JP6181429B2 - 圧縮機 - Google Patents
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Description
この圧縮機では、ハウジング(シリンダブロック)の外周面から突設された筒状の突壁の開口端面に、カバー部材が当接面において当接することにより、外周面、突壁、及びカバー部材でマフラ室が画定されている。マフラ室は、圧縮機の作動流体である冷媒の吐出通路が開口され、吐出室で生じた冷媒の圧力脈動を減衰する。
一方、圧縮機には、ハウジングの外周面にエンジンやエンジン側の部材であるフレーム等(被取付部材)に対する取り付け部がハウジングと一体に3〜4個程度形成され、取り付け部にはボルト孔が形成され、ボルト孔にボルトを挿通して被取付部材に締結することにより圧縮機が固定される。
しかしながら、カバー部材は、突壁に対する当接面が取付面に直交する一方、配管に対する接続端面及び吐出ポートの内周面が取付面と傾斜して形成されるため、取付面を基準としたときのカバー部材の加工面が複数の加工角度で存在することとなる。したがって、カバー部材に切削加工等を行う場合の加工行程が煩雑になり易く、加工誤差を生じ易い。
請求項4記載の発明では、カバー部材は、その外周面に装着されたリリーフ弁と、リリーフ弁と吐出通路の逆止弁の下流側とを連通する放圧通路とを有し、放圧通路の内周面は、当接面及び接続端面と平行である。
しかも、接続ポートの内周面が突壁に対するカバー部材の当接面と配管に対するカバー部材の接続端面とに直交することにより、当接面と接続端面とが平行となって、カバー部材におけるこれらの面の加工方向を同一方向に統一することができる。
請求項2記載の発明によれば、接続ポートは、マフラ室の狭小領域側に開口されることにより、マフラ室に吐出された作動流体は、拡大領域において圧力脈動が減衰された後、より狭い狭小領域において整流された後に吐出ポートから外部回路に吐出される。したがって、ハウジングひいては圧縮機の生産コストを低減しながら、マフラ室の性能をさらに高めることができる。
図1に示す可変容量圧縮機100は、車両用エアコンシステムに使用されるクラッチレス圧縮機であって、複数のシリンダボア101aを備えたシリンダブロック101と、シリンダブロック101の一端に設けられたフロントハウジング102と、シリンダブロック101の他端にバルブプレート103を介して設けられたシリンダヘッド104とを備えている。
リンク機構120は、ロータ112から突設された第1アーム112aと、斜板111から突設された第2アーム111aと、一端側が第1連結ピン122を介して第1アーム112aに対して回動自在に連結され、他端側が第2連結ピン123を介して第2アーム111aに対して回動自在に連結されたリンクアーム121とから構成されている。
詳しくは、斜板111が駆動軸110に対して直交するときの斜板111の傾角を0°とした場合、貫通孔111bの最小傾角規制部は斜板111の傾角がほぼ0°となるように形成されている。また、貫通孔111bの最大傾角規制部は斜板111の傾角がほぼ20°となるように形成されている。
駆動軸110とボス部102aとの間には軸封装置130が挿入され、軸封装置130はフロントハウジング102の内外を遮断している。駆動軸110は、そのラジアル方向において、軸受131を介してフロントハウジング102に支持され、軸受132を介してシリンダブロック101に支持されている。また、駆動軸110は、そのスラスト方向において、軸受133を介してフロントハウジング102に支持され、スラストプレート134を介してシリンダブロック101に支持されており、外部駆動源からの動力が動力伝達装置150に伝達され、駆動軸110は動力伝達装置150の回転と同期して回転可能となっている。なお、駆動軸110とスラストプレート134との隙間は調整ネジ135により所定の隙間に調整されている。
図2に示すように、シリンダブロック101にはマフラ室143が設けられている。マフラ室143は、シリンダブロック101の外周面101fと、外周面101fから径方向外側に向けて突設された筒状の突壁101bと、突壁101bの開口端面101eに当接される当接面106dを有したカバー部材106とで画定されている。なお、突壁101bの中心は開口端面101eと直交し、突壁101bはシリンダブロック101の鋳造により形成されるため、突壁101bの内外壁面は鋳造時の抜き勾配により僅かに傾斜している。
逆止弁200は、マフラ室143と吐出ポート106aとの間に形成された収容室106bに配設され、逆止弁200の吐出通路151上流側にあるマフラ室143と、逆止弁200の吐出通路151下流側にある吐出ポート106aとの圧力差に応答して動作し、圧力差が所定値より小さい場合は吐出通路を遮断し、圧力差が所定値より大きい場合吐出通路を開放する。
シリンダヘッド104にはさらに制御弁300が設けられている。制御弁300は吐出室142と制御圧室としてのクランク室140とを連通する圧力供給通路145の開度を調整し、クランク室140への吐出ガス導入量を制御する。また、クランク室140内の冷媒は、連通路101c、空間101d、バルブプレート103に形成されたオリフィス103cを経由する放圧通路146を介して吸入室141へ流れる。したがって、制御弁300の開閉によりクランク室140の圧力を変化させることができる。
図3に示すように、取り付け部102b、102c、104bには、圧縮機100を被取付部材に締結するためのボルトが挿通されるボルト孔102b1、102c1、104b1が貫通されている。
また、突壁101bの内周面214は吐出ポート106aの内周面211と略平行であって、マフラ室143を区画するカバー部材106の天壁106eは当接面106dと略平行な面となっている。
また、本実施形態の場合には、リリーフ弁220の放圧口が形成される外方端は、取付面210を垂直としたとき斜め下方に向いている。
しかも、吐出ポート106aの内周面211が突壁101に対するカバー部材106の当接面106dと配管に対するカバー部材106の接続端面106cとに直交することにより、当接面106dと接続端面106cとが略平行となって、カバー部材106におけるこれらの面106d、106cの加工方向を同一方向に統一することができる。
さらには、収容室106bの一部がその径方向において吐出ポート106aとオーバーラップして吐出ポート106aに直接連通していることにより、収容室106bと吐出ポート106aとを連通する連通路が不要となるので、カバー部材106の加工をさらに簡素化可能である。
以上で本発明の一実施形態についての説明を終えるが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更ができるものである。
また、マフラ室143はシリンダブロック101に形成されているが、他のハウジング部材(フロントハウジング102やシリンダヘッド104)に形成しても良い。ただし、マフラ室143を取り付け部102b、102c、104b等の被取付部材に対する取り付け部材が形成されるハウジング部材と異なる部材に形成することにより、取付面210と突壁101bとは異なるハウジング部材に形成されるため、マフラ室143が形成されるハウジング部材の加工性が取付面210の形成が必要となることに伴い悪化することを回避することができる。したがって、マフラ室143が形成されるハウジング部材の加工行程の簡素化、及び加工誤差の抑制をより一層促進することができる。
また、圧縮機100は可変容量圧縮機であるが、これに限らず、本発明は他の種々の圧縮機に適用可能である。
101 シリンダブロック(ハウジング、ハウジング部材)
101b 突壁
101f シリンダブロックの外周面(ハウジングの外周面)
102 フロントハウジング(ハウジング、ハウジング部材)
104 シリンダヘッド(ハウジング、ハウジング部材)
106 カバー部材
106a 吐出ポート(接続ポート)
106b 収容室
106c 接続端面
106d 当接面
106f 放圧通路
106g カバー部材の外周面
142 吐出室
143 マフラ室
143a 拡大領域
143b 狭小領域
144 連通路
151 吐出通路
200 逆止弁
210 取付面
211 吐出ポートの内周面(接続ポートの内周面)
215 収容室の内周面
216 放圧通路の内周面
220 リリーフ弁
Claims (5)
- 被取付部材に対する取付面を有するハウジングと、
前記ハウジングの外周面から突設され、作動流体の連通路が開口された筒状の突壁と、
前記突壁が当接される当接面、作動流体の外部回路の配管が接続される接続端面、及び、前記接続端面において貫通された接続ポートを有するカバー部材と、
前記外周面、前記突壁、及び前記カバー部材で画定されたマフラ室と
を備え、
前記接続ポートの内周面は、前記取付面と所定の傾斜角を有するとともに、前記当接面及び前記接続端面と直交し、
前記接続ポートは作動流体の吐出ポートであって、前記連通路は作動流体の吐出室から前記マフラ室を介して前記吐出ポートに至る作動流体の吐出通路を構成し、
前記マフラ室は、前記接続ポートの前記内周面が前記取付面と前記傾斜角を有することにより、その空間に拡大領域と狭小領域とを形成し、
前記連通路は、前記マフラ室の前記拡大領域側に開口されることを特徴とする圧縮機。 - 前記接続ポートは、前記マフラ室の前記狭小領域側に連通されることを特徴とする請求項1に記載の圧縮機。
- 前記カバー部材は、前記吐出ポートと前記マフラ室との間の前記吐出通路に配された逆止弁と、前記吐出通路において前記逆止弁を収容する収容室とを有し、
前記収容室の内周面は、前記接続ポートの前記内周面と平行であることを特徴とする請求項2に記載の圧縮機。 - 前記カバー部材は、その外周面に装着されたリリーフ弁と、前記リリーフ弁と前記吐出通路の前記逆止弁の下流側とを連通する放圧通路とを有し、
前記放圧通路の内周面は、前記当接面及び前記接続端面と平行であることを特徴とする請求項3に記載の圧縮機。 - 前記ハウジングは複数のハウジング部材から構成され、
前記取付面と前記突壁とは異なる前記ハウジング部材に形成されることを特徴とする請求項1に記載の圧縮機。
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