JP6183487B2 - 発光装置とそれを用いた発光モジュール - Google Patents
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また、インクジェット記録装置以外の用途であっても、不必要な方向に出射される光を抑制するために、用途に応じた配光特性が求められる場合がある。
図1は、実施形態1に係る発光装置10の構造を示す斜視図である。図1に示されるように、発光装置10は、基板3と、基板3上に実装される発光素子2と、基板3上で発光素子2を直接被覆する透光性封止部材1とを有する。
そして、発光装置10において、
(1)透光性封止部材1が、基板3側から胴体部11と外表面が非球面であるレンズ部12とを有し、そのレンズ部12の光軸方向の長さが胴体部11の光軸方向の長さより長くなっており、
(2)発光素子2の発光面の最大幅をWmとしたとき、胴体部11の径Diが、2.0≧Di/Wm≧1.4を満足するように設定されている。
以上のように構成された発光装置10によれば、放射角に対する光強度分布の半値全角を小さくでき、例えば、インクジェット記録装置に使用される場合に、迷光の抑制が可能な発光装置を提供することが可能になる。
ここで、発光面の最大幅Wmとは、例えば、発光面が四角形である発光素子2では、発光面の対角間の長さをいい、発光面が円形である発光素子2では、発光面の直径をいい、発光面が楕円である発光素子2では、発光面の長径の長さをいう。
また、胴体部11の径Diは、胴体部11の基板3側の底面の径をいう。
なお、発光装置10は、必要に応じて保護素子4を含んでいてもよい。
以下、発光装置10の構成について詳細に説明する。
保護素子4は、例えば、基板3の第1電極31と第2電極32との間に発光素子2と並列に接続することができる。
透光性封止部材1は、基板3上で発光素子2を覆い、透光性封止部材1の光軸が発光素子2の発光部の中心に位置するように設けることができる。また、保護素子4を含む場合には、透光性封止部材1は、基板3上で発光素子2と保護素子4とを覆うように設けることができる。
実施形態1において、レンズ部12の曲面形状は、主として、放射角が0°〜60°の範囲の配光特性を決定する。レンズ部12は、光軸との交点である頂点と胴体部11側の下端部との間において、頂点側及び下端部側よりも曲率半径Rが小さくなる領域を有する非球面の外表面を有する。具体的には、頂点と下端部の間で曲率半径Rが最小になる位置12aを有し、その位置12aから下端部側及び頂点側に近づくにつれて曲率半径Rが大きくなる非球面の外表面を有する。
また、平坦部121は、レンズ部12の下端部の半径を1とした場合、相対値が0〜0.47で表される範囲に設けることができる。このような平坦部121は、上記相対値が0〜0.47で表される範囲において、発光素子2の上面からレンズ部12の頂点までの高さを1とした場合のサグ量zの相対値が、−0.0314以下となるように、外表面の形状を設定することにより構成できる。平坦部121は、完全に平坦な領域を含んでいても良い。なお、サグ量(sag)zとは、透光性封止部材1の頂点において光軸と直交する直線から、透光性封止部材1の外表面までの距離をいう。
例えば、レンズ部12を、直線L3と光軸との角度θ3が60°以下である座標で表される範囲とし、レンズ部12において、光軸からの角度θ1が19°以下である座標で表される範囲が、実質的に平坦な平坦部121とした場合、曲率半径Rが最小になる位置12aは、例えば、直線L2と光軸との角度θ2が40°で表される位置に設定する。
第1領域122は、例えば、直線L2と光軸との角度θ2が19°≦θ2≦40°で表される範囲に設定できる。また、その場合、レンズ部12の下端部の半径を1とした場合、光軸からの距離の相対値が0.48〜0.72で表される範囲に設けることができ、発光素子2の上面からレンズ部12の頂点までの高さを1とした場合のサグ量zの相対値が、−0.0314より大きく、−0.277以下となるように、外表面の形状を設定することができる。
第2領域123は、レンズ部12の下端部の半径hを1とした場合、光軸からの距離の相対値が0.73〜1.0で表される範囲に設けることができ、発光素子2の上面からレンズ部12の頂点までの高さを1とした場合のサグ量zの相対値が、−0.277より大きく、−0.603となるように、外表面の形状を設定することができる。
胴体部11は、透光性封止部材1においてレンズ部12よりも基板3側に設けられる。実施形態1の胴体部11は、レンズ部12側の上端部が直線Lと光軸とのなす角度θが55°以上、65°以下の範囲に位置するように設けられることが好ましい。胴体部11は、その外表面と基板3の上面とがなす胴体部11の内角θ5(以下、胴体部11の内角θ5と記載することがある)が、レンズ部12の下端部の外表面と基板3の上面とがなすレンズ部の内角θ4(以下、レンズ部12の下端部の内角θ4と記載することがある)よりも大きくなるように構成される。したがって、実施形態1では、図3に示されるレンズ部12の下端部の接線よりも内側に傾斜するような胴体部11の外表面とすることができる。ここで、胴体部11の外表面は、基板3に対して垂直(90°)である場合も含む。尚、内角θ4は、光軸を含む断面において、レンズ部12の下端部表面の接線と基板3の上面とがなす角度として表すこともできる。
(1)図3に示されるように、胴体部11の内角θ5がレンズ部12の下端部の内角θ4よりも大きく、基板3に対して垂直(90°)な外表面を有する胴体部11(すなわち、円柱形状又は楕円柱形状)、
(2)図6Aに示されるように、胴体部11の内角θ5がレンズ部12の下端部の内角θ4よりも大きく、かつ90°よりも小さくなる外表面を有する胴体部11(すなわち、円錐台形状又は楕円錐台形状)、
(3)図6Bに示されるように、胴体部11の内角θ5がレンズ部12の下端部の内角θ4よりも大きく、かつ90°よりも大きくなる外表面を有する胴体部11(すなわち、光軸からの距離が基板側ほど小さい逆傾斜、具体的には逆円錐台形状、逆楕円錐台形状)
実施形態1の発光装置10では、図3に示されるように、胴体部11とレンズ部12との間にさらに連結部13を含んでもよい。また、胴体部11の下端部と基板3との間に基部14を有してもよい。連結部13は、例えば胴体部11とレンズ部12と同様の横断面形状を有し、円錐台形状及び楕円錐台形状等に設けることができる。基部14は、基板3側に向かって横断面の面積が大きくなるように設けることができる。連結部13及び基部14は、主として、透光性封止部材1の金型成形を容易にするなど製造上の便宜のため設けられるものであり、胴体部11とレンズ部12とによって形成される配光特性を実質的に変化させないように形状が決定される。しかしながら、連結部13及び基部14は、胴体部11とレンズ部12とによって形成される配光特性よりさらに光軸方向に集中して光が出射されるように、又は胴体部11とレンズ部12とによって形成される配光特性を調整するように形状を決定してもよい。
発光装置10は、図2及び図3に示されるように、レンズ部12の基部14の下端側において、その外縁から外側に拡がった鍔部8を有していてもよい。鍔部8は、例えば、平面視で基板3と同様の矩形形状とすることができる。
発光素子2は、発光装置が仕様される用途に合わせて、半導体材料の選択やその混晶比を適宜設定することにより、紫外から赤外まで幅広い範囲で発光波長を選択することができる。例えば、インクジェット記録装置等に使用される発光装置の発光素子は、紫外域の光を発光するように構成される。そのため、例えば、短波長の光が発光可能な窒化物半導体(主として一般式InxAlyGa1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦1、x+y≦1)で表される)を用いることが好ましい。このほか、InAlGaAs系半導体、InAlGaP系半導体、硫化亜鉛、セレン化亜鉛、炭化珪素などを用いることもできる。発光素子2の外形や寸法は種々選択できるが、実施形態1では、例えば、平面視1.0mm〜2.0mm角程度、厚み50μm〜400μm程度のLEDチップを用いることができる。
基板3として、発光素子2に電流を供給可能な配線(実施形態1では、第1電極31及び第2電極32)と、配線を保持する絶縁性の母材とを有する配線基板を用いることができる。母材としては、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化ジルコニウム、窒化ジルコニウム、酸化チタン、窒化チタン又はこれらの混合物を含むセラミックス、ポリフタルアミドや液晶ポリマー等の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂、ガラスエポキシ、ガラス、紙等が挙げられる。また、基材をポリイミドとし、可撓性の基板としてもよい。また、母材には、発光素子2からの光を効率良く反射させるために酸化チタンなどの白色顔料を配合してもよい。配線の材料としては、銅、鉄、ニッケル、クロム、アルミニウム、銀、金、チタン又はこれらの合金等を含む金属が挙げられる。配線の表面には、さらに金属等の被膜を有していてもよい。なお、基板3は配線のみで構成されていてもよい。基板3の外形は、平板形状、キャビティ形状等適宜選択でき、例えば、平面視3.5mm〜7.0mm角程度、厚み0.5〜3.0mm程度の平板形状のものを用いることができる。
実施例1として、図1に示す発光装置10を用いて配光特性のシミュレーションを行った。
実施例1では、平面視で1.4mm角、厚み0.3mm、発光ピーク波長約385nmの発光素子2が、銅を含む電極(配線)と母材であるアルミナセラミックスとからなる平板状の基板3(平面視3.5mm角、厚み0.4mm)にフリップチップ実装され、透光性封止部材1が基板3上で発光素子2を直接被覆するように設けられている。なお、透光性封止部材1は、光軸が発光素子2の発光部の中心(実施例1では平面視で発光素子2の中心)に位置するように配置される。本シミュレーションにおいて、発光素子2の上面全体が発光面であると仮定しており、ここでは、1.4mm角の発光素子2を用いている。したがって、発光面の最大幅Wmは、発光素子2の上面の対角かど間の距離(対角線の長さ)で与えられ、1.98mmである。
実施例1の透光性封止部材1において、レンズ部12の外表面(非球面形状)は、以下の式(1)により設定した。具体的には、レンズ部12の光軸を原点としたとき、レンズ部12の外表面上の位置が以下の式により決定される。ここで、zは高さ方向の座標(mm)であり、hは高さ方向に直交する方向の座標(mm)である。
ここで、高次の非球面係数のうち、Aは、0.823421とし、より高次のB,C,D,・・・はゼロ(0)とした。また、円錐定数Kは、−0.8783894とし、曲率cは、−1.8227273とした。
また、第1領域122を、光軸からの角度θ2が20°≦θ2≦40°である座標で表される範囲に設けた。実施例1では、平坦部121を除く、光軸を中心とする直径2.2mmの範囲を第1領域とした。第1領域122におけるサグ量zは、−0.068より大きく、−0.596以下となるように設定した。第1領域122の曲率半径Rは、例えば1.44〜2.44(近似値1.89)とすることができる。なお、光軸との角度が略40°である座標で表される範囲において、曲率半径Rが最小になる(例えば、曲率半径R=1.44)位置12aを有する構成とした。
また、光軸からの角度が40°<θ2≦60°である座標で表される範囲を、第2領域123とした。実施例1では、平坦部121及び第1領域122を除く、光軸を中心とする直径3.0mmの範囲を第2領域123とした。第2領域123におけるサグ量zは、−0.596より大きく、−1.30以下となるように設定した。第2領域123の曲率半径Rは、例えば1.44〜1.50(近似値1.49)とすることができる。基板3とレンズ部12(第2領域123)の下端部の外表面とがなす内角θ4は60°とした。なお、レンズ部12の下端部の半径は1.49である。
実施例2では、発光素子2の発光面の最大幅Wmと胴体部の径Diの比(Di/Wm)により配光特性がどのように変化するか確認するために、比(Di/Wm)を変えてそれぞれの比(Di/Wm)における配光特性をシミュレーションにより求めた。具体的には、実施例1のシミュレーションに用いたパラメータから発光面の最大幅Wmのみを変更してシミュレーションを行った。
シミュレーション2aでは、発光素子2の発光面の最大幅Wmと胴体部の径Diの比(Di/Wm)が1.1になるように、最大幅Wmを、2.73に設定した。得られた配光特性を図8Aに示す。
シミュレーション2bでは、発光素子2の発光面の最大幅Wmと胴体部の径Diの比(Di/Wm)が1.2になるように、最大幅Wmを、2.5に設定した。得られた配光特性を図8Bに示す。
シミュレーション2cでは、発光素子2の発光面の最大幅Wmと胴体部の径Diの比(Di/Wm)が1.3になるように、最大幅Wmを、2.31に設定した。得られた配光特性を図8Cに示す。
シミュレーション2dでは、発光素子2の発光面の最大幅Wmと胴体部の径Diの比(Di/Wm)が1.4になるように、最大幅Wmを、2.12に設定した。得られた配光特性を図8Dに示す。
シミュレーション2eでは、発光素子2の発光面の最大幅Wmと胴体部の径Diの比(Di/Wm)が1.6になるように、最大幅Wmを、1.88に設定した。得られた配光特性を図8Eに示す。
シミュレーション2fでは、発光素子2の発光面の最大幅Wmと胴体部の径Diの比(Di/Wm)が1.7になるように、最大幅Wmを、1.76に設定した。得られた配光特性を図8Fに示す。
シミュレーション2gでは、発光素子2の発光面の最大幅Wmと胴体部の径Diの比(Di/Wm)が1.8になるように、最大幅Wmを、1.67に設定した。得られた配光特性を図8Gに示す。
シミュレーション2hでは、発光素子2の発光面の最大幅Wmと胴体部の径Diの比(Di/Wm)が1.9になるように、最大幅Wmを、1.58に設定した。得られた配光特性を図8Hに示す。
シミュレーション2iでは、発光素子2の発光面の最大幅Wmと胴体部の径Diの比(Di/Wm)が2.0になるように、最大幅Wmを、1.5に設定した。得られた配光特性を図8Iに示す。
シミュレーション2jでは、発光素子2の発光面の最大幅Wmと胴体部の径Diの比(Di/Wm)が2.1になるように、最大幅Wmを、1.4に設定した。得られた配光特性を図8Jに示す。
シミュレーション2kでは、発光素子2の発光面の最大幅Wmと胴体部の径Diの比(Di/Wm)が3.1になるように、最大幅Wmを、0.85に設定した。得られた配光特性を図8Kに示す。
(1)発光素子2の発光面の最大幅Wmと胴体部の径Diの比(Di/Wm)を、1.1以上に設定することにより、放射角度±60°における光相対強度を、実施例1で示した比較例より低くできる。
(2)発光素子2の発光面の最大幅Wmと胴体部の径Diの比(Di/Wm)を、1.3以上、2.0以下に設定することにより、放射角度±60°における光相対強度と放射角度±30°における光相対強度を共に、実施例1で示した比較例より低くできる。
(3)発光素子2の発光面の最大幅Wmと胴体部の径Diの比(Di/Wm)を、1.4以上、1.8以下に設定することにより、光強度分布曲線を放射角0°(光軸)上に尖った頂部を有する尖形とすることができる。
実施例3では、胴体部11の高さt11とレンズ部12の高さt12の比(t12/t11)により配光特性がどのように変化するか確認するために、比(t12/t11)を変えてそれぞれの比(t12/t11)について配光特性をシミュレーションにより求めた。具体的には、実施例1のシミュレーションに用いたパラメータから胴体部11の高さt11のみを変更してシミュレーションを行った。
シミュレーション3aでは、胴体部11の高さt11とレンズ部12の高さt12の比(t12/t11)が1.5になるように、胴体部11の高さt11を、0.82に設定した。得られた配光特性を図9Aに示す。
シミュレーション3bでは、胴体部11の高さt11とレンズ部12の高さt12の比(t12/t11)が1.1になるように、胴体部11の高さt11を、1.12に設定した。得られた配光特性を図9Bに示す。
シミュレーション3cでは、胴体部11の高さt11とレンズ部12の高さt12の比(t12/t11)が1.0になるように、胴体部11の高さt11を、1.23に設定した。得られた配光特性を図9Cに示す。
(1)胴体部11の高さt11とレンズ部12の高さt12の比(t12/t11)を、1.0以上に設定することにより、放射角度±60°における光相対強度及び放射角度±30°における光相対強度を、実施例1で示した比較例より低くできる。
(2)胴体部11の高さt11とレンズ部12の高さt12の比(t12/t11)を、1.0以上に設定することにより、光強度分布曲線を放射角0°(光軸)上に尖った頂部を有する尖形とすることができる。
また、胴体部11の高さt11とレンズ部12の高さt12の比(t12/t11)を、1.1以上、1.5以下に設定すると、放射角度±60°における光相対強度と放射角度±30°における光相対強度を共により低くできる。
実施例4では、透光性封止部材1の高さt1と胴体部11の径Diの比(Di/t1)により配光特性がどのように変化するか確認するために、比(Di/t1)を変えてそれぞれの比(Di/t1)について配光特性をシミュレーションにより求めた。具体的には、実施例1のシミュレーションに用いたパラメータから透光性封止部材1の高さt1を変更してシミュレーションを行った。透光性封止部材1の高さt1は、胴体部11の高さt11、レンズ部12の高さt12及び連結部13の高さt13の合計である。実施例4のシミュレーションにおいて、連結部13の高さt13は、0.12mmとし、胴体部11の高さt11とレンズ部12の高さt12の比(t12/t11)は、1.3になるようにした。
シミュレーション4aでは、透光性封止部材1の高さt1と胴体部11の径Diの比(Di/t1)が1.4になるように、胴体部11の高さt11、レンズ部12の高さt12及び連結部13の高さt13を設定した。得られた配光特性を図10Aに示す。
シミュレーション4bでは、透光性封止部材1の高さt1と胴体部11の径Diの比(Di/t1)が1.1になるように、胴体部11の高さt11、レンズ部12の高さt12及び連結部13の高さt13を設定した。得られた配光特性を図10Bに示す。
(1)透光性封止部材1の高さt1と胴体部11の径Diの比(Di/t1)を、1.1以上に設定することにより、放射角度±60°における光相対強度及び放射角度±30°における光相対強度を、実施例1で示した比較例より低くできる。
(2)透光性封止部材1の高さt1と胴体部11の径Diの比(Di/t1)を、1.1以上に設定することにより、光強度分布曲線を放射角0°(光軸)上に尖った頂部を有する尖形とすることができる。
(3)透光性封止部材1の高さt1と胴体部11の径Diの比(Di/t1)を、1.4を越えると、+30°〜+60°の放射角度における光相対強度及び−30°〜−60°の放射角度における光相対強度が大きくなる傾向がある。
図7Aは、本発明の実施形態2に係る発光装置20の構成を示す斜視図である。図7Bは、図7Aに示す発光装置20の側面図である。実施形態2の発光装置20は、主に、基板及び透光性封止部材の構成が実施形態1の発光装置10と異なる。具体的には、側壁7を有する基板3aを用い、該側壁7に、実施形態1で示した透光性封止部材1の胴体部11の側面がもつ反射・導光機能をもたせる。すなわち、基板3aの側壁7と、胴体部11を含まない形態の透光性封止部材1a(すなわち、実施形態1のレンズ部12に対応)とによって、放射角の大きい部分における光相対強度を低くして、迷光を抑制可能な配光特性を有する発光装置20を形成するものである。
その他の構成については、実施形態1の発光装置10の構成を適宜適用することができ、詳細な説明は省略する場合がある。
なお、発光素子2aは、実施形態1と同様に上下に電極を有するものを用いてもよいし、正負の電極が同一面上に設けられた発光素子を用いてフリップチップ実装してもよい。また、正負の電極が同一面上に設けられた発光素子を用い、電極を有する面と反対側の面を配線上に実装し、導電性ワイヤによって発光素子2aの電極と配線とを接続してもかまわない。発光素子2aの発光波長は、適宜所望の波長を選択することができる。また、発光素子2aの大きさや形状も特に限定されず、例えば、平面視が矩形で1.4mm角、厚み0.3mmのものを用いることができる。その他、六角形の発光素子を用いてもかまわない。なお、凹部6の底面上には、発光素子2aの他に保護素子が配置されていてもよい。
実施形態2では、特に、紫外域の波長の光を出射する発光素子2aを用いるような場合、透光性封止部材1aの材料として前述のような樹脂材料の他、ガラス等の無機材料を好適に用いることができる。そうすることで、透光性封止部材1aの劣化を抑制することができる。なお、実施形態2では、凹部6内が空隙になっているが、適宜、樹脂や波長変換部材等の部材を設けてもよい。
このような形状のレンズ部212を、発光素子2aから出射した光と、発光素子2aから出射し、基板3aの側壁7で透光性封止部材1a方向に反射・導光された光と、が通過して発光装置20の外部へ取り出されることで、例えば半球面形状や平板形状の透光性封止部材を用いる場合と比べて、狭配光な発光装置20とすることができる。すなわち、実施形態1では、透光性封止部材1の胴体部11とレンズ部12とによって、迷光を抑制した配光特性を有する発光装置10が形成されたが、実施形態2では、基板3aの側壁7を実施形態1の胴体部11として作用させることで、該側壁7とレンズ部212とよって、迷光を抑制した配光特性を有する発光装置20を形成することができる。例えば、放射角に対する光強度分布の半値全角が、60°以上、70°以下となるような発光装置20を形成することができる。なお、上記のような配光特性を有する発光装置20を複数配置した発光モジュールは、メディア等の照射対象に対して均一な光を照射可能であり、色ムラを抑制することができる。
また、実施形態2では、図7Cに示されるように、発光装置20を実装する際、例えば、発光装置20の実装方向を識別するための識別マークを形成している。具体的には、開口部の形状が略矩形である凹部6において、4つの角部のうち3つをR面、1つをC面として、C面の部分を識別マークC1とすることができる。
パターンは、例えば、鍍金等で形成することができる。特に、パターンをAu等で設けることで、透光性封止部材1aを、半田等の接着剤を用いて側壁7上に接合する際に、接合性を高めることができる。
2,2a 発光素子
3,3a 基板
4 保護素子
5 ワイヤ
10,20 発光装置
11 胴体部
12,212 レンズ部
121 平坦部
122 第1領域
123 第2領域
13 連結部
14 基部
31 第1電極
32 第2電極
6 凹部
7 側壁
8 鍔部
C1,C2,C3 識別マーク
Claims (17)
- 基板と、
前記基板上に設けられた発光素子と、
前記基板上で前記発光素子を被覆する透光性封止部材と、を有し、
前記透光性封止部材は、前記基板側から胴体部とレンズ部を有し、
前記基板と前記胴体部の外表面とがなす内角は、前記基板と前記レンズ部の下端部の外表面とがなす内角よりも大きく、
前記レンズ部の外表面は、該外表面と前記レンズ部の光軸との交点である頂点と前記胴体部側の下端部との間において、前記頂点側及び前記下端部側よりも曲率半径が小さくなる領域を有する非球面からなり、
前記レンズ部の光軸方向の長さは、前記胴体部の光軸方向の長さより長く、
前記発光素子の発光面の最大幅をWmとしたとき、前記胴体部の径Diが、2.0≧Di/Wm≧1.4を満足するように設定されていることを特徴とする発光装置。 - 前記胴体部の径Diが、1.8≧Di/Wm≧1.5を満足するように設定されている請求項1に記載の発光装置。
- 前記胴体部の前記レンズ部側の上端部は、前記光軸との角度が55°以上、65°以下である座標で表される範囲にある請求項1又は2に記載の発光装置。
- 前記レンズ部の外表面は、前記胴体部側の下端部と前記頂点の間の曲率半径が最小になる位置から前記下端部側及び前記頂点側に向かって曲率半径が大きくなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の発光装置。
- 前記レンズ部の外表面は、曲率半径が前記レンズ部の高さの2.8倍以上である平坦部を光軸の周りに含む請求項1〜4のいずれか1つに記載の発光装置。
- 前記平坦部は、前記発光素子の発光面と前記胴体部の光軸との交点と前記平坦部の下端の任意の位置とを結ぶ直線と光軸とがなす角度が、15°以上、25°以下となるように設けられた請求項5記載の発光装置。
- 前記胴体部は、円柱又は楕円柱である請求項1〜6のいずれか1つに記載の発光装置。
- 前記胴体部は、逆円錐台又は逆楕円錐台である請求項1〜6のいずれか1つに記載の発光装置。
- 前記発光素子は、紫外域の波長の光を出射する請求項1〜8のいずれか1つに記載の発光装置。
- 放射角に対する光強度分布の半値全角が、70°以上、80°以下である請求項1〜9のいずれか1つに記載の発光装置。
- 放射角60°以上の光強度が、放射角0°の光強度の2割以下である請求項1〜10のいずれか1つに記載の発光装置。
- 放射角に対する光強度分布曲線における傾きの変化率が、放射角0°で極大値を有する請求項1〜11のいずれか1つに記載の発光装置。
- 前記レンズ部の光軸方向の長さは、前記胴体部の光軸方向の長さの1.1倍以上、1.5倍以下である請求項1〜12のいずれか1つに記載の発光装置。
- 前記透光性封止部材の直径は、前記透光性封止部材の高さの1.1倍以上、1.4以下である請求項1〜13のいずれか1つに記載の発光装置。
- 前記レンズ部の外表面において、曲率半径が最小になる位置は、前記発光素子の発光面と前記胴体部の光軸との交点と前記曲率半径が最小になる位置とを結ぶ直線と前記光軸とがなす角度が、15°以上、25°以下となる範囲に設定された請求項1〜14のうちのいずれか1つに記載の発光装置。
- 前記胴体部と前記レンズ部の間に連結部を含む請求項1〜15のいずれか1項に記載の発光装置。
- 請求項1〜16のいずれか1つに記載の前記発光装置が、ある一定の間隔で複数配置されてなる発光モジュール。
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