[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態として構造化照明顕微鏡装置を説明する。
図1は、構造化照明顕微鏡装置1の構成図である。ここでは、構造化照明顕微鏡装置1をTIRFMかつSIMとして使用する場合(TIRF−SIMとして使用する場合)を説明する。
なお、SIMは、構造化照明により標本5を高解像度観察する顕微鏡であり、TIRFM(TIRFM:Total Internal Reflection Fluorescence Microscopy)は、蛍光性を有した標本5の表面の極めて薄い層をエバネッセント光で観察する顕微鏡である。
先ず、構造化照明顕微鏡装置1の構成を説明する。
図1に示すとおり構造化照明顕微鏡装置1には、レーザユニット100と、レーザ分割部200と、3対の光ファイバ11−1、11−1’、11−2、11−2’、11−3、11−3’と、照明光学系10と、結像光学系30と、第1撮像素子351と、第2撮像素子352と、制御装置39と、画像記憶・演算装置40と、画像表示装置45と、入力器46とが備えられる。
なお、照明光学系10は落射型であり、結像光学系30の対物レンズ6及びダイクロイックミラー7を利用して標本5の照明を行う。
レーザユニット100には、第1レーザ光源101L、第2レーザ光源101S、シャッタ103L、103S、全反射ミラー105、ダイクロイックミラー106が備えられる。第1レーザ光源101L及び第2レーザ光源101Sの各々は可干渉光源であって、互いの出射波長は異なる。ここでは、第1レーザ光源101Lの波長をλL、第2レーザ光源101Sの波長をλSとおき、λL>λSと仮定する。
なお、シャッタ103L、103Sの各々は、AOMや液晶スイッチなどからなり、レーザ光の光路を開閉したり、レーザ光のパワーを調節したりすることが可能である。これらのシャッタ103L、103Sは、それぞれ制御装置39によって駆動される。
レーザ分割部200には、ビームスプリッタ201−1、201−1’、201−2、201−2’、201−3、全反射ミラー201−3’、シャッタ203−1、203−1’、203−2、203−2’、203−3、203−3’、レンズ205−1、205−1’、205−2、205−2’、205−3、205−3’が備えられる。
なお、シャッタ203−1、203−1’、203−2、203−2’、203−3、203−3’の各々は、AOMや液晶スイッチなどからなり、レーザ光の光路を開閉したり、レーザ光のパワーを調節したりすることが可能である。これらのシャッタ203−1、203−1’、203−2、203−2’、203−3、203−3’は、それぞれ制御装置39によって駆動される。
また、ビームスプリッタ201−1’、201−2’、全反射ミラー201−3’は、並進機構202−1、202−2、202−3によって個別に保持されており、並進機構202−1、202−2、202−3は、ビームスプリッタ201−1’、201−2’、全反射ミラー201−3’の姿勢を保ったまま、ビームスプリッタ201−1’、201−2’、全反射ミラー201−3’を所定方向(後述)へシフトさせる。これらの並進機構202−1、202−2、202−3は、制御装置39によって駆動される。
3対の光ファイバ11−1、11−1’、11−2、11−2’、11−3、11−3’の各々は、シングルモードファイバ、或いは、マルチモードファイバによって構成される。これら3対の光ファイバ11−1、11−1’、11−2、11−2’、11−3、11−3’の各々の出射端は、間隔調整機構12Aによって保持されており、間隔調整機構12Aは、それら出射端の光軸からの距離を調整する。この調整機構12Aは、制御装置39によって駆動される。
照明光学系10には、光ファイバ11−1、11−1’、11−2、11−2’、11−3、11−3’の出射端側から順に、偏光板23と、1/2波長板17と、レンズ25と、視野絞り26と、フィールドレンズ27と、励起フィルタ28と、ダイクロイックミラー7と、対物レンズ6とが配置される。このうち、1/2波長板17は、回動機構17Aによって光軸の周りに回動する。この回動機構17Aは、制御装置39によって駆動される。
なお、光ファイバ11−1、11−1’、11−2、11−2’、11−3、11−3’の各々として偏波面保存型のシングルモードファイバを使用した場合は、光ファイバ11−1、11−1’、11−2、11−2’、11−3、11−3’の前後でレーザ光の偏波面が保存されるので、偏光板23は非必須であるが、レーザ光の偏光の品質を保つためには有効である。一方、光ファイバ11−1、11−1’、11−2、11−2’、11−3、11−3’の各々としてマルチモードファイバを使用した場合、偏光板23は必須である。
結像光学系30には、標本5の側から順に、対物レンズ6と、ダイクロイックミラー7と、バリアフィルタ31と、第2対物レンズ32と、第2ダイクロイックミラー35と、が配置される。
なお、対物レンズ6は、他の対物レンズ6’と共にレボルバ60によって保持されており、レボルバ60は、光路にセットされる対物レンズを、対物レンズ6、6’の間で切り換えることができる。このレボルバ60は、制御装置39によって駆動される。
標本5は、例えば、平行平板状のガラス表面に滴下された培養液であって、その培養液におけるガラス界面の近傍には、蛍光性を有した細胞(蛍光色素で染色された細胞)が存在している。この細胞には、波長λLの光によって励起される第1蛍光領域と、波長λSの光によって励起される第2蛍光領域との双方が発現している。なお、第1蛍光領域は、波長λLの光に応じて中心波長λL’の第1蛍光を発生させ、第2蛍光領域は、波長λSの光に応じて中心波長λS’の第2蛍光を発生させる(λL’ >λS’)。
対物レンズ6は、全反射蛍光観察を可能とするために、液浸型(油浸型)の対物レンズとして構成される。つまり、対物レンズ6と標本5のガラスとの間隙は、浸液(油)で満たされている。
また、対物レンズ6’は、対物レンズ6と同様、液浸型(油浸型)の対物レンズであるが、対物レンズ6とは開口数及び焦点距離の少なくとも一方が異なる。但し、ここでは、光路にセットされる対物レンズが対物レンズ6、6’の間で切り換わっても、セットされた対物レンズの瞳面6Aの光軸方向の位置は不変であると仮定する。
第1撮像素子351、第2撮像素子352の各々は、CCDやCMOS等からなる二次元の撮像素子である。第1撮像素子351、第2撮像素子352の各々は、制御装置39によって駆動されると、第1撮像素子351の撮像面361、第2撮像素子352の撮像面362の各々に形成された像を撮像し、画像を生成する。これら第1撮像素子351、第2撮像素子352の各々が生成した画像は、制御装置39を介して画像記憶・演算装置40へと取り込まれる。
制御装置39は、ユーザからの指示に従い、第1レーザ光源101L、第2レーザ光源101S、シャッタ103L、103S、203−1、203−1’、203−2、203−2’、203−3、203−3’、間隔調整機構12A、回動機構17A、第1撮像素子351、第2撮像素子352、レボルバ60を駆動制御する。なお、ユーザからの指示は、マウス、キーボード、タッチパネルなどの入力器46を介して制御装置39へ入力される。
画像記憶・演算装置40は、制御装置39を介して与えられた画像に対して演算を施し、演算後の画像を不図示の内部メモリに格納すると共に、画像表示装置45へ送出する。
次に、構造化照明顕微鏡装置1におけるレーザ光の振る舞いを説明する。
第1レーザ光源101Lから射出した波長λLのレーザ光(第1レーザ光)は、シャッタ103Lを介して全反射ミラー105へ入射すると、全反射ミラー105を反射し、ダイクロイックミラー106へ入射する。一方、第2レーザ光源101Sから射出した波長λSのレーザ光(第2レーザ光)は、シャッタ103Sを介してビームスプリッタ106へ入射し、第1レーザ光と同軸に統合される。ダイクロイックミラー106から射出した第1レーザ光及び第2レーザ光は、レーザ分割部200へ入射する。
なお、レーザユニット100のシャッタのうちシャッタ103Sのみが開放されれば、レーザユニット100からレーザ分割部200へ向かうレーザ光の波長(=光源波長)は短い波長λSに設定され、シャッタ103Lのみが開放されれば、光源波長は長い波長λLに設定され、シャッタ103S、103Lの双方が開放されれば、光源波長は長い波長λLと短い波長λSとの双方に設定される。
レーザ分割部200へ入射したレーザ光は、ビームスプリッタ201−1を透過するレーザ光と、ビームスプリッタ201−1を反射するレーザ光とに分岐される。ビームスプリッタ201−1を透過したレーザ光は、シャッタ203−1、レンズ205−1を順に介して光ファイバ11−1の入射端へ集光する。
ビームスプリッタ201−1を反射したレーザ光は、ビームスプリッタ201−1’へ入射すると、ビームスプリッタ201−1’を反射するレーザ光と、ビームスプリッタ201−1’を透過するレーザ光とに分岐される。ビームスプリッタ201−1’を反射したレーザ光は、シャッタ203−1’、レンズ205−1’を順に介して光ファイバ11−1’の入射端へ集光する。
ビームスプリッタ201−1’を透過したレーザ光は、ビームスプリッタ201−2へ入射すると、ビームスプリッタ201−2を反射するレーザ光と、ビームスプリッタ201−2を透過するレーザ光とに分岐される。ビームスプリッタ201−2を反射したレーザ光は、シャッタ203−2、レンズ205−2を順に介して光ファイバ11−2の入射端へ集光する。
ビームスプリッタ201−2を透過したレーザ光は、ビームスプリッタ201−2’へ入射すると、ビームスプリッタ201−2’を反射するレーザ光と、ビームスプリッタ201−2’を透過するレーザ光とに分岐される。ビームスプリッタ201−2’を反射したレーザ光は、シャッタ203−2’、レンズ205−2’を順に介して光ファイバ11−2’の入射端へ集光する。
ビームスプリッタ201−2’を透過したレーザ光は、ビームスプリッタ201−3へ入射すると、ビームスプリッタ201−3を反射するレーザ光と、ビームスプリッタ201−3を透過するレーザ光とに分岐される。ビームスプリッタ201−3を反射したレーザ光は、シャッタ203−3、レンズ205−3を順に介して光ファイバ11−3の入射端へ集光する。
ビームスプリッタ201−3を透過したレーザ光は、全反射ミラー201−3’へ入射すると、全反射ミラー201−3’を反射し、シャッタ203−3’、レンズ205−3’を順に介して光ファイバ11−3’の入射端へ集光する。
なお、ビームスプリッタ201−1の透過/反射比と、ビームスプリッタ201−1’ の透過/反射比と、ビームスプリッタ201−2の透過/反射比と、ビームスプリッタ201−2’の透過/反射比と、ビームスプリッタ201−3 の透過/反射比との関係は、光ファイバ11−1へ入射するレーザ光の強度と、光ファイバ11−1’ へ入射するレーザ光の強度と、光ファイバ11−2へ入射するレーザ光の強度と、光ファイバ11−2’ へ入射するレーザ光の強度と、光ファイバ11−3へ入射するレーザ光の強度と、光ファイバ11−3’へ向かうレーザ光の強度とが、共通になるように設定される。
光ファイバ11−1の入射端に入射したレーザ光は、光ファイバ11−1の内部を伝搬して光ファイバ11−1の出射端11A−1に2次光源を形成し、光ファイバ11−1’の入射端に入射したレーザ光は、光ファイバ11−1’の内部を伝搬して光ファイバ11−1’の出射端11A−1’に2次光源を形成する。同様に、光ファイバ11−2の入射端に入射したレーザ光は、光ファイバ11−2の内部を伝搬して光ファイバ11−2の出射端に2次光源を形成し、光ファイバ11−2’の入射端に入射したレーザ光は、光ファイバ11−2’の内部を伝搬して光ファイバ11−2’の出射端に2次光源を形成し、光ファイバ11−3の入射端に入射したレーザ光は、光ファイバ11−3の内部を伝搬して光ファイバ11−3の出射端に2次光源を形成し、光ファイバ11−3’の入射端に入射したレーザ光は、光ファイバ11−3’の内部を伝搬して光ファイバ11−3’の出射端に2次光源を形成する。
これら光ファイバ11−1、11−1’、11−2、11−2’、11−3、11−3’の各々の出射端は、瞳共役面6A’の互いに異なる位置に配置される。
ここで、瞳共役面6A’は、対物レンズ6の瞳6A(レーザ光が集光する位置)に対してフィールドレンズ27、レンズ25を介して共役な位置のことである。但し、ここでいう「共役な位置」の概念には、当業者が対物レンズ6、フィールドレンズ27、レンズ25の収差、ビネッティング等の設計上必要な事項を考慮して決定した位置も含まれるものとする。
なお、これら光ファイバ11−1、11−1’、11−2、11−2’、11−3、11−3’の各々の出射端の、瞳共役面6A’に対する光軸方向のズレは、対物レンズの焦点距離の約1%の値に、フィールドレンズ27、レンズ25による瞳投影倍率の2乗を掛けた値である。このズレを、対物レンズの瞳面に対する集光点の光軸方向のズレに換算すると、対物レンズの焦点距離の約1%程度である。そのため、光ファイバ11−1、11−1’、11−2、11−2’、11−3、11−3’の各々の出射端の光軸方向の位置を調整する機構を設けることが好ましい。
瞳共役面6A’において、互いに対を成す光ファイバ11−1、11−1’の出射端11A−1、11A−1’の位置関係は、互いに対を成す光ファイバ11−2、11−2’の出射端(不図示)の位置関係と同じであり、互いに対を成す光ファイバ11−3、11−3’の出射端(不図示)の位置関係とも同じである。
但し、光ファイバ11−1、11−1’の出射端11A−1、11A−1’の配列方向(第1方向V1)と、光ファイバ11−2、11−2’の出射端(不図示)の配列方向(第2方向V2)と、光ファイバ11−3、11−3’の出射端(不図示)の配列方向(第3方向V3)とは、互いに異なる(詳細は後述)。
よって、レーザ分割部200のシャッタ203−1、203−1’、203−2、203−2’、203−3、203−3’のうち、シャッタ203−1、203−1’のみを制御装置39が開放すれば、有効な出射端対の配列方向を第1方向V1とすることができ、シャッタ203−2、203−2’のみを制御装置39が開放すれば、有効な出射端対の配列方向を第2方向V2とすることができ、シャッタ203−3、203−3’のみを制御装置39が開放すれば、有効な出射端対の配列方向を第3方向V3とすることができる。
以下、有効な出射端対の配列方向が第1方向V1である場合(=1対の出射端11A−1、11A−1’のみが有効である場合)を代表して説明する。この説明は、有効な出射端対の配列方向が第2方向V2である場合や、有効な出射端対の配列方向が第3方向V3である場合にも、同様に当てはまる。
図1において、有効な出射端11A−1、11A−1’から射出した1対のレーザ光は、瞳共役面6A’の近傍に配置された偏光板23及び1/2波長板17を順に通過して、レンズ25へ入射する。
レンズ25へ入射した1対のレーザ光は、レンズ25によって視野絞り26付近にストライプ状の強度分布を形成した後に、フィールドレンズ27によって収束光に変換され、さらに励起フィルタ28を経てからダイクロイックミラー7で反射し、対物レンズ6の瞳面6A上の互いに異なる位置に集光する。なお、励起フィルタ28には、これまでの光路で発生する自家蛍光などを除去する機能がある。
瞳面6A上に集光した1対のレーザ光の各々は、対物レンズ6の先端から射出する際には平行光束となり、標本5の表面で互いに干渉し、ストライプ状の干渉縞を形成する。この干渉縞が、構造化照明光として使用される。
また、本実施形態の構造化照明顕微鏡装置1は、TIRFMとして利用されるので、標本5の表面に入射するレーザ光の入射角度は、エバネッセント場の生成条件(全反射条件)を満たしている。以下、全反射条件を「TIRF条件」と称す。
TIRF条件を満たすために、瞳面6Aに形成される1対の集光点は、瞳面6Aにおける所定の輪帯状領域(後述する図6を参照。)に位置しているものとする。これによって、標本5の表面近傍には、干渉縞によるエバネッセント場が生起する。
このような干渉縞により標本5を照明すると、干渉縞の周期構造と標本5上の蛍光領域の周期構造との差に相当するモアレ縞が現れるが、このモアレ縞においては、蛍光領域の高周波数の構造が元の周波数より低周波数側にシフトしているため、この構造を示す蛍光は、元の角度よりも小さい角度で対物レンズ6へ向かうことになる。よって、干渉縞により標本5を照明すると、蛍光領域の高周波数の構造情報までもが対物レンズ6によって伝達される。
標本5の表面近傍(エバネッセント場)で発生した蛍光は、対物レンズ6に入射すると、対物レンズ6で平行光に変換された後、ダイクロイックミラー7とバリアフィルタ31を透過し、第2ダイクロイックミラー35へ入射する。第2ダイクロイックミラー35へ入射した波長λL’の第1蛍光は、第2ダイクロイックミラー35を反射し、第2ダイクロイックミラー35へ入射した波長λS’の第2蛍光は、第2ダイクロイックミラー35を透過する。
第2ダイクロイックミラー35を反射した第1蛍光は、第1撮像素子351の撮像面361上に第1蛍光領域の変調像を形成し、第2ダイクロイックミラー35を透過した第2蛍光は、第2撮像素子352の撮像面362上に第2蛍光領域の変調像を形成する。
撮像面361に形成された第1蛍光領域の変調像、撮像面362に形成された第2蛍光領域の変調像は、第1撮像素子351、第2撮像素子352によって個別に画像化され、第1蛍光領域の変調画像、第2蛍光領域の変調画像としてそれぞれ出力される。
第1蛍光領域の変調画像と、第2蛍光領域の変調画像とは、制御装置39を介して画像記憶・演算装置40へと取り込まれる。さらに、取り込まれた第1蛍光領域の変調画像と、第2蛍光領域の変調画像との各々には、画像記憶・演算装置40において公知の復調演算が施され、第1蛍光領域の復調画像(超解像画像)と、第2蛍光領域の復調画像(超解像画像)とが生成される。そして、これらの超解像画像は、画像記憶・演算装置40の内部メモリ(図示せず)に記憶されるとともに、画像表示装置45へと送出される。なお、公知の復調演算としては、例えば、米国特許第8115806号明細書に開示された方法が用いられる。
以下、光ファイバ11−1、11−1’11−2、11−2’、11−3、11−3’の出射端の位置関係を説明する。
図2(A)は、光ファイバ11−1の出射端11A−1、光ファイバ11−1’の出射端11A−1’、光ファイバ11−2の出射端11A−2、光ファイバ11−2’の出射端11A−2’、光ファイバ11−2’の出射端11A−2’、光ファイバ11−3の出射端11A−3、光ファイバ11−3’の出射端11A−3’の位置関係を示す斜視図であり、図2(B)は、出射端11A−1、11A−1’、11A−2、11A−2’、11A−3、11A−3’を標本側から見た図である。
図2(A)に示すとおり、瞳共役面6A’において、互いに対を成す出射端11A−1、11A−1’の位置関係は、光軸(Z軸)に関して対称であり、互いに対を成す出射端11A−2、11A−2’の位置関係は、光軸に関して対称であり、互いに対を成す出射端11A−3、11A−3’の位置関係は、光軸に関して対称である。
また、出射端11A−1、11A−1’から照明光学系10の光軸までの距離と、出射端11A−2、11A−2’から照明光学系10の光軸までの距離と、出射端11A−3、11A−3’から照明光学系10の光軸までの距離とは、共通である。
また、1対の出射端11A−1、11A−1’の配列方向(第1方向V1)と、1対の出射端11A−2、11A−2’の配列方向(第2方向V2)と、1対の出射端11A−3、11A−3’の配列方向(第3方向V3)との関係は、光軸の周りに120°ずつ回転した関係である。
これらの出射端11A−1、11A−1’、11A−2、11A−2’、11A−3、11A−3’によると、第1方向V1にかけて配列された1対の集光点と、第2方向V2にかけて配列された1対の集光点と、第3方向V3にかけて配列された1対の集光点とが瞳共役面6A’に形成される。
そして、レーザ分割部200のシャッタ制御により、有効な出射端の組み合わせを、出射端11A−1、11A−1’の組み合わせと、出射端11A−2、11A−2’の組み合わせと、出射端11A−3、11A−3’の組み合わせとの間で切り換えれば、標本5に対する干渉縞の方向(縞ピッチ方向)は、第1方向V1に対応する方向と、第2方向V2に対応する方向と、第3方向V3に対応する方向との間で切り換わる。
以下、第1方向V1に対応する方向の干渉縞を、「第1方向V1の干渉縞」と称し、第2方向V2に対応する方向の干渉縞を、「第2方向V2の干渉縞」と称し、第3方向V3に対応する方向の干渉縞を、「第3方向V3の干渉縞」と称す。
以下、1/2波長板17の動作を詳しく説明する。
図3は、1/2波長板17の動作を説明する図である。
1/2波長板17は、回動機構17A(図1参照)によって光軸の周りに回動可能であって、その回動により、標本5に入射するレーザ光をS偏光に維持する。
ここでは、1/2波長板17の進相軸を、「1/2波長板17による位相遅延量が最小となるような光が1/2波長板17の入射前に有していた偏光方向」と定義する。また、1/2波長板17の前段に配置された偏光板23の軸は、図3(A)に示すように第1方向V1に対して90°だけ回転していると仮定する。また、ここでは、各方向を、偏光板23の軸方向を基準とした回転角度(鋭角)で表す。この場合、第1方向V1は、+90°となり、第2方向V2は、+30°となり、第3方向V3は、−30°となる。
先ず、図3(A)に示すとおり、干渉縞の方向(有効な出射端対の配列方向)が第1方向V1(=+90°)であるときには、1/2波長板17の進相軸の方向は0°に設定される。この場合、1/2波長板17を射出するレーザ光の偏光方向は0°のままである。よって、有効な出射端対の配列方向(=+90°)と、1/2波長板17を射出するレーザ光の偏光方向(=0°)との差は、90°となり、標本5に入射するレーザ光はS偏光となる。
次に、図3(B)に示すとおり、干渉縞の方向(有効な出射端対の配列方向)が第2方向V2(=+30°)であるときには、1/2波長板17の進相軸の方向は−30°に設定される。この場合、1/2波長板17を射出するレーザ光の偏光方向は、2×(−30°)=−60°となる。よって、有効な出射端対の配列方向(=+30°)と、1/2波長板17を射出するレーザ光の偏光方向(=−60°)との差は、90°となり、標本5に入射するレーザ光はS偏光となる。
次に、図3(C)に示すとおり、干渉縞の方向(有効な出射端対の配列方向)が第3方向V3(=−30°)であるときには、1/2波長板17の進相軸の方向は+30°に設定される。この場合、1/2波長板17を射出するレーザ光の偏光方向は、2×(+30°)=+60°となる。よって、有効な出射端対の配列方向(=−30°)と、1/2波長板17を射出するレーザ光の偏光方向(+60°)との差は、90°となり、標本5に入射するレーザ光はS偏光となる。
したがって、本実施形態の制御装置39は、干渉縞の方向切り換えに回動機構17Aを連動さることにより、1/2波長板17の進相軸の方向を、図3(A)、(B)、(C)に示すとおり適切にセットすればよい。
図4は、照明光学系10の各光学素子を通過する際におけるレーザ光の偏光方向の変移の様子を示す図である。図4において円形枠で囲まれた両矢線は、光束の偏光方向を示し、四角枠で囲まれた両矢線は、光学素子の軸方向を示している。
なお、以上の説明では、標本5に入射するレーザ光をS偏光に保つために回動可能な1/2波長板17を使用したが、回動可能な1/2波長板17の代わりに固定配置された液晶素子を使用し、その液晶素子を1/2波長板17として機能させてもよい。液晶素子の配向を電気的に制御すれば、液晶素子の屈折率異方性を制御することができるので、1/2波長板としての進相軸を回転させることができる。因みに、標本5に入射するレーザ光をS偏光に保つための方法は他にもある(後述)。
以下、レーザ分割部200の並進機構202−1の動作を詳しく説明する。
図5は、レーザ分割部200の並進機構202−1の動作を説明する図である。この並進機構202−1は、第1方向V1の干渉縞の位相をシフトさせるための機構である。
ここで、干渉縞の位相をシフトさせる理由は次のとおりである。すなわち、上述した復調演算では、同一の標本かつ同一方向の干渉縞に関する変調画像であって、干渉縞の位相の異なる複数枚(例えば、3枚、8枚、9枚など)の変調画像が必要である。なぜなら、或る方向の干渉縞の下で取得された1枚の変調画像には、標本5の蛍光領域の構造のうち、その干渉縞により空間周波数の変調された構造情報である0次変調成分、+1次変調成分、−1次変調成分が互いに重畳されており、それら3つの未知パラメータを復調演算で互いに分離する必要がある。
並進機構202−1の移動対象は、第1方向V1の干渉縞に寄与する1対のレーザ光のうち、一方のレーザ光の単独光路に配置された光学素子である。ここでは、図5に示すとおり、光ファイバ11−1’に向かうレーザ光の光路に配置されたビームスプリッタ201−1’とする。
並進機構202−1によるビームスプリッタ201−1’の移動方向は、光ファイバ11−1’に入射するレーザ光の光路長が変化するような方向である。ここでは、図5の方向aとする。この方向aは、ビームスプリッタ201−1’からシャッタ203−1’までの間隔を拡縮する方向である。
この方向aにかけてビームスプリッタ201−1’が移動すれば、第1方向V1の干渉縞に寄与する1対のレーザ光の光路長差が変化するので、その干渉縞の位相がシフトする。
次に、レーザ分割部200の並進機構202−2(図1)の動作を説明する。
並進機構202−2は、第2方向V2の干渉縞の位相をシフトさせるための機構である。並進機構202−2の移動対象は、第2方向V2の干渉縞に寄与する1対のレーザ光のうち、一方のレーザ光の単独光路に配置された光学素子である。ここでは、図1に示すとおり、光ファイバ11−2’に向かうレーザ光の光路に配置されたビームスプリッタ201−2’とする。
並進機構202−2によるビームスプリッタ201−2’の移動方向は、光ファイバ11−2’に入射するレーザ光の光路長が変化するような方向である。ここでは、前述した並進機構202−1による移動方向と同様、方向a(図5参照)とする。この方向aは、ビームスプリッタ201−2’からシャッタ203−2’までの間隔を拡縮する方向である。
次に、レーザ分割部200の並進機構202−3(図1)の動作を説明する。
並進機構202−3は、第3方向V3の干渉縞の位相をシフトさせるための機構である。並進機構202−3の移動対象は、第3方向V3の干渉縞に寄与する1対のレーザ光のうち、一方のレーザ光の単独光路に配置された光学素子である。ここでは、図1に示すとおり、光ファイバ11−3’に向かうレーザ光の光路に配置された全反射ミラー201−3’とする。
並進機構202−3による全反射ミラー201−3’の移動方向は、光ファイバ11−3’に入射するレーザ光の光路長が変化するような方向である。ここでは、前述した並進機構202−1による移動方向と同様、方向a(図5参照)とする。この方向aは、全反射ミラー201−3’からシャッタ203−3’までの間隔を拡縮する方向である。
ところで、上述したとおり本実施形態では、出射端11A−1、11A−1’の位置関係と、出射端11A−2、11A−2’の位置関係と、出射端11A−3、11A−3’の位置関係とは共通なので、第1方向V1の干渉縞の縞ピッチと、第2方向V2の干渉縞の縞ピッチと、第3方向V3の干渉縞の縞ピッチとは共通である。
このため、第1方向V1の干渉縞の位相を1ピッチΔφだけシフトさせるために必要なビームスプリッタ201−1’の移動量と、第2方向V2の干渉縞の位相を1ピッチΔφだけシフトさせるために必要なビームスプリッタ201−2’の移動量と、第3方向V3の干渉縞の位相を1ピッチΔφだけシフトさせるために必要な全反射ミラー201−3’の移動量とは、共通である。
このため、本実施形態では、3つの並進機構202−1、202−2、201−3を1つの並進機構で構成し、ビームスプリッタ201−1’、201−2’、全反射ミラー201−3’の全体を一緒に移動させることができる。
なお、以上の説明では、干渉縞の位相をシフトさせるためのビームスプリッタ201−1’、201−2’、全反射ミラー201−3’の移動方向を、図5における方向aとしたが、図5における方向bとしてもよい。この方向bは、ビームスプリッタ201−1からビームスプリッタ201−1’までの間隔を拡縮するような方向(=ビームスプリッタ201−2からビームスプリッタ201−2’までの間隔を拡縮するような方向であって、ビームスプリッタ201−3から全反射ミラー201−3’までの間隔を拡縮するような方向)である。
また、以上の説明では、干渉縞の位相をシフトさせるためのビームスプリッタ201−1’、201−2’、全反射ミラー201−3’の全部の移動方向を共通としたが、一部の移動方向を非共通としてもよいことは言うまでもない。因みに、干渉縞の位相をシフトさせるための方法は他にもある(後述)。
次に、本実施形態の間隔調整機構12Aの動作を詳しく説明する。
図6は、間隔調整機構12Aによる出射端11A−1、11A−1’11A−2、11A−2’、11A−3、11A−3’の移動方向及び移動範囲を説明する図である。
間隔調整機構12Aは、6つの出射端11A−1、11A−1’11A−2、11A−2’、11A−3、11A−3’の各々を標本側に向けた姿勢で、6つの出射端11A−1、11A−1’11A−2、11A−2’、11A−3、11A−3’の各々を瞳共役面6A’にて保持し、図6中の実線矢印で示すとおり、6つの出射端11A−1、11A−1’、11A−2、11A−2’、11A−3、11A−3’の各々から照明光学系10の光軸までの距離を、変化させる。
瞳共役面6A’における6つの出射端11A−1、11A−1’11A−2、11A−2’、11A−3、11A−3’から照明光学系10の光軸までの距離が変化すると、瞳面6Aに形成される6つの集光点から照明光学系10の光軸までの距離も変化するので、標本5に対するレーザ光の入射角度が変化し、干渉縞の縞ピッチが変化する。
そして、干渉縞の縞ピッチが変化すると、干渉縞による標本5の変調周波数が変化し、上述した1次変調成分及び−1次変調成分の周波数シフト量も変化するので、SIMとしての超解像効果が変化する。
また、標本5に対するレーザ光の入射角度が変化すると、TIRFMとしてのエバネッセント場の深さ(浸み出し量)も変化する。
したがって、間隔調整機構12Aは、SIMとしての超解像効果と、TIRFMとしてのエバネッセント場の深さ(浸み出し量)とを、並行して調整することができる。
但し、間隔調整機構12Aは、その調整の際に、出射端11A−1から照明光学系10の光軸までの距離と、出射端11A−1’から照明光学系10の光軸までの距離と、出射端11A−2から照明光学系10の光軸までの距離と、出射端11A−2’から照明光学系10の光軸までの距離と、出射端11A−3から照明光学系10の光軸までの距離と、出射端11A−3’から照明光学系10の光軸までの距離とを共通に保つ。これによって、光軸に関する出射端11A−1、11A−1’の対称性、光軸に関する出射端11A−2、11A−2’の対称性、光軸に関する出射端11A−3、11A−3’の対称性は維持されるので、第1方向V1の干渉縞、第2方向V2の干渉縞、第3方向V3の干渉縞の各々の品質は、維持される。
また、間隔調整機構12Aは、6つの出射端11A−1、11A−1’、11A−2、11A−2’、11A−3、11A−3’から照明光学系10の光軸までの距離r’の調整範囲を、図6に示すとおり所定範囲(r1’,r2’)に制限する。
これによって、間隔調整機構12Aは、瞳面6Aにおける6つの集光点から照明光学系10の光軸までの距離rの調整範囲を、所定範囲(r1,r2)に制限することができる。
なお、調整範囲(r1’,r2’)と調整範囲(r1,r2)との関係は、瞳共役面6A’から瞳面6Aまでに配置された光学系の倍率f0によって決まり、(r1,r2)=(f0r1’,f0r2’)である。
以下、間隔調整機構12Aによる距離rの調整範囲(r1,r2)を詳しく説明する。
先ず、TIRFMでは、瞳面6Aに形成される6つの集光点から照明光学系10の光軸までの距離rと、対物レンズ6の焦点距離fとが少なくとも以下の式(1)を満たしている必要がある。
n2<r/f …(1)
但し、n2は、標本5の屈折率であり、水の屈折率(≒1.33)とほぼ等しい。この式(1)によると、TIRF条件が満たされる。
なぜなら、通常、TIRF条件は、以下の式(2)で表される。
sinθ1>n2/n1 …(2)
但し、θ1は、対物レンズ6の媒質(ここでは浸液)から標本5へ入射するレーザ光の入射角度であり、n1は、その媒質の屈折率である。また、以下の式(3)が成り立つ。
n1sinθ1=r/f …(3)
この式(3)を(2)へ代入すると、式(1)が得られる。
次に、SIMでは、瞳面6Aに形成される6つの集光点から照明光学系10の光軸までの距離rと、対物レンズ6の焦点距離fとが少なくとも以下の式(4)を満たしている必要がある。
r/f<n2×√3 …(4)
なぜなら、r/fがn2×√3を超えると、干渉縞の縞ピッチが細かくなりすぎて、SIMの超解像範囲に隙間が発生してしまうからである。
ここで、超解像範囲とは、標本5の蛍光領域の構造に含まれる空間周波数成分のうち、構造化照明顕微鏡装置1が解像可能な空間周波数成分の範囲のことである。この超解像範囲は、非変調時に対物レンズ6が伝達できる空間周波数範囲(=0次変調成分が有していた空間周波数範囲)と、変調時の周波数シフトによって対物レンズ6が伝達できた空間周波数範囲(=±1次変調成分が有していた空間周波数範囲)とを、合成したものである。このため、干渉縞の縞ピッチが細かすぎると、±1次変調成分の周波数シフト量が大きくなりすぎるので超解像範囲に隙間が生じる。
具体的に、本実施形態では、第1方向V1の干渉縞、第2方向V2の干渉縞、第3方向V3の干渉縞の各々で変調画像を取得するので、それら3つの変調画像により達成される超解像範囲は、周波数空間上で、図7(A)に示すとおり第1方向V1の干渉縞による超解像範囲(0次変調成分A0、+1次変調成分A1+1、−1次変調成分A1−1)と、第2方向V2の干渉縞による超解像範囲(0次変調成分A0、+1次変調成分A2+1、−1次変調成分A2−1)と、第3方向V3の干渉縞による超解像範囲(0次変調成分A0、+1次変調成分A3+1、−1次変調成分A3−1)とを合成したものとなる。
しかしながら、±1次変調成分の周波数シフト量が大きすぎる、つまり、0次変調成分と±1次変調成分との間の周波数差が大き過ぎると、例えば図7(B)に示すとおり、超解像範囲に隙間が発生してしまう。この隙間を無くすために必要な条件が、式(4)である。
以上の結果、TIRFとしての機能と、SIMとしての機能とのそれぞれを維持するために、距離rの調整範囲(r1,r2)は式(1)、(4)の双方を満たすように、つまり以下の式(5)を満たすように、設定される必要がある。
n2<r/f<n2×√3 …(5)
但し、対物レンズ6の開口数NAは有限である。このNAが仮に(n2×√3)より小さかった場合、r/fの上限値は、対物レンズ6の開口数NAによって制限される。
よって、対物レンズ6の開口数NAが(n2×√3)より小さかった場合、距離rの調整範囲(r1,r2)は、式(5)の代わりに式(5’)を満たすように設定されれば十分である。
n2<r/f<NA …(5’)
以下、間隔調整機構12Aの構成の一例を説明する。
図8は、間隔調整機構12Aの構成例を示す図である。図8には、間隔調整機構12Aのうち、第1方向V1の干渉縞に関する部分のみを図示してある。
図8に示すとおり、第1方向V1の干渉縞に関する間隔調整機構12Aは、光軸の周りに回転可能なピニオンギア21と、ピニオンギア21を介して互いに連結され、かつ光軸に関して対称に変位可能な1対のラックギア12A−1、12A−1’とを備える。また、1対のラックギア12A−1、12A−1’の一方は、第1方向V1の干渉縞に寄与する1対の出射端11A−1、11A−1’の一方を保持し、1対のラックギア12A−1、12A−1’の他方は、1対の出射端11A−1、11A−1’の他方を保持している。
したがって、ピニオンギア21を光軸の周りに回転させると、光軸に関する出射端11A−1、11A−1’の対称性を保ちつつ、出射端11A−1、11A−1’から照明光学系10の光軸までの距離r’を変化させることができる。
同様に、第2方向V2の干渉縞に関する間隔調整機構12Aは、ピニオンギア21を介して互いに連結され、かつ、かつ光軸に関して対称に変位可能な1対のラックギア(不図示)を備える。また、1対のラックギアの一方は、第2方向V2の干渉縞に寄与する1対の出射端11A−2、11A−2’の一方を保持し、1対のラックギアの他方は、1対の出射端11A−2、11A−2’の他方を保持している。
同様に、第3方向V3の干渉縞に関する間隔調整機構12Aは、ピニオンギア21を介して互いに連結され、かつ、かつ光軸に関して対称に変位可能な1対のラックギア(不図示)を備える。また、1対のラックギアの一方は、第3方向V3の干渉縞に寄与する1対の出射端11A−3、11A−3’の一方を保持し、1対のラックギアの他方は、1対の出射端11A−3、11A−3’の他方を保持している。
したがって、間隔調整機構12Aは、ピニオンギア21を光軸の周りに回転させることで、光軸に関する出射端11A−1、11A−1’の対称性、出射端11A−2、11A−2’の対称性、出射端11A−3、11A−3’の対称性を保ちつつ、6つの出射端11A−1、11A−1’ 、11A−2、11A−2’、11A−3、11A−3’から照明光学系10の光軸までの距離r’を変化させることができる。
ところで、前述したとおり本実施形態では、式(5)又は式(5’)が満たされるように距離r’の調整範囲が制限される必要がある。
そこで、本実施形態の制御装置39は、式(5)又は式(5’)を満たすようなピニオンギア21の回転範囲(θ1,θ2)を予め記憶し、ピニオンギア21をその範囲内でのみ回転させる。そして、制御装置39は、その範囲内におけるピニオンギア21の回転位置θを、ユーザからの調整指示に応じて設定する。
したがって、本実施形態のユーザは、SIMとしての機能及びTIRFMとしての機能を何ら損なうことなく、SIMの超解像効果及びTIRFの浸み出し量を自由に調節することができる。
また、本実施形態のユーザは、調整指示を制御装置39へ入力する際に、希望する浸み出し量(照明深さZd)を制御装置39へ指定することもできる。但し、制御装置39は、ユーザが指定可能な照明深さZdの範囲を、式(5)又は式(5’)を満たす範囲内に制限する。
そして、照明深さZdが指定されると、制御装置39は、その照明深さZdを回転位置θに換算し、その回転位置θにピニオンギア21の回転位置をセットする。
なお、照明深さZdから回転位置θへの換算式は、照明深さZdから距離rへの換算式と、距離rから距離r’への換算式と、距離r’から回転位置θへの換算式とによって表される。このうち、照明深さZdから距離rへの換算式は、以下の式(6)で表される。
Zd=n1λ/{2π[(r/f)2n2 2]1/2} …(6)
但し、λは、使用波長である。
また、距離rから距離r’への換算式は、瞳共役面6A’から瞳面6Aまでの倍率f0によって与えられる。また、距離r’から回転位置θへの換算式は、間隔調整機構12Aの設計データによって与えられる。
したがって、照明深さZdから回転位置θへの換算は、使用波長λ、標本5の屈折率n2、対物レンズ6の媒質の屈折率n1、対物レンズ6の焦点距離f、瞳共役面6A’から瞳面6Aまでの倍率f0、間隔調整機構12Aの設計データなどの各種パラメータに基づき行われればよい。
また、本実施形態の制御装置39は、ユーザからの切り換え指示に応じてレボルバ60を駆動し、光路に配置される対物レンズを対物レンズ6から他の対物レンズ6’へと切り換える。
但し、光路に配置される対物レンズが切り換わると、NA、fの少なとも一方の値が変化するので、距離rの調整範囲、距離r’の調整範囲、ひいてはピニオンギア21の回転範囲が変化する可能性がある。
そこで、本実施形態の制御装置39は、ピニオンギア21の適切な回転範囲(θ1,θ2)を対物レンズの種類毎に予め記憶し、対物レンズを切り換えたときには、ピニオンギア21の回転範囲も、適切なものへと切り換える(当然ながら、前述した換算式におけるfの値も適切なものへと切り換えられる。)。
なお、ここでは間隔調整機構12Aとしてラック&ピニオン機構を利用する例を挙げたが、他の機構(カム機構等)を利用してもよいことは言うまでもない。
また、ここでは6つの出射端11A−1、11A−1’ 、11A−2、11A−2’、11A−3、11A−3’を連動させたが、6つの出射端11A−1、11A−1’ 、11A−2、11A−2’、11A−3、11A−3’の位置を個別に調整する微調整機構を更に加えてもよい。この微調整機構は、装置のセットアップ時などに使用される。
[第1実施形態の変形例]
なお、第1実施形態では、レーザユニット100から供給されるレーザ光を1対のレーザ光に分岐・導光する手段として、1つのビームスプリッタと1対の光ファイバとの組み合わせを使用したが、1つの2分岐光ファイバを使用してもよい。
また、第1実施形態では、干渉縞の方向を切り換えるためのシャッタを、光ファイバの前段に配置したが(図1における符号203−1、203−1’、203−2、203−2’、203−3、203−3’を参照)、光ファイバの後段(例えば、瞳共役面6A’又は瞳面6Aの近傍など)へ配置してもよい。また、互いに対を成すレーザ光同士は、オン/オフのタイミングが同じであって構わないので、互いに対を成すレーザ光のオン/オフには、1つのシャッタを共用してもよい。
また、第1実施形態では、干渉縞の方向を切り換えるためのシャッタとして、電気シャッタ(AOMや液晶スイッチなど)を使用したが、メカシャッタ(回転シャッタなど)を使用してもよい。例えば、瞳共役面6Aの近傍に回転シャッタを挿入してもよい。この回転シャッタは、前述した6つの出射端のうち、特定方向に配列された1対の出射端を開放し、他の方向に配列された2対の出射端を遮光するシャッタであって、このシャッタが光軸の周りに回転すると、有効な出射端の配列方向が切り換わる。
また、第1実施形態では、レーザユニット100から供給されるレーザ光を、3対の光ファイバへ同時に導光したが、レーザユニット100から供給されるレーザ光を、3対の光ファイバの各対へ順次に導光してもよい。
例えば、図9に示すように、レーザ分割部200の最上流側(レーザユニット100の側)にガルバノスキャナ300を配置し、レーザユニット100から供給されるレーザ光の進行方向を、ガルバノスキャナ300で第1方向、第2方向、第3方向の間で切り換えてもよい。
このうち第1方向は、1対の光ファイバ11−1、11−1’へ向かう方向であり、第2方向は、1対の光ファイバ11−2、11−2’へ向かう方向であり、第3方向は、1対の光ファイバ11−3、11−3’へ向かう方向である。
図9において、ガルバノスキャナ300から第1方向へ向けて射出したレーザ光は、ビームスプリッタ201−1を透過するレーザ光と、ビームスプリッタ201−1を反射するレーザ光とに分岐される。ビームスプリッタ201−1を透過したレーザ光は、レンズ205−1を介して光ファイバ11−1の入射端に集光する。ビームスプリッタ201−1を反射したレーザ光は、全反射ミラー201−1”を反射した後に、レンズ205−1’を介して光ファイバ11−1’の入射端に集光する。
また、ガルバノスキャナ300から第2方向へ向けて射出したレーザ光は、ビームスプリッタ201−2を透過するレーザ光と、ビームスプリッタ201−2を反射するレーザ光とに分岐される。ビームスプリッタ201−2を透過したレーザ光は、レンズ205−2を介して光ファイバ11−2の入射端に集光する。ビームスプリッタ201−2を反射したレーザ光は、全反射ミラー201−2”を反射した後に、レンズ205−2’を介して光ファイバ11−2’の入射端に集光する。
また、ガルバノスキャナ300から第3方向へ向けて射出したレーザ光は、ビームスプリッタ201−3を透過するレーザ光と、ビームスプリッタ201−3を反射するレーザ光とに分岐される。ビームスプリッタ201−3を透過したレーザ光は、レンズ205−3を介して光ファイバ11−3の入射端へ集光する。ビームスプリッタ201−3を反射したレーザ光は、全反射ミラー201−3’を反射した後に、レンズ205−3’を介して光ファイバ11−3’の入射端に集光する。
したがって、図9の例を採用した場合、制御装置39は、ガルバノスキャナ300を駆動してレーザの進行方向を第1方向、第2方向、第3方向の間で切り換えるだけで、干渉縞の方向を第1方向V1、第2方向V2、第3方向V3の間で切り換えることができる。また、シャッタを開閉する代わりに、レーザ光をこのようにスイッチングすれば、レーザ光の利用効率が高まるという利点もある。
なお、図9の例では、ビームスプリッタ201−1の透過/反射比、ビームスプリッタ201−2の透過/反射比、ビームスプリッタ201−3の透過/反射比の各々は、「1」に設定される。これによって、光ファイバ11−1へ入射するレーザ光の強度と、光ファイバ11−1’ へ入射するレーザ光の強度とが共通となり、光ファイバ11−2へ入射するレーザ光の強度と、光ファイバ11−2’ へ入射するレーザ光の強度とが共通となり、光ファイバ11−3へ入射するレーザ光の強度と、光ファイバ11−3’へ入射するレーザ光の強度とが、共通になる。
因みに、図9に示すレーザ分割部200では、シャッタが非必須である。また、図9に示すレーザ分割部200では、並進機構202−1、202−2、202−3の移動対象は、全反射ミラー201−1”、201−2”、201−3’となる。
また、第1実施形態では、6つの光ファイバ11−1、11−1’、11−2、11−2’、11−3、11−3’の出射端11A−1、11A−1’、 11A−2、11A−2’、11A−3、11A−3’の配置先を、瞳共役面6A’の近傍としたが、出射端11A−1、11A−1’、 11A−2、11A−2’、11A−3、11A−3’のうち少なくとも1つの配置先を、瞳面6Aの近傍としてもよいことは言うまでもない。
また、第1実施形態では、干渉縞の方向を切り換えるために、3対の光ファイバを使用したが、1対の光ファイバを使用し、その出射端(1対の出射端)を光軸周りに回動させる機構を更に備えてもよい。図10に示すのは、1対の出射端11A−1、11A−1’が光軸の周りに回動するイメージである。
また、第1実施形態では、光源波長の数を「2」とし、撮像素子の個数を「2」としたので、2種類の波長λL、λSの一方による観察と他方による観察とを同時に行うことができる。しかし、第1実施形態では、撮像素子の個数を1とし、2種類の波長λL、λSの一方による観察と他方による観察とを順次に行っても構わない。
また、第1実施形態では、光源波長の数を「2」としたが、3以上に拡張してもよいことは言うまでもない。
また、第1実施形態では、標本5に入射するレーザ光をS偏光に保つために、特性が一様であって回動可能な1/2波長板17を使用したが、特性が非一様であって固定配置された1/2波長板を使用してもよい。この1/2波長板は、例えば、出射端11A−1、11A−1’に正対する領域の進相軸方向と、出射端11A−2、11A−2’に正対する領域の進相軸方向と、出射端11A−3、11A−3’に正対する領域の進相軸方向とが異なる1/2波長板である。出射端11A−1、11A−1’に正対する領域の進相軸方向は、図3(A)の方向に設定され、出射端11A−2、11A−2’に正対する領域の進相軸方向は、図3(B)の方向に設定され、出射端11A−3、11A−3’に正対する領域の進相軸方向は、図(C)の方向に設定される。
また、第1実施形態では、標本5に入射するレーザ光をS偏光に保つために、特性が一様であって回動可能な1/2波長板17を使用したが、固定配置した1/4波長板と回動可能な1/4波長板との組み合わせを使用してもよい。
また、第1実施形態では、干渉縞の位相をシフトさせるために、干渉縞に寄与する1対のレーザ光の一方の単独光路に配置された光学素子を並進移動させたが、干渉縞に寄与する1対のレーザ光の位相差をシフトさせることができるのであれば、他の方法を採用してもよい。
例えば、干渉縞に寄与する1対のレーザ光の一方の単独光路に対して位相板を挿脱させてもよい。例えば、国際公開第2009/031418号パンフレットに記載された位相シフト方法を適用してもよい。また、位相板の代わりに液晶素子を使用し、その液晶素子の配向を電気的に制御することで、位相シフト量を制御してもよい。
また、第1実施形態では、構造化照明顕微鏡装置1がTIRF−SIMとして利用される場合を説明したが、構造化照明顕微鏡装置1を3D−SIM(3D-Structured Illumination Microscopy)として利用することもできる。
但し、構造化照明顕微鏡装置1を3D−SIMとして使用する場合は、干渉縞を生成するために、1対のレーザ光に加えて、第3のレーザ光が必要となる。第3のレーザ光は、入射角度ゼロで標本5へ入射するレーザ光である。よって、その場合は、光ファイバを1つ増設すると共に、図11に示すとおり、増設した光ファイバ11−0の出射端11A−0を光軸上に配置し、光軸からの距離がゼロである集光点を瞳面6A上に形成すればよい。
このような集光点から射出したレーザ光(第3のレーザ光)は、標本5に対して入射角度ゼロで入射し、標本5へ所定角度で入射する1対のレーザ光と共に、3光束干渉縞を形成する。この3光束干渉縞は、標本5の表面方向だけでなく、標本5の深さ方向にも空間変調されているので、この干渉縞によると、標本5の面方向だけでなく深さ方向にも超解像効果を得ることができる。
なお、増設した光ファイバ11−0の出射端11A−0の位置は、他の光ファイバの出射端のように調節する必要は無い。
[第1実施形態の作用効果]
以上、第1実施形態の構造化照明装置(100、200、10)は、光源(100)からの射出光束を少なくとも1対の分岐光束に分岐する分岐手段(201−1)と、前記1対の分岐光束を個別に導光する1対の光ファイバ(11−1、11−1’)と、前記1対の光ファイバ(11−1、11−1’)の1対の出射端(11A−1、11A−1’)を、対物レンズ(6)の瞳面(6A)又は瞳共役面(6A’)の互いに異なる位置へ配置することで、前記1対の分岐光束を前記対物レンズ(6)の物体側で互いに干渉させ、その干渉縞で標本(5)を照明する照明光学系(10)とを備える。
このように、瞳面(6A)又は瞳共役面(6A’)における1対の分岐光束の入射位置を、1対の光ファイバ(11−1、11−1’)で設定すれば、それらの入射位置から照明光学系10の光軸までの距離を、光源(100)の波長に依らず不変にすることができる。
したがって、第1実施形態の構造化照明装置(100、200、10)によれば、光源(100)の波長に依らず、構造化照明顕微鏡装置(1)の超解像効果を維持することができる。また、構造化照明顕微鏡装置(1)をTIRFとして使用した場合は、光源(100)の波長に依らず、TIRFMの浸み出し量を維持することもできる。
しかも、第1実施形態の構造化照明装置(100、200、10)は、前記1対の出射端(11A−1、11A−1’)の各々から照明光学系10の光軸までの距離(r’)を調整する調整手段(12A)を更に備える。
したがって、第1実施形態の構造化照明装置(100、200、10)によれば、構造化照明顕微鏡装置(1)の超解像効果を調整することができる。また、第1実施形態の構造化照明顕微鏡装置(1)をTIRFMとして使用した場合は、TIRFMの浸み出し量を調整することもできる。
また、前記調整手段(12A)は、前記1対の出射端(11A−1、11A−1’)の位置関係を前記光軸に関して対称な関係に保つ。
したがって、第1実施形態の構造化照明装置(100、200、10)によれば、前記調整の前後で干渉縞の品質、ひいては超解像画像の品質が低下する虞は無い。
また、前記調整手段(12A)は、前記距離(r’)の調整範囲を予め決められた範囲(r1’,r2’)に制限する。
例えば、前記調整範囲は、n2<r/f<NAの式を満たす範囲であり、rは、前記1対の分岐光束が前記瞳面(6A)に形成する1対の集光点から前記光軸までの距離であり、n2は、前記標本(5)の屈折率であり、fは、前記対物レンズ(6)の焦点距離であり、NAは、前記対物レンズ(6)の開口数である。
したがって、第1実施形態の構造化照明装置(100、200、10)によれば、構造化照明顕微鏡装置(1)をTIRFMとして使用し、しかもTIRFとしての性能を維持することができる。
或いは、前記調整範囲は、n2<r/f<n2×√3の式を満たす範囲であり、rは、前記1対の分岐光束が前記瞳面(6A)に形成する1対の集光点から前記光軸までの距離であり、n2は、前記標本(5)の屈折率であり、fは、前記対物レンズ(6)の焦点距離であり、NAは、前記対物レンズ(6)の開口数である。
したがって、第1実施形態の構造化照明装置(100、200、10)によれば、構造化照明顕微鏡装置(1)をTIRF−SIMとして使用し、しかも、TIRFMとしての性能と、SIMとしての性能とを、それぞれ維持することができる。
また、前記対物レンズ(6)は、開口数又は焦点距離の異なる他の対物レンズ(6’)へと交換が可能であり、前記調整手段(12A)は、前記対物レンズ(6)が交換されると前記調整範囲を変更する。
したがって、第1実施形態の構造化照明装置(100、200、10)は、開口数又は焦点距離の異なる複数種類の対物レンズ(6、6’)の各々に対応できる。
また、前記調整手段(12A)は、ユーザからの指示に応じて前記調整を行う。
したがって、ユーザは、構造化照明顕微鏡装置(1)の超解像効果を自由に調節することができる。また、構造化照明顕微鏡装置(1)をTIRFとして使用した場合、ユーザは、TIRFMの浸み出し量を自由に調節することができる。
また、第1実施形態の構造化照明装置(100、200、10)は、前記標本(5)に対する前記干渉縞の形成方向を切り換える切換手段(203−1、203−1’、203−2、203−2’、203−3、203−3’、300)を更に備える。
したがって、第1実施形態の構造化照明顕微鏡装置(1)は、超解像効果を複数方向に亘って得ることができる。
また、前記分岐手段(201−1、201−1’、201−2、201−2’、201−3、201−3’)は、前記光源(100)からの射出光束を複数対の分岐光束に分岐し、前記光ファイバは、前記複数対の分岐光束を個別に導光する複数対(11−1、11−1’、11−2、11−2’、11−3、11−3’)からなり、前記切換手段(203−1、203−1’、203−2、203−2’、203−3、203−3’)は、前記標本に向かう1対の分岐光束を、前記複数対の分岐光束の間で切り換える。
したがって、第1実施形態の構造化照明装置(100、200、10)によれば、干渉縞の方向の切り換えを、光のオン/オフにより行うことができる。
或いは、前記切換手段(300)は、前記光源(100)からの射出光路を複数の射出光路の間でスイッチングし、前記分岐手段(201−1、201−2、201−3)は、前記複数の射出光路の各々を分岐して複数対の分岐光路を形成し、前記光ファイバは、前記複数対の分岐光路を経由する複数対の分岐光束を個別に導光する複数対(11−1、11−1’、11−2、11−2’、11−3、11−3’)からなる。
したがって、第1実施形態の構造化照明装置(100、200、10)によれば、干渉縞の方向の切り換えを、光路のスイッチングにより行うことができる。
また、前記光源(100)は、波長の異なる2種類の射出光束(λL、λS)を同時又は順次に出射する。
したがって、第1実施形態の構造化照明装置(100、200、10)は、2種類の射出光束(λL、λS)による順次照明又は同時照明が可能である。
また、第1実施形態の構造化照明装置(100、200、10)は、前記干渉縞の位相をシフトさせる位相シフト手段(202−1、202−2、202−3)を備え、第1実施形態の構造化照明顕微鏡装置(1)は、前記構造化照明装置(100、200、10)と、前記干渉縞で変調された前記標本(5)からの観察光束を光検出器(351、352)に結像する結像光学系(300)と、前記光検出器(351、352)が生成した画像に基づき前記標本(5)の復調像を演算する演算手段(40)とを備える。
したがって、第1実施形態の構造化照明顕微鏡装置(1)によれば、標本(5)の超解像画像を取得することができる。
なお、上述の各実施形態の要件は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。また、法令で許容される限りにおいて、上述の各実施形態及び変形例で引用した装置などに関する全ての公開公報及び米国特許の開示を援用して本文の記載の一部とする。