JP6191910B2 - ランプ - Google Patents

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Description

本発明はLED(Light Emitting Device)等の半導体発光素子を用いたランプに関する。
近年、省電力性に優れるランプとして、LED等の半導体発光素子を光源に用いたランプが普及している(例えば、特許文献1)。
特許文献1に開示されたランプ1100を図12の一部断面図に示す。ランプ1100は、LEDを有する発光モジュール1110と、点灯回路ユニット1120と、点灯回路ユニット1120を収容する円筒状の筐体1130とを備える。筐体1130の外周面には、複数の板状の放熱フィン1140がランプ1100の軸周りに放射状に設けられる。発光モジュール1110と点灯回路ユニット1120とは筐体1130に対して熱結合するように配置される。筐体1130の端部には口金1150が形成される。
通常、ランプ1100は造営材の天井に設けられた照明用器具のソケットに口金1150を装着し、主出射方向を鉛直方向(図12の紙面下方)に向けて取り付けられる。ランプ1100の点灯時には、発光モジュール1110と点灯回路ユニット1120との各駆動により生じた熱でランプ1100の周囲の空気が温められる。これにより、ランプ1100の周囲には上方に向かう空気の流れが発生する。この空気は隣り合う放熱フィン1140の間隙を流れる。これにより各放熱フィン1140の熱が外気に放熱される。放熱フィン1140は空気の整流作用がある。このため放熱手段として放熱フィン1140を用いると、放熱フィン1140の間隙に新たな空気をスムーズに送り込み、放熱後の空気を速やかに排気できる。
特開2011−258372号公報
上記のような半導体発光素子を用いたランプの長寿命化を図るためには、半導体発光素子と点灯回路ユニットとの各駆動により生じた熱をさらに効率よく放熱することが重要である。このため、ランプが良好な放熱特性を有することが望まれている。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、従来よりも良好な放熱特性を有するランプの提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一態様に係るランプは、基板と、前記基板に実装された複数の半導体発光素子と、板状であって、第一主面の一部領域に前記基板が配置されたベースと、前記ベースの第二主面に配置された筐体と、前記筐体内に収納され、前記各半導体発光素子を点灯させる点灯回路ユニットと、前記ベースの第二主面において、前記筐体と干渉しない位置に立設された複数の放熱フィンとを備え、前記ベースには、第一主面の前記一部領域を除く領域から前記筐体の一部を第一主面側に外部露出させるスリットが存在し、外部から前記スリットを経て前記筐体に至る外気の流通路を有する構成とする。
また、本発明の別の態様では、複数の前記半導体発光素子が複数のグループに分けられ、前記基板には隣り合ういずれかの前記グループ間において、前記ベースのスリットに外気を流通可能な貫通口が存在する構成とすることもできる。
また、本発明の別の態様では、前記基板は前記ベースの第一主面に間隔をおいて配置された複数のサブ基板を有し、前記各グループは前記各サブ基板と一対一に対応して前記各サブ基板上に実装され、前記貫通口は隣り合う前記各サブ基板間に存在する構成とすることもできる。
また、本発明の別の態様では、前記筐体は前記ベース側に突設された複数のリブを有し、前記各リブの頂部が前記ベースに接合され、前記各リブ間には前記各放熱フィンの間隙と連通する空間が存在し、前記スリットは、前記貫通口とともに前記空間と連通している構成とすることもできる。
また、本発明の別の態様では、複数のサブカバーを有する透光性カバーを有し、前記各サブカバーは、それぞれ前記各サブ基板を被覆するように配置されている構成とすることもできる。
また、本発明の別の態様では、前記ベースの第二主面において、前記筐体は前記ベースの周縁より内方に配置され、前記各放熱フィンは前記筐体の外周を囲繞するように配置されている構成とすることもできる。
また、本発明の別の態様では、前記各半導体発光素子は、前記ベースの第一主面に沿った平面上における一の点に対して点対称の位置に配置されている構成とすることもできる。
また、本発明の別の態様では、前記ベースの第一主面は円形であり、前記スリットは前記一の点を中心として放射状に複数形成されている構成とすることもできる。
また、本発明の別の態様では、前記各放熱フィンは前記ベースの第二主面の内側から周縁に向けて放射状に形成されている構成とすることもできる。
また、本発明の別の態様では、前記複数のスリットは、前記一の点を通り且つ直線状に連通する一対のスリットを含む構成とすることもできる。
また、本発明の別の態様では、前記ベースは金属部材を用いて構成され、前記筐体は電気絶縁性部材を用いて構成される構成とすることもできる。
また、本発明の別の態様では、前記ベースと前記筐体とが電気絶縁部材を用いて一体に構成されている構成とすることもできる。
また、本発明の別の態様では、前記点灯回路ユニットを複数有し、複数の前記半導体発光素子が複数の素子群に分けられ、前記各点灯回路ユニットは前記各素子群と一対一に対応して、前記各素子群中の前記各半導体発光素子と電気接続されている構成とすることもできる。
また、本発明の別の態様では、前記筐体は、外部より前記点灯回路ユニットを介して前記各半導体発光素子に給電するための口金を有する構成とすることもできる。
本発明の一態様に係るランプでは、各半導体発光素子の駆動により生じた熱がベースを介して各放熱フィンに伝熱される。各放熱フィンの熱は、各放熱フィンの間隙を流通する外気に放熱される。一方、点灯回路ユニットの駆動により生じた熱は筐体に伝熱される。ここで筐体の一部がベースに存在するスリットを通じてベースの第一主面側に外部露出されている。従って、筐体の熱はスリットを介して外部から取り込まれた外気に放熱される。
このように本発明の一態様に係るランプでは、半導体発光素子と点灯回路ユニットの各熱を互いに異なる流通路を通る外気に対して放熱させる。よって、半導体発光素子と点灯回路ユニットとをそれぞれ効率よく放熱できる。
またランプを傾斜して配置する場合には、ベースの第一主面を斜め下方向に向け、スリットの長手方向を水平方向に対して傾斜させると、スリットの長手方向に沿って上昇気流の外気をスリットから筐体まで良好に送り込むことができる。これにより筐体内の点灯回路ユニットを効率よく放熱できる。
結果として、従来よりも良好な放熱特性を有するランプを提供することができる。
実施の形態1のランプ1の斜め上方から見た外観構成図 実施の形態1のランプ1の斜め下方から見た外観構成図 ランプ1の内部構成を示す分解図 斜め上方から見たベース40と発光モジュール50との外観構成図 ベース40の斜め下方から見た外観構成図 比較例ランプの課題を説明するための模式図 ランプ1で奏される効果を説明するための模式断面図 ランプ1で奏される効果を説明するための模式図 実施の形態2の発光モジュール50と筐体10Aの外観構成図 実施の形態3の発光モジュール50Bの構成を示す正面図 実施の形態4の発光モジュール50Cの構成を示す正面図 従来のランプ1100の外観構成図
<実施の形態1>
以下、本発明の実施の形態1に係るランプについて、図面を用いて説明する。
(ランプ1の構成)
図1と図2に示すように、ランプ1は電球形としている。
図3に示すように、ランプ1は、筐体10と、弾性部材20と、点灯回路ユニット30と、ベース40と、放熱フィン44と、発光モジュール50と、透光性カバー60とを備えている。ランプ1は、筐体10の口金11を装着可能な照明用器具のソケットに装着して使用できる。
次にランプ1をその構成要素毎に説明する。
[筐体10]
図3に示すように、筐体10は、口金11と、回路収納部12と、蓋13とを備える。筐体10は全体として円筒状である。
口金11はランプ1を照明用器具のソケットに接続するための部品である。また、口金11は外部の商用電源の交流電力を点灯回路ユニット30に給電する。口金11は雄ねじ状のシェル111と、シェル111に対して電気絶縁が図られたアイレット112とを備える。シェル111とアイレット112とはそれぞれ金属材料等の導電性部材で構成される。口金11の形状は照明用器具のソケットの規格に合わせ、例えばE26規格やE39規格とすることができる。
回路収納部12は点灯回路ユニット30を内部に収納する。回路収納部12は円筒体である。回路収納部12の内部には不図示のリブが複数立設されている。この各リブの間に点灯回路ユニット30の基板31が挟設される。これにより点灯回路ユニット30と回路収納部12とが熱結合される。回路収納部12の外周には蓋13の係合ツメ134と係合可能な係合孔120が設けられる。口金11は回路収納部12の長手方向一端に配置されている。
蓋13は回路収納部12の長手方向他端に装着される。これにより蓋13は回路収納部12の内部を封止する。蓋13は、円盤状の基台130と、複数のリブ131とを有する。
各リブ131は、蓋13の表面に立設される。これにより各リブ131は筐体10においてベース40側に突設される。具体的に各リブ131は、基台130の表面の周縁に沿って立設される。隣り合うリブ131の間には間隙132が存在する。これによりランプ1では、蓋13とベース40との間において、間隙132を介し、放熱フィン44の間隙45と連通する空間Pが存在するように図られる。基台130の中央には、点灯回路ユニット30の配線33を外部露出させる挿通孔133が設けられる。基台130の周囲には回路収納部12の係合孔120と係合される係合ツメ134が延設される。蓋13は、係合ツメ134と係合孔120とを用いて回路収納部12に装着される。これにより回路収納部12と蓋13とが熱結合する。
リブ131はベース40に筐体10を接合する部位である。ベース40と対向するリブ131の頂部には接着部材が配設される。この接着部材によりリブ131とベース40の第二主面40Y(図3参照)とが接合される。接着部材としては公知のものを使用できる。低熱伝導性の接着部材を用いると、筐体10とベース40との間における伝熱を抑制できる。或いはネジ止めの方法を利用してリブ131とベース40とを連結してもよい。
回路収納部12と蓋13とは、いずれも樹脂材料等の電気絶縁性部材で構成される。
[弾性部材20]
弾性部材20は口金11を照明用器具のソケットに装着した際、口金11周辺を覆う。これにより口金11周辺に外部から水分やゴミ等が付着するのを防止する。弾性部材20は柔軟な環状部材である。弾性部材20は一例として柔軟な樹脂材料やエラストマー材料等で構成される。弾性部材20は筐体10の外周に装着される。ランプ1において、弾性部材20は回路収納部12の外周の全周にわたり、密に装着される。
[点灯回路ユニット30]
点灯回路ユニット30は、口金11を通じて外部より供給される交流電力を直流電力に変換する。さらに点灯回路ユニット30は、直流電力を発光モジュール50の各LED52に供給して点灯させる。図3に示すように、点灯回路ユニット30は、基板31と、基板31に実装された複数の電子部品32と、基板31に接続された複数の配線33とを有する。
電子部品32には電解コンデンサ等の素子が含まれる。
各配線33は一端にコネクタ33Aを有する。コネクタ33Aは発光モジュール50のソケット53(図4参照)と接続される。コネクタ33Aがソケット53と接続されることで、各配線33を介し、点灯回路ユニット30が各LED52と電気接続される。さらに点灯回路ユニット30は基板31に接続された不図示の配線を有する。この配線は、口金11のシェル111とアイレット112とにそれぞれ電気接続される。
[ベース40]
ベース40は発光モジュール50が配置される部品である。また、ベース40は発光モジュール50のLED52で生じた熱を放熱フィン44に伝熱する。図4と図5とに示すように、ベース40は、平板部41a〜41dと、区画壁42a〜42dと、リブ42eとを備える。ベース40は一例として良好な熱伝導性材料、例えばアルミニウムやアルミニウム合金、マグネシウム合金等の金属材料を用いて構成される。
平板部41a〜41dは、それぞれ平面視すると中心角が90°の同一サイズの扇形に形成される。各平板部41a〜41dは同一平面上において、互いに一定の間隔をおき、且つ、対称的な位置に配置される。このような平板部41a〜41dによって、第一主面40Xと第二主面40Yとを有する板状のベース40が構成される。第一主面40Xと第二主面40Yとは全体的な形状がともに円形である。
図5に示すように、平板部41a〜41dには配線33を挿通するための挿通孔46a〜46dが設けられている。
区画壁42a〜42dは、ベース40の第一主面40Xにおいて、平板部41a〜41dの直線状の2辺に沿って立設される。リブ42eは区画壁42a〜42dと連続するように、平板部41a〜41dの各円弧状の一辺に沿って立設される。区画壁42a〜42dとリブ42eとによって、第一主面40Xにおける平板部41a〜41dの各内側領域が囲繞される。
ここでベース40の特徴として、平板部41a〜41dの間には、互いに連通するスリット43A〜43Dが存在する。スリット43A〜43Dは、同順に隣接する平板部の41aと41b、41bと41c、41cと41d、41dと41aの各間をそれぞれ分断する。ベース40において、スリット43A〜43Dは互いに十字状に連通している。スリット43A〜43Dは、発光モジュール50の貫通口55A〜55Dを介して筐体10の一部(具体的には基台130の表面)を外部露出させるように設けられる(図1、図3参照)。スリット43A〜43Dは外気を筐体10の周りに送り込む流通路の一部として機能する。
尚、スリット43A〜43Dの各幅は適宜個別に調整することが可能である。スリット43A〜43Dの各幅としては、外気の取込効率と発光モジュール50の面積確保とを両立できる範囲とするのが望ましい。例えば、平面視した際のベース40の外径が20cm以下の場合、その外径の1/5〜1/10程度とすることができる。
[放熱フィン44]
放熱フィン44は、主としてLED52の駆動により生じた熱を外気に放熱する。一例として、放熱フィン44はベース40と一体的に構成される。すなわち、放熱フィン44はベース40の第二主面40Yに対し、外気に接するように互いに間隔をおいて複数立設されている。図5に示すように、各放熱フィン44は板体であって、第二主面40Yの表面に垂直な方向(ランプ軸方向)の長さを高さHとする。また各放熱フィン44は、その両主面と平行且つ第二主面40Yの表面に沿った方向の長さを幅Wとする。さらに各放熱フィン44は、両主面間の距離を厚みDとする。具体的に各放熱フィン44は、互いに間隙45をおき、第二主面40Yの内側(ここでは第二主面40Yに沿った面の中心)から周縁に向けて放射状に立設される。間隙45は、スリット43A〜43Dと貫通口55A〜55Dとに連通している。
尚、第二主面40Yには筐体10がベース40の周縁よりも内方の領域A(図5参照)に配置される。このとき放熱フィン44は、ベース40上の筐体10と干渉しない位置において、筐体10の外周を囲繞するように立設される。このように放熱フィン44と筐体10とを離間させるのは、各放熱フィン44と筐体10との間における伝熱経路の形成を抑制するための工夫である。また、放熱フィン44と筐体10とをともに第二主面40Y上に配置することで、ランプ1の包絡体積を比較的コンパクトに設計できる。
尚、放熱フィン44の幅Wを比較的短く確保するか、放熱フィン44の厚みDを比較的薄くしてもよい。これらのいずれかの工夫を行うことにより間隙45が広がり、ランプ1の周囲に存在する外気を間隙45に豊富に取り込むことができる。
[発光モジュール50]
図3と図4とに示すように、発光モジュール50は、基板51と、LED52と、ソケット53とを有する。
基板51にはLED52が配置される。基板51は互いに離間して配置された4つのサブ基板51a〜51dを有してなる。
サブ基板51a〜51dは、金属基板と、金属基板に積層された絶縁層と、絶縁層上に形成された配線パターン(ともに不図示)とを有してなる。サブ基板51a〜51dの平面形状は、ベース40の平板部41a〜41dの形状に合わせて扇形である。金属基板はLED52の駆動で生じた熱をベース40側に伝熱する。絶縁層は金属基板と配線パターンとを絶縁する。サブ基板51a〜51dは厚み方向に貫通するねじ孔(不図示)を有する。
サブ基板51a〜51dの上面51Xには各LED52が実装される。サブ基板51a〜51dの下面51Yはベース40の第一主面40Xの一部領域(具体的には平板部41a〜41dの表面)に密着するように配置される。サブ基板51a〜51dは、各々のねじ孔に挿通させたねじを平板部41a〜41dに螺合させることにより、平板部41a〜41dに対して固定される。
LED52はランプ1の光源である。LED52はSMD(Surface Mount Device)型である。LED52は半導体発光素子の一例である。LED52は素子本体と、素子本体を取り囲む擂鉢状の反射部材と、反射部材の内部に充填された封止体とを有する。
ランプ1では、複数のLED52を用いている。各LED52は複数のグループ(LEDグループ54a〜54d)に分けられ、各サブ基板51a〜51d上に実装されている。具体例として発光モジュール50では、合計48個のLED52が、それぞれ12個ずつのLED52を含む4つのLEDグループ54a〜54dに分けられている。各LEDグループ54a〜54dは各サブ基板51a〜51dに対し、一対一に対応してサブ基板51a〜51dの各配線パターンに実装されている。
サブ基板51a〜51dは、ベース40の第一主面40Xに対し、互いに間隔をおいて配置される。これにより基板51には、54a〜54dのうち、隣り合うLEDグループ間において、ベース40のスリット43A〜43Dに外気を流通可能な貫通口55A〜55Dが存在する。具体的には、隣り合う各サブ基板51a〜51d間に貫通口55A〜55Dが存在する(図3参照)。貫通口55A〜55Dの周縁形状は、スリット43A〜43Dの形状に合わせたスリット状としている。ランプ1では、貫通口55A〜55Dとスリット43A〜43Dにより外部から筐体10に至る外気の流通路が存在する。
サブ基板51a〜51dを平板部41a〜41dに配置することで、各LED52は第一主面40Xに沿った平面上における一の点(具体的には第一主面40Xの中心)に対して点対称の位置に配置される。具体的には図3と図4とに示すように、各LED52は第一主面40Xの中心の周りで二重の円環の配列をなすように配置される。これによりランプ1の駆動時には、広範囲な配光分布が得られるように図られている。
ソケット53は点灯回路ユニット30の配線33のコネクタ33Aと電気接続される。ソケット53はLED52と同様にサブ基板の配線パターンに実装される。
[透光性カバー60]
透光性カバー60は発光モジュール50を被覆する。また透光性カバー60は、各LED52からの出射光を透過する。図3に示すように、透光性カバー60は複数(一例として4つ)のサブカバー60a〜60を有してなる。
サブカバー60a〜60dは、それぞれ平面視した際にサブ基板51a〜51dと形状及びサイズに合わせた扇形に形成されている。サブカバー60a〜60dは、各サブ基板51a〜51dをそれぞれ被覆するように配される。サブカバー60a〜60dの側面61a〜61dは平坦面である。これによりサブカバー60a〜60dが各サブ基板51a〜51dにおける各LED52を被覆し、且つ、スリット43A〜43Dを閉塞しないように図られている。
透光性カバー60は、例えばポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、シリコン樹脂等の透明な樹脂材料、或いはガラス材料のいずれかを用いて形成される。透光性カバー60は、例えばベース40のリブ42eの頂部と接着剤により接合される。
以上のように、ランプ1は、基板(サブ基板51a〜51d)と、基板(サブ基板51a〜51d)に実装された複数の半導体発光素子(LED52)と、板状であって、第一主面40Xの一部領域に基板(サブ基板51a〜51d)が配置されたベース40と、ベース40の第二主面40Yに配置された筐体10と、筐体10内に収納され、各半導体発光素子(LED52)を点灯させる点灯回路ユニット30と、ベース40の第二主面40Yにおいて、筐体10と干渉しない位置に立設された複数の放熱フィン44とを備え、ベース40には、第一主面40Xの前記一部領域を除く領域から筐体10の一部を第一主面40X側に外部露出させるスリット43A〜43Dが存在し、外部からスリット43A〜43Dを経て筐体10に至る外気の流通路を有する構成としている。
(ランプ1の駆動)
ランプ1を駆動する際、ユーザは予めランプ1の口金11を照明用器具のソケットに装着する。ユーザは電源装置を操作し、照明用器具のソケットを通じてランプ1に交流電力を投入する。これによりランプ1の点灯回路ユニット30が交流電力を直流電力に変換する。点灯回路ユニット30が直流電力を各LED52に供給することにより、各LED52が点灯する。各LED52の出射光は透光性カバー60に入射される。入射光は透光性カバー60より外部に出射され、照明光として利用される。
ここでランプ1では、以下の諸効果を期待できる。
[ランプ1が奏する放熱効果]
まず、スリット43A〜43Dを有さない比較例ランプについて説明し、続いてランプ1が奏する放熱効果について述べる。
(i)スリット43A〜43Dを有さない比較例ランプについて
図6を用いてスリット43A〜43Dを有さない比較例ランプを説明する。当図に示すランプ1100は、図12を用いて先に説明したランプ1100と同じ構成である。
ランプ1100を下方に向けて配置し、点灯させた場合、ランプ1100の周囲の外気はランプ1100の発熱により熱せられて上昇気流となる。この上昇気流は隣り合う放熱フィン1140の間隙を流通する。ランプ1100では、点灯回路ユニット1120の駆動により生じた熱と、発光モジュール1110の駆動により生じた熱が、ともに放熱フィン1140に伝熱される。従って放熱フィン1140の熱は、隣り合う放熱フィン1140の間隙を流通する上昇気流と熱交換される。
ランプ1100では、点灯回路ユニット1120の駆動により生じた熱と、発光モジュール1110の駆動により生じた熱とが、放熱フィン1140に集中する。従って、隣り合う放熱フィン1140の間隙を流通する上昇気流に対して比較的大量の熱を放熱しなければ、ランプ1100の過熱を招くおそれがある。また、ランプ1100では発光モジュール1110と点灯回路ユニット1120と放熱フィン1140とが熱結合されている。このため、発光モジュール1110と点灯回路ユニット1120との各発熱量が異なると、このうち高温度側が放熱フィン1140を介して低温度側を加熱させるおそれもある。
さらに、放熱フィン1140に対して点灯回路ユニット1120がランプ1100の奥まった位置にあるため、ランプ1100の内部に熱がこもり易い。このため点灯回路ユニット1120の熱を外気に放熱しにくい場合がある。
また、ランプ1100を鉛直方向に対して傾斜するように配置した場合、上方に位置する放熱フィン1140の間には上昇気流が流通しにくい。このため、ランプ1100の放熱特性が低下する問題も生じうる。
(ii)
図7を用いてランプ1の効果を説明する。当図では説明のため筐体10以外の構造部を断面で図示している。
図7に示すようにランプ1を点灯させた場合、ランプ1の周囲で発生した上昇気流の一部が、放熱フィン44の間隙45を流通する(以下、この空気を「第1の外気」と称する。)。第1の外気には、LED52の駆動により生じた熱が放熱フィン44より放熱される。
一方、サブ基板51a〜51dの周囲で発生した上昇気流の一部が、貫通口55A〜55Dおよびスリット43A〜43Dからランプ1の内部に取り込まれる(以下、この空気を「第2の外気」と称する。)。第2の外気には、点灯回路ユニット30の駆動により生じた熱が筐体10(主として蓋13及び回路収納部12)の表面より放熱される。
このようにランプ1では、第1の外気と第2の外気とが互いに異なる流通路でランプ1に入り込む。従ってランプ1では、LED52と点灯回路ユニット30とを個別に効率よく放熱させることができる。このため、LED52と点灯回路ユニット30との各発熱温度が異なる場合であっても、一方が他方を加熱するのを防ぎつつ、それぞれを放熱できる。また、スリット43A〜43Dは貫通口55A〜55Dとともに空間Pと連通し、空間Pは放熱フィン44の間隙45と連通している。これにより第2の外気が第1の外気とともに間隙45より速やかに外部に排気される。
尚、スリット43A〜43Dから取り込まれる第2の外気には、平板部41a〜41dや区画壁42a〜42d等を介し、ベース40の中心付近に位置する各LED52の駆動により生じた熱の一部が伝熱される。これにより、従来では放熱しにくかったベースの中心付近に位置する各LED52を効率よく放熱できる。
(iii)
図8は、ベース40の第一主面40Xを斜め下方向に向け、且つランプ1を水平方向から見た場合にスリット43A、43Cの長手方向が水平方向に対して傾斜するように(図8の例ではスリット43A、43Cをベース40の第一主面40Xの最大傾斜線に沿うように)ランプ1を配置した場合に奏される効果を模式的に示したものである。
ランプ1では、貫通口55A〜55Dと連通するスリット43A〜43Dを設ける。これにより、第一主面40Xを斜め下方向に向け、スリット43A〜43Dのいずれかの長手方向を水平方向に対して傾斜するように配置すれば、スリット43A〜43Dを介し、上昇気流の第2の外気をスリット43A〜43Dの長手方向に沿って筐体10の周りまで良好に送り込むことができる。よって点灯回路ユニット30の駆動により生じた熱を、筐体10を介して第2の外気に効率よく熱交換でき、優れた放熱効果を期待できる(図8中の矢印を参照)。
(iv)
ランプ1では、LEDグループ54a〜54dがサブ基板51a〜51dとともに、貫通口55A〜55Dによって分け隔てられている。この貫通口55A〜55Dにより隣り合うLEDグループ54a〜54d間における伝熱経路の形成が抑制されている。従って54a〜54dのうち、一のLEDグループがこれに隣り合う他のLEDグループにより伝熱されて加熱されるのを抑制する効果も奏される。
以上の諸効果が奏されることで、結果として、従来よりも良好な放熱特性を有するランプ1を提供できる。
以下、本発明の別の実施の形態について、実施の形態1との差異を説明する。
<実施の形態2>
実施の形態2のランプにおける、回路収納部12Aと点灯回路ユニット30a〜30dとサブ基板51a〜51dとを図9に示す。
実施の形態2のランプが実施の形態1のランプ1と異なる点として、点灯回路ユニットを複数備える(30a〜30d)。
一方、発光モジュール50では、複数のLED52が複数の素子群(一例としてLEDグループ54a〜54d)に分けられている。各点灯回路ユニット30a〜30dはLEDグループ54a〜54dと一対一に対応して、LEDグループ54a〜54d中の各LED52と電気接続される。
また、回路収納部12Aの内部には仕切り121が設けられている。各点灯回路ユニット30a〜30dは仕切り121により互いに電気絶縁されて回路収納部12Aに収納される。
このような構成を有する実施の形態2のランプにおいても、実施の形態1のランプ1と同様の効果を期待できる。また、各サブ基板51a〜51dの各LED52を直列接続し、一括して点灯回路ユニットより電力供給する場合等に比べ、点灯回路ユニット30a〜30dに含まれる電子部品の各耐圧特性がそれほど高くなくてもよい。従って点灯回路ユニット30a〜30dの電子部品に高耐圧特性のものを用いる必要がない。これにより比較的低コストでランプを実現できる利点がある。
<実施の形態3>
実施の形態3のランプにおける発光モジュール50Bの構成を図10に示す。
実施の形態3のランプが実施の形態1のランプ1と異なる点として、発光モジュール50Bがサブ基板を有さず、単一の基板51Aを有する。基板51Aの表面には、発光モジュール50Bを平面視した際に十字状となる貫通口55Fが設けられている。基板51A上で隣り合う各LEDグループ54a〜54dは貫通口55Fにより隔てられている。
実施の形態3のランプのベースは図示しないが、リブ42eに近接する区画壁42a〜42d(図4参照)を一部切欠き、発光モジュール50が収まる形状としている。
以上の構成を有する実施の形態3のランプにおいても、実施の形態1のランプ1と同様の効果を期待できる。また、単一の基板51Aを用いることで発光モジュール50Bを比較的容易にベースに収納できる。このためランプの製造工程を簡略化できる利点も有する。
<実施の形態4>
実施の形態4のランプにおける、発光モジュール50Cの構成を図11に示す。
実施の形態4のランプが実施の形態1のランプ1と異なる点として、発光モジュール50Cが3つのサブ基板51e〜51gを有する。各サブ基板51e〜51gの中心角はそれぞれ120°であり、互いに間隔をおいて円形に配置される。これにより隣り合うサブ基板51e〜51gの間には3つの貫通口55G〜55Iが設けられている。
実施の形態4のランプのベースは図示しないが、平板部及び区画壁(図4参照)の形状はサブ基板51e〜51gを配置可能な形状としている。
以上の構成を有する実施の形態4のランプにおいても、実施の形態1のランプ1と同様の効果を期待できる。また、実施の形態1に比べて貫通口の数が少ないので、その分、サブ基板51e〜51gの実装面積を増大させることができる。このため、各サブ基板51e〜51gに豊富な数のLED52を実装することが可能である。
<その他の事項>
発光モジュールの基板に「貫通口」を複数設ける場合には、必ずしも各貫通口を連通させなくてもよい。しかしながら各貫通口を連通させることで、外気を各貫通口間にスムーズに流通できる利点がある。
貫通口の形状は連続的な直線状(または帯状)に限定されず、断続的に設けることもできるし、曲線状に設けることも可能である。
本発明において、半導体発光素子はLEDに限定されない。例えばレーザダイオード(LD)、有機EL素子(OLED)のいずれかであってもよい。
また、発光モジュール50、50B、50Cの基板は全体的な形状を円形としたが、本発明はこれに限定されない。例えば多角形状、楕円状、矩形状のいずれかとすることもできる。
発光モジュール50におけるLED52の総数は各図に示した個数に限定されず、これ以外の数であってもよい。
発光モジュール50とベース40との間には、熱伝導性シートや熱伝導性グリース等の熱伝導性部材を介設してもよい。
本発明のランプにおける放熱手段は放熱フィンを有することが望ましい。ピンや突起物等を備える放熱手段に比べ、放熱フィンを備える放熱部では空気の良好な整流作用が発揮される。これにより隣り合う放熱フィンの間隙を空気がスムーズに流通できるので好適である。
放熱フィン44はベース40と一体的に構成する必要はなく、これらを別々の部材で構成してもよい。
発光モジュール50におけるLEDグループ54a〜54dは、ベース40の第一主面40Xに沿って、一の点(例えば第一主面40Xの中心)に対して点対称の位置に配置することが望ましい。このようなLEDグループ54a〜54dの配置とすることで、点灯時の配光特性の偏りを防止することができる。またこの場合、スリットはベース40の第一主面40Xに沿った一の点(一例えば第一主面40Xの中心)からベース40の周縁に向けて放射状に形成すると、ランプ1の内側に位置する各LED52を放熱させやすくなるので望ましい。
ベースに設ける各スリットの位置は適宜調節が可能である。ベース40を平面視する際、ベース40の中心を通り且つ直線状に連通する一対のスリット(図8の例ではスリット43Aと43C)を含むようにすることもできる。この場合、鉛直方向に対してランプを傾斜配置した場合でも点灯回路ユニット30の良好な放熱効果を期待できるので望ましい。
実施の形態1のランプ1では、ベース40を放熱性に優れる金属材料で構成した。また、筐体10を絶縁性に優れる樹脂材料で構成する場合を示した。しかしながらベース40と筐体10の材料はこれに限定されない。例えばベース40と筐体10とをともに放熱性及び絶縁性に優れる材料で構成することもできる。このような材料として、カーボンファイバー等の炭素材料やセラミック等の無機材料を樹脂材料に混入させたものを例示することができる。このような材料を用いる場合には、ベース40と筐体10とを射出成形等により一体部材として構成することも可能である。
実施の形態1のランプ1においてサブカバー60a〜60dの側面61a〜61dには、各LED52と対向する面に可視光反射性の反射膜を形成してもよい。これにより各LED52から斜めに出射される光の一部を側面61a〜61dで反射することができる。従って広範囲な配光分布が得られる可能性がある。
実施の形態2では、複数の点灯回路ユニット30a〜30dを用いる例を示した。しかしながらこの場合、点灯回路ユニットを個別に設ける構成に限定されない。例えば一の基板を用いて複数の点灯回路を構成した点灯回路ユニットを用い、各点灯回路を各サブ基板51a〜51dのLED52に電気接続することもできる。
1、1100 ランプ
10、1130 筐体
11、1150 口金
12、12A 回路収納部
13 蓋
20 弾性部材
30、30a〜30d 点灯回路ユニット
40 ベース
40X ベースの第一主面
40Y ベースの第二主面
41a〜41d 平板部
42a〜42d 区画壁
42e ベースのリブ
43A〜43D スリット
44、1140 放熱フィン
45 放熱フィンの間隙
50、50B、50C、1110 発光モジュール
51 基板
51X 上面
51Y 下面
51a〜51g サブ基板
52 LED(半導体発光素子)
53 ソケット
54a〜54d LEDグループ(半導体発光素子グループ)
55A〜55D、55F、55G〜55I 貫通口
60 透光性カバー
60a〜60d サブカバー
61a〜61d カバー側面
121 仕切り
130 基台
131 蓋のリブ
132 蓋のリブの間隙

Claims (11)

  1. 基板と、
    前記基板に実装された複数の半導体発光素子と、
    板状であって、第一主面の一部領域に前記基板が配置されたベースと、
    前記ベースの第二主面に配置された筐体と、
    前記筐体内に収納され、前記各半導体発光素子を点灯させる点灯回路ユニットと、
    前記ベースの第二主面において、前記筐体と干渉しない位置に立設された複数の放熱フィンとを備え、
    前記ベースには、第一主面の前記一部領域を除く領域から前記筐体の一部を第一主面側に外部露出させるスリットが存在し、
    外部から前記スリットを経て前記筐体に至る外気の流通路を有し、
    複数の前記半導体発光素子が複数のグループに分けられ、
    前記基板には隣り合ういずれかの前記グループ間において、前記ベースのスリットに外気を流通可能な貫通口が存在し、
    前記筐体は前記ベース側に突設された複数のリブを有し、前記各リブの頂部が前記ベースに接合され、
    前記各リブ間には前記各放熱フィンの間隙と連通する空間が存在し、
    前記スリットは、前記貫通口とともに前記空間と連通している
    ことを特徴とするランプ。
  2. 基板と、
    前記基板に実装された複数の半導体発光素子と、
    板状であって、第一主面の一部領域に前記基板が配置されたベースと、
    前記ベースの第二主面に配置された筐体と、
    前記筐体内に収納され、前記各半導体発光素子を点灯させる点灯回路ユニットと、
    前記ベースの第二主面において、前記筐体と干渉しない位置に立設された複数の放熱フィンとを備え、
    前記ベースには、第一主面の前記一部領域を除く領域から前記筐体の一部を第一主面側に外部露出させるスリットが存在し、
    外部から前記スリットを経て前記筐体に至る外気の流通路を有し、
    前記点灯回路ユニットを複数有し、
    複数の前記半導体発光素子が複数の素子群に分けられ、
    前記各点灯回路ユニットは前記各素子群と一対一に対応して、前記各素子群中の前記各半導体発光素子と電気接続されている
    ことを特徴とするランプ。
  3. 前記基板は前記ベースの第一主面に間隔をおいて配置された複数のサブ基板を有し、
    前記各グループは前記各サブ基板と一対一に対応して前記各サブ基板上に実装され、
    前記貫通口は隣り合う前記各サブ基板間に存在し、
    複数のサブカバーを有する透光性カバーを有し、
    前記各サブカバーは、それぞれ前記各サブ基板を被覆するように配置されている
    ことを特徴とする請求項に記載のランプ。
  4. 前記ベースの第二主面において、前記筐体は前記ベースの周縁より内方に配置され、
    前記各放熱フィンは前記筐体の外周を囲繞するように配置されている
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のランプ。
  5. 前記各半導体発光素子は、前記ベースの第一主面に沿った平面上における一の点に対して点対称の位置に配置されている
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のランプ。
  6. 前記ベースの第一主面は円形であり、
    前記スリットは前記一の点を中心として放射状に複数形成されている
    ことを特徴とする請求項に記載のランプ。
  7. 前記各放熱フィンは前記ベースの第二主面の内側から周縁に向けて放射状に形成されている
    ことを特徴とする請求項に記載のランプ。
  8. 前記複数のスリットは、前記一の点を通り且つ直線状に連通する一対のスリットを含む
    ことを特徴とする請求項6または7に記載のランプ。
  9. 前記ベースが金属部材を用いて構成され、
    前記筐体が電気絶縁性部材を用いて構成されている
    ことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のランプ。
  10. 前記ベースと前記筐体とが電気絶縁部材を用いて一体に構成されている
    ことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のランプ。
  11. 前記筐体は、外部より前記点灯回路ユニットを介して前記各半導体発光素子に給電するための口金を有する
    ことを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のランプ。
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