JP6180715B2 - 等速ジョイントのグリース充填装置および方法 - Google Patents

等速ジョイントのグリース充填装置および方法 Download PDF

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この発明は等速ジョイントのグリース充填装置および方法に関するものである
特許文献1(特開2010−270769)には、転がり軸受に非接触でグリースを充填するためのグリース充填装置が記載してある。そのグリース充填装置は、圧送ポンプ3から圧送されたグリースの圧送力を調整するポンプ圧調整用のレギュレータと、レギュレータによって圧送力が調整されたグリースを充填ヘッド本体に導く接続ホースと、接続ホースから供給されたグリースを充填ノズルに導く充填ヘッド本体と、充填ヘッド本体から供給されたグリースを吐出バルブの開閉動作に伴ってワークの充填個所に向けて吐出する充填ノズルと、吐出バルブの開閉動作を制御するバルブ駆動装置とを具備している。
グリース充填工程において設定するグリースの充填量は、レギュレータによって調整した所定のポンプ圧と、バルブ駆動装置によって制御される吐出バルブの開放時間とで決まる。吐出バルブの開放時間を調整することでグリースの吐出量が設定でき、レギュレータによるポンプ圧の定常化と相俟ってグリースの正確な充填量の設定に寄与している。
グリースの粘度を一時的に低く抑えるため、充填ヘッド本体にはその内部を流れるグリースを所定の温度に加熱するためのヒータおよび温度センサが設けてある。
充填ノズルは、ハウジングと、吐出バルブと、ノズル本体と、アタッチメントとを基本的な構成要素としている。また、ハウジングは、連絡経路と、供給されたグリースを一時貯蔵する貯蔵室とを備えている。
特開2010−270769号公報
特許文献1に記載された従来の技術は、グリースの充填に際して一時的にグリースの粘度を低下させることにより、ワークの充填箇所に、効率よく、正確に、非接触で、グリースを充填でき、ポンプ圧と吐出バルブの開放時間を設定することにより所定量のグリースの充填を安定して管理するものである。
しかながら、次に述べるような問題点がある。すなわち、充填ヘッド本体内にヒータおよび温度センサを設置しなければならないことから高コストである。さらに、充填ノズルの構造が複雑であるため、この面からも高コストとなる。しかも、転がり軸受にグリースを充填する場合のように、グリースの充填量が極少量の場合は、ポンプ圧と吐出バルブの開放時間の設定のみでグリース充填量を管理することが可能であるが、大容量のグリースを充填する場合は、充填ヘッド本体内のグリースを加熱するだけでは足りず、配管経路内のグリース流速のばらつきなどにより、充填量にばらつきが生じる。
この発明は上述の問題点を除去せんとするものである。すなわち、この発明の目的は、とくに充填ノズルの構造を簡素化してコスト低減を図り、しかも、充填量のばらつきの少ない正確なグリースの充填が達成できるグリース充填方法および装置を提供することにある。
この発明の等速ジョイントのグリース充填装置は、グリースを貯蔵する容器と、前記容器内のグリースを第一ホースを介して充填シリンダへ圧送するためのポンプと、前記第一ホースと前記充填シリンダとの間に設置したバルブと、グリースを噴出させるための充填ノズルを備えた吐出バルブと、前記充填シリンダと前記吐出バルブを接続する第二ホースと、前記第二ホース内を流れるグリースを加熱するためのヒータとを有する等速ジョイントのグリース充填装置であって、前記充填シリンダは、前記第一ホースと接続した圧送シリンダと、前記圧送シリンダを駆動するための駆動シリンダとからなり、前記圧送シリンダと前記駆動シリンダは一本のピストンロッドを共用し、前記ピストンロッドの一方の端部に前記駆動シリンダ内で往復移動可能な第一ピストンを固定し、前記ピストンロッドの他方の端部に前記圧送シリンダ内で往復移動可能な第二ピストンを固定し、前記ピストンロッドのストロークを管理するための機構を設け、前記ピストンロッドのストロークに基づいてグリースの充填量を設定し、シャフトに取付けられたブーツを前記等速ジョイントの外輪に被せる前の状態で、前記ブーツの大径側の開口端部を下に向けて配置し、前記ブーツとの間に一定の距離を隔てた前記充填ノズルを上向きに配置し、記充填ノズルからグリースを上向きに噴出させて前記ブーツ内に充填することを特徴とするものである。
この発明の等速ジョイントのグリース充填方法は、ポンプにより容器内のグリースを充填シリンダに供給するグリース供給工程と、前記充填シリンダに供給されたグリースを吐出バルブに供給して前記吐出バルブから噴出させるグリース吐出工程とを有し、前記充填シリンダと前記吐出バルブを接続するホース内でグリースを加熱する等速ジョイントのグリース充填方法であって、前記グリース供給工程における前記充填シリンダは、圧送シリンダとこの圧送シリンダを駆動するための駆動シリンダとからなり、前記圧送シリンダと前記駆動シリンダは一本のピストンロッドを共用した構成とし、前記グリースの充填量を前記充填シリンダのピストンロッドのストロークに基づいて設定し、シャフトに取付けられたブーツを前記等速ジョイントの外輪に被せる前の状態で、前記ブーツの大径側の開口端部を下に向けて配置し、前記ブーツとの間に一定の距離を隔てた前記充填ノズルからグリースを上向きに噴出させて前記ブーツ内に充填することを特徴とするものである。
この発明によれば、充填ノズル50から離れたところにあるワークWの所定箇所に、正確に、しかも効率よく、大容量のグリースGを所定量充填することが可能になる。
充填ノズル50にグリースGを導くための第二ホース40にヒータ42を取り付けただけの比較的簡単な構造の加熱手段を採用して、グリースGの粘度を充填ノズル50の上流側において一時的に低く抑えるようにしたため、複雑な構造の充填ヘッドを用いる必要がなく、低コストで製造することができる。とくに、吐出バルブ48および充填ノズル50には市販の汎用品を利用することができる。
また、グリース吐出量を充填シリンダ16のストロークに基づいて管理するようにしたため、ヒータ42で第二ホース40内のグリースGを加熱するようにしたことと相俟って、大容量のグリースGを充填する場合でも、配管経路内のグリース流速のばらつきなどに起因する充填量のばらつきが少なく、高い充填量精度が得られる。したがって、従来と比較して大容量のグリースを正確に充填することが可能になる。
グリース充填装置の全体構造を示す一部を断面にした立面図である。 ワークが等速ジョイント外輪である場合のグリース充填時における充填ノズルとワークの位置関係を示す一部を断面にした参考図である。 ワークが等速ジョイントのブーツである場合のグリース充填時における充填ノズルとワークの位置関係を示す一部を断面にした立面図である。 時間管理によるグリース充填量の測定結果を示す線図である。 ストローク管理によるグリース充填量の測定結果を示す線図である。
以下、この発明の実施の形態を図面に従って詳細に説明する
全体構造
図1にグリース充填装置の全体構成を示す。このグリース充填装置は、ペール缶、ドラム缶その他の容器10内のグリースGをワークWに自動的に充填するための装置であって、ポンプ12により、容器10内のグリースGをホース14を介して充填シリンダ16の圧送シリンダ18に圧送し、また、充填シリンダ16の圧送シリンダ18からホース40を介して吐出バルブ48にグリースGを圧送し、吐出バルブ48からワークWに向けてグリースGを噴出させるようになっている。次に、各構成要素ごとに詳しく説明する。
ポンプ12
ポンプ12は、容器10内のグリースG、あるいは図示しない集中配管から供給されるグリースGを吸い込み、ホース14を介してバルブ20に向けて圧送する役割を果たす。そのような機能を持つものである限りポンプの機種やタイプは問わない。たとえば容積式でも非容積式でもよい。ここでは、容器10とポンプ12は移動式の架台に設置し、下部に容器10、上部にポンプ12を配置した場合を例示する。
充填シリンダ16(圧送シリンダ18、駆動シリンダ24)
全体を符号16で概括的に示してある充填シリンダは、圧送シリンダ18と駆動シリンダ24とで構成され、駆動シリンダ24は圧送シリンダ18の駆動部となる。より詳しく述べるならば、圧送シリンダ18と駆動シリンダ24は一本のピストンロッド26を共用し、ピストンロッド26の一方の端部に駆動シリンダ24内で往復移動する第一ピストン25が、ピストンロッド26の他方の端部に圧送シリンダ18内で往復移動する第二ピストン27が、それぞれ固定してある。そして、第一ピストン25よりも第二ピストン27を径とすることにより、いわゆるエアオイルブースタが構成される。すなわち、駆動シリンダ24の下部室にエアを供給すると、第ピストン25が上昇し、それと同時に第ピストン27も上昇する。このとき、第一ピストン25と第二ピストン27の受圧面積の差に基づき、第二ピストン27は第一ピストン25に作用するエア圧の割に大きな力を発生させることができる。駆動シリンダ24にエアを供給するためにバルブ28とレギュレータ30が取り付けてある。バルブ28は、たとえば開閉を電気的に制御するようにした電磁弁を採用することができる。レギュレータ30は、バルブ28から駆動シリンダ24に供給されるエア圧を変更するためのものである。なお、図1では、容器10やポンプ12はキャスタ付きのフレームに設置して可動式とし、一方、充填シリンダ16は定置式とした場合が例示してあるが、可動式とするか定置式とするかは状況に応じて適宜選択することができる。
充填シリンダ16にはピストンロッド26のストロークを管理するためのストローク測定センサが設けてある。図1に例示したのはスケールセンサ32である。第一ピストン25と接続し、かつ、駆動シリンダ24外に突出したロッド34にスケールセンサ32が取り付けてある。スケールセンサ32の位置をその前面に配置したスケール36で読み取り、吐出中のピストンロッド26のストロークを測定し、ロッド34があらかじめ設定した任意の上ストロークエンドに達した時点で、吐出バルブ48を閉じるべき旨の信号を図示しないシーケンサ(制御装置)に出力するように設定する。このようにしてピストンロッド26のストロークを管理することによって充填量が設定される。図1の場合、ピストンロッド26の上下のストロークエンドに対応する位置にそれぞれ近接スイッチ38a、38bが設置してある。近接スイッチに代えて光電素子その他の同等のセンサを採用してもよい。
バルブ20
ホース14と圧送シリンダ18との間、つまり圧送シリンダ18の入り口ポートに、バルブ20が取り付けてある。このバルブ20は、圧送シリンダ18からグリースGが逆流するのを防止する役割を果たすもので、ポンプ12から圧送されてきたグリースGが圧送シリンダ18内に充満すると閉じ、1回の充填サイクルが完了するまで閉じた状態を保つ。このバルブ20の閉操作は、シーケンサを介して、ピストンロッド26が上ストロークエンドに達したことを検知した近接スイッチ38からの信号に応答してなされる。
充填サイクルの開始時、圧送シリンダ18内にグリースGが充填され始めると、ピストンロッド26が下降し、第二ピストン27が圧送シリンダ18の下端まで下降する(図1はこの状態を示している)。次に、バルブ28が開いて駆動シリンダ24にエアが供給されると、ピストンロッド26が上昇し、それと共に第二ピストン27が上昇して圧送シリンダ18内のグリースGを押し上げ、ホース40へ押し出す。このとき、グリースGの逆流はバルブ20によって防止されることはすでに述べたとおりである。また、レギュレータ30を操作して駆動シリンダ24に供給されるエア圧を変更することにより、充填ノズル50からのグリースGの噴出速度を変更することが可能である。
ホース40
ホース40は圧送シリンダ18と吐出バルブ48を接続するためのもので、ある程度可撓性を備えた材料で構成され、長さは一例として1〜6m程度である。ホース40にはヒータ42が設けてあり、ボース40の内部のグリースGを加熱するようになっている。ヒータ42は、たとえばホース40の周囲に巻き付けた加熱コイル(電熱線をらせん状に巻いたもの)の形態をとることができる。もちろん、赤外線ヒータ、熱風機その他の既存の加熱装置を採用してもよい。ヒータ42によるグリース加熱温度は一例を挙げるならば40℃±1℃である。この程度の温度までグリースGを加熱することにより、グリースの粘度が低下して流動抵抗が少なくなるため、充填ノズル50からワークWに向けてグリースGを噴出させ、ワークWに対して非接触で円滑なグリースGの充填を実行することができる。
温度測定部44
温度測定部44は吐出バルブ48の上流側に配置してあり、この位置におけるホース40内のグリースGの実際の温度を計測するための温度センサ46が設けてある。そして、上に述べた例に従えば、ヒータ42による加熱作用によって充填ノズル50から噴出するグリースGの温度は約40℃に設定される。このグリースGの温度は、グリースG中の潤滑油成分(基油)が分離しない約20℃〜80℃の範囲内で、グリースGの特性に合わせて適宜、変更することが可能である。そのために、温度センサ46からの信号に基づいてヒータ42の設定加熱温度を変更できるようにしておくのが好ましい。
ここで、ヒータによる加熱はグリースGの粘度を下げて流動抵抗を低下させるためであって、基油が分離するほど加熱する必要はない。したがって、基油が分離する温度を上限とする。基油が分離する温度はグリースによって区々であるが、一つの目安として滴点(JIS K 2220)を採用することができる。滴点とは、グリースを規定の容器で加熱し、グリースが高温で液状になり油分が滴下しはじめる温度で、最も低いとされるCa系セッケングリースの場合で約80〜100℃である。
吐出バルブ48
吐出バルブ48としては、一例として、バルブ駆動装置52としてソレノイドバルブを備えたボールバルブを用いることができる。吐出バルブ48の出口には充填ノズル50が取り付けてある。充填ノズル50の一例としては一般的な直進ノズルを挙げることができる。充填ノズル50の出口径は、グリースGの充填サイクルに合わせて、約1mm〜20mmの範囲内で適宜、変更することが可能である。充填ノズル50とワークWとの間隔は、ワークWの大きさ等に応じて適宜、変更可能であり、一例として0.5mm〜1000mmの広い範囲で調整可能に構成するのが好ましい。たとえば、ホース40の長さや屈曲等で対応する。
充填ノズル50の向きは、ホース40の可撓性を利用して任意に変更することができる。ちなみに、図1、図2は下向き、図3は実施の形態としての上向きを示している。すなわち、図1、図2に示すように、下向きにした充填ノズル50の下方にワークWとして等速ジョイントの外輪54をその開口端部を上に向けて配置し、充填ノズル50からグリースGを下向きに噴出させて充填を行う。また、図3に示すように、上向きにした充填ノズル50の上方にワークW'として等速ジョイントのブーツ62をその大径側の開口端部を下に向けて配置し、充填ノズル50からグリースGを上向きに噴出させて充填を行う。このようにしてグリース充填を終えた後、シャフト60の端部に固定したトリポード56とその脚軸に担持されたローラ58を含むインナ・サブ・アセンブリを外輪54内にその開口端部から挿入し、外輪54の開口端部にブーツ62の大径側の開口端部を被せてブーツバンド64で締め付ける。これにより、当該等速ジョイントの組立てが完了する。ここでは等速ジョイントとしてトリポード型等速ジョイントが示してあるが、その他のタイプの等速ジョイントであってもグリース充填操作に関する限り基本的に同様である。
図3のように上向きにグリースを噴出させる場合、従来の技術では、封入直後にグリースが垂れ、ワークW’からこぼれ落ちるという問題があったが、グリース吐出量をピストンロッド26のストロークに基づいて管理することにより高い充填量精度が得られることとなり、上記問題は解消した。また、高い充填量精度が得られることから、吐出バルブ48および充填ノズル50には汎用品を用いることができ、複雑な構造をした充填ヘッドが不要となり、さらに、ヘッド内を加熱するためのヒータも不要となるため、従来と比較してコスト低減が実現する。そのような簡素化された構造のバルブの一例として、フローテック株式会社から上市されている高頻度対応自動高圧ボールバルブ(BKHD−1/2PT−4429/DA60)を挙げることができる。
上述の構成からなるグリースの充填装置を使用することによって実行されるグリース充填方法について次に説明する。
(A)グリース供給工程
グリース供給工程は、ポンプ12により容器10内のグリースGを圧送シリンダ18内に供給する工程である。この工程では、まずバルブ20が開く。すなわち、図示しないシーケンサからの開出力信号に応答してエアバルブが開き、エアが供給される結果、バルブ20が開く。バルブ20が開くことによって、圧送シリンダ18内にグリースGが供給され、供給されたグリースGによってピストンロッド26が押し下げられる。ピストンロッド26が下降すると、ロッド34を介してスケールセンサ32も下降し、下ストロークエンドに達したことをセンサ38が検知すると、ポンプ12とバルブ20に信号を出力し、グリースGの圧送を止めるとともに、バルブ20を閉じる。
(B)グリース吐出工程
グリース吐出工程では、シーケンサからの開出力信号に応答して吐出バルブ48が開く。同様に、シーケンサからの開出力信号に応答してバルブ28が開く。つまり、この工程は、バルブ28および吐出バルブ48を開いてピストンロッド26、第一ピストン25、第二ピストン27を上昇させることにより、圧送シリンダ18内のグリースGを押し出し、充填ノズル50から一挙に噴出させる工程である。同時に、そのグリースGをワークWに充填する工程でもある。このとき、ピストンロッド26のストロークを管理することにより、1回のグリースGの吐出量すなわち充填量を設定することができる。すでに述べたとおり、ピストンロッド26のストロークの管理には、一例として、ストローク測定センサとしてスケールセンサ32を用いることができる。ピストンロッド26と接続した、シリンダ外に設置してあるロッド34に取り付けたスケールセンサ32により、その前面のスケール36を読み取り、吐出中のピストンロッド26のストロークを測定し、ロッド34があらかじめ設定した任意の上ストロークエンドに達した時点で、吐出バルブ48を閉じるべき旨の信号を外部に出力する。このようにして充填量が設定される。
(C)グリース加熱工程
グリース加熱工程は、グリース吐出工程の前段に位置し、グリースGを所定温度に加熱する工程である。この工程では、ヒータ42と温度センサ46を使用して、ホース40内のグリースGを所定の温度まで加熱する。温度センサ46でホース40内のグリースGの実際の温度を計測し、その計測結果をフィードバックしてヒータ42のON、OFF等の制御を実行する。
次に、実施の形態の効果を試すために行った試験の内容と結果について説明する。この試験では、ワークWとして等速ジョイントの外輪(図2)を使用し、グリースGの充填を実施した。なお、ポンプ圧力は0.3MPa、グリース吐出圧力は5.0MPa、ホース40内の加熱温度は温度調節器を使用して40℃±1℃に設定した。温度調節器としては、ホース内40のグリースGの温度を計測する温度センサ46からの出力信号を受けて、測定温度が設定温度になるように加熱コイル42をフィードバック制御する構成のものを採用した。
グリース吐出量を吐出バルブ48の開放時間に基づいて管理した場合の結果を図4に示す。目標封入量30gで、30回、試験を行なった結果である。また、グリース吐出量をピストンロッド26のストロークに基づいて管理した場合の結果を図5に示す。目標封入量15g、100g、150gで、それぞれ30回、試験を行なった結果である。図4、図5とも、縦軸はグリースGの充填量すなわち精密電子秤で計測した計測値(g)、横軸は回数を表している。
図4から分かるように、グリース吐出量を吐出バルブ48の開放時間に基づいて管理した場合、グリースGの充填量(計測値)は平均28.65gとなり、ばらつきは±10.81gとなった。
図5から分かるように、グリース吐出量をピストンロッド26のストロークに基づいて管理した場合、グリース充填量(計測値)はそれぞれ平均15.61g、100.50g、150.76gで、ばらつきはそれぞれ0.72g、0.99g、0.76gとなった。
両者を対比すれば明らかなように、グリース吐出量を吐出バルブ48の開放時間に基づいて管理した場合よりも、グリース吐出量をピストンロッド26のストロークに基づいて管理した場合のほうが、高い充填量精度が得られた。特許文献1に関連して述べたとおり、吐出バルブ48の開放時間の設定のみでの充填量の管理では、配管経路内のグリース流速のばらつきなどにより、充填量にばらつきが生じたものと推測される。
以上、この発明の実施の形態について説明したが、この発明は上記実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に悖ることなく種々の改変が可能である。
10 容器
12 ポンプ
14 ホース
16 充填シリンダ
18 圧送シリンダ
20 バルブ
22 圧力センサ
24 駆動シリンダ
26 ピストンロッド
28 バルブ
30 レギュレータ
32 スケールセンサ
34 ロッド
36 スケール
38a、38b 近接スイッチ
40 ホース
42 加熱コイル
44 温度測定部
46 温度センサ
48 吐出バルブ
50 充填ノズル
52 バルブ駆動装置
54 外輪
56 トリポード
58 ローラ
60 シャフト
62 ブーツ
64 ブーツバンド
A 圧縮エア
G グリース
W、W’ ワーク

Claims (7)

  1. グリースを貯蔵する容器と、
    前記容器内のグリースを第一ホースを介して充填シリンダへ圧送するためのポンプと、
    前記第一ホースと前記充填シリンダとの間に設置したバルブと、
    グリースを噴出させるための充填ノズルを備えた吐出バルブと、
    前記充填シリンダと前記吐出バルブを接続する第二ホースと、
    前記第二ホース内を流れるグリースを加熱するためのヒータとを有する等速ジョイントのグリース充填装置であって、
    前記充填シリンダは、前記第一ホースと接続した圧送シリンダと、前記圧送シリンダを駆動するための駆動シリンダとからなり、前記圧送シリンダと前記駆動シリンダは一本のピストンロッドを共用し、前記ピストンロッドの一方の端部に前記駆動シリンダ内で往復移動可能な第一ピストンを固定し、前記ピストンロッドの他方の端部に前記圧送シリンダ内で往復移動可能な第二ピストンを固定し、
    前記ピストンロッドのストロークを管理するための機構を設け、前記ピストンロッドのストロークに基づいてグリースの充填量を設定し、
    シャフトに取付けられたブーツを前記等速ジョイントの外輪に被せる前の状態で、前記ブーツの大径側の開口端部を下に向けて配置し、
    前記ブーツとの間に一定の距離を隔てた前記充填ノズルを上向きに配置し、
    記充填ノズルからグリースを上向きに噴出させて前記ブーツ内に充填することを特徴とする等速ジョイントのグリース充填装置。
  2. 前記吐出バルブの上流側のグリースの温度を測定するために温度センサを設けた請求項1の等速ジョイントのグリース充填装置。
  3. 前記温度センサで測定した温度を前記加熱コイルにフィードバックすることにより、前記吐出バルブの上流側のグリースの温度を前記グリースの滴点未満の温度に設定した請求項の等速ジョイントのグリース充填装置。
  4. グリースの設定温度を20℃〜80℃の範囲内とした請求項の等速ジョイントのグリース充填装置。
  5. ポンプにより容器内のグリースを充填シリンダに供給するグリース供給工程と、前記充填シリンダに供給されたグリースを吐出バルブに供給して前記吐出バルブから噴出させるグリース吐出工程とを有し、前記充填シリンダと前記吐出バルブを接続するホース内でグリースを加熱する等速ジョイントのグリース充填方法であって、
    前記グリース供給工程における前記充填シリンダは、圧送シリンダとこの圧送シリンダを駆動するための駆動シリンダとからなり、前記圧送シリンダと前記駆動シリンダは一本のピストンロッドを共用した構成とし、前記グリースの充填量を前記充填シリンダのピストンロッドのストロークに基づいて設定し、
    シャフトに取付けられたブーツを前記等速ジョイントの外輪に被せる前の状態で、前記ブーツの大径側の開口端部を下に向けて配置し、
    前記ブーツとの間に一定の距離を隔てた前記充填ノズルからグリースを上向きに噴出させて前記ブーツ内に充填することを特徴とする等速ジョイントのグリース充填方法。
  6. 前記グリースの設定温度を前記グリースの滴点未満の温度とした請求項の等速ジョイントのグリース充填方法。
  7. 前記グリースの設定温度を20℃〜80℃の範囲内とした請求項の等速ジョイントのグリース充填方法。
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