JP6191329B2 - 台紙一体型カード - Google Patents

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本発明は、カードとカード台紙とが一体となった台紙一体型カードに関し、さらに詳しくはプラスチックシートまたは厚紙を基材としたカードとカード台紙とが一体となった台紙一体型カードに関するものである。
近年、自社の店頭で他社のギフトカードを陳列して販売する百貨店、スーパー・マーケット、 コンビニエンス・ストアや、各種の専門店などの小売店が増加傾向にある。ギフトカードとしては例えば、音楽ダウンロード用のプリペイドカード(iTunes Card(登録商標))やゲームを楽しむプリペイドカード(ニンテンドープリペイドカード、プレイステーションネットワーク カード、GREE、Mobage、Amazon(いずれも登録商標))等がある。
中でもPOSA(Point of Sales Activation)カードはインコム・ジャパン株式会社の登録商標で、POSA(ポサ)カードは、レジで店員がバーコードを読取り購入希望者の支払いが完了した時点で初めて対象のカードに記載している例えばPINコードが使用可能となる(有効化される)カードである。購入者はカードに記載されているPINコードを入手し、インターネット上でPINコードを入力することにより金銭として使用することができる。ここでいうPIN(Personal Identification Number)コードとはいわゆる暗証番号のことである。
POSAカードはソフトウエアの流通がソフトウエア製品販売流通からソフトウエアダウンロード流通(オンライン販売)にシフトしている中で見いだされたものと考えられる。これは、実際の物品を販売する量販店などではよく見られるシステムである。すなわち実物の代わりに、実物を表示するカードを売り場に置く。そのカードをレジに持参し決済すると実物が渡される仕組みになっている。
POSAカードの場合は、商品のモックアップ(模型)やカードなどそれ自体は価値の低いものを購入希望者がレジに持参し決済した段階で、モックアップやカードをアクティベーションして使用することになる。このやり方だと、在庫負担を大幅に軽減する事が可能となる。
POSAカードは一般に紙の台紙にPET(ポリエチレンテレフタレート)や紙製のカードが貼付されている形態のものが多いが、POSAカードの中には、カードが無く台紙に直接PINコードとバーコードが印字されている形態のものもある。
PINコードはカードに固有なコードであって、一般的にはPINコードはスクラッチ層で覆われている。カードによるサービスを利用する場合にスクラッチ層が削り取られる。従って、スクラッチ層が削り取られた形跡をもって、当該カードが未使用カードか否かの判別がなされる。それ故スクラッチ層としては例えば特許文献1あるいは特許文献2のような改ざんや偽造が困難なものが求められる。
特許第3830602号公報 特許第4973163号公報
しかしながら、特許文献1あるいは特許文献2に記載されたスクラッチ層は技術的に高度な要素を含んでおり、コスト高となる。そこで本発明は、スクラッチ層を用いずにカードの使用履歴を付与でき、さらにカードを手剥がししやすい台紙一体型カードを提供することを目的とするものである。
そこで、本発明に係わる台紙一体型カードは、以下の各発明により上記課題を解決した。なお、以下の各発明に付した括弧内の符号は、図面に付した符号と対応している。
本発明に係わる第1の発明は、カード台紙(27)ならびにカード部(26)とからなる不透明な第一基材(20)と、前記カード部(26)となる領域を含む第一基材(20)に対向する位置に透明な疑似接着構造(38)を介して透明な第二基材(36)とが接着され、前記第一基材(20)の前記疑似接着構造(38)側の面であって、前記カード部(26)となる領域内に少なくとも第一の情報(23)と第二の情報(24)が形成され、前記第一の情報(23)は光学読取り可能なコード情報として形成され、前記第二基材(36)の表裏いずれかの面には、前記第一の情報(23)が形成された領域に対応する領域を除いて隠蔽層(36b)が形成され、前記第一の情報(23)が形成された領域に対応する領域に透明な窓部(39)が形成され、前記カード部(26)のカード外周形状に相当する切込み(25)が前記第一基材(20)を貫通し前記第一基材(20)側から前記疑似接着構造(38)の剥離界面(37)に達する深さに形成されていることを特徴とする台紙一体型カード(100)である。
本発明に係わる第2の発明は、第1の発明において、前記第一の情報(23)が、一次元コードまたは二次元コードであることを特徴とする台紙一体型カード(100)である。
本発明に係わる第3の発明は、第1の発明または第2の発明において、前記第一基材(20)のカード台紙(27)内の領域であって、前記第二基材(36)が接着されている領域と重ならない領域に引掛け部(10)を設けたことを特徴とする台紙一体型カード(100)である。
本発明に係わる第4の発明は、第3の発明において、前記引掛け部(10)周囲を含む余白領域の少なくとも一部に補強層(70)を設けたことを特徴とする台紙一体型カード(100)である。
本発明に係わる第5の発明は、第1の発明または第2の発明において、前記第一基材(20)のカード台紙(27)内の領域であって、前記第二基材(36)が接着されている領域と重なる領域に引掛け部(10)を設けたことを特徴とする台紙一体型カード(100)である。
カード部とカード台紙とを一体とした台紙一体型カードとすることで、カード部とカード台紙とを同時に製造することが可能であり、また、第一基材と第二基材との間を疑似接着構造とすることにより、カード部を第二基材から容易に手剥がしすることが可能となる。また、第一基材と第二基材に形成された疑似接着構造が引掛け部を含む領域を覆うので、補強テープなどの補強層が不要になるという効果がある。
本実施形態に係わる台紙一体型カードにおいて表面に疑似接着構造積層体を貼付する図の一例である。 図1においてカードを形成した図の一例である。 図1の裏面図の一例である。 疑似接着構造積層体の層構成を表した図の一例である。 疑似接着構造積層体の層構成を表した図の別の一例である。 図2におけるA−A線の断面図である。 本実施形態に係わる台紙一体型カードにおいてカード部を取り出した図の一例である。 本実施形態に係わる台紙一体型カードにおいて補強層を設けた図の一例である。 本実施形態に係わる台紙一体型カードにおいて表面に疑似接着構造積層体を貼付した図の別の一例である。
次に、本発明の実施形態について、図面を参照して詳述する。
図1は、本実施形態に係わる台紙一体型カードにおいて表面に疑似接着構造積層体を貼付する図の一例である。図1において、100は台紙一体型カード、10は引掛け部、20は第一基材、23は第一の情報、30は疑似接着構造積層体、39は窓部である。図1では、別途作製した窓部39を有する疑似接着構造積層体30を第一基材20に貼付する過程の状態を示している。後に説明する疑似接着構造積層体30の形状は、図1では長方形をなしているが、この形状に限定されるものではない。さらに、疑似接着構造積層体30の大きさは引掛け部10に重ならず、通常のカードの大きさが形成できる程度であれば第一基材20の範囲内で特に限定されない。
図2は、図1においてカードを形成した図の一例である。図2において、26はカード部である。すなわち、疑似接着構造積層体30が第一基材20に貼付され、後に説明するように裏面からカード部26を形成した状態を破線で示したものである。
図3は、図1の裏面図の一例である。カード部26は、裏面から形成する。台紙一体型カード100は長方形状、あるいは長方形状でコーナーが丸みを帯びた形状であるが、代表的なサイズは、紙面に対して横方向の長さが101.6mm、紙面に対して縦方向の長さが133mm、角丸形状の場合のコーナーのRは3mmである。なお、それぞれの長さ及びコーナーのRは、用途により自由に変えることが可能である。本実施形態においては、第一基材20、カード部26の全てのコーナーを角丸形状とした。勿論、角丸形状にしなくてもよい。
第一基材20の有効利用という側面から、用途に応じて、第一基材20の両面あるいは片面に、意匠性、偽造防止性に寄与できるホログラムを形成してもよい。また、当たりはずれ等のくじ情報を印字することも可能である。
店頭販売するために棚に引っかけるための引掛け部10の形状は図3に示されているがどのような形でもよい。
図4は、疑似接着構造積層体の層構成を表した図の一例である。図4において、32は感熱接着剤層、33は第一の樹脂層、34は第二の樹脂層、35は感熱接着剤層、36は第二基材、36aは透明層、36bは隠蔽層、38は疑似接着構造、39は窓部である。
本実施形態においては、疑似接着構造積層体30の構成は、感熱接着剤層/第一の樹脂層/第二の樹脂層/感熱接着剤層/第二基材とからなる層構成を有しており、第一の樹脂層33と第二の樹脂層34は、互いに融点の異なる透明な樹脂を所定の厚さで溶融押し出しして積層したものである。このようにして積層された第一の樹脂層33と第二の樹脂層34との界面は剥離可能な状態で接合され疑似接着構造38をなすものである。すなわち第一の樹脂層33と第二の樹脂層34との境界すなわち剥離界面37から容易に手剥がしできるような構造となっている。更に詳しくは、感熱接着剤層32と第一の樹脂層33とからなる樹脂側重量は、16.7g/mで、感熱接着剤層35と第二の樹脂層34からなる樹脂側重量は、30g/mで、全体の重量は46.7g/mで塗工してある。
疑似接着構造38においては、第二の樹脂層34となる樹脂としてポリエチレンテレフタレート(PET)と第一の樹脂層33となる樹脂としてエチレンーアクリル酸エチル共重合体とポリエチレンを溶融押出ししてラミネートしたシートを作製し、このシートの両面に70℃で感熱接着するエチレンー酢酸ビニル共重合体系のホットメルト接着剤よりなる透明な感熱接着剤層32、感熱接着剤層35を塗工してシートとしたものである。
なお、疑似接着構造38としては、樹脂層に限定されるものではなく、特許第3491707号公報のような感圧粘着剤を用いることもできる。
使用方法によっては、感熱接着剤層32の外面に剥離紙(セパレート紙、セパ紙とも呼ばれる)を用いてもよく、上質紙、コート紙、含浸紙、プラスチックフィルムなどの基材を用いることができる。
第二基材36は透明な基材を用いた。第二基材36としては、機械的強度を有し、製造時もしくは他の物品への適用時の加工に耐える耐溶剤性および耐熱性を有するものが好ましい。特に限定されるものではないが、フィルム状もしくはシート状のプラスチックが好ましい。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリスルホン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアリレート、トリアセチルセルロース(TAC)、ジアセチルセルロース、ポリエチレン/ビニルアルコール等の各種のプラスチックフィルムを例示することができるが、これらの材料に限定されるものではない。
隠蔽層36bは、通常の印刷インキによりスクリーン印刷等で隠蔽したものを用いることができる。
窓部39は、第一基材20と疑似接着構造積層体30を貼り合わせた場合に第一基材20の疑似接着構造38側に有する第一の情報23を読取ることが可能なような位置関係に設けてあり、前記窓部39は前記第一の情報23を読取ることが可能であれば、その形状は特に限定されない。
図5は、疑似接着構造積層体の層構成を表した図の別の一例である。図5においては、図4の第二基材36に相当する透明層36aと隠蔽層36bとが反対面に形成されている状態を示した図である。
図6は、図2におけるA−A線の断面図である。24は第二の情報、25は切込み、27はカード台紙、37は剥離界面である。本実施形態においては、光学読取り可能な第一の情報23としてのコード情報を例えば紫外線硬化型インクジェットプリンターで形成するが、印字できるものであればどのようなプリンターでもよい。前記光学読取り可能なコード情報としては、一次元コードと二次元コードがあり、一次元コードの場合バーコードを用いている。
バーコードとは、通常、線の太さ,間隔、色別等により数字符号をバーの組み合わせでパターン化したもので、これを管理対象符号とするものである。
二次元コードの場合はQRコード(登録商標)を用いる。二次元コードは、バーコードを積み上げて構成するスタック型二次元コードや、マトリクス型二次元コードがある。二次元コードは、バーコード等に比べて省スペースで大容量の情報(例えば漢字ならば約1800文字)を格納することができる。また、どの方向からも読取りができる。さらに、一部の汚れや破損があっても、誤り訂正をしつつ復元するので誤読率が低いという利点がある。
第二の情報24として、PINコードが使用可能である。PINコードは紫外線硬化型インクジェットプリンターで形成できるが印字できるものであればこれに限定はされない。本実施形態におけるPINコードはカードに固有な情報として扱われる。
図7は、本実施形態に係わる台紙一体型カードにおいてカード部を取り出した図の一例である。図7で、カード部26は、第一基材20を切込み25によって打ち抜いた領域により構成される。
カード部26を切込み25により剥離界面37から手剥がしにより切り離しカードとした場合、第一基材20と反対面から第一の情報23と第二の情報24を読取ることが可能となる。
カード部26から取り出したカードの規格サイズは、国際規格で、縦54mm、横86mm、厚さが0.76mmであることが多いが、本発明の場合は必ずしもそれに限定されるものではない。
図8は、本実施形態に係わる台紙一体型カードにおいて補強層を設けた図の一例である。図8において、70は補強層である。引掛け部10を含む領域に補強層70として補強テープを貼付した。これにより棚に引掛けた場合に台紙一体型カード100が自重や取扱い方により引掛け部10の部分が破損したりするのを防止することが可能となる。
図9は、本実施形態に係わる台紙一体型カードにおいて表面に疑似接着構造積層体を貼付した図の別の一例である。図9では、疑似接着構造積層体30を引掛け部10を含む領域まで拡張することにより、補強層70を使わずに台紙一体型カード100を補強することが可能となる。すなわち第二基材の一部が補強層70を兼ねることになる。
ここで、一連の製造工程についての実施例について説明するがこの実施例に限定されるものではない。
(実施例)
第一基材20の用紙には、三菱製紙株式会社製のMDFM13(縦横133mm×101.6mm)を用いた。
次に第一基材20の全面に絵柄印刷あるいはフォーム印刷を施し、5色(赤色、緑色、青色、黄色の4色と金色、銀色、パステルカラーの中から特色1色を用いた)のフルカラーで印刷を行った。
次に引掛け部10を含む領域に補強テープを貼付した。
次に引掛け部10を加工できる丁合機にて引掛け部10を加工した。
次に第一基材20の表裏面に印字を行った。
次に疑似接着構造積層体30を貼付し、第一基材20の裏面にカード加工を施した。
最後に中面の印字が透過して目視しないかどうかの確認を行い検査してから仕様通りの梱包形態に仕上げた。
100 台紙一体型カード
10 引掛け部
20 第一基材
23 第一の情報
24 第二の情報
25 切込み
26 カード部
27 カード台紙
30 疑似接着構造積層体
32 感熱接着剤層
33 第一の樹脂層
34 第二の樹脂層
35 感熱接着剤層
36 第二基材
36a 透明層
36b 隠蔽層
37 剥離界面
38 疑似接着構造
39 窓部
70 補強層

Claims (5)

  1. カード台紙ならびにカード部とからなる不透明な第一基材と、前記カード部となる領域を含む第一基材に対向する位置に透明な疑似接着構造を介して透明な第二基材とが接着され、前記第一基材の前記疑似接着構造側の面であって、前記カード部となる領域内に少なくとも第一の情報と第二の情報が形成され、前記第一の情報は光学読取り可能なコード情報として形成され、前記第二基材の表裏いずれかの面には、前記第一の情報が形成された領域に対応する領域を除いて隠蔽層が形成され、前記第一の情報が形成された領域に対応する領域に透明な窓部が形成され、前記カード部のカード外周形状に相当する切込みが前記第一基材を貫通し前記第一基材側から前記疑似接着構造の剥離界面に達する深さに形成されていることを特徴とする台紙一体型カード。
  2. 前記第一の情報が、一次元コードまたは二次元コードであることを特徴とする請求項1に記載の台紙一体型カード。
  3. 前記第一基材のカード台紙内の領域であって、前記第二基材が接着されている領域と重ならない領域に引掛け部を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の台紙一体型カード。
  4. 前記引掛け部周囲を含む余白領域の少なくとも一部に補強層を設けたことを特徴とする請求項3に記載の台紙一体型カード。
  5. 前記第一基材のカード台紙内の領域であって、前記第二基材が接着されている領域と重なる領域に引掛け部を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の台紙一体型カード。

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