JP6184166B2 - 結像性能評価装置 - Google Patents
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Description
この光学系調整装置では、撮像光学系で発生している収差を判別するために、撮像光学系の検出器面と異なる結像面の収差(撮像領域外の収差)を検出する波面センサを実装している。
したがって、この光学系調整装置では、撮像光学系とは別に、波面センサの光学系を設ける必要があるため、装置が大型化し、搭載スペースや使用電力に制限がある光学センサシステムでは実現することが困難である。
この結像性能評価装置では、点状光源から放射された光を一様な強度分布を有する平行光に拡大し、その平行光を光学系によって集光することでビームスポットを結像し、そのビームスポットの強度分布に基づいて、光学系で発生している収差量を算出するようにしている。
即ち、ビームスポットの強度分布には、0次ピーク(強度が大きいピーク)と、1次ピーク(強度が小さいピーク)が発生するが、強度が小さい1次ピークの強度情報からコマ収差を算出している。
なお、ビームスポットの強度分布を検出するために、光学系のビームスポットを拡大してCCDカメラに結像させる拡大光学系を実装しており、この拡大光学系は、光学系の試験や組立調整段階では使用することができるが、光学系が完成した後の運用段階では使用することができない。
また、矩形ビーム発生装置が、撮像光学系の光軸回りに矩形ビームを回転させるビーム回転手段を備えており、ビーム回転手段によって矩形ビームが回転された際に、矩形ビームの回転が停止される位置が収差検出手段による収差の検出処理毎に異なるようにしたものである。
図1はこの発明の実施の形態1による結像性能評価装置を示す構成図である。
図1において、矩形ビーム発生装置1は矩形ビームを撮像光学系2に放射する装置であり、矩形ビーム発生装置1は撮像光学系2の光軸回りに矩形ビームを回転させるビーム回転手段を実装している。
なお、ビーム回転手段は、矩形ビーム発生装置1の全体を撮像光学系2の光軸回りに回転させる回転機構であってもよいし、図2に示すように、矩形ビームを形成する矩形スリット13だけを回転させる回転機構14であってもよい。
撮像光学系2としては、例えば、2枚の反射鏡で構成されたカセグレン光学系(望遠鏡光学系)を用いることができる。
光検出器3は例えばCCDカメラなどから構成されており、撮像光学系2により形成された点像(PSF:Point Spread Function)を検出して、その点像の強度分布を示す強度分布信号(電気信号)を出力する処理を実施する。
画像表示装置4は例えばGPU(Graphics Processing Unit)や液晶ディスプレイなどから構成されており、光検出器3から出力された強度分布信号から点像の強度分布画像を生成し、その強度分布画像をディスプレイに表示する装置である。
ここでは、光学シミュレーション部5が、シミュレーションによって、各種の収差に対応する強度分布画像を取得しているものを示しているが、外部から各種の収差に対応する強度分布画像が与えられるものであってもよい。
なお、画像表示装置4、光学シミュレーション部5及び画像マッチング部6から収差検出手段が構成されている。
図2において、点状光源11は、例えば波長630nmの単波長の光を放射する光源である。
コリメータ12は点状光源11から放射された光を無限遠光に変換する光学部品である。
矩形スリット13は矩形の開口(例えば、2000mm×200mmの開口)が施されており、コリメータ12から出力された無限遠光を、開口部分を通過させることで矩形ビームを形成する部品である。
回転機構14は例えばサーボモータなどから構成されており、矩形スリット13を撮像光学系2の光軸回りに回転させる機構である。なお、回転機構14はビーム回転手段を構成している。
図4のカセグレン光学系は、矩形ビーム発生装置1との距離が5000mm、開口径がφ2000mm、F値が12であり、矩形ビーム発生装置1から放射された矩形ビームを反射する1次鏡21と、1次鏡21により反射された矩形ビームを光検出器3に向けて反射する2次鏡22とから構成されている。
撮像光学系2では、レンズやミラー単体が設計値通り製造されているとしても、撮像光学系2の組立時における最終評価段階や運用時で発生する光学収差は、光学素子の配置ずれによるコマ収差と、レンズやミラーを機械的に固定する際に加わる圧力によって発生するレンズやミラー面の歪み(アス)に起因する非点収差が主である。
図1の結像性能評価装置が判別する収差は、上記のコマ収差と非点収差である。
図5は特許文献2の結像性能評価装置が、設計値(無収差)のカセグレン光学系に適用されている場合において、カセグレン光学系の開口径(φ2000mm)の全域に、点状光源から放射された無限遠光が入射されたときのカセグレン光学系の光軸焦点位置における強度分布を示す説明図である。
また、図6は図5の強度分布におけるX軸及びY軸での強度断面を示す説明図である。
図6の例では、強度分布の中央部分には、大きな強度を持つ成分(0次ピーク)が存在し、その中央部分の周辺部分には、小さな強度を持つ成分(1次ピーク)が存在している。
図7はカセグレン光学系が図5の強度分布を持つ場合のMTF(Modulation Transfer Function)を示す説明図である。
カセグレン光学系が無収差である場合、MTFは、図7に示すように、右下がりの直線状の特性を有する。
図8は特許文献2の結像性能評価装置が、上記のコマ収差が発生しているカセグレン光学系に適用されている場合において、カセグレン光学系の開口径(φ2000mm)の全域に、点状光源から放射された無限遠光が入射されたときのカセグレン光学系の光軸焦点位置における強度分布を示す説明図である。
また、図9は図8の強度分布におけるX軸及びY軸での強度断面を示す説明図である。
図9(a)に示すX軸での強度断面は、無収差の場合とほぼ同様であるが(図6(a)を参照)、図9(b)に示すY軸での強度断面は、無収差の場合と比べて(図6(b)を参照)、1次ピークの強度が僅かに増加している。ただし、強度分布は大きく崩れてはいない。
図10に示すように、コマ収差が発生している場合、無収差の場合と比べて(図7を参照)、解像力が大きく低下している。
このように、コマ収差が発生している場合、強度分布の崩れは僅かでも、解像力の低下が大きいことが分かる。
以上より、特許文献2の結像性能評価装置が、強度分布の変動からコマ収差を検出するには、元々強度が小さい1次ピークの僅かな変化を検知する必要があり、光検出器にノイズが加わると、検出が困難であることが分かる。
図11は特許文献2の結像性能評価装置が、上記の非点収差が発生しているカセグレン光学系に適用されている場合において、カセグレン光学系の開口径(φ2000mm)の全域に、点状光源から放射された無限遠光が入射されたときのカセグレン光学系の光軸焦点位置における強度分布を示す説明図である。
また、図12は図11の強度分布におけるX軸及びY軸での強度断面を示す説明図である。
図12(a)に示すX軸での強度断面は、無収差の場合とほぼ同様であるが(図6(a)を参照)、図12(b)に示すY軸での強度断面は、無収差の場合と比べて(図6(b)を参照)、1次ピークの強度が僅かに増加している。ただし、強度分布は大きく崩れてはいない。
図13に示すように、非点収差が発生している場合、無収差の場合と比べて(図7を参照)、解像力が大きく低下している。
このように、非点収差が発生している場合、コマ収差が発生している場合と同様に、強度分布の崩れは僅かでも、解像力の低下が大きいことが分かる。
以上より、特許文献2の結像性能評価装置が、強度分布の変動から非点収差を検出するには、元々強度が小さい1次ピークの僅かな変化を検知する必要があり、光検出器にノイズが加わると、検出が困難であることが分かる。
また、図15は図14の強度分布におけるX軸及びY軸での強度断面を示す説明図である。
図14の強度分布は、図5の強度分布と比べて、X軸方向に広がっている。これは矩形ビームによる回折によって強度分布が広がっているためである。
また、図17は図16の強度分布におけるX軸及びY軸での強度断面を示す説明図である。
図17(b)に示すY軸での強度断面は、無収差の場合のY軸での強度断面(図15(b)を参照)と比べて、コマ収差の影響で1次ピークの強度が変化している。その変化量は、特許文献2に開示されている結像性能評価装置と比べて大きく(図9(b)を参照)、コマ収差の判別性が向上していることが分かる。
また、図19は図18の強度分布におけるX軸及びY軸での強度断面を示す説明図である。
図19(a)に示すX軸での強度断面は、無収差の場合のX軸での強度断面(図15(a)を参照)と比べて、強度分布の幅が狭くなっている。
一方、図19(b)に示すY軸での強度断面は、無収差の場合のY軸での強度断面(図15(b)を参照)と比べて、非点収差の影響で1次ピークの強度が変化している。その変化量は、特許文献2に開示されている結像性能評価装置と比べて大きく(図12(b)を参照)、非点収差の判別性が向上していることが分かる。
よって、光検出器3の検出面上のコマ収差や非点収差による強度分布の崩れも、検出面内のあらゆる方向に生じることになる。
このようにランダムな方向に生じる強度分布の崩れに対して、撮像光学系2の光軸に対する矩形ビームの角度が固定されている場合、収差の向きによっては、強度分布の崩れの判別が困難になり、収差の判別性が低下することがある。
以下、その具体例を挙げる。
図21は図20の矩形ビームを撮像光学系2の光軸回りに90°回転させた場合の矩形ビームとカセグレン光学系の配置関係を示す斜視図である。
図22は矩形ビームとカセグレン光学系の配置関係が図21であるときに、カセグレン光学系でコマ収差が発生している場合(2次鏡22が光軸に垂直な方向に0.1mm並進して、コマ収差が発生している場合)の強度分布を示す説明図である。
この場合、図16では確認可能な1次ピークの変化を確認することができない。このため、無収差と判別されて、カセグレン系で生じているコマ収差を見逃す可能性がある。
この場合、図18では確認可能な1次ピークの変化を確認することができない。このため、無収差と判別されて、カセグレン系で生じている非点収差を見逃す可能性がある。
そこで、この実施の形態1では、矩形ビームを撮像光学系2の光軸回りに0〜180°の範囲で回転させることができるようにして、ある角度では確認が困難な収差を検出できるようにしている。
まず、矩形ビーム発生装置1は、矩形ビームを撮像光学系2に放射する。
矩形ビーム発生装置1から放射される矩形ビームは、回転機構14によって、撮像光学系2の光軸回りに回転させられる。
回転機構14による矩形ビームの回転は、後述する画像マッチング部6が収差の判別処理を実施する毎に行われ、収差の判別処理中は、任意の回転位置で停止される。
回転位置としては、例えば、0°の位置、45°の位置、90°の位置、135°の位置などが考えられる。ただし、この回転位置は、あくまでも一例である。
また、回転機構14による矩形ビームの回転を連続的に行って、後述する画像表示装置4により表示される強度分布画像が連続的に変化するようにしてもよい。この場合、ユーザは、強度分布画像の変化を確認することで、強度分布の崩れが最も大きい回転位置を確認することができる。
光検出器4は、撮像光学系2の2次鏡22により反射された矩形ビームが検出面上に結像され、その結像されている点像を検出して、その点像の強度分布を示す強度分布信号(電気信号)を画像表示装置4に出力する。
画像表示装置4は、光検出器3から強度分布信号を受けると、その強度分布信号から点像の強度分布画像を生成し、その強度分布画像をディスプレイに表示する。また、その強度分布画像を画像マッチング部6に出力する。
これらの強度分布画像は、矩形ビームの回転位置毎にシミュレーションされてデータベースに保存される。
シミュレーションによって強度分布画像を生成する処理自体は公知の技術であるため詳細な説明は省略する。
画像マッチング部6は、光学シミュレーション部5のデータベースから現在の矩形ビームの回転位置に対応する各収差の強度分布画像を取得すると、各収差の強度分布画像と画像表示装置4から出力された強度分布画像との間の画像マッチングを実施して、撮像光学系2における収差の有無及び撮像光学系2に生じている収差の種類を判別する。
即ち、画像マッチング部6は、各収差の強度分布画像と画像表示装置4から出力された強度分布画像との間の画像マッチングを実施することで、各収差の強度分布画像の中で、画像表示装置4から出力された強度分布画像と最も類似している画像を特定し、その画像に対応する収差の種類を判別する。
また、最も類似している画像が、撮像光学系2で非点収差が発生している場合の強度分布画像であれば、撮像光学系2で非点収差が発生していると判別する。
このため、回転位置が、例えば、0°の位置では、無収差であると判別されても、90°の位置では、コマ収差や非点収差が検出されることがある。
そこで、画像マッチング部6は、例えば、0°の位置では、無収差であると判別しても、90°の位置で、コマ収差(または、非点収差)であると判別すると、コマ収差(または、非点収差)が発生している旨を示す判別結果を出力する。
なお、強度分布画像の画像マッチング処理自体は公知の技術であるため詳細な説明は省略する。
なお、光検出器3の他に、収差を判別するために別の光学系に設ける必要がないため、特許文献1と比べて、光学システムのリソースを増加させなくて済む効果もある。
この実施の形態1では、特に言及していなかったが、矩形ビーム発生装置1が、遠方に存在している撮像光学系2に対して矩形ビームを入射させる場合、伝搬中に大気の散乱(レイリー散乱)を受けて、矩形ビームの強度の低下やノイズ成分が発生し、光検出器3の検出面上における強度分布の強度分布の信号対雑音比(S/N)が低下して、収差の判別性が低下する可能性がある。
大気の散乱は、波長が長くなる程、少なくなるので、矩形ビーム発生装置1の点状光源11は、光検出器3の分光感度における長波長側の波長(検出が可能な波長範囲内で、最も長い波長)と一致する波長の光を放射することが好ましい。
上記実施の形態1では、矩形ビーム発生装置1から放射された矩形ビームが撮像光学系2に入射されるものを示したが、例えば、撮像光学系2が移動体に搭載されており、移動体の移動に伴って、矩形ビーム発生装置1と撮像光学系2の位置が相対的に変化する場合、矩形ビーム発生装置1から放射された矩形ビームが撮像光学系2の開口部に入射されるようにするためには、矩形ビーム発生装置1と撮像光学系2の位置合わせを行う必要がある。
矩形ビーム発生装置1と撮像光学系2の位置合わせを行うには、図24に示すように、矩形ビーム発生装置1の開口面(矩形のスリット)の周囲に点状光源31,32を配置し、光検出器3が、点状光源31,32から放射される光(エイミング光)を検出し、移動体が、光検出器3の検出結果を参照しながら、点状光源31,32をターゲットにして、進行方向を調整することで、撮像光学系2の開口部に矩形ビームを入射させることができる。
上記実施の形態2では、移動体が、光検出器3の検出結果を参照しながら、点状光源31,32をターゲットにして、進行方向を調整するものを示したが、矩形ビーム発生装置1から放射される矩形ビームが、撮像光学系2の開口部に入射されている位置に移動体が存在している間に、回転機構14が、矩形ビームを撮像光学系2の光軸回りに回転させる必要がある。
このため、移動体が高速に移動している場合、矩形ビームの回転が完了する前に、矩形ビームが撮像光学系2の開口部に入射されない位置に去ってしまって、撮像光学系2の収差を検出することができない場合がある。
撮像光学系2が通過する際に、各矩形ビーム発生装置1が、光軸に対する角度が異なる矩形ビームを撮像光学系2に放射することで、回転機構14が、矩形ビームを撮像光学系2の光軸回りに回転させる場合と同じ効果が得られる。
運用中である撮像光学系2の結像性能を評価する際、ユーザが、撮像光学系2の傍に行って作業する事が困難な場合、遠方から矩形ビームを撮像光学系2へ入射させる場合がある。
例えば、撮像光学系2が人工衛星に搭載される場合、高い山の山頂に設置されて、リモートで運用される望遠鏡光学系(撮像光学系2)などが挙げられる。
矩形ビーム発生装置1が、遠方の撮像光学系2に対して矩形ビームを放射する場合、矩形ビーム発生装置1の射出面では、矩形ビームの強度分布が均一であっても、伝搬距離が長くなるほど、回折の影響により矩形ビームの強度分布が一様でなくなる。
大まかに分類すると、矩形開口径に対して伝搬距離が短い場合はフレネル回折領域になり、矩形開口径に対して伝搬距離が長い場合はフラウンホーファー回折領域になる。
実験や研究の結果、図14に示すような矩形ビームによる強度分布の広がり効果は、フラウンホーファー回折では得られず、フレネル回折であれば得られることが分かっている。
以下、撮像光学系2であるカセグレン光学系が人工衛星搭載光学系であるとき、矩形ビーム発生装置1と人工衛星間の距離が500kmである場合と、3000kmである場合とについて説明する。
図27は図26の強度分布におけるX軸及びY軸での強度断面を示す説明図である。図27より、矩形ビーム発生装置1の射出面での矩形ビームの強度分布は均一である。
図28は距離500kmの位置に存在している人工衛星のカセグレン光学系の開口面に入射される矩形ビームの強度分布を示す説明図である。
図29は図28の強度分布におけるX軸及びY軸での強度断面を示す説明図である。
図29より、射出面では均一な強度分布であった矩形ビームが、500kmを伝搬する中で、回折によって、X軸断面及びY軸断面の強度分布の均一性が失われていることが分かる。
図29(b)に示すY軸断面は、矩形ビームの長径方向の回折による強度分布であり、凸凹状分布を示している。
回折理論によれば、図29(a)に示すX軸断面の凸型強度分布はフラウンホーファー回折であり、図29(b)に示すY軸断面の凸凹強度分布はフレネル回折である。
図30は図28の強度分布がカセグレン光学系の開口面に入射された場合の光検出器3の検出面での強度分布を示す説明図である。
図30の強度分布は、上記実施の形態1と同様に、X軸方向に広がった強度分布になっており、上記実施の形態1と同様の収差判別が可能である。
図32は図31の強度分布におけるX軸及びY軸での強度断面を示す説明図である。
図32(a)に示すX軸断面は、矩形ビームの短径方向の回折による強度分布であり、フラットな分布を示している。
図32(b)に示すY軸断面は、矩形ビームの長径方向の回折による強度分布であり、凸状分布を示している。
回折理論によれば、X軸断面及びY軸断面は共に、フラウンホーファー回折である。
図33は図31の強度分布がカセグレン光学系の開口面に入射された場合の光検出器3の検出面での強度分布を示す説明図である。
図33の強度分布は、X軸方向に広がった強度分布になっていない。よって、上記実施の形態1と同様の収差判別はできず、特許文献2に開示されている結像性能評価装置と同じ条件になる。
撮像光学系2の開口部に入射される矩形ビームの長径方向の強度分布がフレネル回折となる条件は、下記の式(1)が成立することであり、矩形ビーム発生装置1は、下記の式(1)が成立する矩形ビームを放射するようにする。
式(1)において、DAは矩形ビームの長径幅、λは矩形ビームの波長、Hは矩形ビーム発生装置1から撮像光学系2までの距離、mは0.4未満のパラメータである。
よって、フラウンホーファー回折の第一暗帯が、撮像光学系2の開口径以下であれば、矩形ビームの短径方向の回折光の光量ロスを少なくすることができる。
この場合、撮像光学系2の開口直径がRであるとき、矩形ビーム発生装置1での矩形ビームの短径幅DBが下記の式(2)を満足する矩形ビームを放射するようにする。
大気の散乱は、波長が長くなる程、少なくなるので、矩形ビーム発生装置1の点状光源11は、光検出器3の分光感度における長波長側の波長(検出が可能な波長範囲内で、最も長い波長)と一致する波長の光を放射することが好ましい。
Claims (9)
- 矩形ビームを放射する矩形ビーム発生装置と、
上記矩形ビーム発生装置から放射された矩形ビームを結像して、点像を形成する撮像光学系と、
上記撮像光学系により形成された点像を検出して、上記点像の強度分布を示す強度分布信号を出力する光検出器と、
上記光検出器より出力された強度分布信号から強度分布画像を生成し、上記強度分布画像を解析して、上記撮像光学系で発生している収差を検出する収差検出手段とを備え、
上記矩形ビーム発生装置は、上記撮像光学系の光軸回りに上記矩形ビームを回転させるビーム回転手段を備えており、
上記ビーム回転手段によって上記矩形ビームが回転された際に、上記矩形ビームの回転が停止される位置が上記収差検出手段による収差の検出処理毎に異なることを特徴とする結像性能評価装置。 - 矩形ビームを放射する複数の矩形ビーム発生装置と、
移動体に搭載されており、上記矩形ビーム発生装置から放射された矩形ビームを結像して、点像を形成する撮像光学系と、
上記撮像光学系により形成された点像を検出して、上記点像の強度分布を示す強度分布信号を出力する光検出器と、
上記光検出器より出力された強度分布信号から強度分布画像を生成し、上記強度分布画像を解析して、上記撮像光学系で発生している収差を検出する収差検出手段とを備え、
上記複数の矩形ビーム発生装置が上記移動体の進行方向と平行に一列に配置されており、
上記複数の矩形ビーム発生装置から、上記撮像光学系の光軸回りの回転角が異なる矩形ビームが上記撮像光学系に放射されることを特徴とする結像性能評価装置。 - 上記矩形ビーム発生装置は、
光を放射する点状光源と、
上記点状光源から放射された光を無限遠光に変換するコリメータと、
上記コリメータにより変換された無限遠光の一部を通過させる矩形スリットとを備えていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の結像性能評価装置。 - 矩形ビームを発生する複数の矩形開口コリメータが一列に配置されることで、上記矩形ビーム発生装置が構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の結像性能評価装置。
- 上記矩形ビーム発生装置における矩形ビームの放射口である開口面の周囲に点状光源が配置されていることを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載の結像性能評価装置。
- 上記矩形ビーム発生装置は、単波長の矩形ビームを放射することを特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれか1項記載の結像性能評価装置。
- 上記矩形ビーム発生装置は、上記光検出器の分光感度における長波長側の波長と一致する波長の矩形ビームを放射することを特徴とする請求項1から請求項6のうちのいずれか1項記載の結像性能評価装置。
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