JP6179882B2 - 照明制御システム - Google Patents

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Description

本発明は、熱線センサを備える無線発信器、及び無線発信器と無線接続された無線受信器を用いて照明器具を制御する照明制御システムに関する。
従来より、住宅やビルディング内において、明るさセンサや人感センサといったセンサ類と連携して複数の照明器具のON/OFFや調光状態を個別に、又は一括して制御する照明制御システムが導入されている。この照明制御システムでは、外光の明るさや人の存在に応じて照明器具のON/OFFを適切に制御できるため省エネルギー化を図ることができる。
また、高天井の倉庫や、ラックなどの障害物が多くある空間でも正確な人検知ができるように、複数の小型の熱線センサ付き無線発信器をレイアウトフリーに設置した照明制御システムも知られている。
このような照明制御システムの一例を図10に示す。この照明制御システム100は、熱線センサ及び照度センサを有する複数の無線発信器101a,101b、これら無線発信器101a,101bと無線通信する無線受信器102を備える。さらに、分電盤内には伝送ユニット103、リレー制御用端末器104、及びリモコンリレー105を備え、リモコンリレー105には照明器具107が接続される。伝送ユニット103は、2線式の信号線を介して無線受信器102、リレー制御用端末器104及びスイッチ106と接続されている。
この照明制御システム100の動作を図11乃至図13を参照して説明する。最初に、図11(a)に示すように、無線発信器101aは、熱線センサからの入力が閾値を超えて人検知された場合、所定アドレスの照明器具107をON制御するためのON通知を無線受信器102に送信する。このとき、無線発信器101aの内部状態はON状態として保持される。一方、無線受信器102は、メモリ部を備え、登録関係にある複数の無線発信器101a,101bに対応する制御アドレス毎にON/OFF状態の別を記憶している。
無線受信器7は、電波到達エリア内にあり、登録関係にある複数の無線発信器101a,101bのいずれか1つからON通知を受信した場合、認識状態が「OR ON」となり、ON制御要求を含む制御データを伝送ユニット2に送信する。
伝送ユニット103は、無線受信器102からのON制御要求に基づいて制御対象となる照明器具107や制御状態を特定する。また、伝送ユニット103は、制御対象となる照明器具107と対応するリレー制御用端末器104に対して、照明器具107のアドレス情報と、そのON制御状態とを制御指令信号として送信する。
リレー制御用端末器104は、伝送ユニット103からの伝送信号に基づいて、自己に接続するリモコンリレー105のうち、制御対象となる照明器具107に対応するリモコンリレー105に対してON制御信号を送る。このことにより、リモコンリレー105の状態をON制御する。また、スイッチ106は、伝送ユニット103から制御信号を受信し、ON制御された照明器具107に対応するボタン部のLED表示をOFF表示(緑)からON表示(赤)に変更する。
次に、図11(b)に示すように、別の無線発信器101bにおいて熱線センサからの入力が閾値を超えて人検知された場合、無線発信器101bは、制御アドレスの照明器具107をON制御するためのON通知を無線受信器102に送信する。この場合、無線受信器102は、無線発信器101bの制御アドレスをON状態とし、内部の認識状態は「OR ON」が継続される。
無線発信器101aは、図12(a)に示すように、検知エリア内で人検出されてから所定の動作保持時間の経過後において、照明器具9を消灯するためのOFF通知を無線受信器102に送信する。ここで、無線受信器102は、無線発信器101aの制御アドレスをOFF状態とするが、内部の認識状態には未だ「OR ON」が成立している。
次に、図12(b)に示すように、無線発信器101bの動作保持時間が満了すると、OFF通知が無線受信器102に送信される。ここで、無線受信器102は、無線発信器101bの制御アドレスをOFF状態とする。すると、無線受信器102は、複数の無線発信器101a,101bから受信したON通知に対応する全てのOFF通知を受信した動作状態である「AND OFF」成立と認識する。この「AND OFF」が伝送ユニット103に対してOFF制御要求を行うトリガとなる。
そして、OFF制御要求を受信した伝送ユニット103は、制御対象となる照明器具107や制御状態を特定する。そして、伝送ユニット103は、上記同様の制御によりリレー制御用端末器104及びリモコンリレー105を介して照明器具107をOFF制御する。
ところで、照明に搭載され、正常に動作しているセンサの数がゼロになっても、照明装置の不点灯または誤動作を防ぐことができることができる照明制御システムが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−176912号公報
しかしながら、上記図10に示す照明制御システムにおいて、動作保持時間経過後のOFF通知をする前において、無線発信器101aに、故障、電池切れ、電波到達圏外への持ち運びなどの不具合が生じることが考えられる。特に、小型の無線発信器101aは、裏面のマグネットなどを用いてロッカー壁面などに固定されることがあるため、容易に持ち運びされる可能性がある。
この場合は、図13(a)に示すように、動作保持時間の経過後に無線受信器102から送信される予定のOFF通知が無線受信器102に到達せず、無線受信器102が無線発信器101aの制御アドレスをON状態からOFF状態にできない。この結果、図13(b)に示すように、無線発信器101bの動作保持時間が満了してOFF通知が無線受信器102に正確に送信され、無線発信器101aの検知エリアに人が居なくなった後においても、内部の認識状態「OR ON」が継続する。この場合、人が居なくなっても照明器具107を消灯できないという問題が生じる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、無線発信器に不具合が生じた場合においても、照明器具が誤って点灯され続けることを適切に防止した照明制御システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、検知エリア内の人体から放射される熱線を検知する熱線センサを有して照明負荷の動作制御をする複数の無線発信器と、前記無線発信器と無線通信される無線受信器と、信号線を介して前記無線受信器と接続されて制御データを送受信する伝送ユニットと、を備える照明制御システムにおいて、前記無線受信器には、前記複数の無線発信器のそれぞれが制御対象とする照明負荷のアドレス情報である制御アドレスと、当該制御アドレスのON/OFF状態が記録され、前記無線受信器は、前記無線発信器の不具合状態を確認するため定期的に前記無線発信器から受信する判別信号に基づいて、当該判別信号を所定期間以上にわたって受信できない場合、当該無線発信器の制御アドレスをOFF状態とし、かつ前記複数の無線発信器の制御アドレスが全てOFF状態となる場合に、前記照明負荷をOFF制御するための制御データを前記伝送ユニットに送信することを特徴とする。
この照明制御システムにおいて、前記無線受信器は、前記無線発信器の不具合状態を確認するために生存確認信号を前記複数の無線発信器に定期的に送信し、前記無線発信器は、前記生存確認信号を受信した場合、前記判別信号としての応答信号を前記無線受信器に返信することが好ましい。
この照明制御システムにおいて、前記無線発信器は、前記判別信号としての生存通知信号を前記無線受信器に定期的に送信することが好ましい。
この照明制御システムにおいて、前記無線発信器は、前記熱線センサで人検知された場合、前記制御アドレスの照明負荷をON制御するためのON通知を前記無線受信器に送信し、前記無線発信器は、前記ON通知を送信してからの所定の動作保持時間を計測するタイマ部をさらに備え、前記無線発信器は、前記タイマ部での計測に基づいて、前記ON通知を送信してからの所定の動作保持時間経過後に、前記制御アドレスの照明負荷をOFF制御するためのOFF通知を前記無線受信器に送信し、前記無線受信器は、前記動作保持時間経過後に前記OFF通知を受信した場合、当該OFF通知の送信元となる無線発信器の前記制御アドレスをOFF状態とすると共に、前記ON通知を受信してから前記OFF通知を受信するまでの期間においてのみ、前記無線発信器の不具合状態を確認することが好ましい。
この照明制御システムにおいて、前記無線発信器は、前記熱線センサで人検知された場合、前記制御アドレスの照明負荷をON制御するためのON通知を前記無線受信器に送信し、前記無線受信器は、前記ON通知を受信した時点において、前記ON通知の送信元となる無線発信器の前記制御アドレスをON状態とすると共に、前記複数の無線発信器の制御アドレスの少なくとも1つがON状態となるときに、前記照明負荷をON制御するための制御データを前記伝送ユニットに送信することが好ましい。
本発明に係る照明制御システムによれば、無線受信器は無線発信器から当該無線発信器の不具合状態を判別するための判別信号を定期的に受信する。そして、無線受信器は、一定時間以上、当該判別信号を受信できない場合、無線発信器に対応する制御アドレスをOFF状態とする。このため、無線発信器に不具合が生じた場合においても、照明器具が誤って点灯され続けることを適切に防止できる。
本発明の実施の形態1に係る照明制御システムのシステム構成図である。 同上照明制御システムに備わる無線発信器の機能ブロック図である。 同上照明制御システムに備わる無線受信器の機能ブロック図である。 同上照明制御システムの動作手順を示すフローチャートである。 同上照明制御システムのシーケンス図である。 (a)及び(b)同上照明制御システムに備わる無線発信器、無線受信器及び照明器具の制御状態を説明するための図である。 同上照明制御システムに備わる無線発信器、無線受信器及び照明器具の制御状態を説明するための図である。 実施の形態2に係る照明制御システムのシーケンス図である。 実施の形態2の変形例に係る照明制御システムのシーケンス図である。 従来の照明制御システムのシステム構成図である。 (a)及び(b)同上照明制御システムにおいて、無線発信器が人検知した際の制御動作を説明するための図である。 (a)及び(b)同上照明制御システムにおいて、動作保持時間満了後の制御動作を説明するための図である。 (a)及び(b)同上照明制御システムにおいて、無線発信器に不具合が発生した際の制御動作を説明するための図である。
本発明の実施の形態に係る照明制御システムについて図面を参照して説明する。
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態1に係る照明制御システム1の構成を示す。この照明制御システム1は、伝送ユニット2と、リレー制御用端末器3と、リモコンリレー4と、リモコントランス5と、リモコンスイッチ6と、無線受信器7と、無線発信器8a,8b(総称して、8)と、照明器具(照明負荷)9とを備えている。
リレー制御用端末器3、リモコンスイッチ6、及び無線受信器7は、2線式の信号線を介して伝送ユニット2と相互に接続されており、伝送ユニット2との情報のやり取りは、信号線に多重伝送方式で伝送される伝送信号を通して行われる。この照明制御システム1では、無線受信器7と無線発信器8との間で無線通信を行い、照明器具9のオン/オフ状態や室内の照度を自動制御する。
伝送ユニット2は、リモコンスイッチ6や無線受信器7からの伝送信号に基づいて、伝送信号に含まれるアドレス情報から制御対象となる照明器具9を特定すると共に、照明器具9に対する制御状態を特定する。そして、伝送ユニット2は、制御対象となる照明器具9と対応するリレー制御用端末器3に対して、照明器具9のアドレス情報と、その制御状態(ON、OFFや調光レベルなど)とを制御指令信号として送信する。
照明制御システム1内に存在する照明器具9は、負荷アドレスによって一意に特定することができる。具体的には、リレー制御用端末器3には、負荷チャネル(Ch)と呼ばれる固有の識別子が割り当てられており、リレー制御用端末器3に接続するリモコンリレー4には、負荷ナンバー(Nm)を呼ばれる固有の識別子が割り当てられている。負荷チャネル(Ch)と、負荷ナンバー(Nm)とを組み合わせることにより、負荷アドレス(Ch−Nm)が構成される。
リレー制御用端末器3は、リレーの制御状態に応じて照明器具9の状態を制御する負荷制御端末器としての機能を担っている。リレー制御用端末器3は、伝送ユニット2からの伝送信号に基づいて、自己に接続するリモコンリレー4のうち、制御対象となる照明器具9に対応するリモコンリレー4に対して制御信号を送ることにより、リモコンリレー4の状態を制御する。リモコンリレー4の個々のリレーは、リレー制御用端末器3に制御されて、ブレーカ電源(AC100又は200V)10などからの商用交流をオン/オフすることで、照明器具9をオン状態またはオフ状態にする。
リモコントランス5は、リレー制御用端末器3、及びリモコンリレー4に駆動用の電力を供給する。
リモコンスイッチ6は、照明器具9を制御するための制御指令を出力するための入力端末器としての機能を担っている。具体的には、リモコンスイッチ6は、例えば室内などの任意の壁面に設置されており、照明器具9を利用するユーザによってプッシュ操作が可能な端末器である。リモコンスイッチ6は、操作スイッチのいずれかが操作されるのに応じて、その操作スイッチに関連付けられているアドレス情報と、操作スイッチの操作状態とを制御指令として伝送ユニット2に送信する。
無線受信器7は、天井面に埋め込まれ、無線発信器8とワイヤレスで制御情報の送受信を行うと共に、2線式の信号線と接続して伝送ユニット2と制御データの送受信を行う。無線受信器7は、配置される場所が異なると、異なる電波到達エリアA,Bを有する。
この無線受信器7には、例えば電波式ワイヤレスアドレス設定器10を用い、無線発信器8との間で無線信号の送受信を行うためのアドレス情報も登録される。このアドレス情報は、無線受信器7の電波到達エリア内の登録関係にある複数の無線発信器8のそれぞれの固有の機器ID、及び当該機器IDの無線発信器8が制御対象とする照明器具9の制御アドレスが登録されている。この制御アドレスとして、個別アドレス、パターンアドレスやグループアドレスなどが設定される。なお、個別アドレスは、個別制御の対象となる照明器具9を特定するための情報であり、負荷アドレス(個別「0−1」など)に該当する。グループアドレスは、複数の照明器具9を同一の制御状態へと一括的に制御するためグループ制御の対象となるグループを特定するための情報であり、予め設定された個々のグループに付与された番号(「G−1」など)がこれに該当する。パターンアドレスは、複数の照明器具9を、それぞれの照明器具9に予め定められた所定の制御状態へと一括的に制御するパターンを特定するための情報であり、予め設定された個々のパターンに付与された番号(「P−1」など)である。
無線発信器8a,8bは、レイアウトフリーに壁面に設置され、検知エリア周辺の照度を検知する照度センサ、及び検知エリア内の人体から放射される熱線を検知する熱線センサを備える。また、無線発信器8a,8bの背面側には、ユーザ操作されるアドレス設定選択つまみ、動作保持時間設定用つまみなどが設けられている。
熱線センサは、人体から放射される熱線を検出して検知エリア内の人の存否に応じて出力する人体検出信号を監視する。無線発信器8は、検知エリア内の人の動きが検出されたときに照明器具9を自動でのON/OFF制御や自動調光させるためのアドレス情報や制御情報を無線受信器7に送信可能とする。また、無線発信器8は、熱線センサによって検知エリア内で人検出されてから所定の動作保持時間経過後に照明器具9を消灯するためのOFF通知を無線受信器7に送信する。
照度センサは、検知エリアの明るさを検知(照度検知範囲5〜1000ルクス等)する。無線発信器8は、照度センサにより検知された照度に基づいて照明器具9を制御するための制御情報を無線受信器7に送信可能とする。この照度センサを用いた照明制御により、日没後は点灯するなど外光にあわせて平均照度を一定に保って調光でき、照明環境の快適性を保ちながら省エネを図ることができる。また、無線発信器8が熱線センサに加えて照度センサをも備えることで、暗くなり且つ人がいる時だけの点灯制御などが可能となる。
次に、本照明制御システム1に備わる無線発信器8の機能構成に関して図2を参照して説明する。無線発信器8は、CPU80、電源部81、ブザー82、サブクロック部83、熱線検知部84、LED表示部85、アドレス切替部86、無線送受信部87、照度測定部88、明るさ設定部89、動作保持時間設定部90、及びアドレス登録設定部91を備える。
電源部81は、特定小電力無線に対応し、専用のリチウムイオン二次電池から内部の電源を供給する。ブザー82は、確認音や警告音を発音し、サブクロック部83は、水晶振動子などによりCPU80の動作周波数を発生させる。
熱線検知部84は、熱線の変化を検知する焦電素子のような熱線センサを具備し、熱線センサの出力を増幅してCPU80に出力する。CPU80は、熱線検知部84の出力と、保持された所定の閾値との高低を比較することによって、検知エリア内の人の存否を判定している。また、CPU80は、所定プログラムに基づいて、無線受信器7との間で行う通信情報を制御する。
LED表示部85は、熱線センサにおいて人を検知した際やアドレス設定時、電源不足時などにおいて点滅や発光する。無線発信器8は、操作入力部93によってユーザ入力された設定項目(例えば設定照度値、動作保持時間やアドレスデータ)の値や、内部的にON通知をしたON状態又はOFF通知をしたOFF状態の別を保持する。無線送受信部87は、専用のASICがアンテナに接続されて構成され、無線受信器7との間で、ワイヤレスで制御情報の送受信を実現する。
照度測定部88は、周囲の明るさを検出するCdS、フォトダイオード、フォトトランジスタのような照度センサを有し、照度センサの出力を増幅してCPU80に出力する。CPU80では、照度測定部88の出力と、保持された所定の明るさレベル(設定レベル)との明暗を比較する。
無線発信器8の背面に設けられたツマミ部である操作入力部93には、明るさ設定部89、動作保持時間設定部90、及びアドレス登録設定部91が備えられる。明るさ設定部89は、照明器具9の制御のための照度設定値を変更するための切替スイッチである。動作保持時間設定部90は、照明器具9の点灯を保持する時間を変更するための切替スイッチであり、30秒、3分、10分、30分などから動作保持時間を選択する。アドレス登録設定部91は、別体の電波式アドレス設定器とデータを送受信して電波信号を受信する。アドレス切替部86は、番号1〜16などの内からアドレスを選択するツマミ部である。
タイマ部80aは、CPU80に備わり、クロックを数えることで一定時間の経過を知るタイマ機能を有し、定期的な信号送受信時や、無線発信器8の動作保持時間の検出時にCUP80に対して割り込みを発生させる。
次に、本照明制御システム1に備わる無線受信器7の機能構成に関して図3を参照して説明する。無線受信器7は、CPU70a,70b(総称して、70)、無線送受信部71a,71b、スイッチ72、多重伝送信号送受信部73、電源部74、LED表示部75、メモリ部76、及びタイマ部77を備える。
無線送受信部71a,71bは、専用のASICがアンテナに接続されて構成され、複数の無線発信器8a,8bとの経路切り替えなどを行うスイッチ72を介して無線発信器8との間で制御情報の送受信を実現する。無線送受信部71a、71bは、無線発信器8から制御信号を受信すると、CPU70a,70bに検知信号を出力する。
伝送通信部たる多重伝送信号送受信部73は、一対の端子T1,T1に接続された信号線Lsを介して、伝送ユニット2との間で多重伝送方式により伝送信号の送受信を行う。また、多重伝送信号送受信部73は、信号線Lsを介して入力された伝送信号を信号変換してCPU70a,70bに出力し、CPU70a,70bから出力された信号を伝送信号に変換して信号線Lsに送出する。
電源部74は、信号線Lsを介して入力される伝送信号を全波整流器で全波整流し、さらに定電圧部で定電圧化することによって、内部の電源を得ている。
CPU70a,70bでは、多重伝送信号送受信部73を介して受信した伝送信号に含まれるアドレスデータがメモリ部76に格納されたアドレスデータに一致すると、伝送信号の制御データを受け取り、制御データに応じた動作をする。また、CPU70は、所定プログラムに基づいて、無線発信器8との間で行う通信情報を処理する。
LED表示部75は、アドレス設定時などにおいて点滅や発光する。メモリ部76は、不揮発性メモリであり、設定項目(例えばアドレス)の値、無線発信器8の機器ID、当該機器IDごとに設定された制御アドレス、当該制御アドレスのON/OFF状態、無線受信器7の認識状態「OR ON」、「AND OFF」を記憶する。
タイマ部77は、CPU70に備わり、クロックを数えることで一定時間の経過を知るタイマ機能を有し、定期的な信号送受信時などにおいてCUP70aに対して割り込みを発生させる。
次に、本実施の形態1に係る照明制御システム1の動作手順に関して図4のフローチャートを参照して説明する。まず、無線受信器7から無線発信器8a,8bに生存確認信号を送信した場合の動作手順に関して説明する。
最初に、無線受信器7のメモリ部76には、「無線発信器8a,8b:生存」と記憶されている(S20)。そして、タイマ部77において所定の生存確認送信タイミングとなると(S21でY)、無線受信器7は無線発信器8aに生存確認信号を送信する(S22)。この生存確認信号は、無線受信器7が無線発信器8aの状態を確認するための信号である。無線受信器7は、生存確認信号に対する応答信号であるACK(判別信号)を受信することで(S23でY)、無線発信器8aが正常に存在していることを確認し、メモリ部76の「無線発信器8a:生存」を保持する(S24)。
一方、ACK(判別信号)を受信できない場合であり(S23でN)、所定時間(t1:例えば30分)が経過した場合には(S25でY)、メモリ部76に「無線発信器8a:不生存」を記憶する(S26)。また、所定時間が経過していない場合には(S25でN)、再度S21以下の処理を繰り返す。
また、無線受信器7は、無線発信器8bに対してもS21〜26までと同様の動作を行う。すなわち、タイマ部77において所定の生存確認送信タイミングとなると(S27でY)、無線発信器8bに生存確認信号を送信する(S28)。これに対するACK(判別信号)を受信すると(S29でY)、無線発信器8bが正常に存在していることを確認でき、メモリ部76の「無線発信器8b:生存」を保持する(S30)。一方、ACK(判別信号)を受信できない場合であり(S29でN)、所定時間(t1)が経過した場合には(S31でY)、メモリ部76に「無線発信器8b:不生存」を記憶する(S32)。また、所定時間が経過していない場合には(S31でN)、再度S21以下の処理を繰り返す。
次に、無線受信器7が無線発信器8a,8bからON通知を受信した場合の動作手順に関して同じく図4を参照して説明する。
最初に、無線受信器7のメモリ部76には「無線発信器8a,8bの制御アドレス:OFF状態」が記憶されている(S40)。次に、無線受信器7は、無線発信器8aからのON通知を受信した場合(S41でY)、メモリ部76に「無線発信器8aの制御アドレス:ON状態」を記憶する(S42)。一方、ON通知を受信していない場合(S41でN)、メモリ部76の記録である「無線発信器8aの制御アドレス:OFF状態」を保持する(S43)。
また、無線受信器7は、無線発信器8bに対してもS41〜43までと同様の動作を行う。すなわち、無線発信器8bからON通知を受信した場合(S44でY)、メモリ部76に「無線発信器8bの制御アドレス:ON状態」を記憶する(S45)。一方、ON通知を受信していない場合(S44でN)、メモリ部76の「無線発信器8bの制御アドレス:OFF状態」を保持する(S46)。
次に、無線受信器7における「OR ON」又は「AND OFF」の動作手順に関して同じく図4を参照して説明する。
最初に、無線受信器7は、メモリ部76に「無線発信器8aの制御アドレス:ON状態」と記憶されている場合には(S50でY)、照明器具9にON制御信号を送信する(S52)。また、無線受信器7は、メモリ部76に「無線発信器8aの制御アドレス:ON状態」と記憶されていなくても(S50でN)、「無線発信器8bの制御アドレス:ON状態」と記憶されている場合(S51でY)がある。この場合においても照明器具9にON制御信号を送信する(S52)。
このように、無線受信器7は、照明器具9の消灯時において、複数の無線発信器8a,8bのいずれか1つからON通知を受信した時点を「OR ON」成立と認識する。そして、無線受信器7は、この「OR ON」を伝送ユニット2にON制御要求を送信するトリガとしている。
次に、無線受信器7における認識状態「AND OFF」に関して説明する。無線受信器7は、「無線発信器8aの制御アドレス:OFF状態」と記憶され(S53でY)、「無線発信器8bの制御アドレス:OFF状態」と記憶されている場合(S55でY)、照明器具9のOFF制御要求を伝送ユニット2に送信する(S57)。
また、メモリ部76に「無線発信器8aの制御アドレス:OFF状態」ではなく(S53でN)、「無線発信器8a:不生存」と記憶され(S54でY)、さらに「無線発信器8bの制御アドレス:OFF状態」と記憶されている場合(S55でY)がある。この場合、無線受信器7は、照明器具9のOFF制御要求を伝送ユニット2に送信する(S57)。
また、「無線発信器8aの制御アドレス:OFF状態」ではなく(S53でN)、「無線発信器8a:不生存」と記憶されておらず(S54でN)、「無線発信器8bの制御アドレス:OFF状態」と記憶されている場合(S55でY)がある。この場合にも、無線受信器7は、照明器具9のOFF制御要求を伝送ユニット2に送信する(S57)。
次に、本実施の形態1に係る照明制御システム1の動作シーケンスに関して図5乃至図7を参照して説明する。
最初に、図5に示すように、無線発信器8aは、熱線センサからの入力が閾値を超えて人検知された場合、所定アドレスの照明器具9をON制御するためのON通知を無線受信器7に送信する(S301)。このとき、無線受信器7は、S301のON通知を受信した時点で無線発信器8a,8bのいずれか1つからON通知を受信した「OR ON」が成立するため、制御データとしてON制御要求を伝送ユニット2に送信し(S302)、照明器具9が点灯される。
また、無線発信器8bは、熱線センサからの入力が閾値を超えて人検知された場合、ON通知を無線受信器7に送信する(S303)。なお、ここでは既にS301の時点で「OR ON」が成立してON制御要求を伝送ユニット2に送信しているためON制御要求を伝送ユニット2に送信しない。
次に、無線受信器7は、無線発信器8a,8bが正常に存在しているか確認するための信号である生存確認信号を、所定期間で定期的に(例えば5分毎)、電波検知エリア内の全ての無線発信器8a,8bにブロードキャストする(S304)。そして、この生存確認信号を受信した無線発信器8a,8bは、正常に存在していることを示すためのACK(判別信号)を無線受信器7に返信する(S305,S306)。
次に、無線発信器8aに電池切れや電波到達エリア外への持ち運びなどの不具合が生じると(S307)、無線発信器8aは、生存確認信号(S304)に対するACK(S305)を返信できなくなる。ここで、図6(a)に示すように、無線受信器7は、自身の認識状態「OR ON」、無線発信器8aの制御アドレス「ON状態」、無線発信器8bの制御アドレス「ON状態」を記憶している。
一方、無線発信器8bは正常に動作しているため、動作保持時間が経過するとOFF通知を無線受信器7に送信する(S308)。ここで、図6(b)に示すように、無線受信器7は、自身の認識状態「OR ON」、無線発信器8aの制御アドレス「ON状態」、無線発信器8bの制御アドレス「OFF状態」を記憶する。
そして、生存確認通知(S304)に対するACK(S305)が所定期間以上(例えば30分)にわたって応答がない場合、無線受信器7は、無線発信器8aの制御アドレスをOFF状態とする(S309)。すなわち、図7に示すように、無線受信器7は、自身の認識状態「AND OFF」、無線発信器8aの制御アドレス「OFF状態」、無線発信器8bの制御アドレス「OFF状態」を記憶する。そして、「AND OFF」が無線受信器7から伝送ユニット2にOFF制御要求(S310)を行うトリガとなり、最終的に照明器具9がOFF制御される。
以上の説明のように、本実施の形態1において、無線受信器7は、無線発信器8と通信できる状態にあることを、定期的に送信する生存確認信号において監視する。そして、一定期間以上において無線発信器8から当該生存確認信号のACK(判別信号)が受信できない状態となった場合、その無線発信器8の制御アドレスをOFF状態にする。このため、無線受信器7は、無線発信器に不具合が生じた場合においても、確実に「AND OFF」の成立を認識でき、誤って照明器具が点灯され続けることを適切に防止できる。
なお、本実施の形態1において、無線発信器8から無線受信器7に送信されるON通知は必須のステップではない。すなわち、無線受信器7が定期的に生存確認信号を送信し、そのACK(判別信号)の有無を確認するだけでも無線発信器8の不具合を検証できる。
(実施の形態2)
以下、本発明に係る照明制御システムの実施の形態2に関して図8を参照して説明する。上記実施の形態1に係る照明制御システム1と同様の構成には同符号を付し、その詳細な説明は省略する。
本実施の形態2に係る照明制御システム1では、無線発信器8a,8bから定期的に無線受信器7に、生存通知信号(判別信号)を送信することを特徴とする。最初に、図8に示すように、無線発信器8aは、熱線センサからの入力が閾値を超えて人検知された場合、制御アドレスの照明器具9をON制御するためのON通知を無線受信器7に送信する(S301)。このとき、無線受信器7は、「OR ON」が成立するため、ON制御要求を伝送ユニット2に送信し(S302)、照明器具9が点灯される。
また、無線発信器8bは、熱線センサからの入力が閾値を超えて人検知された場合、ON通知を無線受信器7に送信する(S303)。なお、ここでは既にS301の時点で「OR ON」が成立してON制御要求を伝送ユニット2に送信しているためON制御要求を伝送ユニット2に送信しない。
次に、無線発信器8a,8bは、自らが正常に動作していることを無線受信器7に通知するための信号である生存通知信号(判別信号)を、無線受信器7に定期的(例えば5分毎)に送信する(S801,S803)。そして、この生存通知信号を受信した無線受信器7は、生存通知信号を正常に受信したというACKを無線発信器8a,8bに返信する(S802,S804)。なお、このACKの返信動作(S802,S804)は必須のステップではない。
次に、無線発信器8aに電池切れや電波到達エリア外への持ち運びなどの不具合が生じると(S307)、無線発信器8aは、判別信号である生存通知信号(S801)を送信することができない。一方、無線発信器8bは正常に動作しているため、定期的に生存通知信号(判別信号)を送信すると共に(S803)、ON通知を送信してから動作保持時間が経過するとOFF通知を無線受信器7に送信する(S308)。
そして、無線受信器7は、無線発信器8aの生存通知信号(S801)が所定期間以上(例えば30分)にわたって不受信となると、無線発信器8aの制御アドレスをOFF状態とする(S309)。すると、無線受信器7は、S309の時点で無線発信器8aの制御アドレス「OFF状態」、無線発信器8bの制御アドレス「OFF状態」となり、自身の認識状態「AND OFF」が成立する。そして、この「AND OFF」が無線受信器7から伝送ユニット2にOFF制御要求(S310)を行うトリガとなり、最終的に照明器具9がOFF制御される。
以上の説明のように、本実施の形態2に係る無線発信器8は、ON通知を送信した後、OFF通知を送信する前において判別信号であり生存通知信号を定期的に無線受信器7に送信する。無線受信器7は、この生存通知信号により無線発信器8の不具合状態を確認できる。このため、本実施の形態2では、上記実施の形態1と同様に、無線受信器7は、無線発信器に不具合が生じた場合においても確実に「AND OFF」の成立を認識でき、誤って照明器具が点灯され続けることを適切に防止できる。また、無線受信器7及び無線発信器8間の無駄な通信を減らし、無線発信器8の電池消耗を軽減できる。
(変形例)
本実施の形態2の変形例について、図9を参照して説明する。本変形例では、無線発信器8aは、無線受信器7にON通知をしたか否かに関わりなく常に定期的に生存通知信号(判別信号)を送信する(S901)。無線受信器7は、生存通知信号に対するACKを無線発信器8aに返信する(S902)。そして、S903の時点において無線発信器8aに不具合が生じると、無線発信器8aは、判別信号である生存通知信号(S901)を送信することが出来なくなる。このため、無線受信器7は、無線発信器8aの生存通知信号(S901)が所定期間以上(例えば30分)にわたって不受信となり、無線発信器8aの制御アドレスをOFF状態とし、「AND OFF」が成立する(S904)。また、この「AND OFF」が伝送ユニット2にOFF制御要求(S905)を行うトリガとなり、最終的に照明器具9がOFF制御される。従って、本変形例では、上記実施の形態2と比較し、無線受信器7及び無線発信器8間により多くの通信処理が課されるが、無線発信器8に不具合が生じた場合においても、照明器具9が誤って点灯され続けることを適切に防止できる。
なお、本発明は、上記各実施の形態の構成に限られず、発明の趣旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。例えば、無線発信器8は2つに限定されるものではなく3つ以上でも同様の制御を実現できる。
1 照明制御システム
2 伝送ユニット
3 リレー制御用端末器
4 リモコンリレー
5 リモコントランス
6 リモコンスイッチ
7 無線受信器
70 CPU
76 メモリ部
77 タイマ部
8,8a,8b 無線発信器
80 CPU
80a タイマ部
86 メモリ部
9 照明器具(照明負荷)
10 電波式ワイヤレスアドレス設定器

Claims (5)

  1. 検知エリア内の人体から放射される熱線を検知する熱線センサを有して照明負荷の動作制御をする複数の無線発信器と、前記無線発信器と無線通信される無線受信器と、信号線を介して前記無線受信器と接続されて制御データを送受信する伝送ユニットと、を備える照明制御システムにおいて、
    前記無線受信器には、前記複数の無線発信器のそれぞれが制御対象とする照明負荷のアドレス情報である制御アドレスと、当該制御アドレスのON/OFF状態が記録され、
    前記無線受信器は、前記無線発信器の不具合状態を確認するため定期的に前記無線発信器から受信する判別信号に基づいて、当該判別信号を所定期間以上にわたって受信できない場合、当該無線発信器の制御アドレスをOFF状態とし、かつ前記複数の無線発信器の制御アドレスが全てOFF状態となる場合に、前記照明負荷をOFF制御するための制御データを前記伝送ユニットに送信する、ことを特徴とする照明制御システム。
  2. 前記無線受信器は、前記無線発信器の不具合状態を確認するために生存確認信号を前記複数の無線発信器に定期的に送信し、
    前記無線発信器は、前記生存確認信号を受信した場合、前記判別信号としての応答信号を前記無線受信器に返信する、ことを特徴とする請求項1記載の照明制御システム。
  3. 前記無線発信器は、前記判別信号としての生存通知信号を前記無線受信器に定期的に送信する、ことを特徴とする請求項1記載の照明制御システム。
  4. 前記無線発信器は、前記熱線センサで人検知された場合、前記制御アドレスの照明負荷をON制御するためのON通知を前記無線受信器に送信し、
    前記無線発信器は、前記ON通知を送信してからの所定の動作保持時間を計測するタイマ部をさらに備え、
    前記無線発信器は、前記タイマ部での計測に基づいて、前記ON通知を送信してからの所定の動作保持時間経過後に、前記制御アドレスの照明負荷をOFF制御するためのOFF通知を前記無線受信器に送信し、
    前記無線受信器は、前記動作保持時間経過後に前記OFF通知を受信した場合、当該OFF通知の送信元となる無線発信器の前記制御アドレスをOFF状態とすると共に、前記ON通知を受信してから前記OFF通知を受信するまでの期間においてのみ、前記無線発信器の不具合状態を確認する、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の照明制御システム。
  5. 前記無線発信器は、前記熱線センサで人検知された場合、前記制御アドレスの照明負荷をON制御するためのON通知を前記無線受信器に送信し、
    前記無線受信器は、前記ON通知を受信した時点において、前記ON通知の送信元となる無線発信器の前記制御アドレスをON状態とすると共に、前記複数の無線発信器の制御アドレスの少なくとも1つがON状態となるときに、前記照明負荷をON制御するための制御データを前記伝送ユニットに送信する、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の照明制御システム。
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