JP6184685B2 - 帯電防止靴 - Google Patents
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Description
特に冬場においては静電気が身体に帯電した状態でドアノブ等にさわると、スパークが生じて非常な不快感を味わうことになる。また精密電子部品製造工場や、引火性物質を扱う工場等においても静電気によって引き寄せられた塵埃による不良部品の発生や、静電気のスパークによる火災を引き起こす等の虞れがある。
静電気による上記した問題を解決することを目的として、静電気を靴底部から流すように構成された靴が種々提案されている。
特許文献3ないし5は、履き心地を改善するために、導電性の甲皮裏布を使用することを特徴とする靴を提案している。
また、履き心地を改善するために、インソールを使用しようとすると、インソールにも導通部を形成する必要が生じ、結果としてコスト高となり、また、市販のインソールを使用すると導電性能が十分に発揮できなくなるという問題が生じる。
特許文献3ないし5に記載の靴は、足⇒導電性甲皮裏布⇒中底導電部⇒導電性靴底という導電経路を確保しており、中底の踏み付け部に導電部を形成しなくても、導通が図れるという利点を有するものであった。
しかし、特許文献3ないし5に記載の靴は、甲皮裏布全体を導電性とする必要があったり、また、ミッドソール、中底及びインソール等に導電部を形成する必要があり、そのため、コスト高となったり、製造工程が多くなって作業が煩雑となったりするという問題があった。
本発明は、上記問題を解決し得る帯電防止靴の提供を課題とし、具体的には、ミッドソール、中底及びインソールに導電部を形成する必要がなく且つ裏胛被材の一部を導通構造とする簡易な構造で、身体に帯電した静電気を靴底部から大地等へ流すことができる帯電
防止靴の提供を課題とする。
1)前記導電性を有する部材を、表胛被材の裏側から表胛被材の表側に露出するようにし、次いで、該露出した部分を、アウトソールの前記立上がり部で覆われるように配設し、そして、該露出した部分と該立上がり部を接合するか、又は
2)前記導電性を有する部材と表胛被材とを重ねて導電糸で縫い合わせて一体とし、そして、表胛被材の表面側に現われた、該導電糸の縫い目を、アウトソールの前記立上がり部で覆うように、一体となった導電性を有する部材及び表胛被材と該立上がり部とを接合することにより、ミッドソール、中底及びインソールに導電部を形成する必要がなく且つ裏胛被材の一部を導通構造とする簡易な構造としても、身体に帯電した静電気を十分に靴底部から大地等へ流し得ることを見出し、本発明を完成させた。
[1]胛被並びに中底、ミッドソール及びアウトソール又はインソール、中底、ミッドソール及びアウトソールからなる靴底で構成され、該胛被は、少なくとも表胛被材及び裏胛被材を含んで構成される帯電防止靴であって、
前記アウトソールは導電性を有する材料からなり、該アウトソールの少なくとも一部は靴側面の表胛被材上にまで延びて立上がり部を形成し、少なくとも該立上がり部と相対する部位の裏胛被材が導電性を有する部材から構成され、そして、
1)前記導電性を有する部材は、表胛被材の裏側から表胛被材の表側に露出するようにし、該露出した部分が、アウトソールの前記立上がり部で覆われるように配設され、そして、該露出した部分と該立上がり部が接合されてなるか、又は
2)前記導電性を有する部材と表胛被材を重ね、導電糸で縫い合わせて一体とされ、そして、表胛被材の表面側に現われた、該導電糸の縫い目を、アウトソールの前記立上がり部で覆うように、一体となった導電性を有する部材及び表胛被材と該立上がり部とが接合されてなる、静電気の帯電を防止する帯電防止靴、
[2]前記導電性を有する部材が、表胛被材の裏側に、表胛被材の下端縁からはみ出し又は表胛被材にスリットを形成しそこからはみ出させ、次いで、該はみ出し部分が表胛被材の表側に折り返されて、表胛被材の裏側から表胛被材の表側に露出するようにしてなる前記[1]記載の帯電防止靴、
[3]前記導電性を有する部材は、導電布である前記[1]又は[2]記載の帯電防止靴、
[4]前記導電性を有する部材は、導電糸のステッチが施された布である前記[1]又は[2]記載の帯電防止靴、
[5]前記導電糸のステッチが施された布の表胛被材側の面に、導電糸のステッチを覆うように導電性接着剤を塗布または含浸させてなる前記[4]記載の帯電防止靴、
[6]前記アウトソールは、爪先部で靴側面の表胛被材上にまで延びて立上がり部を形成する前記[1]ないし[5]の何れか1つに記載の帯電防止靴、
[7]前記アウトソールは、靴の内側で靴側面の表胛被材上にまで延びて立上がり部を形成する前記[1]ないし「5」の何れか1つに記載の帯電防止靴、
[8]前記アウトソールは、靴の外側で靴側面の表胛被材上にまで延びて立上がり部を形成する前記[1]ないし[5]の何れか1つに記載の帯電防止靴、
[9]前記アウトソールは、踵部で靴側面の表胛被材上にまで延びて立上がり部を形成する前記[1]ないし[5]の何れか1つに記載の帯電防止靴、
に関するものである。
特に、本発明の帯電防止靴は、裏胛被材の一部に変更を加える以外は、通常の靴の製造法と同様の作業を行うことで製造することができるため、従来の帯電防止靴、例えば、裏胛被材の全体を導電性とする必要があったり、また、ミッドソール、中底及びインソール等に導電部を形成する必要があるような帯電防止靴の製造方法に比して、遥かに作業工程の少ない製造方法とすることができるため有利である。
また、本発明の帯電防止靴は、簡易な構造で作成できるため、より安価な一般靴への応用が期待できるものである。
また、インソールが交換可能となるため、靴の履き心地の向上、運動パフォーマンスの向上等を目的としたインソールの交換が可能となる。
本発明は、胛被並びに中底、ミッドソール及びアウトソール又はインソール、中底、ミッドソール及びアウトソールからなる靴底で構成され、該胛被は、少なくとも表胛被材及び裏胛被材を含んで構成される帯電防止靴であって、
前記アウトソールは導電性を有する材料からなり、該アウトソールの少なくとも一部は靴側面の表胛被材上にまで延びて立上がり部を形成し、少なくとも該立上がり部と相対する部位の裏胛被材が導電性を有する部材から構成され、そして、
1)前記導電性を有する部材は、表胛被材の裏側から表胛被材の表側に露出するようにし、該露出した部分が、アウトソールの前記立上がり部で覆われるように配設され、そして、該露出した部分と該立上がり部が接合されてなるか、又は
2)前記導電性を有する部材と表胛被材を重ね、導電糸で縫い合わせて一体とされ、そして、表胛被材の表面側に現われた、該導電糸の縫い目を、アウトソールの前記立上がり部で覆うように、一体となった導電性を有する部材及び表胛被材と該立上がり部とが接合されてなる、静電気の帯電を防止する帯電防止靴に関する。
表胛被材としては、一般に、天然皮革、塩化ビニルレザー、ポリウレタン系合成皮革、人工皮革、天然繊維、再生繊維、合成繊維等を用いた布帛等により構成され得る。
裏胛被材のうち、導電性を有する部材以外の部分の裏胛被材としては、一般に、非導電性の繊維で構成された織布、編布等の布帛によって構成され得る。
上記通常の非導電性の繊維としては、例えば、羊毛、絹、木綿、麻等の天然繊維、ポリアミド、レーヨン等の半合成繊維、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンもしくはポリアミド等の合成繊維、ポリアセテート等のその他の繊維等が挙げられる。
中間材としてはクッション性のあるポリウレタンフォーム等の合成樹脂発泡体や嵩高な布帛等が使用され得る。
本発明の帯電防止靴における中底としては、一般にパルプ系素材、繊維素材に合成樹脂を含浸した素材、皮革、コルク、ゴム等が使用され得る。
本発明の帯電防止靴におけるミッドソールとしては、一般にクッション性を有する素材が使用され、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ゴム含有EVA、ポリウレタン(PU)、ポリエチレン(PE)等の合成樹脂発泡体や、コルク等の木質材料、合成樹脂にコルク、繊維を混合した物等が使用され得る。
本発明の帯電防止靴におけるアウトソールは、導電性を有する材料から構成されるものであり、例えば、金属粉末、カーボンブラック等の導電性粉末又は、界面活性剤等を合成ゴム、天然ゴム、ポリウレタン樹脂配合物、エラストマー配合物等に混合したものが挙げられる。
本発明の帯電防止靴における導電性を有する部材としては、導電布、導電糸のステッチが施された布、導電性接着剤を塗布又は混合した合成樹脂発泡体や合成樹脂フィルム等が挙げられる。
導電布としては、導電性繊維で構成された不織布又は導電性繊維を用いて織成、編成された織布、編布などの布帛、或いは、非導電性の繊維で構成された不織布、織布、編布などの布帛に、導電性接着剤を塗布又は含浸させたものなどが挙げられる。
上記導電性繊維としては金属繊維、炭素繊維、金属や導電性金属化合物或いはカーボンブラックや導電性高分子等の導電性非金属物質を混入させた合成繊維、帯電防止剤を混入させた合成繊維、導電性金属化合物や導電性非金属物質等の導電性物質や帯電防止剤等を塗布したり無電解メッキ等の化学処理したり、導電性金属をスパッタリング加工して表面に付着させた繊維や、帯電した静電気を中空断面構造で放電させる繊維等が挙げられる。
導電糸のステッチが施された布としては、通常の非導電性の繊維で構成された不織布又は通常の非導電性の繊維で織成、編成された織布、編布、或いは、上記の不織布と織成、編成された織布、編布とを合わせた布に導電糸でステッチを施したものが挙げられる。
上記導電糸のステッチが施された布は、予め導電糸でステッチを施した布を裏胛被材の一部として使用することもできるが、裏胛被材の一部に導電糸のステッチを施すことによっても形成することができる。
上記導電糸としては、前記した導電性繊維からなる糸や、スパッタリング法、メッキ法等により表面を金属被覆した糸、表面に導電性塗料を塗布した糸、金属繊維や導電性繊維を織り込んだ糸等が挙げられる。
上記通常の非導電性の繊維としては、例えば、羊毛、絹、木綿、麻等の天然繊維、ポリアミド、レーヨン等の半合成繊維、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンもしくはポリアミド等の合成繊維、ポリアセテート等のその他の繊維等が挙げられる。
導電性接着剤としては、金属粉末、カーボンブラック等の導電性粉末又は、界面活性剤
等をバインダー樹脂に混合し、溶剤で希釈したもの等が挙げられ、また、クロロプレンに導電性ハイストラクチャーカーボン(ケッチャンブラック等)を練り込んで溶剤に溶解させた接着剤等も使用できる。
図1の(A)は、胛被1並びに中底7、ミッドソール6及びアウトソール5からなる靴底で構成され、胛被1は、少なくとも表胛被材2及び裏胛被材を含んで構成される帯電防止靴であって、前記アウトソール5は導電性を有する材料からなり、該アウトソール5の少なくとも一部は靴側面の表胛被材上にまで延びて立上がり部(巻き上げ部)5aを形成し、該立上がり部5aと相対する部位の裏胛被材が導電布3から構成され、そして、導電布3と表胛被材2は重ねられ導電糸で縫い合わせて一体とされ、そして、表胛被材2の表面側に現われた、該導電糸の縫い目8を、アウトソール5の前記立上がり部5aで覆うように、一体となった導電布3及び表胛被材2と該立上がり部(巻き上げ部)5aとが導電性接着剤4で接合されてなることにより静電気の帯電を防止する態様を示す。
上記態様において、体内に帯電した静電気は、導電布3⇒導電糸の縫い目8⇒導電性接着剤4⇒導電性を有する材料からなるアウトソール5⇒大地へと放電される。
上記態様において、一体となった導電布3及び表胛被材2と該立上がり部5aとを接合させる手段として、導電性接着剤4を用いているが、靴底を貼り合わせるのに通常使用される接着剤を用いてもよく、或いは、該立上がり部の縁部分にのみ接着剤を塗布して、折り返し部分3aとアウトソール5の立上がり部5aとを接合させるようしてもよい。
また、射出成形によってアウトソール5と胛被とを一体化させる場合には、接着剤が不用となる。
これらの接合方法以外であっても、導通が遮断されなければ、どんな接合方法でもよい。
また、アウトソール5の少なくとも一部が靴側面の表胛被材上にまで延びて形成された立上がり部(巻き上げ部)5aは、爪先部、靴の内側、靴の外側及び踵部のうちの1箇所又は2箇所以上であり得るが、爪先部や踏まず部立上がり部は3mm以上必要であり、5mm以上が好ましい。
上記態様において、体内に帯電した静電気は、導電布3⇒導電性接着剤4⇒導電性を有する材料からなるアウトソール5⇒大地へと放電される。
上記態様において、導電布3は、表胛被材2の下端縁からはみ出し、該はみ出し部分を折り返すようにして、表胛被材の裏側から表胛被材の表側に露出しているが、導電布3がはみ出す部位は表胛被材2の下端縁に限られるものではない。例えば、表胛被材2のアウトソール5の立上がり部5aと相対する部位に、スリットを形成し、そこから導電布3をはみ出させてもよく、或いは、表胛被材2のアウトソール5の立上がり部5aと相対する部位に、適当な大きさにくり抜かれた孔を形成し、該孔を介して、立上がり部5aと導電布3とが接するようにしてもよい。
また、図1の(A)の態様と同様、折り返し部分3aとアウトソール5の立上がり部5aとを接合させる手段として、導電性接着剤4を用いることに限られるものではなく、導
通が遮断されなければ、どんな接合方法でもよい。
また、アウトソール5の少なくとも一部が靴側面の表胛被材上にまで延びて形成された立上がり部(巻き上げ部)5aは、爪先部、靴の内側、靴の外側及び踵部のうちの1箇所又は2箇所以上であり得るが、爪先部や踏まず部立上がり部は3mm以上必要であり、5mm以上が好ましい。
上記態様において、導電糸のステッチ11が施された布9は、導電性を確実にするために、該布9の表胛被材側の面に、導電糸のステッチ11を覆うように導電性接着剤10が塗布または含浸されている。
上記態様において、導電糸のステッチ11が施された布9は、予め導電糸でステッチを施した布を裏胛被材の一部として使用することもできるが、裏胛被材の一部に導電糸のステッチを施すことによっても形成することができる。
操作の簡便性から、裏胛被材の一部に導電糸のステッチ11を施すのが好ましい。
上記態様において、導電糸の縫い目8は、導電糸のステッチ11と接するように施されることが必要であり、該導電糸の縫い目8と該導電糸のステッチ11は、別々の導電糸で構成されているが、同一の導電糸であってもよい。
上記態様において、体内に帯電した静電気は、導電糸のステッチ11が施された布9⇒導電糸の縫い目8⇒導電性接着剤4⇒導電性を有する材料からなるアウトソール5⇒大地へと放電される。
また、アウトソール5の少なくとも一部が靴側面の表胛被材上にまで延びて形成された立上がり部(巻き上げ部)5aは、爪先部、靴の内側、靴の外側及び踵部のうちの1箇所又は2箇所以上であり得るが、爪先部や踏まず部立上がり部は3mm以上必要であり、5mm以上が好ましい。
上記態様において、導電糸のステッチ11が施された布9は、導電性を確実にするために、該布9の表胛被材側の面に、導電糸のステッチ11を覆うように導電性接着剤10が塗布または含浸されている。
上記態様において、導電性をより確実にするために、更に、導電糸のステッチ11が施された布9と表胛被材2とを導電糸で縫い合わして一体とすることもできる。
上記態様において、導電糸のステッチ11が施された布9は、予め導電糸でステッチを
施した布を裏胛被材の一部として使用することもできるが、裏胛被材の一部に導電糸のステッチを施すことによっても形成することができる。
操作の簡便性から、裏胛被材の一部に導電糸のステッチを施すのが好ましい。
また、図1の(B)の態様と同様に、導電糸のステッチ11が施された布9がはみ出す部位は表胛被材2の下端縁に限られるものではない。
上記態様において、体内に帯電した静電気は、導電糸のステッチ11が施された布9⇒導電性接着剤4⇒導電性を有する材料からなるアウトソール5⇒大地へと放電される。
また、アウトソール5の少なくとも一部が靴側面の表胛被材上にまで延びて形成された立上がり部(巻き上げ部)5aは、爪先部、靴の内側、靴の外側及び踵部のうちの1箇所又は2箇所以上であり得るが、爪先部や踏まず部立上がり部は3mm以上必要であり、5mm以上が好ましい。
図3の(A)は、アウトソールの少なくとも一部が靴側面の表胛被材上にまで延びて形成された立上がり部(巻き上げ部)13が、爪先部に形成される態様を示す。
該態様において、裏胛被材に施される導電糸のステッチ12は、足の甲との接触を確実にできるように、裏胛被材の爪先部の先端から足の甲を覆う部分を経由して靴側部まで伸びている。
ここで、爪先部の先端は、図2の(A)で示されるように、導電糸のステッチ12が施された裏胛被材9と表胛被材2は重ねられ導電糸で縫い合わせて一体とされ、そして、表胛被材2の表面側に現われた、該導電糸の縫い目8を、爪先部で靴側面の表胛被材上にまで延びるアウトソール5の前記立上がり部5aで覆うように、一体となった導電糸のステッチ12が施された裏胛被材9及び表胛被材2と該立上がり部(巻き上げ部)5aとが導電性接着剤4で接合されてなるか、又は、図2の(B)で示されるように、導電糸のステッチ12が施された裏胛被材9は、表胛被材2の裏側に、表胛被材2の下端縁からはみ出、次いで、該はみ出し部分が表胛被材2の表側に折り返され、そして、該折り返し部分9aが、爪先部で靴側面の表胛被材上にまで延びるアウトソール5の前記立上がり部5aで覆われるように配設され、そして、該折り返し部分9aと該立上がり部(巻き上げ部)5aが導電性接着剤4で接合される。
該態様において、導電糸のステッチ12は、足の踵部との接触を確実にできるように、裏胛被材の踵部の先端から足の踵を覆う部分を経由して靴の側部まで伸びている。
ここで、踵部の先端は、図2の(A)で示されるように、導電糸のステッチ12が施された裏胛被材9と表胛被材2は重ねられ導電糸で縫い合わせて一体とされ、そして、表胛被材2の表面側に現われた、該導電糸の縫い目8を、踵部で靴側面の表胛被材上にまで延びるアウトソール5の前記立上がり部5aで覆うように、一体となった導電糸のステッチ
12が施された裏胛被材9及び表胛被材2と該立上がり部(巻き上げ部)5aとが導電性接着剤4で接合されてなるか、又は、図2の(B)で示されるように、導電糸のステッチ12が施された裏胛被材9は、表胛被材2の裏側に、表胛被材2の下端縁からはみ出、次いで、該はみ出し部分が表胛被材2の表側に折り返され、そして、該折り返し部分9aが、踵部で靴側面の表胛被材上にまで延びるアウトソール5の前記立上がり部5aで覆われるように配設され、そして、該折り返し部分9aと該立上がり部(巻き上げ部)5aが導電性接着剤4で接合される。
該態様において、導電糸のステッチ12は、足の甲及び/又は踵部との接触を確実にできるように、裏胛被材の外側部から足の甲及び踵部を覆うように靴全体に伸びている。
ここで、外側部は、図2の(A)で示されるように、導電糸のステッチ12が施された裏胛被材9と表胛被材2は重ねられ導電糸で縫い合わせて一体とされ、そして、表胛被材2の表面側に現われた、該導電糸の縫い目8を、靴の外側で靴側面の表胛被材上にまで延びるアウトソール5の前記立上がり部5aで覆うように、一体となった導電糸のステッチ12が施された裏胛被材9及び表胛被材2と該立上がり部(巻き上げ部)5aとが導電性接着剤4で接合されてなるか、又は、図2の(B)で示されるように、導電糸のステッチ12が施された裏胛被材9は、表胛被材2の裏側に、表胛被材2の下端縁からはみ出、次いで、該はみ出し部分が表胛被材2の表側に折り返され、そして、該折り返し部分9aが、靴の外側で靴側面の表胛被材上にまで延びるアウトソール5の前記立上がり部5aで覆われるように配設され、そして、該折り返し部分9aと該立上がり部(巻き上げ部)5aが導電性接着剤4で接合される。
該態様において、導電糸のステッチ12は、足の甲及び/又は踵部との接触を確実にできるように、裏胛被材の内側部から足の甲及び踵部を覆うように靴全体に伸びている。
ここで、内側部は、図2の(A)で示されるように、導電糸のステッチ12が施された裏胛被材9と表胛被材2は重ねられ導電糸で縫い合わせて一体とされ、そして、表胛被材2の表面側に現われた、該導電糸の縫い目8を、靴の内側で靴側面の表胛被材上にまで延びるアウトソール5の前記立上がり部5aで覆うように、一体となった導電糸のステッチ12が施された裏胛被材9及び表胛被材2と該立上がり部(巻き上げ部)5aとが導電性接着剤4で接合されてなるか、又は、図2の(B)で示されるように、導電糸のステッチ12が施された裏胛被材9は、表胛被材2の裏側に、表胛被材2の下端縁からはみ出、次いで、該はみ出し部分が表胛被材2の表側に折り返され、そして、該折り返し部分9aが、靴の内側で靴側面の表胛被材上にまで延びるアウトソール5の前記立上がり部5aで覆われるように配設され、そして、該折り返し部分9aと該立上がり部(巻き上げ部)5aが導電性接着剤4で接合される。
具体的には、足甲、第1趾及び第5趾の側面部分(出っ張っている部分)などは、靴内部と接触する頻度が高いため、その領域に導電糸のステッチ12を施すことが好ましい。
実施例1
図5を用いて実施例1の帯電防止靴を説明する。
図5で示される導電糸のステッチ12を不織布からなる裏胛被材15に施した。
即ち、靴の先端部から7.5cm及び9cmの距離にある両側部の位置から足の甲を覆う部分を経由して靴の先端部まで、導電糸のステッチ12の縫線4本を形成した。
裏胛被材15の爪先方向の先端部を、表胛被材14の裏側に、表胛被材14の下端縁から1cmはみ出るようにして、はみ出し部分16を形成した。
表胛被材14及び裏胛被材15を縫着し、その際、足の甲部分は導電性接着剤により接合した。
中底を縫着し、その上にミッドソールを形成し、その上に、爪先の方向に2cmの巻き上げゴム部を有する導電性ゴムからなるアウトソールを形成した。
表胛被材14からはみ出た部分16を表胛被材14の表側に折り返し、該折り返された裏胛被材16を、アウトソールの2cmの巻き上げゴム部で覆うようにして、導電性接着剤で接合し、実施例1の帯電防止靴を製造した。
不織布からなる裏胛被材に代えて、不織布の表胛被材側にナイロン布(1枚)が追加された布を用いた以外は実施例1と同様の操作を行うことにより、実施例2の帯電防止靴を製造した。
実施例1及び2で製造した帯電防止靴の抵抗値をJIS T8103 2010に準じた条件で測定し、表1に纏めた。
尚、測定条件は、以下の通りであった。
環境区分3:温度23.4℃、相対湿度51%
荷重:12.5kg
電圧:100V
靴内にアルミラストを入れ、荷重12.5kgをかけ、ステンレス板(アース)とアルミラストの間の抵抗値を測定した。
表1に示すように、実施例1,2では、身体に帯電した静電気を靴底部から大地等へ流すのに十分な帯電防止性能を有する靴が得られた。
2:表胛被材
3:導電布
3a:折り返し部分
4:導電性接着剤
5:アウトソール
5a:立上がり部(巻き上げ部)
6:ミッドソール
7:中底
8:導電糸の縫い目
9:導電糸のステッチが施された布
9a:折り返し部分
10:導電性接着剤
11:導電糸のステッチ(本来裏胛被材ではない導電糸のステッチが施された布を裏胛被材の一部として使用する場合)
12:導電糸のステッチ(裏胛被材の一部に導電糸のステッチを施す場合)
13:立上がり部(巻き上げ部)
14:表胛被材
15:裏胛被材
16:はみ出し部分
20:実施例1の帯電防止靴
Claims (9)
- 胛被並びに中底、ミッドソール及びアウトソール、又はインソール、中底、ミッドソール及びアウトソールからなる靴底で構成され、該胛被は、少なくとも表胛被材及び裏胛被材を含んで構成される帯電防止靴であって、
前記靴底を構成する部分のうち、ミッドソール、中底、及びインソールは導電性を形成せず、アウトソールは導電性を有する材料からなり、該アウトソールの一部は靴側面の表胛被材上にまで延びて立上がり部を形成し、少なくとも該立上がり部と相対する部位の裏胛被材が導電性を有する部材から構成され、そして、
1)前記導電性を有する部材は、表胛被材の裏側から表胛被材の表側に露出するようにし、該露出した部分が、アウトソールの前記立上がり部で覆われるように配設され、そして、該露出した部分と該立上がり部が接合されてなるか、又は
2)前記導電性を有する部材と表胛被材を重ね、導電糸で縫い合わせて一体とされ、そして、表胛被材の表面側に現れた、該導電糸の縫い目を、アウトソールの前記立上がり部で覆うように、一体となった導電性を有する部材及び表胛被材と該立上がり部とが接合されてなる、静電気の帯電を防止する帯電防止靴。
- 前記導電性を有する部材が、表胛被材の裏側に、表胛被材の下端縁からはみ出し又は表胛被材にスリットを形成しそこからはみ出させ、次いで、該はみ出し部分が表胛被材の表側に折り返されて、表胛被材の裏側から表胛被材の表側に露出するようにしてなる請求項1記載の帯電防止靴。
- 前記導電性を有する部材は、導電布である請求項1又は2記載の帯電防止靴。
- 前記導電性を有する部材は、導電糸のステッチが施された布である請求項1又は2記載の帯電防止靴。
- 前記導電糸のステッチが施された布の表胛被材側の面に、導電糸のステッチを覆うように導電性接着剤を塗布または含浸させてなる請求項4記載の帯電防止靴。
- 前記アウトソールは、爪先部で靴側面の表胛被材上にまで延びて立上がり部を形成する請求項1ないし5の何れか1項に記載の帯電防止靴。
- 前記アウトソールは、靴の内側で靴側面の表胛被材上にまで延びて立上がり部を形成する請求項1ないし5の何れか1項に記載の帯電防止靴。
- 前記アウトソールは、靴の外側で靴側面の表胛被材上にまで延びて立上がり部を形成する請求項1ないし5の何れか1項に記載の帯電防止靴。
- 前記アウトソールは、踵部で靴側面の表胛被材上にまで延びて立上がり部を形成する請求項1ないし5の何れか1項に記載の帯電防止靴。
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