JP6180995B2 - 制汗剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、制汗剤組成物に関する。
従来、クロルヒドロキシアルミニウムと特定のアニオン性ポリマーとを含有し、皮膚上に皮膜を形成することで、制汗効果及び制汗効果の持続性に優れる化粧品組成物が提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。しかし、これらの提案は、アニオン性ポリマーとして、アクリル酸系アニオン性ポリマーを含有するため、使用時に肌がべたつき、肌のつっぱり感のなさに劣り、また、運動などにより皮膚が伸縮されると、皮膚上に形成された皮膜が壊れ、制汗効果の持続性が不十分となるという課題がある。
したがって、皮膚上で形成された皮膜が、運動などにより皮膚が伸縮しても壊れにくく、使用時に肌がべたつかず、肌のつっぱり感がなく、制汗効果、及び制汗効果の持続性に優れる制汗剤組成物の提供が望まれている。
特開2009−536949号公報 国際公開第2013/081855号パンフレット
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、皮膚上で形成された皮膜が、運動などにより皮膚が伸縮しても壊れにくく、使用時に肌がべたつかず、肌のつっぱり感がなく、制汗効果、及び制汗効果の持続性に優れる制汗剤組成物を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため本発明者が鋭意検討を重ねた結果、(A)所定の制汗成分と、(B)ポリウレタン樹脂0.10質量%〜0.9質量%と、(C)エタノールと、を含有してなり、前記(A)成分の含有量(質量%)と、前記(B)成分の含有量(質量%)との質量比(A/B)が、10〜100である制汗剤組成物が、これらの相乗効果によって、皮膚上で形成された皮膜が、運動などにより皮膚が伸縮しても壊れにくく、使用時に肌がべたつかず、肌のつっぱり感がなく、制汗効果、及び制汗効果の持続性に優れることを知見した。
本発明は、本発明者による前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。
<1> (A)アルミニウム化合物、ジルコニウム化合物、及びこれらの錯体から選択される少なくとも1種の制汗成分と、
(B)ポリウレタン樹脂0.10質量%〜0.9質量%と、
(C)エタノールと、を含有してなり、
前記(A)制汗成分の含有量(質量%)と、前記(B)ポリウレタン樹脂の含有量(質量%)との質量比(A/B)が、10〜100であることを特徴とする制汗剤組成物である。
<2> (A)制汗成分が、クロルヒドロキシアルミニウムである前記<1>に記載の制汗剤組成物である。
<3> (B)ポリウレタン樹脂が、ポリウレタン−1、及びポリウレタン−14から選択される少なくとも1種である前記<1>から<2>のいずれかに記載の制汗剤組成物である。
<4> (A)制汗成分の含有量が7質量%〜20質量%であり、
(B)ポリウレタン樹脂の含有量が0.10質量%〜0.7質量%であり、
(C)エタノールの含有量が58質量%〜70質量%である前記<1>から<3>のいずれかに記載の制汗剤組成物である。
<5> ロールオンタイプ、ジェルタイプ、ローションタイプ、及びミストタイプから選択されるいずれかである前記<1>から<4>のいずれかに記載の制汗剤組成物である。
本発明によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、皮膚上で形成された皮膜が、運動などにより皮膚が伸縮しても壊れにくく、使用時に肌がべたつかず、肌のつっぱり感がなく、制汗効果、及び制汗効果の持続性に優れる制汗剤組成物を提供することができる。
(制汗剤組成物)
本発明の制汗剤組成物は、(A)所定の制汗成分、(B)ポリウレタン樹脂、及び(C)エタノールを含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
<(A)制汗成分>
前記(A)成分の制汗成分は、制汗効果、制汗効果の持続性、及び肌のつっぱり感のなさを向上させるために含有されている。
前記(A)成分の制汗成分としては、例えば、アルミニウム化合物、ジルコニウム化合物、これらの錯体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、制汗効果、及び制汗効果の持続性の点から、アルミニウム化合物、アルミニウム化合物の錯体が好ましく、アルミニウム化合物がより好ましい。
前記アルミニウム化合物としては、例えば、アルミニウム塩などが挙げられる。
前記アルミニウム塩としては、例えば、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸アルミニウムカリウム、酢酸アルミニウム、クロルヒドロキシアルミニウム、ブロモヒドロキシアルミニウム、アラントインクロルヒドロキシアルミニウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、制汗効果、及び制汗効果の持続性の点から、硫酸アルミニウムカリウム、クロルヒドロキシアルミニウムが好ましく、クロルヒドロキシアルミニウムがより好ましい。
前記ジルコニウム化合物としては、例えば、塩化ジルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、炭酸ジルコニウムアンモニウム、炭酸ジルコニウムカリウム、硫酸ジルコニルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記これらの錯体としては、例えば、アルミニウム化合物とグリシンとの錯体、アルミニウム化合物とプロピレングリコールとの錯体、アルミニウム化合物及びジルコニウム化合物の混合物とグリシンとの錯体などが挙げられる。
前記アルミニウム化合物とグリシンとの錯体としては、例えば、塩化アルミニウム・グリシン錯体、硫酸アルミニウム・グリシン錯体、硫酸アルミニウムカリウム・グリシン錯体、酢酸アルミニウム・グリシン錯体、クロルヒドロキシアルミニウム・グリシン錯体、ブロモヒドロキシアルミニウム・グリシン錯体、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム・グリシン錯体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記アルミニウム化合物とプロピレングリコールとの錯体としては、例えば、塩化アルミニウム・プロピレングリコール錯体、硫酸アルミニウム・プロピレングリコール錯体、硫酸アルミニウムカリウム・プロピレングリコール錯体、酢酸アルミニウム・プロピレングリコール錯体、クロルヒドロキシアルミニウム・プロピレングリコール錯体、ブロモヒドロキシアルミニウム・プロピレングリコール錯体、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム・プロピレングリコール錯体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、制汗効果、及び制汗効果の持続性の点から、クロルヒドロキシアルミニウム・プロピレングリコール錯体が好ましい。
前記アルミニウム化合物及びジルコニウム化合物の混合物とグリシンとの錯体としては、例えば、塩化アルミニウム/ジルコニウム・グリシン錯体、硫酸アルミニウム/ジルコニウム・グリシン錯体、硫酸アルミニウムカリウム/ジルコニウム・グリシン錯体、酢酸アルミニウム/ジルコニウム・グリシン錯体、クロルヒドロキシアルミニウム/ジルコニウム・グリシン錯体、ブロモヒドロキシアルミニウム/ジルコニウム・グリシン錯体、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム/ジルコニウム・グリシン錯体が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記(A)成分の制汗成分の含有量としては、制汗効果、制汗効果の持続性、及び肌のつっぱり感のなさの点から、制汗剤組成物全量に対して、5質量%〜20質量%が好ましく、7質量%〜20質量%がより好ましく、7質量%〜15質量%が特に好ましい。前記含有量が、5質量%未満であると、制汗効果、及び制汗効果の持続性が不十分となることがあり、20質量%を超えると、肌のつっぱり感のなさが不十分となることがある。
<(B)ポリウレタン樹脂>
前記(B)成分のポリウレタン樹脂は、前記(A)成分の制汗成分との相互作用によって、皮膚上で形成された皮膜の柔軟性を高め、制汗効果の持続性、肌のつっぱり感のなさ、及び使用時の肌のべたつきのなさを向上させるために含有されている。
前記(B)成分のポリウレタン樹脂としては、例えば、カルボン酸と、ポリオール化合物と、イソシアネート化合物と、更に必要に応じてその他の成分とを反応して得られるウレタン共重合体などが挙げられる。
前記(B)成分のポリウレタン樹脂としては、例えば、ポリウレタン−1、ポリウレタン−2、ポリウレタン−10、ポリウレタン−11、ポリウレタン−14、ポリウレタン−15、ポリウレタン−34などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、制汗効果の持続性の点から、ポリウレタン−1、ポリウレタン−14が好ましく、ポリウレタン−14がより好ましい。なお、前記ポリウレタン−1、前記ポリウレタン−2、前記ポリウレタン−10、前記ポリウレタン−11、前記ポリウレタン−14、前記ポリウレタン−15、及び前記ポリウレタン−34は、日本化粧品工業連合会が定める成分表示名称である。
前記ポリウレタン−1は、イソフタル酸、アジピン酸、へキシレングリコール、ネオペンチルグリコール、及びジメチロールプロピオン酸を反応させてプレポリマーを合成し、このプレポリマーと、イソホロンジイソシアネートとを反応させることにより合成することができる。
前記ポリウレタン−1としては、イソフタル酸に由来する構造単位、アジピン酸に由来する構造単位、へキシレングリコールに由来する構造単位、ネオペンチルグリコールに由来する構造単位、ジメチロールプロピオン酸に由来する構造単位、及びイソホロンジイソシアネートに由来する構造単位を少なくとも含むウレタン共重合体である。前記各構造単位のモル比については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記ポリウレタン−2は、ヘキシレングリコール、ネオペンチルグリコール、アジピン酸、飽和メチレンジイソシアン酸ジフェニル、及びジメチロールプロピオン酸を反応させることにより合成することができる。
前記ポリウレタン−10は、ジイソシアン酸イソホロン、シクロヘキサンジメタノール、ジメチロールブタン酸、ポリアルキレングリコール、及びN−メチルジエタノールアミンを反応させることにより合成することができる。
前記ポリウレタン−11は、アジピン酸、1,4−ブタンジオール、イソフタル酸、メチレンビス−(4−シクロヘキシルイソシアナート)、ネオペンチルグリコール、及びトリメチロールプロパンを反応させることにより合成することができる。
前記ポリウレタン−14は、ジメチロールプロピオン酸と、酸化エチレン及び酸化プロピレンで変性された4,4’−イソプロピリデンジフェノールとを反応させて反応物を得た後、得られた反応物と、イソホロンジイソシアネートとを反応させることにより合成することができる。なお、前記酸化エチレンのエチレンオキシドの平均付加モル数は17であり、前記酸化プロピレンのプロピレンオキシドの平均付加モル数は3である。
前記ポリウレタン−14としては、ジメチロールプロピオン酸に由来する構造単位、酸化エチレン及び酸化プロピレンで変性された4,4’−イソプロピリデンジフェノールに由来する構造単位、及びイソホロンジイソシアネートに由来する構造単位を少なくとも含むウレタン共重合体である。前記各構造単位のモル比については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記ポリウレタン−15は、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、アジピン酸、トリエチレングリコール、及びジメチロールプロパン酸を反応させることにより合成することができる。
前記ポリウレタン−34は、アジピン酸、1,6−ヘキサンジオール、及びネオペンチレングリコールを反応させてプレポリマーを得た後、得られたプレポリマーと、ヘキサメチレンジイソシアネートとを反応させ、得られた反応物にN−(2−アミノエチル)−3−アミノエタンスルホン酸、及びエチレンジアミンを反応させることにより合成することができる。
前記ポリウレタン−34としては、アジピン酸に由来する構造単位、1,6−ヘキサンジオールに由来する構造単位、ネオペンチレングリコールに由来する構造単位、ヘキサメチレンジイソシアネートに由来する構造単位、及びN−(2−アミノエチル)−3−アミノエタンスルホン酸に由来する構造単位を少なくとも含むウレタン共重合体である。前記各構造単位のモル比については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記(B)成分のポリウレタン樹脂としては、市販品を用いることができ、前記市販品としては、例えば、ポリウレタン−1(商品名:「DynamX」(30質量%エタノール溶液、アクゾノーベル社製));ポリウレタン−14(商品名:「ルビセットP.U.R.」(30質量%エタノール溶液、BASF社製));ポリウレタン−34(商品名:「バイキュサンC1001」(32質量%エタノール溶液))、ポリウレタン−34(商品名:「バイキュサンC1000」(40質量%エタノール溶液))、(以上、バイエルマテリアルサイエンス社製)などが挙げられる。
前記(B)成分のポリウレタン樹脂の含有量としては、制汗効果の持続性、肌のつっぱり感のなさ、及び使用時の肌のべたつきのなさの点から、制汗剤組成物全量に対して、0.10質量%〜0.9質量%であり、0.10質量%〜0.7質量%が好ましく、0.3質量%〜0.7質量%がより好ましい。前記含有量が、0.10質量%未満であると、制汗効果の持続性が不十分となることがあり、0.9質量%を超えると、肌のつっぱり感のなさ、及び使用時の肌のべたつきのなさが不十分となることがある。
<質量比(A/B)>
前記(A)成分のアルミニウム化合物、ジルコニウム化合物、及びこれらの錯体から選択される少なくとも1種の制汗成分の含有量(質量%)と、前記(B)成分のポリウレタン樹脂の含有量(質量%)との質量比(A/B)としては、制汗効果の持続性、及び使用時の肌のべたつきのなさの点から、10〜100であり、12〜45が好ましい。前記質量比(A/B)が、10未満であると、又は100を超えると、制汗効果の持続性、及び使用時の肌のべたつきのなさが不十分となることがある。
<(C)エタノール>
前記(C)成分のエタノールは、制汗効果の持続性、及び使用時の肌のべたつきのなさを向上させるために含有されている。
前記(C)成分のエタノールとしては、例えば、無水エタノール、95体積%エタノール(規格値95体積%〜95.5体積%)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記(C)成分のエタノールの含有量としては、制汗効果の持続性、及び使用時の肌のべたつきのなさの点から、制汗剤組成物全量に対して、無水エタノール換算で、20質量%〜75質量%が好ましく、58質量%〜70質量%がより好ましい。前記エタノールの含有量が、20質量%未満であると、制汗効果の持続性、及び使用時の肌のべたつきのなさが不十分となることがあり、75質量%を超えると、制汗効果の持続性が不十分となることがあり、敏感肌では皮膚刺激を生じることがある。
前記(C)成分のエタノールの含有量としては、その他の成分として植物エキスなどを含有した場合、これらの成分から持ち込まれるエタノールを含む無水エタノールの合計含有量である。
95体積%エタノールを使用した場合の、無水エタノールに換算した含有量(質量%)は、下記の式1(独立行政法人医薬品医療機器総合機構発信文書038−1309.pdf)及び式2で求めることができる。
・エタノールの質量%=体積%×0.79422(15℃における100体積%の比重)/d(15℃における比重)・・・式1
=(95×0.79422)/0.81639
=92.42
・無水エタノールの含有量(質量%)=95体積%エタノール含有量(質量%)×92.42/100・・・式2
<その他の成分>
前記制汗剤組成物は、前記(A)〜前記(C)の各成分以外にも、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の成分を含有することができる。前記その他の成分としては、制汗剤組成物に通常用いられているものの中から適宜選択することができ、例えば、油脂類、ワックス類、シリコーン類、炭化水素油、高級脂肪酸、高級アルコール、界面活性剤、前記(B)成分以外の高分子化合物、酸化防止剤、色素、乳化安定剤、pH調整剤、防腐剤、紫外線吸収剤、キレート剤、保湿剤、増粘剤、清涼剤、抗炎症剤、アミノ酸、ビタミン剤、各種植物抽出エキスなどが挙げられる。
−pH−
前記制汗剤組成物の25℃におけるpHとしては、制汗効果、制汗効果の持続性、及び使用時の肌のべたつきのなさの点から、3〜4.5が好ましい。前記pHが、3未満であると、制汗効果、及び制汗効果の持続性が不十分となることがあり、4.5を超えると、使用時の肌のべたつきのなさが不十分となることがある。
前記制汗剤組成物のpHとしては、すべての成分を混合した後に最後にpHを確認しながらクエン酸などを加えることで調整できる。より詳しくは、クエン酸など以外の成分の合計が約98質量%となるように精製水をバランスして混合攪拌する。必要なら加温してもよい。混合攪拌中にクエン酸などの水溶液を徐々に添加し、それぞれpHを測定しながら目標とするpHまで添加する。目標pHとなったところで、最後に残りの精製水を加えて、全体で100質量%となるように水を加える。なお、前記pHは、例えば、pHメーター(商品名:「HM−30V」、東亜ディーケーケー株式会社製)で測定することができる。
−粘度−
前記制汗剤組成物の粘度については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、制汗効果の持続性、及び使用時の肌のべたつきのなさの点から、25℃で、1mPa・s〜3,000mPa・sが好ましく、5mPa・s〜1,600mPa・sがより好ましい。前記粘度が、1mPa・s未満であると、制汗効果の持続性が不十分となることがあり、3,000mPa・sを超えると、使用時の肌のべたつきのなさが不十分となることがある。
前記粘度は、例えば、BL型粘度計を用いて、25℃でNo.1〜3のローターを使用し、60rpmで1分間の条件で測定することができる。
−剤型−
前記制汗剤組成物の剤型としては、特に制限されるものではなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、固形状タイプ、半固形状タイプ、ジェル状タイプ、液状タイプなどが挙げられる。これらの中でも、水分に溶解した状態で肌に塗布されることが効果発現に有効であり、高密着に塗布でき、高い制汗効果が発現できる点から、ジェル状タイプ、液体タイプが好ましい。
前記固形状タイプとしては、例えば、スティックタイプ、シートタイプなどが挙げられる。
前記半固形状タイプとしては、例えば、クリームタイプなどが挙げられる。
前記ジェル状タイプとしては、例えば、ジェルタイプなどが挙げられる。
前記液状タイプとしては、例えば、ロールオンタイプ、ローションタイプ、ミストタイプなどが挙げられる。これらの中でも、制汗効果の点から、ロールオンタイプが好ましい。
−制汗剤組成物の製造方法−
前記制汗剤組成物の製造方法としては、特に制限されず、目的に応じて適宜選択し、所定の剤型の常法に基づき調製することができ、例えば、前記(C)成分のエタノールに、前記(B)成分を添加して溶解させた後、前記(A)成分を添加し混合する。その後、前記その他の成分、及び精製水(制汗剤組成物の全体が100質量%となるように残量含有)を均一に溶解、混合して製造することができる。前記制汗剤組成物を作製する装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、剪断と全体混合できるプロペラ、タービン、ディスパーなどの複数の攪拌羽根を備えた攪拌装置が挙げられる。なお、前記(A)〜前記(C)成分、及び前記その他の成分は、前記制汗剤組成物を作製するにあたり、それぞれ単独で使用してもよく、また、2種以上の成分を含む混合物の状態で使用してもよい。
−容器−
前記容器としては、例えば、ロールオン容器、ボトル容器、トリガー型スプレー容器、ディスペンサー容器などが挙げられる。これらの中でも、制汗効果の点から、ロールオン容器、ボトル容器、トリガー型スプレー容器が好ましく、ロールオン容器がより好ましい。前記ロールオン容器は、前記制汗剤組成物を肌に高密着に塗布でき、制汗効果を発現できる点で好適に使用できる。前記ロールオン容器としては、前記制汗剤組成物を充填できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、特開2005−186997号公報に記載されたものが挙げられる。
−用途−
本発明の制汗剤組成物としては、皮膚上で形成された皮膜が、運動などにより皮膚が伸縮しても壊れにくく、使用時に肌がべたつかず、肌のつっぱり感がなく、制汗効果、及び制汗効果の持続性に優れるため、例えば、化粧料、医薬品、医薬部外品などに適用することができ、腋などの身体用制汗剤組成物とすることが好適である。
以下に、本発明を実施例、及び比較例に基づいて更に具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。なお、実施例、及び比較例の記載の各成分の含有量は、全て純分換算した値である。
(実施例1〜19、及び比較例1〜9)
[ロールオンタイプの制汗剤組成物]
下記表1〜表4に示す組成、及び含有量のロールオンタイプの制汗剤組成物を以下の方法で調製した。即ち、(C)成分のエタノールに、(B)成分を溶解させた後、(A)成分を溶解させた。その後、共通成分、及び精製水を添加し、均一に溶解して制汗剤組成物を調製した。
得られた実施例1〜19及び比較例1〜9の制汗剤組成物のpHは約4.0であり、粘度は、25℃で、10mPa・s〜25mPa・sであった。
前記pHは、pHメーター(商品名:「HM−30V」、東亜ディーケーケー株式会社製)を用いて25℃で測定した。
前記粘度は、BL型粘度計を用いて、25℃でNo.3のローターを使用し、60rpmで1分間の条件で測定した。
次に、実施例1〜19、及び比較例1〜9の制汗剤組成物を下記仕様の容器1:ロールオン容器に40mL充填した。
−容器1(実施例1〜19、及び比較例1〜9で用いたロールオン容器)−
・ボトル(株式会社吉野工業所製)
材質:HDPEナチュラル、満注内容量:約56mL、胴径:約33mm、高さ:約87mm
・リング(株式会社吉野工業所製)
材質:LLDPEナチュラル、外径:約26mm、高さ:約18mm
・ボール(株式会社吉野工業所製)
材質:PPホワイト、直径:約20mm
なお、(C)成分のエタノールは、無水エタノールを使用した。なお、前記(C)成分のエタノールの含有量には、他の成分から持ち込まれる無水エタノールの含有量を含む無水エタノールの合計含有量である。他の成分から持ち込まれる無水エタノール含有量は、95.3体積%のエタノールを使用する場合には、下記の算出式により、小数点以下2桁目を四捨五入し、小数点以下1桁目を記載した。
・エタノールの質量%=95.3×0.79422/0.81523
=92.84
・無水エタノールの含有量(質量%)=95.3体積%エタノール含有量(質量%)×92.84/100
調製した実施例1〜19、及び比較例1〜9のロールオンタイプの制汗剤組成物について、以下のようにして、「制汗効果」、「制汗効果の持続性」、「肌のつっぱり感のなさ」、及び「使用時の肌のべたつきのなさ」を評価した。結果を表1〜表4に示した。
<制汗効果、及び制汗効果の持続性>
専門パネラー20名に対し、片側の腋窩に制汗剤組成物を0.5g塗布し、38℃、相対湿度40%環境下においてエアロバイク(商品名:「FB−300HP」、リマーク社製)による運動を15分間行った。その後、発汗計(商品名:「SKN−2000」、株式会社西澤電機計器製作所製)を用いて試料を塗布した腋窩及び試料未塗布の腋窩の発汗量を測定し、下記式から制汗率を求めた。結果は専門パネラー20名の平均値を示す。制汗率の結果から、下記評価基準により制汗効果を評価した。その後、さらに前記エアロバイクによる運動を30分間行った後、同様の評価手法により「制汗効果の持続性」を評価した。
Figure 0006180995
−制汗効果の評価基準−
◎ :制汗率が46%以上100%以下
○ :制汗率が36%以上46%未満
△ :制汗率が26%以上36%未満
× :制汗率が0%以上26%未満
−制汗効果の持続性の評価基準−
◎ :制汗率が51%以上100%以下
○ :制汗率が41%以上51%未満
△ :制汗率が31%以上41%未満
× :制汗率が0%以上31%未満
<肌のつっぱり感のなさ>
専門パネラー20名が、前腕内側部に、各制汗剤組成物を0.5g塗布し、下記評価基準に基づいて「肌のつっぱり感のなさ」を評価した。
−評価基準−
◎ :専門パネラー20名中16名以上が肌のつっぱり感がないと回答
○ :専門パネラー20名中11名以上15名以下が肌のつっぱり感がないと回答
△ :専門パネラー20名中6名以上10名以下が肌のつっぱり感がないと回答
× :専門パネラー20名中5名以下が肌のつっぱり感がないと回答
<使用時の肌のべたつきのなさ>
専門パネラー20名が、前腕内側部に、各制汗剤組成物を0.2g塗布し、塗布直後から各液体制汗デオドラント組成物が乾燥するまでの間において、下記評価基準に基づいて「使用時の肌のべたつきのなさ」を評価した。
−評価基準−
◎ :専門パネラー20名中16名以上が肌のべたつきがないと回答
○ :専門パネラー20名中11名以上15名以下が肌のべたつきがないと回答
△ :専門パネラー20名中6名以上10名以下が肌のべたつきがないと回答
× :専門パネラー20名中5名以下が肌のべたつきがないと回答
Figure 0006180995
Figure 0006180995
Figure 0006180995
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(実施例20)
[ジェルタイプの制汗剤組成物]
表5に示す組成、及び含有量の実施例20のジェルタイプの制汗剤組成物を常法により調製した。得られた制汗剤組成物のpHは約4.0、粘度は25℃で1,550mPa・sであった。
実施例20のジェルタイプの制汗剤組成物を下記仕様の容器2:ボトル容器に20mL充填した。なお、エタノールは、実施例1〜19、及び比較例1〜9と同様に無水エタノールに換算して、記載した。
−容器2(実施例20で用いたボトル容器)−
・ボトル(商品名:「TOMII−30」、竹本容器株式会社製)
材質:HDPEナチュラル、満注内容量:約34mL、胴径:約39mm×24mm(オーバル)、高さ:約76mm
・中栓(商品名:「TO キャップ用ノズルB」、竹本容器株式会社製)
材質:PE ナチュラル、外径:約12mm、高さ:約13mm
・キャップ(商品名:「TOIII キャップ」、竹本容器株式会社製)
材質:AS/PP ホワイト、外径:約37mm×24mm(オーバル)、高さ:約25mm
(実施例21)
[ローションタイプの制汗剤組成物]
表5に示す組成、及び含有量の実施例21のローションタイプの制汗剤組成物を常法により調製した。得られた制汗剤組成物のpHは約4.0、粘度は25℃で430mPa・sであった。
実施例21のローションタイプの制汗剤組成物を下記仕様の容器3:ボトル容器に40mL充填した。なお、エタノールは、実施例1〜19、及び比較例1〜9と同様に無水エタノールに換算して、記載した。
−容器3(実施例21で用いたボトル容器)−
・ボトル(商品名:「TOMIII−50」、竹本容器株式会社製)
材質:HDPE ナチュラル、満注内容量:約56mL、胴径:約42mm×29mm(オーバル)、高さ:約87mm
・中栓(商品名:「TO キャップ用ノズルA」、竹本容器株式会社製)
材質:PE ナチュラル、外径:約12mm、高さ:約13mm
・キャップ(商品名:「TOMIII キャップ」、竹本容器株式会社製)
材質:PP ホワイト、外径:約37mm×25mm(オーバル)、高さ:約24mm
(実施例22)
[ミストタイプの制汗剤組成物]
表5に示す組成、及び含有量の実施例22のミストタイプの制汗剤組成物を常法により調製した。得られた制汗剤組成物のpHは約4.0、粘度は25℃で5mPa・sであった。
実施例22の制汗剤組成物を下記仕様の容器4:トリガー容器に90mL充填した。なお、エタノールは、実施例1〜19、及び比較例1〜9と同様に無水エタノールに換算して、記載した。
−容器4(トリガー容器)−
・ボトル(商品名:「PH−100」、かみむら化学株式会社製)
材質:PE ナチュラル、満注内容量:約100mL、胴径:約40mm、高さ:約120mm
・トリガー(商品名:「Z−305−101」、株式会社三谷バルブ製)
・吐出量:0.045mL/回
調製した実施例20〜22の制汗剤組成物について、実施例1〜19、及び比較例1〜9と同様にして、「制汗効果」、「制汗効果の持続性」、「肌のつっぱり感のなさ」、及び「使用時の肌のべたつきのなさ」の評価を行った。結果を表5に示した。
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なお、前記実施例、及び前記比較例で使用した各種成分の詳細について、下記表6に示す。
Figure 0006180995
本発明の制汗剤組成物は、皮膚上で形成された皮膜が、運動などにより皮膚が伸縮しても壊れにくく、使用時に肌がべたつかず、肌のつっぱり感がなく、制汗効果、及び制汗効果の持続性に優れるため、例えば、化粧料、医薬品、医薬部外品などに好適である。

Claims (5)

  1. (A)アルミニウム化合物、ジルコニウム化合物、及びこれらの錯体から選択される少なくとも1種の制汗成分5質量%〜20質量%と、
    (B)ポリウレタン樹脂0.10質量%〜0.9質量%と、
    (C)エタノールと、を含有してなり、
    前記(B)ポリウレタン樹脂が、ポリウレタン−1、ポリウレタン−14、及びポリウレタン−34から選択される少なくとも1種であり、
    前記(A)制汗成分の含有量(質量%)と、前記(B)ポリウレタン樹脂の含有量(質量%)との質量比(A/B)が、10〜100であることを特徴とする制汗剤組成物。
  2. (A)制汗成分が、クロルヒドロキシアルミニウムである請求項1に記載の制汗剤組成物。
  3. (B)ポリウレタン樹脂が、ポリウレタン−1、及びポリウレタン−14から選択される少なくとも1種である請求項1から2のいずれかに記載の制汗剤組成物。
  4. (A)制汗成分の含有量が7質量%〜20質量%であり、
    (B)ポリウレタン樹脂の含有量が0.10質量%〜0.7質量%であり、
    (C)エタノールの含有量が58質量%〜70質量%である請求項1から3のいずれかに記載の制汗剤組成物。
  5. ロールオンタイプ、ジェルタイプ、ローションタイプ、及びミストタイプから選択されるいずれかである請求項1から4のいずれかに記載の制汗剤組成物。
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