JP6186530B1 - 燃料電池システム、制御装置、及びプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】冷媒タンクに収容された冷媒の蓄熱状態に応じて排気熱交換器から流出する冷媒の流出温度を変化させない場合と比べ、排ガスの熱を効率的に回収することができる燃料電池システム、制御装置、及びプログラムを提供する。【解決手段】燃料電池システム10は、燃料電池モジュール18、排気熱交換器31、冷媒タンク30、第1循環経路118、熱回収ポンプ40、上水熱交換器44、第2循環経路120、給湯経路121、及び制御装置70を備える。制御装置70は、排気熱交換器31から流出する冷媒W2の流出温度T2が第1目標温度であり、かつ、排気熱交換器31に流入する冷媒W2の流入温度T1が第1目標温度よりも低い第1設定温度以上の場合に、熱回収ポンプ40の冷媒W2の送出量を制御することにより、流出温度T2を第1目標温度よりも高い第2目標温度にする制御部を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池システム、制御装置、及びプログラムに関する。
住宅等に設置され、電力と湯を供給する燃料電池システムがある。この燃料電池システムでは、発電に用いる水を排ガスから回収するため、排ガスを冷却し水蒸気を凝縮させている。この場合、十分な量の水を回収するために、排ガスを一定温度以下に冷却する必要がある。
排ガスの冷却方法としては、上水等の冷媒との間で熱交換する方法が一般的である。しかし、冷媒タンク(貯湯タンク)に収容された冷媒が満蓄状態(蓄熱量が最大の状態)になる等の要因で冷媒の温度が上昇してくると、排ガスの冷却効率が低下し、凝縮水量が減少する。そこで、冷媒の温度を一定温度以下に保つために、配管経路上にラジエータを配置し、余分な熱を放出する技術が提案されている(例えば、特許文献1、2を参照)。
特開2015−002093号公報 特開2016−090082号公報
上述のように、排ガスから回収した熱の一部をラジエータから放出する場合、排ガスの熱が無駄になり、効率的な熱回収が行えない。このため、排ガスの熱を効率的に回収することが望まれている。
本発明は、上記事情に鑑みて成されたものであって、冷媒タンクに収容された冷媒の蓄熱状態に応じて排気熱交換器から流出する冷媒の流出温度を変化させない場合と比べ、排ガスの熱を効率的に回収することができる燃料電池システム、制御装置、及びプログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の燃料電池システムは、燃料ガスと改質水とが供給されて発電を行う燃料電池と、前記燃料電池の排気と冷媒との間で熱交換を行う排気熱交換器と、前記排気熱交換器へ供給する前記冷媒を貯留する冷媒タンクと、前記冷媒タンクと前記排気熱交換器との間で前記冷媒を循環させる第1循環経路と、前記第1循環経路の前記排気熱交換器の前段に設けられ、前記第1循環経路に前記冷媒を送出する第1ポンプと、前記冷媒タンクから供給される前記冷媒と外部より供給された上水との間で熱交換を行う上水熱交換器と、前記冷媒タンクと前記上水熱交換器との間で前記冷媒を循環させる第2循環経路と、前記上水熱交換器で加熱された前記上水を排出する排出経路と、前記排気熱交換器から流出する前記冷媒の流出温度が第1目標温度であり、かつ、前記排気熱交換器に流入する前記冷媒の流入温度が前記第1目標温度よりも低い第1設定温度以上の場合に、前記第1ポンプの前記冷媒の送出量を減少させる制御を行うことにより、前記流出温度を前記第1目標温度よりも高い第2目標温度にする制御部を含む制御装置と、を備えたものである。
この燃料電池システムによれば、冷媒タンクに収容された冷媒の蓄熱状態に応じて排気熱交換器から流出する冷媒の流出温度を変化させない場合と比べ、排ガスの熱を効率的に回収することができる。
また、請求項2に記載の燃料電池システムは、請求項1に記載の燃料電池システムにおいて、前記制御部が、前記流出温度が前記第2目標温度であり、かつ、前記流入温度が前記第1設定温度よりも高く前記第2目標温度よりも低い第2設定温度以上の場合に、前記第1ポンプの前記冷媒の送出量を減少させる制御を行うことにより、前記流出温度を前記第2目標温度よりも高い第3目標温度にするものである。
この燃料電池システムによれば、流出温度の目標温度を段階的に設定することで、排ガスの熱をより効率的に回収することができる。
また、請求項3に記載の燃料電池システムは、請求項1又は2に記載の燃料電池システムにおいて、前記第2循環経路に設けられ、前記第2循環経路に前記冷媒を送出する第2ポンプを更に備え、前記制御部が、外部機器からの給湯指令に応じて、前記第2ポンプを動作させる制御を行うものである。
この燃料電池システムによれば、外部機器からの給湯指令に応じて第2ポンプを動作させることで、冷媒タンク内の冷媒の温度上昇を抑制することができる。
また、請求項4に記載の燃料電池システムは、請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池システムにおいて、前記第1循環経路に設けられたラジエータと、前記制御部からの制御に従って、前記ラジエータへの送風を行うラジエータファンと、を更に備えたものである。
この燃料電池システムによれば、ラジエータ及びラジエータファンを用いることで、冷媒の温度上昇を抑制し、冷媒が満蓄状態になった場合でも凝縮水の不足を解消することができる。
一方、上記目的を達成するために、請求項5に記載の制御装置は、燃料ガスと改質水とが供給されて発電を行う燃料電池と、前記燃料電池の排気と冷媒との間で熱交換を行う排気熱交換器と、前記排気熱交換器へ供給する前記冷媒を貯留する冷媒タンクと、前記冷媒タンクと前記排気熱交換器との間で前記冷媒を循環させる第1循環経路と、前記第1循環経路の前記排気熱交換器の前段に設けられ、前記第1循環経路に前記冷媒を送出する第1ポンプと、前記冷媒タンクから供給される前記冷媒と外部より供給された上水との間で熱交換を行う上水熱交換器と、前記冷媒タンクと前記上水熱交換器との間で前記冷媒を循環させる第2循環経路と、前記上水熱交換器で加熱された前記上水を排出する排出経路と、を備えた燃料電池システムの運転を制御する制御装置であって、前記排気熱交換器から流出する前記冷媒の流出温度が第1目標温度であり、かつ、前記排気熱交換器に流入する前記冷媒の流入温度が前記第1目標温度よりも低い第1設定温度以上の場合に、前記第1ポンプの前記冷媒の送出量を減少させる制御を行うことにより、前記流出温度を前記第1目標温度よりも高い第2目標温度にする制御部を含むものである。
さらに、上記目的を達成するために、請求項6に記載のプログラムは、コンピュータを、請求項1〜のいずれか1項に記載の制御装置が備える制御部として機能させるものである。
上記の制御装置及びプログラムの各々によれば、冷媒タンクに収容された冷媒の蓄熱状態に応じて排気熱交換器から流出する冷媒の流出温度を変化させない場合と比べ、排ガスの熱を効率的に回収することができる。
以上詳述したように、本発明によれば、冷媒タンクに収容された冷媒の蓄熱状態に応じて排気熱交換器から流出する冷媒の流出温度を変化させない場合と比べ、排ガスの熱を効率的に回収することができる。
実施形態に係る燃料電池システムの全体構成の一例を示す図である。 実施形態に係る燃料電池モジュールの構成の一例を示す図である。 実施形態に係る制御装置の構成の一例を示すブロック図である。 実施形態に係る冷媒タンク内の冷媒に形成される温度層の一例を示す図である。 実施形態に係るプログラムによるポンプ制御処理の一例を示すフローチャートである。 実施形態に係るプログラムによるポンプ制御処理の割込処理の一例を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態の一例について詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る燃料電池システム10の全体構成の一例を示す図である。
図2は、本実施形態に係る燃料電池モジュール18の構成の一例を示す図である。
本実施形態に係る燃料電池システム10は、一例として住宅に適用されるものである。
図1に示すように、本実施形態に係る燃料電池システム10は、冷媒タンク付き燃料電池ユニット12と、バックアップ熱源機ユニット14との2つのユニットで構成されている。バックアップ熱源機ユニット14は、冷媒タンク付き燃料電池ユニット12とは別体とされる。冷媒タンク付き燃料電池ユニット12及びバックアップ熱源機ユニット14の各々は、一例として、屋外のコンクリート等で形成された基礎の上や、ベランダ等に設置される。
冷媒タンク付き燃料電池ユニット12は、筐体16の内部に、発電を行うと共に排ガスを排出する発電部17、排ガスによって冷媒W2を加熱する冷媒加熱部19、及び冷媒W2によって上水を加熱する上水加熱部21が設けられている。
冷媒タンク付き燃料電池ユニット12は、筐体16の内部に、燃料電池モジュール18、燃料ガス管20、脱硫器22、改質水タンク24、液面レベルセンサ24A、改質水供給管26、改質水ポンプ28、及び酸化ガス管88等が収容されている。
燃料電池モジュール18は、都市ガス、空気(酸素)、及び改質水W1が供給されて発電を行う。燃料ガス管20は、都市ガスを燃料電池モジュール18に供給する。脱硫器22は、燃料ガス管20の中間部に設けられ、都市ガス中に含まれる硫黄化合物を除去する。改質水タンク24は、燃料電池モジュール18に供給する改質水W1を貯留する。液面レベルセンサ24Aは、改質水タンク24の改質水W1の液面レベルを測定する。改質水供給管26は、改質水タンク24と燃料電池モジュール18とを連結する。改質水ポンプ28は、改質水タンク24の改質水W1を燃料電池モジュール18に供給する。酸化ガス管88には、空気ブロワ86が設けられている。発電部17は、これらの構成要素を含んで構成されている。
また、筐体16の内部には、冷媒タンク30、排気熱交換器31、第1排ガス管32、第2排ガス管34、排水管35、第1送出し側配管36、第1戻し側配管38、熱回収ポンプ40、ラジエータ42、及びラジエータファン43が収容されている。なお、熱回収ポンプ40は、第1ポンプの一例である。
冷媒タンク30は、水や不凍液等の冷媒W2を貯留する。なお、不凍液とは、低温でも液体の状態を保つ凝固点の低い液体のことである。不凍液としては、燃料電池システム10の設置環境における最低気温よりも低い凝固点を持つものを使用することが望ましい。排気熱交換器31は、燃料電池モジュール18から排出された排ガスと冷媒W2との間で熱交換を行う。第1排ガス管32は、燃料電池モジュール18と排気熱交換器31とを接続する。第2排ガス管34は、排気熱交換器31を通過した排ガスを筐体16の外部へ排出する。排水管35は、排気熱交換器31の内部で生成された水分(排気熱交換器31の内部で凝集された排ガス中の水分)を改質水タンク24へ排出する。第1送出し側配管36は、冷媒タンク30の底部と排気熱交換器31とを連結し、冷媒タンク30の冷媒W2を排気熱交換器31へ供給する。第1戻し側配管38は、冷媒タンク30の天井壁30Aと排気熱交換器31とを連結し、排気熱交換器31を通過した冷媒W2を冷媒タンク30へ戻す。熱回収ポンプ40は、第1送出し側配管36に設けられ、冷媒タンク30の冷媒W2を排気熱交換器31側へ送り出す。ラジエータ42は、第1送出し側配管36の熱回収ポンプ40と冷媒タンク30との間に設けられ、冷媒W2の熱を外部に放出可能とする。ラジエータファン43は、ラジエータ42への送風を行う。冷媒加熱部19は、これらの構成要素を含んで構成されている。
また、筐体16の内部には、上水熱交換器44、第2送出し側配管46、第2戻し側配管48、予熱ポンプ50、上水供給配管52、上水分岐配管54、給湯配管56、給湯分岐配管58、補水弁60、混合弁62、及び上水排出配管64等が収容されている。なお、予熱ポンプ50は、第2ポンプの一例である。
上水熱交換器44は、冷媒タンク30の冷媒W2と外部から供給された上水との間で熱交換を行う。第2送出し側配管46は、冷媒タンク30の上部に連結され、冷媒タンク30と上水熱交換器44とを連結する。第2戻し側配管48は、上水熱交換器44を通過した冷媒W2を冷媒タンク30へ戻す。予熱ポンプ50は、第2戻し側配管48に設けられ、冷媒W2を冷媒タンク30側へ送り出す。上水供給配管52は、外部(上水道)から供給された上水を上水熱交換器44に供給する。上水分岐配管54は、上水供給配管52の中間部から分岐された配管である。給湯配管56は、上水熱交換器44を通過した上水を排出する。給湯分岐配管58は、給湯配管56の中間部から分岐され、上水熱交換器44を通過した上水を冷媒タンク30へ供給する。補水弁60は、給湯分岐配管58に設けられ、冷媒タンク30へ供給する上水の量を調整する。混合弁62は、給湯配管56から供給された暖められた上水と上水分岐配管54から供給された上水(冷水)とを混合する。上水排出配管64は、混合弁62から筐体16の外部へ上水を排出する。上水加熱部21は、これらの構成要素を含んで構成されている。
さらに、筐体16の内部には、冷媒タンク付き燃料電池ユニット12に設けられた各種電装部品の制御を行う制御装置70が収容されている。
ここで、筐体16の内部には、冷媒タンク30と排気熱交換器31との間で冷媒W2が循環する経路、すなわち、第1送出し側配管36及び第1戻し側配管38で第1循環経路118が形成されている。筐体16の内部には、冷媒タンク30と上水熱交換器44との間で冷媒W2が循環する経路、すなわち、第2送出し側配管46及び第2戻し側配管48で第2循環経路120が形成されている。また、筐体16の内部には、給湯配管56及び上水排出配管64で給湯経路121が形成されている。なお、給湯経路121は、排出経路の一例である。
なお、筐体16の外部には、制御装置70に接続され、外気温を測定する温度センサ65が設けられている。また、第1送出し側配管36の排気熱交換器31の近傍には第1温度センサ131が設けられている。第1温度センサ131は、冷媒W2の排気熱交換器31への流入温度T1を測定する。第1戻し側配管38の排気熱交換器31の近傍には第2温度センサ132が設けられている。第2温度センサ132は、冷媒W2の排気熱交換器31からの流出温度T2(熱回収温度)を測定する。
本実施形態では、冷媒タンク30の冷媒W2として水(一例として水道水等)が用いられている。冷媒タンク30の天井壁30Aには、冷媒タンク30の内外を貫通し、空気の出入を可能とする開口部33が形成されている。また、冷媒タンク30には、上部に空間が設けられるように冷媒W2が貯留されており、タンク内の冷媒W2が熱膨張して体積が増加した場合においても、開口部33から冷媒W2が溢れ出ないように、冷媒タンク30に注入する冷媒W2の体積が決められている。
図2に示すように、燃料電池モジュール18は、筐体71の内部に、改質触媒72、バーナ74、及び燃料電池スタック76を主要な構成として備えている。
改質触媒72は、燃料ガス管20と接続されている。この改質触媒72には、脱硫器22にて硫黄化合物が吸着除去された都市ガスが燃料ガス管20を通じて供給される。この改質触媒72は、供給された都市ガス(原料ガス)を、改質水供給管26を通じて供給された改質水(凝縮水)W1を利用して水蒸気改質する。
バーナ74には、後述するスタック排ガス管80が接続されている。このバーナ74は、スタック排ガス管80を通じて供給されたバーナガス(すなわち、未反応の水素ガスを含むスタック排ガス)を燃焼し、改質触媒72を加熱する。そして、この改質触媒72では、脱硫器22から供給された都市ガスから、水素ガスを含む改質ガスが生成される。この改質ガスは、燃料ガス管75を通じて後述する燃料電池スタック76の燃料極78に供給される。
燃料電池スタック76は、固体酸化物形の燃料電池スタックであり、積層された複数の燃料電池セル81(図2では1つのみ図示)を有している。各燃料電池セル81は、電解質層82と、この電解質層82の表裏面にそれぞれ積層された燃料極78及び空気極84とを有している。
空気極84(カソード極)には、空気ブロワ86が設けられた酸化ガス管88を通じて酸化ガス(筐体16の外部の空気)が供給される。この空気極84では、下記式(1)で示されるように、酸化ガス中の酸素と電子とが反応して酸素イオンが生成される。この酸素イオンは、電解質層82を通って燃料極78に到達する。
(空気極反応)
1/2O+2e → O2− …(1)
一方、燃料極78では、下記式(2)及び式(3)で示されるように、電解質層82を通ってきた酸素イオンが改質ガス中の水素及び一酸化炭素と反応し、水(水蒸気)及び二酸化炭素と、電子が生成される。燃料極78で生成された電子は、外部回路を通って空気極84に到達する。そして、このようにして電子が燃料極78から空気極84に移動することにより、各燃料電池セル81において発電される。また、各燃料電池セル81は、発電時に以上の化学反応に伴って発熱する。
(燃料極反応)
+O2− → HO+2e …(2)
CO+O2− → CO+2e …(3)
燃料電池スタック76に接続されたスタック排ガス管80の上流側は、燃料極排ガス管90及び空気極排ガス管92に分岐されており、この燃料極排ガス管90及び空気極排ガス管92は、燃料極78及び空気極84にそれぞれ接続されている。燃料極78から排出された燃料極排ガスと、空気極84から排出された空気極排ガスとは、燃料極排ガス管90及び空気極排ガス管92を通じて排出されると共に、スタック排ガス管80内にて混合されてスタック排ガスとされる。このスタック排ガスは、燃料極排ガスに含まれる未反応の水素ガスを含んでおり、上述の通り、バーナ74にバーナガスとして供給される。なお、このバーナ74に、バーナ排ガスを排気熱交換器31へ排出する第1排ガス管32が接続されている。
なお、図1に示す制御装置70は、インバータ68より電力が供給され、冷媒タンク付き燃料電池ユニット12の電装部品、例えば、改質水ポンプ28、熱回収ポンプ40、ラジエータファン43、予熱ポンプ50、補水弁60、及び混合弁62等の制御を行う。
図1に示すバックアップ熱源機ユニット14は、冷媒タンク付き燃料電池ユニット12から供給された湯を更に加熱して排出可能となっており、筐体93の内部は一般的な瞬間湯沸し器と同様の構成とされる。すなわち、バックアップ熱源機ユニット14の内部には、熱交換器94、配管96、配管98、バーナ100、燃料ガス管102、分岐管104、混合弁106、配管108、温度センサ109、及び制御装置110等が設けられている。
配管96は、冷媒タンク付き燃料電池ユニット12からの湯を熱交換器94に供給する。バーナ100は、熱交換器94を加熱する加熱装置の一例である。燃料ガス管102は、バーナ100に燃料ガスを供給する。配管98は、熱交換器94を通った湯を排出する。混合弁106は、配管96の途中に接続された分岐管104と配管98とに接続される。配管108は、混合弁106から湯を排出する。温度センサ109は、排出される湯の温度を計測する。制御装置110は、混合弁106及びバーナ100等を制御する。
なお、冷媒タンク付き燃料電池ユニット12の燃料ガス管20、及び、バックアップ熱源機ユニット14の燃料ガス管102には、都市ガスのガス供給管112が接続されている。また、冷媒タンク付き燃料電池ユニット12の上水排出配管64とバックアップ熱源機ユニット14の配管96とは、接続配管114で接続されている。さらに、バックアップ熱源機ユニット14の配管108には、住宅の水機器に向けて湯を送る配管116が接続されている。
次に、本実施形態の燃料電池システム10の動作について説明する。
本実施形態に係る燃料電池システム10では、改質触媒72から燃料ガスが燃料電池スタック76の燃料極78に供給されると共に、空気ブロワ86が作動して酸化ガス管88から酸化ガスとしての空気が燃料電池スタック76の空気極84に供給される。この燃料電池スタック76において燃料ガス及び酸化ガスが反応し発電する。
この発電に伴い燃料電池スタック76からは、未反応の水素ガスを含むスタック排ガスが排出され、このスタック排ガスは、バーナガスとしてバーナ74にて燃焼され、このバーナ74からは、バーナ排ガスが排出される。このバーナ排ガスは、水蒸気を含んでおり、第1排ガス管32を通じて排気熱交換器31に供給される。
この排気熱交換器31では、バーナ排ガスと冷媒タンク30から供給された冷媒W2との間で熱交換がなされ、冷媒W2が加熱されると共に、バーナ排ガスに含まれる水蒸気が凝縮される。排気熱交換器31で生成された凝縮水(蒸留水)は、改質水W1として改質水タンク24に回収される。改質水タンク24に回収された改質水は、改質水供給管26を通じて改質触媒72に供給され、この改質触媒72にて水蒸気改質用の水蒸気として利用される。なお、水分の除去されたバーナ排ガスは、第2排ガス管34を介して外部に排出される。
図3は、本実施形態に係る制御装置70の構成の一例を示すブロック図である。
図3に示すように、制御装置70は、制御部142及び記憶部144を含む電子回路によって構成されている。
記憶部144には、熱回収ポンプ40、予熱ポンプ50、及びラジエータファン43の各々の動作を制御するためのプログラム144Aが予め記憶されている。プログラム144Aは、例えば、制御装置70に予めインストールされていてもよい。プログラム144Aは、不揮発性の記憶媒体に記憶して、又は、ネットワークを介して配布して、制御装置70に適宜インストールすることで実現してもよい。なお、不揮発性の記憶媒体の例としては、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、光磁気ディスク、HDD(Hard Disk Drive)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、フラッシュメモリ、メモリカード等が挙げられる。
制御部142は、CPU(Central Processing Unit)を含み、記憶部144に記憶されているプログラム144Aを読み出して実行することにより、判定部142A及び運転制御部142Bとして機能する。
本実施形態に係る判定部142Aは、排気熱交換器31から流出する冷媒W2の流出温度T2が第1目標温度であり、かつ、排気熱交換器31に流入する冷媒W2の流入温度T1が第1目標温度よりも低い第1設定温度以上であるか否かを判定する。目標温度とは、冷媒タンク30中の冷媒W2が蓄熱量の少ない状態(冷水)から蓄熱量が最大の満蓄状態になる前までに蓄熱を行うときに流出温度T2(熱回収温度)の目標となる温度であり、一例として、50℃以上70℃以下の範囲で設定される。蓄熱量が少ない状態では、流出温度T2を第1目標温度にして冷媒W2が蓄熱される。そして、満蓄状態に近づくと、流入温度T1が高くなり第1設定温度以上となる。つまり、第1設定温度は、冷媒W2が満蓄状態に近いか否かを判定するための閾値となる温度である。例えば、第1目標温度を60℃とした場合、第1設定温度は、(60-α)℃とされる。なお、満蓄状態とは、目標温度毎に、蓄熱量が最大となる状態を意味する。
運転制御部142Bは、判定部142Aにより、流出温度T2が第1目標温度であり、かつ、流入温度T1が第1設定温度以上であると判定された場合に、熱回収ポンプ40の冷媒W2の送出量を制御する。この送出量の制御により、冷媒W2の流出温度T2を第1目標温度よりも高い第2目標温度とする。第1目標温度を一例として60℃とした場合、第2目標温度は一例として65℃とされる。なお、これらの第1目標温度、第2目標温度、及び第1設定温度の情報は、予め記憶部144に記憶されている。
ここで、熱回収ポンプ40の冷媒W2の送出量を少なくする制御を行うと、排気熱交換器31を流れる冷媒W2の単位時間当たりの流量が減少し、冷媒W2の流出温度T2は上昇する。一方、熱回収ポンプ40の冷媒W2の送出量を多くする制御を行うと、排気熱交換器31を流れる冷媒W2の単位時間当たりの流量が増加し、冷媒W2の流出温度T2は低下する。つまり、運転制御部142Bは、熱回収ポンプ40の冷媒W2の送出量を少なくする制御を行い、流出温度T2を高めて第2目標温度にする。
さらに、運転制御部142Bは、流出温度T2が第2目標温度であり、かつ、流入温度T1が第2設定温度以上の場合に、熱回収ポンプ40の冷媒W2の送出量を制御することにより、流出温度T2を第2目標温度よりも高い第3目標温度にする。なお、第2設定温度は、第1設定温度よりも高く、第2目標温度よりも低い。例えば、第1設定温度を(60-α)℃、第2目標温度を65℃とした場合、第2設定温度は、(65-β)℃とされる。なお、αとβは、同じでもよいし、異なっていてもよい。第2目標温度を一例として65℃とした場合、第3目標温度は一例として70℃とされる。これらの第3目標温度及び第2設定温度の情報は、予め記憶部144に記憶されている。
本実施形態に係る燃料電池システム10によれば、熱回収ポンプ40を制御することで、冷媒タンク30に収容された冷媒W2の蓄熱状態に応じて排気熱交換器31から流出する冷媒の流出温度T2を変化させない場合と比べ、効率の良い熱回収が行える。熱回収温度、すなわち、排気熱交換器31から排出される冷媒W2の流出温度T2が高いほど、多くの熱を冷媒タンク30に蓄えることができる。しかし一方で、排気熱交換器31において冷媒W2とバーナ排ガスとの温度差が小さくなるため、単位時間当たりの熱回収量(熱回収速度)は減少する。
逆に、冷媒W2の流出温度T2を低くすると、冷媒タンク30に蓄える熱は少なくなるが、排気熱交換器31において冷媒W2とバーナ排ガスとの温度差が大きくなるため、単位時間当たりに多くの熱を回収することができる。
よって、冷媒タンク30内の冷媒W2の蓄熱量が少ないときには流出温度T2を低めに制御し、素早くバーナ排ガスの熱を回収する。一方、冷媒タンク30内の冷媒W2が満蓄に近づいてきたら流出温度T2を上昇させて冷媒タンク30の蓄熱量を増やすことで、バーナ排ガスからの熱をより多く利用することが可能となる。
例えば、給湯経路121から排出される上水(湯)は、バックアップ熱源機ユニット14を介して外部機器で利用される。ここでいう外部機器としては、住宅に設置され、湯を利用する水機器全般が含まれる。外部機器で湯を利用する場合、外部機器から制御装置70に給湯指令が送られる。制御装置70の運転制御部142Bは、外部機器からの給湯指令に応じて、予熱ポンプ50を動作させる制御を行う。給湯指令に応じて予熱ポンプ50を動作させることで、冷媒タンク30内の冷媒W2の温度上昇を抑制することができる。すなわち、冷媒W2の流入温度T1の上昇を抑制することができる。このため、例えば、第2設定温度になるまでの時間を長く取ることが可能となる。これにより、冷媒W2の流出温度T2が比較的低い状態で、素早くバーナ排ガスの熱を回収することができる。
図4は、本実施形態に係る冷媒タンク30内の冷媒W2に形成される温度層の一例を示す図である。なお、実際には温度層間に温度勾配が存在するが、説明の便宜上、温度勾配は無視するものとする。
図4の(S1)に示すように、冷媒タンク30に収容された冷媒W2は、流出温度T2(熱回収温度)を第1目標温度Ta(例えば60℃)にして蓄熱が開始される。(S1)では、冷媒タンク30に収容された冷媒W2には、冷水からなる第1温度層30Pが形成されている。
(S2)に示すように、第1目標温度Taでの冷媒W2の蓄熱が進むと、冷媒タンク30内の冷媒W2には2つの温度層が形成される。つまり、冷媒タンク30の下側の冷媒W2には冷水からなる第1温度層30Pが形成され、冷媒タンク30の上側の冷媒W2には第1目標温度Taに加熱された水からなる第2温度層30Qが形成される。
(S3)に示すように、第1目標温度Taでの冷媒W2の蓄熱が更に進むと、冷媒タンク30内での冷媒W2は、第1目標温度Taに加熱された水からなる第2温度層30Qのみで形成される。第1目標温度Taでの冷媒W2の満蓄が近づくと、冷媒W2の流入温度T1が上昇し、第1設定温度(例えば(60-α)℃)以上となる。この場合、熱回収温度を第1目標温度Taから第2目標温度Tb(例えば65℃)に昇温させる。
(S4)に示すように、第2目標温度Tbでの冷媒W2の蓄熱が進むと、冷媒タンク30内の冷媒W2には2つの温度層が形成される。つまり、冷媒タンク30の下側の冷媒W2には第1目標温度Taに加熱された水からなる第2温度層30Qが形成され、冷媒タンク30の上側の冷媒W2には第2目標温度Tbに加熱された水からなる第3温度層30Rが形成される。
(S5)に示すように、第2目標温度Tbでの冷媒W2の蓄熱が更に進むと、冷媒タンク30内の冷媒W2は、第2目標温度Tbに加熱された水からなる第3温度層30Rのみで形成される。第2目標温度Tbでの冷媒W2の満蓄が近づくと、冷媒W2の流入温度T1が上昇し、第2設定温度(例えば(65-α)℃)以上となる。この場合、熱回収温度を第2目標温度Tbから第3目標温度Tc(例えば70℃)に昇温させる。
(S6)に示すように、第3目標温度Tcでの冷媒W2の蓄熱が進むと、冷媒タンク30内の冷媒W2には2つの温度層が形成される。つまり、冷媒タンク30の下側の冷媒W2には第2目標温度Tbに加熱された水からなる第3温度層30Rが形成され、冷媒タンク30の上側の冷媒W2には第3目標温度Tcに加熱された水からなる第4温度層30Sが形成される。
(S7)に示すように、第3目標温度Tcでの冷媒W2の蓄熱が更に進むと、冷媒タンク30内の冷媒W2は、第3目標温度Tcに加熱された水からなる第4温度層30Sのみで形成される。第3目標温度Tcでの冷媒W2の満蓄が近づくと、冷媒W2の流入温度T1が上昇し、第3設定温度(例えば(70-γ)℃)以上となる。この場合、例えば、ラジエータファン43を作動させ、ラジエータ42から放熱を行うことで、冷媒W2の温度を所定の温度まで低下させる。
上記の例では、流出温度T2を60℃以上70℃以下の範囲で5℃の間隔で制御した場合について示したが、流出温度T2の範囲や制御の間隔は、これに限定されるものではない。
ここで、冷媒タンク30内の冷媒W2の蓄熱の途中で、外部機器からの給湯指令が有り、少量の熱が利用された場合を想定する。このとき、冷媒タンク30の上部に所定割合以上の高温層(例えば第3温度層30R)が残っていれば、図4の(S8)〜(S10)に示すように、温度層の状態を保持しながら、高温層の温度(例えば第2目標温度Tb)から冷媒W2の蓄熱処理を継続して行う。
一方、冷媒タンク30内の冷媒W2の蓄熱の途中で、外部機器から給湯指令が有り、多くの熱が利用された場合を想定する。このとき、冷媒タンク30に所定割合以上の高温層が残っていなければ、図4の(S11)〜(S13)に示すように、再度、流出温度T2を第1目標温度Taにして蓄熱を開始する。
次に、図5及び図6を参照して、本実施形態に係る制御装置70の作用を説明する。なお、図5は、本実施形態に係るプログラム144Aによるポンプ制御処理の一例を示すフローチャートである。図6は、本実施形態に係るプログラム144Aによるポンプ制御処理の割込処理の一例を示すフローチャートである。
制御部142は、例えば、利用者により燃料電池システム10の運転開始が指示された場合に、記憶部144に記憶されているプログラム144Aを読み出して実行する。
まず、図5のステップ200では、運転制御部142Bが、熱回収ポンプ40の冷媒W2の送出量を制御することにより、流出温度T2(熱回収温度)を第1目標温度Taにして冷媒タンク30の冷媒W2に蓄熱を開始させる。
ステップ202では、判定部142Aが、流出温度T2の更新指示(割込み指示)が有ったか否かを判定する。流出温度T2の更新指示が有ったと判定した場合(肯定判定の場合)、ステップ204に移行し、流出温度T2の更新指示が無いと判定した場合(否定判定の場合)、ステップ208に移行する。
ステップ204では、判定部142Aが、流出温度T2が第1目標温度Taであるか否かを判定する。流出温度T2が第1目標温度Taであると判定した場合(肯定判定の場合)、ステップ208に移行し、流出温度T2が第1目標温度Taではないと判定した場合(否定判定の場合)、ステップ206に移行する。
ステップ206では、運転制御部142Bが、流出温度T2を第1目標温度Taに更新し、流出温度T2が第1目標温度Taとなるように熱回収ポンプ40の冷媒W2の送出量を制御する。
ステップ208では、判定部142Aが、流出温度T2が第3目標温度Tc(本実施形態での上限温度)であるか否かを判定する。流出温度T2が第3目標温度Tcではないと判定した場合(否定判定の場合)、ステップ210に移行し、流出温度T2が第3目標温度Tcであると判定した場合(肯定判定の場合)、ステップ222に移行する。
ステップ210では、判定部142Aが、ラジエータファン43が作動中であるか否かを判定する。ラジエータファン43が作動中と判定した場合(肯定判定の場合)、ステップ212に移行し、ラジエータファン43が作動中でない、つまり、停止中と判定した場合(否定判定の場合)、ステップ214に移行する。
ステップ212では、運転制御部142Bが、ラジエータファン43を停止させる。
ステップ214では、判定部142Aが、流入温度T1が第1設定温度以上であるか否かを判定する。流入温度T1が第1設定温度以上であると判定した場合(肯定判定の場合)、ステップ216に移行し、流入温度T1が第1設定温度未満であると判定した場合(否定判定の場合)、ステップ202に戻り処理を繰り返す。
ステップ216では、判定部142Aが、流入温度T1が第2設定温度以上であるか否かを判定する。流入温度T1が第2設定温度未満であると判定した場合(否定判定の場合)、ステップ218に移行し、流入温度T1が第1設定温度以上であると判定した場合(肯定判定の場合)、ステップ220に移行する。
ステップ218では、運転制御部142Bが、流出温度T2が第1目標温度Taよりも高い第2目標温度Tbとなるように熱回収ポンプ40の冷媒W2の送出量を制御し、ステップ202に戻り処理を繰り返す。
一方、ステップ220では、運転制御部142Bが、流出温度T2が第2目標温度Tbよりも高い第3目標温度Tcとなるように熱回収ポンプ40の冷媒W2の送出量を制御し、ステップ202に戻り処理を繰り返す。
また、ステップ222では、判定部142Aが、流入温度T1が第3設定温度以上であるか否かを判定する。流入温度T1が第3設定温度以上であると判定した場合(肯定判定の場合)、ステップ224に移行し、流入温度T1が第3設定温度未満であると判定した場合(否定判定の場合)、ステップ226に移行する。
ステップ224では、運転制御部142Bが、ラジエータファン43を作動させ、ラジエータ42から放熱を行い、冷媒W2の温度を所定の温度まで低下させる。その後、ステップ202に戻り処理を繰り返す。
一方、ステップ226では、判定部142Aが、ラジエータファン43が作動中であるか否かを判定する。ラジエータファン43が作動中と判定した場合(肯定判定の場合)、ステップ228に移行し、ラジエータファン43が作動中でない、つまり、停止中と判定した場合(否定判定の場合)、ステップ202に戻り処理を繰り返す。
ステップ228では、運転制御部142Bが、ラジエータファン43を停止させ、ステップ202に戻り処理を繰り返す。
なお、本実施形態に係る制御装置70は、利用者による運転終了の指示を受け付けるまで、上記の一連の処理を繰り返し実行するものとする。
次に、図6のステップ300では、制御部142が、図5のステップ200〜ステップ228までの処理中に、冷媒タンク30内の冷媒W2に蓄積された熱の利用が有ったか否かを判定する。熱の利用が有ったと判定した場合(肯定判定の場合)ステップ302に移行し、熱の利用が無いと判定した場合(否定判定の場合)、ステップ300で待機となる。なお、熱の利用が有ったか否かの判定は、例えば、外部機器からの給湯指令を受け付けたか否かで判定される。
ステップ302では、制御部142が、冷媒タンク30のタンク蓄熱残量を計算する。
ステップ304では、制御部142が、ステップ302で計算したタンク蓄熱残量が予め定められた設定値Q0よりも小さいか否かを判定する。タンク蓄熱残量が予め定められた設定値Q0よりも小さいと判定した場合(肯定判定の場合)、ステップ306に移行し、タンク蓄熱残量が予め定められた設定値Q0以上であると判定した場合(否定判定の場合)、ステップ300に戻り処理を繰り返す。
ステップ306では、制御部142が、判定部142Aに対して、流出温度T2を第1目標温度Taに更新する指示(割込み指示)を行い、ステップ300に戻り処理を繰り返す。本実施形態においては、この割込み指示が、上述のステップ202での処理で検知される。
なお、本実施形態に係る燃料電池システム10では、上述のように、冷媒W2の流入温度T1がある程度の高温となり、低下させる必要がある場合にはラジエータファン43を作動させる。なお、運転制御部142Bは、流入温度T1の他に、温度センサ65からの外気温の測定データや、液面レベルセンサ24Aからの改質水タンク24の改質水W1の液面レベルの測定データに基づいて、ラジエータファン43の動作を制御してもよい。ラジエータファン43の動作を制御することで、排気熱交換器31に流入させる冷媒W2の温度を低下させることができ、これにより、排気熱交換器31で生成される改質水W1の量を増加させることができる。
また、本実施形態に係る燃料電池システム10では、冷媒タンク30の冷媒W2を給湯に用いておらず、冷媒W2と、給湯に用いる上水とを分離している。このため、湯の使用によって冷媒タンク30内の冷媒W2の量が変化することが無く、冷媒タンク30内の冷媒W2の量を制御する必要が無い。また、冷媒タンク30内の冷媒W2が外部と分離されているため、冷媒W2の選択肢が広がり、温度帯に応じて冷媒W2を選択することができる。この場合、例えば、潜熱蓄熱材の使用も可能となる。更には、排気熱交換器31に上水による水圧がかからないため、排気熱交換器31の薄肉化が可能となり、性能向上、軽量化、低コスト化することが可能となる。
また、冷媒タンク30の天井壁30Aには、内部と外部とを連通する開口部33が設けられている。このため、冷媒タンク30内の冷媒W2が温度上昇に伴って膨張しても、冷媒W2の上の空気は開口部33から外部へ排出されるので、タンク内の圧力上昇を抑制することができる。
したがって、冷媒タンク30内の圧力上昇を抑えるために、冷媒タンク30内の冷媒W2を外部へ排出する必要が無い。すなわち、冷媒タンク30から外部への排水が無いため、冷媒W2を外部へ排水するための経路を必要とせず、燃料電池システム10のコンパクト化を図ることができる。また、冷媒W2を外部へ排水するための経路を排水配管(下水)に繋ぐ現場工事も必要としない。
また、暖められた冷媒タンク30の冷媒W2は、上水熱交換器44で、外部より供給された上水との間で熱交換を行うことができる。予熱ポンプ50を動作させることで、第2循環経路120は、冷媒タンク30と上水熱交換器44との間で冷媒W2を循環させるため、外部の上水道から供給された上水は、上水熱交換器44で加熱されて暖められる。
混合弁62は、上水熱交換器44で加熱された上水に、外部の上水道から供給された冷たい上水を混合して排出することができ、また、上水熱交換器44で加熱された上水をそのまま排出することもできる。混合弁62は、制御部142からの制御信号に基づいて、上水熱交換器44で加熱された上水と、外部の上水道から供給された冷たい上水との混合比を調整して排出することができる。
バックアップ熱源機ユニット14は、例えば、冷媒タンク30の冷媒W2の温度が低く、上水熱交換器44から排出される上水の温度が低い場合等に、冷媒タンク付き燃料電池ユニット12から供給される上水を更に加熱することができる。また、バックアップ熱源機ユニット14は、図示しない住宅の風呂の追い炊きをする場合に使用することもできる。
本実施形態に係る燃料電池システム10は、冷媒タンク付き燃料電池ユニット12と、冷媒タンク付き燃料電池ユニット12とは別体のバックアップ熱源機ユニット14の2つのユニットで構成されている。このため、燃料電池ユニットとバックアップ熱源機ユニットとを一体化した1つのユニット構成のものと比較して、冷媒タンク付き燃料電池ユニット12及びバックアップ熱源機ユニット14の各々の質量が軽量化され、サイズも小さくなる。すなわち、各ユニットを小型化及び軽量化することができ、運搬性を向上させることができる。また、ユニット1個当たりの設置面積を小さくできるので、設置の自由度が向上する。
冷媒タンク付き燃料電池ユニット12においては、冷媒タンク30と上水熱交換器44とが、同じ筐体16の内部に配置されている。このため、冷媒タンク30と上水熱交換器44とを別体の筐体に配置した場合に比較して、上水熱交換器44を冷媒タンク30の近くに配置できる。さらに、上水熱交換器44と冷媒タンク30とを連結する第2送出し側配管46及び第2戻し側配管48からの熱の放出、すなわち、熱ロスを抑制することができる。
本実施形態に係る燃料電池システム10では、冷媒タンク30が、住宅に供給される上水と独立した系に設けられており、上述したように、住宅への給湯の有無により冷媒W2の量が変わらない。すなわち、冷媒タンク30の冷媒W2を住宅の水機器に供給しないので、タンク内の冷媒W2が空になる事は無く、また、上水熱交換器44で暖めた新鮮な上水を住宅の水機器に供給することが出来る。
以上、実施形態として燃料電池システム及びその制御装置を例示して説明した。実施形態は、制御装置が備える各部の機能をコンピュータに実行させるためのプログラムの形態としてもよい。実施形態は、このプログラムを記憶したコンピュータが読み取り可能な記憶媒体の形態としてもよい。
その他、上記実施形態で説明した制御装置の構成は、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において状況に応じて変更してもよい。
また、上記実施形態で説明したプログラムの処理の流れも、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。
また、上記実施形態では、プログラムを実行することにより、実施形態に係る処理がコンピュータを利用してソフトウェア構成により実現される場合について説明したが、これに限らない。実施形態は、例えば、ハードウェア構成や、ハードウェア構成とソフトウェア構成との組み合わせによって実現してもよい。
10 燃料電池システム
12 冷媒タンク付き燃料電池ユニット
14 バックアップ熱源機ユニット
16 筐体
17 発電部
18 燃料電池モジュール
19 冷媒加熱部
20 燃料ガス管
21 上水加熱部
22 脱硫器
24 改質水タンク
24A 液面レベルセンサ
26 改質水供給管
28 改質水ポンプ
30 冷媒タンク
30A 天井壁
30P、30Q、30R、30S 第1〜第4温度層
31 排気熱交換器
32 第1排ガス管
33 開口部
34 第2排ガス管
35 排水管
36 第1送出し側配管
38 第1戻し側配管
40 熱回収ポンプ
42 ラジエータ
43 ラジエータファン
44 上水熱交換器
46 第2送出し側配管
48 第2戻し側配管
50 予熱ポンプ
52 上水供給配管
54 上水分岐配管
56 給湯配管
58 給湯分岐配管
60 補水弁
62 混合弁
64 上水排出配管
65 温度センサ
68 インバータ
70 制御装置
71 筐体
72 改質触媒
74 バーナ
75 燃料ガス管
76 燃料電池スタック
78 燃料極
80 スタック排ガス管
81 燃料電池セル
82 電解質層
84 空気極
86 空気ブロワ
88 酸化ガス管
90 燃料極排ガス管
92 空気極排ガス管
118 第1循環経路
120 第2循環経路
121 給湯経路
131 第1温度センサ
132 第2温度センサ
142 制御部
142A 判定部
142B 運転制御部
144 記憶部
144A プログラム

Claims (6)

  1. 燃料ガスと改質水とが供給されて発電を行う燃料電池と、
    前記燃料電池の排気と冷媒との間で熱交換を行う排気熱交換器と、
    前記排気熱交換器へ供給する前記冷媒を貯留する冷媒タンクと、
    前記冷媒タンクと前記排気熱交換器との間で前記冷媒を循環させる第1循環経路と、
    前記第1循環経路の前記排気熱交換器の前段に設けられ、前記第1循環経路に前記冷媒を送出する第1ポンプと、
    前記冷媒タンクから供給される前記冷媒と外部より供給された上水との間で熱交換を行う上水熱交換器と、
    前記冷媒タンクと前記上水熱交換器との間で前記冷媒を循環させる第2循環経路と、
    前記上水熱交換器で加熱された前記上水を排出する排出経路と、
    前記排気熱交換器から流出する前記冷媒の流出温度が第1目標温度であり、かつ、前記排気熱交換器に流入する前記冷媒の流入温度が前記第1目標温度よりも低い第1設定温度以上の場合に、前記第1ポンプの前記冷媒の送出量を減少させる制御を行うことにより、前記流出温度を前記第1目標温度よりも高い第2目標温度にする制御部を含む制御装置と、
    を備えた燃料電池システム。
  2. 前記制御部は、前記流出温度が前記第2目標温度であり、かつ、前記流入温度が前記第1設定温度よりも高く前記第2目標温度よりも低い第2設定温度以上の場合に、前記第1ポンプの前記冷媒の送出量を減少させる制御を行うことにより、前記流出温度を前記第2目標温度よりも高い第3目標温度にする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記第2循環経路に設けられ、前記第2循環経路に前記冷媒を送出する第2ポンプを更に備え、
    前記制御部は、外部機器からの給湯指令に応じて、前記第2ポンプを動作させる制御を行う請求項1又は2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記第1循環経路に設けられたラジエータと、
    前記制御部からの制御に従って、前記ラジエータへの送風を行うラジエータファンと、
    を更に備えた請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  5. 燃料ガスと改質水とが供給されて発電を行う燃料電池と、
    前記燃料電池の排気と冷媒との間で熱交換を行う排気熱交換器と、
    前記排気熱交換器へ供給する前記冷媒を貯留する冷媒タンクと、
    前記冷媒タンクと前記排気熱交換器との間で前記冷媒を循環させる第1循環経路と、
    前記第1循環経路の前記排気熱交換器の前段に設けられ、前記第1循環経路に前記冷媒を送出する第1ポンプと、
    前記冷媒タンクから供給される前記冷媒と外部より供給された上水との間で熱交換を行う上水熱交換器と、
    前記冷媒タンクと前記上水熱交換器との間で前記冷媒を循環させる第2循環経路と、
    前記上水熱交換器で加熱された前記上水を排出する排出経路と、
    を備えた燃料電池システムの運転を制御する制御装置であって、
    前記排気熱交換器から流出する前記冷媒の流出温度が第1目標温度であり、かつ、前記排気熱交換器に流入する前記冷媒の流入温度が前記第1目標温度よりも低い第1設定温度以上の場合に、前記第1ポンプの前記冷媒の送出量を減少させる制御を行うことにより、前記流出温度を前記第1目標温度よりも高い第2目標温度にする制御部を含む制御装置。
  6. コンピュータを、請求項1〜のいずれか1項に記載の制御装置が備える制御部として機能させるためのプログラム。
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