JP6186759B2 - マルチフィラメント糸の交絡処理装置、交絡処理方法および製造方法 - Google Patents
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Description
この特許文献1においてされている提案は、交絡処理装置の糸処理部において、流体噴射孔に対向する対向壁面を糸入り口部から糸出口部に向かって広がるように傾斜を設けることで、流体噴射孔から噴射された圧縮空気を糸処理部の出口方向に促して排出することで、噴射された圧縮空気が糸処理部の入口方向へ逆流を防ぐことで単糸の弛みや毛羽の低減を狙ったものである。しかし、糸処理部には貫通した凹部を有しているため逆流を完全に無くすことは不可能であり、近年のより多フィラメント化や単糸細繊度化には十分対応できたものと言えず、かつ高速度での処理が要求されるものには十分でなかった。
前記断面積が前記絞り部から前記糸道部の糸条の出入り口部に向けてなだらかに拡大し、前記流体噴射孔が前記糸条の走行方向に対して、前記絞り部より下流に開口し、前記絞り部の前記糸条の走行方向に垂直な断面における断面積Aと糸条の太さTとの関係が以下の式を満足することを特徴とするマルチフィラメント糸の交絡処理装置。
50 < A/[T/107ρ] < 150
A:絞り部の断面積(mm2)
T:糸条の太さ(デシテックス)
ρ:糸条の密度(g/10−6mm)
また、かかる本発明のマルチフィラメント糸の交絡処理装置において、より具体的に好ましくは、以下の(2)〜(5)の構成を有するものである。
0.05mm < G < 0.3mm
(3)前記糸条の走行軸線Yと前記噴射孔の軸線がなす角度β(°)とが以下の式を満足することを特徴とする(1)または(2)のいずれかに記載のマルチフィラメント糸の交絡処理装置。
70°< β < 86°
(4)前記流体噴射孔が、互いに前記流体噴射孔の軸線の延長線上で交叉するように傾斜し前記糸処理部に開口する2つの流体噴射孔から構成されており、かつ、前記糸処理部が、外部と連通し前記糸処理部の一部を有するスリット部からなることを特徴とする(1)から(3)に記載のマルチフィラメント糸の交絡処理装置。
5 ≦ P2/P1 ≦ 10
(8)前記排気流の調整を、該糸道部の前記糸条の走行方向に垂直な断面における断面積が最も小さくなる絞り部の断面積を調節することによって行うことを特徴とする(7)に記載のマルチフィラメント糸の交絡処理方法。
また、請求項6、請求項7にかかる本発明によれば、特に上述の優れた合成繊維マルチフィラメント糸を製造することができる交絡処理方法が提供される。
A:絞り部の断面積(mm2)
T:糸条の太さ(デシテックス)
ρ:糸条の密度(g/10−6mm)
通常、糸条の太さは糸条の長さが107(mm)に対する重さ(g)で示し、単位はT(デシテックス)で表される。つまり、糸条の太さT(デシテックス)は糸条の断面積をa(mm2)とすると、糸条の断面積a(mm2)と、糸条の長さ:107(mm)と、糸条の密度:ρ(g/mm3)との積で表すことができる。よって、上記関係から糸条の断面積aは糸条の太さT(デシテックス)を糸条の長さ:107(mm)と糸条の密度:ρ(g/mm3)の積で割ることで求めることができる。つまり上記式<1>は絞り部の断面積Aと糸条の断面積aの比率A/aにおいて好ましい範囲を示している。
Gが0.05mmより大きく0.3mmより小さい範囲とすることで、絞り部における糸条の走行性を損なうことなく、糸条の走行方向に対し上流側へ排気される流体が流れる量を規制し交絡処理ができるので、毛羽弛みの発生を抑制するとともに、適度に集束性のある交絡が付与できる。
70°<β°<86°・・・・・(2)
β°が70°より大きく86°より小さい範囲にすることで、流体噴射孔から噴射された流体を更に効果的糸出口側へ排気することができるため毛羽弛みの発生を抑制するとともに、適度に集束性のある均一性に優れた交絡処理が可能となる。
5 ≦ P2/P1 ≦ 10・・・・・<4>
P2/P1が5以上10以下範囲とすることで、絞り部における糸条の通過性や集束性を損なうことなく交絡処理することが可能となり、さらに、糸条の走行を妨げる原因である走行方向に対する上流側への流れを抑制できるので、毛羽や弛みのない交絡品位に優れた糸条を生産することできる。
(1)交絡数の測定と評価:
本発明の各実施例および比較例で得られた各ポリエステル部分配向未延伸糸について、ロッシールド社製自動連続交絡度試験器R−2072を用い、プリテンションを10cN、トリップテンションを17cNと設定し、設定計数交絡部数を20個として試料糸を走行させて、交絡部が20個カウントされるまでに要した糸長さ(走行糸長さ)を測定し、交絡部から次の交絡部までの長さの平均値を、まず求めた。
(2)毛羽数の測定と判定
本発明の各実施例・比較例で得られた各ポリエステル部分配向未延伸糸について、東レ・エンジニアリング株式会社製毛羽計数装置DT−105を用いて、S型検出器により検出高さを0.5mmに設定し、パッケージの解舒速度を500m/分として、50000mの糸長さについて測定して、そのまま糸50000m長さ当たりに存在する毛羽数として求めた。
実施例1〜8、比較例1〜8
表1に示した各種ディメンジョンの条件の流体交絡処理装置を用いて、図5に示した装置および工程により90デシテックス、フィラメント本数96本のポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント糸を溶融紡糸して流体交絡処理に供して巻取り速度3000m/分で巻き取り、流体交絡マルチフィラメント糸を製造した。
11、11’:流体供給部
12、12’:流体噴射ノズル部材
13、13’:側板部材
13A、13A’:流体噴射ノズル部材
14、14’:糸道部
15、15’:流体噴射孔
16 :導糸部
16’ :スリット部
17、17’:流体供給路
18、18’:流体導入通路
19、19’:シール部材
20、20’:糸処理部
21、21’:絞り部
22、22’:ボルト
23、23’:挟み込みボルト
24、24’:ハウジング部材
25、25’:ハウジング部材
101、101’:多糸条流体処理装置
110 :第1ゴデットロール
111 :第2ゴデットロール
112 :巻取機
113 :給油ガイド
Y :糸条の走行軸線
β :糸条の走行軸線と少なくとも2つの流体噴射孔の軸線がなす角度
A :絞り部の断面積
G :ギャップ
U :凹部
FO、FO’:流体噴射孔が開口する開口壁面
FP、FP’:糸条の進行方向に対しなだらか拡大する対向壁面
P1、P2 :圧力計
L1、L2 :排気圧力測定距離
Claims (8)
- 糸条が通過する糸道部と、該糸道部に開口する流体噴射孔と、該流体噴射孔から噴射された流体により、前記糸道部を通過する糸条に交絡を付与する糸処理部と、前記糸道部に前記糸条を導入する導糸部とからなるマルチフィラメント糸の交絡処理装置において、
前記糸道部が、該糸道部の前記糸条の走行方向に垂直な断面における断面積が最も小さくなる絞り部を有し、
前記断面積が前記絞り部から前記糸道部の糸条の出入り口部に向けてなだらかに拡大し、
前記流体噴射孔が前記糸条の走行方向に対して、前記絞り部より下流に開口し、
前記糸条の走行軸線Yと前記流体噴射孔の軸線がなす角度β(°)が、70°<β< 86°を満足し、
前記絞り部の前記糸条の走行方向に垂直な断面における断面積Aと糸条の太さTとの関係が以下の式を満足することを特徴とするマルチフィラメント糸の交絡処理装置。
50 < A/[T/107ρ] < 150
A:絞り部の断面積(mm2)
T:糸の太さ(デシテックス)
ρ:糸条の密度(g/10−6mm) - 前記糸条の走行方向に垂直な断面における前記絞り部の間隔をギャップ(G)とした場合、該ギャップ(G)が以下の式を満足することを特徴とする請求項1に記載のマルチフィラメント糸の交絡処理装置。
0.05mm < G < 0.3mm - 前記流体噴射孔が、互いに前記流体噴射孔の軸線の延長線上で交叉するように傾斜し前記糸処理部に開口する2つの流体噴射孔から構成されており、かつ、前記糸処理部が、外部と連通し前記糸処理部の役目も有するスリット部からなることを特徴とする請求項1または2に記載のマルチフィラメント糸の交絡処理装置。
- 前記2つの流体噴射孔が開口する開口壁面に、対向する前記絞り部に対応する位置を起点として、前記2つの流体噴射孔に挟まれた領域に、前記糸条の進行方向に対して前記絞り部より下流側へ、装置外部と連通する凹部を有することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のマルチフィラメント糸の交絡処理装置。
- 加圧流体の導入路を内部に設けた流体供給部と、該流体供給部の前記加圧流体導入路に沿って間隔をおいて列状に配置された流体噴射ノズル部材及び1つの側板部材を備え、該流体噴射ノズル部材は、隣接する他の流体噴射ノズル部材或いは1つの側板部材との間に、糸処理部と、該糸処理部と外部とを連通するスリットが介在するように隔離され、前記それぞれの流体噴射ノズル部材には、糸処理部に開口する流体噴射孔が設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のマルチフィラメント糸の交絡処理装置。
- 請求項1から5のいずれかに記載のマルチフィラメント糸の交絡処理装置を用い、前記糸道部に糸条を通過させ、前記流体噴射孔から噴射された流体により、前記糸道部を通過する糸条に交絡を付与するマルチフィラメント糸の交絡処理方法において、
前記糸道部の糸条の導入側から排気される排気流の排気圧P1と前記糸道部の糸条の導出側から排気される排気流の排気圧P2の比率P2/P1が以下の式を満足するように調整し、交絡を付与することを特徴とするマルチフィラメント糸の交絡処理方法。
5 ≦ P2/P1 ≦ 10 - 前記排気流の調整を、前記絞り部の断面積を調節することによって行うことを特徴とする請求項6に記載のマルチフィラメント糸の交絡処理方法。
- 請求項1から5のいずれかに記載のマルチフィラメント糸の交絡処理装置を用いてマルチフィラメント糸を製造することを特徴とするマルチフィラメント糸の製造方法。
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