JP6183681B2 - セシウム吸着材およびセシウム吸着材の製造方法 - Google Patents

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本発明は、酢酸ビニル樹脂中に紺青を含有させたセシウム吸着材、およびその製造方法に関する。
更に詳しくは、本発明は紺青の有するセシウム吸着能を妨げずに樹脂で固定化することにより、効率的なセシウム吸着と回収を実施でき、かつ、紺青の脱落を防止することによってセシウム吸着後の回収を確実にしたセシウム吸着材と、その製造方法に関する。
従来、原子力発電所の事故に起因する放射性セシウムによる土壌、水域汚染が問題となっていて、セシウムイオンの吸着材として、ゼオライト、紺青が主に用いられている。
ゼオライトは鉱物でありながら、天然物と人工物が存在し、身近な用途として防臭、除湿性能を利用したペット用砂や床下乾燥剤等が知られている。しかしながらゼオライトは水中でセシウム以外のイオンも吸着してしまうため、例えば放射性セシウムで汚染された水田の除染をしようとしてゼオライトを散布すると、特にセシウムイオンと挙動が似ているカリウムイオンも積極的に吸着するため、除染後にイネの養分としてカリウムの投与が必要になってしまう。更に、ゼオライトはその使用量に対するセシウム吸着能が低く、ゼオライトで放射性セシウムを吸着させるためには大量のゼオライトを散布する必要があり、その結果水田がゼオライトで埋め尽くされてしまい、水田としての用をなさなくなってしまうという問題がある。
紺青にはプルシアンブルーその他の別称があって、青色顔料としてペンキ、インキ、枯れた芝生の染色剤等に用いられている。そして、セシウムイオンを選択的に吸着することが知られていて、チェルノブイリ原発事故後、土壌に大量散布したり、家畜の体内に存在する放射性セシウムを除去するために、家畜に経口投与することが行われている。日本国内においても東日本大震災以降、放射線医学研究所の管理の下、原発作業者への経口投与が行われている例がある。
また、セシウムイオンを含む陽イオン、特に所望のアルカリイオンを液体から吸着・除去し、その吸着した陽イオンを容易に脱離させる、あるいはその吸着した陽イオンを有する材料を沈殿物として液中から容易に取り出すことができる陽イオンの処理方法が研究されていて、実際の汚染現場で活用されつつある(特許文献1参照)。
しかしながら、紺青は微細粒子であるため飛散し易く、粉末をそのまま散布すれば除染作業者が吸引する可能性がある。このため水に分散させてから散布する必要があるが、散布現場において混合タンク、噴霧器、水源、電源等が必要なため散布行為自体が困難であるのみならず、元来紺青は水に不溶性だが、親水性であるため微粒子として分散するという性質のため、水に分散しにくく、現場で作業者が紺青粉末を水に分散させる作業中にも作業者が吸引する恐れがある。また、水に分散した後も水に対する溶解度が低く沈殿しやすいことから散布現場で均一な散布用水溶液を得ることは困難であった。
また、従来から紺青を顔料として樹脂に練り込む技術があって、透明性の高いフィルムに紺青を練り込んで遮光性を付与する発明もなされている(特許文献2参照)。
また、最近は紺青をポリエチレン樹脂に分散させて固定化したセシウム吸着材が研究され、製膜してシートや袋体を製造することも実施されているが、紺青が吸水性の低いポリエチレン樹脂に覆われているため表面に露出したごく僅かの紺青しかセシウムイオンを吸着することができず、放射性セシウム吸着材としての効果は殆ど期待できない。また、一般的な樹脂の場合、無機物を分散させることができる量は20wt%程度が限界であり、紺青を大量に分散させると脆くなって製膜や造粒が困難になるため、紺青を大量に分散させて放射性セシウムの吸着効率を上げることができなかった。更に、紺青は180℃を越えると分解してしまうため、比較的低温で押し出し製膜できるポリエチレン系樹脂のインフレーション製膜しか選択肢はなかった。
また、ゼオライト粒子の表面を紺青でコーティングしたセシウム吸着材が、原発のセシウム吸着塔用充填剤として用いられているが、非常に高価で普及し難い、および、使用後に減容できないので廃棄物が嵩張って保管場所に困るという問題のみならず、放射性セシウムの崩壊熱により吸着塔の中心温度が紺青の分解温度近くまで上昇し危険な状況に陥るという問題に直面している。
また、顔料としての紺青に着目し、紺青を繊維に固着させた放射性セシウム吸着布や、インキ化した紺青を不織布製フィルター表面に塗布した吸着材も開発されつつあるが、いずれの場合も付着させることができる紺青の量が少ないためセシウム吸着材としての性能は低く、改善が望まれている状況である。
また、酢酸ビニル樹脂は、そのエマルジョンが木工用接着剤として広く用いられているが、機能性材料を混合し、その硬化膜を利用することは為されていなかった。
特開2011−200856号公報 特開2004−114515号公報
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、紺青が樹脂で固定された状態でも、樹脂内部に存在する紺青がセシウムを吸着できるようにすることで、少量の吸着材で効率的なセシウム吸着ができ、かつ、回収可能なセシウム吸着材を得ること、および、紺青を散布する現場において、特殊な装置を用いることなく効率的に散布でき、かつ、取扱者が吸引する可能性が殆ど無いセシウム吸着材およびセシウム吸着材の製造方法を提供することを目的とする。
また、紺青が脱落し難いセシウム吸着材を得ることによって、確実にセシウムを吸着したセシウム吸着材を回収すること、および、セシウムを吸着した紺青を飛散し難くすることができ、かつセシウムを吸着した後の紺青の分離を可能にすることによって、放射性廃棄物の減容が可能なセシウム吸着材およびセシウム吸着材の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、酢酸ビニル樹脂と、酢酸ビニル樹脂中に含有された粒子状の紺青とを備えたことを特徴とするセシウム吸着材である。
本発明は、紺青を含有する酢酸ビニル樹脂の表面に、追加の酢酸ビニル樹脂がコーティングされていることを特徴とするセシウム吸着材である。
本発明は、紺青を含有する酢酸ビニル樹脂を含浸する基材を更に備えたことを特徴とするセシウム吸着材である。
本発明は、紺青を含有する酢酸ビニル樹脂を含浸する基材の表面に、追加の酢酸ビニル樹脂がコーティングされていることを特徴とするセシウム吸着材である。
本発明は、前記基材は布、または不織布からなることを特徴とするセシウム吸着材である。
本発明は、水中に酢酸ビニル樹脂と、粒子状の紺青とを混合させてセシウム吸着材水溶液を作製する工程と、セシウム吸着材水溶液を乾燥させることにより、酢酸ビニル樹脂と、酢酸ビニル樹脂中に含有された粒子状の紺青とを含むセシウム吸着材を製造する工程とを備えたことを特徴とするセシウム吸着材の製造方法である。
本発明は、紺青を含有する酢酸ビニル樹脂の表面に、追加の酢酸ビニル樹脂をコーティングすることを特徴とするセシウム吸着材の製造方法である。
以下の文中において、セシウム原子の放射性の有無は紺青のセシウム吸着能力に影響が無いので、セシウム原子を放射性の有無で区別しない。
本発明に係るセシウム吸着材は、酢酸ビニル樹脂が結合材の役割を果たし、90wt%という高濃度の紺青を分散させても紺青が脱落し難く、少量のセシウム吸着材で効率的にセシウムの除染を行うことができる。
また、紺青を含有する酢酸ビニル樹脂の表面に、追加の酢酸ビニル樹脂をコーティングすることによって、紺青が更に脱落しにくくなる。
本発明に係るセシウム吸着材をセシウムイオン水に浸漬すると、酢酸ビニル樹脂が吸水して膨潤し、当該セシウム吸着材全体に水が行き渡ると同時にセシウムイオンもセシウム吸着材全体に行き渡るので、当該セシウム吸着材全体の紺青がセシウムイオンを吸着することができる。その際、酢酸ビニル樹脂が吸水して膨潤しても、吸水した酢酸ビニル樹脂は柔軟なため当該セシウム吸着材が崩壊することはなく、セシウムイオンを吸着した紺青が脱落し難い。
また、セシウムイオンを吸着した本発明に係るセシウム吸着材は、水に浸漬しても固形状態を維持できるので、セシウムイオン吸着後に当該セシウム吸着材を回収することができ、更に、被覆型セシウム吸着材の場合は紺青が殆ど脱落しないので、より確実にセシウム吸着後のセシウム吸着材を回収することができる。
また、セシウムイオン吸着後に回収した、前記セシウム吸着材の酢酸ビニル樹脂を熱水や有機溶剤で溶解させ、紺青のみを分離回収することにより、廃棄物を減容することができる。
また、水中に酢酸ビニル樹脂と、紺青とを混合させてなるセシウム吸着材水溶液は、酢酸ビニル樹脂の存在によって粘調液となり、紺青が沈殿し難く、かつ、酢酸ビニル樹脂が展着剤として作用するため、当該セシウム吸着材水溶液を植物や構造物に散布した場合、葉、樹皮、壁面等に、セシウム吸着材水溶液を容易に付着させることができ、このセシウム吸着材水溶液は垂れ難くなっている。更にこのセシウム吸着材水溶液は乾燥してセシウム吸着材の皮膜を形成し、雨水、散水等により溶解することなく付着面に留まり易い。このように付着面に留まったセシウム吸着材は、そのまま放置することができ、付着物ごと回収することもできる。またセシウム吸着材を回収する際、セシウム吸着材は紺青により濃い青色を呈しているため見つけ易く、回収もれが生じ難い。
また、紺青は酸性下で安定な物質であるが、酢酸ビニル樹脂はその製造工程において除去しきれなかった遊離の酢酸を含有するので、紺青を混合する樹脂として好適で、安定的に紺青が存在できる。
図1は本発明によるセシウム吸着材であって、フィルム状に形成されたセシウム吸着材を示す図。 図2は本発明によるセシウム吸着材であって、ペレット状に形成されたセシウム吸着材を示す図。 図3はセシウム吸着材の変形例を示す図。 図4はセシウム吸着材の更なる変形例を示す図。 図5はセシウム吸着材の更なる変形例を示す図。 図6(a)(b)はセシウム吸着材の製造方法を示す図。 図7(a)(b)はセシウム吸着材の製造方法の変形例を示す図。 図8はセシウム吸着材の製造方法の他の変形例を示す図。 図9はセシウム吸着材の製造方法の他の変形例を示す図。
以下、図面を参照して本発明によるセシウム吸着材について説明する。
図1および図2は、本発明によるセシウム吸着材の実施の形態を示す図である。
図1に示すように、セシウム吸着材10はフィルム状に形成され、酢酸ビニル樹脂11と、酢酸ビニル樹脂11中に含有された粒子状の紺青12とを有している。
あるいは図2に示すように、セシウム吸着材10をペレット状に形成してもよく、図2に示すペレット状のセシウム吸着材10は酢酸ビニル樹脂11と、酢酸ビニル樹脂11中に含有された粒子状の紺青12とを有している。
次にセシウム吸着材10の構成要素について説明する。
(酢酸ビニル樹脂)
本発明に係るセシウム吸着材10において、水中に酢酸ビニル樹脂11を混合してなる酢酸ビニル樹脂11の水性エマルジョンに、紺青12を混合させてセシウム吸着材水溶液10Aを作製し、このセシウム吸着材水溶液10Aをセシウム吸着材10の原液として用いることができる(図6(a))。必要に応じてマイクロシリカ等のアンチブロッキング剤、増粘剤、その他の添加剤をセシウム吸着材水溶液10A中に加えても差し支えない。
酢酸ビニル樹脂エマルジョンは、水溶液の状態では水に対してほぼ自由な割合で混合することができるが、乾燥して硬化膜を形成した後は、水に浸漬しても60℃以下の通常の水温であれば殆ど溶解しないので、本発明に係るセシウム吸着材10は水中に浸漬してセシウムを吸着した後に回収することができる。
(紺青)
紺青12は、下記一般式で表される無機化合物である。
MFe[Fe(CN)] 但し、M=NH、K、Fe
紺青12には、プルシアンブルー、ミロリーブルー、ベルリンブルー、アイアンブルー等多くの慣用名があり、前式中Mが異なっても化学的にほとんど同じ性質をもち、毒性は無い。
粉体として流通し、一般的な粒形は0.05μm〜0.1μmである。
(セシウム吸着材)
酢酸ビニル樹脂エマルジョンは流動性と粘着性を有し、紺青12と自由な割合で混合することにより、セシウム吸着材水溶液10Aを作製することができる(図6(a))。その際、水分量を調節することによって粘液状、粘土状等に流動性を調整できるので、セシウム吸着材水溶液10Aを用いて溶液流延法等を用いて製膜することによりフィルム状のセシウム吸着材10を製造することができる(図6(a)(b)参照)。あるいはセシウム吸着材水溶液10Aをペレタイザーに通して粒状化することにより、ペレット状のセシウム吸着材10を製造することができる(図6(a)(c)参照)。ただし、紺青12の耐熱温度は180℃であるため、樹脂温度が180℃を超えないよう、乾燥温度に注意が必要である。
紺青12は、酢酸ビニル樹脂エマルジョンに自由な割合で混合できるが、紺青12の割合が多すぎると乾燥後に紺青12が脱落し易くなるので、紺青12の脱落が問題となる場合の酢酸ビニル樹脂11に対する紺青12の混合割合は50wt%以下にするとよい。尚、水中に散布する場合等、セシウム吸着材10を回収しない用途に使用する場合等では、酢酸ビニル樹脂11と紺青12の混合割合は50wt%を越えても構わず、シート化する場合の酢酸ビニル樹脂11に対する紺青12の混合割合は75wt%程度まで、ペレット化する場合は90wt%程度まで高めることができる。
次にセシウム吸着材10の変形例について述べる。
図7(a)(b)に示すように、紺青12と酢酸ビニル樹脂エマルジョンを混合したセシウム吸着材水溶液10Aを不織布等の基材15に塗布ノズル20を用いて塗布し、基材15を乾燥させることによって、紺青12を分散させた酢酸ビニル樹脂11を基材15に含浸させてなるセシウム吸着材10を得ることができる(図3参照)。
この場合も図1に示すように、紺青12を分散させた酢酸ビニル樹脂11単体からなるセシウム吸着材10と同様、紺青12の割合が多すぎると紺青12が脱落し易くなるので、紺青12の脱落が問題となる場合の酢酸ビニル樹脂11に対する紺青12の混合割合は50wt%以下にするとよい。尚、水中に散布する場合等、セシウム吸着材10を回収しない用途に使用する場合等では、酢酸ビニル樹脂11と紺青12の混合割合は50wt%を越えても構わず、酢酸ビニル樹脂11に対する紺青12の混合割合は90wt%程度まで高めることができる。
基材15に対する、紺青12と酢酸ビニル樹脂エマルジョンを混合したセシウム吸着材水溶液10Aの塗布量に特に制限は無い。セシウム吸着材水溶液10Aの塗布量は酢酸ビニル樹脂11に対する紺青12の混合割合、吸着すべきセシウムの量、セシウム吸着材10を投入する水系のセシウムの総量に対するセシウム吸着材10の投入量等の投入環境要因や、基材15が吸収できるセシウム吸着材水溶液10Aの量、コーティング回数等のコーティング条件によって決定すればよいが、コスト面を考慮した目安のセシウム吸着材水溶液10Aの塗布量としては10g/m2〜500g/m2の範囲が妥当である。
セシウム吸着材10に用いる基材15としては、紺青12と酢酸ビニル樹脂エマルジョンを混合したセシウム吸着材水溶液10Aを弾かない親水性表面を有し、かつ、当該セシウム吸着材10を水に浸漬した時に、紺青12を分散させた酢酸ビニル樹脂11が剥がれないように、紺青12と酢酸ビニル樹脂11を混合したセシウム吸着材水溶液10Aが染み込むことができる基材15を用いる必要がある。このような条件を満たす基材15として綿、麻、絹等の天然繊維からなる布、または、不織布や、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、親水性コーティングやコロナ放電処理等を施したポリオレフィン系繊維等の合成繊維からなる布、または、不織布がある。
また、図8に示すように、紺青12を分散させた酢酸ビニル樹脂11の表面に、更に酢酸ビニル樹脂(追加の酢酸ビニル樹脂)13を塗布ノズル21を用いてコーティング(オーバーコーティングともいう)することで、より確実に紺青12の脱落防止が可能な、本発明に係る被覆型セシウム吸着材10を得ることができる(図4参照)。
あるいは図9に示すように、紺青12を分散させた酢酸ビニル樹脂11を基材15に含浸させ、さらにこの基材15表面に追加の酢酸ビニル樹脂13を塗布ノズル21を用いてコーティングすることにより、被覆型セシウム吸着材10を得ることができる(図5参照)。被覆型セシウム吸着材10の場合、紺青12を分散させた酢酸ビニル樹脂11の、酢酸ビニル樹脂11に対する紺青12の混合割合を90wt%程度まで高めても紺青12が脱落し難い。オーバーコーティングする追加の酢酸ビニル樹脂13の塗布量が少量であればセシウムの透過が早く、塗布量が多いとセシウムの透過は遅いが、より確実に紺青12の脱落を防止できる。また、追加の酢酸ビニル樹脂13を複数回に分けてオーバーコーティングしてもよい。一般的に追加の酢酸ビニル樹脂13のオーバーコーティング量は10g/m2〜100g/m2程度が好適である。
ところで図3、図4、図5、図7(a)(b)、図8および図9に示すように、紺青12と酢酸ビニル樹脂エマルジョンとを混合したセシウム吸着材水溶液10A、または、追加の酢酸ビニル樹脂13を、基材15、紺青12を分散させた酢酸ビニル樹脂11の表面、または、紺青12を分散させた酢酸ビニル樹脂11を含浸させた基材15表面にコーティングする方法としては、グラビアコート、スプレーコート、ディップコート、ダイコート等の、通常行われている水性コーティング剤のコーティング方法を用いることができる。
特にディップコートは基材15の両面に同時にコーティングできるので好適である。
紺青12を分散させた酢酸ビニル樹脂11を基材15に含浸させたセシウム吸着材10は物理的強度が優れているので、放射性セシウムを含む汚染土壌の下敷きやカバーとして使用したり、放射性セシウムを含む汚染水中にそのまま投入して放射性セシウムを吸着させた後回収したりすることができる。
通常、本発明に係るセシウム吸着材10の紺青含有割合は、高いほど効率的にセシウムを吸着できるが、回収したセシウム吸着材10を一般廃棄物として処理したい場合、一般家庭で低濃度汚染水を処理する場合等に用いるセシウム吸着材10の紺青含有割合は低くするとよい。本発明に係るセシウム吸着材10において、紺青12の含有割合が数ppmのセシウム吸着材10でも容易に製造することができる。
また、酢酸ビニル樹脂11の硬化膜は、熱水を用いて溶解させることができ、一旦セシウムを吸着した紺青12はセシウムを放出しないので、回収したセシウム吸着材10を熱水で溶解し、紺青12を分離すれば、廃棄物を減容することができる。
また、紺青12は290℃以上に加熱すれば青酸ガスを放出しながら分解するので、回収したセシウム吸着材10を焼却等により熱分解すれば、更なる減容も可能である。
セシウム吸着材10が吸着した放射性セシウムの量が多く、密度が高い場合、放射性セシウムの崩壊熱によりセシウム吸着材10の温度が上昇し、紺青12の分解温度を超えることが懸念される場合でも、温度上昇前に紺青12を分離、又は熱分解しておく等、本発明に係るセシウム吸着材10は能動的な対応が可能である。
次に、実施例及び比較例により本発明を更に詳述する。
(セシウム吸着材の製造)
酢酸ビニル樹脂含有量41wt%の酢酸ビニル樹脂エマルジョン(製品名「ボンド木工用」、コニシ株式会社製)122gに紺青(製品名「905紺青」、大日精化工業株式会社製)50gと水80mlを加えて混合し、セシウム吸着材水溶液を得た。前記セシウム吸着材水溶液をポリエチレンテレフタレイトフィルム上に載せて厚さ約2mmに伸ばし、70℃のオーブンで乾燥させて本発明のシート状のセシウム吸着材(紺青50%)を得た(図1参照)。
また、同様に酢酸ビニル樹脂含有量41wt%の酢酸ビニル樹脂エマルジョン37gに紺青45gと水60mlを加えて混合し、セシウム吸着材水溶液を得た。セシウム吸着材水溶液をポリエチレンテレフタレイトフィルム上に載せて厚さ約2mmに伸ばし、70℃のオーブンで乾燥させて本発明のシート状のセシウム吸着材(紺青75%)を得た(図1参照)。
(崩壊性試験)
前記2種類のシート状のセシウム吸着材の表面を指で擦ると、セシウム吸着材表面の紺青が指に僅かに付着するのみであった。
また、前記2種類のシート状のセシウム吸着材を5mm×15mmの大きさに、2片ずつ切り取って、水を入れた10mlねじ口試験管に入れて栓を閉め、2ヶ月間静置して状態を観察した。
その結果、いずれのシート状のセシウム吸着材も酢酸ビニル樹脂が吸水して膨潤したが、紺青は脱落しなかった。
(被覆型セシウム吸着材の製造)
酢酸ビニル樹脂含有量41wt%の酢酸ビニル樹脂エマルジョン12gに紺青45gと水40mlを加えて混合し、セシウム吸着材水溶液を得た。前記セシウム吸着材水溶液を直径約3mmの棒状にした後、長さ約10mmに切断し、70℃のオーブンで乾燥させて本発明のペレット状のセシウム吸着材(紺青90%)を得た(図2参照)。
酢酸ビニル樹脂含有量41wt%の酢酸ビニル樹脂エマルジョンを水で希釈して調製した酢酸ビニル樹脂含有量30wt%の酢酸ビニル樹脂エマルジョンに前記ペレット状のセシウム吸着材を浸した。その後、ポリエチレンテレフタレイトフィルム上に載せて70℃のオーブンで乾燥させて本発明のペレット状の被覆型セシウム吸着材を得た。
また、25mm×100mmに切り取った、実施例1で製造したセシウム吸着材(紺青75%)のシート状のセシウム吸着材も酢酸ビニル樹脂含有量25wt%の酢酸ビニル樹脂エマルジョンに浸した。その後、ポリエチレンテレフタレイトフィルム上に載せて70℃のオーブンで乾燥させて本発明のシート状の被覆型セシウム吸着材を得た。
(崩壊性試験)
前記2種類の被覆型セシウム吸着材の表面を指で擦っても指に紺青は付着しなかった。
また、前記ペレット状の被覆型セシウム吸着材を2粒、および、2mm×10mmに切り取った前記シート状の被覆型セシウム吸着材2枚を、それぞれ8mlの水を入れた10mlねじ口試験管に入れて24時間静置した。その後、試験管を手で激しく振とうし、試験菅内の水を目視確認した。この結果、ペレット状の被覆型セシウム吸着材を入れた水は紺青の脱落が認められなかったが、シート状の被覆型セシウム吸着材を入れた水は僅かに紺青の脱落が認められた。シート状の被覆型セシウム吸着材で紺青の脱落が生じた理由は、酢酸ビニル樹脂で被覆されていないシートの切断面の紺青が脱落したためであると考えられるので、紺青の全体量からすれば極めて僅かな量であり、かつ、初期に脱落した後は殆ど脱落しないと思われる。
(基材を含むセシウム吸着材の製造)
基材として選定した坪量60g/m2のポリエステル不織布(製品名「マリックス10606WTD」、ユニチカ株式会社製)を150mm×200mmに切り取り、酢酸ビニル樹脂含有量41wt%の酢酸ビニル樹脂エマルジョン128gに紺青50gと水130mlを加えて混合したセシウム吸着材水溶液に浸した。次に基材を引き上げ、70℃のオーブン内に吊り下げて乾燥させることで、ディップコート法により、本発明に係るセシウム吸着材(紺青50%)を得た(図3参照)。基材に紺青と酢酸ビニル樹脂を分散させたセシウム吸着材水溶液の塗布量は100g/m2であった。
(崩壊性試験)
前記の基材を含むセシウム吸着材の表面を指で擦ると、セシウム吸着材表面の紺青が指に僅かに付着するのみだった。
また、前記基材を含むセシウム吸着材を5mm×15mmの大きさに切り取って、水を入れた10mlねじ口試験管に入れて栓を閉め、2ヶ月間静置して状態を観察した。
その結果、酢酸ビニル樹脂が吸水して膨潤したが、紺青は脱落しなかった。
(基材を含む被覆型セシウム吸着材の製造)
実施例3で製造した基材を含むセシウム吸着材を、酢酸ビニル樹脂含有量41wt%の酢酸ビニル樹脂エマルジョンを水で希釈して調製した酢酸ビニル樹脂含有量30wt%の酢酸ビニル樹脂エマルジョンに浸した。その後基材を70℃のオーブン内に吊り下げて乾燥させることで、ディップコート法により、本発明に係る基材を含む被覆型セシウム吸着材(紺青50%)を得た(図5参照)。当該基材を含む被覆型セシウム吸着材の被覆酢酸ビニル樹脂塗布量は60g/m2であった。
(崩壊性試験)
前記基材を含む被覆型セシウム吸着材の表面を指で擦っても指に紺青は付着しなかった。
また、前記基材を含む被覆型セシウム吸着材を2mm×10mmに2枚切り取り、8mlの水を入れた10mlねじ口試験管に入れて24時間静置した後、試験管を手で激しく振とうし、試験菅内の水を目視確認した結果、僅かに紺青の脱落が認められた。紺青の脱落が生じた理由は、酢酸ビニル樹脂で被覆されていないシートの切断面の紺青が脱落したためであると考えられるので、紺青の全体量からすれば極めて僅かな量であり、かつ、初期に脱落した後は殆ど脱落しないと思われる。
(セシウム吸着試験)
実施例1で製造したシート状セシウム吸着材、実施例2で製造したペレット状被覆型セシウム吸着材、実施例3で製造した基材を含むセシウム吸着材、実施例4で製造した基材を含む被覆型セシウム吸着材、および、単体の酢酸ビニル樹脂を10gずつ秤取し、セシウム濃度1ppmの塩化セシウム溶液100ml中にそれぞれ投入した。25℃で24時間静置した後、残存セシウム濃度を測定した結果、セシウム吸着材を投入した溶液のセシウム濃度はいずれも0.1ppm以下に低下していたが、単体の酢酸ビニル樹脂を投入した溶液のセシウム濃度は殆ど変化が無かった。
この結果から、本発明に係るセシウム吸着材は酢酸ビニル樹脂が吸水すると同時に、水溶液中のセシウムイオンを、紺青が吸着することを確認した。
〔比較例〕
(セシウム吸着試験)
セシウム濃度1ppmの塩化セシウム溶液100ml中に紺青を40wt%練り込んだ低密度ポリエチレンフィルム20gを投入し、25℃で24時間静置した後、残存セシウム濃度を測定した結果、セシウム濃度は0.8ppmであった。
この結果から、吸水性が殆ど無いポリエチレン樹脂に練り込まれた紺青は、ポリエチレン樹脂表面近傍に存在する僅かな紺青しかセシウムを吸着することができず、実用性に乏しいことが明白になると共に、本発明に係るセシウム吸着材の有用性が確認できた。
10 セシウム吸着材
10A セシウム吸着材水溶液
11 酢酸ビニル樹脂
12 紺青
13 追加の酢酸ビニル樹脂
15 基材
20、21 塗布ノズル

Claims (4)

  1. 酢酸ビニル樹脂と、酢酸ビニル樹脂中に含有された粒子状の紺青とを備え、
    紺青を含有する酢酸ビニル樹脂の表面に、紺青を含まない追加の酢酸ビニル樹脂がコーティングされていることを特徴とするセシウム吸着材。
  2. 酢酸ビニル樹脂と、酢酸ビニル樹脂中に含有された粒子状の紺青とを備え、
    紺青を含有する酢酸ビニル樹脂を含浸する基材を更に備え、
    紺青を含有する酢酸ビニル樹脂を含浸する基材の表面に、追加の酢酸ビニル樹脂がコーティングされていることを特徴とするセシウム吸着材。
  3. 前記基材は布、または不織布からなることを特徴とする請求項2記載のセシウム吸着材。
  4. 水中に酢酸ビニル樹脂と、粒子状の紺青とを混合させてセシウム吸着材水溶液を作製する工程と、
    セシウム吸着材水溶液を乾燥させることにより、酢酸ビニル樹脂と、酢酸ビニル樹脂中に含有された粒子状の紺青とを含むセシウム吸着材を製造する工程とを備え、
    紺青を含有する酢酸ビニル樹脂の表面に、追加の酢酸ビニル樹脂をコーティングすることを特徴とするセシウム吸着材の製造方法。
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