以下、図1〜図7を参照して、移動支援装置を具体化した一実施形態について説明する。なお、本実施形態の移動支援装置は、二次電池からなるバッテリを動力源として用いる電動モータ、及びガソリンやその他の燃料を動力源として用いる内燃機関をそれぞれ駆動源とするハイブリッド車両に適用される。
図1に示すように、車両100には、車両100の走行状態を検出する装置として、例えばGPS(Global Positioning System)101、車載カメラ102、ミリ波レーダー103、加速度センサ104、及び車速センサ105等が搭載されている。これらGPS101、車載カメラ102、ミリ波レーダー103、加速度センサ104、及び車速センサ105は、例えばCAN(Controller Area Network)などの車載ネットワークNWを介して、ハイブリッド制御装置110、ナビゲーションシステム120のナビ制御装置121、及びエンジン制御装置130に接続されている。また、ハイブリッド制御装置110、ナビ制御装置121、及びエンジン制御装置130は、いわゆるECU(電子制御装置)であって、演算装置や記憶装置を有する小型コンピュータを含んで構成されている。ハイブリッド制御装置110、ナビ制御装置121、及びエンジン制御装置130は、記憶装置に記憶されたプログラムやパラメータを演算装置により演算することによって各種制御を行うことができる。
GPS101は、GPS衛星からの信号を受信し、この受信したGPS衛星からの信号に基づき車両100の位置を、例えば緯度経度として検出する。また、GPS101は、この検出した車両100の位置(緯度経度)を示す情報である位置情報を出力する。車載カメラ102は、車両100の周辺環境を撮像し、この撮像した画像データを出力する。ミリ波レーダー103は、ミリ波帯の電波を用いて車両100周辺に存在する物体を検知し、この検知結果に応じた信号を出力する。
加速度センサ104は、車両100の加速度を検出し、この検出した加速度に応じた信号を出力する。車速センサ105は、車両100の車輪の回転速度を検出し、この検出した回転速度に応じた信号を出力する。
アクセルセンサ106は、ドライバによるアクセルペダルの操作量を検出し、この検出したアクセルペダルの操作量に応じた信号を出力する。ブレーキセンサ107は、ドライバによるブレーキペダルの操作量を検出し、この検出したブレーキペダルの操作量に応じた信号を出力する。
また、車両100には、内燃機関の駆動状態を制御するアクセルアクチュエータ108、及びブレーキを制御するブレーキアクチュエータ109が設けられている。アクセルアクチュエータ108やブレーキアクチュエータ109は、車載ネットワークNWに電気的に接続されている。アクセルアクチュエータ108は、アクセルセンサ106の検出値に応じてエンジン制御装置130が算出する内燃機関の制御量に基づき内燃機関を制御する。また、ブレーキアクチュエータ109は、ブレーキセンサ107の検出値に応じてエンジン制御装置130が算出するブレーキの制御量に基づきブレーキを制御する。
さらに、車両100には、駆動源である電動モータの動力源であるバッテリ113と、バッテリ113の充放電を制御する電池アクチュエータ112が設けられている。電池アクチュエータ112は、車載ネットワークNWに電気的に接続されている。電池アクチュエータ112は、バッテリ113の充放電等を管理する。また、電池アクチュエータ112は、バッテリ113の放電を制御することにより電動モータを駆動させたり、電動モータの回生によりバッテリ113を充電させたりする。
車両100には、内燃機関及び電動モータの駆動状態を制御するハイブリッド制御装置110が設けられている。ハイブリッド制御装置110は、車載ネットワークNWを介して、電池アクチュエータ112、アクセルアクチュエータ108、及びブレーキアクチュエータ109に電気的に接続されている。
ハイブリッド制御装置110は、加速度センサ104、車速センサ105、及びアクセルセンサ106の検出結果に基づいて、内燃機関及び電動モータの駆動力の配分(出力比)を定める。特に、ハイブリッド制御装置110は、内燃機関及び電動モータの駆動力の配分(出力比)の変更によってバッテリ113のエネルギー残量であるバッテリ113の残量を調整するようにしている。ハイブリッド制御装置110は、内燃機関を停止させて電動モータを駆動源として用いるEV走行、内燃機関及び電動モータを駆動源として用いるHV走行を実行する。
ハイブリッド制御装置110は、バッテリ113の蓄電量を消費するモードであるCD(Charge Depleting)モード、及び、バッテリ113の蓄電量を維持するモードであるCS(Charge Sustaining)モードを適宜選択する。
CDモードは、バッテリ113の蓄電量を維持することなく、バッテリ113に充電された電力を積極的に消費するモードであり、EV走行を優先させるモードである。以下、このCDモードをEVモードとして説明する。なお、EVモードであっても、アクセルペダルが大きく踏み込まれて大きな走行パワーが要求されれば内燃機関は駆動される。
CSモードは、バッテリ113の蓄電量を基準値に対して所定の範囲に維持させるモードであり、蓄電量を維持させるために必要に応じて内燃機関を駆動させて電動モータを回生運転させHV走行を優先するモードである。以下、このCSモードをHVモードとして説明する。なお、HVモードであっても、バッテリ113の蓄電量が基準値を上回っていれば内燃機関が停止する。HVモードの基準値には、EVモードからHVモードに変更されたときの蓄電量の値、又は、バッテリ113の性能維持を図るために必要とされる蓄電量の値が適宜設定される。
ハイブリッド制御装置110は、選択されたEVモード又はHVモードの下、駆動力の配分に基づいて、バッテリ113の放電等に関する電池アクチュエータ112の制御指令や、エンジン制御装置130に算出させる内燃機関の制御量に関する情報を生成する。また、ハイブリッド制御装置110は、加速度センサ104、車速センサ105、及びブレーキセンサ107の検出結果に基づいて、ブレーキ及び電動モータの制動力の配分を定める。ハイブリッド制御装置110は、制動力の配分に基づいて、バッテリ113の充電等に関する電池アクチュエータ112の制御指令や、エンジン制御装置130に算出させるブレーキの制御量に関する情報を生成する。つまり、ハイブリッド制御装置110は、生成した制御指令を電池アクチュエータ112に出力することによりバッテリ113の充放電を制御する。これにより、バッテリ113の放電によりバッテリ113を動力源(電力源)とする電動モータが駆動されたり、電動モータの回生によりバッテリ113が充電されたりする。また、ハイブリッド制御装置110は、ハイブリッド制御の実行状況やバッテリ113の充電率を監視することが可能となっている。
ハイブリッド制御装置110は、車両100のドライバの選択結果に応じてEVモードとHVモードとを切り替える制御を行う。また、ハイブリッド制御装置110は、EVモードとHVモードとを自動的に切り替える機能を有しており、ナビ制御装置121から入力される車両100の走行経路の各区間の走行に要する走行負荷に関する情報等に基づいてEVモードとHVモードとを切り替える制御を行う。なお、走行負荷は、その区間における単位距離当たりの負荷量であって、当該区間の走行に要する平均的な負荷量である。一方、その区間の完走に要する走行負荷の累積値は、消費エネルギーとしてこれを定義する。
また、車両100は、地図データが登録された地図情報データベース122を備えている。地図データは、道路などの地理に関するデータである。地図データには、地理を表示可能な表示種別のデータなどとともに、緯度経度などの位置に関する情報が登録されている。表示種別のデータには、川、湖、及び海等の表示情報が含まれる。また、地図データには、交差点名称、道路名称、方面名称、方向ガイド、及び施設情報などの情報が登録されていてもよい。
また、地図情報データベース122には、道路上の位置を示すノードに関する情報であるノードデータと、2つのノードの間の区間としてのリンクに関する情報であるリンクデータとが含まれている。ノードは、道路上において、交差点、信号機、及びカーブ等の特定の交通要素の位置や車線数が変更される地点などに設定される。ノードデータには、ノードの位置情報や、当該位置の道路情報などが含まれる。リンクは、2つのノードの間に、それら2つのノードに区切られた区間として設定される。リンクデータには、2つのノードの情報や、当該リンクの区間の道路情報などが含まれる。リンクデータに含まれる走行負荷情報から、走行負荷を取得もしくは算出することができる。リンクの区間の道路情報としては、始点位置、終点位置、距離、経路、起伏などの情報が含まれる。また、リンクデータには、リンクの区間の走行負荷を含むコストデータ、道路種類を含む道路データ、特定の位置を示すマークデータ、交差点の情報を示す交差点データ、施設の情報を示す施設データ等の各種データが含まれている。
詳述すると、ノードデータは、例えば、ノードの識別番号であるノードID、ノードの座標、ノードに接続される全リンクのリンクID、交差点や合流地点等の種別を示すノード種別等によって構成されてもよい。また、ノードデータは、ノードを表す画像の識別番号である画像IDなどのノードの特性を示すデータ等を含んで構成されてもよい。
また、リンクデータは、例えば、リンクの識別番号であるリンクID、リンク長、始点及び終点に接続する各ノードのノードIDによって構成されている。また、リンクデータは、高速道路、有料道路、一般道路、市街地/郊外道路、山間部道路、トンネル、橋、立体交差路等の道路種別を示すデータに加え、道路幅員、車線数、リンク走行時間、法定制限速度、及び道路の勾配等を示すデータ等のうち必要な情報を含んで構成されている。さらに、リンクデータは、各リンクにおける車両100の必要出力である走行負荷情報として、移動時間、移動速度、消費燃料量、及び消費電力量等の平均値や最大値、最小値等を示すデータを含んで構成されてもよい。消費電力量は、車両100がEVモードにて走行したときに電動モータにより消費される電力量である。リンク(区間)の走行負荷は、こうした走行負荷情報に基づいて取得もしくは算出される。なお、走行負荷は、リンク(区間)における平均値であり、単位を[kW]等としている。また、各リンク(区間)の完走に必要な走行負荷の累積値としての消費エネルギーは、走行負荷とリンク長(区間長)とから算出することができる。
車両100には、経路案内等を行うナビゲーションシステム120が搭載されている。ナビゲーションシステム120のナビ制御装置121は、車両100の現在地点(緯度経度)を、GPS101から取得する。また、ナビ制御装置121は、ドライバによって目的地点が設定されると、この目的地点(緯度経度)を特定する。そして、ナビ制御装置121は、車両100の現在地点から目的地点までの走行経路を、地図情報データベース122の参照を通じて、例えばダイクストラ法等を用いて探索する。
ナビ制御装置121は、車両100から得られる走行した走行経路における移動時間、移動速度、消費燃料量、及び消費電力量を学習する学習部121aを備えている。学習部121aは、移動支援装置を構成し、ナビ制御装置121におけるプログラムの実行処理などによりその機能が発揮されるものである。学習部121aは、走行経路の各区間の移動時間、移動速度、消費燃料量、及び消費電力量を各種センサから取得して、これらの情報を地図情報データベース122の各区間に関連付けして記憶する。学習部121aは、同一区間を走行する度に地図情報データベース122の各区間に関連付けして蓄積し、各区間の情報の精度を高める。
また、ナビ制御装置121は、走行モードの計画をする際に参照する走行負荷等の情報を生成する情報生成部121bを備えている。情報生成部121bは、移動支援装置を構成し、ナビ制御装置121におけるプログラムの実行処理などによりその機能が発揮されるものである。特に、情報生成部121bは、走行経路の各区間の走行負荷を、各区間の勾配情報や渋滞情報に基づいて算出する機能を備えている。情報生成部121bは、通常走行時の走行負荷を、車両100の移動速度、移動時間、消費燃料量、消費電力量等の車両の情報、及び走行環境の情報に基づいて算出する。そして、学習部121aが地図情報データベース122の各区間に関連付けして記憶する。
ナビ制御装置121には、渋滞情報、所要時間、事故・故障車・工事情報、速度規制・車線規制等の情報を取得する道路交通情報通信システム(Vehicle Information and Communication System:VICS(登録商標))125が接続されている。また、ナビ制御装置121には、データセンターや情報を共有する車両から得られる実際に走行した位置や車速などの情報を用いて生成された道路交通情報であるプローブ交通情報を取得するプローブ情報装置126が接続されている。このため、情報生成部121bは、VICS125及びプローブ情報装置126の一方又は両方から渋滞情報を取得して、走行経路の各区間のうち渋滞している区間を把握することができる。
そして、ナビ制御装置121は、探索した走行経路や算出した走行負荷、移動時間、移動速度、消費燃料量、及び消費電力量を示す情報を、車載ネットワークNWを介してハイブリッド制御装置110に出力するとともに、車載ネットワークNWを介して車室内に設けられた液晶ディスプレイ等からなる表示装置123に出力する。
また、車両100には、ダッシュボードに設けられたインストルメントパネルに表示されるメータの表示状況を制御するメータ制御装置124が設けられている。メータ制御装置124は、例えばバッテリ113の充放電状況等を示すデータをハイブリッド制御装置110から取得し、この取得したデータに基づいて例えば車両100内のエネルギーフローを可視表示する。エネルギーフローとは、バッテリ113の充放電、電動モータの駆動力/回生などによって生じる車両100におけるエネルギーの流れである。なお、エネルギーフローには、内燃機関の駆動力などによって生じる車両100におけるエネルギーの流れが含まれていてもよい。
ハイブリッド制御装置110は、走行経路が入力されると、その走行経路の各区間に走行モードの割り当てを行う。ハイブリッド制御装置110は、走行経路に応じた走行モードの割り当てを支援する運転支援部111を備えている。運転支援部111は、ナビ制御装置121からドライバにより設定された目的地点までの走行経路の情報を取得する。また、運転支援部111は、取得した走行経路の区間に割り当てられる走行モードの計画等を行うモード計画部111aを備えている。モード計画部111aは、移動支援装置を構成し、ハイブリッド制御装置110におけるプログラムの実行処理などによりその機能が発揮されるものである。モード計画部111aは、走行経路全体のエネルギー収支を考慮して、走行経路の各区間の走行負荷に応じて各区間の走行モードを計画する機能を備えている。
一般に、電動モータによる走行を走行負荷の低い区間に適用するほうが効率が良い傾向にあり、内燃機関による走行を走行負荷の大きい区間に適用するほうが効率が良い傾向にある。そこで、ハイブリッド制御装置110は、走行負荷の低い区間にはEVモードを割り当て、走行負荷の大きい区間にはHVモードを割り当てるようにしている。
モード計画部111aは、複数の対象区間について、それらの区間における走行負荷を比較して低い区間から順にEVモードを割り当てる。また、モード計画部111aは、EVモードを割り当てた区間の消費エネルギーを積算し、バッテリ113のエネルギー残量から減算する。そして、モード計画部111aは、積算された消費エネルギーがバッテリ113のエネルギー量の残量を超えないように、各区間へのEVモードの割り当てを続ける。これにより、モード計画部111aは、走行経路の各区間のうち、相対的に走行負荷の低い区間にEVモードを割り当てる。また、モード計画部111aは、EVモードが割り当てられなかった区間にはHVモードを割り当てる。
ところで、モード計画部111aは、目的地においてバッテリ113の残量が零になるように、走行経路全体のエネルギー収支を考慮して走行経路の各区間の走行モードを計画している。例えば、モード計画部111aは、渋滞が発生している区間(渋滞区間)では走行負荷が通常走行時よりも低くなる傾向にあるため、渋滞区間にEVモードを優先的に設定するとともに、バッテリの残量が零になるようにその他の走行負荷の低い区間にもEVモードを設定している。しかし、交通流の変化などによって予測が外れ、バッテリ113の残量が予測よりも早く減少したような場合には、走行モードの再計画によって走行モードが大きく異なることがあるなど、運転者に違和感を与えることがある。そこで、モード計画部111aは、渋滞区間に設定されている走行負荷よりも走行負荷が低い区間を優先して走行モードをEVモードに計画する。
すなわち、モード計画部111aは、VICS125及びプローブ情報装置126の一方又は両方から渋滞情報を取得して渋滞している区間を把握する。渋滞区間には、情報生成部121bによって通常走行時の走行負荷よりも低い一定の走行負荷Pjamが設定されている。モード計画部111aは、渋滞区間の走行負荷Pjamよりも走行負荷が低い区間を、渋滞区間よりも優先してEV優先区間とする。こうして、走行モードの再計画に伴って走行モードが大きく異なることが抑制され、走行経路の各区間に対する走行モードの計画の適正化を促進することができる。
モード計画部111aはまた、上記のように走行経路の各区間に対して計画した走行モードを表示装置123に出力し、走行している区間の計画した走行モードを表示装置123に表示させる。
ハイブリッド制御装置110は、現在走行している位置情報を適宜取得することで現在走行している区間、言い換えれば現区間を特定するとともに、その特定された区間に計画された走行モードで車両100が走行するようにしている。つまり、ハイブリッド制御装置110は、車両100の走行経路が変化する都度、車両100の走行モードを当該区間に割り当てられたEVモード又はHVモードに切り替える。これにより、車両100は、現在走行している区間(現区間)に計画された走行モードで走行する。
次に、図2及び図3を参照して、運転支援部111のモード計画部111aによる走行モードの計画処理について、その作用とともに説明する。運転支援部111は、ナビ制御装置121から走行経路が伝達される都度、その走行経路の各区間に対する走行モードの計画を行う。また、モード計画部111aは、所定の計画周期毎に走行モードの再計画を行う。
図2及び図3に示すように、運転支援部111は、ナビ制御装置121によって目的地点が設定されると、走行経路中の全区間について経路情報を取得する(ステップS21)。
運転支援部111は次いで、走行経路の全区間の消費エネルギーの総和Esumを算出して(ステップS22)、走行経路の全区間の消費エネルギーの和Esumがバッテリ113の残量よりも大きいか否かを判断する(ステップS23)。すなわち、モード計画部111aは、走行経路の全区間をEVモードで走行できるか否かを判断する。そして、運転支援部111は、走行経路の全区間の消費エネルギーの和Esumがバッテリ113の残量以下であると判断した場合には(ステップS23:NO)、走行経路の全区間にEVモードを割り当てる(ステップS40)。
一方、運転支援部111は、走行経路の全区間の消費エネルギーの和Esumがバッテリ113の残量よりも大きいと判断した場合には(ステップS23:YES)、区間i=1〜iとして、区間i=0とする(ステップS24)。
次に、運転支援部111は、区間iの走行負荷が渋滞区間の走行負荷Pjamより低いか否かを判断する(ステップS25)。すなわち、モード計画部111aは、渋滞区間の走行負荷Pjamよりも低い走行負荷の区間であるか否かを判断する。その結果、運転支援部111は、当該区間iの走行負荷が渋滞区間の走行負荷Pjam以上であると判断した場合には(ステップS25:NO)、ステップS27に移行する。すなわち、モード計画部111aは、ステップS26において行う走行負荷の書き換えを行わない。
また、運転支援部111は、当該区間iの走行負荷が渋滞区間の走行負荷Pjamよりも低いと判断した場合には(ステップS25:YES)、区間iの走行負荷を「α」に書き換える(ステップS26)。すなわち、モード計画部111aは、区間iの走行負荷を渋滞区間の走行負荷Pjamよりも低く、かつ通常走行時に設定される値よりも低い値に書き換える。このようにすることで、モード計画部111aは、渋滞区間の走行負荷Pjamよりも走行負荷が低い区間を優先してEVモードに計画することができる。なお、走行負荷が渋滞区間の走行負荷Pjamよりも低い区間iの消費エネルギーは、書き換えた走行負荷αに基づくものではなく、地図情報データベース122から取得した走行負荷に基づいて算出したものを採用する。
次に、運転支援部111は、区間iが渋滞区間であるか否かを判断する(ステップS27)。その結果、運転支援部111は、区間iが渋滞区間でないと判断した場合には(ステップS27:NO)、ステップS29に移行する。
また、運転支援部111は、区間iが渋滞区間であると判断した場合には(ステップS27:YES)、区間iの走行負荷Piを「β」に書き換える(ステップS28)。すなわち、モード計画部111aは、区間iの走行負荷を、渋滞区間の走行負荷Pjamよりも低い区間に設定される走行負荷αよりも高い値に書き換える。このようにすることで、モード計画部111aは、渋滞区間が渋滞区間の走行負荷Pjamよりも低い区間の次に優先してEVモードに計画される。なお、渋滞区間である区間iの消費エネルギーは、書き換えた走行負荷βに基づくものではなく、地図情報データベース122から取得した走行負荷に基づいて算出したものを採用する。
次に、運転支援部111は、区間iが総区間数と一致するか否かを判断する(ステップS29)。すなわち、モード計画部111aは、全区間について確認して必要に応じて仮想の走行負荷に書き換えたか否かを判断する。その結果、運転支援部111は、区間iが総区間数と一致しないと判断した場合には(ステップS29:NO)、区間を1つ加算するためにi=i+1として(ステップS38)、ステップS25からの処理を繰り返す。
また、運転支援部111は、区間iが総区間数と一致すると判断した場合には(ステップS29:YES)、走行経路の各区間の走行負荷を比較して、走行負荷の低い順に各区間を並び替える(ステップS30)。すなわち、モード計画部111aは、上記の書き換えた走行負荷α,βを含む走行負荷を比較して並び替える。
運転支援部111は、走行負荷の低い順に並び替えた区間を区間n=1〜nとし、区間n=1、消費エネルギーE”=0とする(ステップS31)。続いて、運転支援部111は、区間nまでの消費エネルギーの和(E”=E”+En)を算出する(ステップS32)。なお、区間nの消費エネルギーは、書き換えた走行負荷αに基づくものではなく、地図情報データベース122から取得した走行負荷に基づいて算出したものを採用する。書き換えた走行負荷α,βは、走行負荷に基づいて区間を並び替えるためだけに使用する。
次に、運転支援部111は、区間nまでの区間の消費エネルギーの和E”がバッテリ113の残量よりも大きいか否かを判断する(ステップS33)。運転支援部111は、区間nまでの区間の消費エネルギーの和E”がバッテリ113の残量以下であると判断した場合には(ステップS33:NO)、区間を1つ加算するためにn=n+1として(ステップS39)、ステップS32からの処理を繰り返す。
また、運転支援部111は、区間nまでの区間の消費エネルギーの和E”がバッテリ113の残量よりも大きいと判断した場合には(ステップS33:YES)、並び替えた後の1〜nまでの区間をEVモードに設定する(ステップS34)。そして、運転支援部111は、走行経路の各区間に走行モードを割り当てる(ステップS35)。
続いて、運転支援部111は、前回のモード計画から所定時間が経過したか否かを判断する(ステップS36)。その結果、運転支援部111は、前回のモード計画から所定時間が経過していないと判断した場合には(ステップS36:NO)、所定時間が経過するまで待機する。
また、運転支援部111は、前回のモード計画から所定時間経過したと判断した場合には(ステップS36:YES)、終了条件が成立しているか否かを判断する(ステップS37)。すなわち、モード計画部111aは、バッテリ113の残量が残り僅かとなった等の終了条件が成立しているか否かを判断する。そして、運転支援部111は、バッテリ113の残量が残っていれば、終了条件が成立していないと判断して(ステップS37:NO)、ステップS21に移行して走行モードの再計画を実行する。一方、運転支援部111は、バッテリ113の残量が残り僅かであれば、終了条件が成立していると判断して(ステップS37:YES)、モード計画処理を終了する。
以下、図4〜図7を参照して、具体的な走行モードの計画例について説明する。
例えば図4に示されるように、現在地点から目的地点までの走行経路として、ナビゲーションシステム120により探索された走行経路には、第1区間k1〜第10区間k10の区間iが含まれているものとする。また、第1区間k1〜第10区間k10の各区間iにおける走行負荷及び消費エネルギー等に関する情報が地図情報データベース122から得られているものとする。なお、図4には、走行経路の各区間iを車両100が走行する際の消費エネルギーEiが記載されている。ここで、第5区間k5と第7区間k7とは、渋滞している区間(渋滞区間)である。また、各区間iの消費エネルギーEiの値が「−(マイナス)」となっている第1区間k1と第2区間k2とは、下り坂等の回生エネルギーを得られる回生区間である。そして、モード計画部111aは、走行経路の各区間iの走行負荷と消費エネルギーEiに基づいて各区間iの走行モードを計画する。
次に、図5及び図6を参照して、渋滞区間の走行モードを優先してEVモードに計画した場合の計画例について説明する。ここで、図5はモード計画を行う地点においてバッテリ113の残量が200Whであった場合を示し、図6はモード計画を行う地点においてバッテリ113の残量が180Whであった場合を示す。
図5(a)に示されるように、モード計画部111aは、渋滞区間である第5区間k5と第7区間k7とにEVモードを優先して割り当てて、バッテリ113の残量である200Whを使い切るように走行モードを計画する。すなわち、モード計画部111aは、まずは第5区間k5と第7区間k7とにEVモードを設定する。次いで、モード計画部111aは、目的地点に近い第9区間k9と第10区間k10との2区間にバッテリ113の残量が残らないように予測がはずれた際に使い切るための終了マージンとしてHVモードを設定する。そして、モード計画部111aは、第5区間k5の消費エネルギーE5=150Whと第7区間k7の消費エネルギーE7=40Whとの和(150+40=190Wh)を算出し、第5区間k5と第7区間k7とにEVモードを割り当てた時点のバッテリ113の残量(200−190=10Wh)を算出する。
続いて、図5(b)に示されるように、モード計画部111aは、走行経路の区間の中で走行負荷が低い第1区間k1と第2区間k2とにEVモードを設定する。そして、モード計画部111aは、第1区間k1の消費エネルギーE1=−30Whと第2区間k2の消費エネルギーE2=−20Whとの和(−30+(−20)=−50Wh)を算出し、第1区間k1と第2区間k2とにEVモードを割り当てた時点のバッテリ113の残量(10−(−50)=60Wh)を算出する。
続いて、図5(c)に示されるように、モード計画部111aは、走行経路の区間の中で第1区間k1や第2区間k2の次に走行負荷が低い第4区間k4と第8区間k8とにEVモードを設定する。そして、モード計画部111aは、第4区間k4の消費エネルギーE4=10Whと第8区間k8の消費エネルギーE8=60Whとの和(10+60=70Wh)を算出し、第4区間k4と第8区間k8とにEVモードを割り当てた時点のバッテリ113の残量(60−70=−10Wh)を算出する。モード計画部111aは、この時点でEVモードでの走行区間の消費エネルギーがバッテリ113の残量を超えるので、EVモードの割り当てを終了する。
図5(d)に示されるように、モード計画部111aは、第9区間k9と第10区間k10とに加え、残りの第3区間k3と第6区間k6にHVモードを割り当て、モード計画処理を終了する。
また、図6(a)に示されるように、バッテリ113の残量が180Whであった場合、モード計画部111aは、図5と同様に、渋滞区間である第5区間k5と第7区間k7にEVモードを設定する。また、モード計画部111aは、目的地点に近い第9区間k9と第10区間k10との2区間にHVモードを設定する。そして、モード計画部111aは、第5区間k5の消費エネルギーE5=150Whと第7区間k7の消費エネルギーE7=40Whとの和(150+40=190Wh)を算出し、第5区間k5と第7区間k7とにEVモードを割り当てた時点のバッテリ113の残量(180−190=−10Wh)を算出する。モード計画部111aは、この時点でEVモードでの走行区間の消費エネルギーがバッテリ113の残量を超えるので、EVモードの割り当てを終了する。
図6(b)に示されるように、モード計画部111aは、第9区間k9と第10区間k10とに加え、残りの第1区間k1〜第4区間k4、第6区間k6、第8区間k8にHVモードを割り当て、モード計画処理を終了する。
これら図5と図6とを比較してわかるように、走行経路に渋滞区間と渋滞区間よりも走行負荷が低い回生区間等が含まれているようなときに、渋滞区間を優先してEVモードに計画した場合には、バッテリ113の残量が例えば20Wh違うだけで、モード計画の結果が異なったものとなる。このため、先のモード計画時からの予測が外れた状態で走行モードの再計画をすると、走行モードが大きく異なり、運転者に違和感を与えることとなる。また、走行経路の各区間に対して適正な走行モードが計画されないこととなる。
そこで、本実施形態では、走行経路に渋滞区間と渋滞区間よりも走行負荷が低い回生区間等が含まれている場合には、渋滞区間よりも走行負荷が低い区間を優先してEVモードに計画する。すなわち、図6に代わる図として図7に示す。
図7(a)に示されるように、モード計画部111aは、まず走行経路の区間の中で渋滞区間よりも走行負荷が低い第1区間k1と第2区間k2とにEVモードを設定する。また、モード計画部111aは、目的地点に近い第9区間k9と第10区間k10との2区間に終了マージンとしてHVモードを設定する。そして、モード計画部111aは、第1区間k1の消費エネルギーE1=−30Whと第2区間k2の消費エネルギーE2=−20Whとの和(−30+(−20)=−50Wh)を算出し、第1区間k1と第2区間k2とにEVモードを割り当てた時点のバッテリ113の残量(180−(−50)=230Wh)を算出する。
続いて、図7(b)に示されるように、モード計画部111aは、渋滞区間である第5区間k5と第7区間k7とにEVモードを設定する。そして、モード計画部111aは、第5区間k5の消費エネルギーE5=150Whと第7区間k7の消費エネルギーE7=40Whとの和(150+40=190Wh)を算出し、第5区間k5と第7区間k7とにEVモードを割り当てた時点のバッテリ113の残量(230−190=40Wh)を算出する。
続いて、図7(c)に示されるように、モード計画部111aは、走行経路の区間の中で渋滞区間の次に走行負荷が低い第4区間k4と第8区間k8とにEVモードを設定する。そして、モード計画部111aは、第4区間k4の消費エネルギーE4=10Whと第8区間k8の消費エネルギーE8=60Whとの和(10+60=70Wh)を算出し、第4区間k4と第8区間k8とにEVモードを割り当てた時点のバッテリ113の残量(40−70=−30Wh)を算出する。モード計画部111aは、この時点でEVモードでの走行区間の消費エネルギーがバッテリ113の残量を超えるので、EVモードの割り当てを終了する。
図7(d)に示されるように、第9区間k9と第10区間k10とに加え、残りの第3区間k3と第6区間k6にHVモードを割り当て、モード計画処理を終了する。
つまり、渋滞区間よりも走行負荷が低い区間を優先してEVモードに計画すると、バッテリ113の残量が180Whであっても、200Whである場合と同じモード計画となる。このため、走行モードが異なることによって運転者に違和感を与えることがなくなるとともに、走行経路の各区間に対する走行モードの計画の適正化が促進される。
本実施形態ではこのように、渋滞区間の走行負荷よりも走行負荷が低い区間を優先して走行モードをEVモードに計画する。こうして、渋滞区間の走行負荷よりも走行負荷が低い区間ではEVモードで走行されるように再計画が行われるので、走行経路の各区間に対する走行モードの計画の適正化を促進することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)渋滞している区間に設定されている走行負荷Pjamよりも走行負荷が低い区間、例えば下り坂等の回生エネルギーが得られる区間が優先して走行モードがEVモードに計画される。このため、交通流の変化などによって予測が外れたときに走行モードの再計画を行ったとしても、渋滞区間よりも走行負荷が低い区間から優先してEVモードが走行モードとして計画されるので、走行経路の各区間に対する走行モードの計画の適正化が促進されるようになる。
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することもできる。
・上記実施形態では、渋滞区間に通常走行時の走行負荷よりも低い一定の走行負荷Pjamを設定した。しかしながら、渋滞区間に一律に同じ走行負荷Pjamを設定せず、各渋滞区間において渋滞の度合い等に応じた異なる走行負荷を設定してもよい。
・上記実施形態では、車載ネットワークNWはCANである場合について例示した。しかしこれに限らず、車載ネットワークNWは、接続されているECU等を通信可能に接続させるものであれば、イーサーネット(登録商標)や、フレックスレイ(登録商標)や、IEEE1394(FireWire(登録商標))などその他のネットワークから構成されていてもよい。また、CANを含み、これらのネットワークが組み合わされて構成されていてもよい。これにより、移動支援装置が用いられる車両について構成の自由度の向上が図られる。
・上記実施形態では、GPS101が車載ネットワークNWを介してナビ制御装置121に接続されたが、GPS101がナビ制御装置121に直接接続されてもよい。
・上記実施形態では、ナビゲーションシステム120と運転支援部111とが別々の構成である場合について例示した。しかしこれに限らず、ナビゲーションシステムと運転支援部とは同一の装置に設けられていてもよい。これにより、移動支援装置の構成の自由度の向上が図られる。
・上記実施形態では、ハイブリッド制御装置110と運転支援部111とが同一の装置に設けられている場合について例示した。しかしこれに限らず、ハイブリッド制御装置と運転支援部とは別々の装置に設けられていてもよい。これにより、移動支援装置の構成の自由度の向上が図られる。
・上記実施形態では、ナビゲーションシステム120、表示装置123などの各装置が車両100に一体として設けられている場合について例示した。しかしこれに限らず、ナビゲーションシステム、表示装置などの各装置は、相互に通信可能に接続されるのであれば、携帯電話やスマートフォンなどの携帯可能な情報処理装置等をそれらの機能の全部又は一部として用いてもよい。これにより、移動支援装置の設計自由度の拡大が図られる。
・上記実施形態では、運転支援部111、ナビゲーションシステム120、地図情報データベース122などが車両100に搭載されている場合について例示した。しかしこれに限らず、運転支援部、ナビゲーションシステム、地図情報データベースなどの一部の機能が、車外の情報処理装置に設けられていたり、携帯型情報処理装置に設けられていたりしてもよい。車外の情報処理装置としては情報処理センターが挙げられ、携帯型情報処理装置としては、携帯電話やスマートフォンなどが挙げられる。車外の情報処理装置であれば無線通信回線などを介して情報を授受するようにすればよい。携帯型情報処理装置であれば、車載ネットワークに接続してもよいし、近距離通信によって接続されていてもよいし、無線通信回線を介して情報を授受してもよい。これにより、移動支援装置の設計自由度の拡大が図られる。
・上記実施形態では、車両100から得られる走行した走行経路における移動時間、移動速度、消費燃料量、及び消費電力量を学習する学習部121aを備えた。しかしながら、走行した走行経路において学習する学習機能を省略してもよい。これにより、学習に要する処理を削減することができる。
・上記実施形態では、走行モードの割り当てが運転支援部111により行われる場合について例示した。しかしこれに限らず、走行モードの割り当てをナビ制御装置などで行ってもよい。これにより、移動支援装置の設計自由度の拡大が図られる。
・上記実施形態では、主に、走行モードの割り当てが、車両100の位置が現在地点であるとき実行される場合について例示したが、走行モードの割り当ては、車両が目的地点に移動しているいずれの地点においても実行されてもよい。そして、いずれの地点における実行についても走行経路の全区間に対する適切な走行モードの割り当てを行うことができる。これにより、移動支援装置の設計自由度の拡大が図られる。