作が行われる短絡動作領域とが設定されており、
    前記短絡遮断装置は、前記短絡動作領域において電流の瞬時値に基づいて保護動作を行い、前記主幹遮断装置及び前記漏電遮断装置は、前記過負荷動作領域において電流の積分値に基づいて保護動作を行い、
    前記短絡遮断装置は、前記主幹遮断装置及び前記漏電遮断装置が保護動作を行う電流値よりも低い電流値で前記電力供給路を遮断し、
    前記漏電遮断装置は、前記短絡遮断装置が保護動作を行う電流値よりも高く、前記主幹遮断装置が保護動作を行う電流値よりも低い電流値で前記電力供給路を遮断し、
    前記主幹遮断装置は、前記漏電遮断装置が保護動作を行う電流値よりも高い電流値で前記電力供給路を遮断する分電盤の保護装置。
  2. 前記漏電遮断装置が前記主幹受電装置の側に配置され、前記短絡遮断装置が前記分電需用回路系の側に配置されている請求項1に記載の分電盤の保護装置。
  3. 前記短絡遮断装置は、限流ヒューズにより構成されている請求項1又は2に記載の分電盤の保護装置。
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