JP6181968B2 - 被覆電線結合式情報通信網、電磁界結合通信方法及び電磁界結合器 - Google Patents

被覆電線結合式情報通信網、電磁界結合通信方法及び電磁界結合器 Download PDF

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Description

本発明は、被覆電線結合式情報通信網、電磁界結合通信方法及び電磁界結合器に関するもので、例えば、モジュール間の通信を行うローカルエリアネットワーク(LAN)に用いる被覆電線同士を結合部を設けて容量結合及び誘導結合を利用して、非接触でモジュール間で高速にデータ通信する構成に関するものである。
従来、モジュールを組み合わせてシステムを構築する場合、各モジュール間の信号配線はコネクタで接続されている。本発明者は、このようなコネクタに代わる電気的に非接触の信号伝達方法を提案している(例えば、特許文献1、或いは、非特許文献1乃至非特許文献3参照)。
一方、従来から広く用いられているコネクタでは、電線の絶縁被覆を剥いて電極に接続し電極同士をバネの力で接触させる機械式接続方式が用いられている。また、車載用途などにおいては、通信プロトコルには、耐ノイズ性を強化したコントロール・エリア・ネットワーク(Controller Area Network)等の通信規格が用いられている。
ここで、図61を参照して従来の機械式コネクタを用いた結合機構を説明する。図61(a)は、差し込む前の状態を示す斜視図であり、図61(b)は差し込んだ後の状態を示す斜視図である。基板81にメモリ素子82を実装したメモリモジュール80をDIMM(Dual Inline Memory Module)コネクタ90に差し込んだのち、両側に設けた留め金93でメモリモジュール80を固定する。
図61(c)は拡大断面図であり、回路基板100に固定されたDIMMコネクタ90にメモリモジュール80を差し込むと、筐体91内に設けられたバネ部材92にメモリモジュール80に設けた接続端子83が挟撃されて電気的に接触する構成となっている。
このような車載用途や航空機搭載用途においては高信頼性が求められるため、信頼性及び耐久性、小型化及び低背化、さらには、高速化、多極化、高密度化及び低操作力化が求められている。
このうち、信頼性及び耐久性としては、瞬断事故に対応するための耐振性及び耐衝撃性が求められ、また、高温、高湿度、温度変化或いはゴミやホコリに対応する環境耐久性が求められる。さらに、機械的差し込みに対する挿抜耐久性や、静電破壊に対する電磁ノイズ耐久性が求められている。
特許第5213087号
T.Takeya,L.Nan,S.Nakano,N.Miura,H.Ishikuro,andT.Kuroda,"A 12Gb/sNon−Contact Interfacewith Coupled Transmission lines",IEEEInternational Solid−StateCircuits Conference (ISSCC’11),Dig.Tech.Papers,pp.492−493,Feb.2011 W.Yun,S.Nakano,W.Mizuhara,A.Kosuge,N.Miura,H.Ishikuro,and T.Kuroda,"A 7Gb/s/Link Non−Contact Memory Module for Multi−DropBus System Using Energy−Equipartitioned Coupled Transmission Line",IEEE International Solid−State Circuits Conference (ISSCC’12),Dig.Tech.Papers,pp.52−53,Feb.2012 W.Mizuhara,T.Shidei,A.Kosuge,T.Takeya,N.Miura,M.Taguchi,H.Ishikuro,andT.Kuroda, "A 0.15mm−Thick Non−ContactConnector for MIPI Using VerticalDirectional Coupler"IEEE InternationalSolid−State CircuitsConference (ISSCC’13),Dig.Tech.Papers,pp.200−201,Feb.2013
しかし、従来のコネクタでは、バネで接触させる機械構造からくる限界や、電線が露出している構造からくる限界等の各種の限界がある。例えば、バネで接触させる機械構造からくる限界としては、短絡故障があるとネットワーク全体が不全となるという問題が挙げられる。
図62は、短絡故障の説明図であり、バス111,112に3対の配線((113,114),(115,116)、(117,118))が接続されていると仮定すると、一対の配線115,116に短絡119が発生した場合、バス111112を介して他の2つの配線((113,114)、(117,118))も短絡し、バス111,112を介したネットワーク全体が不全になるという問題がある。
また、耐振性及び耐衝撃性に対する対策を講じていても、自動車や航空機の場合には、コネクタに大きな加速度による力が加わる場合があり、このような大きな加速度が加わった場合には瞬断不良が起こるという問題がある。
また、上述のように、従来コネクタでは電線が露出しているため、コネクタの接点が浸水で錆付き接触不良を起こすという問題もある。また、一般に複数のコネクタが集積されたコネクタボックスが用いられるので、最短配線でLANに接続することができず配線重量が増えるという問題がある。特に、車載用途或いは航空機搭載用途では燃費を悪くする要因になる。
また、経時使用において、新たな接続が必要になる場合に備えて、必要以上のコネクタを予め設置する必要があり、小型化や低背化を阻害する要因となる。また、2つの出力回路が同時に信号を送信(バスコンフリクト)した時、バスに過大な電流が流れ続けて故障の原因となり得るという問題もある。
さらに、接続に際しては、フレキ基板の急激な曲げを強いる場合があるとともに、スロット(差込口)が必要になるため、小型化や低背化が困難であるという問題がある。
また、バネによる接触であるので、インピーダンス不整合が起こって伝送する信号品質が劣化するという問題や、信号漏洩の問題がある。また、コネクタによる接続の場合には、LSIテスタの装着が困難であるという問題もある。例えば、LSIチップとLSIテスタとの接続本数が非常に多くなる場合、機械的に同時接続するために相当大きな力が必要になる。因みに、1チップあたり500本の接続があり、500チップを同時テストすることを想定すると、接続数が25万本となり、何トンという荷重がかかることになる。
したがって、本発明は、コネクタにおける機械的接触方式及び電線露出の構造に伴う問題点を解消することを目的とする。
(1)上記の課題を解決するために、被覆電線結合式情報通信網において、絶縁物で被覆された円筒状の内部導体を備えた第1の電線と、絶縁物で被覆された内部導体を備えた第2の電線とを有し、前記第1の電線の結合部と前記第2の電線の結合部が近接配置されて、電磁界結合により前記第1の電線と前記第2の電線との間でデータ接続を行うことを特徴とする。
このように、被覆電線を用いている場合にも、機械的接触方式のコネクタを用いずに、第1の電線と第2の電線を結合部で近接させて非接触でデータ接続を行っているので、上述のコネクタにおける機械的接触方式及び電線露出の構造に伴う問題点を解消することができる。
即ち、
1)非接触接続なので直流信号が通過せず、短絡故障がネットワーク全体に波及しない。
2)非接触接続なので加速度による力が加わり通信距離が変化しても通信不良が起こらない。
3)電線が被膜されて防水構造になっているので、浸水による錆付きが発生することがない。
4)バスコンフリクトしても、バスに流れる電流は瞬時のパルス状の小さな電流であるので故障の原因とならない。
また、結合器を用いたとしても、第1の電線側に設けるだけであり、第2の電線は結合器のない一般の被覆電線であるので、
5)任意の箇所に結合部を設ければ良いので、近くのLANケーブルに短い配線で接続できる。
6)結合部を任意の箇所に設けるだけであるので、必要に応じて後から接続を追加できる。
7)バス基幹線となる第1の電線の絶縁被覆を破らずに絶縁被覆の上から第2の電線を近接配置してデータ接続できるので、設置が容易であり信頼性・耐久性の確保が可能になる。
(2)また、本発明は上記(1)において、前記結合部において、前記第2の電線が、前記第1の電線の周囲に複数回巻回していることを特徴とする。このように、前記第2の電線を前記第1の電線の周囲に複数回巻回させることによって、見込み角θを実効的に大きくして結合効率を大きくすることができるので、ネットワークの小型化が容易になる。
(3)また、本発明は上記(1)において、前記結合部において、前記第1の電線と前記第2の電線が平行に配置されたことを特徴とする。このように、前記第1の電線と前記第2の電線とを平行に配置することによって、一方の電線を他方の電線に巻回する作業が不要になる。
(4)また、本発明は上記(3)において、前記第2の電線は、前記結合部において、前記内部導体が前記絶縁物に被覆されていない結合電極を有し、前記結合電極は前記第1の電線の内部導体の周囲を見込み角で90°以上囲っていることを特徴とする。このように絶縁物に被覆されていない結合電極を用いることによって第1の電線と第2の電線をより近接させることができるので、結合効率を高めることができる。
(5)また、本発明は、上記(4)において、前記結合電極は、前記第1の電線を被覆する絶縁物の外周を覆うように、前記外周に直接接していることを特徴とする。このように、結合電極を第1の電線を被覆する絶縁物の外周を接するようにして覆うことにより、両者の距離をより近接させ、それにより、結合効率を高めることができる。
(6)また、本発明は上記(4)において、前記結合電極は、前記第1の電線を挿通する円筒状貫通孔を備えた結合器の前記円筒状貫通孔の内壁に設けられた導体層により構成されることを特徴とする。このように、結合電極を備えた結合器を用いることによって結合作業が容易になるとともに、結合構造が安定になる。
(7)また、本発明は、上記(4)乃至(6)のいずれかにおいて、前記第2の電線の結合電極が整合終端していることを特徴とする。このように、整合終端させることによって、信号の反射を防止することができ、それによって、高速通信が可能になる。
(8)また、本発明は、上記(4)乃至(6)のいずれかにおいて、前記第2の電線の結合電極が開放終端していることを特徴とする。このように、開放終端させることによって、終端抵抗の接続が不要になるので低コスト化が可能になる。
(9)また、本発明は、上記(3)乃至(6)のいずれかにおいて、前記第1の電線は該第1の電線と差動対を形成する前記第1の電線と同じ構造の第3の電線と有するとともに、前記第2の電線は該第2の電線と差動対を形成する前記第2の電線と同じ構造の第4の電線を有し、前記第3の電線と前記第4の電線が前記結合部と平行に位置する第2の結合部において電磁界結合していることを特徴とする。このような構成を用いることによって、差動信号を用いた信号通信においても、コネクタにおける機械的接触方式及び電線露出の構造に伴う問題点を解消することができる。
(10)また、本発明は、上記(9)において、前記第2の電線の結合電極と前記第4の電線の結合電極が整合終端していることを特徴とする。このように、前記第2の電線の結合電極と前記第4の電線の結合電極を整合終端することによって、信号の反射が起こらないので、高速通信が可能になる。
(11)また、本発明は、上記(10)において、前記第2の電線の結合電極と前記第4の電線の結合電極が、平行に配列する配列方向の同じ側で整合終端していることを特徴とする。このように、同じ側で整合終端させることによって、近端結合側にのみ信号を伝搬する方向性結合器を構成することができる。
(12)また、本発明は、上記(10)において、前記第2の電線の結合電極と前記第4の電線の結合電極が、平行に配列する配列方向の互いに反対側で整合終端していることを特徴とする。このように、互いに反対側で終端させることによって、信号を左右に同じ振幅且つ同じ極性で伝搬させることができる。
(13)また、本発明は、上記(10)乃至(12)において、前記第1の電線及び前記第3の電線をそれぞれ挿通する一対の平行な円筒状貫通孔と、前記一対の円筒状貫通孔の内壁に設けられた導体層からなる一対の結合電極を備えた結合器に、前記一対の結合電極の一端を接続する導電体を形成して前記整合終端するための終端抵抗としたことを特徴とする。このような構造の結合器を用いることによって、終端抵抗を接続する手間を必要としなくなる。
(14)また、本発明は、上記(10)乃至(12)において、前記一対の結合電極の両端にそれぞれ送受信器を接続し、伝搬方向の下流側に接続された前記送受信器に設けられている抵抗を前記終端抵抗としたことを特徴とする。このように、2つの送受信器を接続し、送受信器に備えられている抵抗を終端抵抗として用いることによって、終端抵抗を接続する手間を必要としなくなる。
(15)また、本発明は、上記(9)において、前記第2の電線の結合電極と前記第4の電線の結合電極が開放終端していることを特徴とする。このように、前記第2の電線の結合電極と前記第4の電線の結合電極を開放終端させることによって、終端抵抗の接続が不要になる。
(16)また、本発明は、上記(15)において、前記第2の電線の結合電極と前記第4の電線の結合電極が、平行に配列する配列方向の同じ側で開放終端していることを特徴とする。このように、同じ側で開放終端させることによって、従来信号を捨てていた遠端結合側では近端結合側の半分の信号を極性が変わることなく伝搬させることができる。
(17)また、本発明は、上記(15)において、前記第2の電線の結合電極と前記第4の電線の結合電極が、平行に配列する配列方向の互いに反対側で開放終端していることを特徴とする。このように、互いに反対側を開放終端させることによって、信号は若干弱くなるものの、信号を左右に同じ振幅で且つ同じ極性で伝搬させることができる。
(18)また、本発明は、上記(9)において、前記第2の電線の結合電極と前記第4の電線の結合電極が抵抗を介さずに連結していることを特徴とする。このように、前記第2の電線の結合電極と前記第4の電線の結合電極を連結して終端接続することによって、信号の反射が起こらないので高速通信が可能になるとともに、終端抵抗の接続が不要になる。
(19)また、本発明は、上記(18)において、前記第2の電線の結合電極と前記第4の電線の結合電極が、平行に配列する配列方向の同じ側で連結していることを特徴とする。このように、同じ側で連結した場合には、同じ側で整合終端させた場合と比較して結合度を改善するとともに、方向性を弱めることができる。
(20)また、本発明は、上記(18)において、前記第2の電線の結合電極と前記第4の電線の結合電極が、平行に配列する配列方向の互いに反対側で結合していることを特徴とする。このように、互いに反対側を開放終端させることによって、信号は弱くなるものの、信号を左右に同じ振幅で且つ同じ極性で伝搬させることができる。
(21)また、本発明は、上記(18)乃至(20)のいずれかにおいて、前記第1の電線及び前記第3の電線をそれぞれ挿通する一対の平行な円筒状貫通孔と、前記一対の円筒状貫通孔の内壁に設けられた導体層からなる一対の結合電極を備えた結合器に、前記一対の結合電極の一端を接続する良導電体を形成して連結部としたことを特徴とする。このような構造の結合器を用いることによって、一対の結合電極を接続する手間を必要としなくなる。
(22)また、本発明は、上記(9)乃至(21)のいずれかにおいて、前記結合部及び前記第2の結合部と異なる位置において、前記第1の電線と前記第3の電線からなる差動対に対して、第5の電線と第6の電線からなる差動対を電磁界結合させたことを特徴とする。このように、第3の差動対を電磁界結合することによって、バスとなる前記第1の電線と前記第3の電線からなる差動対を介したデータ接続が可能になる。
(23)また、本発明は、上記(9)乃至(21)において、前記結合部及び前記第2の結合部と電磁界結合できる位置において、前記第1の電線と前記第3の電線からなる差動対に対して、第5の電線と第6の電線からなる差動対を電磁界結合させたことを特徴とする。このように、第3の差動対を同じ場所で電磁界結合させることによって、前記第2の電線と前記第4の電線からなる差動対との間で直接的にデータ接続することが可能になる。
(24)また、本発明は、上記(22)または(23)において、前記第2の電線及び前記第4の電線からなる差動対にデジタル信号を送信する送信手段を有するとともに、前記第1の電線及び前記第3の電線からなる差動対に誘起されたパルス信号の極性を判定して前記デジタル信号を復号する復号化手段を有することを特徴とする。このように、バスとなる前記第1の電線と前記第3の電線からなる差動対を介してデータ接続する際に、送信側の差動対の結合部の出力は、デジタル信号を微分したパルス信号となり、受信側の差動対の結合部の出力は、パルス信号を微分したパルス信号、したがって、デジタル信号を2階微分したパルス信号になるので、ヒステリシス付閾値により、受信したパルス信号の極性を判定することによりデジタル信号を復号化することができる。
(25)また、本発明は、上記(22)または(23)において、前記第2の電線及び前記第4の電線からなる差動対にデジタル信号に応じた極性のパルス信号を送信する送信手段を有するとともに、前記第1の電線及び前記第3の電線からなる差動対に誘起された双極パルス信号の極性を判定して前記デジタル信号を復号する復号化手段を有することを特徴とする。このように、デジタル信号自体ではなく、デジタル信号に応じた極性のパルス信号を送信しても良く、その場合には、受信側の出力は双極性パルス信号になるので、設定した閾値を基にしてその極性を判定して復号化すれば良い。
(26)また、本発明は、上記(22)乃至(23)において、前記第1の電線及び前記第3の電線からなる差動対に電磁界結合している差動対にテスト信号を送信するテスト信号送信手段を有するとともに、前記第1の電線及び前記第3の電線からなる差動対に電磁界結合している他の差動対で受信した信号極性を正規の極性に戻す極性調整手段を有することを特徴とする。このように、方向性結合方式を用いた場合には、受信したパルス信号に極性があるので、予めテスト信号を送信してその方向性を記憶しておくことで、受信した信号極性を正規の極性に戻すことができる。
(27)また、本発明は、電磁界結合通信方法において、絶縁物で被覆された円筒状の内部導体を備えた第1の電線と、絶縁物で被覆された内部導体を備えた第2の電線とを結合部において、押圧により変形させない状態の前記第1電線を被覆する絶縁物の膜厚と前記第2の電線を被覆する絶縁物の膜厚の和より近接させて電磁界結合により前記第1の電線と前記第2の電線との間でデータ接続を行うことを特徴とする。このように、2つの電線を通常より近接させることによって、電磁界結合を用いてデータ接続が可能になる。
(28)また、本発明は、上記(27)において、前記第1の電線は該第1の電線と差動対を形成する前記第1の電線と同じ構造の第3の電線を有するとともに、前記第2の電線は該第2の電線と差動対を形成する前記第2の電線と同じ構造の第4の電線を有し、前記第3の電線と前記第4の電線が前記結合部と平行に位置する第2の結合部において押圧により変形させない状態の前記第3の電線を被覆する絶縁物の膜厚と前記第4の電線を被覆する絶縁物の膜厚の和より近接させて電磁界結合により前記第3の電線と前記第4の電線との間でデータ接続を行うことを特徴とする。このように、差動信号を用いた信号通信においても、近接配置による電磁界結合を用いることによって、コネクタにおける機械的接触方式及び電線露出の構造に伴う問題点を解消することができる。
(29)また、本発明は、電磁界結合器において、絶縁物で被覆された円筒状の内部導体を備えた第1の電線を挿通する第1の円筒状貫通孔と、前記第1の円筒状貫通孔の内壁に設けられた導電層からなり絶縁物で被覆された内部導体を備えた第2の電線の前記内部導体と接続される第1の結合電極とを有することを特徴とする。このように、円筒状貫通孔と、円筒状貫通孔の内壁に設けられた結合電極を備えることにより被覆電線用の結合器を実現することができ、それによって、近接配置による電磁界結合をより簡単に高度な作業性を要することなく実現することができる。
(30)また、本発明は、上記(29)において、前記第1の電線と差動対を形成する前記第1の電線と同じ構造の第3の電線を挿通する第2の円筒状貫通孔を有するとともに、前記第2の円筒状貫通孔の内壁に設けられた導電層からなり前記第2の電線と差動対を形成する前記第2の電線と同じ構造の第4の電線の前記内部導体と接続される第2の結合電極を有することを特徴とする。このように、差動信号を用いた信号通信においても、円筒状貫通孔と結合電極とを1対ずつ設けることによって、差動信号用の結合器を実現することができる。
(31)また、本発明は、上記(30)において、前記第1の結合電極と前記第2の結合電極の一端が、終端抵抗によって終端接続されていることを特徴とする。このように、結合器に終端抵抗を備えることによって、終端抵抗の接続作業を要することなく方向性結合器を実現することができる。
(32)また、本発明は、上記(31)において、前記終端抵抗が、前記第1の結合電極と前記第2の結合電極の延在方向の同じ側で前記第1の結合電極と前記第2の結合電極に接続されていることを特徴とする。このような構成により、近端結合側にのみ信号を伝搬する方向性結合器を構成することができる。
(33)また、本発明は、上記(31)において、前記終端抵抗が、前記第1の結合電極と前記第2の結合電極の延在方向の互いに反対側で前記第1の結合電極と前記第2の結合電極に接続されていることを特徴とする。このような構成により、信号を左右に同じ振幅且つ同じ極性で伝搬させる結合器を構成することができる。
(34)また、本発明は、上記(33)において、前記第1の結合電極が前記第1の円筒状貫通孔の内部の前記第1の円筒状貫通孔の延在方向の一方の側に設けられ、且つ、前記第2の結合電極が前記第2の円筒状貫通孔の内部の前記第1の結合電極から離れる側に設けられることを特徴とする。このような構成により、終端抵抗と第1の結合電極及び第2の結合電極を接続する接続配線が不要になるので、接続配線と第1の結合電極及び第2の結合電極との間の電磁干渉が発生することがない。
(35)また、本発明は、上記(30)において、前記第1の結合電極と前記第2の結合電極の一端が、良導電体により連結していることを特徴とする。このように、結合器自体に良導電体を備えることによって、第1の結合電極と第2の結合電極を抵抗を介することなく接続することができ、それによって、結合効率を向上することができる。
(36)また、本発明は、上記(35)において、前記良導電体が、前記第1の結合電極と前記第2の結合電極の延在方向の同じ側で前記第1の結合電極と前記第2の結合電極に接続されていることを特徴とする。このような構成により、方向性を弱くして遠端結合側にも信号を伝搬させることが可能になる。
(37)また、本発明は、上記(35)において、前記良導電体が、前記第1の結合電極と前記第2の結合電極の延在方向の互いに反対側で前記第1の結合電極と前記第2の結合電極に接続されていることを特徴とする。このような構成により、信号は弱くなるものの、信号を左右に同じ振幅で且つ同じ極性で伝搬させることができる。
(38)また、本発明は、上記(37)において、前記第1の結合電極が前記第1の円筒状貫通孔の内部の前記第1の円筒状貫通孔の延在方向の一方の側に設けられ、且つ、前記第2の結合電極が前記第2の円筒状貫通孔の内部の前記第1の結合電極から離れる側に設けられることを特徴とする。このような構成により、良導電体と第1の結合電極及び第2の結合電極との間の電磁干渉を小さくすることができる。
(39)また、本発明は、上記(30)において、前記第1の結合電極と前記第2の結合電極の一端が、開放終端していることを特徴とする。このように、開放終端にすることによって、遠端結合側にも極性を反転することなく信号を伝搬することができる。
(40)また、本発明は、上記(39)において、前記第1の結合電極と前記第2の電線の内部導体の接続箇所と、前記第2の結合電極と前記第4の電線の内部導体の接続箇所が、前記第1の結合電極と前記第2の結合電極の延在方向の同じ側であることを特徴とする。このような構成により、開放端側に伝搬する信号と反対側に伝搬する信号に方向性を高めることができる。
(41)また、本発明は、上記(39)において、前記第1の結合電極と前記第2の電線の内部導体の接続箇所と、前記第2の結合電極と前記第4の電線の内部導体の接続箇所が、前記第1の結合電極と前記第2の結合電極の延在方向に対して互いに反対側であることを特徴とする。このような構成により、信号を左右に同じ振幅で且つ同じ極性で伝搬させることができる。
開示の被覆電線結合式情報通信網、電磁界結合通信方法及び電磁界結合器によれば、コネクタにおける機械的接触方式及び電線露出の構造に伴う問題点を電磁界結合方式を用いて解消することが可能になる。
本発明の実施の形態の被覆電線結合式情報通信網及び電磁界結合通信方法における結合部の説明図である。 被覆電線を用いた電磁界結合通信方法における結合度の周波数依存性の説明図である。 差動通信方式に適用した場合の説明図である。 結合器を用いて差動通信方式に適用した場合の説明図である。 結合器の説明図である。 本発明の実施例1の被覆電線結合式情報通信網の説明図である。 本発明の実施例2の被覆電線結合式情報通信網の結合部の側面図である。 本発明の実施例3の被覆電線結合式情報通信網の結合部の説明図である。 シミュレーション結果の説明図である。 本発明の実施例4の被覆電線結合式情報通信網の結合部の説明図である。 結合度の説明図である。 結合度の距離d依存性の説明図である。 結合度の結合線路長L依存性の説明図である。 本発明の実施例5の差動式の被覆電線結合式情報通信網の結合部の説明図である。 具体的動作原理の説明図(1)である。 具体的動作原理の説明図(2)である。 結合器を用いた場合の実施例5の差動方式の被覆電線結合式情報通信網の結合部の説明図である。 本発明の実施例5に用いる結合器の周波数特性の説明図である。 本発明の実施例5に用いる結合器の動作波形の説明図である。 本発明の実施例5の被覆電線結合式情報通信網に用いる送受信器の一例の説明図である。 本発明の実施例5の被覆電線結合式情報通信網に用いる送受信器の他の一例の説明図である。 本発明の実施例6の被覆電線結合式情報通信網の結合部のシンボル図である。 本発明の実施例7の差動式の被覆電線結合式情報通信網の結合部の説明図である。 具体的動作原理の説明図(1)である。 具体的動作原理の説明図(2)である。 本発明の実施例7に用いる結合器の周波数特性の説明図である。 本発明の実施例7に用いる結合器の動作波形の説明図である。 本発明の実施例7の差動式の被覆電線結合式情報通信網の変形例の結合部の説明図である。 本発明の実施例8の差動式の被覆電線結合式情報通信網の結合部の説明図である。 具体的動作原理の説明図(1)である。 具体的動作原理の説明図(2)である。 本発明の実施例8に用いる結合器の周波数特性の説明図である。 本発明の実施例8に用いる結合器の動作波形の説明図である。 本発明の実施例9の差動式の被覆電線結合式情報通信網の結合部の説明図である。 具体的動作原理の説明図(1)である。 具体的動作原理の説明図(2)である。 本発明の実施例9に用いる結合器の周波数特性の説明図である。 本発明の実施例9に用いる結合器の動作波形の説明図である。 本発明の実施例10の差動式の被覆電線結合式情報通信網の結合部の説明図である。 具体的動作原理の説明図(1)である。 具体的動作原理の説明図(2)である。 本発明の実施例10に用いる結合器の周波数特性の説明図である。 本発明の実施例10に用いる結合器の動作波形の説明図である。 本発明の実施例11の差動式の被覆電線結合式情報通信網の結合部の説明図である。 具体的動作原理の説明図(1)である。 具体的動作原理の説明図(2)である。 本発明の実施例11に用いる結合器の周波数特性の説明図である。 本発明の実施例11に用いる結合器の動作波形の説明図である。 本発明の実施例11の差動式の被覆電線結合式情報通信網の変形例の結合部の説明図である。 本発明の実施例12の被覆電線結合式情報通信網の結合部のシンボル図である。 本発明の実施例13の被覆電線結合式情報通信網の結合部の説明図である。 結合器を用いた場合の説明図である。 本発明の実施例13の変形例の被覆電線結合式情報通信網の結合部の説明図である。 本発明の実施例14の被覆電線結合式情報通信網の結合部のシンボル図である。 送受信波形の説明図である。 本発明の実施例15の受信側の概念的回路ブロック図である。 送受信波形の説明図である。 本発明の実施例16に用いる受信回路の説明図である。 送受信波形の説明図である。 本発明の実施例17の被覆電線結合式情報通信網の説明図である。 従来の機械式コネクタを用いた結合機構の説明図である。 短絡故障の説明図である。
ここで、図1乃至図5を参照して、本発明の実施の形態の被覆電線結合式情報通信網及び電磁界結合通信方法を説明する。図1は本発明の実施の形態の被覆電線結合式情報通信網及び電磁界結合通信方法における結合部分の説明図であり、図1(a)は斜視図であり、図1(b)は断面図であり、図1(c)はシンボル図である。図に示すように、絶縁物3で被覆された中心導体2を備えた第1の電線1と、絶縁物3で被覆された中心導体2を備えた第1の電線1とを結合部4において、近接配置する。一方の電線を伝搬する信号は、結合部4において電磁界結合している他方の電線に信号を伝搬することによってデータ接続を行う。この場合の中心導体2,2は、良導電体であれば何でも良いが、典型的にはCuを用いる。また、絶縁物3,3としては、ポリエチレン等を用いれば良く、それをさらにビニール等で保護被覆しても良い。
図2は、被覆電線を用いた電磁界結合通信方法における結合度の周波数依存性の説明図であり、ここでは、結合部の長さを20mmとし、中心導体の外周面間の間隔を2.5mmにしてシミュレーションを行った。図に示すように、3GHz近傍で結合度は−12dBとなり、一方の電線を伝搬する信号の1/4の強度の信号が電磁界結合で第2の電線に伝搬することが分かった。このような結果は、本発明者にとっても予想外の結果であり、1/4の強度の信号の伝搬が可能であるという結果をもって、被覆電線の場合にも電磁界結合を用いることによってデータ接続が可能であるとの知見に至ったものである。また、1GHz〜6GHzの比較的広い帯域において平坦な特性を示しているので、周波数帯域の広い電磁界結合が可能になる。
また、中心導体1,1の外周面間の間隔を2.5mmより短くすると結合度は高くなり、それによって、通信品質が高くなり信頼性が向上するので、テープ或いはかしめ部材で押圧して距離を短くすることが望ましい。一方、間隔を2.5mmより長くすると結合度は低下するが、通信に必要とされる結合度の範囲内で間隔が変わっても支障なく通信できる。
なお、結合部4においては、一方の電線の絶縁部を剥ぎ取り裸電線にして結合電極としても良く、この結合電極は平板状にしても良いし、円周の一部を欠いた円筒状にしても良く、この結合電極は他方の電線の内部導体の周囲を見込み角で90°以上囲むようにすることが望ましい。
図3は、差動通信方式に適用した場合の説明図であり、図3(a)は一般的な近接配置した場合の概念的断面図であり、図3(b)は、締め付け手段を用いて中心導体間の距離を縮めた場合の断面図である。ここでは、テープ6を締め付けることにより近接させる例とかしめ部材7を用いて近接させる場合を示している。この場合、第1の電線1と第3の電線1の差動対に差動信号が流れ、第2の電線1と第4の電線1の差動対に差動信号が流れ、第1の電線1と第2の電線1が電磁界結合し、第3の電線1と第4の電線1が電磁界結合する。なお、図における符号5は被覆絶縁膜である。
図4は、結合器を用いて差動通信方式に適用した場合の説明図であり、第1の電線1と第3の電線1の差動対と、第2の電線1と第4の電線1の差動対を結合器10を用いて電磁界結合する。
図5は結合器の説明図であり、図5(a)は結合器の概念的斜視図であり、図5(b)はその断面図である。結合器10は一対の半円筒状の溝12,12が形成された底板部材11と、表面に結合電極15,15が設けられた半円筒状の溝14,14が形成された上蓋部材13とを備えている。なお、結合電極15,15の露出を避けるために、結合電極15,15の表面を薄い絶縁膜で被覆しても良い。
この底板部材11と上蓋部材13とをヒンジ17を軸にして回転させて重ね合せることによって、第1の電線1と第3の電線1とが挿通する円筒状貫通孔16,16が形成される。なお、底板部材11と上蓋部材13とはクリップや係合機構を利用して固定する。
或いは、ヒンジ17を形成せずに、底板部材11と上蓋部材13を重ね合せてネジ等で結合させても良く、この場合には、底板部材11と上蓋部材13との間に絶縁物シートを挟むことで、この絶縁物シートの膜厚で電線1,1と結合電極15,15との距離dを調整して結合度を任意に設定することができる。
結合電極15,15の一端にはそれぞれ第2の電線1(中心導体2)及び第4の電線1(中心導体2)が接続される。この場合、結合電極15,15の他端は、終端抵抗で整合終端させても良いし、開放終端にしても良いし、或いは、抵抗を介さずに連結させても良い。この場合、第2の電線1及び第4の電線1が接続される側が結合電極15,15の同じ側の端部でも良いし、或いは、互いに反対側の端部に接続するようにしても良い。
整合終端させる場合の終端抵抗は、抵抗素子、例えば、50Ωの線路を用いて差動線路を構成した場合には、100Ω(=50Ω+50Ω)の抵抗を外付けしても良いし、上蓋部材13の半円筒状の溝14,14の間の平坦面の一端に予め100Ωの抵抗膜を形成しておいても良い。或いは、結合電極15,15の入力側に送信用の送受信器を接続し、結合電極15,15の出力側に終端用の送受信器を接続しても良く、終端用の送受信器に設けられている抵抗を終端抵抗として用いることができる。また、抵抗を介さずに終端接続する場合には、上蓋部材13の半円筒状の溝14,14の間の平坦面の一端に予め良電体膜を設けておけば良い。特に、結合部の導電体と同じ特性インピーダンスを有する良導電体を用いることが望ましい。
また、図5(c)及び図5(d)は結合電極の位置を変えた変形例の断面図である。図5(c)の場合には、中央筐体18の両側の側部筐体19,19を設け、中央筐体18側に設けた溝の内面に結合電極15,15を設ける。この側部筐体19,19をヒンジ17を軸として回転させることによって、円筒状貫通孔16,16が形成される。なお、中央筐体18と側部筐体19,19とはクリップや係合機構を利用して固定する。
また、図5(d)の場合には、中央筐体18の両側の側部筐体19,19を設け、側部筐体19,19側に設けた溝の内面に結合電極15,15を設ける。この側部筐体19,19をヒンジ17を軸として回転させることによって、円筒状貫通孔16,16が形成される。なお、この場合も中央筐体18と側部筐体19,19とはクリップや係合機構を利用して固定する。
また、第1の電線1と第3の電線1の差動対をバスとして、複数の差動対を同じ位置の結合部或いは異なった位置の結合部において電磁界結合させても良い。このような構成にすることで、複数の差動対に同じデータを同報することができる。
本発明の実施の形態の被覆電線結合式情報通信網及び電磁界結合方式によれば、被覆電線を用いたデータ通信において、下記の作用効果が得られる。
1)非接触接続なので直流信号が流れず、短絡故障がネットワーク全体に波及しない。
2)非接触接続なので加速度による力が加わり通信距離が変化しても通信不良が起こらない。
3)電線が被膜されて防水構造になっているので、浸水による錆付きが発生することがない。
4)バスコンフリクトしても、バスに流れる電流は瞬時のパルス状の小さな電流であるので故障の原因とならない。
また、結合器を用いたとしても、第1の電線側に設けるだけであり、第2の電線は結合器のない一般の被覆電線であるので、
5)任意の箇所に結合部を設ければ良いので、近くのLANケーブルに短い配線で接続できる。
6)結合部を任意の箇所に設けるだけであるので、必要に応じて後から接続を追加できる。
7)バス基幹線となる第1の電線の絶縁被覆を破らずに絶縁被覆の上から第2の電線を近接配置してデータ接続できるので、設置が容易であり信頼性・耐久性の確保が可能になる。
なお、上記特許文献1においては、結合器が第1の信号線路と第2の信号線路の両側に備わり信号線路と同じ絶縁物に被膜され、信号線路及び結合器が平行平板で、特性インピーダンスが規定されている。また、通信距離が1mm程度である。一方、本発明では、結合器は一方だけに備わり導体と同じ絶縁物に被膜されず、導体が円筒型で結合器がそれを囲む形状で簡単な構造になっている。その結果、任意の箇所で容易に追加接続できる。また、特性インピーダンスを規定せず(結合器を終端する実施例を除いて)、通信距離は、円筒状の中心導体を囲む被膜が厚いので、後述するように、2.5mm乃至7.5mmまで適用可能であり、通信距離においても大幅な改善が得られた。
次に、図6を参照して、本発明の実施例1の被覆電線結合式情報通信網を説明するが、ここでは結合部の構成のみを説明する。図6は本発明の実施例1の被覆電線結合式情報通信網の結合部の説明図であり、図6(a)は通常状態での断面図であり、図6(b)は締め付け手段を用いて中心導体間の距離を縮めた場合の断面図である。中心導体22、22をポリエチレン製の絶縁体23,23で被覆したのち、さらにビニール製の保護被膜24,24で被覆した被覆電線21,21を接触させてテープ25或いはかしめ金具26で固定して結合部を形成する。
ここで、左図に示すように、テープ25をきつく巻く或いは熱収縮させることによって中心導体22と中心導体22の距離を近接させて結合度を高める。或いは、右図に示すように、かしめ金具26をかしめて圧接することによって、中心導体22と中心導体22の距離を近接させて結合度を高める。
本発明の実施例1においては、被覆電線21,21を近接させて結合部とし、結合部において電磁界結合させることによって、機械的接触を要するコネクタを用いることなく非接触でデータ接続を行うことが可能になる。特に、テープ25やかしめ金具26を用いることによって、両者をより近接させて結合度を高めることが可能になる。
この場合、被覆電線21,21の任意の箇所に結合部を設けるだけで良いので、近くのLANケーブルに短い配線で接続することが可能になる。なお、結合度に関しては、図2に示したように−12dB程度の結合度を実現することが可能である。
次に、図7を参照して、本発明の実施例2の被覆電線結合式情報通信網を説明するが、ここでも結合部のみを説明する。図7は本発明の実施例2の被覆電線結合式情報通信網の結合部の側面図であり、中心導体22をポリエチレン製の絶縁体23で被覆したのち、さらにビニール製の保護被膜24で被覆した被覆電線21に、中心導体22をポリエチレン製の絶縁体23で被覆したのち、さらにビニール製の保護被膜24で被覆した被覆電線21を複数回巻き付けて結合部27を形成する。
このように、被覆電線21に被覆電線21を巻き付けることによって、結合部における見込み角θを大きくすることができるので、結合度を向上することができる。
次に、図8及び図9を参照して、本発明の実施例3の被覆電線結合式情報通信網を説明するが、ここでも結合部のみ説明する。図8は本発明の実施例3の被覆電線結合式情報通信網の結合部の説明図であり、図8(a)は概念的側面図であり、図8(b)乃至図8(d)は接触状態を示す一部断面図である。図8(a)に示すように、結合線路長Lの結合部27において、被覆電線21の中心導体22を結合電極28に接続し、この結合電極28と被覆電線21の中心導体22とを電磁界結合させる。
結合電極28は、図8(b)に示すように平板状の結合電極28でも良いし、図8(c)に示すように円周の一部を切り欠いた円筒状の結合電極28でも良い。また、差動方式の被覆電線の場合には、図8(d)に示すように、一方の被覆電線21を被覆電線21に結合する結合電極28で約半周分覆うようにし、他方の被覆電線21を被覆電線21に結合する結合電極28で約半周分覆うようにしても良い。
このような結合電極28を用いた結合方式においては結合線路長Lが長いほど、帯域は狭くなるが低周波数での結合度が大きくなるので、自動車用等の低速な通信に適する。一方、結合線路長Lが短いほど、低周波数での結合度が弱くなるが、帯域は広くなるので高速通信に適する。
図9は、シミュレーション結果の説明図であり、ここでは、図8(c)に示したタイプの結合電極について、その見込み角θを90°、180°、270°とした場合を示している。図から明らかなように、見込み角θが大きいほど結合度は高いが、それほど差はないので、90°程度であれば十分である。因みに、最大値が得られる3GHz近傍における結合度は、θ=90°の場合は−4.5dB程度であり、θ=180°の場合は−3dB程度であり、θ=270°の場合には−2dB程度である。
次に、図10乃至図13を参照して、本発明の実施例4の被覆電線結合式情報通信網を説明するが、ここでも結合部のみを説明する。図10は、本発明の実施例4の被覆電線結合式情報通信網の結合部の説明図であり、ここでは結合器を用いる。図10(a)は結合器の説明図であり、図10(b)は結合状態の説明図である。
図10(a)に示すように、結合器30は半円筒状の溝32が形成された底板部材31と、表面に結合電極35が設けられた半円筒状の溝34が形成された上蓋部材33とを備えている。図10(b)に示すように、底板部材31と上蓋部材33とをヒンジ37を軸にして回転させて重ね合せることによって、被覆電線21が挿通する円筒状貫通孔36が形成される。また、結合電極35には被覆電線21の中心導体22が接続される。
図11は、結合度の説明図であり、中心導体21と結合電極35との距離dを2.5mmとし、結合線路長Lを20mmにした場合を示しており、3GHz近傍での結合度は−2.584dBであった。比較のために実施例1の結合度も示しているが、結合度が大幅に向上していることがわかる。
図12は結合度の距離d依存性の説明図であり、ここでは、見込み角θを180°、結合線路長Lを20mmとし、距離dを2.5mm、5mm、7.5mmとした例を示している。図に示すように、距離dが短いほど結合度が高くなるが、d=7.5mmの場合にも、−9dB程度の結合度が得られる。因みに、各例の結合度のピーク値は、d=2.5mmの場合には、−2.584dB@2.875GHz、d=5mmの場合には、−5.051dB@3.364GHz、d=7.5mmの場合には、−8.980dB@3.500GHzとなる。
図13は、結合度の結合線路長L依存性の説明図であり、ここでは、見込み角θ=180°、距離dを2.5mmとして、結合線路長Lを20mm、40mm、60mmとした例を示している。図に示すように、結合度はほぼ同じであるが、結合線路長Lが長くなるほど、帯域が狭くなるが低周波での結合度が大きくなる。因みに、各例の結合度のピーク値は、L=20mmの場合には、−2.584dB@2.875GHz、L=40mmの場合には、−5.557dB@1.432GHz、L=60mmの場合には、−2.558dB@0.924GHzとなる。
このように、結合器を用いることによって、所定の見込み角θと距離dと結合線路長Lを一定にした電磁界結合を容易に実現することが可能になる。
次に、図14乃至図21を参照して、本発明の実施例5の差動式の被覆電線結合式情報通信網を説明するが、ここでも結合部のみを説明する。図14は本発明の実施例5の差動式の被覆電線結合式情報通信網の結合部の説明図であり、図14(a)は概念的構成図であり、図14(b)及び図14(c)はシンボル図を用いた信号の伝搬状態の説明図である。図14(a)に示すように、差動式の被覆電線に電磁結合方式を適用する場合には、絡み合っている被覆電線21と被覆電線21との一部を平行状態にして結合部27を形成し、ここで他の差動式の被覆電線21,21との間で電磁界結合を行う。この時、被覆電線21,21の出力端側を100Ωの終端抵抗29によって整合終端させておく。
図14(b)に示すように、理想的には被覆電線21から入力した正信号の1/2は電磁界結合により被覆電線21を図において左側に伝搬し、他の1/2は被覆電線21を右側に伝搬するが、右側に伝搬した信号は終端抵抗29で熱として消費される。したがって、被覆電線21を伝搬する際には1p方向に伝搬し、1p方向には伝搬しない。被覆電線21から入力した負信号も極性が反転するだけで、正信号と同様な伝搬となる。したがって、差動対をなす被覆電線21,21の左方向にのみ信号が伝搬することになり、完全な方向性結合となる。なお、ここでは、計算を簡単にするために、近端結合を0.5とし、遠端結合を0と仮定して計算を行っている。図14(c)は入力側と終端側を図14(b)と逆にしたものであり、差動対をなす被覆電線21,21の右方向にのみ信号が伝搬することになる。
図15及び図16は、具体的動作原理の説明図であり、まず、図15(a)に示すように、結合部の右端で整合終端している場合を説明する。図15(b)は被覆電線21を伝搬する正信号の一例を示す波形図であり、図15(c)は被覆電線21を伝搬する負信号の一例を示す波形図である。被覆電線21からの正信号が結合部の左端から右端に向けて伝搬するとき、結合部において被覆電線21と被覆電線21の間に相互キャパシタンスCと相互インダクタンスMが連続して存在するので、i=C(dv/dt)およびv=L(di/dt)の結合作用により、容量結合性電流と誘導結合性電流が被覆電線21に誘起して流れ、左端では、図15(d)に示した波形の電磁界結合波が現れる。また、右端では図15(e)に示した電磁界結合波が現れる。
この時、上記の特許文献1で詳述しているように、容量結合性電流と誘導結合性電流が誘起して伝搬するが、容量結合性電流の半分は近端へ後戻りし、半分は遠端へ前進し、いずれの電流も流れる先にある終端抵抗で正の電圧信号を生じる。一方で、誘導結合性電流は、入力信号の電流ループの向きと逆回りになり、近端では正の電圧信号を生じるが、遠端では負の電圧信号を生じる。その結果、近端に誘起される信号は図15(d)となり、遠端に誘起される信号は図15(e)となる。結合度が―6dB程度に強い場合、典型的には、容量結合性電流と誘導結合性電流が等しくなり、遠端において両信号が相殺する結果、図15(e)に示す遠端に誘起される信号は非常に小さくなる。
一方、負信号に関しても、被覆電線21からの負信号が結合部の左端から右端に向けて伝搬するとき、被覆電線21の左端では、図16(a)に示した波形の電磁界結合波が現れる。また、右端では図16(b)に示した電磁界結合波が現れる。
したがって、差動信号としては、左端では図16(c)に示したように、図16(a)の波形を反転させた波形と図15(d)に示した波形を重ね合わせた波形が伝搬する。一方、右端側には、図16(d)に示したように、図16(b)の波形を反転させた波形と図15(e)に示した波形を重ね合わせた波形が伝搬する。
図17は結合器を用いた場合の実施例5の差動方式の被覆電線結合式情報通信網の結合部の説明図であり、図17(a)は概念的構成図であり、図17(b)は結合器の斜視図であり、図17(c)は結合器のシンボル図であり、図17(d)は結合器の断面図である。図17(a)に示すように、結合部に結合器40を設けて電磁界結合を行う。
図17(b)に示すように、結合器40は一対の半円筒状の溝42,42が形成された底板部材41と、表面に結合電極45,45が設けられた半円筒状の溝44,44が形成された上蓋部材43とを備えている。また、上蓋部材43の平坦面には結合電極45,45を接続する終端抵抗46が形成されている。
この底板部材41と上蓋部材43とをヒンジ47を軸にして回転させて重ね合せることによって、図17(d)に示すように、被覆電線21と被覆電線21とが挿通する円筒状貫通孔48,48が形成される。また、結合電極45,45の他端にはそれぞれ被覆電線21(中心導体22)及び被覆電線21(中心導体22)が接続される。この時、被覆電線21と被覆電線21の結合及び被覆電線21と被覆電線21の結合を十分強くすることを目的として、被覆電線21と被覆電線21との間の干渉を弱くすることが望ましい。そのためには、被覆電線21と被覆電線21の距離に対して、被覆電線21と被覆電線21の距離Wを3倍以上に大きくすることが望ましく、例えば、結合の距離dが5mmの場合、Wは15mmとする。
図18は、本発明の実施例5に用いる結合器の周波数特性の説明図であり、左方向に伝搬する近端結合による信号の結合度は−10dB程度になり、右方向に伝搬する遠端結合による信号の結合度は−20dB程度になり強い方向性が得られる。
図19は、本発明の実施例5に用いる結合器の動作波形の説明図であり、ここでは、1nsec後に100psecの立ち上がり時間で振幅1Vのステップ信号を印加した場合の電磁界シミュレーション結果を示している。図19(a)に示すように、結合器40の左側に伝搬する1p及び1nの振幅は極性が反転しているだけで、入力するステップ信号のほぼ1/2の振幅のパルス信号が伝搬することが分かる。因みに、図において黒色の逆三角形で示した点における振幅は、左側から、0.467V@1.111nsec,16.24mV@1.520nsecである。
一方、図19(b)に示すように、結合器40の右側に伝搬する1p及び1nの振幅は非常に小さく、実質的に信号が伝搬しないことが分かる。因みに、図において黒色の逆三角形で示した点における振幅は、左側から、70.44mV@1.100nsec,−65.05mV@1.236nsec,−9.731mV@1.520nsecである。
このように、被覆電線を用いた差動式通信方式においても電磁界結合を用いることによって、非接触でデータ接続することが可能になる。特に、結合器を用いることで安定した電磁界結合を行うことが可能になる。
図20は本発明の実施例5の被覆電線結合式情報通信網に用いる送受信器の一例の説明図であり、従来より提案している電磁界結合方式の通信装置に用いる送受信器と同じ構成の送受信器を示しており、このような回路構成の送受信器は高速通信用に好適である。
図21は本発明の実施例5の被覆電線結合式情報通信網に用いる送受信器の他の一例の説明図であり、CMOS回路構成を用いているので、図20に示した送受信器よりも低消費電力化が可能になる。
つぎに、図22を参照して、本発明の実施例6の被覆電線結合式情報通信網を説明するが、上記の実施例5の変形例である。図22は、本発明の実施例6の被覆電線結合式情報通信網の結合部のシンボル図であり、結合部27において、被覆電線21,21の一端に送受信器38を接続し、他端に送受信器38を接続したものである。
この場合、どちらか一方の送受信回路の電流源を切って回路をdisableとすることによって、disableにした送受信回路に備わっている抵抗を終端抵抗として用いることができ、実施例5のように特別の終端抵抗を必要としない。どちらの送受信回路を終端用に用いるかは信号の伝送方向により出力端側になる送受信回路の電流源を切れば良い。例えば、図の左方向(1pおよび1n1方向)に信号を伝搬する場合は、送受信器38でデータを送信して、送受信器38をdisableにすれば良い。
次に、図23乃至図27を参照して、本発明の実施例7の差動式の被覆電線結合式情報通信網を説明するが、ここでも結合部のみを説明する。図23は本発明の実施例7の差動式の被覆電線結合式情報通信網の結合部の説明図であり、図23(a)は概念的構成図であり、図23(b)はシンボル図を用いた信号の伝搬状態の説明図である。また、図23(c)は結合器の斜視図である。図23(a)に示すように、本発明の実施例7においては、結合器40において、被覆電線21,21の端部を整合終端させる場合に、結合器40の一対の結合電極の正極と負極とを互いに逆向きに配置して終端抵抗46により整合終端させる。
この場合の信号の伝搬状態は、被覆電線21を伝搬する信号は上記の実施例5と同じであり、被覆電線21を伝搬する信号は上記の実施例5と反対向きに伝搬する。即ち、図23(b)に示すように、理想的には被覆電線21から入力した正信号の1/2は電磁界結合により被覆電線21を図において左側に伝搬し、他の1/2は被覆電線21を右側に伝搬するが、右側に伝搬した信号は終端抵抗46で熱として消費される。したがって、被覆電線21を伝搬する際には1p方向に伝搬し、1p方向には伝搬しない。被覆電線21から入力した負信号も極性が反転するとともに、伝搬方向が反転する。なお、ここでは、計算を簡単にするために、近端結合を0.5とし、遠端結合を0と仮定して計算を行っている。
図23(c)は結合器の斜視図であり結合器40は一対の半円筒状の溝42,42が形成された底板部材41と、表面に結合電極45,45が設けられた半円筒状の溝44,44が形成された上蓋部材43とを備えている。また、上蓋部材43の平坦面には結合電極45,45を接続する終端抵抗46及び接続配線60が形成されている。
この場合、結合電極45,45と接続配線60との間の電磁干渉を低減するために、結合電極45,45と接続配線60との間隔を十分取る必要がある。したがって、図17(b)に示した結合器40より幅広になる。
図24及び図25は、具体的動作原理の説明図であり、図24(d)に示す1p方向に伝搬する信号波形及び図24(e)に示す1p方向に伝搬する信号波形は実施例5の場合と同様である。一方、図25(a)に示す1n方向に伝搬する信号波形及び図25(b)に示す1n方向に伝搬する信号波形は実施例5の場合と極性は同じであるが伝搬方向が反転している。
したがって、差動信号としては、左端では図25(c)に示したように、図25(a)の波形を反転させた波形と図24(d)に示した波形を重ね合わせた波形が伝搬する。一方、右端側には、図25(d)に示したように、図25(b)の波形を反転させた波形と図24(e)に示した波形を重ね合わせた波形が伝搬する。その結果、伝搬する信号の振幅としては実施例5の場合の半分になるが、左右に同じ振幅で且つ同じ極性で伝搬する結合器となる。
図26は、本発明の実施例7に用いる結合器の周波数特性の説明図であり、近端結合の曲線と遠端結合の曲線とが重なっており、左右に同じ振幅で且つ同じ極性で伝搬することが確認された。因みに、図において黒色の逆三角形で示した点における結合度は、左側から−10.126dB@1.410GHz,−7.255dB@3.910GHz,−10.604dB@6.410GHzである。
図27は、本発明の実施例7に用いる結合器の動作波形の説明図であり、ここでも、1nsec後に100psecの立ち上がり時間で振幅1Vのステップ信号を印加した場合の電磁界シミュレーション結果を示している。図27(a)に示すように、結合器40の左側に伝搬する1pは実施例5とほぼ同様であるが、1nの振幅は図19(b)で示した1nとほぼ同様になる。因みに、図において黒色の逆三角形で示した点における振幅は、左側から、0.4667V@1.111nsec,16.24mV@1.520nsecである。また、図において、白色の逆三角形で示した点における振幅は、左側から、−70.38mV@1.100nsec,65.09mV@1.236nsec,16.24mV@1.520nsecである。
一方、図27(b)に示すように、結合器40の右側に伝搬する1p及び1nの振幅は、図27(a)における1p及び1nを反転させた信号波形になる。因みに、図において黒色の逆三角形で示した点における振幅は、左側から、70.44mV@1.100nsec,−65.05mV@1.236nsec,−9.731mV@1.520nsecである。また、図において、白色の逆三角形で示した点における振幅は、−469.3mV@1.100nsecである。
このように、結合器40の一対の結合電極の正極と負極とを互いに逆向きに配置して終端抵抗46により整合終端させることにより、信号を左右に同じ振幅で且つ同極性で伝搬させることが可能になる。また、パルスが短く閉じるのでシンボル間干渉が小さく、高速通信に適した結合器となる。
次に、図28を参照して、本発明の実施例7の差動式の被覆電線結合式情報通信網の変形例の結合部を説明する。図28は本発明の実施例7の差動式の被覆電線結合式情報通信網の変形例の結合部の説明図であり、図28(a)は概念的構成図であり、図28(b)はシンボル図を用いた信号の伝搬状態の説明図である。また、図28(c)は結合器の斜視図である。
図28(a)に示すように、本発明の実施例7の変形例においては、結合器40において、結合器40の一対の結合電極の正極と負極とを互いに逆向きに配置して終端抵抗46により被覆電線21,21の端部を整合終端させる際に、結合器40の長さを長くして接続配線を不要にした。そのため、結合器40の幅は実施例7の結合器40の幅と同様である。また、図28(b)に示すように、この場合の信号の伝搬状態は、図23(b)に示した実施例7の場合と同様である。
図28(c)は結合器の斜視図であり結合器40は一対の半円筒状の溝42,42が形成された底板部材41と、表面に結合電極45,45が設けられた半円筒状の溝44,44が形成された上蓋部材43とを備えている。ここでは、一方の結合電極45を溝44の左半分に設け、他方の結合電極45を溝44の右半分に設け、両者を終端抵抗46で直接接続する。したがって、接続配線60を設ける工程が不要になるとともに、結合電極45,45と接続配線60との間の電磁干渉を考慮する必要がなくなる。
次に、図29乃至図33を参照して、本発明の実施例8の差動式の被覆電線結合式情報通信網を説明するが、ここでも結合部のみを説明する。図29は本発明の実施例8の差動式の被覆電線結合式情報通信網の結合部の説明図であり、図29(a)は概念的構成図であり、図29(b)はシンボル図を用いた信号の伝搬状態の説明図であり、図29(c)は結合器を用いた場合の結合器の斜視図である。
図29(a)に示すように、差動式の被覆電線に電磁結合方式を適用する場合には、絡み合っている被覆電線21と被覆電線21との一部を平行状態にして結合器40を形成し、ここで他の差動式の被覆電線21,21との間で電磁界結合を行う。この時、被覆電線21,21の出力端側を開放して開放終端にする。
図29(b)に示すように、理想的には被覆電線21から入力した正信号の1/2は電磁界結合により被覆電線21を伝搬する際に1p方向に伝搬し、被覆電線21の開放端で全反射した信号が左方向に伝搬する際に同じく1/2だけ1p方向に伝搬する。したがって、1p方向に伝搬する信号の強度は1/4(=1/2×1/2)となる。被覆電線21から入力した負信号も極性が反転するだけで、正信号と同様な伝搬となる。したがって、差動対をなす被覆電線21,21の右方向には左方向に伝搬する信号の1/2が極性が反転せずに伝搬することになる。なお、ここでも、計算を簡単にするために、近端結合を0.5とし、遠端結合を0と仮定して計算を行っている。
図29(c)に示すように、この場合の結合器40は一対の半円筒状の溝42,42が形成された底板部材41と、表面に結合電極45,45が設けられた半円筒状の溝44,44が形成された上蓋部材43とを備えている。この場合には、終端抵抗を形成しない。この場合も底板部材41と上蓋部材43とをヒンジ47を軸にして回転させて重ね合せることで被覆電線21,21を挿通する円筒状貫通孔が形成される。
図30及び図31は、具体的動作原理の説明図であり、図30(a)は結合器のシンボル図であり、ここでは、右端が開放終端している場合を説明する。 図30(b)は被覆電線21を伝搬する正信号の一例を示す波形図であり、図30(c)は、被覆電線21を伝搬する負信号の一例を示す波形図である。被覆電線21からの正信号が結合部の左端から右端に向けて伝搬するとき容量結合性電流と誘導結合性電流が被覆電線21に誘起して流れ、左端では、図30(d)に示した波形の電磁界結合波が現れる。また、右端では図30(e)に示した電磁界結合波が現れる。
一方、負信号に関しても、被覆電線21からの負信号が結合部の左端から右端に向けて伝搬するとき、左端では、図31(a)に示した波形の電磁界結合波が現れる。また、右端では図31(b)に示した電磁界結合波が現れる。
したがって、差動信号としては、左端では図31(c)に示したように、図31(a)の波形を反転させた波形と図30(d)に示した波形を重ね合わせた波形が伝搬する。一方、右端側には、図31(d)に示したように、図31(b)の波形を反転させた波形と図30(e)に示した波形を重ね合わせた波形が伝搬する。
図32は、本発明の実施例8に用いる結合器の周波数特性の説明図であり、図18に示した整合終端の場合に比べて方向性が弱くなっている。因みに、図において黒色の逆三角形で示した点における結合度は、左側から−4.500dB@1.160GHz,−1.981dB@3.860GHz,−4.888dB@4.960GHzである。また、図において、白色の逆三角形で示した点における結合度は、左側から−7.555dB@1.160GHz,−4.453dB@2.710GHz,−7.707dB@5.010GHZである。
図33は、本発明の実施例8に用いる結合器の動作波形の説明図であり、ここでも、1nsec後に100psecの立ち上がり時間で振幅1Vのステップ信号を印加した場合の電磁界シミュレーション結果を示している。図33(a)に示すように、結合器40の左側に伝搬する1p及び1nは実施例5とほぼ同様で極性が反転しているだけで、入力するステップ信号のほぼ1/2の振幅のパルス信号が伝搬することが分かる。因みに、図において黒色の逆三角形で示した点における振幅は、左側から、0.4693V@1.110nsec,9.619mV@1.520nsecである。
一方、図33(b)に示すように、結合器40の右側に伝搬する1p及び1nの振幅は、1p及び1n方向に伝搬する信号の約半分の振幅の信号が伝搬する。因みに、図において黒色の逆三角形で示した点における振幅は、左側から、227.4mV@1.520nsec,25.67mV@2.370nsecである。
このように、本発明の実施例8においては結合器を開放終端しているので、遠端結合部において信号を終端抵抗により捨てることなく、近端結合部の1/2の強度ではあるが有効利用することが可能になる。
次に、図34乃至図38を参照して、本発明の実施例9の差動式の被覆電線結合式情報通信網を説明するが、ここでも結合部のみを説明する。図34は本発明の実施例9の差動式の被覆電線結合式情報通信網の結合部の説明図であり、図34(a)は概念的構成図であり、図34(b)はシンボル図を用いた信号の伝搬状態の説明図である。また、図34(c)は結合器の斜視図である。図34(a)に示すように、本発明の実施例9においては、結合器40において、被覆電線21,21の端部を開放終端させる場合に、結合器40の一対の結合電極の正極と負極とを互いに逆向きに配置して被覆電線21,21と接続する。
この場合の信号の伝搬状態は、被覆電線21を伝搬する信号は上記の実施例8と同じであり、被覆電線21を伝搬する信号は上記の実施例8と左右で振幅が逆になる。即ち、図34(b)に示すように、理想的には被覆電線21から入力した正信号の1/2は被電磁界結合により覆電線21を伝搬する際に1p方向に伝搬し、被覆電線21の開放端で全反射した信号が左方向に伝搬する際に同じく1/2だけ1p方向に伝搬する。したがって、1p方向に伝搬する信号の強度は1/4(=1/2×1/2)となる。被覆電線21から入力した負信号は入力方向が逆になるので極性が反転した信号が互いに逆方向に伝搬する。なお、ここでも、計算を簡単にするために、近端結合を0.5とし、遠端結合を0と仮定して計算を行っている。
図34(c)は結合器の斜視図であり結合器40は一対の半円筒状の溝42,42が形成された底板部材41と、表面に結合電極45,45が設けられた半円筒状の溝44,44が形成された上蓋部材43とを備えている。この実施例9においては、中心導体22,22を結合器40に対して互いに逆の端部でそれぞれ結合電極45,45と接続する。
図35及び図36は、具体的動作原理の説明図であり、図35(d)に示す1p方向に伝搬する信号波形及び図35(e)に示す1p方向に伝搬する信号波形は実施例8の場合と同様である。一方、図36(a)に示す1n方向に伝搬する信号波形及び図36(b)に示す1n方向に伝搬する信号波形は実施例8の場合と極性は同じであるが伝搬方向が反転している。
したがって、差動信号としては、左端では図36(c)に示したように、図36(a)の波形を反転させた波形と図35(d)に示した波形を重ね合わせた波形が伝搬する。一方、右端側には、図36(d)に示したように、図36(b)の波形を反転させた波形と図35(e)に示した波形を重ね合わせた波形が伝搬する。その結果、伝搬する信号の振幅としては実施例7より小さくなるが、左右に同じ振幅で且つ同じ極性で伝搬する結合器となる。
図37は、本発明の実施例9に用いる結合器の周波数特性の説明図であり、近端結合の曲線と遠端結合の曲線とが重なっており、左右に同じ振幅で且つ同じ極性で伝搬することが確認された。因みに、図において黒色の逆三角形で示した点における結合度は、左側から−13.520dB@0.410GHz,−10.450dB@0.860GHz,−13.543dB@1.260GHzである。
図38は、本発明の実施例9に用いる結合器の動作波形の説明図であり、ここでも、1nsec後に100psecの立ち上がり時間で振幅1Vのステップ信号を印加した場合の電磁界シミュレーション結果を示している。図38(a)に示すように、結合器40の左側に伝搬する1pは実施例8とほぼ同様であるが、1nの振幅は図33(b)で示した1nとほぼ同様になる。因みに、図において黒色の逆三角形で示した点における振幅は、0.4595V@1.142nsecである。また、図において、白色の逆三角形で示した点における振幅は、左側から、52.66mV@1.236nsec,−227.4mV@1.520nsecである。
一方、図38(b)に示すように、結合器40の右側に伝搬する1p及び1nの振幅は、図38(a)における1p及び1nを反転させた信号波形になる。
このように、結合器40の一対の結合電極の正極と負極とを互いに逆向きに配置して開放終端させることにより、信号を左右に同じ振幅で且つ同極性で伝搬させることが可能になる。
次に、図39乃至図43を参照して、本発明の実施例10の差動式の被覆電線結合式情報通信網を説明するが、ここでも結合部のみを説明する。図39は本発明の実施例10の差動式の被覆電線結合式情報通信網の結合部の説明図であり、図39(a)は概念的構成図であり、図39(b)はシンボル図を用いた信号の伝搬状態の説明図であり、図39(c)は結合器を用いた場合の結合器の斜視図である。
図39(a)に示すように、差動式の被覆電線に電磁結合方式を適用する場合には、絡み合っている被覆電線21と被覆電線21との一部を平行状態にして結合器40を形成し、ここで他の差動式の被覆電線21,21との間で電磁界結合を行う。この時、被覆電線21,21の出力端側を連結する。
図39(b)に示すように、理想的には被覆電線21から入力して右方向に伝搬する正信号の1/2は結合部で被覆電線21を伝搬する際に1p方向(左方向)に伝搬し、1p方向(右方向)には伝搬しない。残りの1/2の信号が連結部49を介して被覆電線21を左方向に伝搬する際に、被覆電線21の1n方向に1/2の1/2の1/4の信号が伝搬し、1n側には伝搬しない。被覆電線21から入力した負信号も極性が反転するだけで、正信号と同様な伝搬となる。したがって、差動対をなす被覆電線21,21の右方向には左方向に伝搬する信号の1/2が極性が反転した状態で伝搬することになる。なお、ここでも、計算を簡単にするために、近端結合を0.5とし、遠端結合を0と仮定して計算を行っている。
図39(c)に示すように、この場合の結合器40は一対の半円筒状の溝42,42が形成された底板部材41と、表面に結合電極45,45が設けられた半円筒状の溝44,44が形成された上蓋部材43とを備えている。また、上蓋部材43の平坦面には結合電極45,45を接続する良導電体からなる連結部49が形成されている。この場合も底板部材41と上蓋部材43とをヒンジ47を軸にして回転させて重ね合せることで被覆電線21,21を挿通する円筒状貫通孔が形成される。
図40及び図41は、具体的動作原理の説明図であり、図40(a)は結合器のシンボル図であり、ここでは、右端が連結している場合を説明する。 図40(b)は正信号の一例を示す波形図であり、図40(c)は、負信号の一例を示す波形図である。被覆電線21からの正信号が結合部の左端から右端に向けて伝搬するとき容量結合性電流と誘導結合性電流が被覆電線21に誘起して流れる。更に、被覆電線21からの負信号が連結部を超えた後に被覆電線21を右端から左端に向けて伝搬するときにも容量結合性電流と誘導結合性電流が被覆電線21に誘起して流れる。その結果、被覆電線21の結合部左端では、図40(d)に示した波形の電磁界結合波が現れる。また、右端では図40(e)に示した電磁界結合波が現れる。
一方、負信号に関しても、被覆電線21からの負信号が結合部の左端から右端に向けて伝搬するとき、容量結合性電流と誘導結合性電流が被覆電線21に誘起して流れる。更に、被覆電線21からの正信号が連結部を超えた後に被覆電線21を右端から左端に向けて伝搬するときにも容量結合性電流と誘導結合性電流が被覆電線21に誘起して流れる。その結果、被覆電線21の結合部左端では、図41(a)に示した波形の電磁界結合波が現れる。また、右端では図42(b)に示した電磁界結合波が現れる。
したがって、差動信号としては、左端では図41(c)に示したように、図41(a)の波形を反転させた波形と図40(d)に示した波形を重ね合わせた波形が伝搬する。一方、右端側には、図41(d)に示したように、図41(b)の波形を反転させた波形と図40(e)に示した波形を重ね合わせた波形が伝搬する。
図42は、本発明の実施例10に用いる結合器の周波数特性の説明図であり、整合終端に比べて広帯域化しているとともに、方向性が弱まることが確認された。因みに、図において黒色の逆三角形で示した点における結合度は、左側から−7.477dB@0.810GHz,−3.437dB@3.410GHz,−7.297dB@6.660GHzである。
図43は、本発明の実施例10に用いる結合器の動作波形の説明図であり、ここでも、1nsec後に100psecの立ち上がり時間で振幅1Vのステップ信号を印加した場合の電磁界シミュレーション結果を示している。図43(a)に示すように、結合器40の左側に伝搬する1p及び1nの振幅は極性が反転しているだけで、入力するステップ信号のほぼ1/2の振幅のパルス信号が伝搬することが分かる。因みに、図において黒色の逆三角形で示した点における振幅は、左側から、0.4682V@1.111nsec,31.65mV@1.520nsecである。
一方、図43(b)に示すように、結合器40の右側に伝搬する1p及び1nの振幅は小さく、且つ、1p及び1n方向に伝搬する信号と極性が反転する。因みに、図において白色の逆三角形で示した点における振幅は、左側から、0.4107V@1.236nsec,95.79mV@1.520nsecである。
このように、結合器40の一対の結合電極の端部を連結させることによって、遠端結合部において終端抵抗により捨てていた信号を、近端結合部の1/2の強度で且つ極性が反転した信号ではあるが有効利用することが可能になる。
次に、図44乃至図48を参照して、本発明の実施例11の差動式の被覆電線結合式情報通信網を説明するが、ここでも結合部のみを説明する。図44は本発明の実施例11の差動式の被覆電線結合式情報通信網の結合部の説明図であり、図44(a)は概念的構成図であり、図44(b)はシンボル図を用いた信号の伝搬状態の説明図である。また、図44(c)は結合器の斜視図である。図44(a)に示すように、本発明の実施例11においては、結合器40において、被覆電線21,21の端部を良導電体を用いて連結させる際に、結合器40の一対の結合電極の正極と負極とを互いに逆向きに配置して連結部49で連結させる。
この場合の信号の伝搬状態は、図44(b)に示すように、理想的には被覆電線21から入力して右方向に伝搬する正信号の1/2は結合部で被覆電線21を伝搬する際に1p方向(左方向)に伝搬し、1p方向(右方向)には伝搬しない。残りの1/2の信号が連結部49を介して被覆電線21を右方向に伝搬する際に、被覆電線21の1n方向に1/2の1/2の1/4の信号が伝搬し、1n側には伝搬しない。被覆電線21から入力した負信号も極性及び伝搬方向が反転するだけで、正信号と同様な伝搬となる。したがって、差動対をなす被覆電線21,21の左右方向には同じ振幅で同じ極性の信号が伝搬することになる。なお、ここでも、計算を簡単にするために、近端結合を0.5とし、遠端結合を0と仮定して計算を行っている。
図44(c)は結合器の斜視図であり結合器40は一対の半円筒状の溝42,42が形成された底板部材41と、表面に結合電極45,45が設けられた半円筒状の溝44,44が形成された上蓋部材43とを備えている。また、上蓋部材43の平坦面には結合電極45,45を良導電体で接続して連結部49を形成している。この場合、結合電極45,45と連結部49との間の電磁干渉を低減するために、結合電極45,45と連結部49との間隔を十分取る必要がある。したがって、図23(c)に示した結合器40と同様に幅広になる。
図45及び図46は、具体的動作原理の説明図であり、図45(d)に示す1p方向に伝搬する信号波形及び図45(e)に示す1p方向に伝搬する信号波形は実施例10の場合と同様である。一方、図46(a)に示す1n方向に伝搬する信号波形及び図46(b)に示す1n方向に伝搬する信号波形は実施例10の場合と極性は同じであるが伝搬方向が反転している。
したがって、差動信号としては、左端では図46(c)に示したように、図46(a)の波形を反転させた波形と図45(d)に示した波形を重ね合わせた波形が伝搬する。一方、右端側には、図46(d)に示したように、図46(b)の波形を反転させた波形と図45(e)に示した波形を重ね合わせた波形が伝搬する。その結果、伝搬する信号の振幅は実施例10の場合より小さくなるが、左右に同じ振幅で且つ同じ極性で伝搬する結合器となる。
図47は、本発明の実施例11に用いる結合器の周波数特性の説明図であり、近端結合の曲線と遠端結合の曲線とが重なっており、左右に同じ振幅で且つ同じ極性で伝搬することが確認された。因みに、図において黒色の逆三角形で示した点における結合度は、左側から−6.734dB@1.160GHz,−3.909dB@2.060GHz,−6.649dB@2.910GHzである。
図48は、本発明の実施例11に用いる結合器の動作波形の説明図であり、ここでも、1nsec後に100psecの立ち上がり時間で振幅1Vのステップ信号を印加した場合の電磁界シミュレーション結果を示している。図48(a)に示すように、結合器40の左側に伝搬する1pは実施例10とほぼ同様であるが、1n方向に伝搬する波形は振幅が小さく位相の遅れた反転極性の信号となる。因みに、図において黒色の逆三角形で示した点における振幅は、左側から、0.4667V@1.111nsec,22.81mV@1.520nsecである。また、図において、白色の逆三角形で示した点における振幅は、左側から、−245.2mV@1.520nsec,−25.76mV@2.370nsecである。一方、図48(b)に示すように、結合器40の右側に伝搬する1p及び1nの振幅は、図48(a)における1p及び1nを反転させた信号波形になる
このように、結合器40の一対の結合電極の正極と負極とを互いに逆向きに配置して連結部49により連結させることにより、信号を左右に同じ振幅で且つ同極性で伝搬させることが可能になる。
次に、図49を参照して、本発明の実施例11の差動式の被覆電線結合式情報通信網の変形例の結合部を説明する。図49は本発明の実施例11の差動式の被覆電線結合式情報通信網の変形例の結合部の説明図であり、図49(a)は概念的構成図であり、図49(b)はシンボル図を用いた信号の伝搬状態の説明図である。また、図49(c)は結合器の斜視図である。
図49(a)に示すように、本発明の実施例11の変形例においては、結合器40において、結合器40の一対の結合電極の正極と負極とを互いに逆向きに配置して良導電体からなる連結部49により被覆電線21,21の端部が揃った位置において連結させている。また、図49(b)に示すように、この場合の信号の伝搬状態は、図44(b)に示した実施例10の場合と同様である。
図49(c)は結合器の斜視図であり結合器40は一対の半円筒状の溝42,42が形成された底板部材41と、表面に結合電極45,45が設けられた半円筒状の溝44,44が形成された上蓋部材43とを備えている。ここでは、一方の結合電極45を溝44の左半分に設け、他方の結合電極45を溝44の右半分に設け、中央部において、両者を良導電体で接続して連結部49を形成する。したがって、結合電極45,45と連結部49との間の電磁干渉を考慮する必要がなくなる。
次に、図50を参照して、本発明の実施例12の被覆電線結合式情報通信網を説明する。図50は本発明の実施例12の被覆電線結合式情報通信網の結合部のシンボル図であり、一つの差動の被覆電線21,21の対をバスとして、3つの差動対((21,21)、(21,21)、(21,21))を異なった結合箇所において電磁界結合したものである。
この場合、バスを介して各差動対の間でデータ接続が行われるが、仮に、一つの差動対に短絡50が発生しても、結合部となる電磁界結合コネクタは直流信号を流さないので、機械式のコネクタとは異なり短絡がネットワーク全体に波及することがない。したがって、自動車や航空機用のLANのように高い信頼性が要求される用途に好適である。
次に、図51乃至図53を参照して、本発明の実施例13の被覆電線結合式情報通信網を説明する。図51は本発明の実施例13の被覆電線結合式情報通信網の結合部の説明図であり、図51(a)はシンボル図であり、図51(b)は結合部における概念的断面図である。図51(a)に示すように、一つの差動の被覆電線21,21の対をバスとして、2つの差動対((21,21)、(21,21))を同じ結合箇所において電磁界結合したものである。
このような同じ個所での電磁界結合を行う場合には、例えば、図51(b)に示すように、3つの被覆電線の差動対((21,21)、(21,21)、(21,21))をかしめ金具26を用いて圧接すれば良い。
図51(b)に示すような結合状態においては、バスとなる被覆電線21,21の差動対を伝搬する同じデータを被覆電線21,21の差動対と被覆電線21,21の差動対に同報することができる。
図52は、結合器を用いた場合の説明図であり、図52(a)は結合器の斜視図であり、図52(b)は結合状態を示す概念的断面図である。図52(a)に示すように、この場合の結合器40は表面に結合電極45,45が設けられた一対の半円筒状の溝42,42が形成された底板部材41と、表面に結合電極45,45が設けられた半円筒状の溝44,44が形成された上蓋部材43とを備えている。この場合、底板部材41の結合電極45,45は被覆電線21,21に対応し、上蓋部材43に設けた結合電極45,45が被覆電線21,21に対応する。この場合も底板部材41と上蓋部材43とをヒンジ47を軸にして回転させて重ね合せることで被覆電線21,21を挿通する円筒状貫通孔48,48が形成される。
図53は本発明の実施例13の変形例の被覆電線結合式情報通信網の結合部の説明図であり、図53(a)はシンボル図であり、図53(b)は結合部における概念的断面図である。図53(a)に示すように、一つの差動の被覆電線21,21の対をバスとして、2つの差動対((21,21)、(21,21))を同じ結合箇所において電磁界結合したものである。この時、(21,21)/(21,21)/(21,21)の積層順序で積層する。
このような積層順序で電磁界結合を行う場合には、例えば、図53(b)に示すように、3つの被覆電線の差動対((21,21)、(21,21)、(21,21))を(21,21)/(21,21)/(21,21)の順序で積層したのち、かしめ金具26を用いて圧接すれば良い。
図53(b)に示すような結合状態においては、バスとなる被覆電線21,21の差動対を伝搬する同じデータを被覆電線21,21の差動対と被覆電線21,21の差動対に同報することができる。但し、この場合には、被覆電線21,21の差動対に伝達される信号は、被覆電線21,21の差動対に伝達される信号より弱くなる。
次に、図54及び図55を参照して、本発明の実施例14の被覆電線結合式情報通信網を説明するが、この実施例14は信号の伝送−復号方法に関するものである。図54は本発明の実施例14の被覆電線結合式情報通信網の結合部のシンボル図であり、被覆電線21,21の対をバスとして、2つの差動対((21,21)、(21,21))を異なった結合箇所において結合器4010,4011により電磁界結合したものである。この実施例14においては、被覆電線21,21からなる差動対に図20に示した送受信器38を接続し、被覆電線21,21からなる差動対に図20に示した送受信器38を接続している。但し、機能をわかりやすくするために、送信側の送受信器38が送信器のシンボルで示し、受信側の送受信器38は受信器のシンボルで示している。
図55は送受信波形の説明図であり、図55(a)は、送受信器38からのNRZ(ノンリターンツーゼロ)のデジタル信号波形である。図55(b)は、結合器4010の出力波形であり、デジタル信号を微分した波形になっている。図55(c)は結合器4011の出力波形であり、図55(b)の出力をさらに微分した波形になっている。図55(d)は送受信器38における受信信号の波形であり、送受信器38において、図55(c)に示すヒステリシス付しきい値を用いて結合器4011の出力波形の極性を判定してデジタル信号に復号したものである。
次に、図56及び図57を参照して、本発明の実施例15の被覆電線結合式情報通信網を説明するが、この実施例15も信号の伝送−復号方法に関するものであり、実施例14の伝送−復号方法を改良したものである。即ち、実施例14の方法の場合には、同じビット(0または1)が連続するときには送信は行われずにノイズ耐性が劣化するという問題がある。また、データ送信のリズムが一定ではないので、クロック抽出がより困難になるという問題もある。なお、結合状態は図54に示した実施例14の結合状態と同様である。
そこで、送信側では同じビットが多ビット連続しないように、8bit−10bit符号化やマンチェスタ符号化を行って送信する。受信側では、クロック抽出回路で抽出したクロック信号を用いてデータをラッチすることによりノイズ耐性を高めるようにした。
図56は、本発明の実施例15の受信側の概念的回路ブロック図であり、受信信号を増幅する増幅回路71、増幅した信号の極性を判定する判定回路72と、増幅した信号からクロックを抽出するクロック抽出回路73を設け、両方の出力をラッチ回路74に入力して受信データを復号化する。
図57は送受信波形の説明図であり、図57(a)は、送受信器38に入力されるNRZ(ノンリターンツーゼロ)のデジタル信号波形である。図57(b)は、マンチェスタ符号化した送信波形である。図57(c)は送受信器38から出力される送信信号の波形である。この送信信号が結合器4010の出力で微分された波形となり、次に結合器4011の出力で更に微分された波形となるが、それは図55(b)及び図55(c)に示したのと同様である。図57(d)は送受信器38においてクロック抽出回路で抽出したクロック波形である。図57(e)はクロック波形を用いてマンチェスタ符号化された受信信号を復号化した受信データ波形である。
図57に示すように、送信信号をマンチェスタ符号化するともに、受信した信号からクロックを抽出して復号化しているので、同じビットが連続してもノイズの影響を受けずに復号化することが可能になる。
次に、図58及び図59を参照して、本発明の実施例16の被覆電線結合式情報通信網を説明するが、この実施例16も信号の伝送−復号方法に関するものであり、実施例14或いは実施例15の伝送−復号方法を改良したものである。即ち、実施例14或いは実施例15の方法の場合には、データ転送速度が遅い場合、つまり、次のデータを送信するまでの時間が長い場合には、送信電流が流れたままの状態となり、データ転送速度が遅いのにもかかわらず送信電力は一定になり、低消費電力化が困難になる。
そこで、実施例16においては、送信波形を短パルスにすることで送信電流が流れる時間をデータ転送速度と無関係に短く一定にする。次のデータを転送するまでの間は送信電流が流れないので、データ転送速度が遅ければそれに比例して送信電力を低減することができる。
図58は本発明の実施例16に用いる受信回路の説明図であり、二つの比較回路によって判定回路を構成している。図59とともに後述するように、短パルスを本発明の結合器に送信と受信のために2回通すと、信号波形が2階微分されて、図59(c)に示すような双極パルス信号になる。この双極パルス信号を受信するため、しきい値+ΔVと−ΔVとを設定した2つの比較器を備えた受信回路が必要になる。なお、結合状態は図54に示した実施例14の結合状態と同様である。
図59は送受信波形の説明図であり、図59(a)は、送受信器38からのデジタル信号に応じた極性のパルス信号波形である。図59(b)は、結合器4010の出力波形であり、パルス波形を微分した波形になっている。図59(c)は被覆電線21,21に誘起された双極パルス信号波形である。図59(d)は図59(c)に示す双極パルス信号波形を2つの比較器に設定したしきい値+ΔVと−ΔVと比較してその極性を判定して元のデジタル信号に復号したものである。
次に、図60を参照して、本発明の実施例17の被覆電線結合式情報通信網を説明する。図60は本発明の実施例17の被覆電線結合式情報通信網の説明図であり、図60(a)は結合状態を示すシンボル図であり、図60(b)及び図60(c)は受信信号の説明図である。図60(a)に示すように、送信側の結合器を結合電極の右側を連結した結合器4012,4014を用いる。したがって、右側に接続した被覆電線21,21からなる差動対から左側へ伝搬される差動信号波形は図60(b)に示した波形になる。一方、被覆電線21,21からなる差動対から右側に伝搬される差動信号波形は図60(c)に示すように、図60(b)の差動信号波形を反転させて強度を1/2とした波形になる。
したがって、図60(a)に示すように、被覆電線21,21からなる差動対に接続した送受信器38が右側の差動対に接続した送受信器38からの101100のパルス信号を受信した場合には、極性を反転して受信するので、010011の反転したパルス信号として受信する。一方、被覆電線21,21からなる差動対に接続した送受信器38が101100のパルス信号を送信した場合には、右側に伝搬する信号は結合器4012により極性が反転するので、010011のパルス信号となる。しかし、送受信器38は左からの信号は反転せずに受信するので、受信した信号は010011の反転したパルス信号のままとなり、いずれの場合も送受信器38は反転したパルス信号を受信することになる。
そこで、予めテスト信号を用いて通信することで、反転信号か否かを受信器として機能する送受信器38に記憶させて、反転信号を受信した場合には、その反転信号をさらに反転させて正規の信号極性に戻すようにする。この場合、各結合器の連結端がどちらであっても、結合器の向きや接続順番を変えない限り極性は変わらないので、一度極性判定を行えば、以後は正しくデータを受信できることになる。
,1,1,1 電線
,2,2,2 中心導体
,3,3,3 絶縁物
4 結合部
5 被覆絶縁膜
6 テープ
7 かしめ部材
10 結合器
11 底板部材
12,12
13 上蓋部材
14,14
15〜15 結合電極
16〜16 円筒状貫通孔
17 ヒンジ
18 中央筐体
19,19 側部筐体
21〜21 被覆電線
22,22,22〜22 中心導体
23,23 絶縁体
24,24 保護被膜
25 テープ
26 かしめ金具
27 結合部
28,28〜28 結合電極
29 終端抵抗
30 結合器
31 底板部材
32 溝
33 上蓋部材
34 溝
35 結合電極
36 円筒状貫通孔
37 ヒンジ
38〜38 送受信器
40〜4014 結合器
41〜41 底板部材
42,42
43〜43 上蓋部材
44,44
45〜45 結合電極
46 終端抵抗
47 ヒンジ
48〜48 円筒状貫通孔
49 連結部
50 短絡
60 接続配線
71 増幅回路
72 判定回路
73 クロック抽出回路
74 ラッチ回路
80 メモリモジュール
81 基板
82 メモリ素子
83 接続端子
90 DIMMコネクタ
91 筐体
92 バネ部材
93 留め金
100 回路基板
111,112 バス
113〜118 配線
119 短絡

Claims (36)

  1. 絶縁物で被覆された円筒状の内部導体を備えた第1の電線と、
    絶縁物で被覆された内部導体を備えた第2の電線と
    を有し、
    前記第1の電線の電磁界結合部と前記第2の電線の電磁界結合部が近接配置されて、電磁界結合により前記第1の電線と前記第2の電線との間でデータ接続を行い、
    前記第2の電線は、前記電磁界結合部において、前記内部導体が前記絶縁物に被覆されていない電磁界結合電極を有し、
    前記電磁界結合電極は前記第1の電線の内部導体の周囲を見込み角で90°以上囲っていることを特徴とする被覆電線結合式情報通信網。
  2. 前記電磁界結合電極は、前記第1の電線を被覆する絶縁物の外周を覆うように、前記外周に直接接していることを特徴とする請求項に記載の被覆電線結合式情報通信網。
  3. 前記電磁界結合電極は、前記第1の電線を挿通する円筒状貫通孔を備えた結合器の前記円筒状貫通孔の内壁に設けられた導体層により構成されることを特徴とする請求項に記載の被覆電線結合式情報通信網。
  4. 前記第2の電線の電磁界結合電極が整合終端していることを特徴とする請求項乃至請求項のいずれか1項に記載の被覆電線結合式情報通信網。
  5. 前記第2の電線の電磁界結合電極が開放終端していることを特徴とする請求項1乃至請求3のいずれか1項に記載の被覆電線結合式情報通信網。
  6. 前記第1の電線は該第1の電線と差動対を形成する前記第1の電線と同じ構造の第3の電線を有するとともに、前記第2の電線は該第2の電線と差動対を形成する前記第2の電線と同じ構造の第4の電線を有し、
    前記第3の電線と前記第4の電線が前記電磁界結合部と平行に位置する第2の電磁界結合部において電磁界結合していることを特徴とする請求項乃至請求項のいずれか1項に記載の被覆電線結合式情報通信網。
  7. 前記第2の電線の電磁界結合電極と前記第4の電線の電磁界結合電極が終端抵抗により整合終端していることを特徴とする請求項6に記載の被覆電線結合式情報通信網。
  8. 前記第2の電線の電磁界結合電極と前記第4の電線の電磁界結合電極が、平行に配列する配列方向の同じ側で前記終端抵抗により整合終端していることを特徴とする請求項7に記載の被覆電線結合式情報通信網。
  9. 前記第2の電線の電磁界結合電極と前記第4の電線の電磁界結合電極が、平行に配列する配列方向の互いに反対側で前記終端抵抗により整合終端していることを特徴とする請求項7に記載の被覆電線結合式情報通信網。
  10. 前記第1の電線及び前記第3の電線をそれぞれ挿通する一対の平行な円筒状貫通孔と、前記一対の円筒状貫通孔の内壁に設けられた導体層からなる第2の電線の電磁界結合電極と前記第4の電線の電磁界結合電極との一対の電磁界結合電極を備えた結合器に、前記一対の電磁界結合電極の一端を接続する導電体を形成して前記終端抵抗としたことを特徴とする請求項7乃至請求項9のいずれか1項に記載の被覆電線結合式情報通信網。
  11. 前記第2の電線の電磁界結合電極と前記第4の電線の電磁界結合電極との一対の電磁界結合電極の両端にそれぞれ送受信器を接続し、伝搬方向の下流側に接続された前記送受信器に設けられている抵抗を前記終端抵抗としたことを特徴とする請求項7乃至請求項9のいずれか1項に記載の被覆電線結合式情報通信網。
  12. 前記第2の電線の電磁界結合電極と前記第4の電線の電磁界結合電極が開放終端していることを特徴とする請求項に記載の被覆電線結合式情報通信網。
  13. 前記第2の電線の電磁界結合電極と前記第4の電線の電磁界結合電極が、平行に配列する配列方向の同じ側で開放終端していることを特徴とする請求項12に記載の被覆電線結合式情報通信網。
  14. 前記第2の電線の電磁界結合電極と前記第4の電線の電磁界結合電極が、平行に配列する配列方向の互いに反対側で開放終端していることを特徴とする請求項12に記載の被覆電線結合式情報通信網。
  15. 前記第2の電線の電磁界結合電極と前記第4の電線の電磁界結合電極が抵抗を介さずに連結していることを特徴とする請求項に記載の被覆電線結合式情報通信網。
  16. 前記第2の電線の電磁界結合電極と前記第4の電線の電磁界結合電極が、平行に配列する配列方向の同じ側で連結していることを特徴とする請求項15に記載の被覆電線結合式情報通信網。
  17. 前記第2の電線の電磁界結合電極と前記第4の電線の電磁界結合電極が、平行に配列する配列方向の互いに反対側で結合していることを特徴とする請求項15に記載の被覆電線結合式情報通信網。
  18. 前記第1の電線及び前記第3の電線をそれぞれ挿通する一対の平行な円筒状貫通孔と、 前記一対の円筒状貫通孔の内壁に設けられた導体層からなる一対の電磁界結合電極を備えた結合器に、前記一対の電磁界結合電極の一端を接続する良導電体を形成して連結部としたことを特徴とする請求項15乃至請求項17のいずれか1項に記載の被覆電線結合式情報通信網。
  19. 前記電磁界結合部及び前記第2の電磁界結合部と異なる位置において、前記第1の電線と前記第3の電線からなる差動対に対して、第5の電線と第6の電線からなる差動対を電磁界結合させたことを特徴とする請求項乃至請求項18のいずれか1項に記載の被覆電線結合式情報通信網。
  20. 前記電磁界結合部及び前記第2の電磁界結合部と電磁界結合できる位置において、前記第1の電線と前記第3の電線からなる差動対に対して、第5の電線と第6の電線からなる差動対を電磁界結合させたことを特徴とする請求項乃至請求項18のいずれか1項に記載の被覆電線結合式情報通信網。
  21. 前記第2の電線及び前記第4の電線からなる差動対にデジタル信号を送信する送信手段を有するとともに、
    前記第1の電線及び前記第3の電線からなる差動対に誘起されたパルス信号の極性を判定して前記デジタル信号を復号する復号化手段を有することを特徴とする請求項19または請求項20に記載の被覆電線結合式情報通信網。
  22. 前記第2の電線及び前記第4の電線からなる差動対にデジタル信号に応じた極性のパルス信号を送信する送信手段を有するとともに、
    前記第1の電線及び前記第3の電線からなる差動対に誘起された双極パルス信号の極性を判定して前記デジタル信号を復号する復号化手段を有することを特徴とする請求項19または請求項20に記載の被覆電線結合式情報通信網。
  23. 前記第1の電線及び前記第3の電線からなる差動対に電磁界結合している差動対にテスト信号を送信するテスト信号送信手段を有するとともに、
    前記第1の電線及び前記第3の電線からなる差動対に電磁界結合している他の差動対で受信した信号極性を正規の極性に戻す極性調整手段を有することを特徴とする請求項19または請求項20に記載の被覆電線結合式情報通信網。
  24. 絶縁物で被覆された円筒状の内部導体を備えた第1の電線を挿通する第1の円筒状貫通孔と、
    前記第1の円筒状貫通孔の内壁に設けられた導電層からなり絶縁物で被覆された内部導体を備えた第2の電線の前記内部導体と接続される第1の電磁界結合電極と
    を有することを特徴とする電磁界結合器。
  25. 前記第1の電線と差動対を形成する前記第1の電線と同じ構造の第3の電線を挿通する第2の円筒状貫通孔を有するとともに、
    前記第2の円筒状貫通孔の内壁に設けられた導電層からなり前記第2の電線と差動対を形成する前記第2の電線と同じ構造の第4の電線の前記内部導体と接続される第2の電磁界結合電極を有することを特徴とする請求項24に記載の電磁界結合器。
  26. 前記第1の電磁界結合電極と前記第2の電磁界結合電極の一端が、終端抵抗によって終端接続されていることを特徴とする請求項25に記載の電磁界結合器。
  27. 前記終端抵抗が、前記第1の電磁界結合電極と前記第2の電磁界結合電極の延在方向の同じ側で前記第1の電磁界結合電極と前記第2の電磁界結合電極に接続されていることを特徴とする請求項26に記載の電磁界結合器。
  28. 前記終端抵抗が、前記第1の電磁界結合電極と前記第2の電磁界結合電極の延在方向の互いに反対側で前記第1の電磁界結合電極と前記第2の電磁界結合電極に接続されていることを特徴とする請求項26に記載の電磁界結合器。
  29. 前記第1の電磁界結合電極が前記第1の円筒状貫通孔の内部の前記第1の円筒状貫通孔の延在方向の一方の側に設けられ、且つ、前記第2の電磁界結合電極が前記第2の円筒状貫通孔の内部の前記第1の電磁界結合電極から離れる側に設けられることを特徴とする請求項28に記載の電磁界結合器。
  30. 前記第1の電磁界結合電極と前記第2の電磁界結合電極の一端が、良導電体により連結していることを特徴とする請求項25に記載の電磁界結合器。
  31. 前記良導電体が、前記第1の電磁界結合電極と前記第2の電磁界結合電極の延在方向の同じ側で前記第1の電磁界結合電極と前記第2の電磁界結合電極に接続されていることを特徴とする請求項30に記載の電磁界結合器。
  32. 前記良導電体が、前記第1の電磁界結合電極と前記第2の電磁界結合電極の延在方向の互いに反対側で前記第1の電磁界結合電極と前記第2の電磁界結合電極に接続されていることを特徴とする請求項30に記載の電磁界結合器。
  33. 前記第1の電磁界結合電極が前記第1の円筒状貫通孔の内部の前記第1の円筒状貫通孔の延在方向の一方の側に設けられ、且つ、前記第2の電磁界結合電極が前記第2の円筒状貫通孔の内部の前記第1の電磁界結合電極から離れる側に設けられることを特徴とする請求項32に記載の電磁界結合器。
  34. 前記第1の電磁界結合電極と前記第2の電磁界結合電極の一端が、開放終端していることを特徴とする請求項25に記載の電磁界結合器。
  35. 前記第1の電磁界結合電極と前記第2の電線の内部導体の接続箇所と、前記第2の電磁界結合電極と前記第4の電線の内部導体の接続箇所が、前記第1の電磁界結合電極と前記第2の電磁界結合電極の延在方向の同じ側であることを特徴とする請求項34に記載の電磁界結合器。
  36. 前記第1の電磁界結合電極と前記第2の電線の内部導体の接続箇所と、前記第2の電磁界結合電極と前記第4の電線の内部導体の接続箇所が、前記第1の電磁界結合電極と前記第2の電磁界結合電極の延在方向に対して互いに反対側であることを特徴とする請求項34に記載の電磁界結合器。
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