図1は、実施形態にかかる需要予測システム1の構成を示すブロック図である。図1に示すように、需要予測システム1は、有線または無線の通信回線2を介して相互に電気的に接続された複数のコンピュータ3で形成される本部システムに対して、複数の本部特売企画端末124や各店舗に設けられた店舗発注端末125が有線または無線の通信回線(例えば、インターネットやLAN等)5を介して接続されている。
本実施形態の需要予測システム1では、一つまたは複数のコンピュータ3が、所定のサービス(アプリケーション)を提供するアプリケーションサーバ、またはデータベースサーバとして機能する。また、本部特売企画端末124や店舗発注端末125は、サービスを享受するクライアントとして機能する。この需要予測システム1は、例えばSaaS(Software as a Service)の形態でサービス(アプリケーション)を提供する。なお、需要予測システム1は、サーバクライアントの形態であっても良い。
また、本部システムは、複数のPOS(Point of Sales)端末130を接続する店舗サーバ120を有線または無線の通信回線(例えば、インターネットやLAN等)5を介して接続している。
上述したようなコンピュータ3、本部特売企画端末124、店舗発注端末125は、一般的なパーソナルコンピュータである。なお、本部特売企画端末124や店舗発注端末125については、タブレット端末であっても良い。ここでは、コンピュータ3を例に説明する。図2は、コンピュータ3のモジュール構成図である。図2に示すように、コンピュータ3は、情報処理を行うCPU(Central Processing Unit)101、BIOSなどを記憶した読出し専用メモリであるROM(Read Only Memory)102、各種データを書換え可能に記憶するRAM(Random Access Memory)103を備えている。
また、コンピュータ3は、各種データベースとして機能するとともに各種のプログラムを記憶する記憶部であるHDD(Hard Disk Drive)104、記憶媒体110を用いて情報を保管したり外部に情報を配布したり外部から情報を入手するためのDVDドライブ等の媒体読取装置105、各通信回線を介して外部の他の機器と通信により情報を伝達するための通信制御装置106、処理経過や結果等を操作者に表示するLCD(Liquid Crystal Display)等の表示部107、並びに操作者がCPU101に命令や情報等を入力するためのキーボードやマウス等のポインティングデバイスである入力部108等を備えている。
また、コンピュータ3においては、上述した各部間で送受信されるデータは、バスコントローラ109によって調停される。
このようなコンピュータ3では、オペレータが電源を投入するとCPU101がROM102内のローダーというプログラムを起動させ、HDD104よりOS(Operating System)というコンピュータのハードウェアとソフトウェアとを管理するプログラムをRAM103に読み込み、このOSを起動させる。このようなOSは、オペレータの操作に応じてプログラムを起動したり、情報を読み込んだり、保存を行ったりする。OSのうち代表的なものとしては、Windows(登録商標)等が知られている。これらのOS上で走る動作プログラムをアプリケーションプログラムと呼んでいる。なお、アプリケーションプログラムは、所定のOS上で動作するものに限らず、後述の各種処理の一部の実行をOSに肩代わりさせるものであってもよいし、所定のアプリケーションソフトやOSなどを構成する一群のプログラムファイルの一部として含まれているものであってもよい。
すなわち、HDD104に記憶されているアプリケーションプログラムの違いによって、パーソナルコンピュータは、クライアントとして機能する本部特売企画端末124や店舗発注端末125、コンピュータ3(アプリケーションサーバまたはデータベースサーバ)としてそれぞれ機能することになる。
例えば、本部特売企画端末124や店舗発注端末125には、アプリケーションプログラムとして、ウェブブラウザや、ウェブブラウザに対してプラグイン形式を用いて提供されるプラグインがインストールされている。プラグインのうち代表的なものとして、Microsoft Silverlight(商標)が挙げられる。Microsoft Silverlightは、インストール後はブラウザ上でアニメーション、グラフィックスの表示や音声・動画再生などを行うフレームワークである。
また、一般的には、コンピュータ3のHDD104にインストールされるアプリケーションプログラムは、CD−ROMやDVDなどの各種の光ディスク、各種光磁気ディスク、フレキシブルディスクなどの各種磁気ディスク、半導体メモリ等の各種方式のメディア等の記憶媒体110に記憶され、この記憶媒体110に記憶された動作プログラムがHDD104にインストールされる。このため、CD−ROMやDVD等の光情報記録メディアやFD等の磁気メディア等の可搬性を有する記憶媒体110も、アプリケーションプログラムを記憶する記憶媒体となり得る。さらには、アプリケーションプログラムは、例えば通信制御装置106を介して外部から取り込まれ、HDD104にインストールされても良い。
コンピュータ3は、OS上で動作するアプリケーションプログラムが起動すると、このアプリケーションプログラムに従い、CPU101が各種の演算処理を実行して各部を集中的に制御する。
以下において、本部システムを構成する各コンピュータ3の各CPU101がアプリケーションプログラムにより実行する各種の演算処理のうち、本実施形態の特長的な処理である需要予測処理について説明する。
ここで、図3は需要予測装置100を含んだ本部のシステム構成を示すブロック図である。図3に示すように、本部システムを構成する各コンピュータ3のCPU101は、アプリケーションプログラムを実行することにより、データ編集装置である需要予測装置100、特売企画支援システム121、発注数決定支援システム122、発注システム123を実現する。
発注数決定支援システム122はサブシステムともいうべきものであり、各端末と接続され、各担当者と本部の需要予測装置100とをつなぐインタフェースとして機能する。
特売企画支援システム121は、特売企画を支援するために構築されたシステムであり、特売の企画を行う複数の本部特売企画端末124と接続されている。特売企画とは、例えば、スーパーマーケットの本部において、商品カテゴリー別のバイヤーの特売企画担当者としての業務とする。そして、本部特売企画端末124は、過去実績や推奨情報を参照した特売企画担当者から、特売企画における、特売対象となる商品を示す特売品コード(名称)、特売価格、特売日、ちらし掲載、企画種類、陳列位置等の販促データの入力を受け付ける。そして、特売企画支援システム121は、需要の予測を行う際に、これら入力された情報を、需要予測装置100の入力受付部114に出力する。
また、発注数決定支援システム122は、特売品および通常価格で販売される定番品の発注数を決定する複数の店舗発注端末125と接続されている。店舗発注端末125は、店舗の発注担当者が特売品および定番品の発注数を過去実績や推奨情報を参照して入力するものである。そして、発注数決定支援システム122は、各店舗の店舗発注端末125と通信等を行うことで、各店舗の発注数を決定するためのシステムとする。発注システム123は、発注数決定支援システム122で決定された全店舗の発注数に従って、商品の製造、販売等をしている業者に対して、商品の発注を要求するシステムとする。
発注システム123は、需要予測装置100と連携する外部システムであって、特売品および定番品の商品コード、発注数、納品日、仕入れ価格等の発注データを受取り、卸、メーカ等に送信する。
需要予測装置100は、記憶部111と、データ集計手段として機能するデータ集計部112と、予測算出手段として機能する予測算出部113と、入力受付手段として機能する入力受付部114と、グラフ表示手段として機能するグラフ表示部115とを備える。
記憶部111は、POSデータデータベースと、発注データデータベースと、廃棄データデータベースと、企画マスタデータベースと、商品マスタデータベースと、発注マスタデータベースと、気象データデータベースと、を備える。また、記憶部111は、需要予測装置100のみならず、他の端末やシステムで利用される情報も管理する。また、記憶部111は、需要予測装置100に内蔵されるのみならず、データベースサーバとして需要予測装置100と異なる構成として外部に設けられるものであっても良い。
POSデータデータベースは、レシート明細等に対して掲載される各店舗のPOSデータを管理する。発注データデータベースは、各店舗の商品の発注データを管理する。廃棄データデータベースは、各店舗の商品の廃棄データを管理する。
商品マスタデータベースは、商品コード、商品名、商品分類等の商品基本データを管理する。企画マスタデータベースは、特売品コード、特売価格、特売日、ちらし掲載等の特売企画データを管理する。発注マスタデータベースは、商品コード、発注ロット等の発注基本データを管理する。
気象データデータベースは、気温、湿度、降水量等の気象過去データおよび気象予報データを記憶する。
このように複数の店舗の業務を統括する小売企業の本部において、記憶部111の各データベースが、各店舗や本部が必要とする情報を一括管理する。
データ集計部112は、各店舗から送信されるPOSデータ、発注データ、廃棄データ等を集計して、POSデータデータベース、発注データデータベース、廃棄データデータベースにそれぞれ記憶する。例えば、データ集計部112は、各店舗の閉店後に日集計処理を実行する。また、データ集計部112は、各気象過去データおよび気象予報データを収集して、気象データデータベースに記憶する。
予測算出部113は、記憶部111に記憶されたPOSデータ、及び特売企画データなどの変動因子となるデータに基づいて、商品毎に、上述した過去の所定期間より後の、換言すれば現在以降の所定期間内に購買される可能性のある購買数を示した予測購買数を算出する。
入力受付部114は、発注数決定支援システム122や特売企画支援システム121等から、将来における変動因子となるデータの入力を受け付ける。そして、入力を受け付けた変動因子となるデータから導き出されたベクトル(例えば、販売価格、曜日、休日、気温、降水量、地域イベント、ちらし掲載の有無等)を、予測算出部113に設定することで、特売企画等に基づいた予測購買数の算出を行うことができる。
入力受付部114は、編集画面である需要予測設定画面50(図4参照)を生成し、この需要予測設定画面50を外部装置である本部特売企画端末124や店舗発注端末125に対して送信する。
グラフ表示部115は、予測算出部113によって過去に予測した予測値と当該予測値に対応する実績値とについてグラフ化して表示する。
ここで、図4は需要予測設定画面50の一例を示す正面図である。図4に示すように、需要予測設定画面50は、基本情報エリア51、取得/表示データ選択エリア52、データ表示エリア53、計算モードボタンエリア54、詳細表示ボタンエリア55、データ操作ボタンエリア56、データ取得(削除)ボタンエリア57、ナビゲートボタンエリア58、スクロールバー59を含む。
基本情報エリア51には、システム日付(営業日)、リストから選択された修正対象予測データの取得グループ及び店舗、リストから選択された修正対象予測データの取得期間、特売企画の企画ナンバーおよび企画名称などが表示される。
取得/表示データ選択エリア52には、所望のデータ取得およびデータ表示を宣言するためのボタンが配設される。企画種類選択ボタン521には、特売、M&M、集計、企画などのボタンが表示される。販売日選択ボタン522には、予測期間の全日付とデータ表示エリア53のデータにある販売日に対応するボタンが表示される。部門選択ボタン523には、商品分類カテゴリー(レベル3:部門)に対応するボタンが表示される。ライン選択ボタン524には、商品分類カテゴリー(レベル2:ライン)に対応するボタンが表示される。クラス選択ボタン525には、商品分類カテゴリー(レベル1:クラス)に対応するボタンが表示される。なお、各選択ボタン521〜525には、全てのデータの抽出・表示を可能にする、全選択ボタン60が設けられている。なお、取得/表示データ選択エリア52の各選択ボタン521〜525に表示されるボタンは、データ表示エリア53の対象列から生成される。
データ表示エリア53には、主要な表示項目として、「規格名」「販売日」「定番原価」「定番売価」「直近特売原価」「特売原価」「推奨売価」「修正売価」「企画種類」「陳列位置」「企画確定」「購買変化」「購買予測値」「売上変化」「売上予測値」「利益変化」等の各種項目を有しているデータ(例えば、特売企画データ)が表示される。
計算モードボタンエリア54には、データ表示エリア53の表示項目、編集可能項目の変更を宣言するためのボタンが配設される。企画モードボタン541は、特売企画の修正と確定を宣言するためのボタンである。売価や企画種類等の変更に用いられる。発注モードボタン542は、特売が企画された商品に対しての発注数の修正と確定を宣言するためのボタンである。分析モードボタン543は、異常予測確度抽出、因子選択に使用するためのボタンである。追加モードボタン544は、商品マスタデータベースからの商品追加、新規商品入力などに使用するためのボタンである。なお、企画モードボタン541、発注モードボタン542、分析モードボタン543、追加モードボタン544は、単一選択のみ可能となっている。
詳細表示ボタンエリア55には、データ表示エリア53の表示項目を主要項目表示から関連全項目表示に切り替えるためのボタンが配設される。企画詳細ボタン551は、特売割引、M&M、企画ナンバー、企画名称等を表示項目とする。陳列詳細ボタン552は、少量陳列数、平均陳列数、大量陳列数等を表示項目とする。予測詳細ボタン553は、利益予測、予測確度等を表示項目とする。分類詳細ボタン554は、分類コード、商品コード等を表示項目とする。なお、企画詳細ボタン551、陳列詳細ボタン552、予測詳細ボタン553、分類詳細ボタン554は、複数選択可能となっている。
データ操作ボタンエリア56には、データ表示エリア53に対する操作を行うためのボタンが配設される。フィルタボタン561は、フィルタの設定を行うためのボタンである。店舗集計ボタン562は、店舗集計を行うためのボタンである。分類行ボタン563は、分類行の表示/非表示を切り替えるためのボタンである。一括確定ボタン564は、企画確定や発注承認(解除)を読み込んだ全ての未承認商品に対して施すためのボタンである。なお、フィルタボタン561、店舗集計ボタン562、分類行ボタン563、一括確定ボタン564は、複数選択可能となっている。
データ取得(削除)ボタンエリア57には、データ表示エリア53に対する操作をダイアログボックスから行うためのボタンが配設される。企画選択ボタン571は、企画マスタデータベースから特売企画の企画ナンバーと企画期間などを取得し、予測期間にセットするためのボタンである。参照追加ボタン572は、参照データを全店舗、全期間から取得するためのボタンである。商品追加ボタン573は、商品マスタデータベースからの追加商品を読み込むためのボタンである。行削除ボタン574は、読み込んだ参照・追加データを店舗・期間・商品分類を指定して削除するためのボタンである。
ナビゲートボタンエリア58には、編集ボタン581、全店更新ボタン582、発注ボタン583、配信ボタン584、取得ボタン585、更新ボタン586、グラフボタン587などが配設される。編集ボタン581は、表示されているデータ表示エリア53のデータの編集を宣言するためのボタンである。全店更新ボタン582は、データ更新を全ての店舗データに対して行うことを宣言するためのボタンである。発注ボタン583は、発注数承認後にその発注データで発注を行うことを宣言するためのボタンである。配信ボタン584は、特売企画承認後にその特売企画データの配信を行うことを宣言するためのボタンである。取得ボタン585は、出力データを取得することを宣言するためのボタンである。更新ボタン586は、データ更新を行うことを宣言するためのボタンである。グラフボタン587は、グラフ表示を宣言するためのボタンである。
次に、需要予測設定画面50を用いた企画モードにおける特売企画データの更新処理の流れについて図5のフローチャートを参照しつつ説明する。
図5に示すように、入力受付部114は、まず、店舗や日付などの基本情報、対象となる特売企画データなどを選択させる(ステップS1)。
入力受付部114は、図6に示す需要予測設定画面50の初期画面を表示させ、基本情報エリア51において企画ナンバーおよび企画名称以外の取得グループ及び店舗、日付(営業日)、予測期間などの各種情報を選択させて入力させる。なお、データ表示エリア53にはデータが無い状態であるので、取得/表示データ選択エリア52の各選択ボタン521〜525には、ボタンは表示されていない。
また、図6に示す需要予測設定画面50の初期画面において計算モードボタンエリア54の企画モードボタン541が操作されると、特売企画の修正が宣言され、データ取得(削除)ボタンエリア57の企画選択ボタン571が操作可能な状態となる。
次いで、企画選択ボタン571が操作されると、図7に示すように需要予測設定画面50のデータ表示エリア53に重なった状態で企画選択画面70がポップアップ表示される。企画選択画面70には、特売企画データ毎に企画ナンバー、企画名称、企画期間などが表示される。企画選択画面70に表示された企画データの中から任意の企画ナンバーが選択され、OKボタン71が操作されると、企画ナンバーおよび企画名称が基本情報エリア51にセットされる。
続いて、図5に示すように、入力受付部114は、対象となる特売企画データを取得する(ステップS2)。
図7に示す需要予測設定画面50において、ナビゲートボタンエリア58の取得ボタン585を操作すると、入力受付部114は、直ちに企画ナンバーに応じた集計データの取得を開始する。集計データの取得処理が終了すると、図8に示すように需要予測設定画面50のデータ表示エリア53には取得された集計データが表示される。また、データ表示エリア53にはデータが有る状態となるので、取得/表示データ選択エリア52の各選択ボタン521〜525には、データ表示エリア53内のデータに対応した全てのボタンが表示される。
このようにすることで、インターネットを介して大規模データを送信する場合に、必要最小限のデータに絞り込むことができるので、データ送信時間を短縮することができる。
続いて、集計データの取得終了後、編集用データの取得を開始する。まず、データ抽出条件の絞り込みを行う。データ抽出条件の絞り込みは、取得/表示データ選択エリア52の各選択ボタン521〜525に表示されたボタンを操作することにより行う。各選択ボタン521〜525に表示された所望のデータ抽出条件(販売日、企画種類、部門等)のボタンを選択操作して、ナビゲートボタンエリア58の取得ボタン585を操作すると、データ抽出条件(販売日、企画種類、部門等)に一致するデータが企画マスタデータベースから取得され、図9に示すように取得されたデータが需要予測設定画面50のデータ表示エリア53に表示される。
図9に示す需要予測設定画面50において、取得/表示データ選択エリア52の各選択ボタン521〜525に表示されたボタンは、取得されたデータに対応するので、抽出された条件以外のボタンは表示されない。また、取得/表示データ選択エリア52の各選択ボタン521〜525に表示されたボタンの操作によって、データ抽出条件をさらに絞り込んでのデータの再取得も可能である。例えば、部門のみならず、ラインやクラスもデータ抽出条件とするなどである。
なお、取得ボタン585が操作された際には、データ抽出条件がRAM103上の記憶領域に記憶される。後述するデータ編集時の更新の際の再取得で使用するためである。
このようにしてデータ抽出条件絞り込み後の対象となる特売企画データの取得が終了した状態で、ナビゲートボタンエリア58の編集ボタン581を操作すると、データ編集が可能な状態になる。
続いて、図5に示すように、入力受付部114は、対象となる特売企画データに対する編集処理を実行する(ステップS3)。
データ編集の一例について説明する。図10の需要予測設定画面50に示すように、データ表示エリア53に表示される特売企画データの編集可能列については、星印などのマークM1を付すことで区別して表示している。このようにマークM1を付することによって編集可能な項目が一目でわかるようになっている。なお、マークM1を付するものに限るものではなく、特売企画データの編集可能列について、配色を変えることによって区別して表示するようにしても良い。
本実施形態においては、図10に示すように、特売企画データの編集可能列として、「特売原価」、「修正売価」、「企画種類」、「陳列位置」等が設定されている。「特売原価」、「修正売価」等は、数値入力により変動因子となるデータの入力を受け付ける。修正値が優先され、固定データとして扱われる。また、「企画種類」、「陳列位置」等は、選択リストの中から所望の文字列を選択することにより変動因子となるデータの入力を受け付ける。
また、本実施形態においては、取得/表示データ選択エリア52の各選択ボタン521〜525に表示されたボタンを操作することにより、表示データを絞り込むことも可能になっている。例えば、ライン選択ボタン524に表示される一つのボタンを操作することによって、操作されたボタンに対応する商品分類カテゴリー(レベル2)のデータだけが表示される。
このようにすることで、需要予測設定画面50のデータ表示エリア53に表示されるデータを更に絞り込むことができるので、画面生成時間を短縮することができる。また、タブレット端末のような小面積の画面を有している携帯機器を需要予測設定画面50の表示対象機器とするような場合であっても、スクロール量や移動量を少なくすることができるので、良好なユーザビリティを提供することができる。
上述のようにして特売企画データの編集のためのデータ入力の完了後、ナビゲートボタンエリア58の更新ボタン586を操作すると、図5に示すように、予測算出部113は、修正された特売企画データをRAM103上の出力テーブルに書き込み、予測計算を実行する(ステップS4)。ここで、出力テーブルに書き込まれるのは、入力値、入力文字列および当該入力文字列に対応するコードである。
なお、基本情報エリア51の「店舗」が「合計」になっている場合には、本部の担当バイヤーの特売企画修正を想定しているので、ナビゲートボタンエリア58の全店更新ボタン582を操作すると、修正した特売企画データで企画対象となっている各店舗の特売企画データを更新することができる。
更新(再予測計算)後、特売企画データが再取得されるが、そのときのデータ抽出条件は先にRAM103上の記憶領域に記憶したデータ取得時のデータ抽出条件を用いる。取得したデータは、更新前の選択ボタンの条件に従い、データ表示エリア53の表示開始行も更新前の値で再表示する。
更新(再予測計算)後、図11に示すように、需要予測設定画面50には、更新された「購買予測値」、「売上予測値」、「利益予測値」(図示せず)が表示される。なお、企画条件を変更しない商品についても、相互作用によって各予測値が変化する。
また、図11に示す需要予測設定画面50には、推奨値に対する予測値である購買初期予測値、売上初期予測値、利益初期予測値からの変化量を抽象化して表すマークM2も「購買変化」「売上変化」「利益変化」等に表示される。本実施形態においては、矢印の向きと数とによって変化量を表している。下向きの矢印は「減少」を表し、上向きの矢印は「増加」を表している。なお、変化量を表すマークM2を表示するものに限るものではなく、「購買変化」「売上変化」「利益変化」等の行における配色で変化量を抽象化して表すようにしても良い。例えば、予測結果として購買予測値、売上予測値、利益予測値が増加した場合は青色、減少した場合は赤色で表示するようにしても良い。
このように予測結果の購買予測値、売上予測値、利益予測値の増減(変化量)に応じてデータ表示エリア53内の行の態様を変えることで、予測結果を容易に判別することができる。
次いで、図5に示すように、入力受付部114は、予測結果を採用するか否かを判定する(ステップS5)。
予測結果が期待していたものではない場合、ナビゲートボタンエリア58の編集ボタン581の操作があったと判断すると(ステップS5のNo)、入力受付部114は、ステップS3に戻って再度データ編集が可能な状態にする。
一方、予測結果が期待していたものである場合には、データ操作ボタンエリア56の一括確定ボタン564の操作があったと判断すると(ステップS5のYes)、図12の需要予測設定画面50に示されるように、選択されている確定可能な全ての行を「確定」にすることができる(ステップS6)。ここで、確定可能な行とは、データ表示エリア53の「企画確定」が空白な行である。このようにして企画データを一括確定することで、企画対象の全店舗の出力データの値が書き換えられる。これにより、商品ごとに確定しなければならなかったのが一括確定できることにより、ユーザの手間を大幅に省くことができる。
最後に、図5に示すように、入力受付部114は、特売企画データの確定後、ナビゲートボタンエリア58の配信ボタン584の操作があったと判断すると、特売企画データを特売企画支援システム121に配信する(ステップS7)。
次に、需要予測設定画面50を用いた企画モードにおける特売企画データの実績値比較処理の流れについて図13のフローチャートを参照しつつ説明する。特売企画データの実績値比較処理は、特売が企画された単品についての実績値を過去の予測値と比較する処理である。
図13に示すように、入力受付部114は、まず、店舗や日付などの基本情報、対象となる特売企画データなどを選択させ(ステップS11)、対象となる特売企画データを取得する(ステップS12)。
入力受付部114は、図6に示す需要予測設定画面50の初期画面を表示させ、基本情報エリア51において企画ナンバーおよび企画名称以外の取得グループ及び店舗、日付(営業日)、予測期間などの各種情報を選択させて入力させる。なお、データ表示エリア53にはデータが無い状態であるので、取得/表示データ選択エリア52の各選択ボタン521〜525には、ボタンは表示されていない。また、ここでは、特売企画データの実績値比較処理であるので、予測期間は過去の期間を選択する。
また、図6に示す需要予測設定画面50の初期画面において計算モードボタンエリア54の企画モードボタン541が操作され、上述したように企画ナンバーに応じた集計データの取得処理および編集用データの取得処理が終了すると、入力受付部114は、図14に示すように取得されたデータを需要予測設定画面50のデータ表示エリア53に表示する(ステップS13)。
このようにして過去期間を選択した特売企画データの取得が終了した状態で、入力受付部114は、詳細表示ボタンエリア55の予測詳細ボタン553が操作されたことを検知すると(ステップS14のYes)、図15に示すように過去の予測値と比較するために特売が企画された単品についての実績値(「購買点数実績値」(図示せず)、「売上金額実績値」Y1、「利益金額実績値」Z1)を需要予測設定画面50のデータ表示エリア53に表示する(ステップS15)。
また、図15に示す需要予測設定画面50のデータ表示エリア53においては、予測値と実績値との差分として、「購買点数残差」X2、「売上金額残差」Y2、「利益金額残差」Z2が表示される。さらに、図15に示す需要予測設定画面50のデータ表示エリア53においては、特売が企画された単品についてのデータグリッド内の行に対して、「購買点数残差」X2、「売上金額残差」Y2、「利益金額残差」Z2の差分状況を視覚的に区別して表示させるようにしている。図15に示す例においては、特売が企画された単品についてのデータグリッド内の行を、過去の予測値と実測値との差がプラスの場合には“青色”で表示し、過去の予測値と実測値との差がマイナスの場合には“赤色”で表示している。
このように、本実施形態のデータ編集装置によれば、商品の購買に係る各種項目を含む商品データを表示するデータ表示エリア53を有している需要予測設定画面50を本部特売企画端末124や店舗発注端末125に表示させて入力を受け付ける入力受付部114が、データ表示エリア53に表示される商品データにおける購買に係る項目について実績値と過去の予測値との差分状況を、データ表示エリア53において視覚的に区別して表示するようにした。これにより、データ表示エリアに表示される商品データにおける購買に係る項目について実績値と過去の予測値との差分状況を容易に判別することができるので、良好な操作環境を提供することができる。
次に、需要予測設定画面50を用いた企画モードにおける特売企画データの実績値比較処理におけるグラフ表示の流れについて図16のフローチャートを参照しつつ説明する。
図16に示すように、グラフ表示部115は、まず、グラフ表示の対象となる単品毎の特売データが選択された状態で(ステップS21)、ナビゲートボタンエリア58のグラフボタン587が操作されたことを検知すると(ステップS22のYes)、図17に示すようなグラフ表示画面80を需要予測設定画面50に表示する(ステップS23)。
ここで、図17は需要予測設定画面50におけるグラフ表示画面80の一例を示す正面図である。図17に示すように、グラフ表示画面80は、予測内容選択エリア81、実績/予測表示選択エリア82、売価表示チェックボックス83、グラフ表示エリア84、を含む。
予測内容選択エリア81には、購買点数ボタン811、更新売上ボタン812、更新利益ボタン813、が配設される。購買点数ボタン811は、購買点数について実績値と過去の予測値との少なくともいずれか一方をグラフ表示するためのボタンである。更新売上ボタン812は、売上金額について実績値と過去の予測値との少なくともいずれか一方をグラフ表示するためのボタンである。更新利益ボタン813は、利益金額について実績値と過去の予測値との少なくともいずれか一方をグラフ表示するためのボタンである。
実績/予測表示選択エリア82には、実績/予測ボタン821、実績ボタン822、予測ボタン823、が配設される。実績/予測ボタン821は、商品データにおける購買に係る項目(購買点数、売上金額、利益金額)について実績値と過去の予測値とをグラフ表示するためのボタンである。実績ボタン822は、商品データにおける購買に係る項目(購買点数、売上金額、利益金額)について実績値をグラフ表示するためのボタンである。予測ボタン823は、商品データにおける購買に係る項目(購買点数、売上金額、利益金額)について過去の予測値をグラフ表示するためのボタンである。
売価表示チェックボックス83は、グラフ表示エリア84に対して変動因子の変動(本実施形態においては、売価の変動)を表示するか、売価の変動を表示しないかを決定するためのものである。
グラフ表示エリア84は、上述した予測内容選択エリア81と実績/予測表示選択エリア82と売価表示チェックボックス83とで決定された商品データにおける購買に係る項目について実績値と過去の予測値との少なくともいずれか一方をグラフ表示するエリアである。
本実施形態において、グラフ表示画面80の初期画面は、図17に示すように、選択された単品の購買点数についての実績値と過去の予測値とをグラフ表示エリア84においてグラフ表示している。すなわち、初期状態では、予測内容選択エリア81では購買点数ボタン811が選択され、実績/予測表示選択エリア82では実績/予測ボタン821が選択されている。また、1単品選択時における初期状態では、売価表示チェックボックス83にチェックが入っており、グラフ表示エリア84に対して売価を表示するようになっている。
なお、図17に示すように、グラフ表示画面80は、選択された単品の実績値を棒グラフ、選択された単品の予測値を折れ線グラフでグラフ表示エリア84に表示する。グラフ表示画面80は、このような表示にすることで、実績値と過去の予測値との差分状況をわかりやすくしている。また、図17に示すように、グラフ表示画面80は、ユーザビリティを考慮し、1単品選択時には売価も表示する。図17に示す例では、購買点数の実績値および予測値の目盛りを左側、売価の目盛りを右側としている。
また、図17に示すように、グラフ表示画面80は、選択された単品の実績値を表す棒グラフにおいて選択された期間の最大値を灰色で表示する。このように表示することにより、選択期間における実績値の比較が容易になる。
図16に戻り、グラフ表示部115は、図17に示すようなグラフ表示画面80を需要予測設定画面50に表示した状態で、予測内容選択エリア81、実績/予測表示選択エリア82、売価表示チェックボックス83に対する操作に待機する(ステップS24)。
グラフ表示部115は、予測内容選択エリア81、実績/予測表示選択エリア82、売価表示チェックボックス83のいずれかに対する操作があったと判断すると(ステップS24のYes)、操作に応じてグラフ表示画面80のグラフ表示エリア84の表示内容を変更する(ステップS25)。以下において、表示内容の変更例について説明する。
図18は、需要予測設定画面50におけるグラフ表示画面80の他の一例を示す正面図である。図18に示すように、グラフ表示画面80は、売価表示チェックボックス83のチェックが外された場合、売価を非表示状態にする。
図19は、需要予測設定画面50におけるグラフ表示画面80の他の一例を示す正面図である。図19に示すように、図18に示した状態からグラフ表示画面80の予測内容選択エリア81で更新利益ボタン813が選択された場合には、グラフ表示画面80は、選択された単品の利益金額についての実績値と過去の予測値とをグラフ表示エリア84においてグラフ表示する。
図20は、需要予測設定画面50におけるグラフ表示画面80の他の一例を示す正面図である。図20に示すように、図18に示した状態からグラフ表示画面80の実績/予測表示選択エリア82で予測ボタン823が選択された場合には、グラフ表示画面80は、選択された単品の購買点数についての過去の予測値と売価とをグラフ表示エリア84においてグラフ表示し、実績値については非表示としている。
次に、グラフ表示画面80の初期画面の変形例について説明する。図21は需要予測設定画面50におけるグラフ表示画面80の他の一例を示す正面図である。ステップS21でグラフ表示の対象として複数の単品の特売データが選択された場合には、図21に示すように、グラフ表示画面80の初期画面は、選択された単品の実績値と選択された単品の予測値とのいずれも折れ線グラフでグラフ表示エリア84に表示する。このようにしたのは、2単品以上を選択した場合には棒グラフでは見づらくなるためである。また、ステップS21でグラフ表示の対象として複数の単品の特売データが選択された場合には、図21に示すように、グラフ表示画面80の初期画面は、売価表示チェックボックス83をグレイアウトさせ、売価表示を選択できない状態にする。
このように本実施形態によれば、商品の購買に係る各種項目を含む商品データを表示するデータ表示エリア53を有している需要予測設定画面50を本部特売企画端末124や店舗発注端末125に表示させて入力を受け付ける入力受付部114が、データ表示エリア53に表示される商品データにおける購買に係る項目について実績値と過去の予測値とをグラフ化して表示するようにした。これにより、データ表示エリアに表示される商品データにおける購買に係る項目について実績値と過去の予測値との差分状況を容易に判別することができるので、良好な操作環境を提供することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。