JP6188610B2 - 取鍋を保温する保温バーナの制御方法 - Google Patents
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通常、転炉と連続鋳造設備との間を移動する取鍋は、複数配備されていて、複数の取鍋は、規定のサイクル(図1の実線で示すサイクル)で転炉〜連続鋳造設備間を往復している。
このような課題を解消するにあたっては、保温バーナからの火炎を取鍋内部に噴射して取鍋内部の温度を高くする(取鍋を保温する)ことが一般的であり、取鍋を保温(保熱)する保温バーナを制御する技術としては、例えば、特許文献1〜特許文献3に示すような技術が挙げられる。
すなわち、特許文献1は、受鋼鍋の履歴(耐火物残存厚み)と加熱条件(初期温度と目標温度、加熱時間など)と出鋼温度を基に、受鋼鍋の加熱に必要な熱量を求め、その求めた熱量と加熱条件とを用いて、ヒート・パターン決定機にてヒート・パターンを算出する。そして、算出されたヒート・パターンに基づいて、受鋼鍋を加熱している。
特許文献2の技術には、「熱電対で測定された耐火物温度」により、耐火物への伝熱量を監視し、取鍋が十分に加熱された時期を表示する取鍋の予熱状態表示システムが備えられていて、この表示システムにより、取鍋が十分に加熱され、取鍋内が「所定の温度」となったことを判断することはできる。しかしながら、本願出願人は、取鍋の保温状況を把握するに必要な情報は「取鍋を構成する耐火物の温度情報」などではなく、「取鍋の耐火物の蓄熱量」であることを知見しており、特許文献2の技術では、受鋼する際に必要となる取鍋の耐火物の蓄熱量を知ることができない虞がある。また、保温バーナの燃焼量により、取鍋内部の温度(排ガス温度)が変化するので、定常となる蓄熱量が取鍋を保温するバーナの条件により異なるという問題が生じる。
そもそも「取鍋を構成する耐火物の温度情報」を得るための熱電対に関しては、熱電対の耐久性が低く、且つ耐火物の代表温度の設定が難しいため、耐火物の温度の測定誤差が生じる虞がある。この観点から考えても、特許文献1〜3の技術は、実際の操業では温度ばらつきが多く、使用可能なものとはなっていないと思われる。
本発明に係る取鍋を保温する保温バーナの制御方法は、転炉から連続鋳造設備に溶鋼を払い出した後の取鍋を、保温バーナにて加熱して保温する取鍋を保温する保温バーナの制御方法において、連続鋳造終了時における前記取鍋の温度と、連続鋳造終了時の前記取鍋の状態に関する情報とを用いて、連続鋳造終了時の前記取鍋の蓄熱量を算出し、算出された連続鋳造終了時の前記取鍋の蓄熱量と、連続鋳造終了時から前記取鍋を保温開始するまでの時間とを用いて、前記保温バーナにて保温を開始する直前の前記取鍋の蓄熱量を算出し、算出された直前の前記取鍋の蓄熱量を基に、当該取鍋の蓄熱量が予定されている出鋼時間までに予め設定された目標の蓄熱量となるように、前記保温バーナの入熱量を決定することを特徴とする。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明を具体化した一例であって、その具体例をもって本発明の構成を限定するものではない。従って、本発明の技術的範囲は、本実施形態に開示内容だけに限定されるものではない。
図1に示すように、製鋼工程では、転炉8や電気炉で精錬した溶鋼10を取鍋2に出鋼して、取鍋2を二次精錬設備に搬送し、二次精錬設備にて溶鋼10の介在物除去や成分調整などの精錬(溶鋼処理)を行う。
このとき、溶鋼10を払い出した後に空となった取鍋2は、外気などにより、取鍋2内(鉄皮4の内側)に施工された耐火物3の温度(取鍋2内部の温度)が急激に下がってしまい、溶鋼10の温度と取鍋2の温度との差が大きくなる。それ故、装入された溶鋼10の温度が低下したり、取鍋2の鉄皮4や取鍋2内部の耐火物3が損傷してしまう。
そこで、図2に示すように、本願出願人らは、取鍋2を保温しない場合における耐火物3の蓄熱量と、取鍋2を保温する場合に必要な耐火物3の蓄熱量を付与することのできる時間(適正保温時間)を算出した。その結果、取鍋2の適正保温時間は、図2中の実線に示す曲線となった。この結果を受けて、現状行われている耐火物3に付与する蓄熱量を調べてみると、頻度の多い領域を含め、保温が過剰であることがわかった。つまり、取鍋2の耐火物3に蓄熱量を付与する保温バーナ1の入熱量が、余剰であることがわかった。
次に、取鍋2の保温状況を正確に把握する方法、すなわち取鍋2を保温する保温バーナ1の制御方法について、説明する。
まず、溶鋼10を受鋼した取鍋2における取鍋2の耐火物3の蓄熱量を求め、この耐火物3の蓄熱量を定常の蓄熱状態とする。定常状態の耐火物3の蓄熱量を求めるには、この定常状態での取鍋2の鉄皮4の表面温度と、連続鋳造終了時の溶鋼温度とを求める。そして、求めた取鍋2の鉄皮4の表面温度と連続鋳造終了時の溶鋼温度とを用いて、受鋼した取鍋2における取鍋2の耐火物3の蓄熱量を求める。
そして、連続鋳造終了から保温バーナ1にて保温を開始する直前までの時間から、取鍋2の耐火物3の温度低下量が求まり、伝熱計算により耐火物3の蓄熱量の変化を推定する。さらに、保温バーナ1で取鍋2を保温する場合における耐火物3の蓄熱量の変化も伝熱計算で求める。
溶鋼10を払い出した後から取鍋2の保温終了までの時間、つまり連続鋳造終了から次の出鋼までの時間が算出され、取鍋2の保温の開始時間が求まる。これにより、保温バーナ1の入熱量(燃料量、時間など)を決定する。
上記のようにして保温バーナ1の入熱量を決定し、その決定した保温バーナ1の入熱量を基に取鍋2を保温することで、取鍋2の蓄熱量を所定の量にまで増加させることができると共に、取鍋2全体で均一化することができる。さらに、保温バーナ1の燃料使用量を低減させることができ、取鍋2を保温する際の余剰な加熱をすることを防ぐことができる。
[実験例]
以下、本発明に係る取鍋2を保温する保温バーナ1の制御方法の実験例について、図を基に説明する。
q=λ1×(T1−T2)/t1=λi×(Ti−Ti+1)/ti=ha×(Tn−Ta)
ただし、溶鋼温度Tm=T1とし、熱束qは一定である。
Tm:溶鋼温度
Ti:耐火物の温度 (溶鋼と接する面の耐火物の温度T1〜鉄皮の表面温度Tn)
T0:取鍋内の雰囲気温度
h:炉内ガスと耐火物の熱伝達率
Ta:雰囲気温度
ha:鉄皮と雰囲気との熱伝達率
λi:耐火物の熱伝導率 (i=1〜n)
Cpi:耐火物の比熱 (i=1〜n)
Ai:耐火物の面積(半径方向の熱伝導する断面)(i=1〜n)
ti:耐火物の厚み (i=1〜n)
ρi:耐火物の密度 (i=1〜n)
Wi:耐火物重量(=Ai×ti×ρi)(i=1〜n)
time_i:計算開始からの時間(i=1〜n)
そして、算出した取鍋2の耐火物3の温度Ti、つまり取鍋2内の溶鋼温度Tmと、連続鋳造終了時の取鍋2の状態に関する情報とを用いて、連続鋳造終了時の取鍋2の蓄熱量Q(含熱量)を下式を用いて、算出する。
次に、図4に示すように、取鍋2内が空の状態における耐火物3の蓄熱量、すなわち空状態の取鍋2の放熱量を算出する。
例えば、取鍋2の蓋5に変形が生じていない場合、取鍋2内は断熱されているので、鉄皮4表面からの放熱量のみを算出し、連続鋳造終了時からの耐火物3の温度の時間変化を算出する。
続いて、図5に示すように、取鍋2を保温している際における取鍋2の耐火物3の蓄熱量を算出する。
ここで、図6に示すフローチャートに沿って、上記した取鍋2の放熱量(取鍋2の耐火物3の蓄熱量)を算出する手順を説明する。
そして、取鍋2内の温度T0を設定するために、耐火物3の伝熱量Qinrを、下式にて算出する。
Qinr=q×A1
q=h×(T0−T1)
保温バーナ1の入熱量Qinと算出した耐火物3の伝熱量Qinrとの差を算出し、取鍋2の蓋5に備えられた排出口6から大気へ放出される排ガスの温度Tgとする(Tg=(Qin−Qinr)/(排ガス比熱×排ガス流量))。
所定の値となった温度T0における耐火物3の伝熱量Qinrを算出する
(Qinr=q×A1=A1×h×(T0−T1))
また、耐火物3の厚み方向(取鍋2の径外方向)の温度分布による熱伝導Qi+1を、下式にて算出する。
qi=λi×(Ti−Ti+1)/ti
また、耐火物3が表面から大気に放出する放熱量Qn−aを、下式にて算出する。
Qn−a=q×An
q=ha×(Tn−Ta)
算出した耐火物3の伝熱量Qinrと、熱伝導Qi+1と、放熱量Qn−aとから、一定時間経過後Δtime=time_i+1-time_iの耐火物3の温度Ti+1の時間変化(熱移動量)を、下式にて算出する。
T1(time_i+1)=
T1(time_i)+(Qinr(time_i)−Q1(time_i))×Δtime/ρCpAti
(2)耐火物3の厚み方向中途部近傍の温度
Ti(time_i+1)=
Ti(time_i)+(Qi−1(time_i)−Qi+1(time_i))×Δtime/ρCpAti
(3)鉄皮4(取鍋2外側)の温度
Tn(time_i+1)=
Tn(time_i)+(Qn−1(time_i)−Qn-a(time_i))×Δtime/ρCpAti
上記により、時間time_i+1における耐火物3の温度Ti(time_i+1)が求まる。
次に、時間time_i+2における耐火物3の温度Ti(time_i+2)を、時間time_i+1における耐火物3の温度Ti(time_i+1)により算出する。
まず、取鍋2内の温度T0を設定するために、耐火物3の伝熱量Qinrを算出する。算出した耐火物3の伝熱量Qinrと保温バーナ1の入熱量Qinとを用いて、排ガス温度Tgを算出する。ここで、算出した排ガス温度Tgを、取鍋2内の温度T0とし、温度T0における耐火物3の伝熱量Qinrを算出する。
Qi+1=qi+1×Ai
qi+1=λi×(Ti−Ti+1)/ti
また、耐火物3が表面から大気に放出する放熱量Qn−aを算出する。
(1)取鍋2内側の耐火物3の温度
T1(time_i+2)=
T1(time_i+1)+(Qinr(time_i+1)−Q2(time_i+1))×Δtime/ρCpAti
(2)耐火物3の厚み方向中途部近傍の温度
Ti(time_i+2)=
Ti(time_i+1)+(Qi−1(time_i+1)−Qi+1(time_i+1))×Δtime/ρCpAti
(3)鉄皮4(取鍋2外側)の温度
Tn(time_i+2)=
Tn(time_i+1)+(Qn−1(time_i+1)−Qn-a(time_i+1))×Δtime/ρCpAti
上記により、時間time_i+2における耐火物3の温度Ti(time_i+2)が求まる。
次に、本発明に係る取鍋2を保温する保温バーナ1の制御方法を、図7及び図8に基づいて説明する。
図7は、連続鋳造終了時から取鍋2を保温開始するまでの間の取鍋2の蓄熱量を算出する方法を示したフローチャートである。図8は、連続鋳造開始時から取鍋2を保温開始するまでの間の取鍋2の蓄熱量を算出する方法を示したフローチャートである。
図7の(1)に示すように、まず連続鋳造終了時における取鍋2内の溶鋼温度と、連続鋳造終了時の取鍋2の状態に関する情報とを用いて、連続鋳造終了時の取鍋2の蓄熱量を算出する。
例えば、耐火物3は取鍋2内面より溶損するため、取鍋2の最内面層に備えられる耐火物3(ウエアレンガ)の厚みd1を、下式にて設定する。
d1=d−C×n
ただし、
d:初期のレンガ厚み
n:チャージ回数
nmax:最大チャージ回数
dmin:最終レンガ厚み
C:定数(=(d−dmin)/nmax)
次に、図7の(2)に示すように、算出された連続鋳造終了時の取鍋2の蓄熱量と、連続鋳造終了時から取鍋2を保温開始するまでの時間とを用いて、保温バーナ1にて保温を開始する直前の取鍋2の蓄熱量を算出する。
そして、図7の(3)に示すように、決定した保温バーナ1の入熱量を基に、取鍋2の保温開始を開始する。
図8に示すように、連続鋳造開始時から取鍋2を保温開始するまでの間の取鍋2の蓄熱量を算出する方法は、図7に示す取鍋2の蓄熱量を算出する方法と略同じである。
すなわち、連続鋳造開始時から取鍋2を保温開始するまでの間の取鍋2の蓄熱量を算出する方法は、連続鋳造終了時の取鍋2の蓄熱量を算出し、算出された連続鋳造終了時の取鍋2の蓄熱量と、連続鋳造終了後から取鍋2を保温開始する前の時間とを用いて、保温バーナ1にて保温を開始する直前の取鍋2の蓄熱量を算出し、算出された取鍋2の蓄熱量を基に、当該取鍋2の蓄熱量が、予定されている出鋼時間までに予め設定された目標の蓄熱量となるように、保温バーナ1の入熱量を決定する点が同じである。
このように、連続鋳造終了時の取鍋2の蓄熱量と、保温バーナ1にて保温を開始する直前の取鍋2の蓄熱量とに加えて、連続鋳造開始時の取鍋2の蓄熱量を算出することで、より正確に出鋼時に必要とされる取鍋2の蓄熱量を算出することができ、そのために必要な保温バーナ1の入熱量を決定することができる。
図9は、溶鋼10を払い出した後から取鍋2の保温を開始するまでの時間と、保温バーナ1の燃焼量と、耐火物3の蓄熱量との関係を示した図である。
図9に示すように、取鍋2の保温を開始する直前の耐火物3の蓄熱量と、目標とする耐火物3の蓄熱量と、出鋼時間と、予め算出しておいたコークス炉ガス(COG)の流量とにより、耐火物3に目標とする蓄熱量を付与するのに必要とされるCOGの流量を決定する。
一方で、保温バーナ1にて保温を開始する時間を溶鋼10を払い出した後から3時間後にした(保温バーナ1の点火を1時間遅くした)場合、図9から、保温バーナ1の入熱量が300Nm3/h(実線)において、溶鋼10を払い出した後から約4.6時間後に、必要な蓄熱量、約6800Mcalが得られる。なお、図9から、溶鋼10を払い出した後から3時間後の取鍋2の蓄熱量は、約6400Mcalと低下していることがわかる。
溶鋼10を払い出した2時間後から連続燃焼で取鍋2を保温(2.6時間保温)する場合、
200(Nm3/h)×2.6(hr)=520(Nm3)
と算出される。
300(Nm3/h)×1.6(hr)=480(Nm3)
と算出される。
この結果から、溶鋼10を払い出した3時間後から取鍋2を保温する場合の保温バーナ1の燃料消費量が、連続燃焼で取鍋2を保温する場合に使用される保温バーナ1の燃料消費量より、約8%削減できることがわかる。
図10に示すように、取鍋2の保温時間が長くなるにつれて、保温バーナ1の燃料消費量を削減できる効果が大きくなることがわかる。なお、実際の製鋼工程では、出鋼時間が早くなることもあるので、取鍋2の保温を開始する時間は少し余裕を持って設定することになる。また、取鍋2の保温を開始する時間を遅くすると効果が底打ちするので、取鍋2の保温を開始する時間は、例えば6時間程度までにするとよい。
図11に示すように、取鍋2の保温を開始する時間を3つのパターンに分けて行った。このとき、保温バーナ1の入熱量は、2つのパターンとした。
図11中の(1)のパターンは、溶鋼10を払い出した2時間後(親鍋終了)から、蓄熱状態が定常とされる(約6800Mcal)取鍋2をそのまま保温し続ける場合である(太実線)。このときの保温バーナ1のCOG流量は、200Nm3/hとする。
図11中の(3)のパターンは、溶鋼10を払い出した2時間後の取鍋2を保熱場に移動させて、その保熱場にて2時間待機し、その後蓄熱状態が定常とされるまで取鍋2を保温する場合である(細実線)。このときの保温バーナ1のCOG流量は、300Nm3/hとする。
図11中の(2)のパターンをみてみると、耐火物3の蓄熱量が必要な量(約6800Mcal)に到達した時間(約4.6時間)までの(2)のパターンにおける取鍋2の排ガス温度は、最初の段階では(1)のパターンにおける取鍋2の排ガス温度より低く((2)<(1))、その後(1)のパターンにおける取鍋2の排ガス温度より高く((1)<(2))なっていることがわかる。
以上より、(2)のパターンの方が(1)のパターンより取鍋2からの排ガス損失が小さい、すなわち取鍋2に対する保温バーナ1の入熱が効率的であることがわかる。
次に、(1)のパターンと(3)のパターンを上記と同様に比較する。
以上より、(3)のパターンの方が(1)のパターンより取鍋2からの排ガス損失が小さい、すなわち取鍋2に対する保温バーナ1の入熱が効率的であることがわかる。
図11をまとめると、取鍋2の保温を開始する時間を適切に決定すると共に、保温バーナ1の入熱量を適切に制御すると、保温バーナ1の燃料消費量などが大幅に削減できることがわかる。
図12に示すように、取鍋2の保温を開始する時間thを決定するにあたっては、連続鋳造終了から取鍋2の保温を経て出鋼するまでの時間tsと、通常サイクルでの連続鋳造終了から出鋼までの時間tmを基に決定する。
その取鍋2の保温を開始する時間thを決定する際の式を、以下に示す。
ただし、
th:連続鋳造終了から取鍋の保温を開始するまでの時間(保温開始時間)
ts:連続鋳造終了から出鋼するまでの時間
tm:保温不要時における連続鋳造終了から出鋼までの時間(目標蓄熱量となる時間)
c:係数(c>1)
なお、本実施形態では、取鍋2の保温の待機時間が長くなると取鍋2の放熱量が増加し、保温バーナ1の入熱量(取鍋2の蓄熱に必要なCOGガスの流量Fmin×バーナ蓄熱効率)が増加するので、連続鋳造終了から取鍋2を保温開始するまでの時間を最低限の待機時間としている。
通常、取鍋2の蓄熱に必要なCOGガスの流量Fminは、取鍋2が昇温する際のCOGガスの流量Fより少ないので(Fmin<F)、上記した係数cで取鍋2の保温時間を短くする。
c=1+(Fmin/F)
ただし、
Fmin:取鍋の蓄熱に必要なCOGガス(コークス炉ガス)の流量
F:取鍋が昇温する際のCOGガスの流量
ここで、係数cを上記の式とした理由を説明する。
COGの流量Fmin×保温バーナ効率×(th−tm)
である。
また、保温バーナ1を点火した後、取鍋2内が昇温している間の蓄熱量は、
COGの流量F×保温バーナ効率×(ts−th)
である。
以上より、
Fmin×保温バーナ効率×(th−tm)=F×保温バーナ効率×(ts−th)
th=((ts−tm)/c)+tm
上記の2つの式から、
c=1+(Fmin/F)
と算出される。
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。
2 取鍋
3 耐火物
4 鉄皮
5 蓋
6 排出口
7 注入口
8 転炉
9 連続鋳造設備
10 溶鋼
Claims (2)
- 転炉から連続鋳造設備に溶鋼を払い出した後の取鍋を、保温バーナにて加熱して保温する取鍋を保温する保温バーナの制御方法において、
連続鋳造終了時における前記取鍋の温度と、連続鋳造終了時の前記取鍋の状態に関する情報とを用いて、連続鋳造終了時の前記取鍋の蓄熱量を算出し、
算出された連続鋳造終了時の前記取鍋の蓄熱量と、連続鋳造終了時から前記取鍋を保温開始するまでの時間とを用いて、前記保温バーナにて保温を開始する直前の前記取鍋の蓄熱量を算出し、
算出された直前の前記取鍋の蓄熱量を基に、当該取鍋の蓄熱量が予定されている出鋼時間までに予め設定された目標の蓄熱量となるように、前記保温バーナの入熱量を決定する
ことを特徴とする取鍋を保温する保温バーナの制御方法。 - 転炉から連続鋳造設備に溶鋼を払い出した後の取鍋を、保温バーナにて加熱して保温する取鍋を保温する保温バーナの制御方法において、
連続鋳造開始時における前記取鍋の温度と、連続鋳造開始時の前記取鍋の使用状況の情報とを用いて、連続鋳造開始時の前記取鍋の蓄熱量を算出し、
算出された連続鋳造開始時の前記取鍋の蓄熱量と、連続鋳造終了時における前記取鍋の温度と、連続鋳造時間とを用いて、連続鋳造終了時の前記取鍋の蓄熱量を算出し、
算出された連続鋳造終了時の前記取鍋の蓄熱量と、連続鋳造終了後から前記取鍋を保温開始する前の時間とを用いて、前記保温バーナにて保温を開始する直前の前記取鍋の蓄熱量を算出し、
算出された直前の前記取鍋の蓄熱量を基に、当該取鍋の蓄熱量が、予定されている出鋼時間までに予め設定された目標の蓄熱量となるように、前記保温バーナの入熱量を決定する
ことを特徴とする取鍋を保温する保温バーナの制御方法。
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