JP6184215B2 - 一体流路構造を有する磁場回転式電磁ポンプ - Google Patents

一体流路構造を有する磁場回転式電磁ポンプ Download PDF

Info

Publication number
JP6184215B2
JP6184215B2 JP2013148993A JP2013148993A JP6184215B2 JP 6184215 B2 JP6184215 B2 JP 6184215B2 JP 2013148993 A JP2013148993 A JP 2013148993A JP 2013148993 A JP2013148993 A JP 2013148993A JP 6184215 B2 JP6184215 B2 JP 6184215B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flow path
channel
magnetic field
electromagnetic pump
side flow
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013148993A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015023640A (ja
Inventor
浅葉 信
信 浅葉
尚文 武野
尚文 武野
広行 粉川
広行 粉川
二川 正敏
正敏 二川
勝洋 羽賀
勝洋 羽賀
隆 涌井
隆 涌井
三浦 邦明
邦明 三浦
俊彦 小笠原
俊彦 小笠原
和彦 萩谷
和彦 萩谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sukegawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Sukegawa Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sukegawa Electric Co Ltd filed Critical Sukegawa Electric Co Ltd
Priority to JP2013148993A priority Critical patent/JP6184215B2/ja
Publication of JP2015023640A publication Critical patent/JP2015023640A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6184215B2 publication Critical patent/JP6184215B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)

Description

本発明は、導電性流体を搬送する形式の電磁ポンプに関し、円筒形の流路の中にその円周方向に回転移動する磁界を形成して同流路の中の導電性流体に電磁誘導による推力を与え、特に部分円筒形の流路の両端側に流入側流路と流出側流路とがそれぞれ連なったΩ形の流路を有する一体流路構造を有する磁場回転式電磁ポンプに関するものである。
溶融金属等の導電性流体に推力を与えて搬送する駆動ポンプには、シールされた軸受を介して流路の外部にあるモータにより駆動されるインペラを同流路の中で回転させて機械的に導電性流体に推力を与える機械式ポンプと、流路の中に移動磁界を与えて、この移動磁界により流路の中の導電性流体に電磁力による推力を与えるシール部分を必要としない電磁式ポンプとがある。
シール部分を必要とする機械式ポンプは、シール部分からの導電性流体の漏れが起こる可能性があるという欠点がある。水銀を除く導電性流体の多くは融点が常温以上であり、融点が高い溶融金属の場合に、シール軸受部分に耐熱性の点で限界がある。これに対して、電磁ポンプはインペラに機械的な駆動力を伝えるシール付き軸受等の摺動部分が無いため、常温以上の溶融金属の搬送に適している。
導電性流体を搬送する電磁ポンプには多くの種類があるが、原理は何れも導電性流体に磁界と電流を与えて電磁力を発生させ、この電磁力で導電性流体に推力を発生させ、導電性流体を駆動するものである。電磁ポンプは、流路に磁界を形成しておいて、この磁界と直交する方向に設けた電極から直接導電性流体に電流を流す形式の導電型電磁ポンプと、流路に電極を設けず、移動磁界により誘発される誘導電流と移動磁界による電磁力によって導電性流体に推力を与える誘導型電磁ポンプとに大別される。
前者の導電型電磁ポンプは、流路の電気抵抗が低いことや、低電圧の大電流の電源回路が必要なため、大型の電源装置を必要とする欠点がある。このため、通常の導電性流体用の電磁ポンプでは、後者の誘導型電磁ポンプが多く使用されている。
図4は、導電性流体の流路12が真っ直ぐに設けられ、この流路12を挟んでヨーク14にコイル13を巻いた誘導子11を設けた誘導型電磁ポンプである。この構造は、いわばリニアモータと同じ形式になっている。この形式の誘導型電磁ポンプは、流路12の製作が容易であり、誘導子11の製作も容易である。しかし、流路12が真っ直ぐであるため、より大きな駆動力を得るためには、流路12の全体が長くなってしまう欠点がある。
図5は、例えば、下記の特許文献1に記載されたような、環状流路形のリニア誘導方式の導電性流体用の誘導型電磁ポンプの例である。ヨーク24に複数のコイル23を巻いて直列に配列した誘導子22を流路21の回りに配置し、流路21内にその長手方向に移動する磁界を発生させる。この環状流路形の誘導型電磁ポンプでは、流路21の内部に、前記誘導子22で発生した移動磁界の磁路となるコア25を配置している。これにより、流路21内に磁路を形成して移動磁界の磁気分布を均一にする。コア25は磁性体をセラミックや金属等の保護管で覆ったものである。このコア25はスペーサにより流路21の中心軸上に保持されており、このコア25と流路21との間が環状の液体金属の流路となる。この形式の誘導型電磁ポンプもまた、流路21が真っ直ぐであるため、流路12の全体が長くなってしまう欠点がある。
図6は、やはり下記の特許文献1に記載されたような、流路32を螺旋状に形成し、この流路32の螺旋の中にロータ31を配置し、このロータ31をモータ35で回転するものである。ロータ31を円柱形または円筒形とし、その周囲に管体をコイル状に曲げた流路32を巻いている。流路32の両端は流入部33と流出部34となっており、コイル状の流路32の両端からロータ31の側方に延びている。ロータ31はモータ35により回転される。さらに、コイル状の流路32の外周側は円筒形の磁性体からなるヨーク38で覆われている。
また図7は、やはり流路32を螺旋状に形成し、この螺旋状の流路32の外側に円筒形のロータ38’を配置し、これをモータ35で回転する形式の誘導型電磁ポンプである。図6のロータ31に代えて、磁性体の円筒形状のヨーク31’をロータ38’の中心に配置し、その周囲にコイル状に曲げた流路32を巻いている。流路32の両端の流入部33と流出部34は、ロータ38’の一端側の中空軸を通してロータ38’の外に引き出しいる。流出部34は、ヨーク31’の中心を貫通している。
図8(a)は、図6により前述した誘導型電磁ポンプに使用するロータ31の例を示す断面図である。円筒形の鉄材等の磁性体からなる内部コア44の周囲に複数の永久磁石42が等角度間隔で配置されている。これら永久磁石42は、ロータ31の放射方向に磁極が交互に異なる方向に向くように配置されている。すなわち、内部コア44の外周側には放射方向にわたってN極とS極とが交互に配置され、外枠45の内周側には放射方向にわたってS極とN極とが交互に配置されている。永久磁石42の間は、耐放射線性に優れた樹脂材料や無機材料等からなる非磁性の充填材43が充填されている。さらにこれら永久磁石42と充填剤43の外周には、オーステナイト系ステンレス等の非磁性金属からなる管状の外枠45が嵌め込まれ、全体が円筒形になるように固定されている。内部コア44が磁性体で、外枠45が非磁性体になっているため、磁界は永久磁石42によって外向きに放射状に発生し、ヨーク38によってさらに強められる構造となっている。前出したモータ35は、このロータ31に連結されている。
図8(b)は、図7により前述した誘導型電磁ポンプに使用するロータ38’の例を示す断面図である。オーステナイト系ステンレス等の非磁性金属からなる管状の内枠49の周囲に複数の永久磁石46が等角度間隔で配置されている。これら永久磁石46は、ロータ38’の放射方向に磁極が交互に異なる方向に向くように配置されている。この点は、図8(a)により前述したロータ31と基本的に同じである。永久磁石46の間は、耐放射線性に優れた非磁性の樹脂材料や無機材料等からなる充填材47が充填されている。さらにこれら永久磁石46と充填剤47の外周には、円筒形の鉄材等の磁性体からなる外部コア48が嵌め込まれ、全体が円筒形になるように固定されている。磁界は、外部コア48が磁性体で、内枠49が非磁性体になっているため、永久磁石46によって内向きに放射状に発生し、ヨーク31’によってさらに強められる構造と成っている。前述したモータ35はこのロータ38’に連結されている。
このような形式の誘導型電磁ポンプの利点は、永久磁石を用いることにより、製作が難しい電磁コイルを使用する必要が無いことである。このような螺旋形流路を有する誘導型電磁ポンプは、製作上及び設置容積上の観点から流路の流路断面積を大きくとれないが、導電性流体の流れの方向には磁界が作用する長さを長く取れるので、低流量で高圧の電磁ポンプとして利用するのに適当である。
これに対し、円筒形の流路の中にその円周方向に回転移動する磁界を形成して同流路の中の導電性流体に電磁誘導による推力を与え、搬送する形式の電磁ポンプは、設置スペースが狭い等の利点がある。このような形式の電磁ポンプは、例えば、図9に示すように、部分円筒形の流路51の一端側に流入側流路55があり、その他端側に流出側流路56があり、前記部分円筒形の流路51の中に、同流路51の円周方向に流入側流路55から流出側流路56に向けて回転移動する磁界を形成する誘導子52又は52’を配置したものである。誘導子52は、磁石を組み合わせたもので、それ自身がモータ等で回転させられるものである。他方、誘導子52’は、コイルが埋め込まれ、コイルに3相交流を流して回転磁界を得るものである。このような電磁ポンプの部分円筒形の流路51は、部分円筒形の流路51の両端側に流入側流路55と流出側流路56が連なっているため、Ω形の流路(尺取り虫が縮んだ時のような形状の流路)を形成している。
このΩ形の流路を有する誘導型電磁ポンプは、設置空間が狭い場合に用いることが出来る。しかしこの形式の誘導型電磁ポンプは、部分円筒形の流路51が部分円筒形であるため、捩れや振動しやすいという欠点と、部分円筒形の流路51に圧力が掛かるとΩ形ダクトは一直線になろうとして、部分円筒形の流路51の流入側流路55と流出側流路56に連なる両端側の伸縮が大きいという欠点がある。その対策として、図9に示すように、部分円筒形の流路51の流入側流路55と流出側流路56に連なる両端側を機械的に固定する補強部材58を設けている。
しかしながら、この補強部材58も金属であり、回転磁界による誘導電流のため渦電流が発生し、発熱すると云う新たな問題が発生する。この発熱時に補強部材58に過大な熱応力が発生することにより、早期の補強部材58の破損が起こる。また、この補強部材58が加熱されると、誘導子52、52’も加熱されるため、永久磁石を使用した回転する誘導子52及び溝61を持ったヨーク60に誘導コイル59が嵌合され、この誘導コイル59に三相交流を通して回転磁界を発生する形式の誘導子52’も温度が急激に上がる。このため、前者の永久磁石を用いた誘導子52の場合、キュリー点が低いネオジウム系磁石では、磁力が失われる消磁現象を起こすことがある。また後者の誘導コイル59に移動磁界を形成する誘導子52’の場合、誘導コイル59の焼損が起こることがある。
また、Ω形の流路を形成するダクトは、部分円筒形の流路51の切れ目の補強部材58で部分円筒形の流路51とは違った渦電流が発生し、その部分の負荷が部分円筒形の流路51に発生する負荷と違ってしまう。このため、部分円筒形の流路51の負荷が一部において不均一になり、これが部分円筒形の流路51の振動の主な原因である。補強部材58が無い場合は、この部分での負荷は発生しないが、前述した様に部分円筒形の流路51に圧力が掛かると一直線になろうとするので、補強部材58が入る隙間が広がって、更に部分円筒形の流路51の円周方向で負荷が不連続となって部分円筒形の流路51に振動が発生しやすい。もちろん、部分円筒形の流路51の前後の他の部分における振動が部分円筒形の流路51に伝播することも部分円筒形の流路51の振動の要因ではある。
この部分円筒形の流路51の振動を防止するためには、例えば図9により前述したような補強部材58を相当厚くしなければならない。しかしながら、この補強部材58を厚くし、渦電流を部分円筒形の流路51の全体で均一化し、負荷特性を部分円筒形の流路51の全体で平準化した場合、補強部材58に過熱が生じる。この結果、補強部材58での熱応力が大きくなり、誘導子のコイルの焼損や永久磁石の温度上昇に伴う減磁や消磁を招き、誘導型電磁ポンプの性能の低下を招くことになる。
特開2007−74837号公報 特開2004−304893号公報 特開平05−42357号公報
本発明はこのような従来のΩ形の流路を有する誘導型電磁ポンプにおける課題に鑑み、早期の性能劣化を起こさず、安定した運転を行うことが出来る磁場回転式電磁ポンプを提供することを目的とする。
本発明では、前記の目的を達成するため、部分円筒形の流路1の両端の流入側流路5と流出側流路6を一体化し、その間に隔壁8を設けた構造とすることで、隔壁8を有する仕切部分を部分円筒形の流路1を流れる導電性流体で冷却出来る構造としたものである。
すなわち本発明による磁場回転式電磁ポンプは、部分円筒形の流路1の一端側が流入側流路5に連なり、その他端側に流出側流路6が連なり、前記部分円筒形の流路1の中に、同流路1の円周方向に流入側流路5から流出側流路6に向けて回転移動する磁界を形成する誘導子2又は2’を配置したものであって、流入側流路5と流出側流路6とが一体構造であり、その内部の流入側流路5と流出側流路6と間に隔壁8が設けられているものである。
このような本発明による磁場回転式電磁ポンプでは、部分円筒形の流路1の流入側流路5と流出側流路6とが一体化されているので、部分円筒形の流路1の両端部分に負荷の不均一状態が発生しにくい。しかも、磁場回転式電磁ポンプの運転に伴い、部分円筒形の流路1の両端部分の間に設けられた隔壁8が絶えず導電性流体が流れることによって冷却されるので、その部分の温度の上昇が抑えられる。
前記隔壁8の部分は、部分円筒形の流路1の中で導電性流体の流れの方向が変わる変曲点であり、導電性流体の流れが当たる部分であるため、導電性流体の圧力を受けやすく、厚くする必要がある。しかし、流入側流路5と流出側流路6の温度差によって発生する応力が許容応力以下の温度範囲で、隔壁8の材質は、部分円筒形の流路(1)の材質と同じ非磁性鋼で、隔壁8の冷却性を高めた壁厚は、部分円筒形の流路1の壁厚の1.6から2.3倍とすることが好ましい。その一例として、解析結果を示しながら説明する。
前記隔壁8の部分は、誘導電流による発熱と出入口の導電性流体温度を表裏に受けるため、熱応力が発生する。隔壁8の部分が薄いと表裏の温度差による熱応力が顕著に発生し、厚いと誘導電流による発熱による応力発生が顕著になる。隔壁8の厚みは、部分円筒形の流路1の板材厚みの2倍が最適である。それを証明する為に熱応力解析を行った結果を図10に示す。導電性流体の入口温度と出口温度の温度差をΔtとし、内圧に0.9MPa掛けた場合の解析である。その結果、厚さが部分円筒形の流路1の壁厚3mmの2倍のところで極小となった。よって隔壁8の壁厚は部分円筒形の流路1の壁厚さの2倍程度が好ましい。
Ω形の流路は、内圧が掛かると一直線になろうとする力が働くので、前記流入側流路5及び/又は流出側流路6の部分円筒形の流路1に連なる部分の外側に、内圧に抗する補強部材9を設ける。その部分の外側を拘束するような補強部材9を設けることで、部分円筒形の流路1の壁厚を過大にしなくて済む。
一般に電磁ポンプは、流路の壁を薄くして流路における渦電流損失を小さくして効率を上げるようにしている。この場合、流路の壁厚が薄くなった分だけ流路の壁の強度は低下するので、前記部分円筒形の流路1の外側に、内圧に抗する補強部材10を設けことが好ましい。この部分は、内側から外側に、すなわち部分円筒形の流路1のカーブの曲率半径方向に放射状に導電性流体の圧力が加わる部分である。そのため、Ω形流路は一直線の流路になろうとして変形するので、その部分の外側に補強部材10を設けることで、やはり部分円筒形の流路1の壁厚を過大にしなくて済む。
以上説明した通り、本発明による磁場回転式電磁ポンプでは、流路に発生する渦電流による負荷の不均一、流路の振動、その過熱に伴う誘導子の焼損や性能劣化を防止することが出来るので、安定した磁場回転式電磁ポンプの運転が可能となる。
本発明では、前記の目的を達成するため、部分円筒形の流路1の両端がそれぞれ流入側流路5と流出側流路6に連なり、前記部分円筒形の流路1の中に、同流路1の円周方向に流入側流路5から流出側流路6に向けて回転移動する磁界を形成する誘導子2又は2’を配置した磁場回転式電磁ポンプについて、部分円筒形の流路1の両端の流入側流路5と流出側流路6を一体化し、その間に隔壁8を設けた。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、実施例をあげて詳細に説明する。
図1は、本発明によるΩ形の流路(尺取り虫が縮んだ時のような形状の流路)を有する磁場回転式電磁ポンプの例を部分開削して流路内部が見えるように示した概念斜視図である。このような形式の磁場回転式電磁ポンプは、水銀や溶融鉛ビスマス等の低融点の導電性流体を流すために使用される。
磁場回転式電磁ポンプには、部分円筒形の流路1があり、その一端側は流入側流路5に連なり、その他端側は流出側流路6に連なっている。符合3は流入側流路5の流入口であり、符合4は流出側流路6の流出口である。これら流入口3と流出口4には、それぞれ図示してない前後の流路が接続される。流入側流路5と流出側流路6の長さは適宜変更が可能である。
ここで図1に示すように、部分円筒形の流路1の一端側の流入側流路5と他端側の流出側流路6とは、部分円筒形の流路1と共に一体のダクト構造となっていると共に、流入側流路5と他端側の流出側流路6との間の内部に隔壁8が設けられている。この隔壁8により、ダクトの内部において流入側流路5と流出側流路6とが分けられている。従って、流入側流路5から流れてくる導電性流体は、この隔壁8により流出側流路6には流れず、部分円筒形の流路1に流れ込む。さらに、部分円筒形の流路1から流れ出る導電性流体は、前記隔壁8により流入側流路5には逆流せず、流出側流路6へと流れ出る。図10は、流入側流路5と流出側流路6の温度差があるときに、隔壁8の壁厚さが部分円筒形の流路1の壁厚さ3mmに対して隔壁の圧さを変えた場合に生じる応力を示したグラフである。隔壁の材質をステンレス鋼で考えた場合、この隔壁8の壁厚は、部分円筒形の流路1の壁厚の1.6から2.3倍とする事が望ましい。
前記の部分円筒形の流路1の中心部分には、図示した誘導子2、2’の何れかが配置される。一方の誘導子2は、円筒或いは円柱形を呈しており、その円周方向に所要の間隔で永久磁石を外周側の磁極S極とN極が交互になるよう配置した構造となっている。この誘導子2を部分円筒形の流路1の中空部分の中に配置し、これをモータ7で回転することにより、部分円筒形の流路1の中にその円周方向に回転移動する移動磁界を形成する。
他方の誘導子2’は、やはり円筒或いは円柱形を呈しており、その円周方向に所要の間隔で電磁石を配置した構造となっている。この電磁石に三相交流等による交番磁界を与え、部分円筒形の流路1の中にその円周方向に回転移動する移動磁界を形成する。交番磁界の周波数は図示してないインバータにより可変する。
図2は、本発明の実施例による磁場回転式電磁ポンプの流路の他の例を部分開削して流路内部が見えるように示した概念斜視図である。この実施例による磁場回転式電磁ポンプでは、流入側流路5と流出側流路6との間の隔壁8の両側面、すなわち、その隔壁8の流入側流路5と流出側流路6に向いた面を流入側流路5から部分円筒形の流路1に至る部分と部分円筒形の流路1から流出側流路6に至る部分の形状に従った曲面としている。これにより、その隔壁8の部分での導電性流体の流れ円滑となる。
図1と図3に示すように、本発明の実施例による磁場回転式電磁ポンプでは、流入側流路5と流出側流路6の部分円筒形の流路1に連なる部分の外側に、流路内圧に抗する補強部材9、9を設けている。この補強部材9、9は、円柱状のもので、流入側流路5と流出側流路6の部分円筒形の流路1に連なる部分の外側の曲面形状に対応した形状となっている。より具体的に言うと、円柱状の補強部材9、9の長さは、流路1、5、6の幅と同じかやや長く、その半径は、流入側流路5と流出側流路6の部分円筒形の流路1に連なる部分の外側の曲面の曲率半径と同じかやや小さい。この補強部材9、9を流入側流路5と流出側流路6の部分円筒形の流路1に連なる部分の両外側にそれぞれ嵌め込む。
さらに、この両側の補強部材9、9は、それらの中心に貫通した角形ループ状の連結部材11で互いに連結されている。図1と図3において、この角形ループ状の連結部材11の裏面側は陰になっていて見えないが、部分円筒形の流路1の両端部分を囲んでいる。この角形ループ状の連結部材11により、両側の補強部材9、9が流入側流路5と流出側流路6の部分円筒形の流路1に連なる部分の外側の曲面部分に嵌まり込んだ状態で固定されている。
この流入側流路5と流出側流路6の部分円筒形の流路1に連なる部分は、図3に矢印で示すように、その内側から外側に、すなわち流路のカーブの曲率半径方向にその中心に向けて導電性流体の圧力が加わる部分である。そのため、その部分の外側を拘束するように前記の補強部材9、9を設けることで、Ω形流路が一直線的な流路になろうとする力を押えることになり、その部分の過大な拉げ応力を避けることが出来る。補強部材9を片側だけに設ける場合は、円筒形の流路1を固定し、円筒形の流路1の架台とは別の架台に取り付けられた補強部材9を押し当てる様にして、部分円筒形の流路1から流出側流路6に連なるカーブの外側面だけに設けるとよい。電磁ポンプにおいて流出側流路6の側は流路内で駆動圧力(出力)が最も押し上げられた導電性流体の流れが直接当たる側であり、そちらの補強がより重要である。
また図1と図3に示した磁場回転式電磁ポンプの例では、前記部分円筒形の流路1の外側に、内圧に抗する補強部材10を設けている。補強部材10は、部分円筒形の流路1の外側に張り出したリブ状のものである。この補強部材10は、可能ならば部分円筒形の流路1と一体として設けるか、或いは部分リング状の部材を部分円筒形の流路1の外周側に溶接して取り付ける。図1や図3では陰になって見えないが、この補強部材10の両端は、前記の補強部材9、9に設けた溝の中に嵌め込んで固定してある。図示の補強部材10は1つであるが、必要に応じて部分円筒形の流路1の幅方向に分けて複数設けることも出来る。
この部分円筒形の流路1には、内側から外側に、すなわち流路1のカーブの曲率半径方向に放射状に導電性流体の圧力が加わる部分である。そのため、その部分の外側に補強部材10を設けることで、やはり流路1に生じる応力を緩和することが出来る。
なお、図2と図3に示した磁場回転式電磁ポンプの例において、他の部分は図1により前述した磁場回転式電磁ポンプの例と同じであり、同じ部分は同じ符合を付している。その説明は省略する。なお、図2と図3では、誘導子2、2’の図示を省略しているが、図1により前述した磁場回転式電磁ポンプの例と同様に誘導子2又は2’が必要であることは言うまでもない。
本発明は、Ω形の流路を有する電磁ポンプであって、特に水銀や溶融鉛ビスマス等の低融点の導電性流体を流すために使用される磁場回転式電磁ポンプにおいて、性能劣化を起こさず、安定した運転を行うことを可能とする技術として適用可能である。
本発明によるΩ形の流路を有する磁場回転式電磁ポンプの例を部分開削して流路内部が見えるように示した概念斜視図である。 本発明の実施例による磁場回転式電磁ポンプの流路の他の例を部分開削して流路内部が見えるように示した概念斜視図である。 本発明の実施例による磁場回転式電磁ポンプの流路の部分を部分開削して流路内部が見えるように示した概念斜視図である。 リニア型の電磁ポンプの従来例を示した概念斜視図である。 環状流路形のリニア誘導方式の導電性流体用の誘導型電磁ポンプの例を部分開削して流路内部が見えるように示した概念斜視図である。 螺旋状の流路を有する導電性流体用の誘導型電磁ポンプの従来例を部分開削して流路内部が見えるように示した概念斜視図である。 螺旋状の流路を有する導電性流体用の誘導型電磁ポンプの他の従来例を部分開削して流路内部が見えるように示した概念斜視図である。 図6や図7に示した螺旋状の流路を有する導電性流体用の誘導型電磁ポンプに使用するロータの例を示す断面図である。 従来のΩ形流路を有する磁場回転方式電磁ポンプの例を部分開削して流路内部が見える様にした概念斜視図である。 図2と図3に示した磁場回転式電磁ポンプの例において、隔壁の壁厚さに対する隔壁に生じる応力のグラフである。
1 部分円筒形の流路
2 誘導子
2’ 誘導子
5 流入側流路
6 流出側流路
8 隔壁
9 補強部材
10 補強部材

Claims (3)

  1. 部分円筒形の流路(1)の一端側が流入側流路(5)に連なり、その他端側に流出側流路(6)が連なり、前記部分円筒形の流路(1)の中に、同流路(1)の円周方向に流入側流路(5)から流出側流路(6)に向けて回転移動する磁界を形成する誘導子(2)又は(2’)を配置した磁場回転式電磁ポンプにおいて、流入側流路(5)と流出側流路(6)とが一体構造であり、その内部の流入側流路(5)と流出側流路(6)と間に隔壁(8)が設けられており、前記流入側流路(5)及び/又は流出側流路(6)の部分円筒形の流路(1)に連なる部分の外側に、内圧に抗する補強部材(9)を設けたことを特徴とする一体流路構造を有する磁場回転式電磁ポンプ。
  2. 前記流入側流路(5)と流出側流路(6)の温度差によって発生する応力が許容応力以下の温度範囲で、隔壁(8)の材質及び壁厚は、それぞれ部分円筒形の流路(1)の材質と同じ非磁性鋼で、壁厚が1.6から2.3倍であることを特徴とする請求項1に記載の一体流路構造を有する磁場回転式電磁ポンプ。
  3. 前記部分円筒形の流路(1)の外側に、内圧に抗する補強部材(10)を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の一体流路構造を有する磁場回転式電磁ポンプ。
JP2013148993A 2013-07-18 2013-07-18 一体流路構造を有する磁場回転式電磁ポンプ Active JP6184215B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013148993A JP6184215B2 (ja) 2013-07-18 2013-07-18 一体流路構造を有する磁場回転式電磁ポンプ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013148993A JP6184215B2 (ja) 2013-07-18 2013-07-18 一体流路構造を有する磁場回転式電磁ポンプ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015023640A JP2015023640A (ja) 2015-02-02
JP6184215B2 true JP6184215B2 (ja) 2017-08-23

Family

ID=52487686

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013148993A Active JP6184215B2 (ja) 2013-07-18 2013-07-18 一体流路構造を有する磁場回転式電磁ポンプ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6184215B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101860898B1 (ko) * 2017-02-03 2018-05-24 울산과학기술원 전도성 물질 이송 장치
CN107394987B (zh) * 2017-09-14 2019-09-20 东莞市神州视觉科技有限公司 旋转电磁泵

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3038409A (en) * 1960-04-15 1962-06-12 United Aircraft Corp Eddy current magnetic liquid metal pump
JP5245172B2 (ja) * 2007-11-21 2013-07-24 独立行政法人日本原子力研究開発機構 平準化磁界形成機構を有する磁場回転式電磁ポンプ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015023640A (ja) 2015-02-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3022830B1 (en) A stator for an electric motor
JP6783660B2 (ja) 機械冷却システム
US6459185B1 (en) Electrical machine with permanent magnets
JP5491484B2 (ja) スイッチドリラクタンスモータ
EP3038240B1 (en) Power generator
JPH11215748A (ja) 永久磁石形回転電機
WO2015198961A1 (ja) 電動機の固定子及び回転電機の冷却構造
US20180337572A1 (en) Rotary electric machine
JP2007074837A (ja) 液体金属用誘導型電磁ポンプ
JP6184215B2 (ja) 一体流路構造を有する磁場回転式電磁ポンプ
US20220077745A1 (en) Electric Motor
CN111293809A (zh) 转子
JP6152257B2 (ja) 液冷モータ
WO2015037069A1 (ja) 回転電機
JP2006050752A (ja) ディスク型回転電機のステータ冷却構造
JPH08298736A (ja) 磁石同期回転機の永久磁石付回転子
JP2019161828A (ja) 回転電機
JP7250214B2 (ja) 固定子および回転電機
JP5105239B2 (ja) 逆流防止機能を有する磁場回転式電磁ポンプ
JP5245172B2 (ja) 平準化磁界形成機構を有する磁場回転式電磁ポンプ
RU2700280C1 (ru) Высокооборотный электромеханический преобразователь энергии с воздушным охлаждением (варианты)
KR102023535B1 (ko) 로드 모터
JP2004304995A (ja) 励磁機、界磁機、およびそれを用いた電動機
KR101607850B1 (ko) 회전 전기 기기
RU2529521C1 (ru) Электромагнитный индукционный насос

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160511

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170125

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170125

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170221

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170707

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170725

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6184215

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250