JP4223988B2 - 電力系統の保護回路 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば電力系統に分岐接続される電気機器の短絡又は地絡から当該電力系統を保護する保護回路に関するものである。
現在高圧配電線路は主として非接地方式が用いられている。このような高圧配電系統で地絡事故が発生した場合、地絡電流と零相電圧とが発生し、この地絡電流は線路の対地充電電流分が流れることとなる。又近年の配電線路の地中化やケーブル化に伴い対地静電容量の増加にて、地絡電流は増加する傾向にある。一方、電気設備に関する規定により、同一電柱において高圧配電線と低圧配電線の混触時における低圧需要家の危険を防止するために、柱上変圧器への第2種接地工事が義務付けられている。この第2種接地抵抗値は高圧側一線地絡電流の大きさによって定められており、地絡電流が大きいと低い接地抵抗値が求められ、その施工はコストアップとなっていた。このため地絡電流を抑制する方策として図5(a)に示すように、リアクトル101が施設されることがある。このようなリアクトル101等の電気機器を保護するために当該リアクトル101の一次側(電源側)には開閉器102(高圧負荷開閉器)が設けられている。この場合、開閉器102として気中開閉器又はガス開閉器が採用される。また、図5(b)に示すように、変圧器103等の電気機器と電源側ケーブル104とをケーブルコネクタ105を介して接続する場合に、当該ケーブルコネクタ105内に限流ヒューズ106を内蔵して、当該限流ヒューズ106により電気機器の短絡保護が図られるようにしたものも知られている(例えば、特許文献1。)。この構成によれば、遮断器が省略できるので、電気機器の周辺設備の簡素化が図られると共に設備コストの低減が図られる。
特開2000−286021号公報
ところが、前記従来の電力系統の保護回路においては、次のような問題があった。即ち、図5(a)に記載の保護回路においては、リアクトル101の電源側に開閉器102が設けられているものの、当該開閉器102は負荷電流を遮断するものであって短絡電流の遮断機能は有していない。即ち、何らかの原因によりリアクトル101で例えば内部短絡が発生した場合、前記従来の配電回路では故障電流(短絡電流)を遮断できなかった。リアクトル101の内部短絡に起因する過電流から配電系統を保護するために、前記開閉器102の各相電源側に例えば限流ヒューズを設けることが考えられる。しかし、この場合、一相の限流ヒューズが溶断動作したときには欠相状態となり、リアクトルのL分が三相平衡状態で配電線に作用せず、地絡保護機能に対して悪影響を与える。その結果、場合によっては変電所の遮断器(図示略)がトリップすることもある。一方、特許文献1に記載の回路においては、電源側各相に限流ヒューズ106を設置しているものの、欠相状態(欠相事故)が発生して地絡リレー(地絡継電器)の誤動作に至り、ひいては変電所の遮断器107がトリップするおそれがあった。
所定の遮断容量を有すると共に三極同時開放することができる装置としては遮断器があり、当該遮断器をリアクトルや変圧器等の電気機器の電源側に設置することも考えられる。しかし、一般に、遮断器は非常に高価であり、設備コストの観点からは現実的ではなかった。このように、リアクトルやコンデンサ等の電気機器の短絡故障及び地絡故障から配電系統を保護する適当な保護装置(保護回路)は存在しないのが現状であった。このため、リアクトルの短絡故障及び地絡故障が大きく波及するおそれもあった。従って、リアクトルの短絡及び地絡に起因する故障領域の局限化が望まれていた。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、設備コストを極力節約すると共に、電力系統に分岐接続された電気機器の短絡故障及び地絡故障の波及を抑制して故障領域の局限化が図られる電力系統の保護回路を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、三相からなる電力系統に分岐接続された電気機器の電源側に、各相にそれぞれ溶断機能を有する放出形ヒューズが着脱可能に内装され、いずれか一相のヒューズ溶断に伴って三相一括して開放する三極連動開放機能付プライマリーカットアウトと、各相に配置され遮断機能を有する限流ヒューズが着脱可能に内装され、各相毎において遮断を行う前記とは別のプライマリーカットアウトとの直列回路を配置するとともに、放出形ヒューズの定格電流は限流ヒューズの定格電流よりも小さくなるようにしたことを要旨とする。
(作用)
請求項1に記載の発明によれば、放出形ヒューズと限流ヒューズとにより保護協調が図られる。具体的には、安価な溶断機能を有する放出形ヒューズ及び遮断機能を有する限流ヒューズが個々にそれらの遮断領域での保護動作を確実に行うことにより保護協調(短絡保護、地絡から短絡に移行する場合の保護及び欠相防止)が得られる。これにより、所定の遮断容量を確保することができ、電気機器の短絡故障及び地絡故障に対して電力系統を保護可能となる。従って、電力系統に分岐接続された電気機器の短絡故障及び地絡故障の波及を抑制して故障領域の局限化が図られる。
また、三極連動開放機能付プライマリーカットアウトとプライマリーカットアウトとを組み合わせることにより、低コストで短絡保護及び地絡から短絡に移行する場合の保護が図られる。即ち、例えばプライマリーカットアウトと三極連動開放機能付プライマリーカットアウトとを組み合わせた回路と等価の遮断器を電気機器の一次側(電源側)に設けるようにした場合に比べて、コストメリットが大きい。これは、一般に、本発明に係る保護回路と等価の遮断器は非常に高価だからである。従って、設備コストを極力節約することができる。
えて、放出形ヒューズは限流ヒューズよりも早く溶断動作する。限流ヒューズが溶断する前に必ず放出形ヒューズを溶断させるように放出形ヒューズと限流ヒューズとを協調させるようにしたことにより、電気機器において一相のみ又は二相のみ充電状態になることがない。即ち、限流ヒューズが動作したときは、必ず三極連動開放機能付プライマリーカットアウトの放出形ヒューズも溶断し、当該三極連動開放機能付プライマリーカットアウトが三極一括開放する。このため、負荷側(電気機器側)において欠相状態となることが防止される。
本発明によれば、設備コストを極力節約すると共に、電力系統に分岐接続された電気機器の短絡故障及び地絡故障の波及を抑制して故障領域の局限化が図られる。
以下、本発明をリアクトルの短絡故障等から電力系統を保護する保護回路に具体化した一実施形態を図1〜図4に基づいて説明する。このリアクトルは、例えば一線地絡電流を補償するために系統特性に応じて使用されるものである。
<全体構成>
図1に示すように、配電線11の各相(U相、V相,W相)には分岐ケーブル11u,11v,11wを介してリアクトル12が接続されており、当該リアクトル12(厳密には、リアクトル12の中性点)は接地されている。リアクトル12の電源側(配電線11側)には、三極連動開放機能付カットアウト13と円筒形カットアウト14との直列回路が設けられている。三極連動開放機能付カットアウト13には放出形ヒューズ13aが内装されており、円筒形カットアウト14には限流ヒューズ14aが装着されている。
<円筒形カットアウト>
図3に示すように、円筒形カットアウト14は三極連動開放機能付カットアウト13の一次側において配電線11のU相及びW相にそれぞれ接続された分岐ケーブル11u,11w上に配設されている(図1参照)。円筒形カットアウト14は円筒形の本体碍子21を備えており、当該本体碍子21は電柱の腕金(図示略)に取付ブラケットを介して支持されている。本体碍子21内の上部には上部接触子22が配設されており、当該上部接触子22は上部口出線23を介して分岐ケーブル11u,11wの電源側に接続されている。前記本体碍子21内の下部には下部接触子24が配設されており、当該下部接触子24は下部口出線25を介して分岐ケーブル11u,11wの負荷側に接続されている。本体碍子21内の上部接触子22と下部接触子24との間には消弧管26を介して限流ヒューズ14aが装着されている。また、本体碍子21の下端開口部には密閉栓28が着脱可能又は開閉可能に取り付けられている。
配電線11に規定値を越える電流(例えば短絡電流)が流れたときには、限流ヒューズ14aのヒューズエレメント(図示略)が溶断することにより分岐ケーブル11u,11wにおける円筒形カットアウト14の負荷側が限流遮断される。限流ヒューズ14aを交換する際には密閉栓28を取り外して又は開放して、本体碍子21の下端開口部から使用済みの限流ヒューズを抜き取り、新しい限流ヒューズ14aを本体碍子21の下端開口部から挿入する。
<三極連動開放機能付カットアウト>
図1に示すように、三極連動開放機能付カットアウト13はリアクトル12の1次側に負荷電流の開閉を目的として取り付けられている。三極連動開放機能付カットアウト13は三極のうち1極でも放出形ヒューズ13aが溶断動作した場合、三極同時に開放するように構成されている。
図1に示すように、三極連動開放機能付カットアウト13は、配電線11のU相,V相,W相の各相に分岐接続された分岐ケーブル11u,11v,11w上にそれぞれ配設された3つの箱形カットアウト13u,13v,13wを備えている。図に示すように、箱形カットアウト13u,13v,13wはそれぞれ一側面が開口した箱形の本体碍子31を備えており、当該本体碍子31の開口部は蓋体33により閉鎖されている。蓋体33は本体碍子31の下部にピン32を介して開閉可能に支持されており、当該蓋体33の下部には開口部が形成されている。
本体碍子31はその背面において電柱の腕金に取付ブラケット34を介して斜状に支持されている。取付ブラケット34には各相共通の支持軸35が固定されており、当該支持軸35には所定間隔毎に(各相の本体碍子31に対応するように)支持レバー36が固定されている。各支持レバー36の先端部にはそれぞれJ字状の連動レバー37の基端部が回動可能に支持されている。取付ブラケット34の一部に突設されたストッパ38に係合することにより、支持レバー36の時計方向への回動範囲が規制される。
本体碍子31内の上部には上部電極39が設けられており、当該上部電極39は接続端子40を介して分岐ケーブル11u,11v,11w(図4では図示略)の電源側に接続されている。上部電極39は消弧筒41により覆われている。また、本体碍子31内の下部には下部電極42が設けられている。下部電極42は接続端子43を介して分岐ケーブル11u,11v,11w(図4では図示略)の負荷側に接続されており、当該下部電極42には開極スプリング44が装着されている。
本体碍子31内において、下部電極42の上方にはL形の作動レバー45の一端が軸45aを中心として回動可能に支持されており、同じく他端は屈曲部を介して本体碍子31内の下部に延出されている。作動レバー45の折曲部には係止ピン46が突設されている。また、本体碍子31の下部には、応動レバー47がピン32を支点として傾動可能に支持されている。応動レバー47の一端部は本体碍子31の外方に延出した外側係合部47aとされており、同じく他端部は本体碍子31の内方に延出した内側係合部47bとされている。応動レバー47の外側係合部47aの内面は前記連動レバー37の下端部に係合可能とされている。内側係合部47bは前記作動レバー45の下端部に側方から係合可能とされている。
一方、前記蓋体33の内面には放出形ヒューズ13aが装着されている。放出形ヒューズ13aの上部には上部接触刃48が内方へ突出するように固定されており、同じく下部には下部接触刃49が内方へ突出するように固定されている。上部接触刃48及び下部接触刃49は前記上部電極39及び下部電極42に対してそれぞれ接離可能に挟入されている。下部接触刃49は開極スプリング44の弾性力に抗して下部電極42に接触している。
放出形ヒューズ13aの下部には表示筒50が装着されており、当該表示筒50は図示しないスプリングの弾性力によって常に下方へ付勢されている。表示筒50はヒューズエレメント(図示略)が溶断したときに前記スプリングの弾性力によって下方へ弾出するように構成されている。この表示筒50の上部側面には係合突部51が形成されている。
下部接触刃49の基部には開極レバー52が軸52aを中心として回動可能に支持されている。開極レバー52は軸52aに装着されたネジリコイルバネ(図示略)によって常時反時計方向へ付勢されている。開極レバー52の上部には係止爪53が形成されており、同じく下部には係止突部54が形成されている。係止爪53は作動レバー45の係止ピン46に係脱可能とされており、当該係止爪53が係止ピン46に係合することにより蓋体33の時計方向(下方)への回動が規制される。係止突部54は前記表示筒50の係合突部51に係止されており、これにより開極レバー52の反時計方向への回動が規制される。
<三極連動開放機能付カットアウトの動作>
従って、放出形ヒューズ13aのヒューズエレメントが溶断した場合、当該ヒューズエレメントの張力により前記スプリングの弾性力に抗して図4に実線で示す上部位置に保持されていた表示筒50は下方へ弾出する。これに伴って、表示筒50の係合突部51は下降し、開極レバー52の係止突部54との係合が解除される。すると、開極レバー52は前記ネジリコイルバネの弾性力により軸52aを中心として反時計方向へ回動する。この開極レバー52の回転に伴って、当該開極レバー52の係止爪53と前記作動レバー45の係止ピン46との係合が解除される。すると、蓋体33は自重及び開極スプリング44の弾性力によりピン32を中心として時計方向へ回動する。この結果、上部接触刃48及び下部接触刃49はそれぞれ上部電極39及び下部電極42から離脱して、線路は開放される。
蓋体33が図4に二点鎖線で示す開放位置(図4では蓋体33の下端部33aのみ図示する。)まで開放すると、当該蓋体33の下端部33aは連動レバー37の下端部を押し上げる。このため、支持レバー36は時計方向へ回動し、これに伴って各箱形プライマリーカットアウト共通の支持軸35は時計方向へ回動する。
ヒューズエレメントが溶断しない他相の箱形プライマリーカットアウトは、ヒューズエレメントが溶断した相の箱形プライマリーカットアウトの開放動作に連動してそれぞれ開放される。即ち、支持軸35の時計方向への回動によって、他相の箱形プライマリーカットアウトにそれぞれ対応する支持レバー36が同方向へ回動する。これにより、連動レバー37が引き上げられて、当該連動レバー37の下端部37aが応動レバー47の外側係合部47aと係合する。外側係合部47aが上方へ引き上げられることにより応動レバー47はピン32を中心として時計方向へ傾動する。これに伴って、内側係合部47bは作動レバー45の下部を右方へ押動する。このため、作動レバー45は軸45aを中心として反時計方向へ且つやや上方へ回動する。すると、係止ピン46は開極レバー52の係止爪53から外れ、蓋体33の自重及び開極スプリング44の弾性力により当該蓋体33は開放される。
このように、三極連動開放機能付カットアウト13は三極一括開放が可能となっている。このため、各相毎に開放するようにした場合と異なり、負荷側(この場合、リアクトル12側)が欠相状態になることが防止される。尚、本実施形態において、配電線11は電力系統を構成し、リアクトル12は電気機器を構成する。また、三極連動開放機能付カットアウト13は三極連動開放機能付プライマリーカットアウトを構成し、円筒形カットアウト14は別のプライマリーカットアウトを構成する。
<放出形ヒューズ及び限流ヒューズの保護動作特性>
次に、放出形ヒューズ及び限流ヒューズの動作特性について説明する。
放出形ヒューズ13aの定格電流は限流ヒューズ14aの定格電流よりも小さくなるように、当該放出形ヒューズ13a及び限流ヒューズ14aの定格電流はそれぞれ設定されている。本実施形態では、ヒューズエレメントの溶断特性により、放出形ヒューズ13aは定格1.3A(アンペア)用のものが採用され、限流ヒューズ14aは10A用のものが採用されている。
図2に示すように、放出形ヒューズ13aの溶断に必要なエネルギー(溶断エネルギーIt)は限流ヒューズ14aの溶断に必要なエネルギー(溶断エネルギーIt)よりも小さいので、例えばリアクトル12の短絡故障時には、放出形ヒューズ13aが限流ヒューズ14aよりも先に溶断発弧(図2におけるA点)する。ここで、Iは電流を示し、tは時間を示す。しかし、放出形ヒューズ13aは短絡電流を遮断できない。この短絡電流は限流ヒューズ14aにより溶断発弧し(図2におけるB1点)、放出形ヒューズ13aに先駆け限流遮断する(図2におけるB2点)。ちなみに、限流ヒューズ14aのみを設けて、放出形ヒューズ13a(三極連動開放機能付カットアウト13)を設けないようにした場合、各相のうち一相の限流ヒューズ(例えばU相の限流ヒューズ14a)が溶断動作すると、単相運転状態(欠相状態)となることにより、変電所において地絡故障と誤認識されるおそれがある。
ここで、短絡故障時を含め、故障電流に対する放出形ヒューズ13aと限流ヒューズ14aとの遮断動作協調に必要な条件について説明すると次のようになる。
「1.過電流領域での動作協調」
放出形ヒューズ13aの溶断エネルギーIt<限流ヒューズ14aの溶断エネルギーI
小電流域では、先に放出形ヒューズ13aが溶断(遮断)する。
「2.短絡電流遮断時における動作協調」
放出形ヒューズ13aの溶断エネルギーIt<限流ヒューズ14aの動作エネルギーI
大電流遮断で限流ヒューズ14aが遮断した時は、必ず放出形ヒューズ13aも溶断する。
「3.三極連動開放機能付カットアウト13遮断容量(熱的、機械的強度)との協調」
三極連動開放機能付カットアウト13遮断時の最大通過エネルギーIt>限流ヒューズ14aの動作エネルギーI
本願のように過電流領域での協調を求める場合は、上記「2.」項は「1.」項に包含される。
<実施形態の作用>
次に、前述のように構成したリアクトルの保護回路の動作を説明する。
例えばリアクトル12の短絡故障が発生すると、この故障にて発生した短絡電流は円筒形カットアウト14内の限流ヒューズ14aにて三極連動開放機能付カットアウト13の遮断短絡容量以下の値まで抑えられ、ある相の放出形ヒューズ13aが限流ヒューズ14aよりも先に溶断発弧する(図2参照)。ある相の放出形ヒューズ13aが溶断したとき、当該放出形ヒューズ13aの表示筒50の弾出動作に連動して蓋体33を閉位置に保持する係止爪53が引き外され、これにより蓋体33が開放する。そして、当該蓋体33の開放動作に連動して各相共通の支持軸35が回動し、これに伴って他相の蓋体33が開放して開路する。このようにして、リアクトル12の一次側(電源側)が一括して開路される。これによって、故障区間の限化が可能になるとともに、単相運転状態が回避され、地絡リレーの誤動作が防止される。
本実施形態においては、三極連動開放機能付カットアウト13の遮断容量は3000Aとされており、円筒形カットアウト14の限流ヒューズ14aが溶断する前に必ず三極連動開放機能付カットアウト13の放出形ヒューズ13aが溶断するように、限流ヒューズ14aと放出形ヒューズ13aとの保護協調が図られている。この保護協調によりリアクトル12が一相又は二相のみ充電状態になることもない。即ち、欠相状態(欠相事故)が発生することがなく、地絡リレー(地絡継電器)の誤動作、ひいては変電所の遮断器のトリップも防止される。ちなみに、本実施形態に係る保護回路においては12.5kA(キロアンペア)程度の遮断容量が得られる。
従って、この保護回路の遮断容量と等価の遮断器をリアクトル12の一次側(電源側)に配置するようにした場合と異なり、設備コストを極力節約しながら配電線11に分岐接続されたリアクトル12等の電気機器の短絡及び地絡から電力系統(配電系統)が保護される。一般に、本実施形態に係る電力系統の保護回路と等価の遮断容量を有する遮断器は非常に高価だからである。また、配電線11に分岐接続されたリアクトル12等の電気機器の短絡故障及び地絡故障の波及が抑制されて故障領域の局限化が図られる。さらに、円筒形カットアウト14と三極連動開放機能付カットアウト13との直列回路をリアクトル12の一次側に配置するだけのため、当該円筒形カットアウト14及び三極連動開放機能付カットアウト13の設置(装柱)も簡単である。円筒形カットアウト14及び三極連動開放機能付カットアウト13のいずれの機器も電柱の腕金に取付ブラケットを介して固定するだけである。このように、設備コスト及び電力系統の保護機能の両観点から現実的且つ適当な保護回路として、当該円筒形カットアウト14と三極連動開放機能付カットアウト13との直列回路は機能する。
<実施形態の効果>
従って、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)配電線11に分岐接続されたリアクトル12の電源側に、放出形ヒューズ13aが着脱可能に内装された三極連動開放機能付カットアウト13と、遮断機能を有する限流ヒューズ14aが着脱可能に内装された円筒形カットアウト14との直列回路を配置するようにした。三極連動開放機能付カットアウト13は、三極のうち一極でも放出形ヒューズ13aが溶断した場合、三極同時に開放(開路)する機能を有している。しかし、放出形ヒューズ13aでは短絡電流を遮断できないため、この短絡電流は限流ヒューズ14aにより限流遮断するようになっている。このように、限流ヒューズ14aと放出形ヒューズ13aとにより保護協調が図られることにより、所定の遮断容量(本実施形態では、例えば12.5kA)を確保することができ、リアクトル12の短絡故障に対して電力系統を保護可能とする。また、放出形ヒューズ13a及び限流ヒューズ14aによる保護協調により地絡から短絡へ移行する過程など、故障電流が過電流の領域でも保護可能となる。
ちなみに、限流ヒューズ14aだけを設けるようにした場合には欠相状態となるおそれがあり、地絡故障が誤検出されて、変電所の遮断器がトリップするおそれがある。本実施形態では、三極連動開放機能付カットアウト13を設けて三相一括して開放することにより、欠相状態になることがなく、地絡故障の誤検出が防止される。
(2)また、放出形ヒューズ13aの定格電流は限流ヒューズ14aの定格電流よりも小さくなるようにした。このため、放出形ヒューズ13aは限流ヒューズ14aよりも早く溶断動作する。限流ヒューズ14aが溶断する前に必ず放出形ヒューズ13aを溶断させるように放出形ヒューズ13aと限流ヒューズ14aとを協調させるようにしたことにより、リアクトル12が一相のみ又は二相のみ充電状態になることがない。即ち、限流ヒューズ14aが動作したときは、必ず三極連動開放機能付カットアウト13の放出形ヒューズ13aも溶断し、当該三極連動開放機能付カットアウト13が三極一括開放する。このため、欠相状態となることを防止することができる。
(3)電源側から限流ヒューズ14aを有する円筒形カットアウト14及び三極連動開放機能付カットアウト13の順に配置するようにした。このため、円筒形カットアウト14と三極連動開放機能付カットアウト13との間に発生した短絡故障に対し保護可能となり、配電線11への波及をいっそう効果的に抑制して故障領域の局限化が図られる。
(4)また、円筒形カットアウト14と三極連動開放機能付カットアウト13とを組み合わせることにより、低コストで短絡保護及び欠相防止が図られる。即ち、本実施形態における円筒形カットアウト14と三極連動開放機能付カットアウト13とを組み合わせた回路と等価の遮断器をリアクトル12の一次側(電源側)に設けるようにした場合に比べて、コストメリットが大きい。例えば三極連動開放機能付カットアウト13、円筒形カットアウト14及び図示しないアーム等の装柱材料等を加味した場合、従来の開閉器方式(リアクトルの電源側に開閉器を配置するようにした方式)よりも安価になる。
(5)放出形ヒューズ13a及び限流ヒューズ14aが溶断動作したときには、当該放出形ヒューズ13a及び限流ヒューズ14aを交換するだけのため、保護回路の保守も容易である。また、三極連動開放機能付カットアウト13及び円筒形カットアウト14は装柱作業も簡単である。
(6)三極連動開放機能付カットアウト13は各相分の箱形カットアウト13u,13v,13wから構成し、当該各箱形カットアウト13u,13v,13wにはそれぞれ放出形ヒューズ13aを装着するようにした。また、限流ヒューズ14aは円筒形カットアウト14に装着するようにした。このため、放出形ヒューズ13a及び限流ヒューズ14aの交換作業が非常に簡単になる。
<別の実施形態>
尚、前記各実施形態は、次のように変更して実施してもよい。
・本実施形態においては、リアクトル12の一次側において、三極連動開放機能付カットアウト13を負荷側(リアクトル12側)に配置すると共に円筒形カットアウト14を電源側に配置するようにしたが、次のようにしてもよい。即ち、三極連動開放機能付カットアウト13を電源側に配置すると共に、円筒形カットアウト14(限流ヒューズ14a)をリアクトル12側に配置する。このようにしても、リアクトル12を保護することができる。
・本実施形態では、配電線11にリアクトル12が分岐接続された場合について説明したが、コンデンサ及び変圧器等の電気機器の保護回路として応用してもよい。
・円筒形カットアウトを箱形カットアウトに置換してもよい。
・図1に示すように、三極連動開放機能付カットアウト13とリアクトル12との間において、ZnO(酸化亜鉛)支持碍子61u,61v,61w(即ち、避雷器)を設けるようにしてもよい。各ZnO支持碍子61u,61v,61wは例えばリアクトル12のケース(図示略)に固定する。このようにすれば、装柱の簡素化が図られると共に安価に雷害体策が図られる。
<他の技術的思想>
次に、前記実施形態及び別の実施形態から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記電気機器はリアクトル、コンデンサ及び変圧器のうちいずれか一つである請求項1に記載の電力系統の保護回路。
(ロ)電源側からプライマリーカットアウト及び三極連動開放機能付プライマリーカットアウトの順に配置した請求項1又は前記(イ)項に記載の電力系統の保護回路。
本実施形態における保護回路の概略構成図。 本実施形態における放出形ヒューズ及び限流ヒューズの動作特性図。 本実施形態における円筒形カットアウトの正断面図。 本実施形態における三極連動開放機能付カットアウトの概略構成図。 (a),(b)は、それぞれ従来の保護回路の概略構成図。
符号の説明
11…電力系統を構成する配電線、12…電気機器を構成するリアクトル、
13…三極連動開放機能付カットアウト、13a…放出形ヒューズ、
14…プライマリーカットアウトを構成する円筒形カットアウト、
14a…限流ヒューズ。

Claims (1)

  1. 三相からなる電力系統に分岐接続された電気機器の電源側に、
    各相にそれぞれ溶断機能を有する放出形ヒューズが着脱可能に内装され、いずれか一相のヒューズ溶断に伴って三相一括して開放する三極連動開放機能付プライマリーカットアウトと、
    各相に配置され遮断機能を有する限流ヒューズが着脱可能に内装され、各相毎において遮断を行う前記とは別のプライマリーカットアウトとの直列回路を配置するとともに、
    放出形ヒューズの定格電流は限流ヒューズの定格電流よりも小さくなるようにした電力系統の保護回路
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