JP3857121B2 - 加圧空気充填装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動車や航空機に備えるタイヤに加圧空気を充填する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ブルドン管方式の圧力計を備えているエアインフレータ(加圧空気充填装置)を用いてタイヤに加圧空気を充填する際には、
(a)アナログ表示であるため指針を読み取るのにある程度の慣れが必要である、
(b)タイヤ内圧の設定値は予め指定されているのにも拘わらず、充填したい圧力を予め設定することができず、指針の動きを目視しながら感覚的に加圧空気の注入または排出を行う必要がある、
(c)電源を備えていないため制御や取扱上の便宜をつけることができない
などの欠点があるため、電源の供給を得て、検出した空気圧をデジタル表示させると共に次のような取扱上の応用を付加したエアインフレータが開発されている(ノグチ株式会社2001年発行のエアメイトAIR150のパンフレット参照)。
【0003】
(A)タイヤに充填したい空気圧を予め設定しておけばその設定圧まで加圧空気を充填した後に自動停止し、終了したことをブザーで知らせる。
【0004】
(B)自動車の諸元によりタイヤ内圧の単位が例えばkPaやkg/cm2といったように異なる場合にその単位に合わせた圧力表示に切換える。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記デジタル表示の従来装置ではエアインフレータを使える状態とするまでに次のような問題がある。
【0006】
▲1▼電源までは本体に内蔵してないため使用に際しては本体に付属されている電気コードを延ばして商用電源(AC100V)に接続する必要がある。この場合、本体を使用する場所と商用電源のきている電気コンセントのある場所とが遠く離れていれば電気コードが長くなり、電気コードが長く横たわることは好ましくない。また、長い電気コードは扱いにくい。
【0007】
▲2▼加圧空気の供給源までは本体に内蔵していないため使用に際しては本体に付属されている吸入ホースを加圧空気供給源に接続する必要がある。この場合、本体を使用する場所と加圧空気供給源に接続する場所とが遠く離れていれば吸入ホースが長くなり、吸入ホースが長くなると圧力低下を生じて十分な圧力が得られなくなる。また、長い吸入ホースは扱いにくい。
【0008】
このため、二次電池と、二次電池を充電するための充電器と、加圧空気を充填可能な圧力容器とを本体に追加して内蔵させ、本体の非使用時に二次電池への充電と、加圧容器への加圧空気の充填を行っておけば、二次電池が電源と、加圧容器が加圧空気供給源となるので、電気コードや吸入ホースが不要となりその点での扱いが容易となる。
【0009】
しかしながら、圧力容器と充電器とはいずれも重いので、両方を本体に備えさせるのでは本体が重くなってしまい、持ち運びが容易でなくなる。
【0010】
そこで、二次電池と圧力容器のみを本体に、充電器は本体とは別体のスタンドに備えさせ、本体をスタンドに収納した状態で圧力容器への加圧空気の充填と二次電池への充電を自動的に行わせるように構成することにより、扱いの容易さと本体の軽量化を両立させることが考えられる。
【0011】
一方、上記デジタル表示の従来装置は使える状態となってからも次のような問題がある。
【0014】
空気漏れによりタイヤの空気圧が少なくなると、カーブの際に踏ん張りが利かない上、サイド部分が接地のたびに屈曲するため高速走行中に熱を帯びてバーストする危険性もあるので、タイヤへの加圧空気の充填に合わせてタイヤの空気漏れを診断することができれば安全対策上も便利である。しかしながら、タイヤへの加圧空気の充填に合わせてタイヤからの空気漏れを診断可能なエアインフレータは開発されていない。
【0018】
そこで本発明は、タイヤに加圧空気を充填した後に続けてタイヤからの空気漏れを判定し漏れのある場合には必要な警告を発することにより、顧客の店に対する信頼性を増すと共に空気圧不足に伴う事故の未然に防ぐ助けとすることを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、加圧空気を充填可能な圧力容器(例えばエアタンク)と、タイヤのエアバルブと接続するためのエアチャックと、設定圧を入力可能な入力装置と、この入力装置に入力された設定圧をデジタルで表示するデジタル圧力計と、実際のタイヤ内圧を検出するタイヤ内圧検出手段と、このタイヤ内圧検出手段により検出される実際のタイヤ内圧と前記デジタル圧力計に表示された設定圧とが一致するように前記エアチャックに供給する圧力容器からの加圧空気を制御する制御手段(例えば電磁弁とこれを制御するコントロールユニットからなる)と、この制御手段により実際のタイヤ内圧とデジタル圧力計に表示された設定圧とが一致した後に続けてタイヤからの空気漏れがあるかどうかを判定する判定手段と、この判定結果より空気漏れがある場合に必要な警告を発する警告手段と、これら入力装置、デジタル圧力計、制御手段、判定手段、警告手段の電源となる二次電池と、この二次電池への充電を行う充電器と、外部電源との接続のための電気コンセントと、加圧空気供給源との接続のためのエアコネクタとを備える。
【0026】
第2の発明では、第1の発明において外部音源をデータとして記憶すると共に、この記憶された外部音源を前記実際のタイヤ内圧と前記デジタル圧力計に表示された設定圧とが一致したことをまたは一致する前にあることを知らせる音源として利用可能に構成する。
【0027】
第3の発明では、第1の発明において外部音源をデータとして記憶すると共に、この記憶された外部音源を前記空気漏れがあることを知らせる音源として利用可能に構成する。
【0028】
第4の発明では、第1から第3までのいずれか一つの発明において前記デジタル圧力計に最小桁(例えば小数点以下の桁)を表示させる場合に、最小桁の数字を丸めて表示できるように構成する。
【0035】
【発明の効果】
第1の発明によれば、タイヤに加圧空気を充填した後に続けてタイヤからの空気漏れを判定し、空気漏れのある場合には必要な警告を発するので、顧客の店に対する信頼性を増し、さらには空気圧不足に伴う事故の未然に防ぐ助けとすることができる。
【0036】
第2、第3の発明によれば加圧空気充填装置を使用する者の好みに合わせた音源を設定することが可能になる。
【0037】
タイヤ内圧検出手段からの実際のタイヤ内圧をデジタル圧力計にそのまま表示させるとき、最小桁の表示が短時間で頻繁に変動することがあり、こうした変動は煩わしくもあるのであるが、第4の発明によれば、実用上支障のない範囲で最小桁の数字を丸めて表示することで、デジタル圧力計の数値が安定し、これにより使用者が使い易くなる。
【0038】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施形態のエアインフレータ1(加圧空気充填装置)の正面図、図2は左側面図を示している。
【0039】
エアインフレータ1は設置または固定されるスタンド2と、常時はこのスタンド2に吊るすことにより収納しておき必要なときだけ持ち運び可能なキャリア21(本体)とから構成されている。
【0040】
スタンド2は、直立する支柱3と、この支柱3を支える脚4と、水平に位置してキャリア21を吊すための直管状のハンガー5とからなり、図2に示すように全体として断面コの字状に形成されている。
【0041】
支柱3の下部にはエアコネクタ(メス)6が、またこれに対応してハンガー5の上面にエアコネクタ(オス)8が備えられ、これらは支柱3、ハンガー5の内部に設けられる加圧空気通路7(図3参照)を介して接続されている。
【0042】
ここで、エアコネクタ6は加圧空気供給源からの加圧空気の受け口である。すなわち、エアコネクタ(メス)6にエアコネクタ(オス)9が接続され、ストップバルブ10が操作者により開かれると、ガソリンスタンドやタイヤショップなどに備えられる加圧空気供給源からの加圧空気がスタンド2内の加圧空気通路7に供給される。
【0043】
同様にして支柱3下部に電気コンセント11が備えられ、この電気コンセント11は支柱3、ハンガー5の内部に設けられる電気配線12(図3参照)を介して支柱3の上部に位置する充電器13と接続されている。充電器13は後述する制御部26に内蔵されるバッテリ46(二次電池)を充電するためのもので、電気コンセント11に電気プラグ16(図3参照)が接続されると、商用電源(AC100V)からの交流電流が充電器13に供給され、充電器13ではこの交流電流を直流電流に変換して出力する。
【0044】
一方、キャリア21はタイヤに入れる加圧空気を貯蔵する樽状のエアタンク22と、図2に示すようにエアタンク22の後方に直立して固定される直管状のハンドル支柱23と、ハンドル支柱23よりほぼ直角に曲がる直管状のハンドル24と、エアタンク22を支持する脚部25と、エアタンク22の上部に設けられる制御部26とからなる。
【0045】
ハンドル24の下面にはエアコネクタ(オス)8に対向してエアコネクタ(メス)27が備えられ、このエアコネクタ27はハンドル24、ハンドル支柱23の内部に設けられる加圧空気通路28(図3参照)を介してエアタンク22と接続されている。
【0046】
同様にしてハンドル24の下面に充電コネクタ(オス)15に対向して充電コネクタ(メス)29が備えられ、この充電コネクタ29はハンドル24、ハンドル支柱23の内部に設けられる電気配線14(図3参照)を介して充電器13と接続されている。
【0047】
図3はエアインフレータ1の空気配管(太線)と電気配線を共に示す構成図である。
【0048】
エアタンク22からの加圧空気通路31の先端にはエアチャック32を備える。エアチャック32はタイヤ33のタイヤバルブ34と接続してタイヤ33内部に加圧空気を導入するためのものである。エアチャック32はタイヤバルブ34に接続されていない状態では加圧空気通路31を大気に解放するので、後述するタンク内圧確認時には加圧空気通路31の先端と大気とを遮断する必要がある。このため、ハンドル24の先端にダミーエアバルブ71(図2参照)が備えられ、エアチャック32をこのダミーエアバルブ71と接続したとき、加圧空気通路31の先端と大気とが遮断される。
【0049】
加圧空気通路31にはコントロールユニット38からの信号により駆動される3位置の三方電磁弁35が設けられる。以下では、三方電磁弁35のこれら3位置のうち、図3において中央に示す位置を中立位置、上段に示す位置を第1オフセット位置、下段に示す位置を第2オフセット位置という。
【0050】
三方電磁弁35は常時(中立位置にある)は弁上流側の加圧空気通路31を遮断してエアタンク22内の加圧空気が大気へと漏れないようにしているが、タイヤ33への加圧空気の充填開始時に第1オフセット位置に切換えられると、弁前後の加圧空気通路31を連通してエアタンク22内の加圧空気をエアチャック32、タイヤバルブ34の接続を介してタイヤ33内に導入し、またタイヤ内圧が設定圧より高すぎるときには第2オフセット位置に切換えられ、加圧空気通路31内の加圧空気を通路31外へと排出してタイヤ内圧を下げる。実際には後述するように、第1オフセット位置と中立位置とを用いてのデューティ制御によりエアチャック32へと向かう加圧空気の量を調整し、また第2オフセット位置と中立位置とを用いてのデューティ制御により加圧空気通路31の外部へと漏らす加圧空気の量を調整する。
【0051】
タイヤ33への加圧空気充填中のタイヤ内圧を知るため、三方電磁弁35の下流でエアチャック32の上流の加圧空気通路31からの引出通路36に圧力センサ37(タイヤ内圧検出手段)を備える。この圧力センサ37は空気圧を電気信号に変換して、コントロールユニット38に出力する。
【0052】
また、エアタンク22内の圧力を確認するため引出通路36と三方電磁弁35上流の加圧空気通路31とを連通する通路39が設けられ、この通路39の引出通路36からの分岐部に、タンク内圧確認ボタン64により駆動される三方弁40を備える。この手動の三方弁40は、タンク内圧確認ボタン64を戻した(引いた)状態では弁前後の引出通路36を連通させ、このときエアチャック32がダミーエアバルブ71、タイヤバルブ34のいずれにも接続されていなければ大気圧が圧力センサ37に導かれる。これに対して、タンク内圧確認ボタン64を押し込むと、加圧空気通路31側の引出通路36と圧力センサ37側の引出通路36との連通を遮断し、代わって通路39と圧力センサ37側の引出通路36とを連通するため、このときには大気圧に代えてエアタンク22内の加圧空気が圧力センサ37に導かれる。
【0053】
一方、上記の充電コネクタ29は電気配線45を通してバッテリ46(二次電池)と接続される。バッテリ46はコントロールユニット38、操作・表示パネル51の電源として働く。
【0054】
操作・表示パネル51には図4に示したように、次のようなものが配置されている。
【0055】
図4において左上には設定圧や圧力センサ37により検出される実際の空気圧を表示するデジタル圧力計52が設けられている。このデジタル圧力計52に表示させる圧力の単位は、デジタル圧力計52のすぐ右に位置する単位設定ボタン53により設定される。例えばこのボタン53によりkPaと旧単位であるkgf/cm2との間で単位切換が可能である。
【0056】
単位設定ボタン53の右には、バッテリ46から操作・表示パネル51及びコントロールユニット38への電源の供給と遮断を行う電源スイッチ54が設けられている。
【0057】
さらに電源スイッチ54の右には、キャリア21がスタンド2に収納されていない状態でもバッテリ46を充電可能とするための充電コネクタ(メス)55を備えている。
【0058】
図4において右下のほうにはタイヤヘの加圧空気の充填をスタートさせる充填開始スイッチ56が、またこの周りには充填が正常に終了したことを知らせる正常終了ランプ57、充填が正常に終了しなかったり空気漏れが検出されたときにそれらを知らせる警報ランプ58、充填が正常に終了しなかったり空気漏れが検出されたときにそれらをブザー、警報メロディ、案内メッセージなど音で知らせるスピーカ59が配置されている。
【0059】
図4において左下には取扱説明や警告内容を表示させるディスプレイ60(モニター画面)が配置され、そのディスプレイ60のすぐ上にはアップキー61、ダウンキー62及び入力キー63が配置されている。ここで、アップキー61はデジタル圧力計52に表示される空気圧の設定値を上げたり、ディスプレイ60に表示される上位のメニューを選択をするためのキー、ダウンキー62はこの逆にデジタル圧力計52に表示される空気圧の設定値を下げたり、ディスプレイ60に表示される下位のメニュー選択をするためのキーである。また入力キー63はアップキー61、ダウンキー62により選択されるデジタル圧力計52の設定値や作業メニューを確定するためのキーである。
【0060】
これら3つのキー61、62、63の右にはエアタンク22の内圧を確認するためのタンク内圧確認ボタン64が設けられている。このタンク内圧確認ボタン64は前述のように手動三方弁40を切換駆動するためのものである。
【0061】
図3に戻り、主にマイコンからなるコントロールユニット38では圧力センサ37により検出される実際の空気圧を図4のデジタル圧力計52に表示させたり、操作・表示パネル51との間で信号のやりとりを行って各種の制御や演算を行い、また得られたデータを図示しないメモリに記憶する。
【0062】
次に本実施形態のエアインフレータ1の一般的な使用方法を説明する。
【0063】
(1)エアインフレータ1の一般的な使用方法
エアタンク22に加圧空気が充填されていない状態から述べると、このときには次の手順1〜6で前準備を行う。すなわち、
手順1:スタンド2のエアコネクタ(メス)6をエアコネクタ(オス)9と接続し、ストップバルブ10を開く。このストップバルブ10の開弁で加圧空気供給源からの加圧空気がスタンド2の支柱3、ハンガー5内の加圧空気通路7へと供給されエアコネクタ8に達するが、このエアコネクタ(オス)8はエアコネクタ(メス)27との非接続状態で加圧空気通路7を遮断しているので、加圧空気がエアコネクタ8から外部へ洩れることはない。
【0064】
手順2:また、電気コンセント11に対して商用電源(AC100V)を供給する電気プラグ16を接続し、充電器13への充電電源を確保する。
【0065】
手順3:キャリア21がスタンド2に収納されていないときにはキャリア21のハンドル24を持ち上げ、スタンド2のハンガー5にキャリア21を吊すことによってキャリヤ21をスタンド2に収納する。このときエアコネクタ8と27が、また充電コネクタ15と29がキャリア21の自重で接続されるようになっている(図2参照)。このエアコネクタ8、27の接続で支柱3、ハンガー5内の加圧空気通路7とハンドル24、ハンドル支柱23内の加圧空気通路28とが連通し、かつ三方電磁弁35は中立位置にあって弁前後の加圧空気通路31の連通を遮断した状態に、手動三方弁40は通路39を遮断した状態にある。これによって加圧空気がエアタンク22に供給され、エアタンク22内に充填してゆく。充填を開始して一定の時間が経過すればエアタンク22内の空気圧が加圧空気供給源の空気圧と同じになり、加圧空気のエアタンク22への供給がやむ。
【0066】
手順4:操作・表示パネル51上の電源スイッチ54をOFFからONに切換える。
【0067】
手順5:この電源スイッチ54のONへの切換により操作・表示パネル51上のデジタル圧力計52に初期設定の空気圧(デフォルト値)が表示されるはずであるが、もしここでデジタル圧力計52の数字が表示されないかまたはその表示がはっきりしないときにはバッテリ46の電圧が低下していることを示している。この場合、手順3での充電コネクタ15と29の接続で充電器13ではバッテリ46への充電を開始しているのでそのまま待つ。しばらく待てばバッテリ46への充電が完了し、デジタル圧力計52の表示もはっきりする。また、ディスプレイ60上には作業メニューを示す初期画面が表示される。
【0068】
手順6:エアバルブ32をダミーエアバルブ71に接続して加圧空気通路31の先端と大気圧との連通を遮断し、操作・表示パネル51上のタンク内圧確認ボタン64を押し込み、手動三方弁40を切換える。このとき加圧空気通路31側の引出通路36と圧力センサ37側の引出通路36との連通が遮断され、代わって通路39と圧力センサ37側の引出通路36とが連通され、エアタンク22内の加圧空気が圧力センサ37へと導かれるため、コントロールユニット38により圧力センサ37からの実際の空気圧が操作・表示パネル51上のデジタル圧力計52に表示される。タンク内圧が規定圧あるかどうかをデジタル圧力計52により確認し、規定圧に不足していればそのまま待つ。キャリア21をスタンド2に収納していれば、エアタンク22への加圧空気の充填が行われているはずなので、しばらくしてタンク内圧が規定圧に達したら前準備は完了である。そこで、タンク内圧確認ボタン64を引張り元の位置に戻すことで、通路39が遮断した状態へと手動三方弁40が切換えられる。
【0069】
次に、タイヤに加圧空気を充填するための手順を述べる。
【0070】
手順7:ハンドル24を持ち上げてキャリア21をスタンド2から外し、加圧空気を充填しようとする自動車のタイヤ34の脇へと持ち運ぶ。
【0071】
手順8:エアチャック32をダミーエアバルブ71から外してタイヤ33のタイヤバルブ34に接続する。
【0072】
手順9:加圧空気を充填しようとする自動車のタイヤ圧として指定されている空気圧の単位を確認し、その単位とデジタル圧力計52の表示単位とが違っていれば、操作・表示パネル51上の単位設定ボタン53を押してデジタル圧力計52の単位を合わせる。
【0073】
手順10:ディスプレイ60に表示されている初期画面中の作業メニューからアップキー61、ダウンキー62を用いて「充填空気圧設定」を選択し、入力キー63を押してその選択した作業を確定する。なお、「」でくくっている文言はディスプレイ60に表示される文言であることを表す。
【0074】
手順11:アップキー61やダウンキー62を用いてデジタル圧力計52の値を希望する空気圧に設定し、入力キー63を押してその設定圧を確定する。
【0075】
手順12:ディスプレイ60の作業メニューからアップキー61、ダウンキー62を用いて「エア充填スタート」を選択し、入力キー63を押してその作業を確定する。
【0076】
手順13:加圧空気の充填のための準備がすべて整っていることを確認し、操作・表示パネル51上の充填開始スイッチ56を押す。この充填開始スイッチ56からの信号を受けるコントロールユニット38により三方電磁弁35が中立位置から第1オフセット位置へと切換えられると、弁前後の加圧空気通路31が連通し、これによってタイヤ33ヘの加圧空気の充填がスタートする。
【0077】
次の手順14〜手順17はコントロールユニット38が実行するところである。
【0078】
手順14:コントロールユニット38では上記の手順11で設定したタイヤの空気圧となるように、三方電磁弁35の第1オフセット位置と中立位置とを用いてのデューティ制御を行ってエアチャック32へと向かう加圧空気の量を調整すると共に、第2オフセット位置と中立位置とを用いてのデューティ制御を行って加圧空気通路31の外部へと漏らす加圧空気の量を調整し、圧力センサ37の検出する実際の空気圧が設定圧と一致させる。そして両者が一致したタイミング(あるいは一致して所定の時間後)で三方電磁弁35のデューティ制御をやめて中立位置に戻し、弁前後の加圧空気通路31の連通を遮断する。これで加圧空気のタイヤ充填が終了する。
【0079】
手順15:充填を終了した後にはタイヤ33からの空気漏れがあるかどうかを判定する。充填を終了したタイミングで三方電磁弁35を中立位置に戻せばタイヤ33から圧力センサ37までが閉じた空間となりタイヤ内圧が圧力センサ37により検出されるので、充填を終了したタイミングから一定時間その状態を維持し、充填終了タイミングからの空気圧の低下代を圧力センサ37からの信号に基づいて計測し、この空気圧の低下代を予め定めている判定値と比較する。
【0080】
手順16:空気圧の低下代が判定値以内に収まっていればタイヤ33からの空気漏れはなく正常に充填できたと判断し、正常終了ランプ57を点灯し、スピーカ59より正常終了のメロディ、音またはメッセージを発する。
【0081】
手順17:空気圧の低下代が判定値を超えて大きいときにはタイヤ33からの空気漏れの可能性があり正常終了でないと判断し、警報ランプ58を点灯し、スピーカ59より警告のメロディ、音またはメッセージを発する。
【0082】
手順18:正常に充填できなかった場合にはエアチャック32からの空気漏れがないかどうか、タイヤ33のタイヤバルブ34やタイヤ33に損傷がないかどうかを調べ、損傷があった場合にはそれを修復してから、また空気漏れがなかった場合にも再度、上記の手順8に戻って加圧空気の充填作業を行う。
【0083】
手順19:手順18の作業で正常に充填ができた場合または手順16のところで正常に充填ができた場合には、充填作業を終了するため操作・表示パネル51上の電源スイッチ54をONからOFFに切換え、エアチャック32をタイヤ33のタイヤバルブ34から外す。
【0084】
手順20:各タイヤについて手順8から手順19までと同様の作業を繰り返し、全てのタイヤについて充填作業の終了後、キャリア21をスタンド2の処まで持ち運び、次に訪れる自動車のタイヤ充填作業に備えてキャリア21をスタンド2に収納しておく。
【0085】
次に、制御部26には(2)取扱説明のディスプレイ表示と(3)デジタル表示値のまるめ操作との機能が付加されている。これを順に説明する。
【0086】
(2)取扱説明のディスプレイ表示
これは、操作・表示パネル51上のディスプレイ60にコントロールユニット38により取扱操作手順を表示させることで、運転者などの使用者自身でのタイヤへの加圧空気の充填を可能にするための機能である。前述した手順3〜20を操作・表示パネル51上のディスプレイ60で案内するものでもある。使用者が行う作業と共にこれに合わせて変化するディスプレイの表示とを説明する。
【0087】
手順21:キャリア21がスタンド2に収納されている状態で使用者が操作・表示パネル51上の電源スイッチ54をOFFからONに切換えると、バッテリ46が一定電圧以上あればコントロールユニット38によりディスプレイ60に「電源正常」が表示される。
【0088】
手順22:手順21でバッテリ46が一定電圧以下であるときにはコントロールユニット38により「電圧不足ため充電して下さい」が表示される。このとき、電気コンセント11に電気プラグ16が接続されておらず、使用者がこれに気づいて電気プラグ16を電気コンセント11に接続すれば、充電器13によりバッテリ46への充電が開始される。この結果、バッテリ46への充電が完了すれば、コントロールユニット38によりディスプレイ60に「電源正常」が表示される。
【0089】
手順23:続いてディスプレイ60に「エアチャックをダミーエアバルブに接続してからタンク内圧確認ボタンを押し込んで空気圧を確認して下さい」がコントロールユニット38により表示される。この指示に従い使用者がタンク内圧確認ボタン64を押し込み手動三方弁40を切換えると、加圧空気通路31側の引出通路36と圧力センサ37側の引出通路36との連通が遮断され、代わって通路39と圧力センサ37側の引出通路36とが連通されため、エアタンク22内の加圧空気が圧力センサ37へと導かれる。これにより圧力センサ37からの検出値がコントロールユニット38に取り込まれ、この検出値をみてタンク内圧が一定圧以上あればコントロールユニット38によりディスプレイ60に「タンク内空気圧正常」が表示される。この表示を確認した後で使用者がタンク内圧確認ボタン64を引張って元の位置に戻すと手動三方弁40が切換えられ、通路39と圧力センサ37側の引出通路36との連通が遮断され、代わって圧力センサ37側の引出通路36と加圧空気通路31側の引出通路36とが連通される。一方、一定圧以下であればコントロールユニット38により「タンク内に空気圧を十分充填して下さい」が表示されるので、そのまま待つ。この場合に使用者がエアコネクタ6と9の接続状態をみて両者が接続されていないときに両者を接続し、また両者が接続されていてもストップバルブ10が閉じられているときにストップバルブ10を開くと、やがてタンク内圧が高くなってゆく。このときの圧力は圧力センサ37により検出しているので、タンク内圧が一定圧以上となった時点でコントロールユニット38によりディスプレイ60に「タンク内空気圧正常」が表示される。このときも使用者がタンク内圧確認ボタン64を引張って元の位置に戻すことで、通路39を遮断した状態へと手動三方弁40が切換えられる。
【0090】
手順24:「電源正常」と「タンク内空気圧正常」の表示を確認した後に、使用者がキャリア21をスタンド21から外すと、コントロールユニット38により電源スイッチ54と関係なくバッテリ46から操作・表示パネル51への電源供給が絶たれ、ディスプレイ60の表示がいったん消える。
【0091】
キャリア61を充填しようとする自動車のタイヤの脇へと運び電源スイッチ54を再度OFFからONに切換えると、この操作を受けてコントロールユニット38によりディスプレイ60に「エアチャックをタイヤバルブにつないで空気圧を設定して下さい」が表示される。
【0092】
手順25:この表示をみて使用者がエアチャック32をダミーエアバルブ71から外してタイヤバルブ34に接続する。
【0093】
手順26:次に使用者がアップキー61、ダウンキー62を用いてデジタル圧力計52の表示を充填したい空気圧に合わせ、入力キー63を押すと、この操作を受けてコントロールユニット38によりディスプレイ60に「充填開始ボタンを押して下さい」が表示される。
【0094】
手順27:この表示をみて使用者が操作・表示パネル51上の充填開始ボタン56を押すと、この操作を受けてコントロールユニット38により三方電磁弁35を用いてのデューティ制御が開始してタイヤ33への加圧空気の充填が行われ、その後に圧力センサ37の検出する圧力値がデジタル圧力計52に表示されている空気圧に達すればコントロールユニット38による三方電磁弁35を用いてのデューティ制御が終了して中立位置に戻され、正常終了ランプ57が点灯される。かつディスプレイ60に「充填は正常に終了しました」と「エアチャックを外して下さい」とが表示されると共に操作・表示パネル51上のスピーカ59より正常終了のメロディ、音またはメッセージが発せられる。
【0095】
手順28:充填開始ボタン56を押してから予め定めた一定時間が経過しても圧力センサ37の検出する圧力値がデジタル圧力計52に表示されている空気圧に達しなけば、コントロールユニット38により正常終了しなかったと判定され、警報ランプ58が点灯されると共にスピーカ59より警報音などが発せられ、かつディスプレイ60に「タイヤの空気圧漏れの恐れがあります。点検して下さい。」が表示される。この表示をみて点検を行ったあとに使用者が充填開始ボタン56を押すと、コントロールユニット38によりタイヤ33への加圧空気の充填作業が行われ、圧力センサ37の検出する圧力値がデジタル圧力計52に表示されている空気圧に達すればコントロールユニット38により三方電磁弁35が中立位置に戻され、正常終了ランプ57が点灯される。かつディスプレイ60に「充填は正常に終了しました」と「エアチャックを外して下さい」とが表示される。
【0096】
手順29:手順27、28での「エアチャックを外して下さい」との表示をみて使用者がエアチャック32を外すと、この操作を受けてコントロールユニット38により大気開放の状態になったところでディスプレイ60に「作業終了」が表示される。
【0097】
手順30:まだ充填していない残りのタイヤについても手順24〜手順29と同様の作業を繰り返し、全てのタイヤについて充填作業を終了した後、キャリア21をスタンド2の処まで持ち運び、キャリア21をスタンド2に収納する。
【0098】
(3)デジタル表示値のまるめ操作
圧力センサ37からの実際の圧力値をデジタル圧力計52にそのまま表示させるとき、最小桁の表示が短時間で頻繁に変動することがあり、こうした数値の変動は煩わしくもある。デジタル表示値のまるめ操作は、操作・表示パネル51上のディスプレイ60にコントロールユニット38により操作手順を表示させることで、実用上支障のない範囲で使用者が使いやすいように最小桁を安定させる機能である。使用者が行う作業と共にこれに合わせて変化するディスプレイの表示とを説明する。
【0099】
手順31:操作・表示パネル51上のディスプレイ60に表示されるメニューから「表示値の設定」をアップキー、ダウンキー及び入力キーを用いて選択・確定する。この選択・確定の操作でディスプレイ60上のサブメニューとして次の5つの表示モードがコントロールユニット38により表示される。
【0100】
No.1モード:最小桁の四捨五入(デフォルト)、
No.2モード:最小桁の切り捨て、
No.3モード:最小桁の切り上げ、
No.4モード:最小桁の切り上げによる0または5の表示、
No.5モード:操作無し(キャリブレーションモード)、
手順32:表示された5つのモードの中から1つをアップキー、ダウンキー及び入力キーを用いて選択・確定すると、この選択・確定信号を受けてコントロールユニット38により、選択・確定信号に従い、圧力センサ37により検出される空気圧に対して四捨五入、切り捨て、切り上げなどの演算が行われ、その結果がデジタル圧力計52に表示される。
【0101】
次に、制御部26にはメモリカードのデータを読むことの可能なカードリーダ64を備える(図1、図2参照)。このカードリーダを用いることで、(4)外部データベースの取り込み利用、(5)外部音源の取り込み利用、(6)利用実績のデータの利用を可能としている。これを図5を参照しながら順に説明する。
【0102】
(4)外部データベースの取り込み利用
使用者が行う作業と共にこれに合わせて変化するディスプレイの表示とを説明する。
【0103】
手順41:自動車諸元表やメーカカタログなどの資料61A、61Bから、メーカ、車種、型式、年式とタイヤの設定圧のデータを調べて必要なものを抽出する。前輪と後輪とで、また一般走行と高速走行とでタイヤの設定圧が異なる場合にはそれらも抽出する。
【0104】
手順42:抽出したデータをパソコン62を用いてデータベース用ファイルに書き込む。
【0105】
手順43:書き込んだデータをさらにメモリスティックなどのメモリカード63に書き移す。
【0106】
手順44:メモリカード63を、キャリア21に備えられるカードリーダ64に収納した状態で、操作・表示パネル51上のディスプレイ60のメニューから「データの取り込み」をアップキー、ダウンキー及び入力キーを用いて選択・確定すると、コントロールユニット38によりカードリーダ64を介してメモリカード63に書き移したデータが読み取られ、そのデータがコントロールユニット38に付属のメモリに記憶される。
【0107】
このようにして自動車諸元表やメーカカタログから抽出したデータを記憶させたメモリを備えるエアインフレータ1では次の手順に従えば自動車のタイヤ33に加圧空気を充填させることができる。すなわち、
手順45:操作・表示パネル51上のディスプレイ60のメニューから「タイヤ充填空気圧データ設定」をアップキー、ダウンキー及び入力キーを用いて選択・確定する。
【0108】
手順46:手順45を受けてコントロールユニット38によりディスプレイ60にメーカ、車種、型式、年式、前輪、後輪の別及び一般走行、高速走行の別を入力すべきことが順次指示されるので、ディスプレイ60の指示に従い、メーカ、車種、型式、年式、前輪、後輪の別及び一般走行、高速走行の別をアップキー、ダウンキー及び入力キーを用いて選択・確定する。
【0109】
手順47:この選択・確定した自動車諸元の入力されるコントロールユニット38によりメモリに記憶されている抽出データからこの選択・確定した自動車諸元のタイヤに適正な空気圧が検索され、その検索された設定圧が充填すべき空気圧としてデジタル圧力計52に表示される。
【0110】
手順48:ここから一般的な使用方法に従うのであれば、上記(1)の手順12〜20と同様の操作を行って充填作業を終了する。あるいはディスプレイに表示される取扱説明に従うのであれば上記(2)の手順26〜30と同様の操作を行って充填作業を終了する。
【0111】
(5)外部音源の取り込み利用
使用者が行う作業と共にこれに合わせて変化するディスプレイの表示とを説明すると、これは(4)の外部データベースの取り込み利用と同様である。
【0112】
手順51:インターネット、CD−ROMまたは自作等の音源65A、65Bから正常終了や警報に使用したいメロディー等の音源(外部音源)を抽出する。
【0113】
手順52:抽出した音源をパソコン62に取り込む。
【0114】
手順53:取り込んだ音源を、メモリスティックなどのメモリカード63に書き移す。
【0115】
手順54:メモリカード63を、キャリア21に備えられるカードリーダ64に収納した状態で、操作・表示パネル51上のディスプレイ60のメニューから「音源の取り込み」をアップキー、ダウンキー及び入力キーで選択・確定する。このとき、コントロールユニット38によりカードリーダ64を介してメモリカード63に書き移した音源が読み取られ、そのデータがコントロールユニット38に付属のメモリに記憶される。
【0116】
このようにして記憶された音源は、次の手順に従えば正常終了、充填中、警報の音源とすることができる。すなわち、
手順55:操作・表示パネル51上のディスプレイ60のメニューから「音源の選択」をアップキー、ダウンキー及び入力キーを用いて選択・確定する。
【0117】
手順56:手順55を受けてコントロールユニット38によりディスプレイ60に正常終了、充填中、警報の音源の別を入力すべきことが指示されるので、ディスプレイ60の指示に従い、正常終了、充填中、警報のいずれの音源とするのかをアップキー、ダウンキー及び入力キーを用いて選択・確定する。
【0118】
このような手順を踏んだ後には、上記(1)の手順16、17、上記(2)の手順27、28で操作・表示パネル51上のスピーカ59から選択・確定した音源が発せられる。
【0119】
(6)利用実績のデータの利用
使用者が行う作業と共にこれに合わせて変化するディスプレイの表示とを説明する。
【0120】
手順61:上記(4)の手順46で選択・確定されたメーカ、車種、型式、年式、前輪、後輪の別及び一般走行、高速走行の別のデータ及びタイヤの空気圧として設定された値を日時のデータと共にコントロールユニット38に内蔵のメモリ(例えばEEPROM)に保存(蓄積)させておく。
【0121】
手順62:この保存されたデータをディスプレイ60のメニューから「データの取り出し」をアップキー、ダウンキー及び入力キーを用いて選択・確定し、メモリカード63をカードリーダ64に収納し、保存させてあるデータをこのメモリカード63に書き移す。
【0122】
手順63:メモリカード63をカードリーダ64から取り出してパソコン62のカードリーダに収納し、メモリカード63に書き移したデータをパソコン62のデータベース用ファイルに書き込む。
【0123】
このようにしてデータベース用ファイルに書き込まれたデータは利用実績データであるため、この利用実績データを分析し加工して、利用した自動車の種類、設定された空気圧、利用時間帯、利用頻度等のデータとして取り出し、エアインフレータ1のデフォルト値の見直し、設備の過不足、ターゲットの主眼の自動車、ダイレクトメール66対象の絞り込みなどの顧客管理やマーケティングデータとして利用することができる。
【0124】
本実施形態ではこのように構成することで、次の効果が得られる。
【0125】
効果1:本実施形態によればキャリア21(本体)が加圧空気供給源としてのエアタンク22(圧力容器)と、電源としてのバッテリ46(二次電池)とを備えるので、エアインフレータ1(加圧空気充填装置)を使用する場所と商用電源や加圧空気供給源のある場所とが遠く離れている場合に長い電気コードや長い吸引ホースが必要であったデジタル表示の従来装置と比較して扱いが容易となり、また充電器13はキャリア21の一部として持ち運ぶ必要がないので、充電器13をもキャリア21に備える場合と比較してキャリア21の重量が軽くなり、これにより扱いの容易さと本体の軽量化を両立させることができる。
【0126】
効果2:タイヤに加圧空気を充填しようとする自動車(車両)の仕様を操作・表示パネル51(入力装置)より入力することでタイヤの適正な空気圧を自動設定させることが可能となり、これにより、ガソリンスタンドマンの経験に頼ることなく、かつタイヤの設定圧を知らなくとも、自動車の仕様に合わせた最適な加圧空気の自動充填を行うことができる。
【0127】
効果3:自動車の仕様には前輪か後輪かの別を含むので、自動車の前輪と後輪とでタイヤの設定圧が異なることがある場合でも、前輪、後輪毎に最適な加圧空気の自動充填を行うことができる。
【0128】
効果4:自動車の仕様には一般走行か高速走行かの別を含むので、走行状態に応じた最適な加圧空気の自動充填を行うことができる。
【0129】
効果5:操作・表示パネル51(モニター画面)にタイヤへの加圧空気の充填を容易に行うことができるようなガイドを表示させるようにしたので、セルフ給油方式のガソリンスタンドを訪れる顧客や未熟なガソリンスタンドマンであっても、タイヤへの加圧空気の充填を容易に行うことができる。
【0130】
効果6:タイヤに加圧空気を充填しようとする自動車(車両)の仕様を操作・表示パネル51(入力装置)より入力することでタイヤの適正な空気圧を自動設定させることが可能となっているが、その自動車の仕様及びタイヤの空気圧として設定された値を日時のデータと共にコントロールユニット38に内蔵のメモリに保存させると共に、この保存されたデータを取り出し可能に構成しているので、この保存されたデータ(利用実績データ)を分析し加工すれば、利用した自動車の種類、利用時間帯、利用頻度等のデータとして取り出すことができ、これらのデータをエアインフレータ1のデフォルト値の見直し、設備の過不足、ターゲットの主眼の車両、ダイレクトメール対象の絞り込みなどの顧客管理やマーケティングに利用することができる。
【0131】
効果7:タイヤに加圧空気を充填した後に続けてタイヤからの空気漏れを判定し漏れのある場合には必要な警告を発するので、顧客の店に対する信頼性を増し、さらには空気圧不足に伴う事故の未然に防ぐ助けとすることができる。
【0132】
効果8:外部音源をデータとして記憶すると共に、この記憶された外部音源を正常終了(実際のタイヤ内圧とデジタル圧力計52に表示された設定圧とが一致していること)、充填中(実際のタイヤ内圧とデジタル圧力計52に表示された設定圧とが一致する前にあること)、異常終了(実際のタイヤ内圧とデジタル圧力計52に表示された設定圧とが一致しないか空気漏れがあること)を知らせる音源として利用可能に構成したので、エアインフレータ1を使用する者の好みに合わせた音源を設定することが可能になる。
【0133】
効果9:圧力センサ37(タイヤ内圧検出手段)からの実際のタイヤ内圧をデジタル圧力計にそのまま表示させるとき、最小桁の表示が短時間で頻繁に変動することがあり、こうした変動は煩わしくもあるのであるが、本実施形態によれば、実用上支障のない範囲で最小桁の数字を丸めて表示することで、デジタル圧力計の数値が安定し、これにより使用者が使い易くなっている。
【0134】
実施形態で述べた以外にも、制御部26には次のような機能を備えさせることができる。
【0135】
(7)ゼロシフト機能
これは、エアチャック32をタイヤバルブ34やダミーエアバルブ71に接続していない大気開放の状態でデジタル圧力計52の最小桁に「1」を表示してしまうことがないように常に「0」を表示させる機能である。ただし、表示モードが前述のNo.5モードであるキャリブレーションモードで機能させる。
【0136】
(8)測定精度アップ機能
圧力計測の標準原器がXan[Pa]のとき(ただしnは整数)、圧力センサ37の検出素子(歪計)の出力がYan[mV]であり、その出力に対しデジタル圧力計52の表示値をZan[Pa]とすると、このときのXanとZanが同値になるように、Yanの出力とZanの表示値の関係を記憶させ、これをデジタル圧力計52の最小値から最大値までの各デジタル値に対し連続で記憶させる。
【0137】
これにより図6に示す表が作成されることになり、この表を用いることで、標準原器相当の高い精度を得ることができる。
【0138】
実施形態では自動車を対象として説明したが、これに限らずタイヤを備えるものであれば航空機や建設機械も対象となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のエアインフレータの正面図。
【図2】一実施形態のエアインフレータの左側面図。
【図3】エアインフレータの空気配管と電気配線を共に示す構成図。
【図4】操作・表示パネルの拡大平面図。
【図5】外部データ及び外部音源の取り込み利用、利用実績のデータの利用を説明するための図。
【図6】標準原器の圧力値、歪計の出力、デジタル圧力計の圧力値の関係を示す表図。
1 エアインフレータ(加圧空気充填装置)
2 スタンド
13 充電器
21 キャリア(本体)
22 エアタンク(圧力容器)
26 制御部
32 エアチャック
35 三方電磁弁(制御手段)
37 圧力センサ(タイヤ内圧検出手段)
38 コントロールユニット(制御手段)
40 手動三方弁
41 バッテリ(二次電池)
52 デジタル圧力計
60 ディスプレイ(モニター画面)
Claims (4)
- 加圧空気を充填可能な圧力容器と、
タイヤのエアバルブと接続するためのエアチャックと、
設定圧を入力可能な入力装置と、
この入力装置に入力された設定圧をデジタルで表示するデジタル圧力計と、
実際のタイヤ内圧を検出するタイヤ内圧検出手段と、
このタイヤ内圧検出手段により検出される実際のタイヤ内圧と前記デジタル圧力計に表示された設定圧とが一致するように前記エアチャックに供給する圧力容器からの加圧空気を制御する制御手段と、
この制御手段により実際のタイヤ内圧とデジタル圧力計に表示された設定圧とが一致した後に続けてタイヤからの空気漏れがあるかどうかを判定する判定手段と、
この判定結果より空気漏れがある場合に必要な警告を発する警告手段と、
これら入力装置、デジタル圧力計、制御手段、判定手段、警告手段の電源となる二次電池と、
この二次電池への充電を行う充電器と、
外部電源との接続のための電気コンセントと、
加圧空気供給源との接続のためのエアコネクタと
を備えることを特徴とする加圧空気充填装置。 - 外部音源をデータとして記憶すると共に、この記憶された外部音源を前記実際のタイヤ内圧と前記デジタル圧力計に表示された設定圧とが一致したことをまたは一致する前にあることを知らせる音源として利用可能に構成することを特徴とする請求項1に記載の加圧空気充填装置。
- 外部音源をデータとして記憶すると共に、この記憶された外部音源を前記空気漏れがあることを知らせる音源として利用可能に構成することを特徴とする請求項1に記載の加圧空気充填装置。
- 前記デジタル圧力計に最小桁を表示させる場合に、最小桁の数字を丸めて表示できるように構成することを特徴とする請求項1から3までのいずれか一つに記載の加圧空気充填装置。
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