JP6180533B2 - ボリコナゾールおよびその類似体の調製のための方法 - Google Patents

ボリコナゾールおよびその類似体の調製のための方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6180533B2
JP6180533B2 JP2015536261A JP2015536261A JP6180533B2 JP 6180533 B2 JP6180533 B2 JP 6180533B2 JP 2015536261 A JP2015536261 A JP 2015536261A JP 2015536261 A JP2015536261 A JP 2015536261A JP 6180533 B2 JP6180533 B2 JP 6180533B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
alkyl
chloro
bis
added
phenyl
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015536261A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015536305A (ja
JP2015536305A5 (ja
Inventor
ジェイムス マスグレイヴ バレル アダム
ジェイムス マスグレイヴ バレル アダム
マリー オネイル パドレイグ
マリー オネイル パドレイグ
ジョン ペットマン アラン
ジョン ペットマン アラン
Original Assignee
ファイザー アイルランド ファーマシューティカルズ
ファイザー アイルランド ファーマシューティカルズ
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ファイザー アイルランド ファーマシューティカルズ, ファイザー アイルランド ファーマシューティカルズ filed Critical ファイザー アイルランド ファーマシューティカルズ
Publication of JP2015536305A publication Critical patent/JP2015536305A/ja
Publication of JP2015536305A5 publication Critical patent/JP2015536305A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6180533B2 publication Critical patent/JP6180533B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D403/00Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, having nitrogen atoms as the only ring hetero atoms, not provided for by group C07D401/00
    • C07D403/02Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, having nitrogen atoms as the only ring hetero atoms, not provided for by group C07D401/00 containing two hetero rings
    • C07D403/06Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, having nitrogen atoms as the only ring hetero atoms, not provided for by group C07D401/00 containing two hetero rings linked by a carbon chain containing only aliphatic carbon atoms
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D239/00Heterocyclic compounds containing 1,3-diazine or hydrogenated 1,3-diazine rings
    • C07D239/02Heterocyclic compounds containing 1,3-diazine or hydrogenated 1,3-diazine rings not condensed with other rings
    • C07D239/24Heterocyclic compounds containing 1,3-diazine or hydrogenated 1,3-diazine rings not condensed with other rings having three or more double bonds between ring members or between ring members and non-ring members
    • C07D239/28Heterocyclic compounds containing 1,3-diazine or hydrogenated 1,3-diazine rings not condensed with other rings having three or more double bonds between ring members or between ring members and non-ring members with hetero atoms or with carbon atoms having three bonds to hetero atoms with at the most one bond to halogen, directly attached to ring carbon atoms
    • C07D239/30Halogen atoms or nitro radicals

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Plural Heterocyclic Compounds (AREA)

Description

本発明は、抗真菌薬ボリコナゾールおよびその類似体の調製のための改良された方法に関する。
欧州特許出願公開第0357241A1号は、式:
Figure 0006180533
の抗真菌トリアゾールおよび薬学的に許容できるその塩[式中、Rは、ハロおよびCFからそれぞれ独立して選択される1から3個の置換基によって置換されていてもよいフェニルであり、RはC〜Cアルキルであり、RはHまたはC〜Cアルキルであり、環炭素原子によって隣接する炭素原子と結合しているHetは、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニルおよびトリアジニルから選択され、前記Hetは、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ハロ、CF、CN、NO、NH、−NH(C〜Cアルカノイル)または−NHCO(C〜Cアルキル)によって置換されていてもよい]を開示している。該化合物は、(a)式:
Figure 0006180533
の化合物を強塩基で脱プロトン化し、それを式:
Figure 0006180533
のケトンと反応させることによって、または、(b)式:
Figure 0006180533
のエポキシドもしくは式:
Figure 0006180533
の脱離基Yを有する化合物を、トリアゾールと反応させることによって、調製され得ることも開示されている。
欧州特許出願公開第0440372A1号は、式
Figure 0006180533
を有する殺真菌トリアゾールの基[式中、Rは、ハロ、−CFおよび−OCFからそれぞれ独立して選択される1から3個の置換基によって置換されているフェニルであり、RはC〜Cアルキルであり、RはHまたはC〜Cアルキルであり、XはCHまたはNであり、YはFまたはClである]を開示している。該化合物は、式(I)の化合物との関連で上述したのと同じ経路によって調製され得ることが開示されている。1または2つの還元性基ZおよびZ(例えばクロロ基)を有する式
Figure 0006180533
の化合物が、例えば水素化分解によって還元される、さらなる経路が提案されている。
EP0440372A1において開示されている具体的な化合物の1つは、式:
Figure 0006180533
の(2R,3S)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−3−(5−フルオロピリミジン−4−イル)−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ブタン−2−オールである(実施例7〜9参照)。この化合物は、ボリコナゾールとして一般的に公知であり、商標名VFEND(登録商標)で、真菌感染症の治療用に商品化されてきた。
国際特許公開第WO−1997/06160A1号は、式
Figure 0006180533
の化合物[式中、Rは、ハロおよびトリフルオロメチルからそれぞれ独立して選択される1から3個の置換基によって置換されていてもよいフェニルであり、RはC〜Cアルキルであり、Hetは、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ハロ、オキソ、ベンジルおよびベンジルオキシから独立して選択される1から3個の置換基によって置換されていてもよいピリミジニルである]を調製するための方法であって、式(III)の化合物(上記を参照)を、式:
Figure 0006180533
[式中、Xは、クロロ、ブロモまたはヨードである]の化合物と、亜鉛、ヨウ素および/またはルイス酸の存在下で反応させる方法を開示している。反応は、Het上の1または2個の追加のクロロまたはブロモ原子と実施されてもよく、これはその後、還元(例えば水素化分解)によって除去される。
ボリコナゾールは単一の(2R,3S)立体異性体であり、したがって、相対的および絶対的立体化学両方の制御は、その調製のために設計されたあらゆる合成法における重要な目標である。上述した方法は、2つの隣接する立体中心の構築において様々な程度の相対的立体化学制御を付与することができるが、いかなる種類の絶対的立体制御も付与できるものはない。故に、例えば、欧州特許出願公開第0440372A1号の実施例7において、ボリコナゾールはラセミ体として調製され、これは、純粋な(2R,3S)エナンチオマーを提供するために1R−(−)−10−カンファースルホン酸を使用して分割される。2つのキラル中心の相対的および絶対的立体化学の両方が制御され、(2R,3S)立体異性体が直接提供されるボリコナゾールの調製のための方法を提供することが有利であろう。しかしながら、EP0440372A1において記述されている、レフォルマトスキーの方法の、キラルリガンドの添加によって絶対的立体化学を制御するための試みは、失敗に終わっていた。
文献において、ケトンへのある特定の銅ベースの求核試薬の添加は、キラルリガンドを利用することによってエナンチオ選択的な方式で進めることができることが報告されている。故に、例えば、銅求核試薬は、α,β−不飽和ケトン、エステルおよびチオエステルから生成され、アルデヒドおよびケトンにエナンチオ選択的に付加されていた(Tetrahedron Letters、2012、53、4199〜4201;Chem.Asian J.、2010、5、478;Chem.Commun.、2008、4309〜4311;J.Am.Chem.Soc.、2008、130(9)、2747;J.Am.Chem.Soc.、2008、130、14378〜14379;Org.Biomol.Chem.、2011、9、6143〜6147;Org.Biomol.Chem.、2012、10、5971〜5978;Org.Letters、2006、8(26)、6059〜6062);Org.Letters、2006、8(26)、5943〜5946;Angew.Chem.Int.編、2006、45、1292〜1297;Synlett.、2009、8、1299〜1302;Tetrahedron Lett.、2006、47、1403〜1407)。アレンから生成された銅求核試薬のケトンへのエナンチオ選択的な付加も実証されている(J.Am.Chem.Soc.、2006、128、14440〜14441;Tetrahedron Lett.、2006、47、1403〜1407)。より最近では、ある特定のビニルヘテロ芳香族化合物からの銅求核試薬の生成および幅広いケトンへのそれらの付加が報告されている(J.Am.Chem.Soc.、2012、134、8428)。しかしながら、これらの参考文献のいずれも、4−ビニルピリミジンからの銅求核試薬の生成およびケトンへのそのエナンチオ選択的な付加は開示していない。これらは、メチル基上に置換基を有するフェニルメチルケトンへの、いかなる銅求核試薬の付加も開示していない。
本発明は、式:
Figure 0006180533
の化合物
[式中、
Xは、H、ハロ、−NH、−NH(C〜Cアルキル)、−N(C〜Cアルキル)(C〜Cアルキル)、−Si(R{ここで、Rは、各場合において独立して、C〜Cアルキル、アリールまたはアリール(C〜Cアルキル)である}、−O(C〜Cアルキル)、−O−アリール、−S(C〜Cアルキル)、−OSO(C〜Cアルキル)、−NHSO(C〜Cアルキル)または−S−アリールであり、
Yは、H、ハロ、−NH、−NH(C〜Cアルキル)、−N(C〜Cアルキル)(C〜Cアルキル)、−Si(R{ここで、Rは上記で定義された通りである}、−O(C〜Cアルキル)、−O−アリール、−S(C〜Cアルキル)、−OSO(C〜Cアルキル)、−NHSO(C〜Cアルキル)または−S−アリールであり、
Zは、置換されていてもよいヘテロアリール、−Si(R(ここで、Rは上記で定義された通りである)、−OH、保護されたヒドロキシル基、ハロ、ニトロ、シアノ、−SH、保護されたチオ基、C〜CアルキルまたはC〜Cアルコキシであり、
Aは、O、SまたはNHであり、
Bは、1個または複数のハロ原子によって置換されているフェニルであり、
Eは、ハロ原子である]
を調製するための方法であって、
式:
Figure 0006180533
の化合物[式中、ZおよびBは、上記で定義された通りである]
を、式:
Figure 0006180533
の化合物[式中、X、Y、AおよびEは、上記で定義された通りである]と、それぞれ、遷移金属触媒、前記触媒とともに使用するのに好適なリガンドおよび還元剤の存在下で反応させることによる方法を提供する。この種の反応は、一般に、還元的アルドール縮合として記述されている。4−ビニルピリミジンからの遷移金属求核試薬の生成および置換アセトフェノンへのその添加は、前例がない。
得られる相対的立体化学を式(XI)および(XII)に示す。アキラルリガンドが使用されるならば、生成物はラセミとなる。それに対し、キラルリガンドが使用されるならば、反応はエナンチオ選択的に進む。
Zがヘテロアリール基である場合、Zは、好ましくは(i)1〜3個のN原子を含有する6員の芳香族ヘテロ環、または、(ii)(a)1〜4個のN原子または(b)1個のOもしくはS原子および0〜3個のN原子のいずれかを含有する5員の芳香族ヘテロ環のいずれかである。ヘテロアリール基は、環炭素原子(すべての場合において)または適切な価数を持つ環窒素原子を介して結合していてよい。置換されている場合、置換基は、環炭素原子(すべての場合において)または適切な価数を持つ環窒素原子上に位置していてよい(置換基が炭素原子を介して連結しているならば)。ヘテロアリールの具体例は、チエニル、フラニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニルおよびピラジニルを包含する。考えられる置換基は、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、ハロ、−CN、−NO、−O(C〜Cアルキル)、−N(C〜Cアルキル)(C〜Cアルキル)、−S(C〜Cアルキル)、−SO(C〜Cアルキル)、−SO(C〜Cアルキル)、−CO(C〜Cアルキル)、−OCO(C〜Cアルキル)、−COO(C〜Cアルキル)、−N(C〜Cアルキル)CO(C〜Cアルキル)、−CON(C〜Cアルキル)(C〜Cアルキル)、−N(C〜Cアルキル)SO(C〜Cアルキル)、−SON(C〜Cアルキル)(C〜Cアルキル)、−N(C〜Cアルキル)CON(C〜Cアルキル)(C〜Cアルキル)、−N(C〜Cアルキル)COO(C〜Cアルキル)および−N(C〜Cアルキル)SON(C〜Cアルキル)(C〜Cアルキル)を包含する。
Zが、保護されたヒドロキシまたはチオ基である場合、好適な保護基は、当業者にはその共通の一般知識から周知である。例えば、「Protective Groups in Organic Chemistry」、WutsおよびGreene著(Wiley−Blackwell)を参照されたい。好ましい保護基は、トリメチルシリルおよびtert−ブチルジメチルシリル等のトリアルキルシリル基、ならびにベンジル等のアリールメチル基である。
アリールは、フェニルまたはナフチルを意味し、前記フェニルおよびナフチルは、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、ハロ、−CN、−NO、−O(C〜Cアルキル)、−N(C〜Cアルキル)(C〜Cアルキル)、−S(C〜Cアルキル)、−SO(C〜Cアルキル)、−SO(C〜Cアルキル)、−CO(C〜Cアルキル)、−OCO(C〜Cアルキル)、−COO(C〜Cアルキル)、−N(C〜Cアルキル)CO(C〜Cアルキル)、−CON(C〜Cアルキル)(C〜Cアルキル)、−N(C〜Cアルキル)SO(C〜Cアルキル)、−SON(C〜Cアルキル)(C〜Cアルキル)、−N(C〜Cアルキル)CON(C〜Cアルキル)(C〜Cアルキル)、−N(C〜Cアルキル)COO(C〜Cアルキル)および−N(C〜Cアルキル)SON(C〜Cアルキル)(C〜Cアルキル)からそれぞれ独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい。
用語「アルキル」は、単独でまたは組み合わせて、直鎖であっても分枝鎖であってもよい、式C2n+1の非環式の飽和炭化水素基を意味する。そのような基の例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソ−アミルおよびヘキシルを包含する。別段の定めがない限り、アルキル基は、1から6個までの炭素原子を含む。
用語「アルコキシ」は、酸素原子を介して連結しているアルキル基、例えば、メトキシ(CH−O−)、エトキシ(CHCH−O−)を意味する。
アルキルおよび種々の他の炭化水素含有部分の炭素原子含有量は、該部分における炭素原子の上限と下限の数字を指定する接頭辞によって示され、すなわち、接頭辞C〜Cは、整数「i」個から整数「j」個の炭素原子を包含する部分を示す。故に、例えば、C〜Cアルキルは、1から6個の炭素原子を包含するアルキルを指す。
用語「ハロ」は、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードを意味する。
好ましくは、Zは、置換されていてもよいヘテロアリールまたはクロロである。
最も好ましくは、Zは1,2,4−トリアゾール−1−イルである。
好ましくは、Xはクロロであり、YはHである。
好ましくは、Bは2,4−ジフルオロフェニルである。
好ましくは、Eはフルオロである。
1つの特に好ましい実施形態において、Zは1,2,4−トリアゾール−1−イルであり、Xはクロロであり、YはHであり、Bは2,4−ジフルオロフェニルであり、Eはフルオロである。
またさらに好ましくは、本発明は、式:
Figure 0006180533
の化合物[式中、XおよびYはいずれもHであるか、またはXおよびYの一方はHであり、他方はクロロである]
を調製するための方法であって、
式:
Figure 0006180533
の化合物を、式:
Figure 0006180533
の化合物[式中、XおよびYは、上記で定義された通りである]と、銅触媒、キラルホスフィンリガンドおよび還元剤の存在下で反応させることによる方法を提供する。
好ましくは、反応は、−30℃から+80℃までの温度で、最も好ましくは−12℃から0℃までの温度で行われる。約−9℃の温度が最適である。
反応は、有機溶媒の存在下で実施される。アルコールが好ましい。最も好ましいのは、第三級アルコールであり、最適な溶媒は2−メチル−2−ブタノールである。好適な溶媒の例は、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、メタノール、エタノール、2−プロパノール、酢酸イソプロピル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、トルエン、テトラリン、n−ブタノール、tert−ブタノール、ベンジルアルコール、1−ペンタノール、3−ペンタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、4−ヘプタノール、1−ノナノール、1−メチルシクロヘキサノール、2−メチル−1−ブタノール、2−メチル−2−ブタノール、3−メチル−3−ペンタノール、3−エチル−3−ペンタノール、2,4−ジメチル−3−ペンタノール、1,2−プロパンジオール、2,3−ジメチル−3−ペンタノール、アニソール、n−ブトキシエタノール、ジクロロメタン、トリブチルアミン、N−メチルピロリドン、アセトニトリル、アセトン、ジメチルスルホキシドおよびジオキサンを包含する。
反応は、(限定反応物質に基づき)最大10当量の水の存在下で実施されていてもよい。
好適な遷移金属触媒は、共通の一般知識から、当業者に周知である(例えば、J.Am.Chem.Soc.、1999、121(51)、12202〜12203を参照)。遷移金属触媒は、好ましくは、パラジウム触媒(例えば、Tetrahedron Lett.、1998、39、5237〜5238を参照)、コバルト触媒(例えば、Chem.、Lett.、1989、2005〜2008を参照)、ニッケル触媒(例えば、Org.Lett.、2007、9(3)、537〜540を参照)、イリジウム触媒(例えば、Org、Lett.、2001、12(3)、1829〜1831を参照)、インジウム触媒(例えば、Adv.Synth.Catal.、2002、344、283〜287;Angew.Chem.Int.編、2004、43、711〜714を参照)、ロジウム触媒(例えば、Eur.J.Org.Chem.、2006、5594〜5600を参照)または銅触媒、最も好ましくは銅触媒である。
好ましい銅触媒は、安定な銅(I)または銅(II)塩である。銅(II)塩が使用されるならば、ナトリウムtert−ブトキシドが反応混合物に添加されなくてはならない。概して、銅(I)塩、特に、CuF(PPh.MeOH(CuF(PPh.メタノール溶媒和物)、CuF(PPh.EtOH(CuF(PPh.エタノール溶媒和物)およびCuOBuが好ましい。好適な銅(II)塩の例は、CuClおよびCu(OCOCHを包含する。CuF(PPhのメタノールおよびエタノール溶媒和物は、典型的には、1から2モル当量の間の溶媒を含有し、市販されている。CuOBuの調製および使用については、J.Am.Chem.Soc.、1972、94、658およびAngew Chemie、2008、47、9961を参照されたい。
最適な銅触媒は、CuF(PPh.メタノール溶媒和物またはCuF(PPh.エタノール溶媒和物等のCuF(PPhの溶媒和物、特にCuF(PPh.メタノール溶媒和物である。
0.1mol%から2.5mol%までの触媒充填量(限定反応物質に対して)が好ましい。特に好ましい充填量は、0.1mol%から0.5mol%までである。最適な充填量は、0.1mol%から0.2mol%までである。
選ばれた遷移金属触媒とともに使用するのに好適なリガンドは、当業者により、その共通の一般知識に従って簡単に選択され得る(例えば、Heterobidentate and Monodentate Phosphine Ligands for Asymmetric Catalysis、Suzanna Christine Milheiro著、Yale University、2011またはPhosphorus(III)Ligands in Homogeneous Catalysis:Design and Synthesis、Kamerおよびvan Leeuwen編、Wiley 2012を参照)。BINAP等のアキラルリガンドを使用すれば、ラセミ生成物の合成が起こると予想される。それに対し、キラルリガンドを使用すれば、エナンチオ選択的な合成が起こると予想される。好ましいリガンドは、ホスフィンリガンドである。最も好ましいのは、キラルホスフィンリガンドである。
銅触媒とともに使用するのに好適なほとんどのキラルホスフィンリガンドは、反応において優れた結果をもたらす。好適なキラルリガンドの具体例は、(R)−1−[(SP)−2−(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]エチルジ−tert−ブチルホスフィン;(R)−1−[(SP)−2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)フェロセニル]エチルジシクロヘキシルホスフィン;(R)−1−[(SP)−2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)フェロセニルエチル]ジフェニルホスフィン;(R)−1−[(SP)−2−(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]エチルジ(3,5−キシリル)ホスフィン;(R)−1−{(SP)−2−[ビス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ホスフィノ]フェロセニル}エチルジシクロヘキシルホスフィン;(R)−1−{(SP)−2−[ビス(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)ホスフィノ]フェロセニル}エチルジシクロヘキシルホスフィン;(R)−1−{(SP)−2−[ビス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ホスフィノ]フェロセニル}エチルジ(3,5−キシリル)ホスフィン;(R)−1−[(SP)−2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)フェロセニル]エチルジ−tert−ブチルホスフィン;(R)−1−{(SP)−2−[ビス[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ホスフィノ]フェロセニル}エチルジ−tert−ブチルホスフィン;(R)−1−[(SP)−2−[ビス(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)ホスフィノ]フェロセニル}エチルジ−tert−ブチルホスフィン;(R)−1−{(SP)−2−[ジ(2−フリル)ホスフィノ]フェロセニル}エチルジ(3,5−キシリル)ホスフィン;(R)−1−{(SP)−2−[ジ(2−フリル)ホスフィノ]フェロセニル}エチルジ−tert−ブチルホスフィン;(R)−1−{(SP)−2−[ジ(1−ナフチル)ホスフィノ]フェロセニル}エチルジ−tert−ブチルホスフィン;(R)−1−{(SP)−2−[ジ(1−ナフチル)ホスフィノ]フェロセニル}エチルジ(3,5−キシリル)ホスフィン;(R)−1−{(SP)−2−[ビス(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)ホスフィノ]フェロセニル}−エチルジ(3,5−キシリル)ホスフィン;(R)−1−{(SP)−2−[ビス(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)ホスフィノ]フェロセニル}−エチルビス(2−メチルフェニル)ホスフィン;(R)−1−{(SP)−2−[ジ(2−フリル)ホスフィノ]フェロセニル}エチルビス(2−メチルフェニル)ホスフィン;(R)−1−[(SP)−2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)フェロセニル]エチルジフェニルホスフィン;(R)−1−[(SP)−2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)フェロセニル]エチルビス(2−メチルフェニル)ホスフィン;(R)−(+)−(6,6’−ジメトキシビフェニル−2,2’−ジイル)ビス(ジフェニルホスフィン);(R)−(6,6’−ジメトキシビフェニル−2,2’−ジイル)ビス[ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−メトキシフェニル)ホスフィン;(SP,S’P)−1,1’−ビス[(R)−α−(ジメチルアミノ)ベンジル]−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン;(SP,S’P)−1,1’−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2,2’−ビス[(R)−α−(ジメチルアミノ)ベンジル]フェロセン;(SP,S’P)−1,1’−ビス{ビス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ホスフィノ}−2,2’−ビス[(R)−α−(ジメチルアミノ)ベンジル]フェロセン;(SP,S’P)−1,1’−ビス[ビス(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)ホスフィノ]−2,2’−ビス[(R)−α−(ジメチルアミノ)ベンジル]フェロセン;(SP,S’P)−1,1’−ビス[(R)−α−(ジメチルアミノ)ベンジル]−2,2’−ビス[ジ(3,5−キシリル)ホスフィノ]フェロセン;(SP,S’P)−1,1’−ビス[ビス(2−メチルフェニル)ホスフィノ]−2,2’−ビス[(R)−α−(ジメチルアミノ)ベンジル]フェロセン;(RP)−1−[(R)−α−(ジメチルアミノ)−2−(ジフェニルホスフィノ)ベンジル]−2−ジフェニルホスフィノフェロセン;(RP)−1−ジシクロヘキシルホスフィノ−2−[(R)−α−(ジメチルアミノ)−2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ベンジル]フェロセン;(R)−1−{(RP)−2−[2−(ジフェニルホスフィノ)フェニル]フェロセニル}エチルビス[3,5−ビス−(トリフルオロメチル)フェニル]ホスフィン;(R)−1−{(RP)−2−[2−(ジフェニルホスフィノ)フェニル]フェロセニル}エチルジフェニルホスフィン;(R)−1−{(RP)−2−[2−(ジフェニルホスフィノ)フェニル]フェロセニル}エチルジシクロヘキシルホスフィン;(R)−1−{(RP)−2−[2−[ビス(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)ホスフィノ]フェニル]フェロセニル}エチルビス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ホスフィン;(R)−1−{(RP)−2−[2−(ジフェニルホスフィノ)フェニル]フェロセニル}エチルジ(3,5−キシリル)ホスフィン;(R)−1−{(RP)−2−[2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)フェニル]フェロセニル}エチルビス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ホスフィン;(R)−1−{(RP)−2−[2−[ジ(3,5−キシリル)ホスフィノ]フェニル]フェロセニル}エチルジ(3,5−キシリル)ホスフィン;(R)−1−{(RP)−2−[2−(ジフェニルホスフィノ)フェニル]フェロセニル}エチルジ(2−ノルボルニル)ホスフィン;(1R,1’R,2S,2’S)−2,2’−ジ−tert−ブチル−2,3,2’,3’−テトラヒドロ−1H,1’H−(1,1’)ビイソホスフィンドリル;(1S,1S’,2R,2R’)−1,1’−ジ−tert−ブチル−(2,2’)−ジホスホラン;(+)−1,2−ビス[(2S,5S)−2,5−ジメチルホスホラノ]ベンゼン;[N−[(1R,2R)−2−(アミノ−κN)−1,2−(2R,3R)−(−)−2,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン;(R)−(+)−2,2’,6,6’−テトラメトキシ−4,4’−ビス(ジ(3,5−キシリル)ホスフィノ)−3,3’−ビピリジン;(S)−(+)−(3,5−ジオキサ−4−ホスファシクロヘプタ[2,1−a:3,4−a’]ジナフタレン−4−イル)ピペリジン;(R)−2,2−ビナフトイル−(S,S)−ジ(1−フェニルエチル)アミノイルホスフィン;(−)−1,2−ビス[(2R,5R)−2,5−ジメチルホスホラノ]ベンゼン;(−)−1,2−ビス[(2S,5S)−2,5−ジメチルホスホラノ]エタン;(R)−(+)−5,5’−ジクロロ−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−6,6’−ジメトキシ−1,1’−ビフェニル;(R)−(+)−(1,1’−ビナフタレン−2,2’−ジイル)ビス(ジフェニルホスフィン)を包含する。
好ましいキラルホスフィンリガンドは、(S)−1−{(S)−2−[2−(ジフェニルホスフィノ)フェニル]フェロセニル}エチルビス[3,5−ビス−(トリフルオロメチル)フェニル]ホスフィンである。
ホスフィンリガンドとは別に、留意すべき他のリガンドは、N−ヘテロ環カルベンリガンド(特に銅とともに使用するため;例えば、Org.Lett.、2006、8(26)、6059〜6062を参照)、ホスホロアミダイトおよびホスホナイトリガンド(特にロジウムとともに使用するため;例えば、J.Am.Chem.Soc.、2008、130、2746〜2747およびSynthesis、2011、13、2011〜2013を参照)ならびにビスオキサゾリン(box)およびビスオキサゾリニルピリジン(pybox)リガンド(特にイリジウムおよびロジウムとともに使用するため;例えば、Org.Lett.、2001、12(3)、1829〜1831およびTetrahedron、2008、64、9408〜9412を参照)を包含する。
使用されるリガンドの量は、使用される遷移金属触媒の量に対して少なくとも1モル当量となるべきである。1:1から1:6までの触媒:リガンドモル比が好ましく、1:2から1:3までのモル比がとりわけ好ましい。
還元剤は、遷移金属水素化物(例えば水素化銅(I))をその場で生成することができなくてはならない。好ましい還元剤は、フェニルシラン、ジメチルフェニルシラン、トリエトキシシラン、テトラメチルジシロキサン、ジフェニルシランまたはポリメチルヒドロシロキサン等のシランである。好ましいシランはフェニルシランである。用いられ得る他の還元剤は、ピナコールボランを包含する。好ましくは、使用される還元剤の量は、限定反応物質に基づき、0.5から3当量までである。
反応は、すべての場合においてジアステレオ選択的であり、式(XI)および(XII)で例証されている通り、2つのキラル中心において相対的立体化学を主に与える。典型的には、このジアステレオマーの86%超が形成される(76%以上のジアステレオマー過剰率)。キラルリガンドが使用される場合、生成物は、主に単一の立体異性体として取得される。50%を上回るエナンチオマー過剰率が通常実現され、90%を上回るエナンチオマー過剰率は珍しいことではない。
式(XVI)の化合物[式中、XおよびYは、いずれもHである]が調製される場合、反応生成物は、ボリコナゾールである。XおよびYの一方がクロロである場合、生成物は、還元によって、例えばEP0440372A1において記述されている水素化分解手順によって、ボリコナゾールに簡単に変換され得る。そのような水素化は、好ましくは、20℃から80℃までの温度で、最も好ましくは40℃から70℃までの温度、例えば約40℃で実行される。好ましい触媒は、パラジウム炭素である。水素化を、還元的アルドール縮合からの粗製反応混合物に対して実施してもよいが、好ましい実施形態において、前記粗製反応混合物をトルエンと弱酸水溶液(例えばクエン酸水溶液)とに分配し、水層を水素化の前に廃棄する。水素化ステップに好適な溶媒は、トルエン、酢酸エチル、3−メチル−3−ペンタノールおよび2−メチル−2−ブタノールを包含する。
反応は、単純な官能基変換によってボリコナゾールに変換され得る生成物を得るための種々の他の手法で実行され得る。例えば、式(XIII)の化合物中の基Bは、2−クロロ−4−フルオロフェニル、2,4−ジフルオロフェニルもしくは2,4−ジクロロフェニルおよびクロロ原子であってよく、または置きかえによってフルオロ原子に変換され得る。同じく、式(XI)または(XII)の化合物中の基Eは、置きかえによってフルオロに変換されるクロロ原子であってよい。そのような置きかえは、J.Med.Chem.、2011、54、8343〜8352およびTet,Lett.、2010、2652〜2654において記述されている手順によって例証される。代替として、式(XIII)の化合物中のBは、水素化によって後で除去され得る1つまたは複数の追加のクロロ基を有する2,4−フルオロフェニル基であってよい。
これらの手順を使用して調製された粗製ボリコナゾールを、対応する塩を沈殿させるために粗生成物の溶液を酸で処理すること、およびその後の酢酸ナトリウム等の塩基による塩の中和によって好都合に精製することができる。スルホン酸の使用が好ましい。カンファースルホン酸が特に好ましい。沈殿ステップに好適な溶媒は、トルエン、酢酸エチル、メタノール、エタノール、2−プロパノール、水、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフランおよびそれらの混合物を包含する。好ましい溶媒は、トルエン、水およびアセトンの混合物である。キラルスルホン酸が使用されるならば(例えばカンファースルホン酸)、生成物のエナンチオマー過剰率は、典型的には98〜100%のレベルまで、さらに強化され得る。
本発明は、式:
Figure 0006180533
の新規中間体
[式中、
Xは、H、ハロ、−NH、−NH(C〜Cアルキル)、−N(C〜Cアルキル)(C〜Cアルキル)、−Si(R{ここで、Rは、各場合において独立して、C〜Cアルキル、アリールまたはアリール(C〜Cアルキル)である}、−O(C〜Cアルキル)、−O−アリール、−S(C〜Cアルキル)、−OSO(C〜Cアルキル)、−NHSO(C〜Cアルキル)または−S−アリールであり、
Yは、H、ハロ、−NH、−NH(C〜Cアルキル)、−N(C〜Cアルキル)(C〜Cアルキル)、−Si(R{ここで、Rは上記で定義された通りである}、−O(C〜Cアルキル)、−O−アリール、−OSO(C〜Cアルキル)、−NHSO(C〜Cアルキル)または−S−アリールであり、
Aは、O、SまたはNHであり、
Eは、ハロ原子である]
であって、但し、式(XIV)の化合物は、5−ブロモ−4−ビニルピリミジンではない、新規中間体にも関する。
下記の実施例は、上述した手順が実践においてどのように実装され得るかを例証するものである。
(実施例1)
ボリコナゾールの調製
Figure 0006180533
ステップ1
CuF(PPhメタノール溶媒和物(0.019g)および(S)−1−{(S)−2−[2−(ジフェニルホスフィノ)フェニル]フェロセニル}エチルビス[3,5−ビス−(トリフルオロメチル)フェニル]ホスフィン(0.093g)の混合物に、2−メチル−2−ブタノール(16mL)を添加した。混合物を、窒素下、室温で、すべての固体が溶解するまで30分間撹拌した。次いで、得られた溶液に、1−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)エタノン(2.69g)および水(0.36g)を添加した。次いで、反応物スラリーを室温で20分間撹拌した後、−9℃に冷却した。
次いで、−9℃の反応物スラリーに、2−メチル−2−ブタノール(4mL)中の4−クロロ−5−フルオロ−6−ビニルピリミジン(1.59g、限定試薬)およびフェニルシラン(1.09g)の溶液を、45分間かけて添加した。−9℃で270分間撹拌した後(その時点でHPLC分析により4−クロロ−5−フルオロ−6−ビニルピリミジンは観察できなかった)、反応混合物を室温に加温し、その温度で18時間保持した。次いで、水(3.98g)を添加して、反応物をクエンチした。次いで、トルエン(30mL)を、クエンチした反応混合物に添加して、(2R,3S)−3−(6−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ブタン−2−オールを含有する二相混合物を得た。
残留物がおよそ8mLになるまで、溶媒を、45〜50℃、真空で除去した。これに、さらなるトルエン(50mL)、続いて50mLのクエン酸水溶液(20%w/v)を添加した。二相混合物を室温で30分間撹拌し、次いで、層を20分間分離させた。水層を廃棄し、トルエン層に、さらなるクエン酸水溶液(50mL、20%w/v)を添加した。二相混合物を10分間撹拌し、次いで、層を20分間分離させた。再度、水層を廃棄した。トルエン層に水(9.5mL)を添加した。二相混合物を10分間撹拌し、分離させ(20分)、分離した。
残留トルエン層に、活性炭(0.192g)を添加した。次いで、混合物を50℃に3時間加熱した後、室温に冷却した。パラジウム炭素触媒(Evonik E101 NE/W 10%Pd/C、50%水湿、0.546g)、続いて酢酸ナトリウム(2.06g)および水(5.97g)を混合物に添加した。反応混合物を40℃に加熱した後、反応ベッセルを水素(5バール)で加圧した。反応混合物を、5バールの水素下、40℃で7時間撹拌した後、さらに15時間、約21℃に冷却した。次いで、水素化反応混合物を飽和重炭酸ナトリウム水溶液(9.5mL)で希釈した後、Celite(登録商標)に通して濾過した。フィルターを水(1.59mL)およびトルエン(2×100mL)で洗浄した。
一部の粗生成物を、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーによって精製し、キラルカラムクロマトグラフィー(Chiralcel OD−RH 150×4.6mmカラム、30℃、1ml/分流速、60:40のヘプタン:エタノール溶離液、約600psi背圧)によって分析した。結果は、所望の(2R,3S)エナンチオマー対望まれない(2S,3R)エナンチオマーの比が97:3であったことを示していた(94%エナンチオマー過剰率)。
リガンド((R)−1−[(R)−α−(ジメチルアミノ)−2−(ジフェニルホスフィノ)ベンジル]−2−ジフェニルホスフィノフェロセン)を利用したことを除いて同様の条件下で、約84%のエナンチオ選択性が観察された(これは、およそ70%のエナンチオマー過剰率に相当する)。
次いで、二相混合物を10分間分離させた後、水層を廃棄した。次いで、トルエン層を水(10mL)で洗浄した後、真空で濃縮して、約45mLとした。トルエン溶液(ボリコナゾールAPI−(2R,3S)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−3−(5−フルオロピリミジン−4−イル)−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ブタン−2−オールを含有する)を45℃に加熱し、次いで、アセトン(40mL)中のカンファースルホン酸(CSA)(1.40g)の溶液で60分間かけて処理した。次いで、得られた溶液を60分間かけて5℃に冷却した後、さらに120分間撹拌した。次いで、固体を単離し、トルエン(2×20mL)で洗浄し、減圧下で18時間乾燥させて、(2R,3S)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−3−(5−フルオロピリミジン−4−イル)−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ブタン−2−オール((1R,4R)−7,7−ジメチル−2−オキソビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−イル)メタンスルホネート(2.52g、ピリミジン出発材料に基づき43%)を得た。
乾燥させた(2R,3S)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−3−(5−フルオロピリミジン−4−イル)−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ブタン−2−オール((1R,4R)−7,7−ジメチル−2−オキソビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−イル)メタンスルホネート(2.52g)に、EtOH/アセトン溶液(3:1比、22mL)を添加した。次いで、スラリーを50℃に30分間加熱した後、5℃に60分間冷却した。次いで、固体を単離し、減圧下、40℃で24時間乾燥させて、(2R,3S)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−3−(5−フルオロピリミジン−4−イル)−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ブタン−2−オール((1R,4R)−7,7−ジメチル−2−オキソビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−イル)メタンスルホネートを白色固体(2.39g、ピリミジン出発材料に基づき41.0%収率)として得た。
1H NMR
(400 MHz, CDCl3): δ (ppm) = 9.42 (1H, s,
ArH), 9.10 (1H, s, ArH), 8.67 (1H, s, ArH), 8.14 (1H, s, ArH), 7.49 (1H, m,
ArH), 7.53-7.42 (2H, m, 2 x ArH), 4.96 (1H, d, CH2), 4.48 (1H, d, CH2),
4.11 (1H, 七重線, CH), 3.25 (1H, d, CH2), 2.81
(1H, d, CH2), 2.56-2.41 (1H, m, CH2), 2.38-2.25 (1H, m,
CH2), 2.11-1.95 (2H, m, CH2), 1.90 (1H, d, CH2),
-1.86-1.73 (1H, m, CH2), 1.45-1.35 (1H, m, CH2), 1.15
(3H, d, CH3), 1.03 (3H, s, CH3), 0.82 (3H, s, CH3).
ステップ2
(2R,3S)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−3−(5−フルオロピリミジン−4−イル)−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ブタン−2−オール((1R,4R)−7,7−ジメチル−2−オキソビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−イル)メタンスルホネート(2.125g)に、EtOH(3.8mL)および水(3.8mL)を添加した。スラリーを32.5℃に加熱したところ、ほぼ無色の溶液が得られた。次いで、この溶液を、小アリコート(1mL)で、水(4.1mL)中の酢酸ナトリウム(0.30g)の冷やした(0℃)溶液に、45分間かけて添加した。次いで、得られたスラリーに、EtOH(0.45mL)および水(0.45mL)の溶液を添加した。次いで、混合物を2℃で30分間撹拌した後、水(4.5mL)を20分間かけて徐々に添加した。次いで、スラリーを2℃で13.5時間撹拌した後、固体を単離し、0〜5℃で2回、水(6.4mL)中で再スラリー化した。次いで、単離された固体を、減圧下、45℃で約48時間乾燥させて、(2R,3S)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−3−(5−フルオロピリミジン−4−イル)−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ブタン−2−オールを白色固体(0.969g、76%収率)として得た。
1H NMR
(400 MHz, CDCl3): δ (ppm) = 8.95 (1H, s,
ArH), 8.61 (1H, s, ArH), 8.10 (1H, s, ArH), 7.62-7.56 (1H, m, ArH), 7.25 (1H,
s, ArH), 6.90-6.79 (2H, m, 2 x ArH),6.50 (1H, br s, OH), 4.76 (1H, d, CH2),
4.37 (1H, d, CH2), 4.14 (1H, 七重線, CH), 1.11
(3H, d, CH3).
(実施例2)
ボリコナゾールの調製
Figure 0006180533
CuF(PPhメタノール溶媒和物(0.0038g)および(S)−1−{(S)−2−[2−(ジフェニルホスフィノ)フェニル]フェロセニル}エチルビス[3,5−ビス−(トリフルオロメチル)フェニル]ホスフィン(0.0187g)の混合物に、3−メチル−3−ペンタノール(0.5mL)を添加した。混合物を、アルゴン雰囲気下、室温で、すべての固体が溶解するまで20分間撹拌した。次いで、得られた溶液を0℃に冷却した後、3−メチル−3−ペンタノール(2mL)中の5−フルオロ−4−ビニルピリミジン(0.050g、限定試薬)および1−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)エタノン(0.0899g)を添加した。次いで、0℃のこの混合物に、3−メチル−3−ペンタノール(0.5mL)中のフェニルシラン(0.0436g)の溶液を、約30分間かけて添加した。
反応混合物を、HPLCによって5−フルオロ−4−ビニルピリミジンの完全消費が観察されるまで21時間、0℃で撹拌した。分析した反応混合物は、所望生成物((2R,3S)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−3−(5−フルオロピリミジン−4−イル)−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ブタン−2−オール)をおよそ40%収率(ピリミジン出発材料に基づき)で含有することが分かった。
(実施例3)
ボリコナゾールの調製
銅触媒としてのCuF(PPh.MeOH、キラルホスフィンリガンドとしての(S)−1−{(S)−2−[2−(ジフェニルホスフィノ)フェニル]フェロセニル}エチルビス[3,5−ビス−(トリフルオロメチル)フェニル]ホスフィン、および溶媒としての2−メチル−2−ブタノールを用い、実施例2において記述されているものと同様の手順を使用して、ボリコナゾールを70%エナンチオマー過剰率で得た。
キラルホスフィンリガンドとしての((R)−1−[(R)−α−(ジメチルアミノ)−2−(ジフェニルホスフィノ)ベンジル]−2−ジフェニルホスフィノフェロセン)を用いたことを除いて同様の条件を使用して、50%のエナンチオマー過剰率が実現された。
(実施例4)
ボリコナゾール前駆体の調製
Figure 0006180533
CuF(PPhメタノール溶媒和物(0.0029g)および(R)−1−[(R)−α−(ジメチルアミノ)−2−(ジフェニルホスフィノ)ベンジル]−2−ジフェニルホスフィノフェロセン(0.0108g)の混合物に、酢酸n−ブチル(1mL)を添加した。混合物を、アルゴン雰囲気下、室温で、すべての固体が溶解するまで30分間撹拌した。次いで、得られた溶液を0℃に冷却した後、酢酸n−ブチル(1mL)中の2−クロロ−5−フルオロ−4−ビニルピリミジン(0.050g、限定試薬)および1−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)エタノン(0.074g)を添加した。次いで、0℃のこの混合物に、酢酸n−ブチル(0.25mL)中のフェニルシラン(0.034g)の溶液を、約5分間かけて添加した。
反応混合物を、2−クロロ−5−フルオロ−4−ビニルピリミジンの完全消費が観察されるまで24時間、0℃で撹拌した。反応混合物をHPLCによって分析したところ、所望生成物((2R,3S)−3−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ブタン−2−オール)をおよそ5%収率で含有することが分かった。
(実施例5)
ボリコナゾール中間体の調製
Figure 0006180533
アルゴン下、CuF(PPhメタノール溶媒和物(0.0094g)および(R)−1−[(R)−α−(ジメチルアミノ)−2−(ジフェニルホスフィノ)ベンジル]−2−ジフェニルホスフィノフェロセン(0.0068g)に、テトラヒドロフラン(1mL)を添加した。混合物を、20℃(アルゴン下)で、すべての固体が溶解するまで30分間撹拌した。次いで、溶液を−20℃に冷却し、フェニルシラン(0.027g)を添加した。10分後、テトラヒドロフラン(1.5mL)中の4−クロロ−5−フルオロ−6−ビニルピリミジン(0.180g)および2−クロロ−1−(2,4−ジフルオロフェニル)エタノン(0.095g)の溶液を、およそ5分間かけて添加した。反応混合物を、HPLC分析によってビニルピリミジンの完全消費が観察されるまで、−20℃で1時間撹拌した。反応物を、塩化アンモニウム水溶液(1M、3mL)、続いてメチルtert−ブチルエーテル(5mL)の添加によってクエンチした。有機層を乾燥させて残留物とし、次いで、これをカラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン中0〜20%酢酸エチルで溶離する)による精製に供して、(2R,3S)−1−クロロ−3−(6−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)ブタン−2−オール(0.259g、65%収率)を白色固体として得た。
1H NMR
(500 MHz, CDCl3): δ (ppm) = 8.71 (1H, s,
ArH), 7.75 (1H, m, ArH), 6.90 (1H, m, ArH), 6.78 (1H, m, ArH), 5.51 (1H, S,
OH), 4.00 (1H, 七重線, CH), 3.94 (1H, d, CH2),
3.51 (1H, d, CH2), 1.08 (3H, d, CH3).
生成物のキラルHPLC分析(Chiralcel−OJ−H、95:5のヘキサン:IPAを用い、1ml/分で)は、還元的アルドール反応(約91%e.e)における約95.7%のエナンチオ選択性を実証した。
(実施例6)
ボリコナゾール中間体の調製
Figure 0006180533
CuF(PPhメタノール溶媒和物(0.137g)および(R)−1−[(R)−α−(ジメチルアミノ)−2−(ジフェニルホスフィノ)ベンジル]−2−ジフェニルホスフィノフェロセン(0.100g)に、テトラヒドロフラン(14mL)を添加した。混合物を、0〜5℃(アルゴン下)で、すべての固体が溶解するまで30分間撹拌した。次いで、この溶液に、フェニルシラン(0.789g)を添加した。10分後、テトラヒドロフラン(22mL)中の5−フルオロ−4−ビニルピリミジン(0.903g)および2−クロロ−1−(2,4−ジフルオロフェニル)エタノン(1.68g)の溶液を、30分間かけて添加した。反応混合物を0〜5℃で1時間撹拌し、この後、さらなる5−フルオロ−4−ビニルピリミジンはHPLCによって観察できなかった。反応物を、塩化アンモニウム水溶液(1M、15mL)、続いてメチルtert−ブチルエーテル(30mL)の添加によってクエンチした。有機層を乾燥させて残留物とし、これを、カラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン中5〜40%酢酸エチルで溶離する)による精製に供して、(2R,3S)−1−クロロ−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−3−(5−フルオロピリミジン−4−イル)ブタン−2−オールを白色固体(1.70g、74%収率)として得た。
1H NMR
(500 MHz, CDCl3): δ (ppm) = 8.93 (1H, s,
ArH), 8.57 (1H, m, ArH), 7.76 (1H, m, ArH), 6.90 (1H, m, ArH), 6.78 (1H, m,
ArH), 5.79 (1H, S, OH), 3.97 (1H, 七重線, CH), 3.93 (1H,
d, CH2), 3.49 (1H, d, CH2), 1.05 (3H, d, CH3).
(2R,3S)−1−クロロ−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−3−(5−フルオロピリミジン−4−イル)ブタン−2−オール生成物のキラルHPLC分析(Cellulose−1カラム、60:40 アセトニトリル:水比の溶離液を1mL/分および25℃で使用する)は、還元的アルドール反応(約86%エナンチオマー過剰率)における約93.2%のエナンチオ選択性を実証した。
下記の調製は、ビニルヘテロアリール出発材料がどのように調製され得るかを示すものである。
調製1− 4−クロロ−5−フルオロ−6−ビニルピリミジン
Figure 0006180533
ジクロロメタン(50mL)中の4,6−ジクロロ−5−フルオロピリミジン(5.0g、30.0mmol、1.0当量)およびトリブチル(ビニル)スズ(10.4g、33.0mmol、1.1当量)の混合物を、窒素流で10分間脱気した。ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド(0.53g、0.75mmol、0.025当量)を添加した。得られた混合物を、追加で15分間、窒素流で脱気し、72時間加熱還流した。反応混合物を室温に冷却し、フッ化カリウム水溶液(2M、75mL、5当量)でクエンチした。得られた混合物を2時間撹拌し、Celite(登録商標)に通して濾過した。濾液を分液漏斗に注ぎ入れ、分離した。有機層を水(20mL)および飽和ブライン(20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下、20℃で濃縮した。得られた粗生成物を、AnaLogix(登録商標)(SF40−115g)カラム上で精製した。精製に利用した勾配は、10分間のアイソクラチックなペンタン、続いて20分間でのペンタン中5%ジエチルエーテルへの傾斜であった。純粋画分を合わせ、減圧下、20℃で濃縮して、4−クロロ−5−フルオロ−6−ビニルピリミジン(3.0g、63%収率)を得た。
質量スペクトル(陽モード): m/z
158.0 (M+). 1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ (ppm) 8.71 (s, 1H), 6.99 (m, 1H), 6.75 (dd, J=17.4 Hz, 1.8 Hz, 1H),
5.90 (dd, J=10.5 Hz, 1.5 Hz, 1H). 19F NMR (282 MHz, CDCl3):
δ133.88 (s).
調製2− 4−クロロ−5−フルオロ−6−ビニルピリミジン、代替的経路
Figure 0006180533
4,6−ジクロロ−5−フルオロピリミジン(6g、36.0mmol)を、カリウムビニルトリフルオロボレート(1.60g、37.8mmol、1.05当量)および炭酸セシウム(17.58g、1.5当量)と水/メチルテトラヒドロフラン中で反応させた。反応物を、アルゴン下、Pd(PPhCl(504mg、0.02当量)およびPPh(189mg、0.02当量)で処理した。反応物を還流まで加熱し、還流下で20分間保持した。反応物を、さらなる水およびtert−ブチルメチルエーテルの添加によってクエンチした。有機相を大気圧で蒸留して、溶媒を除去した。残留物を、カラムクロマトグラフィー、ヘキサン中12〜100%ジクロロメタンによって精製した。合わせた画分を分別蒸留によって濃縮して、4.1g(71%収率)の生成物を黄色がかった油として得た。
調製3− 4−クロロ−5−フルオロ−6−ビニルピリミジン、代替的経路
Figure 0006180533
ステップ1
氷/メタノール冷却浴を使用して温度を30℃未満に保ちながら、メタノール(1.75L)に、ナトリウムメトキシド(151.6g、2.81モル)を小分けにして添加した。酢酸ホルムアミジン(146.12g、1.40モル)を一度に添加した。混合物を5℃に冷却し、次いで、フルオロアセト酢酸エチル(218.3g、1.47モル)を、冷却しながら10分間かけて添加した。反応混合物を25℃に加温し、この温度で2時間撹拌した。酢酸(252.8g、4.21モル)を混合物に5分間かけて添加し、次いで、溶媒を蒸発させた。次いで、トルエン(400mL)を添加し、得られたスラリーを再度蒸発によって濃縮した。酢酸エチル(808mL)を得られたスラリーに添加し、混合物を40℃に15分間加温した。不溶性材料を濾過除去し、酢酸エチル(2×153mL)で洗浄した。
濾液を蒸発させ、得られたスラリーは、静置すると凝固し始めた。ジエチルエーテル(400mL)を添加し、固体塊を解体した。室温で4時間後、固体生成物を濾過除去し、ジエチルエーテル(2×150mL)で洗浄した。温かいオーブン内で終夜乾燥させた後、4−ヒドロキシ−5−フルオロ−6−ビニルピリミジンが、ロウ状固体、264.6g(147%)として取得された。プロトンNMRは、必要な生成物が、0.86モル等量の酢酸ナトリウム(酢酸ナトリウムについて調整された収率=94.9%)を含有していることを示した。
ステップ2
氷浴冷却を用いて温度を40℃に保ちながら、オキシ塩化リン(1622mL、986g、6.43モル、1.7体積)に、4−ヒドロキシ−5−フルオロ−6−ビニルピリミジン(954.2g、ステップ1の粗生成物、4.80モル)を15分間かけて小分けにして添加した。冷却を除去すると、温度は50℃に上昇した。反応物を50℃で15分間保ち、次いで80℃で2時間加熱した。この時間の間に、すべての固体が溶解して、褐色溶液を得た。
得られた溶液を、氷/メタノール冷却を用い、添加速度を制御することによって温度を20℃に保ち、激しく撹拌しながら、90分間かけて水(7.35L)に滴下添加した。反応物を20℃でさらに30分間撹拌した。塩(NaCl)を、溶液が飽和するまで添加し、混合物をジクロロメタン(3.63L、続いて6×1.8L)で抽出した。ジクロロメタン抽出物を飽和重炭酸ナトリウム溶液(363mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濃縮して、淡褐色油を得た。油を180ミリバール圧力で蒸留した。4−クロロ−5−フルオロ−6−メチルピリミジンを、100〜106℃の範囲内、この圧力で蒸留した。
ステップ3
アセトニトリル(55mL)中のN−イソプロピル−N−メチレンプロパン−2−アミニウムクロリド(13.3g、88.7mmol)の溶液に、4−クロロ−5−フルオロ−6−メチルピリミジン(10.0g、68.2mmol)を添加した。反応フラスコをアルゴンでフラッシングし、混合物を撹拌しながら24時間加熱還流し、次いで室温に冷却した。水(130mL)を添加し、混合物をジクロロメタン(140mL)で抽出した。有機相を10%KHSO水溶液(400mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させた。溶液を濾過し、300ミリバール圧力および35℃の真空で蒸発させた。tert−ブチルカテコール(30mg、0.2wt%、粗製材料の質量に基づく)を添加した。残留溶媒を50℃の真空下で除去し、次いで、粗生成物を5ミリバール圧力および50℃(油浴)で蒸留した。tert−ブチルカテコール(0.1wt%)を、蒸留した4−クロロ−5−フルオロ−6−ビニルピリミジン(7.9g、73%)に添加し、これを黄色がかった油として取得した。
調製4− 5−フルオロ−4−ビニルピリミジン
Figure 0006180533
4−ブロモ−5−フルオロピリミジン(5g)を、カリウムビニルトリフルオロボレート(1.05当量)と、メチルテトラヒドロフラン(85ml)および水(8.5ml)の混合物中、(PPhPdCl(0.02当量)、PPh(0.02当量)、およびCsCO(3当量)の存在下で反応させた。反応物を75℃で約5.5時間加熱した。次いで、反応混合物をメチルtert−ブチルエーテル(50ml)で希釈し、続いて水性抽出した。粗生成物を、170mbar(90〜110℃)での蒸留によって精製した。生成物は、無色油(1.44g、41%収率)として取得された。
質量スペクトル(陽モード): m/z
124.0 (M+). 1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ (ppm) 8.98 (s, 1H), 6.96 (dd, 1H), 6.70 (m, 1H), 5.82 (d, 1H). 19F
NMR (282 MHz, CDCl3): 138.60 (s).
調製5− 2−クロロ−5−フルオロ−4−ビニルピリミジン
Figure 0006180533
ジクロロメタン(50mL)中の2,4−ジクロロ−5−フルオロピリミジン(5.0g、30.0mmol、1.0当量)、トリブチル(ビニル)スズ(10.4g、33.0mmol、1.1当量)の混合物を、窒素流で10分間脱気した。ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド(0.53g、0.75mmol、0.025当量)を添加した。得られた混合物を、追加で15分間、窒素流で脱気し、24時間加熱還流した。反応混合物を室温に冷却し、フッ化カリウム水溶液(2M、75mL、5当量)でクエンチした。得られた混合物を2時間撹拌し、Celite(登録商標)に通して濾過した。濾液を分液漏斗に注ぎ入れ、分離した。有機層を水(20mL)および飽和ブライン(20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下、20℃で濃縮した。得られた粗生成物を、AnaLogix(登録商標)(SF40−115g)カラム上で精製した。精製に利用した勾配は、10分間のアイソクラチックなペンタン、続いて20分間のペンタン中5%ジエチルエーテルへの傾斜であった。純粋画分を合わせ、減圧下、20℃で濃縮して、2−クロロ−5−フルオロ−4−ビニルピリミジンを油(3.65g、77%収率)として得た。

Claims (11)

  1. 式:
    Figure 0006180533

    の化合物[式中、XおよびYはいずれもHであるか、またはXおよびYの一方はHであり、他方はクロロである]
    を調製するための方法であって、
    式:
    Figure 0006180533

    の化合物を、式:
    Figure 0006180533

    の化合物[式中、XおよびYは、上記で定義された通りである]と、それぞれ、銅触媒、キラルホスフィンリガンドおよび還元剤の存在下で反応させ、反応は有機溶媒の存在下で実施され、有機溶媒がアルコールである方法。
  2. 有機溶媒が第三級アルコールである、請求項1に記載の方法。
  3. 有機溶媒が2−メチル−2−ブタノールである、請求項2に記載の方法。
  4. がクロロであり、YがHである、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記触媒が銅(I)触媒である、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記触媒が、CuF(PPh.メタノール溶媒和物またはCuF(PPh.エタノール溶媒和物である、請求項に記載の方法。
  7. 前記リガンドが、(S)−1−{(S)−2−[2−(ジフェニルホスフィノ)フェニル]フェロセニル}エチルビス[3,5−ビス−(トリフルオロメチル)フェニル]ホスフィンである、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記還元剤がフェニルシランである、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記反応の温度が約−9℃である、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記生成物がボリコナゾールであるか、または前記生成物が1つまたは複数のステップにおいてさらに転換されてボリコナゾールを提供する、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
  11. 4−クロロ−5−フルオロ−6−ビニルピリミジン、
    5−フルオロ−4−ビニルピリミジン、または
    2−クロロ−5−フルオロ−4−ビニルピリミジン
    である化合物。
JP2015536261A 2012-10-15 2013-10-08 ボリコナゾールおよびその類似体の調製のための方法 Active JP6180533B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201261713761P 2012-10-15 2012-10-15
US61/713,761 2012-10-15
PCT/IB2013/059202 WO2014060900A1 (en) 2012-10-15 2013-10-08 Process for the preparation of voriconazole and analogues thereof

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2015536305A JP2015536305A (ja) 2015-12-21
JP2015536305A5 JP2015536305A5 (ja) 2016-06-16
JP6180533B2 true JP6180533B2 (ja) 2017-08-16

Family

ID=49641810

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015536261A Active JP6180533B2 (ja) 2012-10-15 2013-10-08 ボリコナゾールおよびその類似体の調製のための方法

Country Status (24)

Country Link
US (2) US9388167B2 (ja)
EP (1) EP2906555B1 (ja)
JP (1) JP6180533B2 (ja)
KR (1) KR101706488B1 (ja)
CN (1) CN104884450B (ja)
AU (1) AU2013333534B2 (ja)
BR (1) BR112015007821B1 (ja)
CA (1) CA2888127A1 (ja)
CY (1) CY1118451T1 (ja)
DK (1) DK2906555T3 (ja)
ES (1) ES2615743T3 (ja)
HK (1) HK1213891A1 (ja)
HU (1) HUE031877T2 (ja)
IL (1) IL238209A (ja)
IN (1) IN2015DN02877A (ja)
MX (1) MX358245B (ja)
NZ (1) NZ706764A (ja)
PL (1) PL2906555T3 (ja)
PT (1) PT2906555T (ja)
RU (1) RU2619928C2 (ja)
SG (1) SG11201502237RA (ja)
SI (1) SI2906555T1 (ja)
WO (1) WO2014060900A1 (ja)
ZA (1) ZA201501904B (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
NZ706764A (en) * 2012-10-15 2017-11-24 Pfizer Ireland Pharmaceuticals Process for the preparation of voriconazole and analogues thereof
CN106432198B (zh) * 2016-09-08 2022-10-21 浙江华海药业股份有限公司 一种制备伏立康唑拆分中间体的方法
CN112898273B (zh) * 2021-03-30 2022-05-31 海南锦瑞制药有限公司 伏立康唑的合成方法及应用
CN113185465B (zh) * 2021-05-26 2022-09-27 无锡捷化医药科技有限公司 一种4-乙基-5-氨基嘧啶的制备方法

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB8819308D0 (en) 1988-08-13 1988-09-14 Pfizer Ltd Triazole antifungal agents
GB9002375D0 (en) * 1990-02-02 1990-04-04 Pfizer Ltd Triazole antifungal agents
GB9516121D0 (en) * 1995-08-05 1995-10-04 Pfizer Ltd Organometallic addition to ketones
CA2590687C (en) * 2004-12-14 2013-09-10 Dr. Reddy's Laboratories Ltd. Process for preparing voriconazole
US8067591B2 (en) 2005-01-10 2011-11-29 Agouron Pharmaceuticals, Inc. Pyrrolopyrazole, potent kinase inhibitors
KR100889937B1 (ko) * 2007-08-06 2009-03-20 한미약품 주식회사 보리코나졸의 제조방법
WO2011045807A2 (en) * 2009-10-14 2011-04-21 Neuland Laboratories Ltd. A novel process to manufacture (2r,3s)-2-(2,4-difluorophenyl)-3-(5-fluoropyrimidin-4-yl)-1-(1h-1,2,4-triazol-1-yl)butan-2-ol
CN102827073A (zh) * 2011-06-17 2012-12-19 安吉奥斯医药品有限公司 治疗活性组合物和它们的使用方法
CN103814020B (zh) * 2011-06-17 2017-07-14 安吉奥斯医药品有限公司 治疗活性组合物和它们的使用方法
EP2900665B1 (en) * 2012-09-28 2018-01-03 Merck Sharp & Dohme Corp. Triazolyl derivatives as syk inhibitors
NZ706764A (en) * 2012-10-15 2017-11-24 Pfizer Ireland Pharmaceuticals Process for the preparation of voriconazole and analogues thereof
JO3383B1 (ar) 2013-03-14 2019-03-13 Lilly Co Eli مثبطات cdc7

Also Published As

Publication number Publication date
CA2888127A1 (en) 2014-04-24
CY1118451T1 (el) 2017-07-12
US20150239867A1 (en) 2015-08-27
US20160229842A1 (en) 2016-08-11
CN104884450A (zh) 2015-09-02
IN2015DN02877A (ja) 2015-09-11
ES2615743T3 (es) 2017-06-08
WO2014060900A1 (en) 2014-04-24
SG11201502237RA (en) 2015-05-28
PT2906555T (pt) 2017-02-15
RU2619928C2 (ru) 2017-05-22
SI2906555T1 (sl) 2017-02-28
PL2906555T3 (pl) 2017-07-31
AU2013333534B2 (en) 2016-04-14
EP2906555A1 (en) 2015-08-19
JP2015536305A (ja) 2015-12-21
EP2906555B1 (en) 2016-12-14
US9388167B2 (en) 2016-07-12
MX2015004450A (es) 2015-06-24
BR112015007821B1 (pt) 2022-02-15
AU2013333534A1 (en) 2015-04-09
RU2015113741A (ru) 2016-12-10
HUE031877T2 (en) 2017-08-28
MX358245B (es) 2018-08-10
DK2906555T3 (en) 2017-02-06
IL238209A (en) 2017-07-31
IL238209A0 (en) 2015-06-30
KR20150055009A (ko) 2015-05-20
KR101706488B1 (ko) 2017-02-13
BR112015007821A2 (pt) 2017-07-04
US9499520B2 (en) 2016-11-22
HK1213891A1 (zh) 2016-07-15
ZA201501904B (en) 2017-01-25
CN104884450B (zh) 2017-03-29
NZ706764A (en) 2017-11-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Li et al. Studies on Cu-catalyzed asymmetric alkynylation of tetrahydroisoquinoline derivatives
JP6180533B2 (ja) ボリコナゾールおよびその類似体の調製のための方法
JP6560685B2 (ja) 有機化合物における、または有機化合物に関する改良
US9556108B2 (en) Process for preparing substituted phenylalkanes
Pastre et al. Synthesis of novel room temperature chiral ionic liquids: application as reaction media for the heck arylation of aza-endocyclic acrylates
US11465977B2 (en) Process for the preparation of sphingosine-1-phosphate receptor agonist
JP6686050B2 (ja) ボラン錯体及びその製造法
WO2015077286A1 (en) Hexahydroindenopyridine derivatives
JP6463854B2 (ja) 3‐置換フェニルアルキルアミンを製造するための二段法
US7612239B2 (en) Method for asymmetric alkynylation of alpha-imino esters
WO2010098193A1 (ja) β-アミノカルボニル化合物の製法及びリチウムビナフトラート錯体
Sormunen Nickel-Catalyzed Reductive Couplings of Aldehydes and Alkynes: Controlling Stereochemistry and Regioselectivity using N-Heterocyclic Carbene Ligands.
JP2004131462A (ja) 光学活性アゾール誘導体およびその製造法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160420

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160420

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20161221

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170116

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170711

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170718

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6180533

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250