JP6185643B2 - マーク付きコーティングガラス板及びその製造方法 - Google Patents
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互いに対向する第1主面及び第2主面を有するガラス板と、
前記ガラス板の前記第1主面上に設けられた第1コーティング膜と、
前記ガラス板の前記第2主面上に設けられた、不透明材料からなる薄膜によって形成されたマークと、
前記ガラス板の前記第2主面と前記マークの表面とで構成された面上に設けられた第2コーティング膜と、
を含み、
前記第1コーティング膜は、1.5μm以上の厚さを有し、かつ1μm以下の表面粗さRaを有する外部表面を有し、
前記マークは、5〜50μmの厚さを有し、
前記第2コーティング膜は、0.3μm以下の厚さを有する。
ただし、表面粗さRaは、JIS B 0601(2001)に準拠して求められる算術平均粗さである。
(i)互いに対向する前記第1主面及び前記第2主面を有する前記ガラス板を準備し、前記ガラス板の前記第2主面上に前記マークを形成する工程と、
(ii)前記第1主面上に、前記第1コーティング膜を形成する工程と、
を含む。
図1に、実施形態1のマーク付きコーティングガラス板1の断面図を示す。コーティングガラス板1は、ガラス板11と、コーティング膜(第1コーティング膜)12とを備える。
(i)互いに対向する第1主面11a及び第2主面11bを有するガラス板11を準備し、ガラス板11の第2主面11b上にマーク13を形成する工程と、
(ii)第1主面11a上に、コーティング膜12を形成する工程と、
を含む方法によって製造することができる。
図2に、実施形態2のマーク付きコーティングガラス板2の断面図を示す。コーティングガラス板2は、ガラス板11のマーク13付き第2主面11b上にコーティング膜(第2コーティング膜)14が設けられている。コーティングガラス板2は、コーティング膜14がさらに設けられていること以外は、実施形態1のコーティングガラス板1と同じ構成を有する。したがって、ここではコーティング膜14についてのみ説明する。
実施例1では、図1に示すコーティングガラス板1を作製した。建築用のフロート板ガラスとして市販されている厚さ3.1mmのガラス板を、100mm×100mmの大きさにホイールカッターで割断し、粒度#100の研磨砂でエッジを面取りしたガラス板を用意した。このガラス板をガラス板11として用いた。次に、ガラス板11の一方の主面(第2主面11b)に、ガラス印刷用黒色セラミックカラーを、スクリーンを用いてスクリーン印刷した(ポリエステルスクリーン:355メッシュ、コート厚さ(マーク13の厚さ):20μm、テンション:20Nm、スキージ硬度:80度、取り付け角度:75°、印刷速度:300mm/s)。このガラス印刷用黒色セラミックカラーは、黒色顔料と、ガラス板と熱融着して機械的強度を発現するためのガラスフリットと、焼成により除去可能な有機バインダと、スクリーン印刷に適した粘性を持たせるためのパインオイル等の有機溶剤とを含んでいた。本実施例で用いたスクリーンは、「L」の文字(文字高さ5mm、線の太さ250μmのゴシック体)が印刷できるように製版されたものであった。印刷後、乾燥炉にて150℃で10分間の乾燥を行うことによって、印刷されたセラミックカラーの有機溶媒を除去して流動性を低下させ、焼成までの間に印刷されたパターンの流動による変形などを予防した。乾燥後に、ガラス板11を風冷強化した。この風冷強化処理は、ガラス板11を700℃に設定した電気炉で180秒間保持して加熱した後、加熱したガラス板11に常温の空気を吹き付けて急冷することによって行なった。この風冷強化処理における加熱により、印刷されたセラミックカラーに含まれる有機バインダが焼成除去されると同時にガラスフリットが熔融してガラス板と熱融着し、黒色顔料とガラスフリットからなる「L」の文字が、ガラス板11の第2主面11b上に、厚さ20μmのマーク13として形成された。この急冷における冷却速度は、650〜550℃の温度範囲で毎秒約80〜100Kであった。別途、国際公開2012/107968号の段落[0086]に記載されている実施例A1で用いた紫外線遮蔽膜の形成溶液を、コーティング液として調整した。このコーティング液を用いて、ガラス板11のマーク13が形成されていない第1主面11a上に、国際公開2012/107968号の段落[0087]に記載されている方法でフローコーティングを行い、膜厚2μmのコーティング膜12を形成した。
実施例2では、図2に示すコーティングガラス板2を作製した。実施例1のコーティングガラス板の第2主面11b上に、マーク13を覆うようにコーティング膜14をさらに形成して、実施例2のコーティングガラス板2を得た。国際公開99/63022号に記載されている実施例1の撥水被覆用溶液を、コーティング液として調整した。このコーティング液を用いて、ガラス板11のマーク13が形成されている第2主面11b上に、国際公開99/63022号に記載されている実施例1の撥水被覆用溶液の塗布乾燥方法で、膜厚0.1μmのコーティング膜14を形成した。目視により、実施例2のコーティングガラス板2のマーク13周辺に透視歪みが生じていないことが確認された。
比較例1では、実施例1において第1主面11a上に形成したコーティング膜12と同じ膜を、第1主面11a上ではなく第2主面11b上にマーク13を覆うように形成した点以外は、実施例1と同様の方法でコーティングガラス板を作製した。比較例1では、紫外線遮蔽膜の形成溶液をフローコーティングする際に、溶液の流れがマーク13によって不均一になってしまい、形成されたコーティング膜は厚さムラを有していた。得られた比較例1のコーティングガラス板を目視にて確認したところ、マーク13周辺に透視歪みが確認された。
11 ガラス板
11a 第1主面
11b 第2主面
13 マーク
12 コーティング膜(第1コーティング膜)
21 コーティング膜(第2コーティング膜)
Claims (15)
- 互いに対向する第1主面及び第2主面を有するガラス板と、
前記ガラス板の前記第1主面上に設けられた第1コーティング膜と、
前記ガラス板の前記第2主面上に設けられた、不透明材料からなる薄膜によって形成されたマークと、
前記ガラス板の前記第2主面と前記マークの表面とで構成された面上に設けられた第2コーティング膜と、
を含み、
前記第1コーティング膜は、1.5μm以上の厚さを有し、かつ1μm以下の表面粗さRaを有する外部表面を有し、
前記マークは、5〜50μmの厚さを有し、
前記第2コーティング膜は、0.3μm以下の厚さを有する、
マーク付きコーティングガラス板。
ただし、表面粗さRaは、JIS B 0601(2001)に準拠して求められる算術平均粗さである。 - 前記第1コーティング膜は、シリカ及び機能性材料を含む、
請求項1に記載のマーク付きコーティングガラス板。 - 前記第1コーティング膜は、親水性有機ポリマーをさらに含む、
請求項2に記載のマーク付きコーティングガラス板。 - 前記第1コーティング膜は、シリカを主成分とする膜である、
請求項2に記載のマーク付きコーティングガラス板。 - 前記機能性材料が、紫外線カット剤及び赤外線カット剤の少なくとも何れか1つを含む、
請求項2〜4の何れか1項に記載のマーク付きコーティングガラス板。 - 前記第1コーティング膜は、微粒子をさらに含む、
請求項2〜5の何れか1項に記載のマーク付きコーティングガラス板。 - 前記機能性材料が微粒子の形態で含まれている、
請求項2〜6の何れか1項に記載のマーク付きコーティングガラス板。 - 前記シリカが微粒子の形態で含まれている、
請求項2〜7の何れか1項に記載のマーク付きコーティングガラス板。 - 前記微粒子は、10〜200nmの平均粒径を有する、
請求項6〜8の何れか1項に記載のマーク付きコーティングガラス板。 - 前記第1コーティング膜のヘイズ率が4%以下である、
請求項1〜9の何れか1項に記載のマーク付きコーティングガラス板。 - 前記第1コーティング膜上に形成された第3コーティング膜をさらに含む、
請求項1〜10の何れか1項に記載のマーク付きコーティングガラス板。 - 前記ガラス板は、前記第1主面が凹面側、前記第2主面が凸面側となるように湾曲した形状を有する、
請求項1〜11の何れか1項に記載のマーク付きコーティングガラス板。 - 前記マーク付きコーティングガラス板は車両用ガラス板であり、
前記第1主面が車内側、前記第2主面が車外側に位置する、
請求項1〜12の何れか1項に記載のマーク付きコーティングガラス板。 - 前記第1コーティング膜が、2μm以上の厚さを有する、
請求項1〜13の何れか1項に記載のマーク付きコーティングガラス板。 - 前記第1コーティング膜が、防曇膜である、
請求項1〜14の何れか1項に記載のマーク付きコーティングガラス板。
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