JP5994170B2 - 照明制御システム - Google Patents

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Description

本発明は、熱線センサ及び照度センサを備える複数の無線発信器、及びこれら複数の無線発信器と無線接続された無線受信器を用いて照明器具を制御する照明制御システムに関する。
従来より、住宅やビルディング内において、明るさセンサや人感センサといったセンサ類と連携して複数の照明器具のON/OFFや調光状態を個別に、又は一括して制御する照明制御システムが導入されている。この照明制御システムでは、外光の明るさや人の存在に応じて照明器具のON/OFFを適切に制御できるため省エネルギー化を図ることができる。
例えば、図9に示す照明制御システムは、熱線センサ及び照度センサを有する無線発信器101a,101bと、無線発信器101a,101bと無線通信で接続された無線受信器102と、伝送ユニット103と、リレー制御用端末器104とを備える。伝送ユニット103は、2線式の信号線Lsを介して無線受信器102及びリレー制御用端末器104と接続され、無線受信器102を介して無線発信器101a,101bにおいて発生した照明器具105の制御情報を受信して動作制御を行う。
次に、本図に示す照明制御システムの動作に関して説明する。最初に、無線発信器101aは、照度センサが検出した周囲照度値が所定の設定照度値以下の状態で、熱線センサからの入力が閾値を超えて人検知された場合、所定アドレスの照明器具をON制御するためのON制御要求を無線受信器102に送信する(S110)。
次に、ON制御要求を受信した無線受信器102は、制御データであるON通知を伝送ユニット103に送信する(S111)。そして、伝送ユニット103は、制御対象となる照明器具105と対応するリレー制御用端末器104に対して、照明器具105のアドレス情報と、ON制御状態とを含む制御指令信号を送信する(S112)。そして、リレー制御用端末器104が照明器具105をON制御し、照明器具105のON制御が完了したことを示すACKを伝送ユニット103に通知する(S113)。また、伝送ユニット103は、無線受信器102に照明器具105のON制御が完了したことを通知する(S114)。
また、無線発信器101aは、ON制御要求を送信してから動作保持時間が満了すると照明器具105をOFF制御するためのOFF制御要求を無線受信器102に送信する(S115)。OFF制御要求を受信した無線受信器102は、制御データであるOFF通知を伝送ユニット103に送信する(S116)。そして、伝送ユニット103は、制御対象となる照明器具105と対応するリレー制御用端末器104に対して、照明器具105のアドレス情報と、OFF制御状態とを含む制御指令信号を送信する(S117)。次に、リレー制御用端末器104が照明器具105をOFF制御し、このOFF制御が完了したことを示すACKを伝送ユニット103に通知する(S118)。また、伝送ユニット103は、受信器102に照明器具105のOFF制御が完了したことを通知する(S119)。
ところで、2線式リモコンで照明器具を制御する遠隔監視制御システムとして、検知エリア内の人の存否に応じた所望の制御が簡単な構成で行うことができる遠隔監視制御システムが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−341768号公報
しかしながら、上記従来の照明制御システムにおいて、複数の無線発信器101a,101bには、動作制御する対象の照明負荷のアドレス情報として、同一のアドレスが設定されることがある。この場合、複数の無線発信器101a,101bは、近接して配置されるなど互いが制御する照明器具の照度の影響を受ける。
すなわち、図9に示すように、無線発信器101bで人検知した時点においては、無線発信器101aからのON制御要求(S110)がなされているので照明器具105が既に点灯し、無線発信器101bの検知エリアが明るくなっている。このため、無線発信器101bの照度センサが検出する周囲照度値は、予め設定された設定照度値よりも高くなり、無線発信器101bにおいて人検知された場合でも、照明器具105に対するON制御要求が無線受信器102に送信されない(S120)。
この場合、無線発信器101aの動作保持時間満了後にOFF制御要求が送信された時点(S115)で照明器具105が消灯制御されるため、無線発信器101bの検知エリアに人が居ても照明器具105が消灯してしまうという問題がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、熱線センサ及び照度センサを有する無線発信器の検知エリア内に人がいる場合に、照明器具が誤って消灯されることを防止した照明制御システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、検知エリア内の照度を検知する照度センサ及び前記検知エリア内の人体から放射される熱線を検知する熱線センサによる各検知結果に基づいて照明負荷の動作制御をする複数の無線発信器と、前記複数の無線発信器と無線通信される無線受信器と、制御対象となる照明負荷を制御する制御端末器と、信号線を介して前記無線受信器及び前記制御端末器と接続されて制御データを送受信する伝送ユニットと、を備える照明制御システムにおいて、前記複数の無線発信器には、動作制御する照明負荷のアドレス情報として、同一のアドレスが設定されており、前記無線発信器は、照明負荷の制御のため予め設定された設定照度値と、前記照度センサにより検出される周囲照度値との大小関係により、前記無線受信器に送信する制御情報の種類を変更する制御手段を備え、前記無線発信器の制御手段は、前記設定照度値が前記周囲照度値以上で、且つ前記熱線センサで人検知された場合、前記制御情報として、前記アドレスの照明負荷をON制御するためのON制御要求を前記無線受信器に送信するよう制御し、前記無線受信器は、前記ON制御要求を受信した場合において、前記アドレスの照明負荷をON制御するための制御データを前記伝送ユニットに送信する処理手段を備え、前記無線発信器の制御手段は、前記設定照度値が前記周囲照度値未満で、且つ前記熱線センサで人検知された場合、前記制御情報として、前記検知エリア内に人がいることを通知するための人検知通知を前記無線受信器に送信するよう制御し、前記無線受信器の処理手段は、前記人検知通知を受信した場合には、前記アドレスの照明負荷をON制御するための制御データを前記伝送ユニットに送信しない、ことを特徴とする。
この照明制御システムにおいて、前記無線発信器は、前記ON制御要求及び前記人検知通知を送信してからの所定の動作保持時間を計測するタイマ部をさらに備え 前記制御手段は、前記タイマ部での計測に基づいて、前記ON制御要求及び前記人検知通知を送信してからの動作保持時間経過後に、前記アドレスの照明負荷をOFF制御するためのOFF制御要求を前記無線受信器に送信するよう制御し、前記無線受信器の処理手段は、受信した前記ON制御要求及び前記人検知通知に対応する全ての前記OFF制御要求を受信した場合、前記アドレスの照明負荷をOFF制御するための制御データを前記伝送ユニットに送信することが好ましい。
この照明制御システムにおいて、前記無線発信器は、内部状態として、前記ON制御要求を送信してから前記動作保持時間を経過するまでの期間をON状態、前記人検知通知を送信してから前記動作保持時間を経過するまでの期間を仮のON状態、及びこれら以外の状態をOFF状態として保持し、前記制御手段は、前記ON状態では前記ON制御要求を前記無線受信器に送信せず、前記仮のON状態では前記人検知通知を前記無線受信器に送信しないよう制御することが好ましい。
この照明制御システムにおいて、前記無線発信器の制御手段は、前記仮のON状態において、前記設定照度値が前記周囲照度値以上になった場合、前記ON制御要求を前記無線受信器に送信するよう制御することが好ましい。
本発明に係る照明制御システムによれば、照明器具用の同一アドレスが設定された複数の無線発信器において、予め設定された設定照度値と照度センサで検出される周囲照度値との大小関係により、無線受信器に送信する制御情報を変更する。この結果、無線受信器は受信した制御情報に基づいて、必ずOFF制御要求を送るトリガとなる「AND OFF」成立を認識でき、無線発信器の検知エリア内に人がいる場合における照明器具の誤消灯を防止できる。
本発明の実施の形態1に係る照明制御システムのシステム構成図である。 同上照明制御システムに備わる無線発信器の機能ブロック図である。 同上照明制御システムに備わる無線受信器の機能ブロック図である。 同上照明制御システムのシーケンス図である。 (a)同上無線受信器の成立状態を示すテーブル、(b)同上無線発信器に保持される内部状態を示すテーブルである。 実施の形態2に係る照明制御システムのシーケンス図である。 同上照明制御システムに備わる無線発信器の動作手順を示すフローチャートである。 同上照明制御システムに備わる無線受信器の動作手順を示すフローチャートである。 従来の照明制御システムのシーケンス図である。
本発明の実施の形態に係る照明制御システムについて図面を参照して説明する。
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態1に係る照明制御システム1の構成を示す。この照明制御システム1は、伝送ユニット2と、リレー制御用端末器3と、リモコンリレー4と、リモコントランス5と、リモコンスイッチ6と、無線受信器7と、無線発信器8a,8b(総称して、8)と、照明器具9とを備えている。
リレー制御用端末器3、リモコンスイッチ6、及び無線受信器7は、2線式の信号線を介して伝送ユニット2と相互に接続されており、伝送ユニット2との情報のやり取りは、信号線に多重伝送方式で伝送される伝送信号を通して行われる。この照明制御システム1では、無線受信器7と無線発信器8との間で無線通信を行い、照明器具9のオン/オフ状態や室内の照度を自動制御する。
伝送ユニット2は、リモコンスイッチ6や無線受信器7からの伝送信号に基づいて、伝送信号に含まれるアドレス情報から制御対象となる照明器具9を特定すると共に、照明器具9に対する制御状態を特定する。そして、伝送ユニット2は、制御対象となる照明器具9と対応するリレー制御用端末器3に対して、照明器具9のアドレス情報と、その制御状態(ON、OFFや調光レベルなど)とを制御指令信号として送信する。
照明制御システム1内に存在する照明器具9は、負荷アドレスによって一意に特定することができる。具体的には、リレー制御用端末器3には、負荷チャネル(Ch)と呼ばれる固有の識別子が割り当てられており、リレー制御用端末器3に接続するリモコンリレー4には、負荷ナンバー(Nm)を呼ばれる固有の識別子が割り当てられている。負荷チャネル(Ch)と、負荷ナンバー(Nm)とを組み合わせることにより、負荷アドレス(Ch−Nm)が構成される。
リレー制御用端末器3は、リレーの制御状態に応じて照明器具9の状態を制御する負荷制御端末器としての機能を担っている。リレー制御用端末器3は、伝送ユニット2からの伝送信号に基づいて、自己に接続するリモコンリレー4のうち、制御対象となる照明器具9に対応するリモコンリレー4に対して制御信号を送ることにより、リモコンリレー4の状態を制御する。リモコンリレー4の個々のリレーは、リレー制御用端末器3に制御されて、ブレーカ電源(AC100又は200V)10などからの商用交流をオン/オフすることで、照明器具9をオン状態またはオフ状態にする。
リモコントランス5は、リレー制御用端末器3、及びリモコンリレー4に駆動用の電力を供給する。
リモコンスイッチ6は、照明器具9を制御するための制御指令を出力するための入力端末器としての機能を担っている。具体的には、リモコンスイッチ6は、例えば室内などの任意の壁面に設置されており、照明器具9を利用するユーザによってプッシュ操作が可能な端末器である。リモコンスイッチ6は、操作スイッチのいずれかが操作されるのに応じて、その操作スイッチに関連付けられているアドレス情報と、操作スイッチの操作状態とを制御指令として伝送ユニット2に送信する。
無線受信器7は、天井面に埋め込まれ、無線発信器8とワイヤレスで制御情報の送受信を行うと共に、2線式の信号線と接続して伝送ユニット2と制御データの送受信を行う。この無線受信器7には、例えば電波式ワイヤレスアドレス設定器を用いて、アドレスやエリアナンバーが設定される。
無線発信器8a,8bは、レイアウトフリーに壁面に設置され、検知エリア周辺の照度を検知する照度センサ、及び検知エリア内の人体から放射される熱線を検知する熱線センサを備える。また、無線発信器8a,8bの背面側には、ユーザ操作されるアドレス設定選択つまみ、動作保持時間設定用つまみなどが設けられている。
なお、無線発信器8a,8bには、動作制御する照明器具9のアドレス情報として、同一のアドレスが設定され、近くに配置されるなど複数の無線発信器8a,8bに備わる照度センサが互いに制御対象となる照明器具9の照度の影響を受ける場合を想定する。
熱線センサは、人体から放射される熱線を検出して検知エリア内の人の存否に応じて出力する人体検出信号を監視する。無線発信器8は、検知エリア内の人の動きが検出されたときに照明器具9を自動でのON/OFF制御や自動調光させるためのアドレス情報や制御情報を無線受信器7に送信可能とする。また、無線発信器8は、熱線センサによって検知エリア内で人検出されてから所定の動作保持時間経過後に照明器具9を消灯するためのOFF制御要求を無線受信器7に送信する。
照度センサは、検知エリアの明るさを検知(照度検知範囲5〜1000ルクス等)する。無線発信器8は、照度センサにより検知された照度に基づいて照明器具9を制御するための制御情報を無線受信器7に送信可能とする。この照度センサを用いた照明制御により、日没後は点灯するなど外光にあわせて平均照度を一定に保って調光でき、照明環境の快適性を保ちながら省エネを図ることができる。また、無線発信器8が熱線センサに加えて照度センサをも備えることで、暗くなり且つ人がいる時だけの点灯制御などが可能となる。
無線発信器8a,8bには、例えば電波式ワイヤレスアドレス設定器を用いて、制御対象となる照明器具9のアドレス情報として、同一の個別アドレス、同一のパターンアドレスや同一のグループアドレスなどが設定される。なお、個別アドレスは、個別制御の対象となる照明器具9を特定するための情報であり、負荷アドレス(個別「0−1」など)に該当する。グループアドレスは、複数の照明器具9を同一の制御状態へと一括的に制御するためグループ制御の対象となるグループを特定するための情報であり、予め設定された個々のグループに付与された番号(「G−1」など)がこれに該当する。パターンアドレスは、複数の照明器具9を、それぞれの照明器具9に予め定められた所定の制御状態へと一括的に制御するパターンを特定するための情報であり、予め設定された個々のパターンに付与された番号(「P−1」など)である。
次に、本照明制御システム1に備わる無線発信器8の機能構成に関して図2を参照して説明する。無線発信器8は、CPU(制御手段)80、電源部81、ブザー82、サブクロック部83、熱線検知部84、LED表示部85、アドレス切替部86、無線送受信部87、照度測定部88、明るさ設定部89、動作保持時間設定部90、及びアドレス登録設定部91、及びを備える。
電源部81は、特定小電力無線に対応し、専用のリチウムイオン二次電池から内部の電源を供給する。ブザー82は、確認音や警告音を発音し、サブクロック部83は、水晶振動子によりCPU80の動作周波数を発生させる。
熱線検知部84は、熱線の変化を検知する焦電素子のような熱線センサを具備し、熱線センサの出力を増幅してCPU80に出力する。CPU80は、熱線検知部84の出力と、保持された所定の閾値との高低を比較することによって、検知エリア内の人の存否を判定している。
LED表示部85は、熱線センサにおいて人を検知した際やアドレス設定時、電源不足時などにおいて点滅や発光する。無線発信器8は、操作入力部93によってユーザ入力された設定項目(例えば設定照度値、動作保持時間やアドレスデータ)の値や、後述する無線発信器8の現在の内部状態であるON状態、OFF状態、又は擬似ON状態の別を保持する。無線送受信部87は、専用のASICがアンテナに接続されて構成され、無線受信器7との間で、ワイヤレスで制御情報の送受信を実現する。
照度測定部88は、周囲の明るさを検出するCdS、フォトダイオード、フォトトランジスタのような照度センサを有し、照度センサの出力を増幅してCPU80に出力する。CPU80では、照度測定部88の出力と、保持された所定の明るさレベル(設定レベル)との明暗を比較する。
無線発信器8の背面に設けられたツマミ部である操作入力部93には、明るさ設定部89、動作保持時間設定部90、及びアドレス登録設定部91が備えられる。明るさ設定部89は、照明器具9の制御のための照度設定値を変更するための切替スイッチである。動作保持時間設定部90は、照明器具9の点灯を保持する時間を変更するための切替スイッチであり、30秒、3分、10分などから動作保持時間を選択する。アドレス登録設定部91は、別体の電波式アドレス設定器とデータを送受信して電波信号を受信する。アドレス切替部86は、番号1〜16などの内からアドレスを選択するツマミ部である。
タイマ部80aは、CPU80に備わり、クロックを数えることで一定時間の経過を知るタイマ機能を有し、操作入力部93で入力された無線発信器8の動作保持時間の検出時にCUP80に対して割り込みを発生させる。
次に、本照明制御システム1に備わる無線受信器7の機能構成に関して図3を参照して説明する。無線受信器7は、CPU(処理手段)70a,70b、無線送受信部71a,71b、スイッチ72、多重伝送信号送受信部73、電源部74、LED表示部75、及びメモリ部76を備える。
無線送受信部71a,71bは、専用のASICがアンテナに接続されて構成され、複数の無線発信器8a,8bとの経路切り替えなどを行うスイッチ72を介して無線発信器8との間で制御情報の送受信を実現する。無線送受信部71a、71bは、無線発信器8から制御信号を受信すると、CPU70a,70bに検知信号を出力する。
伝送通信部たる多重伝送信号送受信部73は、一対の端子T1,T1に接続された信号線Lsを介して、伝送ユニット2との間で多重伝送方式により伝送信号の送受信を行う。また、多重伝送信号送受信部73は、信号線Lsを介して入力された伝送信号を信号変換してCPU70a,70bに出力し、CPU70a,70bから出力された信号を伝送信号に変換して信号線Lsに送出する。
電源部74は、信号線Lsを介して入力される伝送信号を全波整流器で全波整流し、さらに定電圧部で定電圧化することによって、内部の電源を得ている。
CPU70a,70bでは、多重伝送信号送受信部73を介して受信した伝送信号に含まれるアドレスデータがメモリ部76に格納されたアドレスデータに一致すると、伝送信号の制御データを受け取り、制御データに応じた動作をする。
LED表示部75は、アドレス設定時などにおいて点滅や発光する。メモリ部76は、不揮発性メモリであり、設定項目(例えばエリアナンバーやアドレス)の値や無線受信器7の現在状態を記憶する。
次に、本照明制御システム1の動作手順に関して図4を参照して説明する。最初に、無線発信器8aは、設定照度値が照度センサにおいて実際に検出した周囲照度値以上であり、且つ熱線センサからの入力が閾値を超えて人検知された場合、所定アドレスの照明器具9をON制御するON制御要求を無線受信器7に送信する(S41)。
次に、無線受信器7は、S51のON制御要求を受信した時点で無線発信器8a,8bのいずれか1つからON制御要求を受信した「OR ON」が成立するため、制御データとしてON通知を伝送ユニット2に送信する(S42)。
ここで、無線受信器7において管理している成立状態に関して図5(a)を参照して説明する。無線受信器7は、テーブル10に示すように、照明器具9の消灯時において複数の無線発信器8a,8bのいずれか1つからON制御要求を受信した時点を「OR ON」成立と認識し、この「OR ON」が伝送ユニット2にON通知を行うトリガとなる。また、無線受信器7は、複数の無線発信器8から受信したON制御要求及び人検知通知に対応する全てのOFF制御要求を受信した動作状態を「AND OFF」成立と認識し、この「AND OFF」が伝送ユニット2にOFF通知を行うトリガとなる。
次に、伝送ユニット2は、制御対象となる照明器具9と対応するリレー制御用端末器3に対して、照明器具9のアドレス情報と、ON制御状態とを制御指令信号として送信する(S43)。そして、リレー制御用端末器3が照明器具9をON制御し、ON制御を完了したことを示すACKを伝送ユニット2に返信し(S44)、また、伝送ユニット2から無線受信器7に照明器具9のON制御が完了したことが通知される(S45)。
一方、無線発信器8bは、既にS53の時点で照明器具9がON制御されて検知エリアが明るくなっているため、設定照度値が実際に検出した周囲照度値以下で、且つ熱線センサが人検知した場合において人検知通知を無線受信器7に送信する(S46)。
次に、無線発信器8aは、S51でON制御要求を送信してから動作保持時間が満了するとOFF制御要求を無線受信器7に送信する(S47)。また、無線発信器8bは、S56で人検知通知を送信してから動作保持時間が満了するとOFF制御要求を無線受信器7に送信する(S48)。無線受信器7は、S48のOFF制御要求を受信した時点で、無線発信器8a,8bから受信したON制御要求及び人検知通知に対応する全てのOFF制御要求を受信した「AND OFF」が成立するため、OFF通知を伝送ユニット2に送信する(S49)。
そして、伝送ユニット2は、制御対象となる照明器具9と対応するリレー制御用端末器3に対して、照明器具9のアドレス情報と、OFF制御状態とを制御指令信号として送信する(S50)。そして、リレー制御用端末器3が照明器具9をOFF制御し、OFF制御を完了したことを示すACKを伝送ユニット2に返信し(S51)、また、伝送ユニット2から無線受信器7に照明器具9のOFF制御が完了したことが通知される(S52)。
次に、無線発信器8に保持される内部状態に関して図5(b)を参照して説明する。無線発信器8は、テーブル11に示すように、現在の内部状態として、ON制御要求を送信してから動作保持時間満了(OFF制御要求送信)までの期間をON状態、人検知通知を送信してから動作保持時間満了(OFF制御要求送信)までの期間を擬似ON状態(仮りのON状態)、又はこれら以外の期間をOFF状態として保持する。そして、無線発信器8は、ON状態中にはON制御要求を無線受信器7に再度送信できず、擬似ON状態中には人検知通知を無線受信器7に再度送信できない。また、ON状態では照明器具9はON制御、擬似ON状態では照明器具9はON制御又はOFF制御、OFF状態では照明器具9はOFF制御となっている。
以上の説明のように、本実施の形態1に係る照明制御システム1において、無線発信器8a,8bは、予め設定された照度センサの設定照度値、及び照度センサにより検出された周囲照度値の大小関係により、無線受信器7に送信する制御情報の種類を変更する。すなわち、無線発信器8は、「周囲照度≦設定照度」を満たし、且つ熱線センサで人検知された場合にはON制御要求を無線受信器7に送信し、「周囲照度>設定照度」を満たし、且つ熱線センサで人検知された場合には人検知通知を無線受信器7に送信する。
この結果、無線受信器7は、受信したON制御要求及び人検知通知に基づいて必ず「AND OFF」の成立を認識でき、無線発信器8a,8bの検知エリアに人が居る時に照明器具9が自動消灯されるという事態を確実に防止できる。
(実施の形態2)
以下、本発明に係る照明制御システムの実施の形態2に関して図6乃至図8を参照して説明する。上記実施の形態1に係る照明制御システム1と同様の構成には同符号を付し、その詳細な説明は省略する。
本実施の形態2に係る照明制御システム1の動作手順に関して図6を参照して説明する。なお、S41〜S46までの動作手順は上記実施の形態1の図4と同様であるため、その説明を省略する。本実施の形態2では、S46の人検知通知の送信の後に、無線発信器8bの検知エリアの明るさが何らかの理由により暗くなり、周囲照度値が設定照度値以下になることがある。この場合、無線発信器8bは、動作状態が擬似ON状態であるため、ON制御要求を無線受信器7に送信する(S21)。
そして、無線発信器8aは、S51でON制御要求を送信してから動作保持時間が満了すると「OFF制御要求」を無線受信器102に送信する(S57)。また、無線発信器8bは、S56で人検知通知を送信してから動作保持時間が満了するとOFF制御要求(S58)を送信し、S20でON制御要求を送信してから動作保持時間が満了するとOFF制御要求を無線受信器102に送信する(S22)。
この場合、無線受信器7は、S22のOFF制御要求を受信した時点で、無線発信器8a,8bから受信したON制御要求及び人検知通知に対応する全てのOFF制御要求を受信した「AND OFF」となり、OFF通知を伝送ユニット2に送信する(S49)。なお、S50〜S52の動作手順は上記実施の形態1の図5と同様である。
次に、本実施の形態2に係る無線発信器8の動作手順に関して図7を参照して説明する。最初に、無線発信器8のCPU80は、OFF状態であり、且つ熱線センサからの入力が閾値を超えて人検知されたか否かを確認する(S31)。そして、人検知された場合には(S31でYes)、CPU80は、設定照度値が周囲照度値以上となるかを確認する(S32)。また、CPU80は、設定照度値が周囲照度値以上となる場合(S32でYes)、ON制御要求を、無線送受信部87を介して無線受信器7に送信すると共に、内部状態をON状態に変更する(S33)。また、CPU80は、タイマ部80aにおいて動作保持時間満了が計測されれば(S34でYes)、無線受信器7にOFF制御要求を送信し、内部状態をOFF状態に変更する(S35)。
一方、CPU80は、設定照度値が周囲照度値未満の場合には(S32でNo)、無線送受信部87を介して人検知通知を無線受信器7に送信すると共に、内部状態を擬似ON状態に変更する(S36)。また、CPU80は、設定照度値が周囲照度値以上となるか否かを確認(S37)、すなわち周囲照度が暗くなったかを確認する。そして、暗くならない場合(S37でNo)、CPU80は、タイマ部80aにおいて動作保持時間満了となると(S38でYes)、無線受信器7にOFF制御要求を送信し、内部状態をOFF状態に変更する(S35)。
また、CPU80は、暗くなる場合(S37でYes)、無線送受信部87を介してON制御要求を無線受信器7に送信して内部状態をON状態に変更する(S39)。そして、タイマ部80aにおいて計測される動作保持時間が満了となると(S40でYes)、無線受信器7にOFF制御要求を送信し、内部状態をOFF状態に変更する(S35)。
次に、本実施の形態2に係る無線受信器7の動作に関して図8を参照して説明する。最初に、無線受信器7のCPU70は、照明器具9の消灯時に、無線発信器8a,8bの少なくとも一方からON制御要求を受信したか否かを確認し(S91)、「OR ON」が成立する場合(S91でYes)、伝送ユニット2にON通知を送信する(S92)。
次に、CPU70は、人検知通知を受信した場合には(S93でYes)、無線発信器8a,8bから受信したON制御要求及び人検知通知に対応する全てのOFF制御要求を受信した「AND OFF」となるか否かを確認する(S94)。そして、CPU70は、「AND OFF」が成立する場合には(S94でYes)、OFF通知を伝送ユニット2に送信する(S95)。
一方、CPU70は、人検知通知を受信しない場合には(S93でNo)、無線発信器8a,8bから受信したON制御要求に対応する全てのOFF制御要求を受信した「AND OFF」となるか否かを確認する(S96)。そして、CPU70は、「AND OFF」が成立する場合には(S96でYes)、OFF通知を伝送ユニット2に送信し(S95)、一連の処理を終了する。
以上の説明のように、本実施の形態2に係る照明制御システム1では、上記実施の形態1の効果に加えて、無線発信器8bは、人検知通知を受信した後、動作保持時間中において、周囲照度の変化に応じてON制御要求を無線受信器7に送信する。従って、より正確な照明器具9のON/OFF制御を実現できる。
なお、本発明は、上記各実施の形態の構成に限られず、発明の趣旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。例えば、無線発信器は2つに限定されるものではなく3つ以上でも同様の照明制御を実現できる。また、無線発信器から送信されるOFF制御要求は、ON制御要求や人検知通知を送信してから所定の動作保持時間の経過後に限定されるものではなく、ON制御要求や人検知通知を送信後、熱線センサが人検知しなくなってから所定期間経過後としても構わない。
1 照明制御システム
2 伝送ユニット
3 リレー制御用端末器(制御端末器)
4 リモコンリレー
5 リモコントランス
6 リモコンスイッチ
7 無線受信器
70 CPU(処理手段)
71a,71b 無線送受信部
8,8a,8b 無線発信器
80 CPU(制御手段)
80a タイマ部
87 無線送受信部
9 照明器具

Claims (4)

  1. 検知エリア内の照度を検知する照度センサ及び前記検知エリア内の人体から放射される熱線を検知する熱線センサによる各検知結果に基づいて照明負荷の動作制御をする複数の無線発信器と、前記複数の無線発信器と無線通信される無線受信器と、制御対象となる照明負荷を制御する制御端末器と、信号線を介して前記無線受信器及び前記制御端末器と接続されて制御データを送受信する伝送ユニットと、を備える照明制御システムにおいて、
    前記複数の無線発信器には、動作制御する照明負荷のアドレス情報として、同一のアドレスが設定されており、
    前記無線発信器は、
    照明負荷の制御のため予め設定された設定照度値と、前記照度センサにより検出される周囲照度値との大小関係により、前記無線受信器に送信する制御情報の種類を変更する制御手段を備え、
    前記無線発信器の制御手段は、前記設定照度値が前記周囲照度値以上で、且つ前記熱線センサで人検知された場合、前記制御情報として、前記アドレスの照明負荷をON制御するためのON制御要求を前記無線受信器に送信するよう制御し、
    前記無線受信器は、
    前記ON制御要求を受信した場合において、前記アドレスの照明負荷をON制御するための制御データを前記伝送ユニットに送信する処理手段を備え、
    前記無線発信器の制御手段は、前記設定照度値が前記周囲照度値未満で、且つ前記熱線センサで人検知された場合、前記制御情報として、前記検知エリア内に人がいることを通知するための人検知通知を前記無線受信器に送信するよう制御し、
    前記無線受信器の処理手段は、前記人検知通知を受信した場合には、前記アドレスの照明負荷をON制御するための制御データを前記伝送ユニットに送信しない、ことを特徴とする照明制御システム。
  2. 前記無線発信器は、
    前記ON制御要求及び前記人検知通知を送信してからの所定の動作保持時間を計測するタイマ部をさらに備え、
    前記制御手段は、前記タイマ部での計測に基づいて、前記ON制御要求及び前記人検知通知を送信してからの動作保持時間経過後に、前記アドレスの照明負荷をOFF制御するためのOFF制御要求を前記無線受信器に送信するよう制御し、
    前記無線受信器の処理手段は、受信した前記ON制御要求及び前記人検知通知に対応する全ての前記OFF制御要求を受信した場合、前記アドレスの照明負荷をOFF制御するための制御データを前記伝送ユニットに送信する、ことを特徴とする請求項1に記載の照明制御システム。
  3. 前記無線発信器は、内部状態として、前記ON制御要求を送信してから前記動作保持時間を経過するまでの期間をON状態、前記人検知通知を送信してから前記動作保持時間を経過するまでの期間を仮のON状態、及びこれら以外の状態をOFF状態として保持し、
    前記制御手段は、前記ON状態では前記ON制御要求を前記無線受信器に送信せず、前記仮のON状態では前記人検知通知を前記無線受信器に送信しないよう制御する、ことを特徴とする請求項2に記載の照明制御システム。
  4. 前記無線発信器の制御手段は、前記仮のON状態において、前記設定照度値が前記周囲照度値以上になった場合、前記ON制御要求を前記無線受信器に送信するよう制御する、ことを特徴とする請求項3記載の照明制御システム。
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