JP6189568B1 - アンモニア含有排水処理装置および該処理装置を用いたアンモニア含有排水の処理方法 - Google Patents

アンモニア含有排水処理装置および該処理装置を用いたアンモニア含有排水の処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の課題は、運転・操業中において、諸条件が変動した場合でも、処理済み排水のアンモニア濃度をアンモニアの排出基準を満すものに維持し、塔頂部における燃焼用気体のアンモニア濃度を、爆発が回避でき、触媒燃焼装置の分解処理能力を超えないものに維持することができ、アンモニアガスの酸化分解処理を十分且つ経済的・効率的に行うことのできるアンモニア含有排水処理装置および該処理装置を用いたアンモニア含有排水の処理方法を提供することにある。【解決手段】本発明の課題は、1)放散塔の塔底部に還流される燃焼済み気体の量を調節することにより、塔頂部の燃焼用気体の温度を設定値に保つように制御すること2)触媒燃焼装置とは別体に、燃焼用気体を熱交換により予熱する予熱器および燃焼用気体を加熱する加熱器を設け、触媒燃焼装置に供給される燃焼用気体の温度を適切な温度とすること、および3)予熱器および加熱器の上流側に、燃焼用気体に同伴する水滴および凝縮する水分を分離・除去する水切り装置を設けることにより、解決することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、アンモニアを含有する排水(以下、「アンモニア含有排水」ともいう。)からアンモニアを分離して、アンモニア含有排水のアンモニア濃度を所定値以下まで低減して排出すると共に、回収したアンモニアを酸化分解処理する、アンモニア含有排水処理装置および該処理装置を用いたアンモニア含有排水の処理方法に関する。
半導体製造工場や化学工場等の各種工場から排出される排水には、アンモニア等の有害物質が含まれていることから、河川や港湾等の水域における水質汚染を防ぐために排水には厳しい排出基準が定められている。このため、アンモニア含有排水を排出する工場では、排水の窒素規制対策が講じられている。通常、化学工場や電子工業関係の工場から排出されるアンモニア含有排水のアンモニア濃度は数重量%であるが、アンモニアの排出基準を満たすためには、アンモニア濃度を例えば30重量ppm〜50重量ppm以下の濃度に低減して河川等に排出する必要がある。
アンモニア含有排水の処理方法としては、放散塔を用いてアンモニア含有排水からアンモニアをガスとして分離する方法が知られている。この方法では、放散塔の塔頂部からアンモニア含有排水(以下、「原排水」ともいう。)を供給すると共に、放散塔の塔底部から酸素を含有する放散用気体(以下、「放散用気体」ともいう。)を供給して、放散塔内部でアンモニア含有排水からアンモニアを蒸発させることにより、放散塔の塔底部から、アンモニア濃度を低下させた原排水(以下、「処理済み排水」ともいう。)を排出し、放散塔の塔頂部から、原排水から蒸発したアンモニア蒸気と放散用気体との混合気体(以下、「燃焼用気体」ともいう。)を留出する。
この放散塔の塔頂部から留出した燃焼用気体に含まれるアンモニアは、
a)アンモニアを直接燃焼法または触媒燃焼法により酸化分解処理する手段、
b)アンモニアを硫安(硫酸アンモニウム)の製造原料として再利用する手段、
c)アンモニアを濃厚アンモニア水としての回収し再利用する手段
等により処理されるが、上記b)およびc)のアンモニアを再利用する手段には、
〇回収するアンモニア濃度が低く、再利用にコストを要する、
〇再利用品を安定的に流通させるマーケットが必要となる、
〇アンモニア以外に含まれる様々な不純物を除去し、再利用品の安全性を確保する必要がある
等の問題があるため、一般的には、前記a)のアンモニアを酸化分解処理する手段が用いられる。
このアンモニアを酸化分解処理する手段では、アンモニア(NH)を、窒素(N)、水蒸気(HO)等に酸化分解して無害化する。このようなアンモニア含有排水を放散塔に供給し、その放散塔の塔頂部から留出させた燃焼用気体を酸化分解処理して、燃焼済み気体とする方法は、例えば特許文献1に開示されている。
特許文献1のアンモニア含有排水処理装置では、図3に示されるように、次のようにしてアンモニア(NH)の酸化分解処理が行われる。
a)アンモニア放散塔101において、NHを含む原排水112を塔頂部102から供給し、循環ガス123を塔底部103から供給する。
b)原排水112から放散したNHを含む塔頂ガス116に、酸化用空気117を混入して混合ガス118とし、この混合ガス118を送風機105により昇圧して吐出ガス119とし、この吐出ガス119を酸化反応器124に送る。
c)酸化反応器124において、吐出ガス119を、ガス熱交換器109の低温側を通過させて熱交換により昇温し、触媒層108を通過させる間にNHの酸化分解を行い、ガス熱交換器109の高温側を通過させて熱交換により降温する。
d)酸化反応器124を出た排ガス121は、その一部を廃ガス122として系外に除き、残りは加熱用スチーム129を加えて循環ガス123として塔底部103に戻す。
アンモニアを触媒燃焼法により酸化分解処理する手段を用いるアンモニア含有排水処理装置においては、
1)放散塔における、アンモニア含有排水からのアンモニアガスの分離が十分に行われなければ、処理済み排水のアンモニア濃度が上昇するという事態を招くこととなり、
2)触媒燃焼装置による、アンモニアガスの酸化分解が十分に行われなければ、アンモニアガスの処理を経済的・効率的に行えないという事態を招くこととなる。
アンモニア含有排水処理装置においては、上記のアンモニアガスの分離、およびアンモニアガスの酸化分解が十分に行われるよう、放散塔に供給される原排水・放散用気体の供給量・温度、触媒燃焼装置に供給される燃焼用気体の組成[アンモニア(NH)、酸素(O)、水蒸気(HO)等]等が設定されているものの、実際のアンモニア含有排水処理装置の運転・操業においては、諸条件の変動により、処理済み排水のアンモニア濃度が上昇する、触媒燃焼装置によるアンモニアガスの酸化分解が十分に行われない等の事態が頻繁に発生すること、さらに、アンモニアガスの酸化分解処理を十分且つ経済的・効率的に行うのが難しいことが判明した。
そこで、本発明者等は、アンモニア含有排水処理装置の運転・操業中において、諸条件が変動した場合でもアンモニア含有排水からのアンモニアガスの分離を十分に行え、処理済み排水のアンモニア濃度の上昇が防止でき、アンモニアガスの酸化分解処理を十分且つ経済的・効率的に行うことのできる、アンモニア含有排水処理装置および該処理装置を用いたアンモニア含有排水の処理方法について鋭意検討を重ね、本発明を成したものである。
特開平9−323088号公報
本発明のアンモニア含有排水処理装置および該処理装置を用いたアンモニア含有排水の処理方法の課題は、運転・操業中において、諸条件が変動した場合でも、処理済み排水のアンモニア濃度をアンモニアの排出基準を満すものに維持し、塔頂部における燃焼用気体のアンモニア濃度を、爆発が回避でき、触媒燃焼装置の分解処理能力を超えないものに維持することができ、アンモニアガスの酸化分解処理を十分且つ経済的・効率的に行うことのできるアンモニア含有排水処理装置および該処理装置を用いたアンモニア含有排水の処理方法を提供することにある。
本発明者らは、
〇放散塔の塔頂部における燃焼用気体の温度に基づき、放散塔の塔底部に還流される燃焼済み気体の量を調節し、塔頂部の燃焼用気体の温度を設定値に保つように制御することにより、諸条件が変動した場合でも、当初設定された通り、処理済み排水のアンモニア濃度をアンモニアの排出基準を満すものに維持できると共に、塔頂部における燃焼用気体のアンモニア濃度を、爆発が回避でき、触媒燃焼装置の分解処理能力を超えないものに維持できること、および
〇触媒燃焼装置とは別体に、燃焼用気体を熱交換により予熱する予熱器および燃焼用気体を加熱する加熱器を設け、触媒燃焼装置に供給される燃焼用気体の温度を適切な温度とすることにより、アンモニアガスの酸化分解処理を十分に行えること、
を見出してこの発明を成したものである。
また、本発明者らは、
〇予熱器および加熱器の上流側に、燃焼用気体に同伴する水滴および凝縮する水分を分離・除去する水切り装置を設けることにより、予熱器および/または加熱器の伝熱性能の低下が防止できると共に、触媒の劣化も防止でき、アンモニアガスの酸化分解処理を経済的・効率的に行えること
も見出した。
本発明の要旨を以下に示す。
(1)アンモニア含有排水処理装置であって、
アンモニア含有排水(原排水)が塔頂部より塔底部に向けて供給され、酸素を含有する放散用気体(放散用気体)が前記塔底部より前記塔頂部に向けて供給される、内部に充填物を充填した放散塔と、
前記塔底部の下流側に配され、前記放散塔においてアンモニア蒸気を蒸発させ、アンモニア濃度を低下させた前記原排水(処理済み排水)を外部に排水する排水管路と、
前記排水管路中を流れる前記処理済み排水を加熱源として、原排水供給管路を通じて塔頂部に供給される前記原排水を加熱する原排水加熱器と、
前記塔頂部の下流側に配され、第1搬送管路を通じて、前記放散塔において前記原排水から蒸発したアンモニア蒸気と前記放散用気体との混合気体(燃焼用気体)が送られる、送風機、予熱器、加熱器および触媒燃焼装置と、
前記触媒燃焼装置の下流側に配され、前記触媒燃焼装置から排出される燃焼済み気体を前記予熱器の加熱源として用いた後に、該燃焼済み気体の一部または全部を大気中に放出する排気管路と、
前記排気管路から分岐し、大気中に放出されない前記燃焼済み気体を前記塔底部に送る吹込管路と、
前記吹込管路に接続され、前記塔底部に送られる燃焼済み気体に燃焼用酸素含有気体を補給して前記放散用気体とする吸気管路と、
前記排気管路における前記吹込管路の分岐部よりも下流側に設けられ、前記燃焼済み気体の大気への放出量を調節する調節弁および排気ファンと、
前記塔頂部と前記送風機との間に設けられ、前記燃焼用気体の温度を測定する第1温度センサーと、
を備え、
前記第1温度センサーで測定された前記燃焼用気体の温度に基づき、前記調節弁の開度および/または前記排気ファンの送風量を制御して、前記塔底部に還流される前記燃焼済み気体の量を調節することにより、前記燃焼用気体の温度を設定値に保つことを特徴とする、アンモニア含有排水処理装置。
(2)前記原排水供給管路における前記原排水加熱器と前記塔頂部との間に、前記塔頂部に供給される前記原排水を加熱する原排水予備加熱器を備えることを特徴とする、(1)に記載のアンモニア含有排水処理装置。
(3)前記塔頂部における燃焼用気体は、温度が42℃〜80℃であり、組成がアンモニア4体積%以下、水蒸気8体積%〜50体積%、酸素4体積%以上であることを特徴とする、(1)または(2)に記載のアンモニア含有排水処理装置。
(4)前記燃焼用気体から水滴および凝縮する水分を分離・除去する装置を設けたことを特徴とする、(1)〜(3)のいずれかに記載のアンモニア含有排水処理装置。
(5)前記燃焼用気体から水滴および凝縮する水分を分離・除去する装置が、前記第1搬送管路の前記送風機の上流側に設けられた水切り装置であり、該水切り装置は、前記燃焼用気体に同伴する水滴および凝縮する水分を前記燃焼用気体から分離・除去することで下流側の前記予熱器および/または加熱器の伝熱面に水が付着して伝熱性能が低下するのを防止するための水分除去部と、前記水滴および凝縮する水分を除去した前記燃焼用気体を下流側に備えた送風機に搬送する気体排出部と、前記除去した水分を原排水貯槽用の原排水タンクに搬送する第2搬送管路とを備えることを特徴とする、(4)に記載のアンモニア含有排水処理装置。
(6)前記水切り装置の気体排出部と送風機との間に、前記燃焼用気体のアンモニア濃度を前記触媒燃焼装置が燃焼可能な2.2体積%以下になるよう空気を取り込む第1希釈管路を備えることを特徴とする、(5)に記載のアンモニア含有排水処理装置。
(7)前記触媒燃焼装置の入口近傍に第2温度センサーを設け、該第2温度センサーで測定された前記燃焼用気体の温度に基づき、前記加熱器による加熱を制御することにより、前記触媒燃焼装置に供給される前記燃焼用気体の温度を設定値に保つことを特徴とする、(1)〜(6)のいずれかに記載のアンモニア含有排水処理装置。
(8)前記触媒燃焼装置において、前記燃焼用気体中のアンモニアと酸素とを、350℃〜600℃の温度で反応させ窒素と水に分解することを特徴とする、(1)〜(7)のいずれかに記載のアンモニア含有排水処理装置。
(9)前記排気管路における前記排気ファンの吸引側に、空気を供給し白煙発生を防止するための第2希釈管路を備えることを特徴とする、(1)〜(8)のいずれかに記載のアンモニア含有排水処理装置。
(10)前記放散塔を高さ方向に複数に分割し、これら複数の放散塔を直列に接続し、一つの放散塔として使用することを特徴とする、(1)〜(9)のいずれかに記載のアンモニア含有排水処理装置。
(11)前記アンモニア含有排水処理装置を構成する少なくとも一つ以上の機器、管路を保温材で覆い保温することにより、省エネルギーおよび水分の凝縮防止を図ることを特徴とする、(1)〜(10)のいずれかに記載のアンモニア含有排水処理装置。
(12)(1)〜(11)のいずれかに記載のアンモニア含有排水処理装置により、アンモニア含有排水を処理することを特徴とする、アンモニア含有排水の処理方法。
本発明では、放散塔の塔頂部における燃焼用気体の温度に基づき、放散塔の塔底部に還流される燃焼済み気体の量を調節し、塔頂部の燃焼用気体の温度を設定値に保つように制御することにより、諸条件が変動した場合でも、当初設定された通り、処理済み排水のアンモニア濃度をアンモニアの排出基準を満すものに維持し、塔頂部における燃焼用気体のアンモニア濃度を、爆発が回避でき、触媒燃焼装置の分解処理能力を超えないものに維持することができる。
また、本発明では、触媒燃焼装置とは別体に、燃焼用気体を熱交換により予熱する予熱器および燃焼用気体を加熱する加熱器を設け、触媒燃焼装置に供給される燃焼用気体の温度を適切な温度とすることにより、アンモニアガスの酸化分解処理を十分に行うことができる。
さらに、本発明では、予熱器および加熱器の上流側に、燃焼用気体に同伴する水滴および凝縮する水分を分離・除去する水切り装置を設けることにより、予熱器および/または加熱器の伝熱性能の低下を防止できると共に、触媒の劣化も防止でき、アンモニアガスの酸化分解処理を経済的・効率的に行うことができる。
本発明のアンモニア含有排水処理装置の第1実施形態を示す模式図である。 本発明のアンモニア含有排水処理装置の第2実施形態を示す模式図である。 従来例である、特許文献1(特開平9−323088号公報)の図1である。
以下、本発明の実施形態について、図面も参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下で説明する実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明と実質的に同一な構成を有し、かつ、同様な作用効果を奏しさえすれば、多様な変更が可能である。
図1を用いて、本発明のアンモニア含有排水処理装置および該処理装置を用いたアンモニア含有排水の処理方法の第1実施形態について以下に説明する。
アンモニア含有排水処理装置1においては、原排水が放散塔2の塔頂部2−1より塔底部2−2に向けて供給され、また、放散用気体が放散塔2の塔底部2−2より塔頂部2−1に向けて供給される。放散塔2において原排水からアンモニア蒸気を蒸発させ、アンモニア濃度を低下させた処理済み排水は、塔底部2−2から排水管路26を通じて外部に排水される。また、放散塔2において原排水から蒸発したアンモニア蒸気を取り込んだ放散用気体は、燃焼用気体として、塔頂部2−1から第1搬送管路21を通じて、水切り装置3、送風機4、予熱器5、加熱器6および触媒燃焼装置7へと送られ、触媒燃焼装置7においてアンモニア(NH)は窒素(N)、水蒸気(HO)等に酸化分解される。
本発明のアンモニア含有排水処理装置では、燃焼用気体から水滴および凝縮する水分を分離・除去する装置(以下、「水分離・除去装置」ともいう。)を設けることが好ましいが、第1実施形態では、水分離・除去装置として、第1搬送管路21の送風機4の上流側に設けられた水切り装置3を設けている。燃焼用気体から水滴および凝縮する水分を分離・除去するためには、塔頂部2−1に、デミスター(ステンレス線、亜鉛引き鉄線、真ちゅう線等の細い金属線を編んだ金網で何枚も重ね合わせたもの)を設けることもできるが、水滴および凝縮する水分の分離・除去効率の観点から、第1搬送管路21の送風機4の上流側に、水切り装置3を設けるのが好ましい。
本発明のアンモニア含有排水処理装置の処理対象とする原排水は、好ましくは、電子工業関係の工場等で用いられたアンモニア濃度が3重量%以下のアンモニア水溶液である。塔頂部2−1における前記燃焼用気体のアンモニア濃度を、可燃性ガスの爆発下限濃度の25%以下とするためには、放散塔温度が42℃の場合には原排水のアンモニア濃度を3重量%以下とする必要があり、また、放散塔温度が50℃の場合には原排水のアンモニア濃度を2.1重量%以下とする必要がある。
放散塔2は、塔内圧が、設備費用が安価となる若干の負圧(例えば、塔内圧が−1kPaG〜−10kPaG)状態で運転できるように構成されており、放散塔2の内部には、原排水と放散用気体との接触面積を増加させるために充填物が充填されている。充填物としては、規則的な形状を有する充填物を用いてもよいし、不規則な形状をした充填物を用いてもよいが、放散塔充填部の単位断面積当たりの液負荷が大きくできる不規則な形状をした充填物を用いるのが経済的に好ましい。また、処理済み排水のアンモニア濃度を低い値(例えば1重量ppm〜10重量ppm以下)まで低減させる場合には、原排水と放散用気体との接触面積を増加することのできる規則充填物を用いることが好ましい。放散塔2の形状としては、種々のものを用いることができるが、容易に製造でき且つ安価である円柱形のものを用いるのが好ましい。
放散塔2の塔頂部2−1に供給される原排水は、まず、原排水供給管路20を通じ、調節弁52、流量計51を経て、原排水加熱器10に供給され、この原水加熱器10において、原排水は、排水管路26を通じて外部に排出される処理済み排水により所定の温度に加熱される。
また、原排水供給管路20には原排水予備加熱器11を配することが好ましい。原排水予備加熱器11は、運転開始時や諸条件により、原水加熱器10による加熱だけでは、加熱に時間を要する、十分に加熱できない等の事態が生じた場合に、原排水の加熱を補助することができる。原排水が所定温度まで加熱されているか否かの判断は、原排水供給管路20の下流に配された第4温度センサー34で原排水の温度を測定することにより行う。
原排水予備加熱器11は、手動式の加熱器で構成されていてもよいし、自動調節式加熱器として構成されていてもよいが、例えば第4温度センサー34の測定値と連動させた自動調節式加熱器として構成されているのが好ましい。原排水予備加熱器11は原排水加熱器10の上流側に配されていてもよいし、下流側に配されてもよいが、加熱の制御性を良好なものとするには下流側に配するのが好ましい。
放散塔2の塔頂部2−1に供給された原排水は、放散塔2でアンモニア濃度を低下させて処理済み排水として、塔底部2−2から排水管路26を通じ、調節弁53を経て原排水加熱器10に供給される。この原水加熱器10において、処理済み排水は、原排水を所定の温度に加熱した後、外部に排水される。
放散塔2の塔底部2−2に供給される放散用気体は、後述する燃焼済み気体と燃焼用酸素含有気体を混合したものである。
放散塔2の塔底部2−2に供給された放散用気体は、放散塔2において原排水から蒸発したアンモニア蒸気を取り込みながら塔頂部2−1に上昇し、燃焼用気体として、塔頂部2−1から第1搬送管路21を通じて、水切り装置3、送風機4、予熱器5、加熱器6および触媒燃焼装置7へと送られ、触媒燃焼装置7においてアンモニア(NH)が窒素(N)、水蒸気(HO)等に酸化分解される。
塔頂部2−1における燃焼用気体は、温度を42℃〜80℃、組成をアンモニア4体積%以下、水蒸気8体積%〜50体積%、酸素4体積%以上とするのが好ましい。
予熱器5および加熱器6の上流側に、燃焼用気体に同伴する水滴および凝縮する水分を分離・除去する水切り装置3を設けることは、本発明の特徴点の一つである。このように水切り装置3を設けることにより、予熱器5および/または加熱器6の伝熱性能の低下が防止できると共に、触媒の劣化も防止でき、アンモニアガスの酸化分解処理を経済的・効率的に行うことができる。
水切り装置3は、燃焼用気体に同伴する水滴および凝縮する水分を燃焼用気体から分離・除去することで下流側の予熱器5および/または加熱器6の伝熱面に水が付着して伝熱性能が低下するのを防止するための水分除去部3−1と、水滴および凝縮する水分を除去した燃焼用気体を下流側に備えた送風機4に搬送する気体排出部3−2と、除去した水分を原排水貯槽用の原排水タンクに搬送する第2搬送管路22とを備えているのが好ましい。水切り装置3としては、デミスター型、サイクロン型、衝突板型、遠心分離型、風速を一時的に低下させるための容器、またはこれらを組み合わせたものを用いることができる。
本発明では、予熱器5および加熱器6の上流側に、燃焼用気体に同伴する水滴および凝縮する水分を分離・除去する水切り装置3を設けることにより、予熱器5および/または加熱器6の伝熱性能の低下が防止できると共に、触媒の劣化も防止でき、アンモニアガスの酸化分解処理を経済的・効率的に行うことができる。
水切り装置3の気体排出部3−2と送風機4の間には、空気を取り込む第1希釈管路42を設け、燃焼用気体のアンモニア濃度を触媒燃焼装置7が燃焼可能な2.2体積%以下とするように空気を取り込むようにするのが好ましい。吸気部41から取り込まれた空気は、第1希釈管路42を通じ、流量計50、調節弁55を経て、水切り装置3の気体排出部3−2と送風機4の間の第1搬送管路21に供給される。
本発明のアンモニア含有排水処理装置の処理対象とする原排水のアンモニア濃度が3重量%程度の高濃度になると、通常、燃焼用気体のアンモニア濃度が、触媒燃焼装置7が燃焼可能な2.2体積%を超えてしまい、アンモニアガスの酸化分解処理が十分に行えないこととなるが、このような場合でも、水切り装置3の気体排出部3−2と送風機4の間に、第1希釈管路42を介して、燃焼用気体に空気を供給して、燃焼用気体のアンモニア濃度を低下させることにより、アンモニア濃度が3重量%程度という高濃度の原排水についても、本発明のアンモニア含有排水処理装置を用いて、アンモニアガスの酸化分解処理を十分に行うことができる。
なお、第1希釈管路42を介して空気を供給する代わりに、原排水を希釈して、燃焼用気体のアンモニア濃度を2.2体積%以下にすることもできるが、この場合には放散塔2や原排水加熱器10、原排水予備加熱器11を大きくする必要があり、装置の初期投資が大きくなるという欠点がある。また、放散塔2への放散用気体の供給量を変えずに、原排水の供給量を低減して、燃焼用気体のアンモニア濃度を2.2体積%以下にすることもできるが、この場合には、放散塔2内での気液接触が悪化して、塔底部2−2から排出される処理済み排水のアンモニア濃度が上昇することが考えられる。
送風機4から送り出された燃焼用気体は、予熱器5で触媒燃焼装置7から排出された高温(通常、350℃〜600℃程度)の燃焼済み気体により予熱され、さらに、加熱器6で所定温度まで加熱される。
予熱器5は、熱交換ができるものであれば、プレート式熱交換器、多管式熱交換器、フィン付きチューブを使った熱交換器等のいずれでもよい。通常、予熱器5は、加熱器6による追加加熱がなくても、燃焼用気体を所定温度まで加熱できるように、設計・製作・設置することができ、省エネルギー運転が可能である。
加熱器6による加熱は、触媒燃焼装置7の入口近傍に第2温度センサー32を設け、この第2温度センサー32で測定された燃焼用気体の温度に基づき制御するのが好ましい。
また、加熱器6による加熱は、第3温度センサー33で測定した燃焼済み気体の温度が所定の温度範囲(350℃〜600℃)になるように、触媒燃焼装置7に供給する燃焼用気体の温度を、第2温度センサー32で測定し制御しながら行うのが好ましい。
触媒燃焼装置7とは別体に、燃焼用気体を熱交換により予熱する予熱器5および燃焼用気体を加熱する加熱器6を設け、触媒燃焼装置7に供給される燃焼用気体の温度を適切な温度とすることは、本発明の特徴点の一つである。このように、触媒燃焼装置7に供給される燃焼用気体の温度を適切な温度とすることにより、アンモニアガスの酸化分解処理を十分に行うことができる。
加熱器6は電気加熱式でも、蒸気加熱式でもよいが、電気加熱式の方が制御の応答が早いため好ましい。加熱器6は、手動式の加熱器で構成されていてもよいし、自動調節式加熱器として構成されていてもよいが、例えば触媒燃焼装置7の入口に配した第2温度センサー32の測定値と連動させた自動調節方式として構成されているのが好ましい。また、加熱器6は運転開始時になるべく短時間で装置全体を加熱・昇温する役割があるため、定常運転時以外のために十分な加熱能力が必要である。
なお、運転開始時の昇温時間を短縮するために、放散塔2の塔底に予め充填した塔底液を加熱する加熱装置(図示せず)を取り付けてもよいし、加熱用蒸気を前記塔底液に直接吹き込む蒸気供給装置(図示せず)を取り付けてもよい。この時、前記加熱装置は電気式でもよいし、蒸気式でもよい。
所定温度に加熱された燃焼用気体は、触媒が充填された反応器触媒燃焼装置7に供給され、燃焼用気体に含まれるアンモニア(NH)を酸素(O)と反応させ、窒素(N)、水(HO)に酸化分解し、燃焼済みガスのアンモニア濃度を一般的な排ガス規制値以下にする。
前記触媒燃焼装置7においては、燃焼用気体中のアンモニア(NH)と酸素(O)とを、350℃〜600℃の温度で反応させ窒素(N)と水(HO)に分解することが好ましい。
反応温度が600℃を超える場合には、触媒の劣化を早めたり、完全な燃焼による水と窒素への分解ができず、触媒燃焼装置7の出側の前記燃焼済みガス中のアンモニア濃度が通常要求される100体積ppm〜200体積ppmを超えてしまうおそれがある。このような場合には、前記原排水の供給量を減少させるか、または第1希釈管路42を介して空気を取り入れて、触媒燃焼装置7に入る前記燃焼用気体中のアンモニア濃度を低減させて反応温度が600℃を超えないようにする。
また、反応温度が350℃未満の場合には、窒素の酸化分解が十分に進行しないおそれがある。このような場合には、前記原排水の供給量を増加させること、および/または第1希釈管路42を介して空気を取り込まないようにすることにより、触媒燃焼装置7に入る前記燃焼用気体のアンモニア濃度を高め、加熱器6による追加加熱を行わなくても予熱器5による予熱により、反応温度が350℃を超えるように省エネ運転を行うのが好ましい。
すなわち、触媒燃焼装置7におけるアンモニアの酸化分解反応(発熱反応)は、触媒燃焼装置7に入る燃焼用気体の温度が350℃以上であれば進行するため、第1実施形態では、予熱器5と共に加熱器6を設け、前記燃焼用気体のアンモニア濃度が低く、アンモニアの酸化分解反応(発熱反応)が不十分で、予熱器5による予熱が十分に行えない場合でも、加熱器6による追加加熱を行い、触媒燃焼装置7に入る燃焼用気体の温度を350℃以上にできるよう設計されている。しかしながら、加熱器6により追加加熱は経済的に好ましくないことから、前記燃焼用気体のアンモニア濃度を高め、アンモニアの酸化分解反応(発熱反応)を十分に行うことにより、予熱器5による予熱が十分に行われるようにすることが好ましい。
触媒燃焼装置7から排出された燃焼済み気体は予熱器5に供給され、触媒燃焼装置7に供給される前の燃焼用気体を予熱した後、一部または全部が大気中に放出され、大気中に放出されない残部が塔底部2−2に還流される。
予熱器5から排出された燃焼済み気体の一部または全部は、排気管路23に設けた排気ファン9の駆動により、排気管路23を通じ、調節弁8、排気ファン9、排気部45を経て大気中に放出される。
また、大気中に放出されない燃焼用気体は、排気管路23の調節弁8、排気ファン9より上流側で分岐した吹込管路25を通じ、調節弁54を経て塔底部2−2に還流される。吹込管路25の調節弁54より下流側には吸気管路24が接続されており、塔底部2−2に向けて還流される燃焼済み気体に、燃焼用酸素含有気体が補給され、放散用気体とされる。この燃焼用酸素含有気体としては通常は空気が用いられ、吹込管路25を流れる燃焼済み気体により生じる負圧により、外気(空気)が、吸気管路24を通じ、吸気部40、調節弁57、圧力計58を経て吸引されて、燃焼済み気体に補給される。
本発明は、排気管路23における、吹込管路25の分岐部より下流側に調節弁8、排気ファン9を設け、調節弁8の開度および/または排気ファン9の送風量を調整することにより、吹込管路25に分配される燃焼済み気体の量を調整することを特徴点の一つとする。
この吹込管路25に分配される燃焼済み気体の量の調整により、次のような現象が生じる。
1)吹込管路25に分配される燃焼済み気体の割合を高くすると、塔底部2−2に供給される放散用気体の温度および水蒸気濃度が上昇し、放散塔2において原排水から蒸発するアンモニア蒸気の量が増加し、塔頂部2−1における燃焼用気体のアンモニア濃度および水蒸気濃度が高くなり、塔底部2−2における処理済み排水のアンモニア濃度が低くなる。
2)吹込管路25に分配される燃焼済み気体の割合を低くすると、塔底部2−2に供給される放散用気体の温度および水蒸気濃度が低下し、放散塔2において原排水から蒸発するアンモニア蒸気の量が減少し、塔頂部2−1における燃焼用気体のアンモニア濃度および水蒸気濃度が低くなり、塔底部2−2における処理済み排水のアンモニア濃度が高くなる。
上記1)の現象については、処理済み排水のアンモニア濃度が低くなるため、アンモニアの排出基準を満たすという観点からは好ましいが、塔頂部2−1における燃焼用気体のアンモニア濃度および水蒸気濃度が高くなるため、爆発の回避、触媒燃焼装置7の分解処理能力、触媒燃焼装置7の触媒の劣化等の観点からは問題となる。また、上記2)の現象については、塔頂部2−1における燃焼用気体のアンモニア濃度および水蒸気濃度が低くなるため、爆発の回避、触媒燃焼装置7の分解処理能力、触媒燃焼装置7の触媒の劣化等の観点からは好ましいが、処理済み排水のアンモニア濃度が高くなるため、アンモニアの排出基準を満たすという観点からは問題となる。
本発明では、第1温度センサー31で測定された、塔頂部2−1の燃焼用気体の温度に基づき、調節弁8の開度および/または排気ファン9の送風量を制御して、塔底部2−2に還流される燃焼済み気体の量を調整することにより、塔頂部2−1の燃焼用気体の温度を設定値に保つように制御することを特徴点の一つとするものである。なお、第1温度センサー31は、塔頂部2−1と送風機4との間に設けられるが、第1搬送管路21の送風機4の上流側に水切り装置3が設けられる場合には、塔頂部2−1と水切り装置3との間に設けられ、塔頂部2−1の燃焼用気体の温度を測定するために用いられる。
このように、放散塔2の塔頂部2−1における燃焼用気体の温度を指標として用い、この温度を設定値に保つように制御することにより、諸条件が変動した場合でも、放散塔2における、原排水から放散用気体へのアンモニア(NH)の移動量を一定に維持し、当初設定された通り、処理済み排水のアンモニア濃度をアンモニアの排出基準を満すものに維持し、塔頂部2−1における燃焼用気体のアンモニア濃度を、爆発が回避でき、触媒燃焼装置7の分解処理能力を超えないものに維持することができる。
調節弁8としては、手動で開度を調節する調節弁を用いても、第1温度センサー31と連動して自動で開度を調節する自動調節弁を用いてもよいが、自動調節弁を用いた方が制御を迅速に行えるため好ましい。調節弁8は排気ファン9の上流側に設けても下流側の設けてもよいが、上流側に設けた方が排気ファン9の消費エネルギーを低減できるため好ましい。
排気ファン9のモーターをインバーターモーター等の回転数可変の動力方式とする場合には、調節弁8の設置を省略し、排気ファン9の回転数制御で第1温度センサー31を所定の値に維持することができる。
吸気管路24に設けられた調節弁57により、燃焼済み気体に補給される外気(空気)の量を調節する。また、燃焼済み気体に補給される外気(空気)の量を調節するために、吸気管路24における調節弁57の上流側または下流側のいずれか直近に外気(空気)取込み用の送風機(図示せず)を設けてもよい。
吸気管路24における、吹込管路25との接続部近傍に、圧力計58を設け、この部分の圧力を若干の負圧からほぼ大気圧になるように調節するのが好ましい。
さらに、吹込管路25、吸気管路24の吹込管路25との接続部近傍、放散塔2内の塔頂部2−1、中段部、塔底部2−2、予熱器5の燃焼済みガスの排出部等に温度計(図示せず)を設けて、通常の運転温度の管理を行うことが好ましい。
調節弁57としては、手動で開度を調節する調節弁を用いても、圧力計58と連動して自動で開度を調節する自動調節弁を用いてもよいが、自動調節弁を用いた方が制御を迅速に行えるため好ましい。また、調節弁57を設置する代わりに前記外気(空気)取込み用送風機(図示せず)のモーターをインバーターモーター等の回転数可変の動力方式として、圧力計58と連動させて自動的に可変とし、圧力計58が大気圧近傍となるよう調節する機構としてもよい。
燃焼済み気体を大気中に放出する際に白煙が発生を防止するのを防止するために、排気管路23における排気ファン9の吸引側に第2希釈管路44を設け、吸気部43、調節弁56を通じて、大気中に放出する前の燃焼済み気体に空気を供給するのが好ましい。
省エネルギーおよび水分の凝縮防止を図るために、アンモニア含有排水処理装置を構成する少なくとも一つ以上の機器、管路を保温材で覆い保温することが好ましい。
なお、第1実施形態では、送風機4を水切り装置3と予熱器5の間に配しているが、送風機4を燃焼済みガスが予熱器5を通過した下流近傍に配することもできる。この場合、送風機4には200℃以上の耐熱性能が必要とされ、また、送風する燃焼済みガスは、放散塔2の塔頂出側における前記燃焼用気体に比較して高温となっており、体積が膨張しているため、より大容量の送風能力が必要とされることとなる。
図2を用いて、本発明のアンモニア含有排水処理装置および該処理装置を用いたアンモニア含有排水の処理方法の第2実施形態について以下に説明する。
この第2実施形態は、第1実施形態の放散塔2を高さ方向に2つに均等に分割して、第1放散塔2Aおよび第2放散塔2Bとし、これら2つの放散塔を直列に接続し、一つの放散塔として使用するようにしたものである。
本発明のアンモニア含有排水処理装置で用いる放散塔は鉛直方向の高さが高いため、低い建物内に設置する場合、高層構築物が屋外に建設できない場合等には、放散塔を高さ方向に複数に分割し、これら複数の放散塔を直列に接続し、一つの放散塔として使用することができる。
図2のアンモニア含有排水処理装置においては、
〇放散塔2を高さ方向に2つに均等に分割して第1放散塔2Aおよび第2放散塔2Bとし、
〇第1放散塔2Aの塔底部2A−2と第2放散塔2Bの塔頂部2B−1とを、第3搬送管路27を通じて接続ポンプ12、調節弁59を介して接続し、
〇第2放散塔2Bの塔頂部2B−1と第1放散塔2Aの塔底部2A−2とを、第4搬送管路28を通じて接続し、
〇原排水を第1放散塔2Aの塔頂部2A−1に供給し、処理済み排水を第2放散塔2Bの塔底部2B−2から回収し、
〇放散用気体を第2放散塔2Bの塔底部2B−2に供給し、燃焼用気体を第1放散塔2Aの塔頂部2A−1から回収する
ようにしたものである。
以上に説明したように、
本発明のアンモニア含有排水処理装置および該処理装置を用いたアンモニア含有排水の処理方法は、放散塔の塔頂部における燃焼用気体の温度に基づき、放散塔の塔底部に還流される燃焼済み気体の量を調節することにより、塔頂部の燃焼用気体の温度を設定値に保つように制御することにより、諸条件が変動した場合でも、当初設定された通り、処理済み排水のアンモニア濃度をアンモニアの排出基準を満すものに維持し、塔頂部における燃焼用気体のアンモニア濃度を、爆発が回避でき、触媒燃焼装置の分解処理能力を超えないものに維持することができる優れたものである。
また、本発明のアンモニア含有排水処理装置および該処理装置を用いたアンモニア含有排水の処理方法は、触媒燃焼装置とは別体に、燃焼用気体を熱交換により予熱する予熱器および燃焼用気体を加熱する加熱器を設け、触媒燃焼装置に供給される燃焼用気体の温度を適切な温度とすることにより、アンモニアガスの酸化分解処理を十分に行うことができる優れたものである。
また、本発明のアンモニア含有排水処理装置および該処理装置を用いたアンモニア含有排水の処理方法は、予熱器および加熱器の上流側に、燃焼用気体に同伴する水滴および凝縮する水分を分離・除去する水切り装置を設けることにより、予熱器および/または加熱器の伝熱性能の低下が防止できると共に、触媒の劣化も防止でき、アンモニアガスの酸化分解処理を経済的・効率的に行うことができる優れたものである。
1 アンモニア含有排水処理装置
2 放散塔
2−1 塔頂部
2−2 塔底部
2A 第1放散塔
2A−1 第1放散塔の塔頂部
2A−2 第1放散塔の塔底部
2B 第2放散塔
2B−1 第2放散塔の塔頂部
2B−2 第2放散塔の塔底部
3 水切り装置
3−1 水分除去部
3−2 気体排出部
4 送風機
5 予熱器
6 加熱器
7 触媒燃焼装置
8 調節弁
9 排気ファン
10 原排水加熱器
11 原排水予備加熱器
12 接続ポンプ
20 原排水供給管路
21 第1搬送管路
22 第2搬送管路
23 排気管路
24 吸気管路
25 吹込管路
26 排水管路
27 第3搬送管路
28 第4搬送管路
31 第1温度センサー
32 第2温度センサー
33 第3温度センサー
34 第4温度センサー
40 吸気部
41 吸気部
42 第1希釈管路
43 吸気部
44 第2希釈管路
45 排気部
50 流量計
51 流量計
52 調節弁
53 調節弁
54 調節弁
55 調節弁
56 調節弁
57 調節弁
58 圧力計
59 調節弁
101 アンモニア放散塔
102 塔頂部
103 塔底部
105 送風機
108 触媒層
109 ガス熱交換器
112 原排水
116 塔頂ガス
117 酸化用空気
118 混合ガス
119 吐出ガス
121 排ガス
122 廃ガス
123 循環ガス
124 酸化反応器
129 加熱用スチーム

Claims (12)

  1. アンモニア含有排水処理装置であって、
    アンモニア含有排水(以下、「原排水」という。)が塔頂部より塔底部に向けて供給され、酸素を含有する放散用気体(以下、「放散用気体」という。)が前記塔底部より前記塔頂部に向けて供給される、内部に充填物を充填した放散塔と、
    前記塔底部の下流側に配され、前記放散塔においてアンモニア蒸気を蒸発させ、アンモニア濃度を低下させた前記原排水(以下、「処理済み排水」という。)を外部に排水する排水管路と、
    前記排水管路中を流れる前記処理済み排水を加熱源として、原排水供給管路を通じて塔頂部に供給される前記原排水を加熱する原排水加熱器と、
    前記塔頂部の下流側に配され、第1搬送管路を通じて、前記放散塔において前記原排水から蒸発したアンモニア蒸気と前記放散用気体との混合気体(以下、「燃焼用気体」という。)が送られる、送風機、予熱器、加熱器および触媒燃焼装置と、
    前記触媒燃焼装置の下流側に配され、前記触媒燃焼装置から排出される燃焼済み気体を前記予熱器の加熱源として用いた後に、該燃焼済み気体の一部または全部を大気中に放出する排気管路と、
    前記排気管路から分岐し、大気中に放出されない前記燃焼済み気体を前記塔底部に送る吹込管路と、
    前記吹込管路に接続され、前記塔底部に送られる燃焼済み気体に燃焼用酸素含有気体を補給して前記放散用気体とする吸気管路と、
    前記排気管路における前記吹込管路の分岐部よりも下流側に設けられ、前記燃焼済み気体の大気への放出量を調節する調節弁および排気ファンと、
    前記塔頂部と前記送風機との間に設けられ、前記燃焼用気体の温度を測定する第1温度センサーと、
    を備え、
    前記第1温度センサーで測定された前記燃焼用気体の温度に基づき、前記調節弁の開度および/または前記排気ファンの送風量を制御して、前記塔底部に還流される前記燃焼済み気体の量を調節することにより、前記燃焼用気体の温度を設定値に保つことを特徴とする、アンモニア含有排水処理装置。
  2. 前記原排水供給管路における前記原排水加熱器と前記塔頂部との間に、前記塔頂部に供給される前記原排水を加熱する原排水予備加熱器を備えることを特徴とする、請求項1に記載のアンモニア含有排水処理装置。
  3. 前記塔頂部における前記燃焼用気体は、温度が42℃〜80℃であり、組成がアンモニア4体積%以下、水蒸気8体積%〜50体積%、酸素4体積%以上であることを特徴とする、請求項1または2に記載のアンモニア含有排水処理装置。
  4. 前記燃焼用気体から水滴および凝縮する水分を分離・除去する装置を設けたことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のアンモニア含有排水処理装置。
  5. 前記燃焼用気体から水滴および凝縮する水分を分離・除去する装置が、前記第1搬送管路の前記送風機の上流側に設けられた水切り装置であり、該水切り装置は、前記燃焼用気体に同伴する水滴および凝縮する水分を前記燃焼用気体から分離・除去することで下流側の前記予熱器および/または前記加熱器の伝熱面に水が付着して伝熱性能が低下するのを防止するための水分除去部と、前記水滴および凝縮する水分を除去した前記燃焼用気体を下流側に備えた送風機に搬送する気体排出部と、前記除去した水分を原排水貯槽用の原排水タンクに搬送する第2搬送管路とを備えることを特徴とする、請求項4に記載のアンモニア含有排水処理装置。
  6. 前記水切り装置の気体排出部と送風機との間に、前記燃焼用気体のアンモニア濃度を前記触媒燃焼装置が燃焼可能な2.2体積%以下になるよう空気を取り込む第1希釈管路を備えることを特徴とする、請求項5に記載のアンモニア含有排水処理装置。
  7. 前記触媒燃焼装置の入口近傍に第2温度センサーを設け、該第2温度センサーで測定された前記燃焼用気体の温度に基づき、前記加熱器による加熱を制御することにより、前記触媒燃焼装置に供給される前記燃焼用気体の温度を設定値に保つことを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載のアンモニア含有排水処理装置。
  8. 前記触媒燃焼装置において、前記燃焼用気体中のアンモニアと酸素とを、350℃〜600℃の温度で反応させ窒素と水に分解することを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載のアンモニア含有排水処理装置。
  9. 前記排気管路における前記排気ファンの吸引側に、空気を供給し白煙発生を防止するための第2希釈管路を備えることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載のアンモニア含有排水処理装置。
  10. 前記放散塔を高さ方向に複数に分割し、これら複数の放散塔を直列に接続し、一つの放散塔として使用することを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載のアンモニア含有排水処理装置。
  11. 前記アンモニア含有排水処理装置を構成する少なくとも一つ以上の機器、管路を保温材で覆い保温することにより、省エネルギーおよび水分の凝縮防止を図ることを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載のアンモニア含有排水処理装置。
  12. 前記請求項1〜11のいずれかに記載のアンモニア含有排水処理装置により、アンモニア含有排水を処理することを特徴とする、アンモニア含有排水の処理方法。
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