図1は、実施形態にかかる需要予測システム1の構成を示すブロック図である。需要予測システム1は、本部システム10や、店舗サーバ120や、本部特売企画端末124や、店舗発注端末125などからなる。
本部システム10は、複数のコンピュータ3からなる。各コンピュータ3は、有線又は無線の通信回線(例えば、LAN(Local Area Network)やVPN(Virtual Private Network)等)2で接続されている。本実施形態では、本部システム10を複数のコンピュータ3で構成するが、1つのコンピュータで構成しても良い。
店舗サーバ120、本部特売企画端末124、及び店舗発注端末125は、本部システム10と、有線又は無線の通信回線(例えば、インターネットやLAN(Local Area Network)等)5による接続が可能なように構成されている。
需要予測システム1において、複数のコンピュータ3は、後述する需要予測等のサービスを提供するアプリケーションサーバやデータベースサーバとして機能する。また、本部特売企画端末124や店舗発注端末125は、上記サービスを享受するクライアントとして機能する。本実施形態において、上記サービスを享受するクライアントのユーザ画面を表示エリアと呼ぶものとする。需要予測システム1では、例えばSaaS(Software as a Service)の形態で各種サーバからクライアントにサービスが提供されうる。
店舗サーバ120は、店舗内ネットワーク6により複数のPOS(Point of Sales)端末126と接続されている。店舗サーバ120は、複数のPOS端末126からアップされた購買実績データを一括管理する装置である。需要予測システム1においての店舗サーバ120は、主に、本部システム10による購買実績データの収集先として利用される。この購買実績データは、後に本部システム10において需要予測値の算出に用いられる。
以上に示すコンピュータ3、店舗サーバ120、本部特売企画端末124、及び店舗発注端末125として、汎用コンピュータの適用が可能である。
次に、汎用コンピュータを適用してなるコンピュータ3のモジュール構成を説明し、このモジュール構成を例に、本部特売企画端末124や店舗発注端末125などの構成について説明する。
図2は、コンピュータ3のモジュール構成図である。図2に示すように、コンピュータ3は、情報処理を行うCPU(Central Processing Unit)101、BIOS(Basic Input/Output System)などを記憶した読出し専用メモリであるROM(Read Only Memory)102、各種データを書換え可能に記憶するRAM(Random Access Memory)103を備えている。
また、コンピュータ3は、HDD104、媒体読取装置105、通信制御装置106、表示部107、並びに入力部108等を備えている。
HDD104は、各種データベースや、OS(Operating System)やアプリケーションプログラム等を記憶するHDD(Hard Disk Drive)である。
媒体読取装置105は、可搬性を有する記憶媒体110からプログラムやデータを読み取るCD−ROMドライブやDVD(Digital Versatile Disk)ドライブ等の媒体読取装置である。
記憶媒体110は、プログラムやデータを記憶するCD−ROMやDVD等の光情報記録メディアやフレキシブルディスク(FD)等の磁気メディア等の可搬性を有する記憶媒体である。
通信制御装置106は、通信回線2(他の装置の場合は通信回線5)を介して外部機器と情報を伝達するための通信ボードである。
表示部107は、処理経過や結果等を表示するLCD(Liquid Crystal Display)等の表示デバイスである。
入力部108は、ユーザがCPU101に命令やデータ等を入力するためのキーボードやマウス等のポインティングデバイスである。
なお、コンピュータ3において、各部101〜108の間の命令やデータの送受信は、バスコントローラ109が調停するものとする。
コンピュータ3では、ユーザが電源を投入するとBIOSがROM102内のブートローダを呼び出し、そのブートローダをCPU101が実行する。続いて、CPU101は、HDD104からOSのプログラムをRAM103にロードし、OSを起動する。更に、HDD104からアプリケーションプログラムを自動起動又はユーザ操作により起動する。
OSのうち代表的なものとして、Windows(登録商標)等が知られている。OS上で走るプログラムをアプリケーションプログラムと呼んでいる。アプリケーションプログラムは、一部の処理の実行をOSに肩代わりさせるものであってもよい。また、アプリケーションプログラムは、アプリケーションソフトやOSなどを構成する一群のプログラムファイルの一部に含まれるものであってもよい。
アプリケーションプログラム又はその一群のプログラムは、記憶媒体110に収めてユーザに配布することが可能である。配布された記憶媒体110は、媒体読取装置105により読み取られ、HDD104にインストールされる。
この他、アプリケーションプログラム又はその一群のプログラムは、通信ネットワークを介してユーザに配布することも可能である。この場合、コンピュータ3は、通信制御装置106を介して外部からアプリケーションプログラム又はその一群のプログラムをダウンロードし、それらのプログラムをHDD104にインストールする。
図2に示すコンピュータ3のモジュール構成においてHDD104に記憶されているアプリケーションプログラム等の構成を変えることにより、汎用コンピュータを、店舗サーバ120、本部特売企画端末124、又は店舗発注端末125として機能させることができる。
例えば、本部特売企画端末124や店舗発注端末125は、HDD104にウェブブラウザや、ウェブブラウザに対してプラグイン形式を用いて提供されるソフトウエアなどをインストールして構築したものである。プラグインのうち代表的なものとして、Microsoft Silverlight(登録商標)が挙げられる。Microsoft Silverlightは、インストール後はブラウザ上でアニメーションやグラフィックスの表示、音声・動画の再生などを行うフレームワークである。
次に、本部システム10が行う需要予測のサービスについて説明する。
<<需要予測装置とその周辺システムの構成>>
図3は、本実施形態の需要予測装置に係る本部システム10の全体構成を示すブロック図である。
図3の本部システム10に示す構成は、各コンピュータ3(図1参照)が自機の所定のプログラムを実行し、適宜相互通信を行うことにより、全てのコンピュータ3により一体的に実現されるものである。なお、これらの構成を一つのコンピュータにより実現しても良い。
また、本実施形態では、特売企画支援システム330及び発注数決定支援システム331を設けている。これらは、需要予測装置31のサービスをユーザ端末(本部特売企画端末124や店舗発注端末125)に提供するためのサブシステムである。以下では、便宜上、特売企画支援システム330及び発注数決定支援システム331を、需要予測装置31とは別の装置に構築されるものとして説明する。しかし、需要予測装置31の態様は、それに限定されるものではない。特売企画支援システム330及び発注数決定支援システム331の内の一部又は全ての機能を需要予測装置31に搭載しても良い。
<需要予測装置>
需要予測装置31は、小売業などの各店舗における商品の売価・陳列・販促等の販売者側の過去の販売状態に対し、購買客側の商品の未来の購買状況をシミュレーションするものである。需要予測装置31は、現時点から過去の所定の時点までの販売者側の販売状態と購買客側の購買状況とを示す過去情報(購買実績データ)を用いて、購買客の購買モデルを構築する。この購買モデルは、定数項と係数と変動因子とから構成される。定数項は、例えば数週間、数か月、若しくは1年間程度なら時間的に変化しないと見なせる部分の購買数を示す項となる。係数と変動因子は、この組み合わせで変動項を形成する。変動項は、定数項に対して時間的により早く変化する部分の購買数を示す項となる。
この購買モデルでは、過去情報を変動因子(パラメータ)に代入することにより、変動因子の係数が決まる。そして、係数の求まった購買モデルの変動因子に、未来の所定の時点における販売者側の販売状態と、購買客側の購買環境とを示す未来の予定情報を当てはめる。これにより、未来の所定の時点における商品の購買数(予測購買数)が需要予測値の一つとして求まる。また、需要予測値の一つとして求めた予測購買数から、他の需要予測値である販売金額(予測販売金額)や利益金額(予測利益金額)などが求まる。予測販売金額は、予測購買数に売価を乗算することにより求まる。予測利益金額は、予測購買数に売価と原価との差分を乗算することにより求まる。
次に、購買モデルの具体例を説明する。
以下は、N(Nは正の整数)種類の商品からなる商品群の購買モデルである。商品群とは、商品と、該商品との間で購買数に影響を及ぼし合う商品(つまり関連商品)のことである。以下、N種類の商品を、商品1,商品2,…,商品n,…,商品N(n=1,2,…,N)と示す。
また、商品nに対する変動因子を、Xn1,Xn2,…,Xnm,…,XnM(m=1,2,…,M)と示す。変動因子Xnmは、例えば売価、曜日、休日、気温、降水量など、購買数を変動させる可能性のある因子とする。
また、商品nに対する購買数をYnと示す。従って、商品1,商品2,…,商品n,…,商品Nの各購買数を、購買数Y1,Y2,…,Yn,…,YNと示す。
そして、本例では、各商品の購買数がその商品の関連商品の購買数と相互影響し合うことを考慮し、購買数Y1,Y2,…,Yn,…,YNについても変動因子として計算する。
これにより、購買モデルを示す式(つまり、商品の予測購買数を求めるための計算式)は、下記の式(1)のようになる。
Yn=an1Y1+an2Y2+…+an(n-1)Yn-1+an(n+1)Yn+1+…+anNYN+bn0+bn1Xn1+bn2Xn2+…+bnMXnM ・・・(1)
上記の式(1)の右辺において、bn0が定数項である。それ以外が変動項である。変動項の内、an1Y1+an2Y2+…+an(n-1)Yn-1+an(n+1)Yn+1+…+anNYNが関連商品の購買数による影響を反映した項に相当する。
上記の式(1)において、an1,…,an(n-1),an(n+1),…,anN,bn0,…,bnMを回帰係数と呼ぶ。各回帰係数は、目的変数の値に対して各変動因子が寄与する寄与率を示すものである。本明細書では、定数項bn0も含めて回帰係数と呼ぶ。
<データ収集・変換システム>
データ収集・変換システム32は、現時点から過去の所定の時点までの過去情報を店舗サーバ120などから収集する。そして、データ収集・変換システム32は、収集した過去情報を所定のデータ構造に変換し、需要予測装置31の過去情報データベース310に送信する。
なお、データ収集・変換システム32は、公知のPOSシステム、発注システム、納入商品の検品システム、気象データの受信システム、地域のイベントの入力システム等の各種データ収集システムや、データ変換システム等を有している。これにより、データ収集・変換システム32は、過去情報として、例えば、各店舗における商品の購買数データ、売価・販促(企画)データ、発注データ、在庫データ、気象データ、曜日データ、及び地域のイベントデータ等を収集する。
<予定データ収集・変換システム>
予定データ収集・変換システム33は、現時点から未来の所定の時点までの、各店舗における商品の、予定売価・販促(企画)データ、予定入荷データ、予定気象データ、曜日データ、予定地域のイベントデータなどの未来の予定情報を収集する。そして、予定データ収集・変換システム33は、収集した未来の予定情報を所定のデータ構造に変換し、需要予測装置31の未来情報データベース311に送信する。
予定データ収集・変換システム33は、特売企画支援システム330と、発注数決定支援システム331を含んでいる。
特売企画支援システム330は、複数の本部特売企画端末124からの接続を受け付け、各本部特売企画端末124のユーザである特売企画担当者による企画データの入力を支援する。
具体的に、特売企画支援システム330は、本部特売企画端末124の接続により、後述の入力受付部317が出力する需要予測設定画面を企画画面に含め、それを本部特売企画端末124に出力する。入力受付部317が出力する需要予測設定画面は、未来情報データベース311への企画データの登録やその変更をユーザに行わせるための画面である。特売企画支援システム330は、企画データやその変更データを受け付けると、受け付けたデータを未来情報データベース331に反映させるために、発注数決定支援システム331に送信する。
発注数決定支援システム331は、各店舗の店舗発注端末125からの接続を受け付けて、各店舗発注端末125のユーザである発注者の発注数の確定処理を支援する。
具体的に、発注数決定支援システム331は、店舗発注端末125からの接続により、後述する入力受付部317が出力する需要予測設定画面や企画編集画面(図5参照)を発注処理画面に含める。そして、その発注処理画面を店舗発注端末125に出力する。ここで、企画編集画面は、需要予測設定画面の遷移画面で、企画ごとの商品の需要予測をユーザにシミュレーションさせるための画面である。
例えば、発注数決定支援システム331は、ユーザが企画編集画面で売価などの変動因子の設定値を編集すると、その設定値を需要予測装置31(後述する入力受付部317)に渡す。そして、需要予測装置31(入力受付部317)から返ってきた、上記設定値の需要予測データを含む企画編集画面を、店舗発注端末125に出力する。
ここで、需要予測データは、需要予測装置31で行った需要予測のシミュレーション結果を含むデータである。後に詳しく示すが、需要予測データは、商品情報と、予定情報と、シミュレーション結果としての予測情報とからなる。
発注数決定支援システム331は、店舗発注端末125においてユーザから商品の発注数の決定が指示されると、商品の発注数を示すデータを発注システム34に出力する。発注数の決定は、発注画面などにおいて行うものとする。
発注システム34は、発注数決定支援システム331で決定された全店舗の発注数に従って、商品の製造、販売等を行っている業者に対して、商品の発注を要求する。
<<需要予測装置の構成及び処理>>
<需要予測装置の構成>
過去情報データベース310には、店舗・地域データ310d、日付・時刻データ311d、気象・行事データ312d、分類・属性データ313d、売価・販促(企画)データ314d、陳列データ315d、購買数データ316d、在庫データ317d、発注データ318d等の複数のデータテーブルが格納されている。
過去情報データベース310におけるデータの抽出や、削除や、更新は、例えば次に示す構成のレコードを単位として行う。本例では、そのレコードを、店舗・地域データ、日付データ、気象・行事データ、分類・属性データ、売価・販促(企画)データ、陳列データ、購買数データ、在庫データ、及び発注データ等により構成されるレコードとする。ここで、レコード内の購買数データが、目的変数に代入されるデータの対象となる。また、同一レコード内のその他の任意のデータ(購買数データを除く一つ又は複数のデータ)が、変動因子に代入される対象となりうる。以下では、変動因子に代入されるデータを変動因子情報と総称する。
回帰係数算出部312は、過去情報を用いて回帰係数の算出を行う。
具体的には、式(1)の目的変数Ynに対して商品nの過去の購買数データを代入し、変動因子Y1,…,YN、Xn1,…,XnMに対して過去の変動因子情報を代入する。式(1)の回帰係数はM+N個である。このため、過去の購買数データと、これに対応する過去の変動因子情報とを組み合わせてなるデータセットを、M+N個分以上用いて、M+N個以上の連立式を立てる。そして、その連立式から、目的変数Ynの回帰係数を求める。この操作を各目的変数Y1,…,YNについて行い、各商品1,…,商品Nの個別の回帰係数を求める。この際に予測精度を向上させるために公知の補正条件式(例えば最小二乗法など)を導入しても良い。
なお、商品1〜商品Nは、関連商品である。商品は、「部門」や、その下に分類される「ライン」や、更にその下に分類される「クラス」などを単位に関連商品としてグループ化される。回帰係数算出部312は、分類・属性データに設定されているグループ情報に基づき、過去情報データベース310から関連商品に該当するレコードのみを抽出する。これにより、回帰係数算出部312は、関連商品の過去情報を単位に、各商品の回帰係数を求めることができる。以下では、説明を分かり易くするため、関連商品の単位を「部門」として説明する。
以上の、回帰係数を求める処理は、夜間などにおいて行うものとする。
回帰係数データベース(DB)313は、回帰係数算出部312が算出した、各商品1,…,商品N,…の個別の回帰係数を格納する。例えば、商品2であれば、回帰係数として、A21,A23,…,A2N、B20,B21,…,B2Mを格納する。ここでA21,A23,…,A2N、B20,B21,…,B2Mは、それぞれ、数値を表している。
未来情報データベース(DB)311には、過去情報データベース310に格納されているデータの取得時よりも未来の任意の時点における予定情報311Aが格納されている。本実施形態では、予定情報311Aを格納するデータテーブルとして、予定店舗・地域データ320d、予定日付・時刻データ321d、予定気象・行事データ322d、予定分類・属性データ323d、予定売価・販促(企画)データ324d、予定陳列データ325d等の複数のデータテーブルを備える。この内の予定売価・販促(企画)データ324dは、「企画識別コード」、「企画名」、「年月日」、「商品コード」、「予定定番価格」、「予定特売価格(予定売価)」、「予定値引額」、「予定チラシ掲載」などのフィールドよりなる。
また、未来情報データベース311には、需要予測の結果を示す後述の予測情報311Bが格納されている。未来情報データベース311は、予測情報311Bを格納する各種のデータテーブルを備える。各種のデータテーブルについては後述する。
未来情報データベース311におけるデータの抽出や、削除や、更新は、例えば次に示す構成のレコードを単位として行う。本例では、そのレコードを、予定店舗・地域データ、予定日付データ、予定気象・行事データ、予定分類・属性データ、予定売価・販促(企画)データ、予定陳列データ、及び、予測情報311Bの購買数データ、在庫データ、発注データ等からなるレコードとする。ここで、レコード中の予定売価・販促(企画)データには、予定売価・販促(企画)データ324d内の「企画識別コード」、「企画名」、「予定売価」、「予定定番価格」等のデータが含まれるものとする。レコード中の各項目は、各種のデータテーブル(商品マスタテーブルも含める)の何れかの項目と対応している。抽出時は、データテーブルから該当するデータが抽出され、そのデータがレコードの各項目にセットされる。更新時は、レコード内の各項目にセットされているデータにより、データテーブル内の該当するデータが上書き更新される。
図4は、上記レコード(単位レコード)の構成を示す図である。
未来情報データベース311の単位レコードは、図4に示すように予定情報4Aと予測情報4Bにより構成される。
予定情報4Aは、「店舗コード」401、「年月日」411、「曜日」412、「祝日」413、「予報最高気温」421、「予報最低気温」422、「予報降水量」423、「ラインコード」431、「クラスコード」432、「商品コード」433、「企画識別コード」441、「企画名」442、「予定定番価格」443、「予定売価」444、「予定値引額」445、「予定チラシ掲載」446、及び「予定陳列状態」451からなる。
予測情報4Bは、「予測購買数」461、「予測販売金額」462、「予測利益金額」463、「予定在庫数」471、「予定発注数」481、「予定発注リードタイム」482、「予定発注単位」483などからなる。
「店舗コード」401には、店舗の識別コードが入る。
「年月日」411、「曜日」412、「祝日」413には、それぞれ、未来の日付(年月日)、その日付の曜日を示す情報、祝日か否かを示す情報が入る。「曜日」412及び「祝日」413には、該当するものにフラグ「1」が入る。
「予報最高気温」421、「予報最低気温」422、「予報降水量」423には、「年月日」411の未来の日付の気象データが入る。
「ラインコード」431、「クラスコード」432には、それぞれ、「年月日」411の未来の日付における販売予定商品の、分類を示す情報(ラインコード、クラスコード)が入る。商品カテゴリは、本例では、上位から下位にかけて「部門」、「ラインコード」、「クラスコード」へと分類される。本例では「部門」は1種類に限定したため、「部門」の項目を含めていない。複数の部門を設ける場合には、「部門」の項目を含めても良い。
「商品コード」433には、上記販売予定商品の識別コード(商品コード又は単品コードとも呼ぶ)が入る。
「企画識別コード」441には、特売企画を一意に識別するための企画識別コードが入る。特売企画に該当しないものについては、「企画識別コード」441を空欄とする。
「企画名」442には、企画識別コードに対応する企画名が入る。
「予定定番価格」443には、「年月日」411の未来の日付における、販売予定商品の定番販売時の売価(予定定番価格)が入る。
「予定売価」444には、「年月日」411の未来の日付における、販売予定商品の特売時の売価(予定特売価格)が入る。
「予定値引額」445には、予定定番価格からの値引額が入る。値引額は、予定定番価格から予定特売価格を差し引いた額で示される。
「予定チラシ掲載」446には、「年月日」411の未来の日付における、販売予定商品の販促方法を示す情報が入る。本例では、チラシ掲載を行う場合にフラグ「1」を設定する。
「予定陳列状態」451には、「年月日」411の未来の日付における、販売予定商品の販売状態を示す情報が入る。
「予測購買数」461には、「年月日」411の未来の日付における、販売予定商品の一日の予測購買数が入る。一日の予測購買数は、需要予測のシミュレーションにより得られる需要予測値の一つである。
「予測販売金額」462には、「年月日」411の未来の日付における、販売予定商品の一日の予測販売金額が入る。一日の予測販売金額は、需要予測のシミュレーションにより得られる需要予測値の一つである。
「予測利益金額」463には、「年月日」411の未来の日付における、販売予定商品の一日の予測利益金額が入る。一日の予測利益金額は、需要予測のシミュレーションにより得られる需要予測値の一つである。
予定情報4Aに対応する各種データは、需要予測の計算の際に変動因子へ代入される。以下では、予定情報4Aに対応する各種データを「未来の変動因子情報」と総称する。
予測購買数算出部314は、夜間等に求めた回帰係数を使って、未来の指定日における各商品の予測購買数を算出する。
具体的に、予測購買数算出部314は、回帰係数DB313に登録されている各商品の回帰係数と、未来情報データベースに登録されている予定情報311Aとを用いて、1週間先や1か月先など、所定期間先までの需要予測シミュレーションを、予め行う。そして、需要予測シミュレーションの実行結果(予測販売数、予測販売金額、及び予測利益金額)を、未来情報データベース311に、予測情報311Bとして格納する。
また、予測購買数算出部314は、後述する入力受付部317から再シミュレーションの実行指示を受ける。すると、予測購買数算出部314は、入力受付部317から訂正データを取得して、再シミュレーションを行う。例えば、入力受付部317が特売売価の訂正値を受け付けた場合、予測購買数算出部314は、特売売価が上記訂正値に更新された予定情報311Aを用いて、再シミュレーションを行う。そして、再シミュレーションの結果を入力受付部317に返す。
予測購買数算出部314は、需要予測シミュレーションを次のようにして行う。
先ず、未来情報データベース311又は入力受付部317から対象レコードを取得する。対象レコードとは、需要予測を行う商品nのレコードと、そのレコードに含まれる日付情報と分類コード(ラインコード及びクラスコード)に一致するその他の商品1,…,商品n−1,商品n+1,…,商品Nのレコードのことである。なお、再シミュレーションの場合には、商品nのレコードとして、訂正値による書き換えがあたものを使用する。
予測購買数算出部314は、商品nのレコードに含まれる未来の変動因子情報と、回帰係数DB313に格納されている商品nの回帰係数とを予測式(1)に当てはめる。この手続きを各商品1,…,商品N(商品群)を対象に行い、各商品1,…,商品Nの連立式を立てる。これらの式から、指定日における商品群の予測購買数Y1,…,YNを算出する。
更に、予測購買数算出部314は、予測購買数Y1,…,YNの算出後、各商品の予定売価(予定特売価格)を乗算することにより、各商品の予測販売金額を求める。また、不図示の商品マスタ情報に含まれる各商品の原価から、各商品の予測利益金額を求める。
その後、再シミュレーションの場合、予測購買数算出部314は、上記対象レコードの、それぞれの該当項目に設定されている値を、求めた各商品の予測購買データ、予測販売金額データ、予測利益金額データに書き換える。そして、その書き換え後の各商品1,…,商品Nのレコードを入力受付部317に返す。
未来情報データベース311には、既に述べたが、予定情報311Aの他に、予測情報311Bが格納されている。本実施形態では、未来情報データベース311は、予測情報311Bを格納するデータテーブルとして、予測購買データ326d、予測在庫データ327d、及び推奨発注データ328d等の複数のデータテーブルを備える。これらの内、予測購買データ326dは、予測購買数算出部314が算出した予測購買数、予測販売金額、及び予測利益金額のデータを格納する。予測在庫データ327d及び推奨発注データ328dは、次に説明する発注・在庫数算出部316が算出した予測在庫数や、推奨発注数などのデータを格納する。
発注・在庫数算出部316は、現在の在庫数から、予測購買数算出部314により算出された予測購買数を減算して、未来の設定された日時の予測在庫数を算出する。さらに、発注・在庫数算出部316は、算出した予測在庫数に基づいて、例えば予測在庫数が最低在庫数未満ならば推奨発注数を増加させ、予測在庫数が最低在庫数を超えるならば推奨発注数を減少させて、最終的に所定の発注単位や発注リードタイムに従って推奨発注データに加工する。予測在庫数は、予測在庫データ327dに格納され、推奨発注数は、推奨発注データ328dに格納される。
次に、入力受付部317を説明する。入力受付部317は、店舗発注端末125に向けて一括入力部を供給する入力部供給手段を備える。また、一括入力部に入力された訂正値を受け付ける受付手段を備える。また、訂正値に基づいて算出された需要予測値を出力する結果出力手段を備える。
入力受付部(受付手段)317は、発注数決定支援システム331から所定の要求を受け付け、受け付けた要求に応じて各種処理を行う。
例えば、発注数決定支援システム331から初期画面の要求指示を受け付けるとする。すると、入力受付部(入力部供給手段)317は、需要予測設定画面や企画編集画面の初期画面(図5参照)を生成し、これらの画面を発注数決定支援システム331に出力する。企画編集画面内には、複数の異なる値への訂正を一度に指示できる一括入力部(詳しくは後述する)を設ける。
また、入力受付部(入力部供給手段)317は、画面生成の際に、未来情報データベース311からデータを抽出する。そして、需要予測設定画面や企画編集画面(初期画面)の該当個所に抽出データを設定する。
例えば、企画編集画面(初期画面)であれば、需要予測設定画面において指定された企画識別データに基づき、その企画期間の販売対象商品に該当するレコードを全て抽出する。また、その販売対象商品の商品名などの商品情報を不図示の商品マスタデータから抽出する。そして、それらの抽出データの一部又は全てを需要予測データの対象エリアやその他の設定項目に設定する。なお、このときの抽出データは、その後の編集のために一時的にRAMなどの記憶部に保存しておくものとする。
また、入力受付部317は、発注数決定支援システム331から、需要予測設定画面や企画編集画面(初期画面)において行われた所定の要求を受け付けると、次のような処理を行う。
例えば、需要予測設定画面からの要求として、新規の特売企画のデータの登録要求を受け付ける。すると、受け付けた企画データを未来情報データベース311に登録する。
企画編集画面(初期画面)からの要求として未来の変動因子情報の訂正などの編集要求を受け付けた場合は、次のように処理を行う。
先ず、入力受付部317は、要求の受け付けと共に受信した訂正データにより、記憶部に一時的に記憶している抽出データの対応箇所を書き換える。続いて、入力受付部317は、書き換え後のデータに基づく需要予測の再シミュレーションを予測購買数算出部314に指示する。
すると、予測購買数算出部314は記憶部の書き換え後のデータを用いて再シミュレーションを実行し、記憶部の書き換え後のデータの予測情報を、再シミュレーションにより再算出された結果で更新する。
入力受付部317は、その更新データを需要予測データの対象エリアなどに設定し、企画編集画面(初期画面)の更新画面を生成する。そして、更新画面を発注数決定支援システム331に出力する。
入力受付部317は、その後、例えば企画編集画面(更新画面)の確定ボタンの押下信号を受け付けるなどした場合に、記憶部で一時的に保存している更新データにより未来情報データベース311の対応するデータの設定値を変更する。
また、入力受付部(受付手段)317が所定の要求として、例えば、未来の変動因子(パラメータ)の一つである特売売価の、複数パターンの値の訂正を受け付ける。すると、入力受付部(受付手段)317は、記憶部に一時的に記憶している抽出データの特売売価の値を、受け付けと共に受信した特売売価の複数パターンの訂正データで書き換える。
例えば、入力受付部(受付手段)317は、一つの商品についての特売売価の複数パターンの値を受け付ける。すると、入力受付部(受付手段)317は、記憶部で一時的に記憶している抽出データをコピーすることにより、パターン数分の抽出データを生成する。更に、入力受付部(受付手段)317は、それぞれの抽出データの特売売価に対して複数パターンの訂正データを一つずつ割り当て、特売売価の値を訂正データで書き換える。
なお、これらのパターン数分の書き換え後のデータは、記憶部で一時的に記憶するものとする。
続いて、入力受付部(受付手段)317は、書き換え後のデータに基づく需要予測の再シミュレーション処理の実行を予測購買数算出部(需要予測手段)314に指示する。
すると、予測購買数算出部(需要予測手段)314は、記憶部の1パターン目の書き換え後のデータを用いて再シミュレーションを実行し、記憶部の1パターン目の書き換え後のデータの予測情報を、再シミュレーションにより再算出された結果で更新する。
続いて、予測購買数算出部(需要予測手段)314は、記憶部の2パターン目の書き換え後のデータを対象に1パターン目と同様の処理を実行する。
更に、その後も、残りのパターンの書き換え後のデータを対象に一パターンずつ同様の処理を実行する。
全てのパターンの書き換え後のデータに対する再シミュレーション等の処理が終わると、入力受付部(結果出力手段)317は、それぞれの更新データを需要予測データの対象エリアなどに設定し、企画編集画面(初期画面)の更新画面を生成する。そして、更新画面を発注数決定支援システム331に出力する。
その後、入力受付部(受付手段)317が、例えば企画編集画面(更新画面)において、出力した更新データの内の一つ(つまり、何れか一つのパターンの特売売価の値)が選択され、確定ボタンの押下信号を受け付けるなどしたとする。この場合に、入力受付部(受付手段)317は、記憶部で一時的に保存している複数パターンの更新データの中から選択されたパターンの更新データにより、未来情報データベース311の対応するデータの設定値を変更する。
図5は、企画編集画面(初期画面)の構成図の一例である。
図5に示す企画編集画面5Gは、需要予測設定画面(不図示)でのユーザによる一つの企画の選択に基づき、入力受付部317が需要予測設定画面の遷移画面として生成し、店舗発注端末125に向けて出力する画面である。
図5に示す企画編集画面5Gは、企画表示エリア51と、商品群選択エリア52と、データ表示エリア53と、データ操作エリア54と、各種ボタンが配列されているナビゲートボタンエリア56とを含んでいる。
企画表示エリア51は、前画面の需要予測設定画面で選択された企画の「企画No(企画識別コード)」510、「企画名」511、「開始日」512、「終了日」513を表示するエリアとして設けている。ここで、「開始日」512、「終了日」513は、企画期間を表している。
商品群選択エリア52は、企画の対象となる商品群の一部や全てなどの、データ表示エリア53に表示させる商品の範囲を、ユーザが指定するための選択エリアとして設けている。商品群選択エリア52は「部門」520−1と「ライン」520−2と「クラス」520−3に分けられた範囲指定部を含む。「部門」520−1では、最上位の商品分類カテゴリの範囲を指定することができる。「ライン」520−2では、「部門」520−1のすぐ下位の商品分類カテゴリの範囲を指定することができる。「クラス」520−3では、最下位の商品分類カテゴリの範囲を指定することができる。各範囲指定部は、そこに表示されている商品分類カテゴリの全てを範囲に指定するためのチェックボックスB1を有する。
データ表示エリア53は、企画の対象となる商品群の一部又は全ての商品の需要予測データを表示するための表示エリアとして設けている。需要予測データの表示項目として「単品コード(商品コード)」530、「メーカ」531、「商品名称」532、「規格」533、「販売日(未来の予定日)」534、「特売売価」535、「予測販売数(予測購買数)」536、「予測販売金額」537、「予測利益金額」538、「実績販売数(実績購買数)」539、「実績販売金額」540、「実績利益金額」541を含む。データ表示エリア53には、デフォルトでは、商品群の全ての商品を対象に需要予測データを表示する。商品群選択エリア52におけるユーザの表示商品の制限操作により、制限内の商品のみが表示される。
なお、図5のデータ表示エリア53に一例として示す需要予測データは、未来情報データベース311に予め設定されている予定情報に基づいて算出されたものである。
データ操作エリア54は、データ表示エリア53に表示されているデータの編集を行うためのエリアとして設けている。データ操作エリア54には、データ編集のための入力ボックスB2と、訂正ボタンB3を設けている。
入力ボックスB2は、データ表示エリア53の項目別(「単品コード」530、「メーカ」531、・・・)のデータ編集を受付可能なように設けたものである。
本実施形態では、複数の異なる値への訂正を一度に指示できる一括入力部を設けている。ここでは、一例として、入力ボックスB2に、ユーザから最大5つまでの特売売価の値を一度に受け付けることのできる売価入力ボックスB20を設けている。
データ表示エリア53においてユーザにより一商品のデータ列が選択されると、選択されたデータ列の各項目の個別データを各入力ボックスB2に編集可能なように表示する。
売価入力ボックスB20については、選択されたデータ列に含まれる特売売価の値を、該当する売価入力ボックスB20(この場合、売価入力ボックスB20−1)に編集可能なように表示する。
訂正ボタンB3は、データ表示エリア53上で指定された商品のデータ列の一部を、入力ボックスB2、B20に対して行われた訂正データに訂正する宣言を行う操作ボタンである。
例えば、ユーザは、データ表示エリア53において一商品のデータ列を指定することにより、指定したデータ列を各入力ボックスB2、B20に表示させる。それから、入力ボックスB2、B20に表示された何れかのデータを書き換え、訂正ボタンB3を押下する。これにより、訂正データが発注数決定支援システム331を介して需要予測装置31に送信される。
また、入力ボックスB20−1〜B20−5に複数の異なる値(訂正値)を入力し、その状態で訂正ボタンB3を押下した場合には、それらの訂正値を全て含む訂正データが送信される。つまり、入力ボックスB20は、複数の異なる値への訂正を一度に指示するための一括入力部となっている。
訂正を行った項目が変動因子とは関係の無いもの、例えば商品情報等の項目である場合には、商品のマスタ情報や予定情報が訂正データに訂正されることになる。そして、訂正後の更新データがデータ表示エリア53に表示されることになる。
また、訂正を行った項目が変動因子に相当する場合には、需要予測装置31において需要予測の再シミュレーションが実行されることになる。そして、再シミュレーションにより得られた需要予測データがデータ表示エリア53に表示されることになる(図6参照)。未来情報データベース311への更新は、ユーザによる確定ボタンB9の押下後に行われる。
本実施形態において示す、売価入力ボックスB20−1〜B20−5は、データ表示エリア53に示すデータ列の特売売価の訂正項目に当たり、未来の変動因子情報の訂正に該当するものとなる。
ナビゲートボタンエリア56は、他の画面と共通する画面操作ボタンを表示するためのエリアとして設けられている。当該企画編集画面5Gにおいては、終了ボタンB6、印字ボタンB7、戻るボタンB8、確定ボタンB9が操作可能なように表示される。
終了ボタンB6は、需要予測設定を終了することを宣言するボタンである。
印字ボタンB7は、企画編集画面5Gの印字命令を不図示のプリンタに出力するためのボタンである。
戻るボタンB8は、一つ前の需要予測設定画面に戻るためのボタンである。
確定ボタンB9は、再シミュレーションによってデータ表示エリア53に表示された設定情報を確定し、その設定情報による未来情報データベース311の更新を指示するためのボタンである。
本実施形態では、ユーザはデータ表示エリア53において一つのデータ列を選択し、売価入力ボックスB20−1〜B20−5において特売売価の複数パターンの訂正値の入力を行う。この場合、複数パターンの訂正値に基づく、それぞれの需要予測結果が、続いて説明する企画編集画面6G(図6参照)のデータ表示エリア53に表示されることになる。確定ボタンB9は、複数パターンの需要予測結果の内の一つのパターンが選択された状態で、ユーザに押下されると、そのパターンの値を特売売価の値として確定し、需要予測装置31に確定信号を送信する。
次に、ユーザが売価入力ボックスB20に「特売売価」の複数パターンの値を設定し、需要予測装置31に需要予測を行わせたときの、需要予測結果を示す画面について示す。
図6は、一例として示す、企画編集画面5Gの更新画面の構成図である。
図6に示す更新画面(企画編集画面6G)は、図5に示す企画編集画面5Gと基本的な構成は同じである。企画編集画面6Gと企画編集画面5Gの主な違いは、企画編集画面6Gにタブによる表示切替部60を設けた点である。
ここでは、一例として、企画編集画面5Gにおいてユーザが売価入力ボックスB20−1〜B20−5の全てに異なる特売売価の値を設定した場合の更新画面の状態を示している。
企画編集画面6Gの売価入力ボックスB20−1〜B20−5のそれぞれに設定されている値(「99」、「100」、「105」、「107」、「120」)が、ユーザが特売売価として指定した異なるパターンの値である。そして、タブT1、T2、・・・、T5が、各パターンの特売売価の値に基づいて再算出された需要予測データを、データ表示エリア53に切替表示するための表示切替部60である。タブと需要予測データは一対一に対応付けされている。
タブT1は、売価入力ボックスB20−1に設定されたパターン1の特売売価の値(本例では「99」)に対応する需要予測データをデータ表示エリア53に表示するための表示切替部である。
タブT2は、売価入力ボックスB20−2に設定されたパターン2の特売売価の値(本例では「100」)に対応する需要予測データをデータ表示エリア53に表示するための表示切替部である。
タブT3は、売価入力ボックスB20−3に設定されたパターン3の特売売価の値(本例では「105」)に対応する需要予測データをデータ表示エリア53に表示するための表示切替部である。
タブT4は、売価入力ボックスB20−4に設定されたパターン4の特売売価の値(本例では「107」)に対応する需要予測データをデータ表示エリア53に表示するための表示切替部である。
タブT5は、売価入力ボックスB20−5に設定されたパターン5の特売売価の値(本例では「120」)に対応する需要予測データをデータ表示エリア53に表示するための表示切替部である。
なお、表示切替部として生成するタブの数は、売価入力ボックスB20に設定された特売売価の数に一致させるものとする。例えば、売価入力ボックスB20−1〜B20−3のみに特売売価の値が設定され、それ以外の売価入力ボックスB20−4、B20−5が空欄である場合には、タブT1〜T3のみを生成する。
また、デフォルトでは、図6に示すようにタブT1を選択状態にし、パターン1の需要予測データをデータ表示エリア53に配置する。企画編集画面5Gで選択されたデータ列は、企画編集画面6Gにおいて白黒反転表示(図6の対象領域Q1)にし、選択状態にする。更に、タブT1に対応する売価入力ボックスB20−1を強調表示する。例えば、売価入力ボックスB20−1の色の変更や、図6のアスタリスクM1のようなマークを付すなどして強調表示する。
また、企画編集画面6Gは、店舗発注端末125においてユーザによるタブT1〜T5の切り替えを受け付ける。タブT1〜T5の切り替えがあった場合に、切り替えられたタブT1〜T5に該当する需要予測データをデータ表示エリア53に配置する。更に、企画編集画面5Gで選択されたデータ列を選択状態にする。また、切り替えに連動し、切り替え前の売価入力ボックスの強調表示を解除し、切り替え後のタブT1〜T5に対応する売価入力ボックスB20−1〜B20−5を強調表示する。
また、企画編集画面6Gの入力ボックスB2はグレーアウトにし、データの訂正を受け付けできないようにする。
<需要予測装置の処理>
図7は、店舗発注端末125と需要予測装置31との間で行われる需要予測シミュレーション処理のフロー図である。なお、店舗発注端末125と需要予測装置31との間には、発注数決定支援システム331が介在するものとする。
同図に示す破線矢印は、店舗発注端末125と需要予測装置31との間の信号の流れを示すものである。
先ず、店舗発注端末125は表示画面に需要予測設定画面を表示する(S10)。例えば、店舗発注端末125において発注担当者(ユーザ)が需要予測設定プログラムの起動指示を行う。これにより店舗発注端末125が、先ず企画画面の表示を行い、続いて、ユーザによる画面呼び出しボタンの押下信号を受け付けて、需要予測設定画面を表示する。
次に、店舗発注端末125は、需要予測設定画面に企画一覧を表示し、一つの企画の選択入力をユーザから受け付ける(S11)。店舗発注端末125は、ユーザから一つの企画の選択入力を受け付けると、一つの企画の需要予測データを取得するための指示信号を需要予測装置31に向けて送信する。なお、店舗発注端末125は、需要予測装置31において指示対象の企画が識別できるように、当該指示信号に企画識別データを含めるものとする。
一方の需要予測装置31(入力受付部317)は、上記指示信号を受信したか否かを判定する(S20)。需要予測装置31(入力受付部317)は、店舗発注端末125からの指示信号を受信すると、ステップS20の判定処理でYesと判定する。
ステップS20でYes判定になると、需要予測装置31(入力受付部317)は、企画編集画面5G(図5参照)を生成し、その企画編集画面5Gを依頼元の店舗発注端末125へ向けて送信する(S21)。企画編集画面5Gの生成は、次の前提に基づき、後述するようにして行う。
前提として、需要予測装置31(回帰係数算出部312)は、過去の購買実績を用いて各商品の回帰係数を夜間に算出し、算出した回帰係数を回帰係数DB313に登録するものとする。
また、需要予測装置31(予測購買数算出部314)は、回帰係数DB313に登録されている各商品の回帰係数と、未来情報データベース311に登録されている予定情報311Aとを用いて、1週間先や1か月先など、所定期間先までの需要予測シミュレーションを、予め行うものとする。
また、需要予測シミュレーションの実行結果(予測販売数、予測販売金額、及び予測利益金額)については、未来情報データベース311に、予測情報311Bとして格納しておくものとする。
また、予定情報311Aには企画データも含まれるものとする。当該企画データは、本部特売企画端末124に表示させた企画画面から企画担当者が入力した未来の企画データである。
以上を前提に、需要予測装置31(入力受付部317)は、先ず、店舗発注端末125から受信した企画識別データに対応する需要予測データを未来情報データベース311から抽出する。具体的に、需要予測装置31(入力受付部317)は、受信した企画識別データをキーに未来情報データベース311から該当するレコード(需要予測データ)を全て抽出する。商品情報については、不図示の商品マスタデータから取得する。
図8は、抽出データを示す図である。
一例として、特売企画(企画識別コード:001、特売期間:2015年1月3日〜2015年1月9日)の抽出データを示す。
図8に示すように、抽出データは「企画識別コード」441の値「001」に該当するレコード群により構成される。
予定売価・販促データ324dには、「企画識別コード」が示す企画毎に、企画の「企画期間」が設定されている。
更に、企画期間の日別に、企画の対象商品の「商品コード」や、商品の「予定売価(特売売価)」や、商品の「予定定番価格」や、「予定値引額」や、「予定チラシ掲載」などが設定されている。
従って、「企画識別コード」の設定値をキーに未来情報データベース311を検索することにより、予定売価・販促データ324dから、該当する「企画識別コード」と、その企画期間の日別の「年月日」と、「商品コード」と、「予定売価(特売売価)」と、「予定定番価格」等の組み合わせからなるレコードが全て抽出される。そのレコードに含まれる各値が、図4に示す単位レコードの該当項目にセットされる。
更に、予定売価・販促データ324dから抽出したレコードに含まれる「日付」や「商品コード」をキーに、その他のデータテーブルから該当レコードが抽出される。例えば、「日付」から、「曜日」や「気温」や「降水量」などが抽出される。また、「商品コード」から、「ラインコード」や「クラスコード」が抽出される。また、「日付」と「商品コード」とから、予測購買数等の予測情報が抽出される。
このようにして各種データテーブルから抽出された各値が、図4に示す単位レコードの残りの該当する項目にセットされる。
図8に示す抽出データにおいて、各レコードの縦方向の並び順は、「年月日」411の未来の日付順に従っている。また、同一の日付内では、「商品コード」433の商品コード順に従っている。つまり、先ず、「2015年1月3日」の販売予定商品のレコードが商品コード順に並んでいる。続いて、その翌日の「2015年1月4日」の販売予定商品のレコードが商品コード順に並んでいる。図4においては省略してはいるが、2015年1月5日〜2015年1月9日まで、同様の順序で販売予定商品のレコードが商品コード順に並ぶ。
続いて、需要予測装置31(入力受付部317)は、抽出した各レコード(図8参照)を所定形式に並べる。ここでは、一例として、抽出したレコードを単品コード毎にソートし、更に、各単品コード内で販売日順にソートすることにより、所定形式に並べるものとする。
そして、需要予測装置31(入力受付部317)は、企画編集画面の各データ項目にデータを設定する。具体的に、需要予測装置31(入力受付部317)は、企画編集画面5G(図5参照)のデータ表示エリア53に、所定形式に並べた需要予測データを設定する。また、需要予測装置31(入力受付部317)は、企画表示エリア51に当該企画の企画情報(企画識別コード、企画名、及び企画の開催期間)を設定し、商品群選択エリア52に関連商品の分類を設定する。関連商品の分類は、例えば、ライン1が関連商品である場合には、ライン1とその下位にあるクラスを全て設定する。本実施形態では、関連商品の範囲を部門としたため、部門と、その下位にあるライン及びクラスを全て設定する。
なお、需要予測装置31(入力受付部317)が抽出した商品情報等を含む需要予測データ(抽出データ)は、後の編集のためにRAMなどの記憶部に一時的に記憶させておくものとする。
ステップS21において需要予測装置31(入力受付部317)が企画編集画面5Gを送信すると、他方の店舗発注端末125は、その企画編集画面5Gを取得して表示画面に表示する(S12)。
店舗発注端末125は、企画編集画面5Gの表示中、各種のユーザ操作を受け付ける。各種ユーザ操作の内の一つとして、需要予測データの訂正を受け付ける。
以下、需要予測データの訂正の一例として、一商品の特売売価が複数パターンの値に訂正された場合の各装置の動作を説明する。
店舗発注端末125は、一商品の特売売価の値として、複数パターンの訂正値をユーザ入力により受け付ける。すると、再シミュレーションを指示する信号を需要予測装置31に向けて送信する(S13)。
具体的に、店舗発注端末125は、企画編集画面5Gのデータ表示エリア53の一覧からの、一商品のデータ列の選択を、上下キーによる移動選択やマウスクリックなどにより受け付ける。店舗発注端末125は、ユーザによる一商品のデータ列の選択を受け付けると、そのデータ列の特売売価の値を売価入力ボックスB20−1に表示する。そして、売価入力ボックスB20−1に表示している値の訂正と、売価入力ボックスB20−2〜B20−5の空欄に対する特売売価の値の入力とを受け付ける。
ユーザにより、売価入力ボックスB20−1〜B20−5の何れかに値が入力されると、続いて、店舗発注端末125は、訂正ボタンB3の押下信号を受け付ける。ユーザが、売価入力ボックスB20−1〜B20−5の全て又は何れかに値を入力し、訂正ボタンB3を押下する。すると、店舗発注端末125は、再シミュレーションの要求信号を需要予測装置31に向けて送信する。
再シミュレーションの要求信号には、売価入力ボックスB20−1〜B20−5の特売売価の入力値(訂正値)と、キー情報を含める。キー情報は、需要予測装置31が記憶部の抽出データ内の訂正個所が分かるようにするためのものである。キー情報は、店舗発注端末125で選択されたデータ列を特定するための情報(単品コード及び販売日)や、データ列内の特売売価の項目を示す情報などとする。
一方の需要予測装置31は、店舗発注端末125からの操作信号を受信するまで待機する。そして、操作信号を受信すると、その操作信号に基づく処理を行う。
具体的に、需要予測装置31(入力受付部317)は、先ず、戻るボタンB8の操作信号を受信したか否かを判定する(S22)。この判定がNo判定の場合、続いて、訂正ボタンB3の操作信号を受信したか否かを判定する(S23)。この判定もNo判定の場合、終了ボタンB6の操作信号を受信したか否かを判定する(S32)。この判定もNo判定の場合、ステップS22からの判定処理を繰り返す。
ここでは、需要予測装置31が店舗発注端末125から訂正ボタンB3の操作信号として再シミュレーションの要求信号を受信した場合の処理について詳しく説明する。
再シミュレーションの要求信号を受信した場合、需要予測装置31(入力受付部317)は、ステップS23の判定処理でYesと判定する。この判定に続いて、需要予測装置31(入力受付部317)は、要求信号に含まれる特売売価の複数パターンの値(本例では5パターンの値)に基づく需要予測の再シミュレーション結果を得る(S24)。
図9は、ステップS24の処理フロー図である。
図9に示すように、需要予測装置31(入力受付部317)は、先ず、要求信号に含まれるキー情報等に基づいて、記憶部に一時的に記憶されている抽出データの内の訂正個所を特定する(S240)。つまり、所定の日付且つ商品を示すキー情報から抽出データの内の対応するデータ列を特定し、更に、特売売価の項目を示すキー情報から、データ列内の特売売価の位置を特定する。
続いて、需要予測装置31(入力受付部317)は、要求信号に含まれる特売売価の5パターンの訂正値を一つずつ抽出データの特定位置の値に上書きし、5セットの抽出データを生成する(S241)。ここでは、抽出データのコピーを5セット作成し、それぞれの抽出データの特定位置の値を、順に、5パターンの訂正値の異なる値で上書きする。また、予定定番売価と予定売価との差分として計算される予定値引額の値を上書きする。
図10は、ステップS241の処理後の記憶部の抽出データの設定状態を示す図である。
ただし、5セットの抽出データの内のパターン1の抽出データ及びパターン5の抽出データのみを示し、その他のパターン2〜パターン4の抽出データは、図示を省略している。
ここに示す例は、店舗発注端末125においてユーザが販売日「2015年1月3日」且つ単品コード「0001」のデータ列を選択し、その特売売価の値を訂正した場合のものである。つまり、図8に示す抽出データの、一行目のレコードの「予定売価」444の値「98」を訂正対象にしたものである。
パターン1の抽出データD1は、上記訂正対象の「予定売価」の値「98」が、売価入力ボックスB20−1の値「99」に書き換えられている。
図示を省略しているが、パターン2〜パターン4の抽出データについては、それぞれ、「予定売価」の値「98」が売価入力ボックスB20−2の値「100」、売価入力ボックスB20−3の値「105」、売価入力ボックスB20−4の値「107」に書き換えられている。
また、パターン5の抽出データD5は、上記訂正対象の値「98」が、売価入力ボックスB20−5の値「120」に書き換えられている。
続いて、需要予測装置31(入力受付部317)は、需要予測装置31(予測購買数算出部314)に再シミュレーションの実行を指示し、需要予測結果を取得する(S242)。
先ず、需要予測装置31(予測購買数算出部314)に再シミュレーションの実行を指示する。すると、需要予測装置31(予測購買数算出部314)は、記憶部のパターン1の抽出データに含まれる全商品(関連商品)の回帰係数を回帰係数DB313から抽出する。続いて、需要予測装置31(予測購買数算出部314)は、式(1)に、抽出した回帰係数を当て嵌め、抽出データのレコード単位に予定情報を当て嵌める。これにより、再シミュレーションを行い、需要予測値の一つとしての各商品の予測購買数を求める。更に、需要予測装置31(予測購買数算出部314)は、求めた予測購買数から予測販売金額や予測利益金額などを求め、求めた値で、記憶部に記憶されているパターン1の抽出データの、予測情報の値を書き換える。
需要予測装置31(予測購買数算出部314)が行う上述の処理は、パターン2〜パターン5に対しても同様に行う。従って、記憶部に記憶されているパターン1〜パターン5の抽出データの予測情報は、再シミュレーションにより、全て更新されることになる。
図11は、再シミュレーション後の、記憶部に記憶されている抽出データの設定状態を示す図である。
図11には、図10と同様、5つの抽出データの内のパターン1の抽出データ及びパターン5の抽出データのみを示している。その他のパターン2〜パターン4の抽出データは、図示を省略している。
図11に示す例において、パターン1の抽出データD1aは、各レコードの予測情報の値(予測購買数、予測販売金額、予測利益金額、・・・)が図10の訂正値(予定売価「99」)に基づく再シミュレーションの結果で書き換えられている。
具体的に、一列目の、特売売価を訂正した商品コード「0001」のレコードにおいては、予測情報としての予測購買数、予測販売金額、予測利益金額、及び予測発注数の値が、それぞれ、「50」、「4,950」、「450」、「21」に書き換えられている。
また、商品コード「0001」の関連商品の一つである、2列目の商品コード「0002」のレコードも、予測情報としての予測購買数、予測販売金額、予測利益金額、及び予測発注数の値が、それぞれ、「7」、「1,036」、「56」、「13」に書き換えられている。
図示を省略してはいるが、その他の、関連商品の商品コードについてもまた、予測情報が書き換えられるものとなる。
パターン2〜パターン4についても、抽出データの予測情報(予測購買数、予測販売金額、予測利益金額、・・・)の値が、それぞれのパターンの再シミュレーションにより得られた需要予測値により書き換えられる。
パターン5の抽出データD5aは、各レコードの予測情報の値(予測販売数、予測販売金額、予測利益金額、・・・)が図10の訂正値(予定売価「120」)に基づく再シミュレーションの結果で書き換えられている。
具体的に、一列目の、特売売価を訂正した商品コード「0001」のレコードにおいては、予測情報としての予測購買数、予測販売金額、予測利益金額、及び予測発注数の値が、それぞれ、「10」、「1,200」、「300」、「0」に書き換えられている。
また、商品コード「0001」の関連商品の一つである、2列目の商品コード「0002」のレコードも、予測情報としての予測購買数、予測販売金額、予測利益金額、及び予測発注数の値が、それぞれ、「15」、「2,220」、「120」、「21」に書き換えられている。
図示を省略してはいるが、その他の、関連商品の商品コードについてもまた、予測情報が書き換えられるものとなる。
需要予測装置31(予測購買数算出部314)は、記憶部の抽出データの更新を終えると、需要予測装置31(入力受付部317)に通知する。
これにより、需要予測装置31(入力受付部317)は、要求信号に含まれる特売売価の5パターンの値に基づく、再シミュレーション結果の需要予測データを得る。
続いて、需要予測装置31(入力受付部317)は、5パターンの需要予測データのセットを企画編集画面に設定するなどして更新画面を生成する(S243)。
この処理において、需要予測装置31(入力受付部317)は、先ず、記憶部の5パターンの需要予測データのセットを、パターン毎に所定形式に並べる。ここでは、一例として、抽出データのレコードを単品コード毎にソートし、更に、各単品コード内で販売日順にソートすることにより、所定形式に並べる。
そして、需要予測装置31(入力受付部317)は、企画編集画面6G(図6参照)のタブT1、T2、T3、T4、T5に、それぞれ、パターン1、パターン2、パターン3、パターン4、パターン5の所定形式に並べた需要予測データを割り当てる。また、需要予測装置31(入力受付部317)は、企画表示エリア51に当該企画の企画情報(企画識別コード、企画名、及び企画の開催期間)を設定し、商品群選択エリア52に関連商品の分類を設定する。
なお、需要予測装置31(予測購買数算出部314)が更新した商品情報等を含む需要予測データ(抽出データ)は、後の登録のためにRAMなどの記憶部に一時的に記憶させておくものとする。
続いて、需要予測装置31(入力受付部317)は企画編集画面6Gを送信する(S25)。すると、他方の店舗発注端末125は、その企画編集画面6Gを受信する。そして、店舗発注端末125は、表示画面を企画編集画面6G(図6参照)に更新する(S14)。企画編集画面6Gは、このとき、入力ボックスB2をグレーアウトにし、訂正データの入力を受け付けないようにする。
続いて、店舗発注端末125は、各種操作を受け付ける(S15)。
ここで、店舗発注端末125において、ユーザが表示切替部60を操作し、例えばタブT5を選択して、パターン5の需要予測データをデータ表示エリア53に表示させたとする。この場合、強調表示は、切り替え操作に連動し、売価入力ボックスB20−1から売価入力ボックスB20−5に移動する。そこで、ユーザが確定ボタンB9を押下したとする。すると、店舗発注端末125は、需要予測装置31に向けて確定ボタンB9の操作信号を送信する。
一方の需要予測装置31(入力受付部317)は、店舗発注端末215から送信される操作信号の種類に応じて各種処理を行う。先ず、需要予測装置31(入力受付部317)は、確定ボタンB9の操作信号を受け付けたか否かを判定する(S26)。確定ボタンB9の操作信号でない場合(No判定)は、続いて、戻るボタンB8の操作信号を受け付けたか否かを判定する(S27)。戻るボタンB8の操作信号も受け付けていない場合(No判定)は、ステップS26に戻り、同様に判定処理を繰り返す。
需要予測装置31(入力受付部317)は、店舗発注端末125から確定ボタンB9の操作信号を受け付けることにより、ステップS26がYes判定となる。そして、需要予測装置31(入力受付部317)は、確定処理を行う(S28)。
具体的に、需要予測装置31(入力受付部317)は、ユーザにより選択されたタブの識別情報を操作信号と共に受け取る。そのタブの識別情報に基づき、記憶部に一時的に記憶している最初の抽出データと、タブに対応する需要予測データを選択する。本例では、ユーザがタブT5を選択したものとし、最初の抽出データと、パターン5の需要予測データを選択する。そして、未来情報データベースの該当するデータをパターン5の需要予測データで更新する。
未来情報データベース内では、特売売価の訂正された日付及び商品に該当する特売売価の値がパターン5の値に更新される。また、当該商品の予測情報(予測購買数、予測販売金額、予測利益金額、・・・)の値が、パターン5の需要予測値に更新される。更に、当該商品の各関連商品の予測情報(予測購買数、予測販売金額、予測利益金額、・・・)の値が、パターン5の需要予測値に更新される。
更新後、需要予測装置31(入力受付部317)は、パターン5の需要予測データを除き、記憶部に一時的に記憶している最初の更新データやその他のパターンの需要予測データを消去する。
以上の確定処理後、需要予測装置31(入力受付部317)は、残ったパターン5の需要予測データを企画編集画面のデータ表示エリア53にセットする。そして、その企画編集画面を店舗発注端末125に向けて送信する(S29)。
そして、ステップS22の処理に戻り、更なる訂正データ等の操作を受け付ける。
一方の店舗発注端末125は、ステップS29で送信された企画編集画面を受信し、その企画編集画面で表示画面を更新する(S16)。この企画編集画面は、企画編集画面5Gのデータ表示エリア53がパターン5のデータにより更新されたイメージのものとなる。ステップS16の後は、ステップS13に処理が移行する。
なお、店舗発注端末125において戻るボタンB8が押下されたことにより、ステップS27がYes判定となる場合は次の通りとなる。店舗発注端末125は、自機の記憶部に一時記憶している企画編集画面5Gを表示する。需要予測装置31(入力受付部317)は、記憶部の最初の抽出データのみを残し、その他のパターン1〜パターン5の需要予測データを全て消去する(S30)。そして、ステップS22に戻り、同様の処理を繰り返す。
なお、需要予測装置31は、ステップS20の判定処理においてNo判定の場合、終了ボタンB6が押下されたか否かの判定を行う(S31)。ステップS31の判定処理において終了ボタンB6が押下されたとするYes判定の場合、本処理を終了する。ステップS31の判定処理においてNo判定の場合、ステップS20の判定処理に戻る。
また、ステップS23の判定処理においてNo判定の場合、終了ボタンB6が押下されたか否かの判定を行う(S32)。ステップS32の判定処理において終了ボタンB6が押下されたとするYes判定の場合、本処理を終了する。ステップS32の判定処理においてNo判定の場合、ステップS22の判定処理に戻る。
また、店舗発注端末125は、終了ボタンB6が押下されると、任意のタイミングで、需要予測装置31に終了を指示する信号を送信し、本処理を終了する。また、需要予測装置32は、ステップS30、ステップS31の判定で、店舗発注端末125で終了ボタンB6の操作があったことを検出する。そして、終了ボタンB6の操作を検出したときは、その店舗発注端末125とのトランザクション処理を終了する。
本実施形態では、需要予測装置31が生成する企画編集画面5G、6Gに、5つの売価入力ボックスB20を設けたが、売価入力ボックスB20の数は2つ以上あれば適宜増減しても良い。
なお、売価入力ボックスB20を増やすスペースが画面内に確保できない場合は、売価入力ボックス用の別画面を設け、それを呼び出しにより表示させるなどの変形を行っても良い。例えば、企画編集画面5Gに、売価入力ボックス用の別画面を呼び出すためのボタンを設ける。そして、ユーザによりそのボタンが押下された場合に、売価入力ボックス用の別画面を企画編集画面5Gに重ねて表示する。これにより、ユーザは、別画面内に配置された複数の売価入力ボックスに特売売価の複数パターンの値を設定できる。
本実施形態では、複数パターンの値として特売売価の値を需要予測装置に一度に入力するための構成を示したが、特売売価の値に限るものでは無い。その他の値として、未来の変動因子情報、例えば、定番売価、気温、降水量の値などへの変形を行っても良い。
本実施形態では、商品の需要予測を一例として示した。しかし、これに限らず、サービスなどの役務の需要予測を行う形態に変形を行っても良い。この場合、購買数は、サービスの利用回数等となる。また、在庫データや発注データが示す数字は、サービスを施すスタッフの人数や、サービスを提供する機械の数等となる。
(変形例1)
変形例1では、売価入力を別画面にて行う企画編集画面の一態様について説明する。
以下では、実施形態と共通する部分の図面及び説明については適宜省略し、実施形態と異なる部分について図を参照しながら説明する。なお、実施形態と共通する部分は図中に同一の番号を付すものとする。
図12は、変形例の企画編集画面(初期画面)の構成図である。図12に示す企画編集画面7Gは、基本構成は、実施形態に示す企画編集画面5G(初期画面)の構成と共通する。企画編集画面5Gとの主な違いは、特売売価を訂正するための売価入力ボックスを売価入力ボックスB70として一つ残し、その隣に、別画面を呼び出すための指示部としての追加入力ボタンB71を設けたことである。
店舗発注端末125において、ユーザにより入力ボックスB2、売価入力ボックスB70に訂正値が入力されると、店舗発注端末125は、入力ボックスB2、売価入力ボックスB70に入力された各訂正値を読み取り、自機の記憶部の所定記憶エリア(第一の記憶エリア)に訂正値群として一時的に記憶する。
その後、店舗発注端末125は、ユーザにより訂正ボタンB3が押下されると、その訂正値群を第一の記憶エリアから読み取り、需要予測装置31に向けて送信する。そして、需要予測装置31から1パターンの需要予測データからなる更新画面を取得すると、その画面を表示する。
一方、訂正値群の記憶後、特売売価の値の追加訂正のためにユーザにより追加入力ボタンB71が押下されたならば、店舗発注端末125は、売価入力用の別画面を表示する。
図13は、追加入力ボタンB71の押下により別画面として呼び出される売価入力画面の構成図である。
図13に示す売価入力画面8Gは、9個の売価入力ボックスB71−1〜B71−9と、訂正ボタンB81とを有する。
9個の売価入力ボックスB71−1〜B71−9は、それぞれ、特売売価の1つの訂正値の入力を受け付けるためのものである。
訂正ボタンB81は、売価入力ボックスB71−1〜B71−9の訂正値を確定し、売価入力画面8Gを閉じることを店舗発注端末125に指示するための指示ボタンである。
店舗発注端末125において、例えば8個の売価入力ボックスB71−1〜B71−8に訂正値が入力されたとする。すると、店舗発注端末125は、入力された訂正値を読み取り、それらを特売売価の追加の訂正値として記憶部の所定記憶エリア(第二の記憶エリア)に記憶する。
店舗発注端末125においてユーザにより訂正ボタンB81が押下された場合、店舗発注端末125は、売価入力画面8Gを閉じ、企画編集画面7Gがアクティブになる。
ユーザが、売価入力画面8Gで上述したような8つの特売売価の追加設定を行い、その上で、企画編集画面7Gの訂正ボタンB3を押下したとする。すると、店舗発注端末125は、第二の記憶エリアの特売売価の8つの追加訂正値を、第一の記憶エリアの企画編集画面7Gで入力した一つの特売売価の訂正値に付加し、それらを含む訂正値群を需要予測装置31に向けて送信する。この結果、需要予測装置31から、複数パターンの需要予測データが複数のタブにそれぞれ割り当てられてなる更新画面(図6参照)が送信され、店舗発注端末125は、その更新画面を表示する。
なお、売価入力画面8Gにおいて、売価入力ボックスB71−1〜B71−9が全て空欄のまま訂正ボタンB81が押下され、更に訂正ボタンB3が押下されたとする。この場合は、売価入力ボックスB70に設定された値に基づく一パターンの需要予測データがデータ表示エリア53に表示されることになる。
本例では、指示部の態様としてボタンを示したが、指示部の態様はこれに限定されるものでは無い。指示信号を送るためのトリガとなるものであれば、その他の態様をとっても良い。
(変形例2)
実施形態の需要予測装置31では、複数パターンの需要予測の結果が得られた場合に、企画編集画面に同数のタブを設け、それらに各需要予測のデータを割り当てて出力する態様を示した。
変形例2では、複数パターンの需要予測の結果の内、ベストのデータを割り当てるタブを強調表示する需要予測装置の態様を示す。
以下では、実施形態と共通する部分の図面及び説明については適宜省略し、実施形態と異なる部分について図を参照しながら説明する。なお、実施形態と共通する部分は図中に同一の番号を付すものとする。
図14は、変形例2の需要予測装置に係る本部システム(図1参照)の全体構成を示すブロック図である。
図14に示すように、変形例2の需要予測装置71は、実施形態の需要予測装置31(図3参照)に更に順位決定部710を有する。
順位決定部710は、特売売価の複数パターンの訂正値に基づいて生成されたそれぞれの需要予測データの順位付けを行うところである。入力受付部317が、特売売価の複数パターンの訂正値に基づく再シミュレーションの完了を、予測購買数算出部314から通知されると、入力受付部317は順位決定部710に対してその順位付けを依頼する。
順位決定部710は、この依頼により、記憶部の複数パターンのデータを対象に順位付けの処理を行い、その処理が終わると、順位結果を入力受付部317に通知する。入力受付部317は、その結果に基づいてタブを順番に強調表示する設定にし、複数パターンの需要予測データを含む企画編集画面を店舗発注端末125に送信する。
順位付け処理は、具体的には、次のように行う。
順位決定部710は、入力受付部317から、店舗発注端末125が売価入力ボックスの訂正値と共に送信するキー情報の一部を受け取る。キー情報の一部とは、店舗発注端末125で選択されたデータ列を特定するための特定情報(単品コード及び販売日)である。
順位決定部710は、入力受付部17から順位付けの依頼があると、記憶部に記憶されている各パターンの需要予測データを対象に、それぞれ、該当するデータ列を特定情報から特定する。そして、各データ列内の予測購買数を示す場所から値を抽出する。抽出した各値は、それぞれの需要予測データのパターン番号(パターン1、パターン2、・・・)に対応付けする。なお、順位決定部710は、データ列内の各項目を示す場所を予め情報としてもっているものとする。
順位決定部710は、抽出した値を用いて、大小比較し、値の大きなものから順に並べ替える。これにより、予測購買数についてのパターンごとの順位を決定する。
図11に示す5パターンのデータを例にすると次のようになる。
図15は、図11の5パターンのデータの各々から、特売売価の値が訂正された先頭レコード(年月日:2015年1月3日、商品コード:0001)の予測購買数の値を抜き出して表にした図である。
図15の表E1が示すように、パターン1は、予測購買数の値が「50」となる。パターン2は、予測購買数の値が「40」となる。パターン3は、予測購買数の値が「30」となる。パターン4は、予測購買数の値が「20」となる。パターン5は、予測購買数の値が「10」となる。
従って、パターン1からパターン5に対し、この順に、1位〜5位の順位付けがなされる。
入力受付部317は、この結果が示す順番に、対応するタブを強調表示する設定にする。例えば、入力受付部317は、企画編集画面を生成する際に、1位に順位付けされた需要予測データを対応付けするタブの色情報を赤に設定する。また、2位〜5位に順位が下がるに連れ、それぞれのタブの色情報を薄い色に設定する。
このときの画面イメージを以下に示す。
図16は、順位決定部710の順番に応じてタブを強調表示設定したときの企画編集画面の構成図である。
図16の企画編集画面9Gにおいて、表示切替部60−1のタブT1−1、タブT2−1、タブT3−1、タブT4−1、タブT5−1が強調表示の対象である。
パターン1は1位であった(図15参照)。従って、図16に示すパターン1のタブT1−1の色を赤に設定することにより、タブT1−1がベストのデータであることを強調表示する。図16のタブT1−1の黒塗り部分が「赤色」の設定となっている。
パターン2〜パターン5については、この順に、対応するタブT2−1〜T5−1に徐々に薄い色を設定する。図16のタブT2−1〜T4−1において斜線部が色の濃さを示している。斜線本数が減るに連れ色が薄くなることを示す。タブT5−1は白塗りにより最も薄いことを示している。
本例では、順位決定部710の順位に従って、色を薄くする設定にしたが、この限りではない。色ではなく、数字など順番を示すマークを付与しても良い。
また、全てのタブに色やマークを施すのではなく、ベストを示すタブだけに色やマークにより強調表示するようにしても良い。
また、本例では、予測購買数の値を対象に順位付けを行ったが、その他の項目を対象に順位付けを行っても良い。その他の項目としては、需要予測値である予測販売金額や、予測利益金額や、予定発注数などがある。
また、順位付けを行う項目をユーザに選択させるようにしても良い。例えば、企画編集画面5G(図5参照)に、順位付けを行う項目の選択ボックスを設ける。店舗発注端末125は、選択ボックスから順位付けを行う項目を受け付け、ユーザにより訂正ボタンB3の押下を受け付ける。すると、店舗発注端末125は、売価入力ボックスB20の訂正データや、キー情報などと共に、順位付けを行う項目情報を需要予測装置71に向けて送信する。順位決定部710は、入力受付部317から、順位付けを行う項目情報を訂正データやキー情報と共に受け取ることにより、その項目の値を比較し、順位付けを行うことができる。
図17は、選択ボックスを含む企画編集画面の構成図である。
図17に示す企画編集画面10Gは、企画編集画面5G(図5参照)に対して選択ボックスB80を設けたものである。
選択ボックスB80には、入力受付部317が画面生成時に需要予測値(予測購買数、予測販売金額、予測利益金額、予定発注数、・・・)の項目情報を設定する。図17は、選択ボックスB80に需要予測値の項目情報が設定されたときの状態を示している。なお、「予測購買数」を示す項目情報は、企画編集画面10Gの予測販売数536の項目に表記を合わせ、「予測販売数」としている。
ユーザは、データ表示エリア34から一つのデータ列を選択し、売価入力ボックスB20の値を訂正する。そして、選択ボックス70において、一覧から一つの項目を選択して、訂正ボタンB3を押下する。これにより、店舗発注端末125から需要予測装置71に対し、売価入力ボックスB20の訂正値、キー情報、及び一覧から選択された一つの項目情報が送信されることになる。
(変形例3)
実施形態の需要予測装置は、データ表示エリアの一レコード分のデータ列の、一項目内の複数パターンの値の訂正入力をユーザから受け付け、その応答として、各パターンの需要予測結果をデータ表示エリアに出力する態様のものであった。
変形例3では、データ表示エリアの複数レコードのデータ列の、同一項目内の値の訂正入力を可能にし、各パターンの需要予測結果をデータ表示エリアに出力する態様を示す。
以下では、実施形態と共通する部分の図面及び説明については適宜省略し、実施形態と異なる部分について図を参照しながら説明する。なお、実施形態と共通する部分は図中に同一の番号を付すものとする。
図18は、変形例3の需要予測装置に係る本部システム(図1参照)の全体構成を示すブロック図である。
図18に示すように、変形例3の需要予測装置91は、実施形態の需要予測装置31(図3参照)において入力受付部317を入力受付部910に置き換えたものである。
以下、入力受付部317と異なる点について説明する。
入力受付部910は、未来の変動因子情報の一つである例えば特売売価などの値の訂正を複数の商品(ここでは、主に関連商品)について受け付ける。
このため、ユーザに複数の商品の訂正値を入力できるようにするための企画編集画面を構成する。
図19は、一例として示す、変形例3の企画編集画面の構成図である。
図19に示すように、企画編集画面11Gは、仮設定ボタンB10を備えている。
仮設定ボタンB10は、ユーザが入力ボックスB2(特に、特売売価の入力ボックス)に入力した訂正値を記憶部の所定エリアに一時的に退避させておくための指示ボタンである。店舗発注端末125において、ユーザは、データ表示エリア53の需要予測データの一覧から、一つのデータ列を選択する。本例では、一販売日且つ一商品の需要予測データを示すデータ列d1を選択する。これにより入力ボックスB2に編集可能に表示された需要予測データの値(ここでは、特売売価の値とする)をユーザが訂正する。
ユーザは、選択したデータ列d1の値の訂正を終えると、仮設定ボタンB10を押下する。この押下により、一つ目に選択されたデータ列d1の「販売日」、「商品コード」、「訂正項目」、「訂正値」などを示す情報が店舗発注端末125の記憶部の所定エリアに退避される。
続いて、ユーザは、データ表示エリア53の需要予測データの一覧から、同一販売日の他の商品のデータ列d2を選択する。そして、そのデータ列d2の特売売価の値を訂正するなどして仮設定ボタンB10を押下する。この押下により、二つ目に選択されたデータ列の「販売日」、「商品コード」、「訂正項目」、「訂正値」などを示す情報が店舗発注端末125の記憶部の所定エリアに退避される。
ユーザは、同一販売日のもので、訂正が必要な商品のデータ列を、同様の手順で訂正し、仮設定ボタンB10で訂正値等を記憶部の所定エリアに一時的に退避させる。そして、訂正が必要な商品のデータ列の全ての訂正を終えた後、ユーザは訂正ボタンB3を押下する。
訂正ボタンB3の押下により、訂正を指示するための信号や、入力ボックスB2に入力した情報や、所定エリアに一時的に退避した情報などが需要予測装置91に向けて送信されることになる。店舗発注端末125に一時的に記憶させたデータは、その需要予測データを受け取った後などに店舗発注端末125から消去するものとする。
なお、図19の企画編集画面11Gのデータ表示エリア53には、一例として、商品順の需要予測データの一覧を示しているが、需要予測データを日付順に並べ替えるなどの変形を行っても良い。この場合、同一販売日の商品が連続して並ぶため、選択性が向上する。
ここで、図18の入力受付部910の説明に戻る。
入力受付部910は、店舗発注端末125の複数の商品の訂正値を受け付けると、それぞれの訂正値毎に、需要予測装置91の記憶部に記憶されている抽出データ(図8の抽出データと同様)の該当箇所の値を書き換える。
ここで、5つの商品の特売売価の訂正値を受け付けた場合を例に入力受付部910の処理を説明する。
入力受付部910は、記憶部で一時的に記憶している抽出データのコピーを5つ生成する。更に、入力受付部910は、生成した5セットの抽出データの内の一つを対象に、店舗発注端末125で選択された一つのデータ列の、特売売価に対応するデータ領域を特定する。そして、特定したデータ領域の値を、店舗発注端末125において当該データ列に対して訂正された値に書き換える。
データ領域の特定は、店舗発注端末125から受け取ったデータの内の「販売日」、「商品コード」、及び「訂正項目」により行う。
入力受付部910は、更に、残りの抽出データの内の一つを対象に、店舗発注端末125で選択されたその他の一つのデータ列の、特売売価に対応するデータ領域を特定する。そして、そのデータ領域の値を、当該データ列に対して訂正された値に書き換える。入力受付部910は、残りの3セットの抽出データについても、それぞれ、同じ要領でデータ領域を特定し、そのデータ領域の値を、訂正された値に書き換える。
これらの5セット(パターン1〜パターン5)の書き換え後のデータは、記憶部で一時的に記憶する。
図20は、図8に示す抽出データを基とする、特売売価の値が訂正値に書き換えられた後の抽出データの設定状態を示す図である。ただし、5セットの抽出データの内のパターン1とパターン2を示したものであり、その他は、図示を省略している。
パターン1の抽出データD11は、店舗発注端末125においてユーザが販売日「2015年1月3日」且つ単品コード「0001」のデータ列d1(図19参照)を選択し、その特売売価の値を「98」から「99」に訂正した場合のものである。従って、図20の抽出データD11は、図8に示す抽出データの、一行目のレコードの「予定売価」444の値「98」が「99」に書き換えられたものになっている。
パターン2の抽出データD12は、店舗発注端末125においてユーザが販売日「2015年1月3日」且つ単品コード「0002」のデータ列d2を選択し、その特売売価の値を「148」から「138」に訂正した場合のものである。従って、図20の抽出データD12は、図8に示す抽出データの、二行目のレコードの「予定売価」444の値「148」が「138」に書き換えられたものになっている。
図示を省略しているが、その他の3つの抽出データについても、それぞれ、販売日「2015年1月3日」で他と一致しない単品コードのデータ列の「予定売価」の値が書き換えられている。
続いて、入力受付部910は、書き換え後のそれぞれの抽出データに基づく需要予測の再シミュレーション処理の実行を予測購買数算出部314に指示する。予測購買数算出部314は、記憶部のパターン1の書き換え後の抽出データを用いて再シミュレーションを実行し、記憶部のパターン1の書き換え後の抽出データの予測情報を、再シミュレーションにより再算出された結果で更新する。
具体的に、予測購買数算出部314は、記憶部のパターン1の抽出データD1に含まれる全商品(関連商品)の回帰係数を回帰係数DB313から抽出する。続いて、予測購買数算出部314は、式(1)に、抽出した回帰係数を当て嵌める。そして、抽出データD1のレコード単位に各予定情報を式(1)に当て嵌めることにより、連立式を立てる。これにより、各商品の予測購買数を求める。更に、予測購買数算出部314は、求めた予測購買数から予測販売金額や予測利益金額などを求め、求めた値で、記憶部に記憶されているパターン1の抽出データD1の、予測情報の値を書き換える。
同様に、予測購買数算出部314は、記憶部のパターン2の書き換え後のデータを用いて再シミュレーションを実行し、記憶部のパターン2の書き換え後の抽出データの予測情報を、再算出結果で更新する。更に、その後も、残りのパターンの書き換え後の抽出データを対象に一パターンずつ同様の処理を実行する。
図21は、予測情報が書き換えられた後の抽出データの設定状態を示す図である。
図21に示すように、パターン1の抽出データD11aは、一行目の商品の「予定売価」の値が書き換えられたことにより、当該商品の予測購買数が変更されている。また、当該商品の予測購買数が変化したことにより、関連商品の購買数も変更されている。
パターン2の抽出データD12aでは、二行目の商品の「予定売価」の値が書き換えられたことにより、当該商品の予測購買数が変更されている。また、当該商品の予測購買数が変化したことにより、関連商品の購買数も変更されている。
全てのパターンの抽出データについて再シミュレーションの処理が終わったとする。すると、入力受付部910は、それぞれの更新データをデータ表示エリアに設定するなどし、企画編集画面9G(図19参照)の更新画面を生成する。そして、更新画面を発注数決定支援システム331に出力する。
その後、入力受付部910は、例えば企画編集画面(更新画面)において、出力した更新データの内の一つ(つまり、何れか一つのパターンの特売売価の値)が選択され、確定ボタンの押下信号を受け付けるなどしたとする。この場合に、入力受付部910は、記憶部で一時的に保存している複数パターンの更新データの内の、選択されたパターンの更新データを用い、未来情報データベース311の対応するデータの設定値を変更する。
予測購買数算出部314は、記憶部の抽出データの更新を終えると、入力受付部910に通知する。
続いて、入力受付部910は、記憶部の5パターンの需要予測データのセットを、パターン単位で所定形式に並べる。ここでは、一例として、抽出データのレコードを単品コード毎にソートし、更に、各単品コード内で販売日順にソートすることにより、所定形式に並べる。
そして、入力受付部910は、更新画面に5つのタブを設け、それぞれに、パターン1〜パターン5の所定形式に並べた需要予測データを一つずつ割り当てる。
なお、予測購買数算出部910が更新した商品情報等を含む需要予測データ(抽出データ)は、後の登録のためにRAMなどの記憶部に一時的に記憶させておく。
入力受付部910は、企画編集画面を生成すると、その企画編集画面を店舗発注端末125に対して出力する。
本実施形態及び変形例の需要予測装置で使用する各種プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供し、需要予測装置のフラッシュROMなどに読み込ませて実行してもよい。
また、当該プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。
以上のように本実施形態及び変形例の需要予測装置では、売価値の複数の値への変更を一度に受け付けて需要予測シミュレーションを行うことが可能になる。
以上の実施形態及び変形例において、需要予測装置についての構成を説明したが、実施形態及び変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態及び変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。