JP6187785B2 - 空気圧縮機 - Google Patents

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Description

この発明は、空気圧縮機に関し、特に、タンクの圧力表示に特徴を有する空気圧縮機に関するものである。
一般に、空気圧縮機は、モーター駆動の圧縮ピストンをシリンダ内で往復動させ、これによってシリンダ内に導入された空気を圧縮し、シリンダ内で圧縮された圧縮空気がタンクに送られて貯留されるものである。
こうした空気圧縮機として、タンク内の空気圧力を表示する手段を備えたものが提案されている。
例えば、特許文献1には、発光ダイオード(LED)を点灯させてタンク圧力を表示するようにした空気圧縮機が開示されている。
特許第4166022号公報
しかし、上記した特許文献1記載の空気圧縮機では、発光ダイオードを使った表示であるため、発光ダイオードの数を多くしないと精度が出ないという問題があった。そして、精度のために発光ダイオードの数を多くすれば、発光ダイオードの数が多くなり、表示スペースが大きくなったり、分かりにくくなったりするなどの問題があった。
この問題を解決する手段としては、アナログ圧力計による圧力表示を行うことが考えられる。アナログ圧力計による圧力表示を行えば、ダイレクトに圧力を表示できるので、精度や表示スペースの問題は発生しない。しかしながら、アナログ圧力計を用いた場合には、コンプレッサの振動により目盛が揺れて正確に読めない、振動による誤表示があるなどの問題があった。
この問題を解決する手段としては、圧力値をデジタル表示させることが考えられる。圧力値をデジタル表示させる場合、閾値によって表示を切り替えることが一般的である。例えば、圧力計測値が1.299MPaの場合は1.2MPaと表示し、圧力計測値が1.300MPaを超えたときに1.3MPaに表示が切り替わるようにすることが一般的である。しかし、この方式では空気圧縮機に接続した工具(釘打ち機など)を使用するたびに発生する圧力変動が圧力表示に反映されてしまい、頻繁に表示が切り替わってチラつきが発生することがある。
この切り替えが起きないようにするためには、所定の期間内で平均化した圧力計測値を用いるとともに、この所定の期間を長めに設定することが考えられる。このようにある程度の長い検査対象期間で平均化した値を使用すれば、一時的な圧力変動が均されて検出されないため、頻繁に表示が切り替わることは防止することができる。しかしながら、この方法は圧力検出の応答性や精度を犠牲にするものであるため、表示情報の信頼性にかけるという問題が発生する。
そこで本発明は、圧力値をデジタル(数値)表示させる機能を空気圧縮機に持たせるとともに、微細な圧力変動によるチラつきを抑え、しかも表示の信頼性を損なうことがない空気圧縮機を提供することを課題とする。
本発明は、上記した課題を解決するためになされたものであり、以下を特徴とする。
(請求項1)
請求項1に記載の発明は、以下の点を特徴とする。
すなわち、請求項1に記載の空気圧縮機は、圧縮空気を生成するための圧縮機構と、前記圧縮機構を駆動させて生成した圧縮空気を貯留するためのタンクと、前記タンク内の圧力を検出する圧力検出手段と、前記圧力検出手段が検出した前記タンク内の圧力を基に表示用の圧力値を生成する表示値生成手段と、前記表示値生成手段が生成した表示用の圧力値をデジタル数値で表示する表示手段と、前記タンク内の圧力が所定のOFF圧値以上になったときに前記圧縮機構の駆動を停止させる一方、前記タンク内の圧力が所定のON圧値以下になったときに前記圧縮機構の駆動を開始させる駆動制御手段と、を備え、前記表示値生成手段は、前記駆動制御手段が前記圧縮機構の駆動を停止させている場合には、前記所定のOFF圧値を前記表示用の圧力値に設定し、また、前記表示値生成手段は、圧力値の変化量をとらえるために前記タンク内の圧力をサンプリング周期で計測して変化量を算出し、この変化量が設定した閾値を超えたときに、前記圧力検出手段が検出した前記タンク内の圧力を基に表示用の圧力値を生成することを特徴とする。
(請求項2)
請求項2に記載の発明は、上記した請求項1記載の発明の特徴点に加え、以下の点を特徴とする。
すなわち、前記空気圧縮機は、ON圧及びOFF圧が異なる複数の動作モードを備えることを特徴とする。
本発明は上記の通りであり、表示値生成手段は、タンク内の圧力が所定の条件を満たしたときに、圧力検出手段が検出したタンク内の圧力を基に表示用の圧力値を生成する。
このため、微細な圧力変動によるチラつきを抑え、しかも表示の信頼性を損なうことがない。
また、前記所定の条件は、前記タンク内の圧力値の変化量が所定の閾値を超えた場合であるようにしてもよい。変化量が大きい場合にのみ表示用の圧力値を生成することで、一時的な圧力変動が表示に反映されることを防止できる。
空気圧縮機のブロック図である。 圧力データ生成処理のフロー図である。 表示値生成処理のフロー図である。 表示値の変動を説明するための図である。 モードごとのOFF圧を説明する表である。
本実施形態に係る空気圧縮機は、特に図示しないが、圧縮空気を生成するための圧縮機構12と、前記圧縮機構12を駆動させて生成した圧縮空気を貯留するためのタンクと、を備えている。
圧縮機構12は、モーター駆動の圧縮ピストンをシリンダ内で往復動させるものであり、これによってシリンダ内に導入された空気を圧縮するものである。このようにシリンダ内で圧縮された圧縮空気はタンクに送られて貯留される。
この空気圧縮機の動作は、空気圧縮機に内蔵された制御装置100(図1参照)によって制御される。
この制御装置100は、特に図示しないが、CPUを中心に構成され、ROM、RAM、I/O等を備えている。そして、CPUがROMに記憶されたプログラムを読み込むことで、各種の入力装置及び出力装置を制御するように構成されている。
(入力装置)
制御装置100の入力装置としては、図1に示すように、圧力検出手段11が設けられている。なお、入力装置としては、この図1に示す入力装置に限定されず、他の入力装置を備えていてもよい。
(圧力検出手段11)
圧力検出手段11は、タンク内の圧力を検出するためのものであり、具体的にはタンク内に設けられた圧力センサである。この圧力センサで計測された圧力値は、制御装置100に信号として出力され、処理される。
(出力装置)
制御装置100の出力装置としては、図1に示すように、圧縮機構12と表示手段13とが設けられている。なお、出力装置としては、この図1に示す出力装置に限定されず、他の出力装置を備えていてもよい。
(圧縮機構12)
圧縮機構12は、上述したように、モーター駆動の圧縮ピストンをシリンダ内で往復動させるものである。この圧縮機構12は、モーターが制御装置100によって駆動制御されることで、圧縮動作を開始したり停止したりするように形成されている。
(表示手段13)
表示手段13は、圧力値をデジタル表示するためのものである。本実施形態においては、2桁の7セグメントディスプレイが用いられており、MPa(メガパスカル)単位で、0.0〜9.9までの数値を表示できるようになっている。
(制御装置100)
次に、制御装置100について詳述する。
制御装置100は、上記した各種装置を制御するものであり、駆動制御手段110、圧力データ生成手段120、表示値生成手段130、などの各手段として機能する。
なお、制御装置100としては、上記した各手段に限定されるものではなく、他の手段を含んでいても良い。
(駆動制御手段110)
駆動制御手段110は、モーターの駆動を制御することにより、圧縮機構12の作動を制御するためのプログラムである。この駆動制御手段110は、圧力検出手段11が検出したタンク内の空気圧力を参照し、タンク内の空気圧力が適切な圧力となるように圧縮機構12の作動をON/OFFする。
具体的には、図5に示すように、圧縮機構12の駆動を開始させるためのON圧と、圧縮機構12の駆動を停止させるためのOFF圧とが予め決められており、駆動制御手段110は、圧力検出手段11が検出したタンク内の空気圧力がこのON圧またはOFF圧に到達したか否かを判定し、到達した場合に圧縮機構12の作動をON/OFFする。
なお、本実施形態に係る空気圧縮機は、「常圧内装モード」「高圧内装モード」「高圧下地モード」「根太レスモード」の4つの作動モードを備えており、それぞれの動作モードごとにON圧及びOFF圧が異なるように設定されている。
例えば、「常圧内装モード」においては、駆動制御手段110は、タンク内の圧力が1
.5MPaになるまで圧縮機構12を駆動させ、1.5MPa(OFF圧)に到達したら圧縮機構12の駆動を停止する。その後、タンク内の圧縮空気が使用され、タンク内の圧力が1.1MPa(ON圧)に到達したら、タンク内の圧力が1.5MPa(OFF圧)になるまで再度圧縮機構12を駆動させることを繰り返す。
(圧力データ生成手段120)
圧力データ生成手段120は、前記圧力検出手段11が検出したタンク内の圧力値を取得して圧力データを生成するプログラムである。
図2は、この圧力データ生成手段120が圧力データを生成する処理を説明するフロー図である。以下、この図2のフローを参照しつつ圧力データ生成処理について説明する。
まず、図2に示すステップS100において、所定のタイミングごと(ここでは40msごと)に割り込みが発生し、圧力データ生成処理が開始する。そして、ステップS101に進む。
ステップS101では、圧力データ生成手段120が圧力検出手段11から圧力値を取得する。取得した圧力値は、圧力合計値に加算されて保持される。また、取得カウントを1カウントアップする。そして、ステップS102に進む。
ステップS102では、取得カウントが所定の数(ここでは32)であるかがチェックされる。取得カウントが32の場合には、ステップS103へ進む。一方、取得カウントが32以下の場合には、ステップS100に戻り、40msごとに発生する割り込みを待機する。
ステップS103では、合算した圧力合計値を32で割ることで、圧力検出手段11から取得した圧力値を平均化し、圧力データを作成する。作成した圧力データは表示値生成手段130が参照可能なようにメモリに記憶される。そして、ステップS104に進む。
ステップS104では、取得カウントおよび圧力合計値を0にリセットする。その後ステップS100に戻り、40msごとに発生する割り込みを待機する。
(表示値生成手段130)
表示値生成手段130は、前記圧力データ生成手段120が生成した圧力データを基に表示用の圧力値を生成するプログラムである。この表示値生成手段130は、前記タンク内の圧力値が上昇中(又は変化なし)においては、前記圧力データ生成手段120が生成した圧力データを所定の桁数(MPa(メガパスカル)の小数点第1位)で切り捨てて前記表示用の圧力値を生成するとともに、前記タンク内の圧力値が下降中においては、前記圧力データ生成手段120が生成した圧力データを前記所定の桁数(MPa(メガパスカル)の小数点第1位)で切り上げて前記表示用の圧力値を生成する。
なお、タンク内の圧力値が上昇中又は下降中であるかの判断は、前記圧力データ生成手段120が生成した圧力データと表示用の圧力値とを比較することで行っている。具体的には、表示値生成手段130は、前記圧力データ生成手段120が生成した圧力データが前記表示用の圧力値よりも低い場合には前記タンク内の圧力値が下降していると判断し、一方、前記圧力データ生成手段120が生成した圧力データが前記表示用の圧力値よりも低くない場合には前記タンク内の圧力値が上昇している(又は変化なし)と判断する。
また、この表示値生成手段130は、前記駆動制御手段110が前記圧縮機構12の駆動を停止させている場合には、現在の動作モードのOFF圧値を前記表示用の圧力値に設定する。
このように決定された表示用の圧力値は、表示手段13によって表示され、ユーザーが確認できるようになる。
図3は、この表示値生成手段130による表示値生成処理を説明するフロー図である。以下、この図3のフローを参照しつつ表示値生成処理について説明する。
まず、図3に示すステップS200において、所定のタイミングごと(ここでは10msごと)に割り込みが発生し、表示値生成処理が開始する。そして、ステップS201に進む。
ステップS201では、エラーが発生しているかがチェックされる。エラーが発生している場合には、ステップS202に進み、エラー値を表示用の圧力値に設定する。これにより、表示手段13にはエラー値が表示され、エラーが起きたことをユーザーが確認できる。その後、ステップS200に戻り、10msごとに発生する割り込みを待機する。
一方、エラーが発生していない場合には、ステップS203に進み、圧縮機構12が駆動停止中であるか(すなわち、タンク内の圧力がON圧とOFF圧との間であるために駆動制御手段110が圧縮機構12の駆動を停止しているか)がチェックされる。圧縮機構12が駆動停止中の場合には、ステップS204に進み、現在の動作モードのOFF圧値を前記表示用の圧力値に設定する。これにより、表示手段13には現在の動作モードのOFF圧値が表示される。このため、圧縮機構12が駆動停止中における表示手段13の表示圧力が一定となり、モーターが停止した状態で圧縮空気を消費していないにも関わらず温度変化等で圧力値が変化した場合でも実際の圧力値にかかわりなく表示圧力が変動しないので、ユーザーがエアー漏れしていると誤認することを防止できる。その後、ステップS200に戻り、10msごとに発生する割り込みを待機する。
一方、圧縮機構12が駆動停止中でない場合には、ステップS205に進む。ステップS205では、圧力データ生成手段120から圧力データを取得し、この圧力データを現在表示中の圧力と比較することで、タンク内の圧力値が下降しているか否かを判定する。すなわち、現在表示中の圧力は所定の桁数(MPa(メガパスカル)の小数点第1位)で切り上げまたは切り捨てされているが、この切り上げまたは切り捨てされた値と圧力データとを比較することで、タンク内の圧力値が下降しているか否かを判定する。
そして、圧力データが現在表示中の圧力よりも低い場合には、ステッ206に進み、下降フラグをONにセットし、ステップS208に進む。
一方、圧力データが現在表示中の圧力よりも低くない場合には、ステッ207に進み、下降フラグをOFFにセットし、ステップS208に進む。
ステップS208では、下降フラグをチェックして、タンク内の圧力値が上昇中(又は変化なし)であるか下降中であるかを判断する。そして、下降フラグがOFFの場合にはタンク内の圧力値が上昇中(又は変化なし)であると判断し、圧力データ生成手段120が生成した圧力データを所定の桁数(MPa(メガパスカル)の小数点第1位)で切り捨てて表示用の圧力値を生成する。一方、下降フラグがONの場合にはタンク内の圧力値が下降中であると判断し、圧力データ生成手段120が生成した圧力データを所定の桁数(MPa(メガパスカル)の小数点第1位)で切り上げて表示用の圧力値を生成する。このように生成された表示用の圧力値は、表示手段13に送信されて表示される。その後、ステップS200に戻り、10msごとに発生する割り込みを待機する。
次に、図4を参照しつつ、上記した表示値生成処理によって表示手段13にどのような圧力値が表示されるかを具体的に説明する。なお、図4の縦軸は圧力値(MPa)を示し、図4の横軸は時間の経過を示している。
まず、図4の(1)においては、タンク内の圧力値が上昇中(又は変化なし)のため下降フラグがOFFにセットされ、表示値生成手段130は、圧力データ生成手段120が生成した圧力データを切り捨てて表示用の圧力値を生成する。この例では、圧力データが1.1MPa以上かつ1.2MPa未満であるため、切り捨てた結果の表示用の圧力値は1.1MPaとなり、この値が表示手段13に表示される。
図4の(2)は圧力データが1.2MPaを超えた状態である。このとき、下降フラグはOFFにセットされたままであるので、表示値生成手段130は、圧力データ生成手段120が生成した圧力データを切り捨てて表示用の圧力値を生成する。圧力データが1.2MPa以上かつ1.3MPa未満であるため、切り捨てた結果の表示用の圧力値は1.2MPaとなり、この値が表示手段13に表示される。
図4の(3)は圧力データが1.2MPa以上かつ1.3MPa未満の範囲で下降した状態である。この状態でも、下降フラグはOFFにセットされたままであるので、表示値生成手段130は、圧力データ生成手段120が生成した圧力データを切り捨てて表示用の圧力値を生成する。圧力データが1.2MPa以上かつ1.3MPa未満であるため、切り捨てた結果の表示用の圧力値は1.2MPaとなり、この値が表示手段13に表示される。
図4の(4)は圧力データが1.2MPa以下に低下した状態である。1.2MPa以下となると、現在表示中の1.2MPaよりも圧力データが低くなるので、下降フラグがONにセットされる。すなわち、タンク内の圧力値が下降中と判断されるため、表示値生成手段130は、圧力データ生成手段120が生成した圧力データを切り上げて表示用の圧力値を生成する。圧力データが1.1MPa以上かつ1.2MPa未満であるため、切り上げた結果の表示用の圧力値は1.2MPaとなり、この値が表示手段13に表示される。
図4の(5)は圧力データが1.1MPa以上かつ1.2MPa未満の範囲で上昇した状態である。この状態でも、下降フラグはONにセットされたままであるので、表示値生成手段130は、圧力データ生成手段120が生成した圧力データを切り上げて表示用の圧力値を生成する。圧力データが1.1MPa以上かつ1.2MPa未満であるため、切り上げた結果の表示用の圧力値は1.2MPaとなり、この値が表示手段13に表示される。
図4の(6)は圧力データが1.2MPaを超えた状態である。圧力データが1.2MPaを超えたので、現在表示中の1.2MPaと同じ値となる。言い換えると、圧力データ生成手段120が生成した圧力データが表示用の圧力値よりも低い状態ではなくなったので、タンク内の圧力値が上昇している(又は変化なし)と判断し、下降フラグがOFFにセットされる。このため、表示値生成手段130は、圧力データ生成手段120が生成した圧力データを切り捨てて表示用の圧力値を生成する。この例では、圧力データが1.2MPa以上かつ1.3MPa未満であるため、切り捨てて結果の表示用の圧力値は1.2MPaとなり、この値が表示手段13に表示される。
図4の(7)は圧力データが1.3MPaを超えた状態である。このとき、下降フラグはOFFにセットされたままであるので、表示値生成手段130は、圧力データ生成手段120が生成した圧力データを切り捨てて表示用の圧力値を生成する。圧力データが1.3MPa以上かつ1.4MPa未満であるため、切り捨てた結果の表示用の圧力値は1.3MPaとなり、この値が表示手段13に表示される。
図4の(8)は圧力データが1.3MPa以上かつ1.4MPa未満の範囲で下降した状態である。この状態でも、下降フラグはOFFにセットされたままであるので、表示値生成手段130は、圧力データ生成手段120が生成した圧力データを切り捨てて表示用の圧力値を生成する。圧力データが1.3MPa以上かつ1.4MPa未満であるため、切り捨てた結果の表示用の圧力値は1.3MPaとなり、この値が表示手段13に表示される。
図4の(9)は圧力データが1.3MPa以下に低下した状態である。1.3MPa以下となると、現在表示中の1.3MPaよりも圧力データが低くなるので、下降フラグがONにセットされる。すなわち、タンク内の圧力値が下降中と判断されるため、表示値生成手段130は、圧力データ生成手段120が生成した圧力データを切り上げて表示用の圧力値を生成する。圧力データが1.2MPa以上かつ1.3MPa未満であるため、切り上げた結果の表示用の圧力値は1.3MPaとなり、この値が表示手段13に表示される。
図4の(10)は圧力データが1.2MPa以上かつ1.3MPa未満の範囲で上昇した状態である。この状態でも、下降フラグはONにセットされたままであるので、表示値生成手段130は、圧力データ生成手段120が生成した圧力データを切り上げて表示用の圧力値を生成する。圧力データが1.2MPa以上かつ1.3MPa未満であるため、切り上げた結果の表示用の圧力値は1.3MPaとなり、この値が表示手段13に表示される。
図4の(11)は圧力データが1.3MPaを超えた状態である。圧力データが1.3MPaを超えたので、現在表示中の1.3MPaと同じ値となる。言い換えると、圧力データ生成手段120が生成した圧力データが表示用の圧力値よりも低い状態ではなくなったので、タンク内の圧力値が上昇している(又は変化なし)と判断し、下降フラグがOFFにセットされる。このため、表示値生成手段130は、圧力データ生成手段120が生成した圧力データを切り捨てて表示用の圧力値を生成する。この例では、圧力データが1
.3MPa以上かつ1.4MPa未満であるため、切り捨てて結果の表示用の圧力値は1
.3MPaとなり、この値が表示手段13に表示される。
以上のように、1.2MPaや1.3MPaの閾値を跨いで圧力データが変動した場合でも、表示手段13に表示される圧力値は細かく変動せず、ある程度大きな圧力変化がなければ表示が一定するようになっている。このため、圧力データ生成手段120が生成する圧力データの精度を落とさなくても、微細な圧力変動による表示のチラつきを抑えることができる。
また、駆動モ−タの駆動が停止した時駆動モ−タが駆動中の圧力値の変化量をとらえて表示値生成手段の制御を実施しても良い。
たとえば、エアーが消費されたことを圧力値の変化量Pでとらえる。その為に圧力値をサンプリング周期で計測し変化量Pを算出する。ある圧力値変化量Pが設定した閾値を超えた場合に現在の圧力値に表示を切り替える。OFF圧からON圧の間で1段または複数段で表示切替を行うが、この段階は温度変化等でエアーを消費していないにも関わらず、圧力が変動する量を見込んで設定するようにしても良い。
(まとめ)
以上説明したように、本実施形態によれば、表示値生成手段130は、タンク内の圧力値が上昇中(又は変化なし)においては、圧力データ生成手段120が生成した圧力データを所定の桁数で切り捨てて表示用の圧力値を生成するとともに、タンク内の圧力値が下降中においては、圧力データ生成手段120が生成した圧力データを所定の桁数で切り上げて表示用の圧力値を生成する。このため、微細な圧力変動によるチラつきを抑え、しかも表示の信頼性を損なうことがない。
11 圧力検出手段
100 制御装置
110 駆動制御手段
120 圧力データ生成手段
130 表示値生成手段
12 圧縮機構
13 表示手段

Claims (2)

  1. 圧縮空気を生成するための圧縮機構と、
    前記圧縮機構を駆動させて生成した圧縮空気を貯留するためのタンクと、
    前記タンク内の圧力を検出する圧力検出手段と、
    前記圧力検出手段が検出した前記タンク内の圧力を基に表示用の圧力値を生成する表示値生成手段と、
    前記表示値生成手段が生成した表示用の圧力値をデジタル数値で表示する表示手段と、
    前記タンク内の圧力が所定のOFF圧値以上になったときに前記圧縮機構の駆動を停止させる一方、前記タンク内の圧力が所定のON圧値以下になったときに前記圧縮機構の駆動を開始させる駆動制御手段と、
    を備え、
    前記表示値生成手段は、前記駆動制御手段が前記圧縮機構の駆動を停止させている場合には、前記所定のOFF圧値を前記表示用の圧力値に設定し、
    また、前記表示値生成手段は、圧力値の変化量をとらえるために前記タンク内の圧力をサンプリング周期で計測して変化量を算出し、この変化量が設定した閾値を超えたときに、前記圧力検出手段が検出した前記タンク内の圧力を基に表示用の圧力値を生成することを特徴とする、空気圧縮機。
  2. 前記空気圧縮機は、ON圧及びOFF圧が異なる複数の動作モードを備えることを特徴とする、請求項記載の空気圧縮機。
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