JP6189566B1 - 有機酸生成酒酵母株の製造方法、清酒の製造方法、および変異pex22遺伝子 - Google Patents

有機酸生成酒酵母株の製造方法、清酒の製造方法、および変異pex22遺伝子 Download PDF

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Abstract

【課題】 十分な発酵力を維持し且つ有機酸生成能に優れた酒酵母株を提供する。【解決手段】 本発明の有機酸生成酒酵母株の製造方法は、酒酵母株について、そのPEX22遺伝子を変異PEX22遺伝子に変異させる変異工程を含み、前記変異工程において、前記PEX22遺伝子における配列番号1の塩基配列で示される部分領域について、塩基NNNを、ストップコドンに変異させることを特徴とする。【選択図】 なし

Description

本発明は、有機酸生成酒酵母株の製造方法、清酒の製造方法、および変異PEX22遺伝子に関する。
酸味の強い爽やかな口当たりの清酒を製造するために、近年、有機酸を高生成する酒酵母の改良が行われている。しかしながら、報告されている自然変異法による酵母の改良は、有機酸を高生成できるものの、発酵力が不十分であり、結果として清酒が甘口に、あるいは、低アルコールになるという問題があった(非特許文献1)。また、どのような改良であれば、有機酸の高生成と発酵力の維持とを両立できるかも不明である。
Matsuda et al., "Selection of yeasts for giving a good sour taste to sake and a sake brewing test", Journal of the brewing society of Japan, 2010, Vol.105, No.1, p.39-48.
そこで、本発明は、十分な発酵力を維持し且つ有機酸生成能に優れる酒酵母株の製造方法を提供する。
本発明の有機酸生成酒酵母株の製造方法は、酒酵母株について、そのPEX22遺伝子を変異PEX22遺伝子に変異させる変異工程を含み、
前記変異工程において、前記PEX22遺伝子における配列番号1の塩基配列で示される部分領域について、塩基NNNを、ストップコドンに変異させることを特徴とする。
本発明の清酒の製造方法は、酒酵母株から有機酸生成酒酵母株を作製する作製工程、および
前記有機酸生成酒酵母株を用いて、清酒を製造する製造工程を含み、
前記作製工程は、前記本発明の有機酸生成酒酵母株の製造方法により実施されることを特徴とする。
本発明の変異PEX22遺伝子は、PEX22遺伝子における配列番号1の塩基配列で示される部分領域において、塩基NNNが、ストップコドンであることを特徴とする。
本発明によれば、十分な発酵力を維持し且つ有機酸生成能に優れる酒酵母株を製造できる。
<有機酸生成酒酵母株の製造方法>
本発明の有機酸生成酒酵母株の製造方法(以下、「酵母株の製造方法」ともいう)は、前述のように、酒酵母株について、そのPEX22遺伝子を変異PEX22遺伝子に変異させる変異工程を含み、前記変異工程において、前記PEX22遺伝子における配列番号1の塩基配列で示される部分領域について、塩基NNNを、ストップコドンに変異させることを特徴とする。本発明の酵母株の製造方法は、前記変異工程において、前記酒酵母株のPEX22遺伝子における配列番号1の塩基配列で示される部分領域について、塩基NNNを、ストップコドンに変異させることが特徴であり、その他の工程および条件は、特に制限されない。
本発明者らは、鋭意研究の結果、前記酒酵母株のPEX22遺伝子における配列番号1の塩基配列で示される部分領域について、塩基NNNを、ストップコドンに変異させた変異PEX22遺伝子とすることにより、酒酵母株の有機酸の生成量を増大できることを見出し、本発明を完成させるに至った。このため、本発明は、例えば、PEX22遺伝子以外が同一である酵母(以下、「親株」ともいう)と比較した場合、発酵力を維持し且つより優れた有機酸生成能を示す酵母株を製造できる。つまり、本発明によれば、本来、有機酸生成能に劣る酵母株(親株)であっても、例えば、前述のように、前記PEX22遺伝子を前記変異PEX22遺伝子に変異させた変異酵母株とすることで、前記親株と比較して有機酸の生成量を増大でき、優れた有機酸生成能を付与することができる。
前記変異工程は、前述のように、酒酵母株について、そのPEX22遺伝子を変異PEX22遺伝子に変異させる工程である。前記変異工程では、前記PEX22遺伝子における配列番号1の塩基配列で示される部分領域について、塩基NNNを、ストップコドンに変異させる。
前記酒酵母株は、特に制限されず、例えば、商品としての酒の製造に使用する酵母でもよいし、酒製造の実験に使用する酵母でもよい。具体例として、前記酒酵母は、例えば、清酒の製造または清酒製造の実験に使用する清酒酵母等があげられる。また、前記酒酵母の分類は、例えば、Saccharomyces属、Schizosaccharomyces属、Candida属、Yarrowia属、Hansenula属、Kluyveromyces属等があげられ、好ましくはSaccharomyces属である。Saccharomyces属の中でも、例えば、Saccharomyces cerevisiaeが特に好ましい。前記酒酵母の具体例としては、例えば、Saccharomyces cerevisiaeに属しているものがあげられ、一倍体でも、二倍体でもよく、二倍体が好ましい。前記酒酵母株は、例えば、広義の意味で市販(契約酵母も含む)されているものでもよく、また、天然界から単離しても良い(例えば、特開2014-212782号公報)が、清酒酵母(清酒醸造用酵母)として市販されているものがより好ましい。前記清酒醸造用酵母として市販されているものは、例えば、日本醸造協会が販売している酵母(K-6、K-7、K-9、K-10、K-11、K-14、K-601、K-701、K-901、K-1001、K-1401、K-1501、K-1801、K-1601、K-1701、きょうかいNo.28、きょうかいNo.77等)、その他公的機関が開発した清酒醸造用酵母、例えば、青森県工業総合研究センター開発酵母(まほろば華酵母、イ号酵母・ロ号酵母等)等があげられる。前記清酒醸造用酵母は、例えば、前述のように入手し得る清酒醸造用酵母を直接用いてもよいし、自然変異等でさらに育種改良したもの(例えば、セルレニン耐性が付与され、吟醸香生産の高くなった清酒醸造用酵母等)を用いてもよく、具体例として、日本醸造協会が販売しているK-701(別名:きょうかい701号酵母)があげられる。前記清酒醸造用酵母は、コメを原料とした清酒の製造に使用できればよく、例えば、焼酎用の酵母等であってもよい。
本発明において、前記親株は、例えば、中でも、優れた有機酸生成能を示す変異酵母株の取得が困難であった二倍体清酒酵母であるK−7、またはその派生株である二倍体清酒酵母であるK−701、もしくはK−701をさらに変異原で処理し、育種改良した清酒酵母(例えば、5’,5’,5’-トリフルオロロイシン耐性が付与され、酢酸イソアミルの生成量が増大した清酒醸造用酵母)(以下、併せて、「K−7派生株」ともいう)を、親株として使用することが好ましい。本発明によれば、このような親株であっても、優れた有機酸生成能を有する変異酵母株を得ることができる。
前記酒酵母株は、例えば、前記PEX22遺伝子が欠失しておらず且つ前記変異PEX22遺伝子を有していないことが好ましい。具体例として、前記酒酵母株が一倍体の場合、前記酒酵母株は、例えば、前記PEX22遺伝子が欠失しておらず、且つ前記変異PEX22遺伝子を有していないことが好ましい。また、前記酒酵母株が二倍体の場合、前記酒酵母株は、例えば、2つのPEX22遺伝子が欠失しておらず、且つ変異PEX22遺伝子をホモ接合で有していないこと、すなわち、2つのPEX22遺伝子が欠失しておらず、且つPEX22遺伝子をホモ接合で有する、またはPEX22遺伝子および変異PEX22遺伝子をヘテロ接合で有することが好ましい。前記PEX22遺伝子の欠失は、例えば、前記PEX22遺伝子の機能欠損を意味し、具体例として、塩基の欠失もしくは挿入、またはこれらの組合せにより生じるフレームシフトによる機能的なPEX22タンパク質の発現の欠失、前記PEX22遺伝子の部分または全塩基配列の欠失による機能的なPEX22タンパク質の発現の欠失等があげられる。
前記PEX22遺伝子における部分領域は、下記配列番号1で示される塩基配列(例えば、下記配列番号1の塩基配列からなるポリヌクレオチド)である。下記配列番号1の塩基配列において、塩基NNNは、後述するストップコドン以外のコドンである。下記配列番号1の塩基配列において、各塩基Nは、例えば、前記塩基NNNがストップコドンとならない塩基であり、且つA(アデニン)、T(チミン)、G(グアニン)、およびC(シトシン)のいずれかである。具体例として、前記NNNは、例えば、TGGである。
PEX22遺伝子における部分領域(配列番号1)
5’-GATGGATTANNNTCATGT-3’
前記変異PEX22遺伝子における部分領域は、前記配列番号1の塩基配列において、前記NNNが、ストップコドンである塩基配列である。前記ストップコドンは、特に制限されず、例えば、TAG、TAA、TGA等があげられ、好ましくは、TAGである。
前記PEX22遺伝子は、例えば、Saccharomyces Genome Database、Genbank等公知のデータベースに登録された塩基配列を参照できる。前記PEX22遺伝子は、例えば、Saccharomyces Genome DatabaseにアクセッションID(SGD ID):S000000051で登録された塩基配列、GenbankにアクセッションNo:DG000037で登録された塩基配列等があげられる。具体例として、前記PEX22遺伝子は、例えば、下記配列番号2の塩基配列からなる(例えば、下記配列番号2の塩基配列からなるポリヌクレオチド)。下記配列番号2の塩基配列は、例えば、酵母(例えば、Saccharomyces cerevisiae)のPEX22遺伝子の全長配列に相当する。下記配列番号2の塩基配列において、下線で示す塩基配列が、前記PEX22遺伝子の部分領域に対応する塩基配列である。下記配列番号2の塩基配列における塩基NNNおよび塩基Nの説明は、例えば、それぞれ、前記配列番号1における塩基NNNおよび塩基Nの説明を援用できる。
PEX22遺伝子(配列番号2)
5’-ATGCCACCACCATCAAGAAGTAGAATAAACAAAACAAGAACATTAGGAATAATGGGTACAGCTATAGCAGTGTTGGTCACGTCCTACTATATATATCAAAAGGTGACAAGTGCAAAGGAAGATAATGGGGCACGACCTCCAGAGGGTGATTCAGTAAAAGAGAACAAAAAGGCAAGGAAGAGCAAATGTATTATAATGAGCAAGTCGATACAAGGACTGCCCATAAAGTGGGAGGAGTACGCCGCTGATGAAGTGGTTTTGCTGGTACCTACGAGCCACACTGATGGATCAATGAAACAAGCCATTGGGGATGCCTTTCGCAAGACGAAAAACGAACACAAAATCATATATTGCGATAGCATGGATGGATTANNNTCATGTGTAAGACGGCTAGGTAAATTTCAGTGCATATTGAACTCCAGGGACTTCACAAGTAGTGGTGGTAGCGATGCAGCAGTTGTTCCTGAAGATATAGGCAGGTTTGTCAAATTTGTTGTTGATAGCGATGTAGAGGATGTGCTGATTGACACTTTATGCAATTAA-3’
前記変異PEX22遺伝子は、前記配列番号2の塩基配列において、前記NNNが、ストップコドンである塩基配列である。前記ストップコドンは、特に制限されず、例えば、TAG、TAA、TGA等があげられ、好ましくは、TAGである。
前記変異工程における前記変異の導入方法は、特に制限されず、例えば、遺伝子編集技術、遺伝子組換え技術、部位特異的突然変異誘発等の公知の遺伝子工学的手法により実施してもよいし、変異原等を用いる非遺伝子工学的手法により実施してもよい。前記変異の種類は、特に制限されず、例えば、塩基の欠失、置換、挿入、もしくは付加、またはこれらの組合せがあげられる。前記PEX22遺伝子は、例えば、PEX22遺伝子座に座乗する。このため、前記変異工程では、例えば、前記PEX22遺伝子座に座乗するPEX22遺伝子に対して変異を導入する(以下、同様)。前記変異PEX22遺伝子により付与される形質、すなわち、有機酸の生成量の増大は、例えば、劣性形質である。このため、前記親株が一倍体の場合、前記変異工程では、例えば、1つのPEX22遺伝子を変異PEX22遺伝子に変異させる。また、前記親株が二倍体であり、2つのPEX22遺伝子を有する場合、前記変異工程では、例えば、2つのPEX22遺伝子を、2つの変異PEX22遺伝子に変異させる、すなわち、前記変異PEX22遺伝子のホモ接合となるように変異させる。さらに、前記親株が二倍体であり、前記PEX22遺伝子および前記変異PEX22遺伝子をヘテロ接合で有する場合、前記変異工程では、1つのPEX22遺伝子を変異PEX22遺伝子に変異させること、すなわち、前記変異PEX22遺伝子のホモ接合となるように変異させることが好ましい。
前記変異工程は、例えば、前記PEX22遺伝子に変異を導入する変異導入工程と、前記PEX22遺伝子における配列番号1の塩基配列で示される部分領域について、塩基NNNが、ストップコドンである酒酵母株を、有機酸生成酒酵母株として選抜する選抜工程とを含む。前記PEX22遺伝子が前記配列番号2の塩基配列からなる場合、前記選抜工程では、例えば、前記配列番号2の塩基配列における塩基NNNが、ストップコドンである酒酵母株を、前記有機酸生成酒酵母株として選抜してもよい。
前記変異導入工程は、前記PEX22遺伝子に変異を導入する工程である。前記変異導入工程における変異の導入方法は、例えば、前記変異工程における変異の導入方法の説明を援用できる。前記親株が一倍体の場合、前記変異導入工程では、例えば、1つのPEX22遺伝子に変異を導入する。また、前記親株が二倍体であり、2つのPEX22遺伝子を有する場合、前記変異導入工程では、例えば、2つのPEX22遺伝子に変異を導入する。さらに、前記親株が二倍体であり、前記PEX22遺伝子および前記変異PEX22遺伝子をヘテロ接合で有する場合、前記変異導入工程では、例えば、1つのPEX22遺伝子に変異を導入する、または、前記PEX22遺伝子および前記変異PEX22遺伝子に変異を導入する。
つぎに、前記選抜工程では、前記PEX22遺伝子における配列番号1の塩基配列で示される部分領域について、塩基NNNが、ストップコドンである酒酵母株を、有機酸生成酒酵母株として選抜する工程である。前記選抜工程では、例えば、変異が導入された親株について、PEX22遺伝子における部分領域の塩基配列に対応する塩基配列を解読する。そして、前記部分領域の塩基配列に対応する塩基配列における塩基NNNが、例えば、ストップコドンであるか否かを確認することにより実施できる。具体的には、前記親株が一倍体の場合、例えば、1つのPEX22遺伝子における配列番号1の塩基配列で示される部分領域の塩基配列と対応する塩基配列について、塩基NNNが、ストップコドンである酵母株を、有機酸生成酒酵母株として選抜する。また、前記親株が二倍体である場合、例えば、2つのPEX22遺伝子における配列番号1の塩基配列で示される部分領域の塩基配列と対応する塩基配列について、塩基NNNが、両者ともストップコドンである酵母株を有機酸生成酒酵母株として選抜する。
また、前記選抜工程は、例えば、前記PEX22遺伝子の部分領域に代えて、前記PEX22遺伝子の全領域、すなわち、前記配列番号2の塩基配列における塩基NNNに基づき、選抜してもよい。この場合、前記選抜工程では、例えば、変異が導入された親株について、PEX22遺伝子における全領域、すなわち、配列番号2の塩基配列に対応する塩基配列を解読する。そして、前記配列番号2の塩基配列に対応する塩基配列における前記塩基NNNが、例えば、ストップコドンであるか否かを確認することにより実施できる。具体的には、前記親株が一倍体の場合、例えば、1つの配列番号2の塩基配列に対応する塩基配列における塩基NNNが、ストップコドンである酵母株を、有機酸生成酒酵母株として選抜する。また、前記親株が二倍体である場合、例えば、2つの配列番号2の塩基配列に対応する塩基配列における塩基NNNが、両者ともストップコドンである酵母株を有機酸生成酒酵母株として選抜する。
以上のようにして、有機酸生成酒酵母株を製造できる。
前記有機酸生成酒酵母株において、生成量が増大される有機酸は、特に制限されず、例えば、生成される有機酸の合計量が、前記親株と比較して、増大されてもよいし、生成される有機酸のうち、一部の有機酸の生成量が、前記親株と比較して、増大されてもよい。具体的に、前記親株と比較して生成量が増大される有機酸は、例えば、リンゴ酸である。また、前記親株と比較して生成量が増大される有機酸は、例えば、コハク酸を含んでもよい。前記親株と比較して生成量が増大される有機酸は、例えば、酢酸を除く。前記リンゴ酸の生成量の増大割合の下限は、特に制限されず、前記親株の生成量に対して、例えば、1.5倍以上、1.8倍以上、2倍以上、3倍以上である。前記リンゴ酸の生成量の増大割合の上限は、特に制限されず、前記親株の生成量に対して、例えば、10倍以下、8倍以下、6倍以下、5.5倍以下である。前記リンゴ酸の生成量の増大割合の範囲は、特に制限されず、前記親株の生成量に対して、例えば、1.5〜10倍、1.8〜6倍、2〜5.5倍である。前記親株として、K−7派生株を用いる場合、前記リンゴ酸の生成量の増大割合の範囲は、特に制限されず、前記親株の生成量に対して、例えば、3〜10倍、3〜6倍、3〜5.5倍である。前記コハク酸の生成量の変化割合は、特に制限されないが、前記親株の生成量に対して、同程度であってもよく、例えば、0.9〜2倍、0.95〜1.8倍、0.95〜1.7倍である。
前記有機酸生成酒酵母株において、例えば、リンゴ酸およびコハク酸以外の有機酸であり、且つ有機酸生成酵母において生成される各種有機酸(例えば、αケトグルタル酸、クエン酸、ピルビン酸、乳酸、フマル酸、ピログルタミン酸)は、例えば、前記親株と比較した場合、その生成量が増大されてもよいし、同程度でもよい。
前記有機酸生成酒酵母株において、エタノールの生成量の下限は、特に制限されず、前記親株の生成量に対して、例えば、0.9倍以上、0.91倍以上、0.93倍以上、0.94倍以上である。前記エタノールの生成量の上限は、特に制限されず、前記親株の生成量に対して、例えば、1.2倍以下、0.98倍以下、0.97倍以下である。前記エタノールの生成量の範囲は、特に制限されず、前記親株の生成量に対して、例えば、0.9〜1.2倍、0.94〜0.97倍である。
前記有機酸生成酒酵母株は、優れた有機酸生成能を有するため、これを使用することで、例えば、前記親株を使用するよりも、高含量の有機酸を含む発酵産物を得ることができる。
前記発酵産物の種類は、特に制限されず、例えば、原料の種類によって種々の発酵産物を得ることができる。前記原料としては、例えば、コメ類、ムギ類等の穀類、芋類、マメ類等の野菜、ブドウ類等の果実等が原料としてあげられる。前記発酵産物としては、例えば、コメ類を用いた清酒、各種原料を用いた焼酎、ビール、ワイン、原料の一部にコメ等の副原料を用いたビール様飲料(発泡酒、リキュール等)、果実酒、その他酒税法で雑酒に分類される醸造飲料等があげられる。
なお、本発明の酒酵母株の製造方法では、PEX22遺伝子に基づき、有機酸生成酒酵母株を製造したが、例えば、前記有機酸生成酒酵母株は、例えば、後述する本発明の有機酸生成酒酵母株のスクリーニング方法(以下、「スクリーニング方法」ともいう)により製造することもできる。
<第1の清酒の製造方法>
本発明の第1の清酒の製造方法(以下、「第1の製造方法」ともいう)は、前述のように、酒酵母株から有機酸生成酒酵母株を作製する作製工程、および前記有機酸生成酒酵母株を用いて、清酒を製造する製造工程を含み、前記作製工程は、前記本発明の有機酸生成酒酵母株の製造方法により実施されることを特徴とする。本発明の第1の製造方法は、前記作製工程が、前記本発明の酒酵母株の製造方法により実施されることが特徴であり、その他の工程および条件は、特に制限されない。本発明の第1の製造方法は、例えば、前記本発明の酒酵母株の製造方法の説明を援用できる。本発明の第1の製造方法によれば、例えば、前記変異工程で得られた有機酸生成酒酵母株を使用することによって、親株で清酒を製造した場合と比較して、清酒の有機酸の含有量を増大できる。
本発明において、清酒は、例えば、アルコールを含むコメ類の発酵液でもよいが、好ましくは、日本国の酒税法(以下、「酒税法」ともいう)で定義される合成清酒または清酒であることが好ましく、酒税法で定義される清酒であることがより好ましい。前記アルコールは、例えば、エタノールである。
前記作製工程は、酒酵母株から有機酸生成酒酵母株を作製する工程である。前記作製工程は、例えば、前記本発明の酒酵母株の製造方法の説明を援用できる。本発明の第1の製造方法は、例えば、前記作製工程で得られた有機酸生成酒酵母株をすぐに前記製造工程に用いてもよいし、前記有機酸生成酒酵母株を保存し、保存後の有機酸生成酒酵母株を前記製造工程に用いてもよい。また、前記有機酸生成酒酵母株を増殖させた後、増殖後の有機酸生成酒酵母株を前記製造工程に用いてもよい。
前記製造工程は、前記有機酸生成酒酵母株を用いて、清酒を製造する工程である。前記製造工程は、例えば、前記有機酸生成酒酵母株により、原料を発酵させる発酵工程を含む。前記原料は、例えば、コメ類である。前記発酵の条件は、特に制限されず、例えば、従来の酵母による発酵条件と同様の条件を採用できる。前記製造工程では、さらに、有機酸生成酒酵母株以外の酒酵母株を用いてもよい。前記有機酸生成酒酵母株以外の酒酵母株は、例えば、前述の清酒醸造用酵母の説明が援用でき、好ましくは、5’,5’,5’-トリフルオロロイシン耐性が付与され、酢酸イソアミルの生成量が増大した清酒醸造用酵母である。このように、複数の酒酵母株を用いることにより、混合醸造を実施できる。
前記製造工程は、例えば、前記清酒を混合する工程を含んでもよい。前記清酒の混合は、例えば、異なる酒酵母株を用いて製造(醸造)したそれぞれの清酒を混合することを意味するが、前述の複数の酒酵母株を併用して製造(混合醸造)することを意味してもよい。前記清酒の混合の時期は、特に制限されず、例えば、醪を上槽する前に混合してもよいし、上槽後に混合してもよい。前記清酒の混合の割合は、特に制限されず、前記有機酸生成酒酵母株で製造した清酒と、他の清酒との総量を100%とした場合、前記有機酸生成酒酵母株で製造した清酒の割合の下限は、例えば、0.01%、0.03%、0.1%、0.3%、1%、3%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、もしくは90%である。前記有機酸生成酒酵母株で製造した清酒の割合は、例えば、前記下限値の例示における2つの数値を両端とする数値範囲を満たしてもよい。また、前記清酒の混合が混合醸造の場合、醸造開始時の前記有機酸生成酒酵母株と、前記有機酸生成酒酵母株以外の酒酵母株の植菌(接種)割合を、前記清酒の混合の割合を満たすように、設定してもよい。
前記製造工程は、例えば、前記原料の発酵で得られた醪を上糟する上糟工程を含む。前記上糟の条件は、特に制限されず、例えば、一般的な清酒の製造における上糟の条件と同様の条件を採用できる。
前記製造工程は、例えば、前記上糟後の清酒について、火入れ(加熱処理)する火入れ工程を含んでもよい。前記加熱処理の条件は、特に制限されず、例えば、一般的な清酒の製造における加熱処理の条件と同様の条件を採用できる。前記火入れ工程は、例えば、前記上糟工程後、後述する容器詰め工程前等に実施する。前記火入れの回数は、特に制限されず、例えば、1回以上であり、具体例として、1回または2回である。前記容器詰め工程前のみに火入れを1回のみ行ったものは、例えば、「生貯蔵酒」、前記上槽工程後に火入れを1回のみおこなったものは、例えば、「生詰め」(ひやおろし)ということができる(酒税法にかかる清酒の製法品質表示基準(平成元年11月22日付国税庁告示第8号、改正 平成29年 国税庁告示第4号))。また、前記製造工程において、前記火入れ工程を実施しない場合、前記清酒は、例えば、「生酒」ということができる(前記酒税法にかかる清酒の製法品質表示基準)。
前記製造工程後の清酒は、例えば、吟醸香として知られている成分である酢酸イソアミルを含む。前記製造工程後の清酒における酢酸イソアミルの濃度の下限値は、特に制限されず、例えば、0.03、0.1、0.3、1、3、5、10、20、30、50、100mg/Lである。前記酢酸イソアミルの濃度は、例えば、前記下限値の例示における2つの数値を両端とする数値範囲を満たしてもよい。前記製造工程後の清酒における酢酸イソアミルの濃度は、例えば、前記酒酵母株の種類を変更することにより、具体的には、酢酸イソアミルの生成能が異なる酒酵母株を用いることにより、調整できる。
本発明の第1の製造方法は、さらに、前記清酒を容器に充填する充填工程を含むことが好ましい。本発明の第1の製造方法が前記充填工程を含む場合、容器詰めされた清酒を製造することができる。このため、本発明の第1の製造方法は、例えば、「容器詰め清酒の製造方法」ということもできる。前記容器は、特に制限されず、例えば、ガラス瓶、ガラス製コップ等のガラス容器;アルミ缶等の金属容器;凸版印刷社製清酒用紙パック容器、大日本印刷社製の清酒用紙パック容器等のアルコール飲料用紙パック;凸版印刷社製パウチ容器またはボトル容器、大日本印刷社製パウチ容器またはボトル容器等の複合プラスチック容器等があげられる。前記容器には、例えば、前述の「生酒」、「生貯蔵酒」、または「ひやおろし」等が表示されてもよい。そして、前記容器への充填後、例えば、前記容器の開口を封止することにより密封する。
このようにして、清酒を製造できる。
<有機酸生成酒酵母株>
本発明の有機酸生成酒酵母株は、そのPEX22遺伝子における配列番号1の塩基配列で示される部分領域について、塩基NNNがストップコドンである変異PEX22遺伝子を含むことを特徴とする。本発明の有機酸生成酒酵母株は、そのPEX22遺伝子における配列番号1の塩基配列で示される部分領域について、塩基NNNがストップコドンである変異PEX22遺伝子を含むことが特徴であり、その他の構成および条件は、特に制限されない。本発明の有機酸生成酒酵母株は、例えば、PEX22遺伝子以外が同一である酵母と比較した場合、発酵力を維持し且つより優れた有機酸生成能を示す。本発明の有機酸生成酒酵母株は、例えば、前記本発明の酒酵母株の製造方法または後述の本発明のスクリーニング方法により製造できる。本発明の有機酸生成酒酵母株は、例えば、前記本発明の酒酵母株の製造方法、第1の製造方法およびスクリーニング方法の説明を援用できる。
前記変異PEX22遺伝子は、例えば、前記配列番号1の塩基配列からなり、且つ前記配列番号1の塩基配列における塩基NNNが、ストップコドンであるポリヌクレオチドということもできる。
本発明において、前記変異PEX22遺伝子は、例えば、配列番号2の塩基配列からなり且つ前記配列番号2の塩基配列における塩基NNNが、ストップコドンであるポリヌクレオチドであってもよい。
本発明の有機酸生成酒酵母株において、例えば、前記変異PEX22遺伝子は、そのPEX22遺伝子が、配列番号3のアミノ酸配列からなるペプチドからなる変異PEX22タンパク質をコードする変異PEX22遺伝子であってもよい。
変異PEX22タンパク質(配列番号3)
MPPPSRSRINKTRTLGIMGTAIAVLVTSYYIYQKVTSAKEDNGARPPEGDSVKENKKARKSKCIIMSKSIQGLPIKWEEYAADEVVLLVPTSHTDGSMKQAIGDAFRKTKNEHKIIYCDSMDGL
本発明の有機酸生成酒酵母株が一倍体の場合、前記有機酸生成酒酵母株は、例えば、1つの変異PEX22遺伝子を有する。また、本発明の有機酸生成酒酵母株が二倍体の場合、前記有機酸生成酒酵母株は、例えば、2つの変異PEX22遺伝子を有する、すなわち、未変異(野生型)のPEX22遺伝子を有さない。
<第2の清酒の製造方法>
本発明の第2の清酒の製造方法(以下、「第2の製造方法」ともいう)は、前記本発明の有機酸生成酒酵母株を用いて、清酒を製造する製造工程を含むことを特徴とする。本発明の第2の清酒の製造方法は、前記本発明の有機酸生成酒酵母株を用いることが特徴であって、その他の工程および条件は、特に制限されない。本発明の第2の製造方法は、前記本発明の有機酸生成酒酵母株を使用することによって、親株で清酒を製造した場合と比較して、清酒の有機酸の含有量を増大できる。本発明の第2の製造方法は、例えば、前記本発明の酒酵母株の製造方法、第1の製造方法および有機酸生成酒酵母株の説明を援用できる。
本発明の第2の製造方法は、例えば、前記本発明の有機酸生成酒酵母株により、原料を発酵させる工程を含む。前記原料は、例えば、コメ類であり、発酵の条件は、特に制限されず、従来の酵母による発酵条件と同様の条件が採用できる。前記製造工程は、例えば、前記本発明の第1の製造方法における製造工程の説明を援用できる。また、本発明の第2の製造方法は、例えば、前述の充填工程を含んでもよい。
<有機酸生成酒酵母株のスクリーニング方法>
本発明の有機酸生成酒酵母株のスクリーニング方法は、酒酵母株を、生存率0.01〜90%となるように変異原を用いて処理する変異工程と、
前記変異処理後の酒酵母株から、下記条件(1)および(2)を満たす酒酵母株を、有機酸生成酒酵母株として選択する選択工程とを含むことを特徴とする。
(1)変異原を用いて処理する前と比較して、アルコール生成量が0.9〜1.2倍である。
(2)変異原を用いて処理する前と比較して、リンゴ酸生成量が1.5〜10倍である。
本発明のスクリーニング方法によれば、前記変異処理を施す前の酵母株(以下、「親株」ともいう)と比較して、十分な発酵力を維持し且つ有機酸生成能に優れる酒酵母株、すなわち、本発明の有機酸生成酒酵母株を得ることができる。本発明の有機酸生成酒酵母株が得られることから、例えば、有機酸生成酒酵母株の製造方法ということもできる。
前記変異工程において、前記変異原は、例えば、エチルメタンスルホン酸(EMS)、N−メチル−N−ニトロ−N−ニトロソグアニジン、亜硝酸、アクリジン系色素等があげられ、好ましくは、EMSである。また、前記変異は、例えば、UV照射、各種イオンビーム、各種放射線照射等によって、誘発してもよい。
前記変異工程において、前記変異原による変異処理の方法は、特に制限されず、例えば、前記変異原の存在下で、前記親株をインキュベートすればよく、具体的には、前記変異原を含有する溶媒中で、前記親株をインキュベートすればよい。前記溶媒の種類は、特に制限されず、例えば、緩衝液、培地等があげられる。前記溶媒中の前記変異原の濃度は、特に制限されず、例えば、0.1%〜10%である。前記変異処理の条件は、特に制限されず、処理温度は、例えば、4〜50℃であり、処理時間は、例えば、0.5〜360分である。
前記変異工程においては、生存率は、0.01〜90%に設定し、好ましくは、0.01〜50%、0.1〜40%、0.5〜40%、1〜30%、5〜30%に設定する。前記生存率を前記範囲に設定する方法は、特に制限されず、例えば、変異処理の時間によって調整してもよいし、前記変異原の量によって調整してもよいし、処理温度によって調整してもよく、中でも、経時変化により、生存率をモニターすることが好ましい。
本発明における前記生存率とは、前記変異処理に供する全親株のうち、前記変異処理後にも生存する親株の割合を意味する。本発明においては、例えば、以下の方法により、前記生存率を算出できる。まず、親株の混合液を準備し、前記混合液のうち所定量Yを下記培養条件Aで培養し、得られた生存コロニー数Xを100%とする。そして、前記混合液のうち同量Yについて、前記変異処理を施した後、同じ培養条件Aで培養し、得られた生存コロニー数Xの割合(100×[X/X])を、生存率%とする。前記培養条件は、例えば、以下の通りである。
培地:YPD寒天培地、YPD培地に相当する栄養源豊富な培地、YM寒天培地(独立行政法人製品評価技術基盤機構推奨培地、http://www.nite.go.jp/nbrc/cultures/cultures/cultures.html:平成27年7月14日付)
培養温度:30℃前後(例えば、25℃±7℃)
培養時間:数日間(例えば、1〜10日間)
培養方法:静置培養
生存率の調整方法:EMS処理中に、前記混合液から数分ごとにサンプリングし、前記条件で培養を行い、目的となる生存率のものを選択する。
生存率の測定において、前記変異処理後の親株は、例えば、洗浄処理を施した後、培養を行うことが好ましい。前記洗浄方法は、特に制限されず、例えば、滅菌水等の滅菌溶媒で洗浄する方法があげられる。
前記変異処理工程後、前記変異処理した酒酵母株(親株)を培養し、生存した酒酵母株を採取する工程を含んでもよい。前記培養の方法および条件は、特に制限されないが、例えば、前述した生存率の測定方法における培養の方法および条件が例示できる。また、前記変異処理した親株は、例えば、前記培養に先立って、例えば、滅菌水等の滅菌溶媒で洗浄することが好ましい。
前記選択工程は、前記変異工程によって得られた酒酵母株から、前記条件(1)および(2)を満たす酒酵母株を選択する工程である。前記変異工程によって得られた酒酵母株とは、例えば、前記変異処理した親株のうち、前記変異処理後の培養によって生存を示した酒酵母株である(以下、変異酵母株ともいう)。
前記変異酵母株からの前記条件(1)および(2)の条件を満たす酒酵母株の選択は、例えば、以下のようにして行うことができる。すなわち、まず、前記変異処理を施す前の前記親株について、所定の条件下、コメ原料のアルコール発酵を行い、得られた発酵産物中のアルコールおよびリンゴ酸を測定する。そして、前記変異処理によって得られた前記変異酵母株について、同様の条件でアルコール発酵を行い、得られた発酵産物中のアルコールおよびリンゴ酸を測定する。そして、前記親株を用いた発酵産物中のアルコールおよびリンゴ酸の生成量と、前記変異酵母株を用いた発酵産物中のアルコールおよびリンゴ酸の生成量とを比較する。そして、前記条件(1)および(2)を満たす変異酵母株を、本発明の有機酸生成酒酵母株として選択することができる。前記アルコールとは、例えば、エタノールである。前記アルコールの生成量およびリンゴ酸の生成量は、例えば、それぞれ、前述のエタノールの生成量およびリンゴ酸の生成量の増大割合の説明を援用できる。
前記選択工程では、例えば、さらに、下記(3)を満たす酒酵母株を、有機酸生成酒酵母株として選択してもよい。
(3)変異原を用いて処理する前と比較して、コハク酸生成量が0.9〜2倍である。
前記変異酵母株からの前記条件(3)の条件を満たす酒酵母株の選択は、例えば、以下のようにして行なうことができる。すなわち、まず、前記条件(1)および(2)を満たす酒酵母株の選択と同様の条件において得られた発酵産物中のコハク酸を測定し、前記親株を用いた発酵産物中のコハク酸と、前記変異酵母株を用いた発酵産物中のコハク酸とを比較する。そして、前記条件(1)および(2)に加え、条件(3)を満たす変異酵母株を、本発明の有機酸生成酒酵母株として選択することができる。前記コハク酸の生成量は、例えば、前述のコハク酸の生成量の変化割合の説明を援用できる。
本発明において、前記有機酸生成酒酵母株の選択は、前記親株を使用した生成量に対する前記変異処理株を使用した生成量の倍率により判断できることから、前記親株と前記変異処理株とにおける前記アルコール発酵は、例えば、同条件であればよく、その方法は、特に制限されない。
前記コメ原料のアルコール発酵は、例えば、コメを含む仕込み液を使用できる。前記仕込み液は、例えば、1トンスケール程度の大型仕込みでも、小仕込みでもよく、前記小仕込みで調製されていることが好ましい。
前記小仕込みは、特に制限されず、例えば、一段仕込みでもよく、三段仕込みでもよい。また、前記仕込みに使用するコメの総量、すなわち総米は、例えば、10gから1kg程度が例示できる。使用するコメの種類は、特に制限されず、例えば、酒造好適米でもよいし、コシヒカリ等の飯米等でもよい。また、前記コメの精米歩合は、特に制限されず、例えば、60〜85%である。また、前記仕込み液の調製においては、例えば、乳酸を仕込み時に添加することが好ましい。仕込み時には、例えば、前記総米に、掛米、麹米、汲水、乳酸および酵母を加えて、発酵を開始することが好ましい。
前記仕込み液に対する被検酵母株(前記変異処理株または前記親株)の添加量は、特に制限されず、例えば、前記仕込み液中の最終濃度が、10の6乗〜10の7乗cells/mL程度であればよい。
前記アルコール発酵の発酵工程は、例えば、温度一定で管理してもよいし、適宜温度調整してもよく、具体例として、例えば、4℃〜20℃で温度調整を行うことが好ましい。発酵期間は、特に限定されず、例えば、10日〜25日程度が好ましい。
前記発酵産物中のアルコール、有機酸(リンゴ酸およびコハク酸)の生成量の測定方法および発酵経過に伴う炭酸ガスの生成量の測定は、特に制限されず、従来の方法や機器が使用できる。前記機器としては、アルコール生成量の測定には、例えば、市販のアルコール濃度計(例えば、商品名アルコメイトAL−3、ウッドソン社)等が使用でき、前記有機酸生成量の測定には、例えば、汎用HPLC、具体的には、例えば、汎用HPLCシステム(例えば、商品名LCsolutionで制御されたHPLCシステム、島津製作所社製)が使用でき、前記炭酸ガス生成量の測定には、例えば、ガス発生量自動計測装置(例えば、商品名ファーモグラフ、アトー社製)等があげられる。前記アルコール発酵の終了後、前記発酵産物におけるアルコール(例えば、エタノール)、日本酒度、酸度、アミノ酸度は、例えば、市販の汎用機器を用いて測定することができ、具体例として、国税庁が定める所定分析法(国税庁訓令第1号、改正平19国税庁訓令第6号、http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kobetsu/sonota/kaisei070622/01.pdf:平成27年7月15日付)に従うことが好ましく、また、それに準じた方法でもよい。
<変異PEX22遺伝子>
本発明の変異PEX22遺伝子は、前述のように、PEX22遺伝子における配列番号1の塩基配列で示される部分領域において、塩基NNNが、ストップコドンであることを特徴とする。本発明の変異PEX22遺伝子は、前記PEX22遺伝子における配列番号1の塩基配列で示される部分領域において、塩基NNNが、ストップコドンであることが特徴であり、その他の構成および条件は、特に制限されない。本発明の変異PEX22遺伝子は、例えば、前記本発明の酒酵母株の製造方法、第1の製造方法、有機酸生成酒酵母株、第2の製造方法、およびスクリーニング方法の説明を援用できる。
本発明において、前記変異PEX22遺伝子は、例えば、配列番号2の塩基配列からなり、塩基NNNが、ストップコドンであることが好ましい。
<変異PEX22タンパク質>
本発明の変異PEX22タンパク質は、配列番号3のアミノ酸配列からなるペプチドであることを特徴とする。本発明の変異PEX22タンパク質は、前記配列番号3のアミノ酸配列からなるペプチドであることが特徴であり、その他の構成および条件は、特に制限されない。本発明の変異PEX22タンパク質は、本発明の有機酸生成酒酵母株の説明を援用できる。
つぎに、本発明の実施例について説明する。ただし、本発明は、以下の実施例により何ら制限されない。
[実施例1]
本発明の有機酸生成酒酵母株が、親株と比較して、優れた有機酸生成能を有することを確認した。
(1)変異型酵母株の取得
清酒醸造用酵母K−701を親株として使用した。変異型酵母株は、下記参考文献を参照し、取得した。具体的には、5重量% EMS含有カリウムリン酸緩衝液にK−701を懸濁し、撹拌しながら30℃で60分間インキュベートして変異処理を実施した。前記変異処理後の親株(以下、「第1変異処理株」という)を、1mmol/L 5’,5’,5’-トリフルオロロイシン存在下、YNB寒天培地(0.67%Difco yeast nitrogen base、2%グルコース、2%寒天)で生育および選抜することにより、5’,5’,5’-トリフルオロロイシン耐性が付与され、K−701と同等以上のエタノール産生能を示し、K−701と比較して、酢酸イソアミルの生成量が増大した酒酵母株(以下、「F−19株」ともいう)が得られた。
参考文献:Shinzo ASHIDA et.al., “Isolation and Application of Mutant Producing Sufficient Isoamyl Acetate, a Sake Flaovr Component”, Argic. Biol. Chem, 1987, vol.51, No.8, pages 2061-2065
つぎに、3重量% EMS含有カリウムリン酸緩衝液にF−19株を懸濁し、処理後の生存率が20−30%となるように、変異処理を実施した。前記変異処理後の親株(以下、「第2変異処理株」という)のうち生存した約8000株を選抜し、小仕込み試験を行い、親株よりも多酸性を示し、さらに、親株と同程度以上のエタノール生成能を示す4株を選抜した(試験例1)。
前記試験例1で得られた多酸性かつエタノール生産に優れる4株を、さらに総米200gの小仕込み試験に供し、1株選抜して、これをF−19Hとした。なお、F−19Hの発酵経過をファーモグラフィで測定したところ良好であった。
つぎに、得られたF−19Hと親株であるF−19との比較を行った。比較は、総米200gの小仕込み試験により行った。前記小仕込み試験は、使用した株が異なる以外、掛米量、酒酵母株の最終濃度、発酵温度(15℃一定)等、全て同じ条件とした。前記小仕込み試験において、仕込み液の発酵経過をファーモグラフィで測定したところ、F−19HとF−19との間において、発酵経過の遅延等の差異は見られなかった。つまり、F−19Hは、親株F−19と同様の発酵力であることがわかった。
下記表1に、前記仕込み試験の結果、すなわち、前記仕込み開始から15日経過時の発酵産物における各測定項目の結果を示す。測定した項目は、エタノール、酸度、アミノ酸度、リンゴ酸、コハク酸、酢酸イソアミル、およびその他各種有機酸(αケトグルタル酸、クエン酸、ピルビン酸、乳酸、ピログルタミン酸等)である。
Figure 0006189566
前記表1に示すように、F−19Hによれば、アルコール生成量に関して、F−19の0.96倍であり、F−19と同等のアルコール生成量(エタノール生成量)を維持していた。また、前記アルコール発酵の過程において、経時的に炭酸ガスの発生量と炭酸ガスの発生速度を確認した結果、F−19Hは、F−19と同様の挙動を示した。そして、F−19Hは、リンゴ酸生成量に関しては、親株の約5.4倍であった。つまり、取得した変異酵母株F−19Hは、前記条件(1)および条件(2)を満たすことが確認できた。さらに、F−19Hの酸度は、F−19と比較して、1.55倍であった。これらの結果から、本発明の有機酸生成酒酵母株が、親株と同程度の発酵能を維持しつつ、且つ、親株よりも優れた有機酸生成能を有することがわかった。
(2)F−19Hの遺伝子解析
F−19Hは、F−19と異なり優れた有機酸生成能を有することから、F−19Hについて、この特性に対応する遺伝子変異の解析を行った。その結果、F−19Hは、K−701と比較して、複数の変異を有していた。そのうちの1つは、K−701が、配列番号2の塩基配列における塩基NNNが、TGGであるPEX22遺伝子をホモ接合で有するのに対し、F−19Hが、配列番号2の塩基配列における塩基NNNが、TAG(ストップコドン)である変異PEX22遺伝子をホモ接合で有しているという変異であった。すなわち、F−19Hでは、2つのPEX22遺伝子について、その374番目の塩基がGからAに変異する点変異が生じていた。なお、F−19についても、PEX22遺伝子の塩基配列を調べたところ、F−19は、配列番号2の塩基配列における塩基NNNが、TGGであるPEX22遺伝子と、配列番号2の塩基配列における塩基NNNが、TAG(ストップコドン)である変異PEX22遺伝子とをヘテロ接合で有していた。
[実施例2]
前記実施例1において得られた点変異の前記変異PEX22遺伝子を、親株S. cerevisiae 4011(水津、醸協、91、87、1992年)に、遺伝子工学的に導入した。そして、得られた点変異導入株について、発酵試験を行い、エタノール発酵性を損じることなく、有機酸を前記親株よりも向上させることを確認した。
(1)点変異導入株の調製
前記親株S. cerevisiae 4011から、一倍体4011a(MATa)を分離し、これにウラシル要求性を付与し、これを宿主GX−11として使用した。前記宿主は、URA3遺伝子について、46番目のアミノ酸残基が終止コドン(アンバーコドン)となっていることを確認済みである。
F−19Hのゲノムにおける変異PEX22遺伝子のORF領域(配列番号2の塩基配列の全ての塩基)と、ターミネーター領域とを下記プライマーセット1を用いて、PCRで増幅し、第1の増幅断片を得た。
プライマーセット1
フォワードプライマー1(PEX22(1)InFusion-F、配列番号4)
5’-CTATAGGGCGAATTGATGCCACCACCATCAAGAAGTAGAATAAACAAAACAAGAACATTAGGAATAG-3’
リバースプライマー1(PEX22(743)InFusion-R、配列番号5)
5’-AGGGAACAAAAGCTGGGCATTGTTAGACATCTAATTGATTCGGTCAAGTTGTAATGATGATTTC-3’
また、プラスミドpRS406を鋳型として、下記プライマーセット2を用いて、PCRで増幅し、増幅断片を得た。
プライマーセット2
フォワードプライマー2(pRS406InFusion-F、配列番号6)
5’- CAGCTTTTGTTCCCTTTAGTGAGGG-3’
リバースプライマー2(pRS406InFusion-R、配列番号7)
5’- CAATTCGCCCTATAGTGAGTCGTATTAC-3’
つぎに、サブクローニングキット(In Fusion(登録商標)、タカラバイオ社製)を用いて、pRS406のマルチクローニングサイトに前記第1の増幅断片をサブクローニングすることにより、組換え用プラスミドベクターを作製した。前記ベクターは、マーカー配列として、URA3遺伝子およびアンピシリン耐性遺伝子を有する。そして、前記組換えプラスミド制限酵素処理物を、酢酸リチウム法により、宿主GX−11に導入して形質転換を行い、ウラシル未添加のSD培地での培養により、前記組換えベクターが、前記宿主のPEX22遺伝子座に挿入された形質転換体の選択を行った。さらに、選択された形質転換体について、5−フルオロオロチン酸(FOA)とウラシルを含むアミノ酸未添加のSD培地での培養を行い、さらに、ループアウトにより前記URA3遺伝子およびアンピシリン遺伝子が除かれた形質転換体のみを選択した。このようにして選択された形質転換体を、目的の変異酵母株として、変異PEX22遺伝子の確認を行った。その結果、配列番号2の塩基配列において374番目の塩基がGからAに点変異した変異PEX22遺伝子を有することが確認された。得られた変異酵母株を、以下、GX−PEX22という。なお、GX−PEX22は、2株取得した。
(2)エタノール生成量および有機酸生成量の測定
前記宿主および前記GX−PEX22について、総米100gの小仕込み試験とした以外は、前記実施例1と同様にして、エタノール生成量および有機酸生成量を測定した。下記表2に、前記仕込み試験の結果、すなわち、前記仕込み開始から15日経過時の発酵産物における各測定項目の結果(2株の平均値)を示す。測定した項目は、エタノール、酸度、アミノ酸度、リンゴ酸、コハク酸、およびその他各種有機酸(αケトグルタル酸、クエン酸、ピルビン酸、乳酸、ピログルタミン酸等)である。
Figure 0006189566
前記表2に示すように、前記GX−PEX22は、アルコール生成量(エタノール生成量)に関しては、宿主GX−11の約0.95倍であり、前記宿主と同等のアルコール生成量を維持しており、エタノール発酵性を損じていないことが確認できた。また、前記GX−PEX22は、リンゴ酸生成量に関しては、前記宿主の約2.05倍であり、コハク酸生成量に関しては、前記宿主の約1.59倍であり、有機酸生成量を宿主よりも向上させることを確認した。また、前記GX−PEX22の酸度は、前記宿主の1.38倍であった。この結果から、本発明の有機酸生成酒酵母株が、宿主と同程度の発酵能を維持しつつ、且つ、宿主よりも優れた有機酸生成能を有すること、また、このような性質が、PEX22遺伝子の374番目の塩基の点変異、すなわち、配列番号1または2における塩基NNNがストップコドンに変異することにより得られることが確認できた。
[実施例3]
前記変異PEX22遺伝子により付与される形質、すなわち、有機酸の生成量の増大は、劣性形質であることを確認した。
K−701、F−19、およびF−19Hについて、Yeast extract Malt(YEM)培地で培養した。つぎに、5mLのYEM培地(グルコース10g/100mL)に、OD600=0.1となるように植菌し、30℃で4日間培養した。得られた培養液について、有機酸生成量を測定した。下記表3にこの結果を示す。
Figure 0006189566
前記表3に示すように、F−19Hは、リンゴ酸およびコハク酸の生成量に関して、変異PEX22遺伝子を有さないK−701の3.25倍および1.42倍であった。また、F−19Hは、リンゴ酸およびコハク酸の生成量に関して、変異PEX22遺伝子をヘテロ接合で有するF−19の3.28倍および1.69倍であった。これらの結果から、前記変異PEX22遺伝子により付与される形質、すなわち、有機酸の生成量の増大は、劣性形質であることがわかった。
[実施例4]
本発明の有機酸生成酒酵母株の製造方法により得られた有機酸生成酒酵母株と、他の酒酵母株とを用い、混合醸造できることを確認した。
実施例1で得られたF−19とF−19Hとの醸造開始時の混合割合を変えて、総米656gの仕込みとした以外は、実施例1と同様にして、エタノール生成量、有機酸生成量、および酢酸イソアミルの生成量を測定した。F−19とF−19Hとの混合割合(F−19:F−19H)は、10:0、7:3、5:5、4:6、3:7、または0:10とし、10酒酵母数(cells)/mLとなるように接種した。その結果、エタノール、有機酸(リンゴ酸+コハク酸)、酢酸イソアミルの濃度は、F−19およびF−19Hを、それぞれ単独で醸造した清酒を混合したもの(理論値)と10%程度の誤差であり、精度良く混合醸造できることがわかった。また、F−19およびF−19Hを、それぞれ単独で醸造した結果のみを下記表4に示す。
Figure 0006189566
以上、実施形態および実施例を参照して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態および実施例に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をできる。
本発明によれば、十分な発酵力を維持し且つ有機酸生成能に優れる酵母株を製造できる。このため、本発明は、例えば、酒造分野において極めて重要である。

Claims (6)

  1. 酒酵母株について、そのPEX22遺伝子を変異PEX22遺伝子に変異させる変異工程を含み、
    前記変異工程において、前記PEX22遺伝子における配列番号1の塩基配列で示される部分領域について、塩基NNNを、ストップコドンに変異させることを特徴とする、有機酸生成酒酵母株の製造方法。
  2. 前記PEX22遺伝子は、配列番号2の塩基配列からなり、
    前記配列番号2の塩基配列における塩基NNNを、ストップコドンに変異させる、請求項1記載の有機酸生成酒酵母株の製造方法。
  3. 前記酒酵母株は、清酒酵母株である、請求項1または2記載の有機酸生成酒酵母株の製造方法。
  4. 酒酵母株から有機酸生成酒酵母株を作製する作製工程、および
    前記有機酸生成酒酵母株を用いて、清酒を製造する製造工程を含み、
    前記作製工程は、請求項1から3のいずれか一項に記載の有機酸生成酒酵母株の製造方法により実施されることを特徴とする、清酒の製造方法。
  5. 前記清酒を容器に充填する充填工程を含む、請求項4記載の清酒の製造方法。
  6. PEX22遺伝子における配列番号1の塩基配列で示される部分領域において、塩基NNNが、ストップコドンであることを特徴とする、変異PEX22遺伝子。
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