JP6180995B2 - 制汗剤組成物 - Google Patents
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したがって、皮膚上で形成された皮膜が、運動などにより皮膚が伸縮しても壊れにくく、使用時に肌がべたつかず、肌のつっぱり感がなく、制汗効果、及び制汗効果の持続性に優れる制汗剤組成物の提供が望まれている。
<1> (A)アルミニウム化合物、ジルコニウム化合物、及びこれらの錯体から選択される少なくとも1種の制汗成分と、
(B)ポリウレタン樹脂0.10質量%〜0.9質量%と、
(C)エタノールと、を含有してなり、
前記(A)制汗成分の含有量(質量%)と、前記(B)ポリウレタン樹脂の含有量(質量%)との質量比(A/B)が、10〜100であることを特徴とする制汗剤組成物である。
<2> (A)制汗成分が、クロルヒドロキシアルミニウムである前記<1>に記載の制汗剤組成物である。
<3> (B)ポリウレタン樹脂が、ポリウレタン−1、及びポリウレタン−14から選択される少なくとも1種である前記<1>から<2>のいずれかに記載の制汗剤組成物である。
<4> (A)制汗成分の含有量が7質量%〜20質量%であり、
(B)ポリウレタン樹脂の含有量が0.10質量%〜0.7質量%であり、
(C)エタノールの含有量が58質量%〜70質量%である前記<1>から<3>のいずれかに記載の制汗剤組成物である。
<5> ロールオンタイプ、ジェルタイプ、ローションタイプ、及びミストタイプから選択されるいずれかである前記<1>から<4>のいずれかに記載の制汗剤組成物である。
本発明の制汗剤組成物は、(A)所定の制汗成分、(B)ポリウレタン樹脂、及び(C)エタノールを含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記(A)成分の制汗成分は、制汗効果、制汗効果の持続性、及び肌のつっぱり感のなさを向上させるために含有されている。
前記アルミニウム塩としては、例えば、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸アルミニウムカリウム、酢酸アルミニウム、クロルヒドロキシアルミニウム、ブロモヒドロキシアルミニウム、アラントインクロルヒドロキシアルミニウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、制汗効果、及び制汗効果の持続性の点から、硫酸アルミニウムカリウム、クロルヒドロキシアルミニウムが好ましく、クロルヒドロキシアルミニウムがより好ましい。
前記(B)成分のポリウレタン樹脂は、前記(A)成分の制汗成分との相互作用によって、皮膚上で形成された皮膜の柔軟性を高め、制汗効果の持続性、肌のつっぱり感のなさ、及び使用時の肌のべたつきのなさを向上させるために含有されている。
前記ポリウレタン−1としては、イソフタル酸に由来する構造単位、アジピン酸に由来する構造単位、へキシレングリコールに由来する構造単位、ネオペンチルグリコールに由来する構造単位、ジメチロールプロピオン酸に由来する構造単位、及びイソホロンジイソシアネートに由来する構造単位を少なくとも含むウレタン共重合体である。前記各構造単位のモル比については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記ポリウレタン−14としては、ジメチロールプロピオン酸に由来する構造単位、酸化エチレン及び酸化プロピレンで変性された4,4’−イソプロピリデンジフェノールに由来する構造単位、及びイソホロンジイソシアネートに由来する構造単位を少なくとも含むウレタン共重合体である。前記各構造単位のモル比については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記ポリウレタン−34としては、アジピン酸に由来する構造単位、1,6−ヘキサンジオールに由来する構造単位、ネオペンチレングリコールに由来する構造単位、ヘキサメチレンジイソシアネートに由来する構造単位、及びN−(2−アミノエチル)−3−アミノエタンスルホン酸に由来する構造単位を少なくとも含むウレタン共重合体である。前記各構造単位のモル比については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記(A)成分のアルミニウム化合物、ジルコニウム化合物、及びこれらの錯体から選択される少なくとも1種の制汗成分の含有量(質量%)と、前記(B)成分のポリウレタン樹脂の含有量(質量%)との質量比(A/B)としては、制汗効果の持続性、及び使用時の肌のべたつきのなさの点から、10〜100であり、12〜45が好ましい。前記質量比(A/B)が、10未満であると、又は100を超えると、制汗効果の持続性、及び使用時の肌のべたつきのなさが不十分となることがある。
前記(C)成分のエタノールは、制汗効果の持続性、及び使用時の肌のべたつきのなさを向上させるために含有されている。
前記(C)成分のエタノールとしては、例えば、無水エタノール、95体積%エタノール(規格値95体積%〜95.5体積%)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
95体積%エタノールを使用した場合の、無水エタノールに換算した含有量(質量%)は、下記の式1(独立行政法人医薬品医療機器総合機構発信文書038−1309.pdf)及び式2で求めることができる。
・エタノールの質量%=体積%×0.79422(15℃における100体積%の比重)/d(15℃における比重)・・・式1
=(95×0.79422)/0.81639
=92.42
・無水エタノールの含有量(質量%)=95体積%エタノール含有量(質量%)×92.42/100・・・式2
前記制汗剤組成物は、前記(A)〜前記(C)の各成分以外にも、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の成分を含有することができる。前記その他の成分としては、制汗剤組成物に通常用いられているものの中から適宜選択することができ、例えば、油脂類、ワックス類、シリコーン類、炭化水素油、高級脂肪酸、高級アルコール、界面活性剤、前記(B)成分以外の高分子化合物、酸化防止剤、色素、乳化安定剤、pH調整剤、防腐剤、紫外線吸収剤、キレート剤、保湿剤、増粘剤、清涼剤、抗炎症剤、アミノ酸、ビタミン剤、各種植物抽出エキスなどが挙げられる。
前記制汗剤組成物の25℃におけるpHとしては、制汗効果、制汗効果の持続性、及び使用時の肌のべたつきのなさの点から、3〜4.5が好ましい。前記pHが、3未満であると、制汗効果、及び制汗効果の持続性が不十分となることがあり、4.5を超えると、使用時の肌のべたつきのなさが不十分となることがある。
前記制汗剤組成物の粘度については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、制汗効果の持続性、及び使用時の肌のべたつきのなさの点から、25℃で、1mPa・s〜3,000mPa・sが好ましく、5mPa・s〜1,600mPa・sがより好ましい。前記粘度が、1mPa・s未満であると、制汗効果の持続性が不十分となることがあり、3,000mPa・sを超えると、使用時の肌のべたつきのなさが不十分となることがある。
前記粘度は、例えば、BL型粘度計を用いて、25℃でNo.1〜3のローターを使用し、60rpmで1分間の条件で測定することができる。
前記制汗剤組成物の剤型としては、特に制限されるものではなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、固形状タイプ、半固形状タイプ、ジェル状タイプ、液状タイプなどが挙げられる。これらの中でも、水分に溶解した状態で肌に塗布されることが効果発現に有効であり、高密着に塗布でき、高い制汗効果が発現できる点から、ジェル状タイプ、液体タイプが好ましい。
前記固形状タイプとしては、例えば、スティックタイプ、シートタイプなどが挙げられる。
前記半固形状タイプとしては、例えば、クリームタイプなどが挙げられる。
前記ジェル状タイプとしては、例えば、ジェルタイプなどが挙げられる。
前記液状タイプとしては、例えば、ロールオンタイプ、ローションタイプ、ミストタイプなどが挙げられる。これらの中でも、制汗効果の点から、ロールオンタイプが好ましい。
前記制汗剤組成物の製造方法としては、特に制限されず、目的に応じて適宜選択し、所定の剤型の常法に基づき調製することができ、例えば、前記(C)成分のエタノールに、前記(B)成分を添加して溶解させた後、前記(A)成分を添加し混合する。その後、前記その他の成分、及び精製水(制汗剤組成物の全体が100質量%となるように残量含有)を均一に溶解、混合して製造することができる。前記制汗剤組成物を作製する装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、剪断と全体混合できるプロペラ、タービン、ディスパーなどの複数の攪拌羽根を備えた攪拌装置が挙げられる。なお、前記(A)〜前記(C)成分、及び前記その他の成分は、前記制汗剤組成物を作製するにあたり、それぞれ単独で使用してもよく、また、2種以上の成分を含む混合物の状態で使用してもよい。
前記容器としては、例えば、ロールオン容器、ボトル容器、トリガー型スプレー容器、ディスペンサー容器などが挙げられる。これらの中でも、制汗効果の点から、ロールオン容器、ボトル容器、トリガー型スプレー容器が好ましく、ロールオン容器がより好ましい。前記ロールオン容器は、前記制汗剤組成物を肌に高密着に塗布でき、制汗効果を発現できる点で好適に使用できる。前記ロールオン容器としては、前記制汗剤組成物を充填できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、特開2005−186997号公報に記載されたものが挙げられる。
本発明の制汗剤組成物としては、皮膚上で形成された皮膜が、運動などにより皮膚が伸縮しても壊れにくく、使用時に肌がべたつかず、肌のつっぱり感がなく、制汗効果、及び制汗効果の持続性に優れるため、例えば、化粧料、医薬品、医薬部外品などに適用することができ、腋などの身体用制汗剤組成物とすることが好適である。
[ロールオンタイプの制汗剤組成物]
下記表1〜表4に示す組成、及び含有量のロールオンタイプの制汗剤組成物を以下の方法で調製した。即ち、(C)成分のエタノールに、(B)成分を溶解させた後、(A)成分を溶解させた。その後、共通成分、及び精製水を添加し、均一に溶解して制汗剤組成物を調製した。
得られた実施例1〜19及び比較例1〜9の制汗剤組成物のpHは約4.0であり、粘度は、25℃で、10mPa・s〜25mPa・sであった。
前記pHは、pHメーター(商品名:「HM−30V」、東亜ディーケーケー株式会社製)を用いて25℃で測定した。
前記粘度は、BL型粘度計を用いて、25℃でNo.3のローターを使用し、60rpmで1分間の条件で測定した。
次に、実施例1〜19、及び比較例1〜9の制汗剤組成物を下記仕様の容器1:ロールオン容器に40mL充填した。
・ボトル(株式会社吉野工業所製)
材質:HDPEナチュラル、満注内容量:約56mL、胴径:約33mm、高さ:約87mm
・リング(株式会社吉野工業所製)
材質:LLDPEナチュラル、外径:約26mm、高さ:約18mm
・ボール(株式会社吉野工業所製)
材質:PPホワイト、直径:約20mm
・エタノールの質量%=95.3×0.79422/0.81523
=92.84
・無水エタノールの含有量(質量%)=95.3体積%エタノール含有量(質量%)×92.84/100
専門パネラー20名に対し、片側の腋窩に制汗剤組成物を0.5g塗布し、38℃、相対湿度40%環境下においてエアロバイク(商品名:「FB−300HP」、リマーク社製)による運動を15分間行った。その後、発汗計(商品名:「SKN−2000」、株式会社西澤電機計器製作所製)を用いて試料を塗布した腋窩及び試料未塗布の腋窩の発汗量を測定し、下記式から制汗率を求めた。結果は専門パネラー20名の平均値を示す。制汗率の結果から、下記評価基準により制汗効果を評価した。その後、さらに前記エアロバイクによる運動を30分間行った後、同様の評価手法により「制汗効果の持続性」を評価した。
◎ :制汗率が46%以上100%以下
○ :制汗率が36%以上46%未満
△ :制汗率が26%以上36%未満
× :制汗率が0%以上26%未満
◎ :制汗率が51%以上100%以下
○ :制汗率が41%以上51%未満
△ :制汗率が31%以上41%未満
× :制汗率が0%以上31%未満
専門パネラー20名が、前腕内側部に、各制汗剤組成物を0.5g塗布し、下記評価基準に基づいて「肌のつっぱり感のなさ」を評価した。
◎ :専門パネラー20名中16名以上が肌のつっぱり感がないと回答
○ :専門パネラー20名中11名以上15名以下が肌のつっぱり感がないと回答
△ :専門パネラー20名中6名以上10名以下が肌のつっぱり感がないと回答
× :専門パネラー20名中5名以下が肌のつっぱり感がないと回答
専門パネラー20名が、前腕内側部に、各制汗剤組成物を0.2g塗布し、塗布直後から各液体制汗デオドラント組成物が乾燥するまでの間において、下記評価基準に基づいて「使用時の肌のべたつきのなさ」を評価した。
◎ :専門パネラー20名中16名以上が肌のべたつきがないと回答
○ :専門パネラー20名中11名以上15名以下が肌のべたつきがないと回答
△ :専門パネラー20名中6名以上10名以下が肌のべたつきがないと回答
× :専門パネラー20名中5名以下が肌のべたつきがないと回答
[ジェルタイプの制汗剤組成物]
表5に示す組成、及び含有量の実施例20のジェルタイプの制汗剤組成物を常法により調製した。得られた制汗剤組成物のpHは約4.0、粘度は25℃で1,550mPa・sであった。
実施例20のジェルタイプの制汗剤組成物を下記仕様の容器2:ボトル容器に20mL充填した。なお、エタノールは、実施例1〜19、及び比較例1〜9と同様に無水エタノールに換算して、記載した。
・ボトル(商品名:「TOMII−30」、竹本容器株式会社製)
材質:HDPEナチュラル、満注内容量:約34mL、胴径:約39mm×24mm(オーバル)、高さ:約76mm
・中栓(商品名:「TO キャップ用ノズルB」、竹本容器株式会社製)
材質:PE ナチュラル、外径:約12mm、高さ:約13mm
・キャップ(商品名:「TOIII キャップ」、竹本容器株式会社製)
材質:AS/PP ホワイト、外径:約37mm×24mm(オーバル)、高さ:約25mm
[ローションタイプの制汗剤組成物]
表5に示す組成、及び含有量の実施例21のローションタイプの制汗剤組成物を常法により調製した。得られた制汗剤組成物のpHは約4.0、粘度は25℃で430mPa・sであった。
実施例21のローションタイプの制汗剤組成物を下記仕様の容器3:ボトル容器に40mL充填した。なお、エタノールは、実施例1〜19、及び比較例1〜9と同様に無水エタノールに換算して、記載した。
・ボトル(商品名:「TOMIII−50」、竹本容器株式会社製)
材質:HDPE ナチュラル、満注内容量:約56mL、胴径:約42mm×29mm(オーバル)、高さ:約87mm
・中栓(商品名:「TO キャップ用ノズルA」、竹本容器株式会社製)
材質:PE ナチュラル、外径:約12mm、高さ:約13mm
・キャップ(商品名:「TOMIII キャップ」、竹本容器株式会社製)
材質:PP ホワイト、外径:約37mm×25mm(オーバル)、高さ:約24mm
[ミストタイプの制汗剤組成物]
表5に示す組成、及び含有量の実施例22のミストタイプの制汗剤組成物を常法により調製した。得られた制汗剤組成物のpHは約4.0、粘度は25℃で5mPa・sであった。
実施例22の制汗剤組成物を下記仕様の容器4:トリガー容器に90mL充填した。なお、エタノールは、実施例1〜19、及び比較例1〜9と同様に無水エタノールに換算して、記載した。
・ボトル(商品名:「PH−100」、かみむら化学株式会社製)
材質:PE ナチュラル、満注内容量:約100mL、胴径:約40mm、高さ:約120mm
・トリガー(商品名:「Z−305−101」、株式会社三谷バルブ製)
・吐出量:0.045mL/回
Claims (5)
- (A)アルミニウム化合物、ジルコニウム化合物、及びこれらの錯体から選択される少なくとも1種の制汗成分5質量%〜20質量%と、
(B)ポリウレタン樹脂0.10質量%〜0.9質量%と、
(C)エタノールと、を含有してなり、
前記(B)ポリウレタン樹脂が、ポリウレタン−1、ポリウレタン−14、及びポリウレタン−34から選択される少なくとも1種であり、
前記(A)制汗成分の含有量(質量%)と、前記(B)ポリウレタン樹脂の含有量(質量%)との質量比(A/B)が、10〜100であることを特徴とする制汗剤組成物。 - (A)制汗成分が、クロルヒドロキシアルミニウムである請求項1に記載の制汗剤組成物。
- (B)ポリウレタン樹脂が、ポリウレタン−1、及びポリウレタン−14から選択される少なくとも1種である請求項1から2のいずれかに記載の制汗剤組成物。
- (A)制汗成分の含有量が7質量%〜20質量%であり、
(B)ポリウレタン樹脂の含有量が0.10質量%〜0.7質量%であり、
(C)エタノールの含有量が58質量%〜70質量%である請求項1から3のいずれかに記載の制汗剤組成物。 - ロールオンタイプ、ジェルタイプ、ローションタイプ、及びミストタイプから選択されるいずれかである請求項1から4のいずれかに記載の制汗剤組成物。
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