JP4982104B2 - 通電性中底および帯電防止性靴。 - Google Patents
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Description
したがってクッション性に富む帯電防止性靴の費用対性能比率は、絶縁性弾性体を用い、これに如何にして通電経路を形成するかによるところが大きいことになる。
特許文献1には、厚み3mmの天然ゴムスポンジの上面及び下面にカーボン繊維を10mm間隔で織り込んだポリエステル製織布を貼着し、この貼着体の踏付部において上面及び下面を連絡するように銅を蒸着したポリエステル糸を二本、間隔5mmで縫着して得た靴中敷きが開示されている。
また、靴底部分の電気抵抗を低く設定すると、感電防止、製造コスト、物性の面で不利になることがあるが、逆に電気抵抗を高く設定した場合では、靴底が全面から静電気を流すようにされていないと、極端に静電気放出性が悪化することがある。例えば、特許文献1のように、下面の織布が10mm間隔のストライプ状の通電経路を有するような場合は、この通電経路と接地面とを比較的短い距離で結んでいるあたりでは静電気を多く流すが、それ以外の部分では静電気をほとんど流さない部分があり、静電気の放出が十分になされないことがある。
本発明は、異物感が無くクッション性が良好な帯電防止性靴の中底として有用な通電性中底、および帯電防止性靴を提供すること第一目的とし、さらに電気抵抗の比較的高い靴底と組み合わせて使用するときに有用な通電性中底、および帯電防止性靴を提供すること第二目的とする。
また、下面側通電性層が、縁縫いを施した後に導電性接着剤を塗布して膜状又はシート状に形成されるものであってもよい。
好ましい態様の通電性中底は、布帛に用いた導電糸により足から通電性中底自体へ静電気を流す経路を形成するものであり、その上、下面側通電性層が、網状、膜状又はシート状の通電性のものであるので下面側通電性層から通電性靴底への静電気の流れを下面側通電性層全面にわたり均等にすることができ、通電性靴底の静電気放出性能を良好に引き出す。
また、好ましい態様の帯電防止性靴は、下面側通電性層の単位面積あたりの電気抵抗が1MΩ以下であるので静電気放出の水準からすれば導電性であり、そのため、いっそう下面側通電性層から通電性靴底への静電気の流れを下面側通電性層全面にわたり均等にすることができるとともに、通電性靴底の体積固有抵抗率が100M〜10000MΩ・cmであることにより、通電性靴底の厚さ及び靴底意匠にもよるが、通電性靴底の電気抵抗(通電性靴底の上面と接地面との間)が概ね1M〜200MΩとなるので、いっそう静電気放出性が良好である。
本発明の通電性中底1を、上面側(接足面側)からみた斜視図を図1に示し、下面側(接地面側)からみた斜視図を図2に示す。通電性中底1は、弾性層2の上面側と下面側とに、通電性層3、4が接合されるとともに、中底の周縁部に導電糸6によって縁縫い5(縁かがり縫い)が施されている。
その中で、上面側通電性層は、製造コスト、風合いなどの理由で以下のような布帛が好ましい。好ましい布帛は、導電糸7が少なくとも一本織り込まれるか編み込まれて作られた布帛であり、導電糸が第一趾中足骨骨頭ないし第二趾中足骨骨頭あたりを通るようにされており、好ましくは踵骨あたりも通るようにされている。以上のような部位は足圧が大きくかかる部位なので、この部位に導電糸が通るようにされていると足から通電性中底へ静電気を流しやすい。また、この布帛は導電糸が5mm間隔以上で織り込まれるか編み込まれたものが好ましい。導電糸の間隔が小さいと布帛自体の製造コストが高くなる。この布帛は、編布のときは、よこ編又はたて編の糸として導電糸を挿入して編成されたものであり、織布のときは、たて糸及びよこ糸の少なくともいずれかの糸として導電糸を挿入して織成されたものである。また、この布帛が織布のときは、挿入した導電糸7が一方の表面に現れる度合いを増やした綾織や朱子織にして、導電糸7が多く現れる側を弾性層の反対側とし、縁縫い5の導電糸6と導通しやすいようにすることが好ましい。
なお、この布帛の導電糸以外の糸としては、ポリエステル、ナイロンのフィラメント糸や紡績糸、ポリエステル、ナイロンのステープルとレーヨンのステープルや綿などの混紡糸などが使用できる。
以上のように、好ましい上面側通電性層3は、導電糸7が布帛自体を構成する糸として用いられ、さらに導電糸の使用量が少なくされているので、導電糸による異物感がないとともに材料コスト面で有利である。
また、縁縫いに用いる導電糸6は、10cm長さ間の電気抵抗において10KΩ以下が好ましく、1KΩ以下がより好ましい。縁縫い用の導電糸6の電気抵抗の方が高くてもよい理由は、導通させようとする距離が短いからである。
下面側通電性層4を、メッシュ布や金網などの網状の通電性のもので形成する場合は、通電性靴底10の厚さにもよるが、この靴底10の厚さが10〜25mm程度であれば目開きが5mm以下とすることで通電性靴底10の静電気放出性能を良好に引き出すことができる。
この下面側通電性層4は、単位面積あたりの電気抵抗において1MΩ以下が好ましく、100KΩ以下がより好ましい。この程度以下の電気抵抗であることにより、下面側通電性層4から通電性靴底10への静電気の流れを下面側通電性層全面にわたりほぼ均等にすることができる。
なお、本発明のいう単位面積あたりの電気抵抗は、図6に示すように金属クリップで端部をクリップした正方形の通電性層の両端に(例えば幅1cm、長さ1cmの通電性シートの両端に)、抵抗値に応じて適当な電圧を加えたときに流れる電流値から算出する。
なお、中底周縁部と甲皮下縁部との縫合は、両者を合掌状に重ねるとともに両者の端面を揃えて縫合する方式が作業性がよい。また、中底周縁部と甲皮周縁部との縫合には、糸として導電性のものを用いる必要はない。
上面側通電性層3として、導電糸7をたて糸として10mm間隔で朱子織にて織り込んで導電糸が表面に現れる度合いを高めた朱子織布を準備した。導電糸7は導電性繊維とポリエステルフィラメント糸を撚糸した10cm長さ間の電気抵抗が100Ωのものである。弾性層2として、厚さ3.5mm、比重0.2のエチレン酢酸ビニル重合体の発泡体からなる絶縁性の弾性体を準備した。下面側通電性層4として、カーボン含有の導電性接着剤を平織布に含浸・固化させた単位面積あたりの電気抵抗が15KΩのカーボン含有平織布を準備した。これらの上面側通電性層、弾性層、下面側通電性層をこの順で接着剤にて接合して三層構造のシートを作製し、これを靴に合った形状に裁断したのち、10cm長さ間の電気抵抗が6KΩの導電糸6でその周縁部に図3に示す縁かがり縫い5を施して靴サイズ26cm用の通電性中底Aを作製した。
この通電性中底の第二趾中足骨骨頭あたりの導電糸7と、この導電糸の位置の下面側に相当する位置の下面側通電性層との間の電気抵抗は50KΩであった。
下面側通電性層として、カーボン含有平織布の単位面積あたりの電気抵抗が200KΩのものを用いた以外は、実施例1と同様にして通電性中底Bを作製した。
この通電性中底の第二趾中足骨骨頭あたりの導電糸7と、この導電糸の位置の下面側に相当する位置の下面側通電性層との間の電気抵抗は700KΩであった。
実施例1の通電性中底Aを用いて、この中底Aに甲皮下縁部を縫合して袋状の甲材を作製し、これを靴型に被せて射出成形法による体積固有抵抗率が2050MΩ・cmの通電性靴底を通電性中底Aの下面に直に接合して帯電防止性靴Aを作製した。
なお、靴底材料としては、四級アンモニウム塩を混合した発泡倍率2倍程度のポリウレタン原料を用い、靴底は平均厚さ15mmに成形した。この帯電防止性靴AのJIST8103に準拠して測定した電気抵抗は30MΩであった。
通電性中底Aを通電性中底Bに変更した以外は、実施例3と同様にして帯電防止性靴を作製した。この帯電防止性靴のJIST8103による電気抵抗は30MΩであった。
下面側通電性層として、通電性中底Aにおけるカーボン含有平織布を変更して、カーボンを含有しない平織布を用いた以外は、実施例1と同様にして中底を作製し、この中底に甲皮下縁部を縫合して袋状の甲材を作製し、これを靴型に被せてから中底の下面の平織布及び縁かがり縫いの導電糸の露出部分に導電性接着剤を塗布したのち、別途作製の体積固有抵抗率が500MΩ・cmのカーボン含有のゴム製靴底を接合して帯電防止性靴Cを作製した。この帯電防止性靴のJIST8103による電気抵抗は5MΩであった。
また、この帯電防止性靴の靴底部分を削り取って、導電性接着剤の固化した膜状の部分(下面側通電性層)の単位面積あたりの電気抵抗を測定したところ50KΩであった。
下面側通電性層として、通電性中底Aにおけるカーボン含有平織布を変更して、上面側通電性層と同じ朱子織布を用いた以外は、実施例1と同様にして通電性中底Dを作製した。
この通電性中底の第二趾中足骨骨頭あたりの導電糸と、この導電糸の位置の下面側に相当する位置の下面側通電性層との間の電気抵抗は200KΩであった。
通電性中底Dを用いて、実施例3と同様にして帯電防止性靴Dを作製した。この帯電防止性靴のJIST8103による電気抵抗は90MΩであり、この値は実施例3の3倍であり、やや靴底の静電気放出性能を引き出せないものであった。
下面側通電性層として、通電性中底Aにおけるカーボン含有平織布を変更して、目開き2mmのメッシュ布の無電解メッキ処理品(単位面積あたりの電気抵抗は10Ω以下)を用いた以外は、実施例1と同様にして通電性中底Eを作製した。
この通電性中底の第二趾中足骨骨頭あたりの導電糸7と、この導電糸の位置の下面側に相当する位置の下面側通電性層との間の電気抵抗は10Ω以下であった。
通電性中底Eを用いて、実施例3と同様にして帯電防止性靴Dを作製した。この帯電防止性靴のJIST8103による電気抵抗は30MΩであった。
なお、以上において、導電糸、下面側通電性層に関する部分の電気抵抗の測定は、1KΩ未満は印加電圧3V、1KΩ以上は印加電圧9Vで行った。
Claims (4)
- 弾性層の上面側に上面側通電性層、下面側に下面側通電性層が配置される三層構造の中底であって、
弾性層は絶縁性であり、
前記下面側通電性層の単位面積あたりの電気抵抗が1MΩ以下であり、
中底の周縁部に施された縁縫いの導電糸により、両通電性層が導通されることを特徴とする通電性中底。 - 上面側通電性層は、導電糸が少なくとも一本または適当な間隔で織り込まれるか編み込まれて作られる布帛であるとともに、導電糸が少なくとも第一趾中足骨頭ないし第二趾中足骨骨頭あたりを通るようにされており、
下面側通電性層は、網状、膜状又はシート状の通電性のものであることを特徴とする請求項1に記載の通電性中底。 - 前記下面側通電性層が、前記縁縫いを施した後に導電性接着剤を塗布して膜状又はシート状に形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の通電性中底。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の通電性中底を有する帯電防止性靴であって、
甲皮下縁部が周縁部に縫合された通電性中底の下面側通電性層に、通電性靴底が接合してなることを特徴とする帯電防止性靴。
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