JP6187412B2 - 燃料電池のアノードにおける液体の水の量を推定する方法 - Google Patents

燃料電池のアノードにおける液体の水の量を推定する方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6187412B2
JP6187412B2 JP2014162157A JP2014162157A JP6187412B2 JP 6187412 B2 JP6187412 B2 JP 6187412B2 JP 2014162157 A JP2014162157 A JP 2014162157A JP 2014162157 A JP2014162157 A JP 2014162157A JP 6187412 B2 JP6187412 B2 JP 6187412B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel cell
anode
liquid water
cathode
amount
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014162157A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016039050A (ja
Inventor
真明 松末
真明 松末
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2014162157A priority Critical patent/JP6187412B2/ja
Publication of JP2016039050A publication Critical patent/JP2016039050A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6187412B2 publication Critical patent/JP6187412B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Fuel Cell (AREA)

Description

本発明は、燃料電池システム、および、燃料電池システムの制御方法に関する。
従来、燃料電池内部の水分量を推定する技術が存在する(特許文献1)。この技術においては、次のような処理が行われる。すなわち、燃料電池の運転中に、出力電流を検出する。また、各セルにおいて、水素局側の表面に設けられた第1参照極と、水素局側の触媒層内部に設けられた第2参照極との間の電位差を、検出する。それらの測定値から、第1参照極と第2参照極の間の抵抗、すなわち、水素極側の電荷移動抵抗を算出する。そして、電荷移動抵抗と燃料電池の内部水分量とが関連付けられた制御マップを用いて、内部水分量の診断を行う。
特開2009−193900号公報 国際公開WO2011/036785号公報
しかし、上記の技術においては、燃料電池が発電をしている間以外には、水分量の推定を行うことができない。たとえば、燃料電池車において、アクセルがOFFとなり、燃料電池の発電が停止した後、再びアクセルがONになる際に、発電開始直前の状態において、燃料電池のセル面内に液水が存在しているか否かの検出を行うことはできない。再びアクセルがONになったときに、燃料電池のセル面の一部に液水が存在していると、その部分において反応ガスがセルの電解質膜に到達することができない。このため、燃料電池のセル面の所定量以上の部分に液水が存在していると、燃料電池のセルにおいて十分な量の電気化学反応が起こらず、十分な出力を確保することができない。また、燃料電池のセル面の一部に液水が存在していると、反応ガスがセルの電解質膜に到達しにくいため、反応過電圧が大きくなる。この点からも、十分な出力を確保することができない。そのほか、従来の燃料電池システムにおいては、液水の存在の正確な推定、液水の存在の推定処理の低コスト化、そのための装置の小型化、燃料電池の安定した出力の確保等が望まれていた。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、燃料電池のアノードにおける液体の水の量を推定する方法が提供される。この方法は、(a)燃料電池と負荷とが電気的に接続されておらず、前記燃料電池のカソードが不活性ガス雰囲気下にあり、前記燃料電池のアノードが水素雰囲気下にあるときに、前記燃料電池と負荷とを電気的に接続し、燃料電池と負荷との間に流れる電流の値を測定する工程と;(b)前記アノードにおける液体の水の量を推定する工程であって;前記測定された電流値が、所定値よりも小さい場合に、前記アノードの液体の水が所定量よりも多いと推定し;前記測定された電流値が、前記所定値よりも大きい場合に、前記アノードの液体の水が前記所定量よりも少ないと推定する工程と、を備える。
このような態様とすれば、燃料電池の発電開始前に、アノードにおける液体の水の量を推定することができる。
(2)上記形態の方法において、さらに、(c)前記測定された電流値が前記所定値よりも小さい場合に、前記燃料電池による発電の開始前に、前記アノードにおける液体の水を排出する処理を実行する工程を含む、態様とすることができる。
このような態様とすれば、液体の水を排出する処理を実行しない態様に比べて、燃料電池による発電を開始した際に、負荷要求に応じた十分な出力で発電を行うことができる可能性が高い。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、燃料電池システムを備える車両、燃料電池を制御する制御装置、燃料電池システムの制御方法などの形態で実現することができる。また、本発明に係る燃料電池システム等は、適宜、他の部材と組み合わせて適用することができる。
本実施形態に係る燃料電池システムの概略構成を示す説明図である。 燃料電池セル110の膜電極接合体112と液体の水Lwの関係を示す図である。 MEA112においてアノードの電位に対するカソードの電位の差Vとアノードからカソードに流れる電流Iとの関係示したグラフである。 本実施形態におけるアノードの液体の水の量を推定する含水量推定処理を示すフローチャートである。 燃料電池車の通常運転においてアクセルがOFFされたときに図4で説明した含水量推定処理を実行する態様の電圧V11の変化を示すグラフである。 燃料電池車において燃料電池100を起動する際に図4で説明した含水量推定処理を実行する態様の電圧V21の変化を示すグラフである。 燃料電池車において燃料電池100の運転を停止する際に図4で説明した含水量推定処理を実行する態様の電圧V31の変化を示すグラフである。
A.実施形態:
A−1.燃料電池システムの構成:
図1は、本実施形態に係る燃料電池システムの概略構成を示す説明図である。燃料電池システム10は、駆動用電源を供給するためのシステムとして、燃料電池自動車や電気自動車等に搭載されて使用される。燃料電池システム10は、燃料電池100と、燃料ガス供給排出系200と、酸化ガス供給排出系300と、燃料電池循環冷却系400と、電力充放電系500と、制御装置600とを備えている。
燃料電池100は、複数の燃料電池セル110を積層したスタック構造を有している。燃料電池セル110は、電解質膜を挟んで設けられるアノード側触媒電極層に供給される燃料ガス(水素)と、カソード側触媒電極層に供給される酸化ガス(空気に含まれる酸素)との電気化学反応により電力を発生する。燃料電池100は、固体高分子電解質膜等の種々の電解質膜を用いた燃料電池セルにより構成することができる。なお、本例では、固体高分子電解質膜を用いた燃料電池を用いている。また、触媒電極層は、触媒、例えば、白金(Pt)を担持したカーボン粒子や電解質を含んで構成される。燃料電池100は、積層された燃料電池セル110の両端に、総合電極としての2つのターミナルプレート111が配置されている。
燃料ガス供給排出系200は、水素タンク210と、流量調整部220と、循環コンプレッサ240と、気液分離部250と、切換弁260と、を備えている。燃料ガス供給排出系200は、燃料電池100を構成する各燃料電池セル110のアノード側触媒電極層(以後、単に「アノード」とも呼ぶ)に、水素タンク210から、流量調整部220、燃料ガス供給流路231を介して、燃料ガスである水素を供給する。この際、流量調整部220は、制御装置600からの指示に従った流量および圧力で水素を燃料電池100のアノードへ供給するインジェクタである。
また、燃料ガス供給排出系200は、切換弁260を開くことにより、燃料電池100のアノードで使用されなかった水素を燃料ガス排出流路232、気液分離部250、および、切換弁260を介して燃料電池システム10の外部に排出する。また、燃料ガス供給排出系200は、切換弁260を閉じることにより、燃料電池100のアノードで使用されなかった水素を燃料ガス排出流路232、気液分離部250、循環流路233、循環コンプレッサ240を介して燃料ガス供給流路231に戻し、再び燃料ガスとして利用する。循環コンプレッサ240は、制御装置600からの指示に従って、水素の循環量および圧力を調整する。
酸化ガス供給排出系300は、エアクリーナ310と、コンプレッサ320と、封止弁340と、圧力センサ350と、を備えている。この酸化ガス供給排出系300は、燃料電池100を構成する各燃料電池セル110のカソード側触媒電極層(以後、単に「カソード」とも呼ぶ)に、エアクリーナ310、コンプレッサ320、および、酸化ガス供給流路331を介して、酸化ガス(酸素)を含む空気を供給する。この際、コンプレッサ320は、エアクリーナ310から取り込む空気を制御装置600からの指示に従った圧力で燃料電池100に向けて送り出す。
また、酸化ガス供給排出系300は、燃料電池100から排出された排気ガスを、酸化ガス排出流路332、および、封止弁340を介して燃料電池システム10の外部に排出する。酸化ガス供給排出系300は、制御装置600からの指示によって、コンプレッサ320を停止状態とし、封止弁340を閉状態とすることにより、コンプレッサ320から封止弁340までの間のカソードガス流路を封止状態とすることができる。ここでの「カソードガス流路」とは、コンプレッサ320と燃料電池100との間の酸化ガス供給流路331、燃料電池100内部の酸化ガス供給マニホールド、単セル内部のガス流路、酸化ガス排出マニホールド、および、燃料電池100と封止弁340との間の酸化ガス排出流路332を含んで構成される流路をいう。「単セル内部のガス流路」とは、単セルの内部において酸化ガスが流通可能な空間部をいい、セパレータとカソード側触媒電極層との間の空間と、カソード側触媒電極層の内部の空隙を含んで構成される。
圧力センサ350は、酸化ガス排出流路332の燃料電池100との接続部付近に設けられ、酸化ガス排出流路332の内部の圧力を測定する。本実施形態では、封止状態のカソードガス流路の内部の圧力を測定するため等に使用する。圧力センサ350は、制御装置600と電気的に接続され、測定結果を制御装置600に出力する。後述する各種センサについても、圧力センサ350と同様に測定結果を制御装置600に出力する。
燃料電池循環冷却系400は、ラジエータ410と、冷媒温度センサ420と、冷媒循環ポンプ430と、を備えている。ラジエータ410は、冷媒供給流路441を介して冷却媒体を燃料電池100に供給し、冷媒排出流路442を介して、冷却に供された後の冷却媒体を燃料電池100から受け取ることにより、冷却媒体を循環させて、燃料電池100の冷却を実行する。冷却媒体としては、水、空気等を用いることができる。冷媒温度センサ420は、冷媒排出流路442の燃料電池100との接続部付近に設けられ、燃料電池100から流出する冷媒温度を測定する。
電力充放電系500は、負荷装置510と、インバータ520と、接続スイッチ525と、電流センサ530と、電圧センサ540と、バッテリー550と、DC−DCコンバータ560と、を備えている。負荷装置510は、車両駆動用モータや各種捕機類等であり、燃料電池100の正極側および負極側のターミナルプレート111にそれぞれ接続されている。インバータ520は、燃料電池100およびバッテリー550と並列に接続され、燃料電池100またはバッテリー550から供給される直流電流を、交流電流に変換して負荷装置510に供給する。接続スイッチ525は、燃料電池100と、負荷装置510およびインバータ520と、の電気的接続をON/OFFする。電流センサ530は、燃料電池100と直列に接続され、燃料電池100を流れる電流If[A]を測定する。電圧センサ540は、燃料電池100と並列に接続され、燃料電池100の電圧Ef[V]を測定する。
バッテリー550は、DC−DCコンバータ560を介して負荷装置510および燃料電池100と並列に接続されている。DC−DCコンバータ560は、バッテリー550の出力電圧を昇圧してインバータ520に供給し、また、燃料電池100の余剰発電力を蓄電するために、出力電圧を降圧してバッテリー550に供給する。
制御装置600は、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)とを備えるマイクロコンピュータを含んで構成されている。制御装置600は、燃料電池システム10の各構成要素と電気的に接続され、各構成要素から受け取る情報に基づいて、各構成要素の動作を制御する。また、制御装置600は、ROMに燃料電池システム10を制御するための図示しない制御プログラムが格納されている。CPUは、RAMを利用しながら制御プログラムを実行することにより、運転制御部610、含水量推定部620、として機能する。また、ROMには、後述する含水量推定処理などに用いられる各種マップが格納されている。
運転制御部610は、車両のアクセルの操作やイグニッションスイッチのON/OFFなどのユーザからの入力に応じて、燃料電池システム10の運転状態を切り替え、燃料電池100の運転を制御する。燃料電池システム10の運転状態については、後述する。
含水量推定部620は、所定の条件下で、燃料電池100のカソードガス流路に存在する液体の水の量を推定するための処理である含水量推定処理を行う。含水量推定部620は、電流Ifを用いて、液体の水の量を推定する。推定方法の詳細と、含水量推定処理の詳細については後述する。
図2は、燃料電池セル110の膜電極接合体(Membrane Electrode Assembly/MEA)112と液体の水Lwの関係を示す図である。図2において矢印Fh示すように、燃料電池セル110のMEA112のアノード側の面112a(図2において上面)には、所定方向に沿って燃料ガス(水素)が供給される。また、図2において矢印Faで示すように、燃料電池セル110のMEA112のカソード側の面112c(図2において下面)には、燃料ガスとは逆の方向に沿って酸化ガス(空気)が供給される。アノード側に存在する液体の水は、供給される燃料ガスに吹き寄せられて、アノードの下流側(図2の右側)に集中しやすい。
また、アノードに供給された燃料ガスは、MEA112と接触して反応に使用されるため、下流になるほど少なくなる。その結果、アノードの下流側になるほど、燃料ガスの流量は小さくなる。このため、アノードの上流側においては、液体水は多量の燃料ガスで下流側に移動させられるのに対して、燃料ガスの流量が低下しいているアノードの下流側においては、液体水をセルから排出する力が弱い。よって、この点からも、アノード側に存在する液体の水は、アノードの下流側に集中しやすい。
図2に示すように、MEA112のアノードの下流側の一部の領域113を液体水が覆うと、当該部分113において燃料ガスは、MEA112に接触することができない。このため、このセルにおいては、十分な量の電気化学反応が起こらず、十分な発電をすることができない。また、反応過電圧が大きくなる点からも、セルは、十分な発電をすることができない。
図3は、MEA112において、アノードの電位に対するカソードの電位の電位差Vと、アノードからカソードに流れる電流Iと、の関係示したグラフである。図3において、グラフG0は、アノードにおいて液体水が存在しない場合のアノードとカソードの電位差を表すグラフである。グラフG1は、アノードにおいて液体水が存在する場合のアノードとカソードの電位差を表すグラフである。なお、図3において、電位差が0より小さい領域、すなわち、カソードの電位がアノードの電位よりも低い領域の測定値は、セルに外部電源を接続してアノードとカソードに電圧を印加し、電流を測定することによって、得られる。
図3のI−Vグラフにおいて、電流が大きい側の領域(図3の右側の領域)においては、アノードに液体水が存在しない場合のグラフG0と、アノードに液体水が存在する場合のグラフG1とは、ほぼ平行である。すなわち、電流の増加量に対する電圧の低下量がほぼ等しい。これは、電流が大きい側の領域においては、アノードとカソードの電位差Vの要素としては、抵抗過電圧が主であるためと考えられる。
これに対して、電流が小さい側の領域(図3の左側の領域)においては、アノードに液体水が存在しない場合のグラフG0に比べて、アノードに液体水が存在する場合のグラフG1は、電流の増加量に対する電圧の低下量が大きい。これは、電流が小さい側の領域においては、電位差Vの要素としては、活性化過電圧が主であるためであると考えられる。なお、「活性化過電圧」は、電極(ここではアノード)での電気化学反応における電子授受に要するエネルギー損失を表す。アノードに液体水が存在する場合、電子授受に要するエネルギー損失が大きい。
図3のI−Vグラフにおいて、電流が小さい側の領域において、アノードに液体水が存在しない場合のグラフG0と、アノードに液体水が存在する場合のグラフG1との傾きが異なることから、アノードとカソードの電位差Vが0であるときの電流量は、アノードに液体水が存在しない場合(I0)と、アノードに液体水が存在する場合(I1)とで異なることが分かる。このことから、アノードとカソードの電位差Vが0近傍であるときの電流量を測定すれば、アノードに液体水が存在するか否かを判定することができる。
たとえば、しきい値ThiをI1とI0の間に設定すれば、以下のような判定が可能である。すなわち、アノードとカソードの電位差Vが0近傍であるときの電流量Iが、しきい値Thiよりも大きいときには、アノードに液体水が存在しない、または存在する液体水は少ないと判定することができる。そして、アノードとカソードの電位差Vが0近傍であるときの電流量Iが、しきい値Thiよりも小さいときには、アノードに液体水が存在する、または存在する液体水は多いと判定することができる。
A−2.燃料電池システムにおける処理:
図4は、本実施形態におけるアノードの液体の水の量を推定する含水量推定処理を示すフローチャートである。ここでは、様々な状況下で行われる含水量推定処理について、まず、一般的な説明をする。
ステップS10において、制御装置600の含水量推定部620(図1参照)は、燃料電池100と負荷装置510との電気的接続が切断されているか否かを判定する。具体的には、接続スイッチ525が開(OFF)となっているかを判定する。燃料電池100と負荷装置510とが電気的に接続されている場合には(S10:No)、処理は、S10に戻って、燃料電池100と負荷装置510との電気的接続が切断されるまで繰り返される。燃料電池100と負荷装置510とが電気的に接続されていない場合には(S10:Yes)、処理は、ステップS20に進む。
ステップS20においては、含水量推定部620は、酸化ガスの供給が停止されているか否かを判定する。具体的には、コンプレッサ320(図1参照)が停止しており、または、カソードガス流路が、封止弁340によって閉じられているか否かを判定する。
なお、本実施形態においては、コンプレッサ320が運転されているときには、常に封止弁340は開いている。酸化ガスの供給が停止されていない場合には(S20:No)、処理は、S10に戻る。酸化ガスの供給が停止されている場合には(S20:Yes)、処理は、ステップS30に進む。
ステップS30においては、含水量推定部620は、アノードとカソードの電位差が0近傍の範囲内であるか否かを判定する。具体的には、電圧センサ540(図1参照)の検出値が所定値(たとえば、0.15V)以下であるか否かを判定する。電位差が所定値より大きい場合には(S30:No)、処理は、S10に戻る。電位差が所定値以下である場合には(S30:Yes)、処理は、ステップS40に進む。
ステップS30において、アノードとカソードの電位差が0近傍の値であるということは、酸化ガスが供給されていない(S20:Yes)カソードにおいて、酸素がほぼなくなった状態であるということである。すなわち、カソードが不活性ガス雰囲気下にあるということである。負荷との接続がOFFされた後も(S10参照)、カソードにおいて酸素が消費されるのは、MEA112を通過してアノード側の燃料ガスがカソード側にリークして、カソードにおいて酸素と反応するためである。すなわち、アノード側に十分な燃料ガスがあれば、燃料ガスのリークによって、カソード側の酸素はほぼすべて消費される。
なお、制御装置600は、酸化ガスの供給をOFFした後(S20参照)、カソードにおいて、酸素が消費され、カソードが不活性ガス雰囲気になるように、酸化ガスの供給および停止と、燃料ガスの供給および停止とを制御するものとする。よって、燃料ガスは、ステップS10〜S30の処理の間、アノードに供給されていてもよいし、カソードの酸素を十分消費できるだけの燃料ガスをアノードに残した状態で、アノードへの燃料ガスの供給が停止されていてもよい。ステップS30において、電位差が所定値以下である場合には(S30:Yes)、燃料電池のカソードが不活性ガス雰囲気下にあり、燃料電池のアノードが水素雰囲気下にある。
なお、本明細書において、「セルのカソードが不活性ガス雰囲気下にある」とは、セルのアノードに十分な燃料ガスが存在しても、燃料ガスと反応して起電力が生じる量の酸化ガスが存在しないことを意味する。また、「セルのアノードが水素雰囲気下にある」とは、セルのカソードに十分な酸化ガスが存在すれば、酸化ガスと反応して起電力が生じる量の水素ガスが存在することを意味する。
ステップS40においては、含水量推定部620は、燃料電池100と負荷装置510とを電気的に接続する。具体的には、接続スイッチ525(図1参照)を閉(ON)とする。その結果、燃料電池100と負荷装置510との間に、電流が流れる。
ステップS50においては、含水量推定部620は、燃料電池100と負荷装置510との間に流れる電流を測定する。具体的には、電流は、電流センサ530(図1参照)によって、測定される。
ステップS60においては、含水量推定部620は、電流の測定値Iがしきい値Thiより小さいか否かを判定する。電流の測定値Iがしきい値Thi以上である場合には(S30:No)、処理は、終了する。電流の測定値Iがしきい値Thiより小さい場合には(S30:Yes)、処理は、S70に進む。
電流の測定値Iがしきい値Thi以上であり、処理が終了する場合には、含水量推定部620は、アノードの液体の水がその後の要求に応じた燃料電池の発電に支障をきたす所定量よりも少ないと推定している。電流の測定値Iがしきい値Thiより小さく、ステップS70の処理が行われる場合には、含水量推定部620は、アノードの液体の水がその後の燃料電池の発電に支障をきたす所定量以上である推定している。含水量推定部620が、これらの推定の結果を車両の出力パネルなどのユーザインターフェイスに出力することもでき、また、制御装置600が備える図示しないメモリに記録することもできる。
ステップS70においては、含水量推定部620は、アノードから液体の水を排出するための所定の処理を実行する。この処理については、後で説明する。その後、含水量推定部620は、処理を終了する。
以上のような処理を行うことにより、燃料電池100が発電を行っていないときにも(図4のS10参照)、燃料電池100のアノードにおける液体水の有無や量を推定することができる。そして、その際、使用される設備のは、燃料電池の通常の制御に使用される設備である。このため、液体水の有無を推定するために、専用の設備を燃料電池システム10に設ける必要がない。
図5は、燃料電池車の通常運転においてアクセルがOFFされたときに、図4で説明した含水量推定処理を実行する態様の電圧V11の変化を示すグラフである。横軸は時間tを表し、縦軸は、アノードとカソードの間の電位差を表す。本実施形態の含水量推定処理を実行する態様の電圧V11は、図5において実線で示される。
まず、最初の時間区間P11においては、通常運転が行われている。燃料電池100が負荷装置510に接続され、燃料電池100が負荷の大きさに応じた電力を負荷装置510に供給する運転状態を、「通常運転」と呼ぶ。通常運転においては、車両のアクセルの踏み込み量に応じて、燃料電池100の運転状態が変わるため、電圧V11も変化している。
時刻t11において、車両のアクセルの踏み込み量が0となり、アイドル運転が開始される。燃料ガスと酸化ガスは燃料電池100に供給されているが、負荷装置510からの電力要求が通常運転時よりも小さいときの運転状態を、「アイドル運転」と呼ぶ。アイドル運転が行われている時間区間P12においては、電位差V11は、開回路電圧(OCV)近傍の値となる。なお、通常運転、アイドル運転、および後述する間欠運転などの運転状態の切り替えの制御は、制御装置600の運転制御部610(図1参照)が行う。
その後、アクセルの踏み込み量が0の状態が継続すると、時刻t12において、燃料電池100への酸化ガスおよび燃料ガスの供給が停止され、間欠運転が開始される。燃料電池100と負荷装置510の接続が遮断されており、燃料ガスと酸化ガスが燃料電池100に供給されていない運転状態を、「間欠運転」と呼ぶ。このとき、車両の補機類などの負荷装置510に対しては、バッテリー550から電力が供給される(図1参照)。間欠運転が行われている時間区間P13においては、燃料ガスとしての水素ガスがMEA112を通過してカソード側に移動し、酸化ガスとしての空気に含まれる酸素と反応する。その結果、カソードの酸素が消費されてほぼなくなり、アノードとカソードの電位差V11は、0近傍に低下する。なお、このとき、アノードには、水素が残っている。
カソードにおいて酸素が消費され、ほぼ窒素のみの不活性ガス雰囲気となっており、アノードにおいて、燃料ガスとしての水素ガスがある水素雰囲気下にある状態において、アノードとカソードの間のOCVは、0.1V近傍である。よって、アノードとカソードの電位差V11は、0.1V近傍で安定する(図5の中央下部参照)。
制御装置600の含水量推定部620は、車両の運転状態が間欠運転になると(図5の時刻t12)、図4の含水量推定処理を実行する。間欠運転においては、燃料電池100と負荷装置510の接続が遮断されており、燃料ガスと酸化ガスが燃料電池100に供給されていない。このため、図4のステップS10,S20の判定は、「Yes」となる。なお、本実施形態では、図4の処理全体を実行することとして説明するが、間欠運転開始後に含水量推定処理を実行する場合には、図4のステップS10,S20の処理を省略して、ステップS30から処理を開始してもよい。
間欠運転(図5のP13参照)において、アノードとカソードの電位差V11が、所定値(たとえば、0.15V)以下となった場合には、図4のステップS30の判定結果は「Yes」となる。そして、図5の時刻t13において、燃料電池100と負荷装置510とが電気的に接続される(図4のS40)。具体的には、接続スイッチ525(図1参照)が閉(ON)となる。その結果、燃料電池100のカソードから負荷装置510を経て燃料電池100のアノードに電流が流れ、燃料電池100とアノードとカソードの電位差V11は、0となる。
その後、時刻t14において、含水量推定部620は、図4のS60の判定を行う。そして、電流の測定値Iがしきい値Thiより小さい場合には(S60:Yes)、含水量推定部620は、アクセルが再び踏み込まれる時刻t16より前の時刻t15において、アノードから液体の水を排出するための所定の処理を実行する(S70)。
間欠運転中(時間区間P13)に行われる液水排出処理は、以下のようなものである。たとえば、含水量推定部620は、図1に示す流量調整部220(インジェクタ)の開度を大きくすること、または、循環コンプレッサ240の回転数を増大させること、の少なくとも一方により、アノードに流通する燃料ガスの流量を増大させる。その結果、燃料ガスの流れによって、液体の水は、セルから外部に排出される。
また、含水量推定部620は、図1に示す切換弁260を開いて、水素ガスの一部を系外に排出することもできる。その際の水素ガスの流れによっても、液体の水は、セルから外部に排出され得る。
さらに、含水量推定部620は、間欠運転を終了し、燃料ガスと酸化ガスを燃料電池100に供給して、アイドル運転を開始することもできる。燃料ガスがアノードに供給されることにより、液体の水は、セルから外部に排出され得る。また、発電の電気化学反応によって、セルの温度が上昇するため、液体の水の一部が気化する。よって、液体の水を減らすことができる。
このような態様とすれば、時刻t16において再びアクセルが踏み込まれたときには、アノードには液体の水が存在しないか、またはアノードに存在した液体の水は減少している。このため、各セルにおいて十分な量の発電を行うことができる。その結果、燃料電池システム10は、アクセルの踏み込み量に応じて十分な電力を、負荷装置510(車両駆動用モータ)に供給することができる。
図5においては、電位差0V近傍における電流値に基づく液水の有無の判断を行わない比較例における、アノードとカソードの電位差を一点鎖線V12および破線V13で示す。比較例においては、時刻t11においてアクセルがOFFとなった後も燃料ガスおよび酸化ガスの供給は間欠的に継続される。その結果、アノードとカソードの電位差は、高い状態に維持される(グラフV12参照)。しかし、電位差0V近傍における電流値に基づく液水の有無の判断を行わない比較例においては、時刻t16でアクセルが踏み込まれ発電が開始される前に、アノードの液水を検出して、液水の排出処理を行うことができない。このため時刻t16でアクセルがONになると、十分な発電を行うことができず、グラフV13に示すように、十分な出力を供給できないおそれがある。
これに対して、本実施形態においては、アノードとカソードの電位差が0近傍にあるときの電流値に基づいて、アノードの液水が多いと推定される場合には(図4のS60)、アノードから液体の水を排出する(同、S70)。このため、再びアクセルが踏み込まれたときには、アクセルの踏み込み量に応じて十分な電力を、負荷装置(車両駆動用モータ)に供給することができる。
図6は、燃料電池車において燃料電池100を起動する際に、図4で説明した含水量推定処理を実行する態様の電圧V21の変化を示すグラフである。横軸は時間tを表し、縦軸は、アノードとカソードの間の電位差を表す。本実施形態の含水量推定処理を実行する態様の電圧V21は、図6において実線で示される。
まず、最初は、カソードにおける酸素の濃度はほぼ0であり、アノードにおける水素の濃度もほぼ0である。そして、アノードとカソードの間の電位差も0である。その後、燃料電池システム10を起動すべき旨の指示を受けた制御装置600の運転制御部610は、時刻t21において、まず、燃料ガスの供給を開始する。
運転を停止していた燃料電池100に対して、まず燃料ガスの供給が開始されると、カソードは不活性ガス雰囲気下にあり、アノードは水素雰囲気となる。この状態にあるとき、アノードとカソードの間のOCVは、0.1V近傍であるため、電位差V21も、0.1V近傍の値となる。
その後、制御装置600の含水量推定部620は、図4の含水量推定処理を実行する。この状態において、まだ燃料電池100と負荷装置510は接続されていないため、図4のステップS10の判断結果は、「Yes」となる。また、まだ酸化ガスは供給されていないため、ステップS20の判断結果も、「Yes」となる。そして、アノードとカソードの間の電位差V21は、0.1V近傍であるため、ステップS30の判断結果も、「Yes」となる。
なお、本実施形態では、図4の処理全体を実行することとして説明するが、燃料電池の起動時に含水量推定処理を実行する場合には、図4のステップS10〜S30の処理を省略して、ステップS40から処理を開始してもよい。
その後、図6の時刻t22において、燃料電池100と負荷装置510とが電気的に接続される(図4のS40)。具体的には、接続スイッチ525(図1参照)が閉(ON)となる。その結果、燃料電池100のカソードから負荷装置510を経て燃料電池100のアノードに電流が流れ、燃料電池100とアノードとカソードの電位差V21は、0となる。
その後、時刻t23において、含水量推定部620は、図4のS60の判定を行う。そして、電流の測定値Iがしきい値Thiより小さい場合には(S60:Yes)、含水量推定部620は、酸化ガスが供給される時刻t26より前の時刻t24において、燃料電池100と負荷装置510の接続を遮断する。その後、時刻t25において、アノードから液体の水を排出するための所定の処理を実行する(S70)。
燃料電池の起動時に(時間区間P21)に行われる液水排出処理は、以下のようなものである。たとえば、間欠運転の際と同様に、含水量推定部620は、図1に示す流量調整部220(インジェクタ)の開度を大きくし、循環コンプレッサ240の回転数を増大させて、アノードに流通する燃料ガスの流量を増大させる。
その後、時刻t26で、制御装置600の運転制御部610は、燃料電池100への酸化ガスの供給を開始する。このとき、燃料電池100と負荷装置510の接続は、まだ遮断されている。すなわち、時刻t26からアイドル運転が開始される(時間区間P22)。
その後、時刻t27でアクセルが踏み込まれると、燃料電池100と負荷装置510が接続され、燃料電池100は、負荷要求の大きさに応じた電力を負荷装置510に供給する。すなわち、時刻t27から通常運転が開始される(時間区間P23)。
このような態様とすれば、時刻t27において再びアクセルが踏み込まれたときには、アノードには液体の水が存在しないか、またはアノードに存在した液体の水は減少している。このため、各セルにおいて十分な量の発電を行うことができる。その結果、燃料電池システム10は、アクセルの踏み込み量に応じて十分な電力を、負荷装置510(車両駆動用モータ)に供給することができる。
図6においては、電位差0V近傍における電流値に基づく液水の有無の判断を行わない比較例における、アノードとカソードの電位差を破線V22で示す。電位差0V近傍における電流値に基づく液水の有無の判断を行わない比較例においては、時刻t27でアクセルが踏み込まれ発電が開始される前に、アノードの液水を検出して、液水の排出処理を行うことができない。このため時刻t27でアクセルがONになると、十分な発電を行うことができず、グラフV22に示すように、十分な出力を供給できないおそれがある。
これに対して、本実施形態においては、アノードとカソードの電位差が0近傍にあるときの電流値に基づいて、アノードの液水が多いと推定される場合には(図4のS60)、アノードから液体の水を排出する(同、S70)。このため、燃料電池システム10の起動後、アクセルが踏み込まれたときには、アクセルの踏み込み量に応じて十分な電力を、負荷装置(車両駆動用モータ)に供給することができる。
図7は、燃料電池車において燃料電池100の運転を停止する際に、図4で説明した含水量推定処理を実行する態様の電圧V31の変化を示すグラフである。横軸は時間tを表し、縦軸は、アノードとカソードの間の電位差を表す。
まず、最初の時間区間P31においては、通常運転が行われている。通常運転においては、車両のアクセルの踏み込み量に応じて、燃料電池100の運転状態が変わるため、電圧V31も変化している。
時刻t31において、車両のアクセルの踏み込み量が0となり、アイドル運転が開始される。アイドル運転が行われている時間区間P32においては、電位差V31は、開回路電圧(OCV)近傍の値となる。
その後、時刻t32でイグニッションスイッチがOFFされると、運転制御部610は、掃気処理を行う。「掃気処理」とは、燃料電池100に酸化ガスや燃料ガスなどのガスを送り込むことによって、燃料電池100の内部の水分を燃料電池100の外部に排出させる処理である。
時刻t33は、運転制御部610は、掃気処理を終了し、アノードへの燃料ガスの供給およびカソードへの燃料ガスの供給を停止する。その後、燃料ガスとしての水素ガスがMEA112を通過してカソード側に移動し、酸化ガスとしての空気に含まれる酸素と反応する。その結果、カソードの酸素が消費されてほぼなくなり、アノードとカソードの電位差V31は、0近傍に低下する。なお、このとき、アノードには、水素が残っている。
制御装置600の含水量推定部620は、車両のイグニッションスイッチがOFFされると(図7の時刻t32)、図4の含水量推定処理を実行する。イグニッションスイッチがOFFされた後の状態においては(時間区間P33)、燃料電池100と負荷装置510は接続されていないため、図4のステップS10の判断結果は、「Yes」となる。また、まだ酸化ガスは供給されていないため、ステップS20の判断結果も、「Yes」となる。なお、本実施形態では、図4の処理全体を実行することとして説明するが、燃料電池の運転終了時に含水量推定処理を実行する場合には、図4のステップS10,S20の処理を省略して、ステップS30から処理を開始してもよい。
時刻t34において、アノードとカソードの電位差V31が、所定値(たとえば、0.15V)以下となった場合には、図4のステップS30の判定結果は「Yes」となる。そして、図7の時刻t34において、燃料電池100と負荷装置510とが電気的に接続される(図4のS40)。具体的には、接続スイッチ525(図1参照)が閉(ON)となる。その結果、燃料電池100のカソードから負荷装置510を経て燃料電池100のアノードに電流が流れ、燃料電池100とアノードとカソードの電位差V31は、0となる。
その後、時刻t35において、含水量推定部620は、図4のS60の判定を行う。そして、電流の測定値Iがしきい値Thiより小さい場合には(S60:Yes)、含水量推定部620は、時刻t36において、アノードから液体の水を排出するための所定の処理を実行する(S70)。燃料電池の運転終了時(時間区間P33)に行われる液水排出処理は、掃気処理である。掃気処理よって、液体の水は、セルから外部に排出され得る。
このような態様とすれば、燃料電池の運転終了後は、アノードには液体の水が存在しないか、またはアノードに存在した液体の水は減少している。このため、環境温度が氷点下まで低下した場合にも、燃料電池100内部で液体の水が凍結し、その後、燃料電池100の運転が再開された際にガスの流通を阻害すること可能性が低い。
B.変形例:
なお、この発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
B1.変形例1:
上記実施形態においては、液体の水の量または有無を判定する際のしきい値Thiは、固定値である。しかし、液体の水の量または有無を判定する際のしきい値Thiは、燃料電池の温度や運転時間などのパラメータに応じて設定されてもよい。
また、上記実施形態においては、一つのしきい値Thiに基づいて、要求に応じた燃料電池の発電に支障をきたす所定量よりも、液体の水が少ないか否かを判定している。しかし、大きさの異なる複数のしきい値を用意し、それら複数のしきい値で区切られる区間のいずれに電流の測地値が含まれるかに応じて、液体の水の量を推定することもできる。
B2.変形例2:
上記実施形態では、燃料電池100全体におけるアノードとカソードの電位差Vおよび電流Iを用いて液体の水の量の推定処理をおこなっている。しかし、単セルごとのアノードとカソードの電位差と電流Iから各単セルにおける液体の水の量を推定してもよい。また、1以上のセルの液体の水野推定量から燃料電池100全体の液体の水の量を推定してもよい。
B3.変形例3:
上記実施形態で説明した個々の技術内容は適宜組み合わせて実現することができる。たとえば、間欠運転時の含水量推定処理の結果、S70の処理として、掃気処理をおこなうこともできる。
本発明は、上述の実施形態、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
10…燃料電池システム
100…燃料電池
110…燃料電池セル
111…ターミナルプレート
112…膜電極接合体
113…膜電極接合体のうち液体の水で覆われた部分
200…燃料ガス供給排出系
210…水素タンク
220…流量調整部
231…燃料ガス供給流路
232…燃料ガス排出流路
233…循環流路
240…循環コンプレッサ
250…気液分離部
260…切換弁
300…酸化ガス供給排出系
310…エアクリーナ
320…コンプレッサ
331…酸化ガス供給流路
332…酸化ガス排出流路
340…封止弁
350…圧力センサ
400…燃料電池循環冷却系
410…ラジエータ
420…冷媒温度センサ
430…冷媒循環ポンプ
441…冷媒供給流路
442…冷媒排出流路
500…電力充放電系
510…負荷装置
520…インバータ
525…接続スイッチ
530…電流センサ
540…電圧センサ
550…バッテリー
600…制御装置
610…運転制御部
620…含水量推定部
Fa…酸化ガス(空気)の流れを示す矢印
Fh…燃料ガスの流れを示す矢印
G0…アノードにおいて液体水が存在しない場合のアノードとカソードの電位差
G1…アノードにおいて液体水が存在する場合のアノードとカソードの電位差
I…カソードからアノードに流れる電流
Lw…水
P11,P14…通常運転が行われる時間区間
P12…アイドル運転が行われる時間区間
P13…間欠運転が行われる時間区間
P21…燃料電池の起動前の時間区間
P22…アイドル運転が行われる時間区間
P23…通常運転が行われる時間区間
P31…通常運転が行われる時間区間
P32…アイドル運転が行われる時間区間
P33…燃料電池の運転停止後の時間区間
V11,21,31…アノードに対するカソードの電位差
t…時間
t11…アクセルの踏み込み量が0となった時刻
t12…酸化ガスおよび燃料ガスの供給が停止される時刻
t13…燃料電池100と負荷装置510とが電気的に接続される時刻
t14…図4のS60の判定を行う時刻
t15…アノードから液体の水を排出するための処理を実行する時刻
t16…再びアクセルが踏み込まれた時刻
t21…燃料ガスの供給を開始する時刻
t22…燃料電池100と負荷装置510とが電気的に接続される時刻
t23…図4のS60の判定を行う時刻
t24…燃料電池100と負荷装置510の接続を遮断する時刻
t25…アノードから液体の水を排出するための処理を実行する時刻
t26…酸化ガスの供給を開始する時刻
t27…アクセルが踏み込まれた時刻
t31…アクセルの踏み込み量が0となった時刻
t32…イグニッションスイッチがOFFされた時刻
t33…燃料ガスおよび燃料ガスの供給を停止する時刻
t34…アノードとカソードの電位差が、所定値以下となった時刻
t35…図4のS60の判定を行う時刻
t36…アノードから液体の水を排出するための処理を実行する時刻

Claims (2)

  1. 燃料電池のアノードにおける液体の水の量を推定する方法であって、
    (a)燃料電池と負荷とが電気的に接続されておらず、前記燃料電池のカソードが不活性ガス雰囲気下にあり、前記燃料電池のアノードが水素雰囲気下にあるときに、前記燃料電池と負荷とを電気的に接続し、燃料電池と負荷との間に流れる電流の値を測定する工程と、
    (b)前記アノードにおける液体の水の量を推定する工程であって、
    前記測定された電流値が、所定値よりも小さい場合に、前記アノードの液体の水が所定量よりも多いと推定し、
    前記測定された電流値が、前記所定値よりも大きい場合に、前記アノードの液体の水が前記所定量よりも少ないと推定する工程と、を備える方法。
  2. 請求項1記載の方法であって、さらに、
    (c)前記測定された電流値が前記所定値よりも小さい場合に、前記燃料電池による発電の開始前に、前記アノードにおける液体の水を排出する処理を実行する工程を含む、方法。
JP2014162157A 2014-08-08 2014-08-08 燃料電池のアノードにおける液体の水の量を推定する方法 Active JP6187412B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014162157A JP6187412B2 (ja) 2014-08-08 2014-08-08 燃料電池のアノードにおける液体の水の量を推定する方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014162157A JP6187412B2 (ja) 2014-08-08 2014-08-08 燃料電池のアノードにおける液体の水の量を推定する方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016039050A JP2016039050A (ja) 2016-03-22
JP6187412B2 true JP6187412B2 (ja) 2017-08-30

Family

ID=55529968

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014162157A Active JP6187412B2 (ja) 2014-08-08 2014-08-08 燃料電池のアノードにおける液体の水の量を推定する方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6187412B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114583220B (zh) * 2020-11-30 2023-07-21 宇通客车股份有限公司 燃料电池含水量控制方法、燃料电池系统及燃料电池车辆

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4214761B2 (ja) * 2002-01-31 2009-01-28 株式会社デンソー 燃料電池システム
JP2006073427A (ja) * 2004-09-03 2006-03-16 Nissan Motor Co Ltd 燃料電池システム
JP2007288850A (ja) * 2006-04-13 2007-11-01 Honda Motor Co Ltd 燃料電池車両
JP5397387B2 (ja) * 2008-12-26 2014-01-22 トヨタ自動車株式会社 燃料電池システム
EP2471137B1 (en) * 2009-08-27 2016-07-20 Belenos Clean Power Holding AG Method for the early detection of liquid water formation in a fuel cell
JP2012059557A (ja) * 2010-09-09 2012-03-22 Honda Motor Co Ltd 燃料電池システム
JP5647079B2 (ja) * 2011-08-03 2014-12-24 本田技研工業株式会社 燃料電池システム
WO2015136677A1 (ja) * 2014-03-13 2015-09-17 日産自動車株式会社 燃料電池システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016039050A (ja) 2016-03-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7939213B2 (en) Fuel cell system and electric vehicle including the fuel cell system
US8268501B2 (en) Fuel cell system, control method therefor, and movable body
CN110767924B (zh) 燃料电池系统
US8227123B2 (en) Fuel cell system and current control method with PI compensation based on minimum cell voltage
JP5783324B2 (ja) 燃料電池システム
US9093679B2 (en) Method of shutting down fuel cell system
US20140080024A1 (en) Electric power supply system
US8420268B2 (en) Fuel cell system
US9225028B2 (en) Fuel cell system
KR101719674B1 (ko) 연료전지 시스템
US8053123B2 (en) Fuel cell system with a scavenging device and AC impedance measuring unit
CN110085890B (zh) 燃料电池系统以及燃料电池车辆
US10199668B2 (en) Fuel cell system and performance improvement method of fuel cell system
US9780397B2 (en) Fuel cell system
JP5673502B2 (ja) 燃料電池システム及び燃料電池の触媒性能回復方法
JP2011015580A (ja) 燃料電池システムおよびその制御方法
JP2007005000A (ja) 燃料電池システムの制御方法
JP2008034309A (ja) 燃料電池システム
JP2006351421A (ja) 燃料電池システムおよび燃料電池制御方法
KR101851830B1 (ko) 연료 전지 시스템 및 그 제어 방법
JP6187412B2 (ja) 燃料電池のアノードにおける液体の水の量を推定する方法
JP6218181B2 (ja) 燃料電池システムの開閉器故障検知方法
JP5720584B2 (ja) 燃料電池システムおよびその制御方法
KR101804774B1 (ko) 연료전지 차량과 그 제어방법
JP2012129081A (ja) 燃料電池システムの運転方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161018

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170612

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170704

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170717

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6187412

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151