JP5355737B2 - プログラマブルコントローラ - Google Patents
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Description
このようなプログラマブルコントローラは、多数の電気部品や電子部品で構成されており、それぞれの部品は、使用される温度によって寿命が変化する。このため、これらの部品により構成されているプログラマブルコントローラも同様に筐体の内部温度によって寿命が変化する。
従って、プログラマブルコントローラを運転する際に、全ての入力及び出力点数に対してオン状態となっている入力及び出力点数の比率、つまり、同時オン率を算出し、この同時オン率がプログラマブルコントローラの期待寿命に影響を与えない程度の内部温度上昇となるように、シーケンスプログラムにて入出力のオンまたはオフをコントロールすることが重要となる。
しかしながら、同時オン率を用いてプログラマブルコントローラ内部の温度上昇を推定しようとする場合、プログラマブルコントローラの内部温度は緩やかに変化するため、瞬間的な同時オン率が高くても内部温度はほとんど変化していないという状況が発生し、ディレーティングに影響を与えるという問題点があった。
以下、本発明を実施の形態1であるプログラマブルコントローラについて図面を参照して説明する。
図1は実施の形態1に係るプログラマブルコントローラの概要構成を示すブロック図である。図において、プログラマブルコントローラ1は、外部からの入力信号を取り込むための入力回路2と、外部負荷を駆動させるための出力信号を発生させる出力回路3と、ユーザーが作成したシーケンスプログラムや各種設定値を格納するためのメモリ4と、入力回路2からの入力信号およびシーケンスプログラムの演算結果より出力信号を制御するマイクロプロセッサ(以下、CPUと称す)5と、周囲温度を取得するための温度センサ6と、増設の入出力ユニットや温度センサを接続するための外部拡張用バス7とを備えて構成されている。
増設入出力ユニット8は、入力回路8a、制御用IC8b、出力回路8cなどを有し、外部拡張用バス7を経由してプログラマブルコントローラ1に入力情報を送信するとともに、プログラマブルコントローラ1からの制御信号を受けて出力回路8cより出力信号を発生させるものである。
また、増設温度センサユニット9は、制御用IC9aおよび温度センサ9bを有し、外部拡張用バス7を経由してプログラマブルコントローラ1より現在の温度の取得要求を受け取り、その要求のタイミングで温度センサ9bから温度情報を読み出すとともに、読み出した温度情報を外部拡張用バス7を経由してプログラマブルコントローラ1へ送信するものである。
図において、まず、ステップS1で、増設入出力ユニット8、増設温度センサユニット9も含めた全ての入力回路および出力回路の部品点数を取得する。
次に、ステップS2で現在オン状態となっている入力回路および出力回路の部品点数を取得する。
その後、ステップS3、ステップS4にてオン状態の入力回路および出力回路の部品点数をそれぞれ入力回路の全部品点数、出力回路の全部品点数で割ることによって、瞬間の入力回路の同時オン率と、出力回路の同時オン率を取得することができる。
この処理は、ステップS11で求めた最新の同時オン率を最も古い同時オン率と入れ替え、最新の1800回分の瞬間の同時オン率を求める。
次に、ステップS13で、更新した過去1800回分の同時オン率より平均同時オン率を求める。平均同時オン率は、過去1800回分の同時オン率にそれぞれの同時オン率に対応する重み付け係数を乗算し、その総和に対して1800で除算して算出する。
上記にて算出された平均同時オン率は、プログラマブルコントローラ1内にあるメモリ4に保存され、プログラミングツールを使用してメモリ4から読み出すことにより、あるいはプログラマブルコントローラ1に設けられたディスプレイ(図示せず)を介して表示させることにより参照させることができる。
ユーザは、この平均同時オン率を参照しながら評価を行い、プログラマブルコントローラ1の内部温度が上昇しないように、入力及び出力のオン又はオフを適宜コントロールすることになる。
ところで、プログラマブルコントローラ1が使用される場所での周囲温度が高温の場合、同時オン率が低くても、プログラマブルコントローラ1の構成部品に悪影響を与える温度まで内部温度が上昇していることがある。その一方で、周囲温度が低い場合、同時オン率が高くても、内部温度はそれほど上昇していないことがある。この場合、単に同時オン率を算出するだけではなく、周囲温度に応じた最大同時オン率を算出することが必要となる。
次に、ステップS30では、平均同時オン率と最大同時オン率の比較を行い、求めた平均同時オン率が求めた最大同時オン率を上回った場合は、ステップS40において同時オン率異常通知処理を実行する(後述する)。
グカーブとは、周囲温度とその周囲温度での最大同時オン率の関係を表すもので、例えば、図7に示すように1次直線で表された図の場合、このディレーティングカーブを図8のように傾きが変化する点を数値化し、データテーブルとして内部メモリ4に保持させている。ステップS22で、このデータテーブルの値を読み出す。
次に、ステップS23において、取得した周囲温度と読み出したデータテーブルの値から、その周囲温度における同時オン率の最大値を求める。周囲温度に対応する温度がデータテーブルにない場合は、その周囲温度近辺のディレーティングデータ2点を結んだ直線上の値を最大同時オン率とすることができる。
これらのユーザーが指定した周囲温度やディレーティングカーブの値を使用可能とするために、プログラマブルコントローラ1は、ユーザーが書込み可能なメモリ4を備えており、プログラミングツールなどからそのメモリ4に対して設定値を書込んだり、周囲温度やディレーティングカーブの値を自由に変更することが可能である。
図9において、まず、ステップS41でメモリ4に同時オン率異常通知を書込み、次に、ステップS42で、LEDの点灯によるエラー通知要求の有無を確認し、要求があるならばステップS43を実行してLEDを点灯させる。同様に、ステップS44にて警告音でのエラー通知要求の有無を確認し、要求があるならばステップS45を実行して警告音を発生させる。また、ステップS46ではメールによるエラー通知要求の有無を確認し、要求がある場合は、ステップS47を実行する。
したがって、この実施の形態2によれば、ユーザーはプログラマブルコントローラ1の入力回路、出力回路の平均同時オン率がディレーティングカーブにより指定された範囲内で使用できているか否かを容易に判断することが可能となる。
また、平均同時オン率が最大同時オン率を上回った場合に警報を発生させるため、プログラマブルコントローラ1の構成部品に悪影響を与える温度まで内部温度が上昇している状況を容易に把握することができる。
また、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
4:メモリ 5:マイクロプロセッサ(CPU) 6:温度センサ
8:増設入出力ユニット 9:増設温度センサユニット
Claims (9)
- 入力機器からの入力信号を取り込むための入力回路と、出力機器を駆動させるための出力信号を出力する出力回路と、プログラムを実行するためのシーケンスプログラムを格納したメモリと、上記入力回路に入力された入力信号に基づき、上記メモリに格納されたシーケンスプログラムに応動して出力信号の制御を行うマイクロプロセッサとを有するプログラマブルコントローラであって、前記マイクロプロセッサは、オン状態となっている各回路の部品点数の全部品点数に対する比率を一定周期毎に求めるとともに、これらの同時オン状態の比率の所定期間における平均値を求め、この平均値に基づいて同時オン率の評価を行なわせるように構成したことを特徴とするプログラマブルコントローラ。
- 一定期間蓄積した同時オン状態の比率に重み付けを行い、新しく取得した同時オン状態の比率の方を大きくするように構成したことを特徴とする請求項1記載のプログラマブルコントローラ。
- 周囲温度を検出する温度センサをさらに備え、この周囲温度で許容可能な同時オン状態の比率との関係から、所定の周囲温度における同時オン状態の最大比率を求めるように構成したことを特徴とする請求項1記載のプログラマブルコントローラ。
- 同時オン状態の比率と最大同時オン状態の比率と比較し、同時オン状態の比率が最大同時オン状態の比率を上回ったとき、警告を発する警報手段を備えたことを特徴とする請求項3記載のプログラマブルコントローラ。
- 算出された平均同時オン率をメモリに格納し、このメモリを参照することによって平均同時オン率を把握させるように構成したことを特徴とする請求項1記載のプログラマブルコントローラ。
- 周囲温度の情報として、予め設定された固定値または可変値を用い、その周囲温度情報に応じて最大同時オン状態の比率を求めるように構成したことを特徴とする請求項3記載のプログラマブルコントローラ。
- 書き込み可能なメモリを備え、このメモリに周囲温度の情報を書込むことにより、その値を最大同時オン状態の比率を求めるための周囲温度の情報として用いるように構成したことを特徴とする請求項6記載のプログラマブルコントローラ。
- 周囲温度とこの周囲温度で許容可能な同時オン状態の比率との関係を、予め設定された値、または読み書き可能なメモリに対して書き込み、それを用いて所定の周囲温度における同時オン状態の最大比率を求めるように構成したことを特徴とする請求項3記載のプログラマブルコントローラ。
- 平均同時オン状態の比率が最大同時オン率を超えたことを通知する警報手段として、複数の警報手段を有し、これらの警報手段から選択して動作させるように構成したことを特徴とする請求項4記載のプログラマブルコントローラ。
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