JP6183260B2 - 二次電池の充電装置 - Google Patents
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Description
二次電池は、正極および負極を備える電極体と、電解質(リチウムイオン二次電池においてはリチウムイオン)を含む電解液とからなり、電解質が電極間を移動することにより充放電がなされる。
ここで、二次電池の電解液中の電解質濃度が不均一になると、電極体に形成される表面皮膜が不均一となったり、デンドライトが発生したりして、二次電池の性能が低下する。
このような二次電池の性能低下を回避するため、例えば下記特許文献1では、正極板、負極板、及びこれらの間に介在するセパレータを含む発電要素、及び、この発電要素に含浸され、リチウム塩を含む非水型の電解液、を有するリチウムイオン二次電池と、電解液に振動を加える電解液加振手段と、を備える電池システムが開示されている。
また、下記特許文献2では、電池槽内に正極および負極を配置するとともに電気二重層除去手段としての超音波発生用の振動子を取り付け、振動子により直接正極および負極を振動させて電解液を励起振動させ、電池槽内に保持された電解液と正極および負極の界面に存在する電気二重層を破壊する技術が開示されている。
このような振動発生装置の駆動用電力には、振動対象となる二次電池内の電力、またはこれ以外の電池等の電力が用いられる。ここで、二次電池が電動車の走行用バッテリとして用いられる場合、航続可能距離を延ばすため、走行用電力以外の電力消費はなるべく抑えることが好ましい。
上述した従来技術では、電力消費を抑えるという観点での振動発生タイミングの制御は行われておらず、改善の余地がある。
請求項2の発明にかかる二次電池の充電装置は、正極および負極からなる電極体と、電解質を含む電解液とを有する二次電池の充電装置であって、前記二次電池に対して振動を加える加振手段と、前記加振手段の稼働を制御する加振制御手段と、を備え、前記加振制御手段は、前記二次電池の充電作動に対応して前記加振手段を稼動し、前記二次電池周辺の温度に基づいて、前記加振手段の加振強度を変更する、ことを特徴とする。
請求項3の発明にかかる二次電池の充電装置は、前記加振制御手段は、前記二次電池周辺の温度が高いほど前記加振手段の加振強度を大きくする、ことを特徴とする。
請求項4の発明にかかる二次電池の充電装置は、前記加振制御手段は、前記二次電池周辺の温度が低いほど前記加振手段の加振強度を大きくする、ことを特徴とする。
請求項5の発明にかかる二次電池の充電装置は、前記加振制御手段は、第1の所定温度および前記第1の所定温度よりも低温な第2の所定温度を設定し、前記二次電池周辺の温度が前記第1の所定温度よりも高い場合は、前記二次電池周辺の温度が高いほど前記加振手段の加振強度を大きくし、前記二次電池周辺の温度が前記第2の所定温度よりも低い場合には前記二次電池周辺の温度が低いほど前記加振手段の加振強度を大きくする、ことを特徴とする。
請求項6の発明にかかる二次電池の充電装置は、前記加振手段は、電力を用いて振動を発生する振動発生装置である、ことを特徴とする。
請求項7の発明にかかる二次電池の充電装置は、正極および負極からなる電極体と、電解質を含む電解液とを有する二次電池の充電装置であって、前記二次電池に対して振動を加える加振手段と、前記加振手段の稼働を制御する加振制御手段と、を備え、前記二次電池は、電動車の駆動用電力を蓄電し、前記加振手段は、前記二次電池に対して前記電動車の走行に伴って発生する車体の振動を伝達する振動伝達機構であり、前記加振制御手段は、前記二次電池の充電中以外には前記振動伝達機構による前記振動の伝達を禁止する、ことを特徴とする。
請求項8の発明にかかる二次電池の充電装置は、前記加振手段として、前記振動伝達機構に加えて、電力を用いて振動を発生する振動発生装置を備え、前記加振制御手段は、前記電動車の走行中に前記二次電池の充電が行われる場合には前記振動伝達機構を用いて前記二次電池を加振し、前記電動車の停止中に前記二次電池の充電が行われる場合には前記振動発生装置を用いて前記二次電池を加振する、ことを特徴とする。
本発明によれば、二次電池に対する充電電流の大きさに基づいて加振手段の加振強度を変更する。二次電池に対する充電電流が大きいほど電解質の活性度が高く、表面皮膜の不均衡やデンドライトが生じ易いため、充電電流の大きさに基づいて加振手段の加振強度を変更することによって、より効率的に電池性能の低下を抑制することができる。
本発明によれば、二次電池周辺の温度に基づいて、加振手段の加振強度を変更する。二次電池は、温度によって特性が異なるため、二次電池周辺の温度に基づいて加振手段の加振強度を変更することによって、より効率的に電池性能の低下を抑制することができる。
本発明によれば、二次電池周辺の温度が高いほど加振手段の加振強度を大きくする。高温では電極体の表面皮膜の破壊が生じ易く、その結果表面皮膜の再形成が行われ易い。このため、高温時には加振強度を強くして電解液中の電解質をより均等に分布させることによって、表面皮膜の不均衡を抑制することができる。
本発明によれば、二次電池周辺の温度が低いほど加振手段の加振強度を大きくする。低温では電池抵抗が高くなり、デンドライトが発生しやすい。このため、低温時には加振強度を強くして電解液中の電解質をより均等に分布させることによって、デンドライトの発生を抑制することができる。
本発明によれば、高温時には二次電池周辺の温度が高いほど、低温時には二次電池周辺の温度が低いほど、加振手段の加振強度を大きくする。これにより、表面皮膜の不均衡およびデンドライトの発生の両方を抑制することができる。
本発明によれば、加振手段として電力を用いて振動を発生する振動発生装置を用いるので、一般的な装置を用いて加振手段を構成することができる。
本発明によれば、加振手段として車体の振動を伝達する振動伝達機構を用いるので、電力を用いる振動発生装置と比較して消費電力を抑えることができ、電動車の航続可能距離を延ばすことができる。
本発明によれば、電動車の走行中には振動伝達機構を用いて二次電池を加振し、電動車の停止中には振動発生装置を用いて二次電池を加振する。これにより、常時振動発生装置を用いて加振する場合と比較して消費電力を低減させることができる。また、振動伝達機構のみを用いる場合には加振することができない電動車の停止中にも、振動発生装置を用いて二次電池を加振することができ、より確実に二次電池の性能低下を抑制することができる。
図1は、実施の形態1にかかる二次電池の充電装置10の構成を示すブロック図である。
本実施の形態では、充電装置10は電動車30に搭載されており、電動車30の駆動用電力を蓄電する走行用バッテリ20を充電する。また、充電対象となる二次電池は、リチウムイオン二次電池であるものとする。
電動車30は、走行用バッテリ20に蓄電された電力を用いてモータ302を駆動してタイヤ304を回転させることによって走行する。なお、図示の便宜上、図1にはタイヤ304を2つのみ図示しているが、実際は4つのタイヤ304が装着されている。
このように複数の電池セルを接続することにより、走行用バッテリ20は高電圧電力の供給を可能としている。
走行用バッテリ20への充電は、電動車30の車体外部などに設けられた充電口104に外部充電器50を接続し、外部電力を供給することによって行われる。より詳細には、充電口104に接続される外部充電器50が単相100V〜200V程度で充電を行う普通充電器である場合には、電動車30に搭載された車載充電器102で充電に適した電圧に昇圧して走行用バッテリ20に供給する。また、充電口104に接続される外部充電器50が交流〜500V程度で充電を行う急速充電器である場合には、充電口104から供給された電力をそのまま走行用バッテリ20に供給する。
なお、図1では充電口104を1つのみ図示しているが、通常は普通充電用の充電口と急速充電用の充電口の2つの充電口が設けられる。
すなわち、電動車30の減速時に生じる回生力を利用してモータ302で発電を行い、発電した電力を走行用バッテリ20に蓄電することによって、走行中も走行用バッテリ20の充電を行う。
12Vバッテリ112に対する充電は、走行用バッテリ20に蓄電された電力をDC/DCコンバータ110で降圧して12Vバッテリ112に供給することによって行われる。
図2〜図5は、リチウムイオン二次電池20Aの構成を示す説明図である。
図2Aはリチウムイオン二次電池20Aの外観、図2Bはリチウムイオン二次電池20Aの内部構成を示している。
図2Bに示すように、リチウムイオン二次電池20Aは、電極体202と、電極体202を収容する矩形板状の容器204と、容器204に設けられた正負の電極206,208とを含んで構成されている。
電極体202には、リチウムイオンを含む電解液が含浸されている。
図3に示すように、電極体202は、正極2022と、負極2024と、2枚のセパレータ2026,2028とで構成されている。
すなわち、リチウムイオン二次電池20Aは、正極2022および負極2024からなる電極体202と、リチウムイオンを含む電解液とを有する。
正極2022は、図4に示すように、3層構造であり、厚さ方向の中央に位置する正極集電箔2022Aと、その両面に形成された正極活物質2022Bとで構成されている。正極集電箔2022Aは不図示の接続部材を介して容器204の正側の電極206に接続されている。
正極集電箔2022Aとしてはアルミニウム箔が用いられ、正極活物質2022Bとしてはコバルト酸リチウムなどが用いられる。
負極2024は、図4に示すように、3層構造であり、厚さ方向の中央に位置する負極集電箔2024Aと、その両面に形成された負極活物質2024Bとで構成されている。負極集電箔2024Aは不図示の接続部材を介して容器204の負側の電極208に接続されている。
負極集電箔2024Aとしては銅箔が用いられ、負極活物質2024Bとしては炭素材料などが用いられる。
電極体202は、正極2022と、負極2024とが、セパレータ2026,2028を介在させて重ね合わされ複数回巻回され、図5に示すように断面が扁平な長円形状を呈している。
具体的には、セパレータ2026と、正極2022と、セパレータ2028と、負極2024とがこの順番で重ね合わされ、セパレータ2026を外側にし、負極2024を内側にして複数回巻回されている。
電極体202は、このような状態で容器204に格納されている。
本実施の形態では、加振手段106は小型のバイブレータであり、加振制御手段108(図1参照)の制御で稼働する。また、加振手段106は、12Vバッテリ112(図1参照)の電力を用いて稼働する。
なお、加振手段106としてはバイブレータの他、従来公知の様々な振動発生装置を用いることができる。
また、図2Aではそれぞれのリチウムイオン二次電池20Aに加振手段106を取り付けているが、これに限らず、例えば数個のリチウムイオン二次電池20A単位で構成される電池モジュールごとに、または走行用バッテリ20のバッテリケースなどに対して加振手段106を取り付けてもよい。
加振手段106が稼働(振動)することによって、リチウムイオン二次電池20Aの各部に振動が伝達される。これにより、電極体202に含まれる電解液中の電解質濃度が均一となり、表面皮膜の不均衡やリチウムデンドライトの発生によるリチウムイオン二次電池20Aの性能低下を抑制することができる。
加振制御手段108は、例えば電動車30全体の制御を司るECU(Electronic Control Unit)や走行用バッテリ20の状態を監視して充放電を制御するBMU(Battery Management Unit)などである。
これは、リチウムイオン二次電池20Aの性能低下の原因である電極体202の表面皮膜の不均衡やリチウムデンドライトは、リチウムイオンが正極から負極に移動する充電時に生じるためである。
加振制御手段108は、例えば車載充電器102の稼働状態を検知して、リチウムイオン二次電池20A(走行用バッテリ20)が充電中であるか否かを判定し、充電中である場合には加振手段106を稼働させる。また、加振制御手段108は、モータ302の稼働状態を検知して、回生発電を行っているか否かを判定し、回生発電を行っている、すなわち走行用バッテリ20の充電中である場合には加振手段106を稼働させる。
より詳細には、リチウムイオン二次電池20Aに対する充電電流が大きいほど加振手段106による加振強度を強くする。
これは、充電電流が大きいほど電解質の活性度が高く、電極体202の表面皮膜の不均衡やリチウムデンドライトが生じ易いためである。加振強度を強くすることによって電解液の撹拌強度を強くして、電解液中の電解質をより均等に分布させることを目的としている。
図6において、縦軸は加振強度であり、例えば加振手段106に供給する電力の電圧値などを示している。また、横軸は充電電流値(単位はアンペア)である。
図6では、充電電流が大きくなるほど指数関数的に加振強度が大きくなっている。
なお、充電電流に対して加振強度そのものを変更するのではなく、基準となる加振強度に対するゲインを変更してもよい。
この場合、例えば図6と同様に充電電流が大きくなるほど数値が大きくなるゲインを設定し、基準となる加振強度に対して充電電流に対応するゲインをかけ合わせることによって実際の加振強度を決定する。
ここで、リチウムイオン二次電池20A周辺の温度とは、個々のリチウムイオン二次電池20Aの温度(セル温度)やその平均値、またはリチウムイオン二次電池20A周辺の空気温度(例えばバッテリパック内の空気温度)などである。
この場合、加振制御手段108は、それぞれのリチウムイオン二次電池20Aに設けられた温度センサ(図示なし)などからリチウムイオン二次電池20A周辺の温度値を取得して加振強度を変更する。
これは、高温では電極体の表面皮膜の破壊が生じ易く、その結果表面皮膜の再形成が行われ易いためである。このため、高温時には加振強度を強くして電解液中の電解質をより均等に分布させることによって、表面皮膜の不均衡を抑制することが可能となる。
これは、低温では電池抵抗が高くなり、リチウムデンドライトが発生しやすいためである。このため、低温時には加振強度を強くして電解液中の電解質をより均等に分布させることによって、リチウムデンドライトの発生を抑制することが可能となる。
図7において、縦軸は加振強度であり、例えば加振手段106に供給する電力の電圧値などを示している。また、横軸はリチウムイオン二次電池20A周辺の温度である。
図7では、リチウムイオン二次電池20A周辺の温度が第1の所定温度T1よりも高い場合には、リチウムイオン二次電池20A周辺の温度が高くなるほど加振強度を大きくしている。
また、リチウムイオン二次電池20A周辺の温度が第1の所定温度T1より低温な第2の所定温度T2よりも低い場合には、リチウムイオン二次電池20A周辺の温度が低くなるほど加振強度を大きくしている。
すなわち、図7においては、加振制御手段108は、第1の所定温度T1および第1の所定温度T1よりも低温な第2の所定温度T2を設定し、リチウムイオン二次電池20A周辺の温度が第1の所定温度T1よりも高い場合、およびリチウムイオン二次電池20A周辺の温度が第2の所定温度T2よりも低い場合には、リチウムイオン二次電池20A周辺の温度が第1の所定温度T1以下、第2の所定温度T2以上の場合よりも加振手段106の加振強度を大きくしている。
また、リチウムイオン二次電池20A周辺の温度に対して加振強度そのものを変更するのではなく、基準となる加振強度に対するゲインを変更してもよい。
この場合、例えば図7と同様に、リチウムイオン二次電池20A周辺の温度が第1の所定温度T1よりも高い場合には温度が高くなるほど、リチウムイオン二次電池20A周辺の温度が第2の所定温度T2よりも低い場合には温度が低くなるほど、それぞれ大きくなるゲインを設定し、基準となる加振強度に対して温度に対応するゲインをかけ合わせることによって実際の加振強度を決定する。
図8のフローチャートにおいて、充電装置10は、加振制御手段108によって、リチウムイオン二次電池20Aに対する加振が許可されているか否かを判断する(ステップS800)。
リチウムイオン二次電池20Aに対する加振が許可されない場合とは、例えば走行用バッテリ20の動作が安定していない場合や12Vバッテリ112の蓄電量が少ない場合などが挙げられる。
リチウムイオン二次電池20Aに対する加振が許可されていない場合は(ステップS800:Noのループ)、リチウムイオン二次電池20Aに対する加振が許可されるまで待機する。
走行用バッテリ20(リチウムイオン二次電池20A)への充電が開始されるまでは(ステップS802:No)、ステップS800に戻り、以降の処理をくり返す。
なお、この時、充電電流とリチウムイオン二次電池20A周辺の温度の両方に基づいて加振強度を算出してもよい。この場合、例えば基準となる加振強度に対して、充電電流に基づくゲインと、リチウムイオン二次電池20A周辺の温度に基づくゲインとをかけ合わせることによって加振強度を算出する。
充電が終了するまでは(ステップS808:No)、ステップS806に戻ってリチウムイオン二次電池20Aへの加振を継続する。
充電が終了すると(ステップS808:Yes)、加振制御手段108は、加振手段106の駆動を終了して加振を停止させて(ステップS810)、本フローチャートによる処理を終了する。
また、充電装置10は、リチウムイオン二次電池20Aに対する充電電流の大きさに基づいて加振手段106の加振強度を変更する。リチウムイオン二次電池20Aに対する充電電流が大きいほど電解質の活性度が高く、表面皮膜の不均衡やリチウムデンドライトが生じ易いため、充電電流の大きさに基づいて加振手段106の加振強度を変更することによって、より効率的に電池性能の低下を抑制することができる。
また、充電装置10は、リチウムイオン二次電池20A周辺の温度に基づいて、加振手段106の加振強度を変更する。リチウムイオン二次電池20Aは、温度によって特性が異なるため、リチウムイオン二次電池20A周辺の温度に基づいて加振手段106の加振強度を変更することによって、より効率的に電池性能の低下を抑制することができる。
このとき、充電装置10は、リチウムイオン二次電池20A周辺の温度が高いほど加振手段106の加振強度を大きくする。高温では電極体の表面皮膜の破壊が生じ易く、その結果表面皮膜の再形成が行われ易い。このため、高温時には加振強度を強くして電解液中の電解質をより均等に分布させることによって、表面皮膜の不均衡を抑制することができる。
また、充電装置10は、リチウムイオン二次電池20A周辺の温度が低いほど加振手段106の加振強度を大きくする。低温では電池抵抗が高くなり、リチウムデンドライトが発生しやすい。このため、低温時には加振強度を強くして電解液中の電解質をより均等に分布させることによって、リチウムデンドライトの発生を抑制することができる。
また、充電装置10において、高温時にはリチウムイオン二次電池20A周辺の温度が高いほど、低温時にはリチウムイオン二次電池20A周辺の温度が低いほど、加振手段106の加振強度を大きくするようにすれば、表面皮膜の不均衡およびリチウムデンドライトの発生の両方を抑制することができる。
また、充電装置10は、加振手段106として電力を用いて振動を発生する振動発生装置を用いるので、一般的な装置を用いて加振手段106を構成することができる。
実施の形態1では、個々のリチウムイオン二次電池20Aに振動発生装置(加振手段106)を取り付けてリチウムイオン二次電池20Aを加振した。
実施の形態2では、電動車30の走行に伴う車体の振動をリチウムイオン二次電池20Aに伝達することによって、リチウムイオン二次電池20Aを加振する。
なお、以下の説明において実施の形態1と同様の構成の箇所は同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
図9の例では、電動車30はフレーム502上にボディ504が搭載されたフレーム形式車となっている。
複数のリチウムイオン二次電池20Aによって構成された走行用バッテリ20は、ボディ504の下部(図9の例では搭乗席510の下部)に設置されている。
フレーム502とボディ504との間には、サスペンションアーム、スプリングおよびショックアブソーバーなどで構成されるサスペンション機構506およびスプリング508が設けられている。本実施の形態では、サスペンション機構506およびスプリング508からなる振動伝達機構を加振手段106として用いる。
より詳細には、通常の走行時にはサスペンション機構506が動作して、路面の凹凸などに伴う振動がボディ504側に伝達されないようにしている。
一方、走行中に充電が行われている時には、加振制御手段108によってサスペンション機構506をロックして、スプリング508を介して振動がボディ504側に伝達されるようにする。
これにより、ボディ504に搭載された走行用バッテリ20が振動し、リチウムイオン二次電池20Aの特性低下を抑制することができる。
この場合、加振制御手段108は、電動車30の走行中にリチウムイオン二次電池20Aの充電が行われる場合には、振動伝達機構を加振手段106として用いてリチウムイオン二次電池20Aを振動させる。一方、電動車30の停止中にリチウムイオン二次電池20Aの充電が行われる場合には、振動発生装置を加振手段106として用いてリチウムイオン二次電池20Aを振動させる。
これにより、電動車30の走行中には振動発生装置を用いずにリチウムイオン二次電池20Aを振動させることができる。よって、充電中常に振動発生装置を用いる場合と比較して使用電力を低減することができ、電動車30の航続可能距離を延ばすことができる。
また、実施の形態2において、電動車30の走行中には振動伝達機構を用いてリチウムイオン二次電池を加振し、電動車30の停止中には振動発生装置を用いてリチウムイオン二次電池を加振するようにすれば、常時振動発生装置を用いて加振する場合と比較して消費電力を低減させることができる。また、振動伝達機構のみを用いる場合には加振することができない電動車30の停止中にも、振動発生装置を用いてリチウムイオン二次電池20Aを加振することができ、より確実にリチウムイオン二次電池20Aの性能低下を抑制することができる。
Claims (8)
- 正極および負極からなる電極体と、電解質を含む電解液とを有する二次電池の充電装置であって、
前記二次電池に対して振動を加える加振手段と、
前記加振手段の稼働を制御する加振制御手段と、を備え、
前記加振制御手段は、前記二次電池に対する充電電流が大きいほど前記加振手段による加振強度を強くする、
ことを特徴とする二次電池の充電装置。 - 正極および負極からなる電極体と、電解質を含む電解液とを有する二次電池の充電装置であって、
前記二次電池に対して振動を加える加振手段と、
前記加振手段の稼働を制御する加振制御手段と、を備え、
前記加振制御手段は、前記二次電池の充電作動に対応して前記加振手段を稼動し、前記二次電池周辺の温度に基づいて、前記加振手段の加振強度を変更する、
ことを特徴とする二次電池の充電装置。 - 前記加振制御手段は、前記二次電池周辺の温度が高いほど前記加振手段の加振強度を大きくする、
ことを特徴とする請求項2記載の二次電池の充電装置。 - 前記加振制御手段は、前記二次電池周辺の温度が低いほど前記加振手段の加振強度を大きくする、
ことを特徴とする請求項2記載の二次電池の充電装置。 - 前記加振制御手段は、第1の所定温度および前記第1の所定温度よりも低温な第2の所定温度を設定し、前記二次電池周辺の温度が前記第1の所定温度よりも高い場合は、前記二次電池周辺の温度が高いほど前記加振手段の加振強度を大きくし、前記二次電池周辺の温度が前記第2の所定温度よりも低い場合には前記二次電池周辺の温度が低いほど前記加振手段の加振強度を大きくする、
ことを特徴とする請求項2記載の二次電池の充電装置。 - 前記加振手段は、電力を用いて振動を発生する振動発生装置である、
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の二次電池の充電装置。 - 正極および負極からなる電極体と、電解質を含む電解液とを有する二次電池の充電装置であって、
前記二次電池に対して振動を加える加振手段と、
前記加振手段の稼働を制御する加振制御手段と、を備え、
前記二次電池は、電動車の駆動用電力を蓄電し、
前記加振手段は、前記二次電池に対して前記電動車の走行に伴って発生する車体の振動を伝達する振動伝達機構であり、
前記加振制御手段は、前記二次電池の充電中以外には前記振動伝達機構による前記振動の伝達を禁止する、
ことを特徴とする二次電池の充電装置。 - 前記加振手段として、前記振動伝達機構に加えて、電力を用いて振動を発生する振動発生装置を備え、
前記加振制御手段は、前記電動車の走行中に前記二次電池の充電が行われる場合には前記振動伝達機構を用いて前記二次電池を加振し、前記電動車の停止中に前記二次電池の充電が行われる場合には前記振動発生装置を用いて前記二次電池を加振する、
ことを特徴とする請求項7記載の二次電池の充電装置。
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