JP6179263B2 - 静電気保護部品 - Google Patents

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本発明は、静電気保護部品に関する。
複数の絶縁体層が積層されてなる素体と、複数の内部導体が互いに接続されることにより構成され、素体内に配置されるコイルと、互いに離間して配置された第一及び第二放電電極を含んで構成され、素体内に配置されるESDサプレッサと、を備える静電気保護部品が知られている(例えば、特許文献1参照)。互いに離間して配置された第一及び第二放電電極と、第一及び第二放電電極における互いに対向する部分同士を接続するように第一及び第二放電電極に接し且つ金属粒子を含有する放電誘発部と、を含んで構成されるESDサプレッサと、を備え、空洞部が、第一及び第二放電電極における互いに対向する上記部分同士並びに放電誘発部に接するように配置されている静電気保護部品も知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2003−123936号公報 特開2011−243896号公報
ESDサプレッサ(静電気保護部品)では、第一及び第二放電電極は互いに離間して配置されているため、当該電極間に所定値以上の電圧が印加されると、離間部分において放電が生じる。放電誘発部は、第一及び第二放電電極の離間部分における放電を発生し易くする機能を有する。すなわち、ESDサプレッサは、ESD(Electro-Static Discharge:静電気放電)吸収性能を有している。
特許文献2に記載された静電気保護部品によれば、ESDサプレッサが上記放電誘発部を有すると共に、空洞部が配置されているため、第一及び第二放電電極(互いに対向する部分)の間で放電を適切に生じさせることができ、所望のESD吸収性能を容易に確保することができる。このため、特許文献1に記載されたような、素体内にコイルとESDサプレッサとが配置された構成を備える静電気保護部品においても、所望のESD吸収性能を容易に確保するために、放電誘発部と空洞部とを導入することが考えられる。
しかしながら、素体内にコイルとESDサプレッサとが配置された構成を備える静電気保護部品に、放電誘発部と空洞部とを導入した場合、以下のような問題点が生じる懼れがある。素体内に、内部導体により構成されるコイルと、放電誘発部を含んで構成されるESDサプレッサと、が配置される場合、内部導体と放電誘発部とが内部に配置された素体を得る必要がある。素体は、通常、焼成などの熱処理を施す過程を経ることにより得られる。このとき、内部導体を構成する材料が放電誘発部に拡散する可能性がある。
内部導体を構成する材料が放電誘発部に拡散すると、放電誘発部の特性が変化する。内部導体を構成する材料、すなわち、導体材料が放電誘発部に拡散すると、放電誘発部の電気抵抗が低下し、第一及び第二放電電極の間で放電が、比較的低い電圧で生じてしまう。放電誘発部への導体材料の拡散量が多いと、放電誘発部が実質的に導体となり、第一及び第二放電電極の間がショートしてしまう。
素体内にコイルとESDサプレッサとが配置された構成を備える静電気保護部品では、コイルを構成する内部導体と、ESDサプレッサに含まれる第一及び第二放電電極または放電誘発部との間に寄生容量が生じる。第一及び第二放電電極に接する放電誘発部は、金属粒子を含有しており誘電率が高いため、これに起因して、コイルとESDサプレッサとの間に生じる寄生容量が比較的大きくなる。寄生容量は、例えばノイズ特性の劣化又は伝送信号の特性劣化といった要因の一つになってしまう。
本発明は、放電誘発部の特性の変化を抑制し、コイルとESDサプレッサとの間に発生する寄生容量を低減することが可能な静電気保護部品を提供することを目的とする。
本発明に係る静電気保護部品は、複数の絶縁体層が積層されてなる素体と、複数の内部導体が互いに接続されることにより構成され、素体内に配置されるコイルと、互いに離間して配置された第一及び第二放電電極と、第一及び第二放電電極における互いに対向する部分同士を接続するように第一及び第二放電電極に接し且つ金属粒子を含有する放電誘発部と、を含んで構成され、複数の絶縁体層の積層方向でコイルと並ぶように素体内に配置されるESDサプレッサと、を備え、第一及び第二放電電極は、積層方向で見て、放電誘発部よりもコイル側に位置し、素体は、コイル側から積層方向に見たときに放電誘発部の全体を覆うように位置し、第一及び第二放電電極における互いに対向する部分同士並びに放電誘発部に接する空洞部を有している。
本発明に係る静電気保護部品では、空洞部が、第一及び第二放電電極における互いに対向する部分同士並びに放電誘発部に接している。これにより、第一及び第二放電電極における互いに対向する部分の間での放電が適切に生じることとなり、所望のESD吸収性能を容易に確保することができる。
空洞部は、更に、コイル側から積層方向に見たときに放電誘発部の全体を覆うように位置している。すなわち、空洞部が、コイル(内部導体)と放電誘発部との間に位置している。空洞部は、通常、素体を得るための熱処理を施す過程において、樹脂などの材料が消失することにより形成される。空洞部を形成するための材料が消失する温度は、内部導体を構成する材料よりも低いことから、内部導体を構成する材料が拡散し得る状態に至るまでに、空洞部が形成されている。したがって、内部導体を構成する材料が拡散し得る状態であっても、空洞部がコイル(内部導体)と放電誘発部との間に位置しているため、空洞部により、内部導体を構成する材料が放電誘発部に拡散するのが抑制される。この結果、放電誘発部の特性の変化を抑制することができる。
空洞部は、コイル側から積層方向に見たときに放電誘発部の全体を覆うように位置している。すなわち、放電誘発部よりも低誘電率の空洞部が、コイル(内部導体)と放電誘発部との間に位置している。このため、放電誘発部が金属粒子を含有することにより誘電率が高い状態であっても、放電誘発部よりも低誘電率の空洞部がコイル(内部導体)と放電誘発部との間に位置しているため、空洞部により、放電誘発部の誘電率に起因して発生する寄生容量が低減される。この結果、コイルとESDサプレッサとの間に発生する寄生容量を低減することができる。
内部導体を構成する材料の融点は、金属粒子を構成する材料の融点よりも低くてもよい。金属粒子に比して内部導体の方が、構成する材料の融点が低い場合、内部導体を構成する材料の拡散が生じやすい。しかしながら、空洞部が、コイル側から積層方向に見たときに放電誘発部の全体を覆うように位置しているため、内部導体を構成する材料が比較的拡散が生じやすい状態にあっても、内部導体を構成する材料が放電誘発部に至るのを確実に抑制することができる。
第一放電電極は、積層方向に直交する一の方向に延在する第一側面部を有し、第二放電電極は、一の方向に延在する第二側面部を有し、第一及び第二放電電極は、第一側面部と第二側面部とが対向するように互いに離間するように配置されていてもよい。この場合、第一放電電極では、第二側面部と対向する第一側面部が放電可能な領域となり、第二放電電極では、第一側面部と対向する第二側面部が放電可能な領域となる。第一及び第二側面部同士が対向するように第一及び第二放電電極が配置された構成では、第一及び第二放電電極の端部同士が対向するように第一及び第二放電電極が配置された構成に比して、放電可能な領域を長く設定することが可能である。放電可能な領域が長いほど、静電気保護部品としての耐久性が向上する。
本発明によれば、放電誘発部の特性の変化を抑制し、コイルとESDサプレッサとの間に発生する寄生容量を低減することが可能な静電気保護部品を提供することができる。
第1実施形態に係る静電気保護部品を示す斜視図である。 第1実施形態に係る素体の構成を示す分解斜視図である。 図1に示されたIII−III線に沿った断面構成を示す図である。 図1に示されたIV−IV線に沿った断面構成を示す図である。 第1実施形態に係る静電気保護部品の製造方法を示すフロー図である。 第2及び第3実施形態に係る静電気保護部品を示す斜視図である。 第2実施形態に係る素体の構成を示す分解斜視図である。 第2実施形態に係る静電気保護部品の、第1ESDサプレッサ及び第3ESDサプレッサを含む断面構成を示す図である。 第2実施形態に係る静電気保護部品の、第2ESDサプレッサ及び第4ESDサプレッサを含む断面構成を示す図である。 第2実施形態に係る静電気保護部品の、第1ESDサプレッサ及び第4ESDサプレッサを含む断面構成を示す図である。 第3実施形態に係る素体の構成を示す分解斜視図である。 第3実施形態に係る静電気保護部品の、第1ESDサプレッサ及び第2ESDサプレッサを含む断面構成を示す図である。 第3実施形態に係る静電気保護部品の、第3ESDサプレッサ及び第4ESDサプレッサを含む断面構成を示す図である。 第3実施形態に係る静電気保護部品の、第1ESDサプレッサ及び第3ESDサプレッサを含む断面構成を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
(第1実施形態)
まず、図1〜図4を参照して、第1実施形態に係る静電気保護部品1の構成を説明する。図1は、本実施形態に係る静電気保護部品を示す斜視図である。図2は、素体の構成を示す分解斜視図である。図3は、図1に示されたIII−III線に沿った断面構成を示す図である。図4は、図1に示されたIV−IV線に沿った断面構成を示す図である。
本実施形態に係る静電気保護部品1は、電子機器の回路基板に実装され、ESDから電子機器を保護する電子部品である。図1〜図4に示されるように、静電気保護部品1は、略直方体形状を呈する素体4と、素体4の外表面に配置された外部電極5、外部電極6、外部電極7及び外部電極8と、素体4の内部に配置されたコイルL1と、素体4の内部に配置されたESD吸収性能を有するESDサプレッサSP1と、を備えている。以下、素体4の積層方向をZ方向(上下方向)、積層方向の端面及び断面における短手方向をX方向、長手方向をY方向とする。
素体4は、複数の絶縁体層10が積層されて構成されている。各絶縁体層10は、略長方形状を有している。各絶縁体層10は、電気絶縁性を有する絶縁体であり、絶縁体グリーンシートの焼結体から構成される。実際の素体4では、各絶縁体層10は、その間の境界が視認できない程度に一体化されている。素体4は、外表面として、互いに対向する一対の端面4a,4bと、端面4a,4bに隣り合う四つの側面を有している。四つの側面のうち一の側面4cは、図示しない他の電子機器(例えば、回路基板又は電子部品など)に対面する面(実装面)として規定されている。
外部電極5及び外部電極6は、素体4の一の側面4cの長手方向(図のY方向)における両端部の位置に配置されている。外部電極7は、素体4の一方の端面4aの全面を覆い且つその一部が当該端面4aと隣り合う四側面上に回り込むようにして形成されている。すなわち、外部電極7は、素体4の一方の端面4a側に配置されている。外部電極8は、素体4の他方の端面4bの全面を覆い且つその一部が当該端面4bと隣り合う四側面上に回り込むようにして形成されている。すなわち、外部電極8は、素体4の他方の端面4b側に配置されている。外部電極5と外部電極7とは互いに接続され、外部電極6と外部電極8とは互いに接続される(図4参照)。
コイルL1は、素体4の内部において絶縁体層10の積層方向に併置される複数の内部導体である導体21、導体22、導体23、及び導体24の端部同士が、各スルーホール導体31,32,33で接続されることにより構成されている。各導体21〜24は、絶縁体層10の積層方向に、素体4の側面4cに近い方から、導体21、導体22、導体23及び導体24の順に併置されている。
スルーホール導体31は、導体21と導体22との間に位置し、導体21と導体22とを電気的に接続する。スルーホール導体32は、導体22と導体23との間に位置し、導体22と導体23とを電気的に接続する。スルーホール導体33は、導体23と導体24との間に位置し、導体23と導体24とを電気的に接続する。各スルーホール導体31〜33は、コイルL1の一部として機能する。
導体24の端部24aは、素体4の端面4aまで引き出され当該端面4aに露出しており、外部電極7と接続される(図4参照)。導体21の端部21aは、素体4の端面4bまで引き出され当該端面4bに露出しており、外部電極8と接続される。導体24の端部24aはコイルL1の一端E1に対応し、導体21の端部21aはコイルL1の他端E1に対応する。よって、コイルL1は、各外部電極7,8と電気的に接続される。コイルL1の直流抵抗は各外部電極7,8において測定することができる。
ESDサプレッサSP1は、積層方向において、コイルL1よりも素体4の側面4cに近い位置に形成されている。ESDサプレッサSP1は、同一の絶縁体層10に互いに離間して配置される第一放電電極11及び第二放電電極12と、第一放電電極11と第二放電電極12とを接続する放電誘発部13と、を含んで構成されている。
第一放電電極11は、端部11aと、絶縁体層10の長手方向(図のY方向)に延在する第一側面部11bと、を有している。第一放電電極11の端部11aは、スルーホール導体34により、接続導体38と接続される。接続導体38は、スルーホール導体35により、外部電極5と接続される。これにより、第一放電電極11は、外部電極5と電気的に接続される。
第二放電電極12は、端部12aと、絶縁体層10の長手方向に延在する第二側面部12bと、を有している。第二放電電極12の端部12aは、スルーホール導体36により、接続導体39と接続される。接続導体39は、スルーホール導体37により、外部電極6と接続される。これにより、第二放電電極12は、外部電極6と電気的に接続される。
上述したように、外部電極5と外部電極7とが接続されていると共に外部電極6と外部電極8とが接続されているため、ESDサプレッサSP1は、外部電極5を通して外部電極7と電気的に接続されると共に外部電極6を通して外部電極8と電気的に接続される。したがって、外部電極7と外部電極8との間で、ESDサプレッサSP1とコイルL1とは並列接続される。
第一放電電極11と第二放電電極12とは、積層方向に直交する一の方向に延在する第一側面部11bと、当該一の方向に延在する第二側面部12bとが、対向するように互いに離間して配置されている。すなわち、絶縁体層10の長手方向(図のY方向)に直交する方向(図のX方向)に隣り合うように配置しており、互いに離間して対向している。これにより、第一側面部11bと第二側面部12bとの間にギャップ部GP1が形成される(図3参照)。このような構成により、外部電極7及び外部電極8に所定以上の電圧が印加されると、第一放電電極11と第二放電電極12との間のギャップ部GP1において、放電が生じる。
放電誘発部13は、第一放電電極11及び第二放電電極12と外部電極5及び外部電極6との間に位置している。放電誘発部13は、第一放電電極11の第一側面部11b及び第二放電電極12第二側面部12b同士を接続するように、第一放電電極11及び第二放電電極12と接する。すなわち、放電誘発部13は、第一及び第二放電電極11,12における互いに対向する部分同士を接続するように形成され、第一放電電極11と第二放電電極12との間の放電を発生し易くする機能を有する。
素体4は、空洞部14を有する(図3及び図4参照)。空洞部14は、放電誘発部13とコイルL1との間に位置している。空洞部14を画成する面は、放電誘発部13における第一及び第二放電電極11,12が配置される面13aと、面13aに対向する面14bと、を含んでいる。面13aは、放電誘発部13におけるコイルL1と対向する面でもある。面13aに対向する面14bは、絶縁体層10の積層方向において面13aとコイルL1との間に位置している。面13aの上には、第一及び第二放電電極11,12が、その互いに対向する部分である第一及び第二側面部11b,12bが載置されるようにして形成されている。
面13aに対向する面14bは、面13aよりも大きく形成されており、絶縁体層10の積層方向から見て、面13aの全体を覆うように形成されている。すなわち、空洞部14は、コイルL1側から積層方向に見て、放電誘発部13の全体を覆うように位置している。空洞部14を画成する面は、放電誘発部13の面13aを含んでいるので、空洞部14は、面13aの上に位置する第一側面部11b及び第二側面部12bと、放電誘発部13とに接する。空洞部14は、放電時における第一放電電極11、第二放電電極12、絶縁体層10及び放電誘発部13の熱膨張を吸収する機能を有する。
次に、各構成要素の材料について詳細に説明する。
外部電極5〜8と、第一放電電極11と、第二放電電極12とは、それぞれAg、Pd、Au、Pt、Cu、Ni、Al、Mo、又はWを含有する導体材料によって構成される。外部電極5〜8は、合金として、Ag/Pd合金、Ag/Cu合金、Ag/Au合金、又はAg/Pt合金などを用いることができる。
絶縁体層10は、Fe、NiO、CuO、ZnO、MgO、SiO、TiO、Mn、SrO、CaO、BaO、SnO、KО、Al、ZrO、又はBなどの中の単独材料によって構成される。絶縁体層10は、これらの二種類以上を混合させたセラミック材料によって構成されてもよい。絶縁体層10には、ガラスが含有されていてもよい。絶縁体層10には、低温焼結を可能とするために酸化銅(CuO又はCuO)が含有されていることが好ましい。
各導体21〜24、各スルーホール導体31〜37、及び各接続導体38,39は、例えばAg又はPdなどの導体材料を含んでいる。各導体21〜24、各スルーホール導体31〜37、及び各接続導体38,39は、上記導体材料を含む導電性ペーストの焼結体として構成される。
放電誘発部13は、Fe、NiO、CuO、ZnO、MgO、SiO、TiO、Mn、SrO、CaO、BaO、SnO、KО、Al、ZrO、又はBなどの中の単独材料を含んで構成される。放電誘発部13は、これらの二種類以上を混合させた材料を含んで構成されてもよい。放電誘発部13には、Ag、Pd、Au、Pt、Ag/Pd合金、Ag/Cu合金、Ag/Au合金、又はAg/Pt合金などの金属粒子が含有されている。放電誘発部13に金属粒子として含有されている金属材料の融点は、コイルL1を構成する各導体21〜24に含有されている導体材料の融点よりも高くてもよい。放電誘発部13には、RuOなどの半導体粒子が含有されていることが好ましい。放電誘発部13には、ガラス又は酸化鉛(SnO又はSnO)が含有されていてもよい。
次に、図5を参照して、本実施形態における静電気保護部品の製造方法について説明する。図5は、本実施形態に係る静電気保護部品の製造方法を示すフロー図である。
まず、絶縁体層10を構成する材料のスラリーを調合し(S1)、絶縁体層10用のグリーンシートを形成する(S2)。具体的には、酸化銅(CuO)を含む所定量の誘電体粉末と、有機溶剤及び有機バインダを含む有機ビヒクルと、を混合し、絶縁体層10用のスラリーを調合する。誘電体粉末には、Mg、Cu、Zn、Si、又はSrの酸化物(他の誘電体材料でもよい)を主成分として含む誘電体材料を用いることができる。その後、ドクターブレード法などによって、PETフィルム上にスラリーを塗布し、厚さ20μm程度のグリーンシートを形成する。なお、各絶縁体層10における各スルーホール導体31〜37の形成予定位置には、レーザ加工によって貫通孔が形成されている。
絶縁体層10用のグリーンシートを形成した後、当該グリーンシートの所定の位置に、放電誘発材料スラリー、導体ペースト、及び溶剤(空洞用ラッカー)をそれぞれ印刷する(S3)。放電誘発材料スラリーの印刷は、絶縁体層10用のシートに、焼成後の放電誘発部13を形成するための放電誘発材料スラリーを調合して塗布することにより行う(S3A)。具体的には、所定量に秤量した酸化錫、絶縁体、及び導体の各粉末と、有機溶剤及び有機バインダを含む有機ビヒクルと、を混合し、放電誘発材料スラリーを調合する。例えば、酸化錫として工業用のSnOを使用でき、絶縁体として誘電体粉末を使用できる。誘電体粉末には、Mg、Cu、Zn、Si、又はSrの酸化物(他の誘電体材料でもよい)を主成分として含む誘電体材料を用いることができる。導体粉末として、Ag/Pd粉を用いることができる(Ag、Pd、Au、Pt、又はその混合物若しくは化合物などでもよい)。酸化錫の粒子とAg/Pd合金の金属粒子が混在する状態となるように、各粉末を十分に混合する。放電誘発材料スラリーは、後述する焼成工程により、放電誘発部13となる。
導体ペーストの印刷は、絶縁体層10用のグリーンシートに、導体パターンを形成するための導体ペーストをスクリーン印刷などによって塗布することにより行う(S3B)。導体パターンは、後述する焼成工程により、各導体21〜24、第一及び第二放電電極11,12、並びに、各接続導体38,39、並びに、各外部電極5,6となる。各導体パターンは、スクリーン印刷した後、乾燥することによって形成される。貫通孔には、各導体パターンの形成の際に導体ペーストが充填される。貫通孔に充填された導体ペーストは、後述する焼成工程により、各スルーホール導体31〜37となる。
空洞用ラッカーの印刷は、絶縁体層10用のグリーンシートに、既に印刷された放電誘発材料スラリーと、同じく既に印刷された第一及び第二放電電極11,12の第一及び第二側面部11b,12bを形成するための導体ペーストと、を覆うように、空洞用ラッカーを塗布することにより行う(S3C)。空洞用ラッカーは、空洞部14を形成するための塗料である。
放電誘発材料スラリー、導体ペースト、及び空洞用ラッカーが印刷された絶縁体層10用のグリーンシートを、順次積層させ(S4)、プレスし(S5)、個々の静電気保護部品1の大きさになるように積層体を切断する(S6)。絶縁体層10用のグリーンシートの積層順序は、焼成後に形成される各構成の積層方向における順序が、回路基板に対する実装面である素体4の側面4cに近い方から順に、各外部電極5,6、各接続導体38,39、放電誘発部13、第一及び第二放電電極11,12、空洞部14、及び各導体21〜24となるように編集する。
続いて、絶縁体層10用のグリーンシートの積層体が切断されて得られた各グリーンチップのバレル研磨を行う(S7)。これにより、角部や稜線が丸められたグリーンチップが得られる。
次に、バレル研磨工程の後、グリーンチップを所定の条件(例えば、大気中で850〜950℃で2時間)焼成する(S8)。これにより、グリーンチップは、焼成により、素体4となる。焼成工程では、空洞用ラッカーが消失する。これにより、第一及び第二放電電極11,12の側面部11b,12bと、放電誘発部13のコイルL1と対向する面13aの全体とを覆う空洞部14が形成される。この結果、素体4内に、第一放電電極11、第二放電電極12、放電誘発部13、及び空洞部14を含んで構成されるESDサプレッサSP1が形成される。すなわち、焼成工程を経ることにより、ESDサプレッサSP1とコイルL1とが内部に配置された素体4と、素体4の外表面に配置された各外部電極5,6と、が備えられた中間体が得られる。このとき、ESDサプレッサSP1に含まれる空洞部14は、放電誘発部13とコイルL1との間において、絶縁体層10の積層方向から見て、放電誘発部13のコイルL1と対向する面13aの全体を覆うように形成されている。
続いて、ESDサプレッサSP1の特性について測定を行う(S9)。ここでは、得られた上記中間体の各外部電極5,6にプローブを接触させて、ESDサプレッサSP1の特性を測定する。ESDサプレッサSP1の特性として、ESDサプレッサSP1の静電容量及び絶縁抵抗などの電気的な特性を測定する。このとき、外部電極5は第一放電電極11と電気的に接続され、外部電極6は第二放電電極12と電気的に接続されるので、外部電極5及び外部電極6にプローブを接触させることにより、ESDサプレッサSP1の特性を測定することができる。
続いて、素体4に各外部電極7,8用の導体ペーストを塗布し(S10)、所定条件(例えば、大気中で600〜800℃で2時間)にて熱処理を行い、各外部電極7,8を焼き付けて形成する(S11)。このとき、外部電極7はコイルL1の一端E1(導体24の端部24a)及び外部電極5と接続するように形成され、外部電極8はコイルL1の他端E1(導体21の端部21a)及び外部電極6と接続するように形成される。
続いて、静電気保護部品1についての特性検査を行う(S12)。特に、コイルL1が有する特性について測定を行う。各外部電極7,8にはコイルL1の両端が接続されるので、各外部電極7,8にプローブを接触させることにより、コイルL1の直流抵抗などの特性を測定することができる。その後、各外部電極7,8の表面にめっきを施す(S13)。めっきは、電解めっきが好ましく、例えば、Ni/Sn、Cu/Ni/Sn、Ni/Pd/Au、Ni/Pd/Ag、Ni/Agなどを用いることができる。
以上の過程を経て、静電気保護部品1が得られる。
以上のように、本実施形態では、空洞部14が、第一及び第二放電電極11,12のギャップ部GP1と放電誘発部13とに接している。これにより、第一及び第二放電電極11,12におけるギャップ部GP1での放電が適切に生じることとなり、所望のESD吸収性能を容易に確保することができる。
空洞部14は、更に、コイルL1側から積層方向に見たときに放電誘発部13の全体を覆うように位置している。すなわち、空洞部14が、コイルL1(内部導体21〜24)と放電誘発部13との間に位置している。空洞部14は、通常、素体4を得るための熱処理を施す過程において、樹脂などの材料が消失することにより形成される。空洞部14を形成するための材料が消失する温度は、内部導体21〜24を構成する材料よりも低いことから、内部導体21〜24を構成する材料が拡散し得る状態に至るまでに、空洞部14が形成されている。したがって、内部導体21〜24を構成する材料が拡散し得る状態であっても、空洞部14がコイルL1(内部導体21〜24)と放電誘発部13との間に位置しているため、空洞部14により、内部導体21〜24を構成する材料が放電誘発部13に拡散するのが抑制される。この結果、放電誘発部13の特性の変化を抑制することができる。
空洞部14は、コイルL1側から積層方向に見たときに放電誘発部13の全体を覆うように位置している。すなわち、放電誘発部13よりも低誘電率の空洞部14が、コイルL1(内部導体21〜24)と放電誘発部13との間に位置している。このため、放電誘発部13が金属粒子を含有することにより誘電率が高い状態であっても、放電誘発部13よりも低誘電率の空洞部14がコイルL1(内部導体21〜24)と放電誘発部13との間に位置しているため、空洞部14により、放電誘発部13の誘電率に起因して発生する寄生容量が低減される。この結果、コイルL1とESDサプレッサSP1との間に発生する寄生容量を低減することができる。
内部導体21〜24を構成する材料の融点は、金属粒子を構成する材料の融点よりも低くてもよいものとしている。金属粒子に比して内部導体21〜24の方が、構成する材料の融点が低い場合、内部導体21〜24を構成する材料の拡散が生じやすい。しかしながら、空洞部14が、コイルL1側から積層方向に見たときに放電誘発部13の全体を覆うように位置しているため、内部導体21〜24を構成する材料が比較的拡散が生じやすい状態にあっても、内部導体21〜24を構成する材料が放電誘発部13に至るのを確実に抑制することができる。
第一放電電極11は、絶縁体層10の長手方向に延在する第一側面部11bを有し、第二放電電極12は、絶縁体層10の長手方向に延在する第二側面部12bを有し、第一及び第二放電電極11,12は、第一側面部11bと第二側面部12bとが対向するように互いに離間するように配置されている。よって、第一放電電極11では、第二側面部12bと対向する第一側面部11bが放電可能な領域となり、第二放電電極12では、第一側面部11bと対向する第二側面部12bが放電可能な領域となる。第一及び第二側面部11b,12b同士が対向するように第一及び第二放電電極11,12が配置された構成では、第一及び第二放電電極11,12の端部11a,12a同士が対向するように第一及び第二放電電極11,12が配置された構成に比して、放電可能な領域を長く設定することが可能である。放電可能な領域が長いほど、静電気保護部品1としての耐久性が向上する。
(第2実施形態)
次に、図6〜図10を参照して、第2実施形態に係る静電気保護部品2の構成を説明する。図6は、第2及び第3実施形態に係る静電気保護部品を示す斜視図である。図7は、第2実施形態に係る素体の構成を示す分解斜視図である。図8は、第2実施形態に係る静電気保護部品の、第1ESDサプレッサ及び第3ESDサプレッサを含む断面構成を示す図である。図9は、第2実施形態に係る静電気保護部品の、第2ESDサプレッサ及び第4ESDサプレッサを含む断面構成を示す図である。図10は、第2実施形態に係る静電気保護部品の、第1ESDサプレッサ及び第4ESDサプレッサを含む断面構成を示す図である。
本実施形態に係る静電気保護部品2は、図6〜図10に示されるように、素体4と、素体4の外表面に配置された外部電極41、外部電極42、外部電極43、外部電極44、外部電極45及び外部電極46と、素体4の内部に配置された第1コイルL2及び第2コイルL2と、素体4の内部に配置されたESD吸収性能を有する第1ESDサプレッサSP2、第2ESDサプレッサSP2、第3ESDサプレッサSP2及び第4ESDサプレッサSP2と、を備えている。
外部電極41は、素体4の端面4aの一部を覆い、且つ、外部電極41の一部が当該端面4aと隣り合う側面4c及び側面4dに回り込むようにして形成されている。外部電極42は、素体4の端面4bの一部を覆い、且つ、外部電極42の一部が当該端面4bと隣り合う側面4c及び側面4dに回り込むようにして形成されている。
外部電極43及び外部電極44は、素体4の端面4aと隣り合う側面4eの長手方向(図のY方向)における両端部の位置に配置されている。外部電極43及び外部電極44は、その一部が素体4の側面4eと隣り合う側面4c及び側面4dに回り込むようにして形成されている。
外部電極45及び外部電極46は、素体4の端面4aと隣り合う側面4fの長手方向における両端部の位置に配置されている。外部電極45及び外部電極46は、その一部が素体4の側面4fと隣り合う側面4c及び側面4dに回り込むようにして形成されている。
第1コイルL2と第2コイルL2とは、絶縁体層10の積層方向において、素体4の側面4dに近い方から第1コイルL2及び第2コイルL2の順に併置されている。第1コイルL2は、素体4の内部において絶縁体層10の積層方向に併置される複数の内部導体である導体51及び導体52の端部同士が、導体51及び導体52の間に位置するスルーホール導体15で接続されることにより構成されている。導体51は、スパイラル状を呈している。導体51及び導体52は、絶縁体層10の積層方向に、素体4の側面4cに近い方から、導体51及び導体52の順に併置されている。
導体51の端部51aは、素体4の側面4eまで引き出され、当該側面4eに露出しており、外部電極43と接続される。導体52の端部52aは、素体4の側面4fまで引き出され、当該側面4fに露出しており、外部電極45と接続される。導体51の端部51aは第1コイルL2の一端E2に対応し、導体52の端部52aは第1コイルL2の他端E2に対応する。よって、第1コイルL2は、各外部電極43,45と電気的に接続される。
第2コイルL2は、素体4の内部において絶縁体層10の積層方向に併置される複数の内部導体である導体53及び導体54の端部同士が、導体53及び導体54の間に位置するスルーホール導体16で接続されることにより構成されている。導体54は、スパイラル状を呈している。導体53及び導体54は、絶縁体層10の積層方向に、素体4の側面4dに近い方から、導体53及び導体54の順に併置されている。
導体53の端部53aは、素体4の側面4eまで引き出され、当該側面4eに露出しており、外部電極44と接続される。導体54の端部54aは、素体4の側面4fまで引き出され、当該側面4fに露出しており、外部電極46と接続される。導体53の端部53aは第2コイルL2の一端E2に対応し、導体54の端部54aは第2コイルL2の他端E2に対応する。よって、第2コイルL2は、各外部電極44,46と電気的に接続される。
第1コイルL2と第2コイルL2とは、スパイラル形状を呈する導体52及び導体54が磁気的に結合することで、いわゆるコモンモードフィルタを構成している。
第1ESDサプレッサSP2と第2ESDサプレッサSP2とは、同一の絶縁体層10上に配置され、絶縁体層10の積層方向において、第2コイルL2よりも素体4の側面4dに近い位置に形成されている。第1ESDサプレッサSP2は、同一の絶縁体層10に互いに離間して配置される第一放電電極61及び第二放電電極62と、第一放電電極61と第二放電電極62とを接続する放電誘発部63と、放電誘発部63を覆う空洞部64と、を含んで構成されている。
第一放電電極61は、絶縁体層10の短手方向及び長手方向に延在するL字状を呈している。第一放電電極61は、絶縁体層10の短手方向に延在し、端部61aを有している。端部61aは、素体4の側面4eまで引き出され、当該側面4eに露出しており、外部電極43と接続される。すなわち、第一放電電極61は、外部電極43を通して、第1コイルL2の一端E2と電気的に接続される。第一放電電極61は、絶縁体層10の長手方向に延在し、第二放電電極62と対向する第一側面部61bを有している。
第二放電電極62は、絶縁体層10の長手方向に延在し、端部62aと、第一放電電極61の第一側面部61bと対向する第二側面部62bと、を有している。端部62aは、素体4の端面4aまで引き出され、当該端面4aに露出しており、外部電極41と接続される。
第一放電電極61と第二放電電極62とは、積層方向に直交する一の方向に延在する第一側面部61bと、当該一の方向に延在する第二側面部62bとが、対向するように互いに離間して配置されている。これにより、第一側面部61bと第二側面部62bとの間にギャップ部GP2が形成される(図8参照)。このような構成により、外部電極41及び外部電極43の間に所定以上の電圧が印加されると、第一放電電極61と第二放電電極62との間のギャップ部GP2において、放電が生じる。
放電誘発部63は、第一放電電極61及び第二放電電極62と素体4の側面4dとの間に位置している。放電誘発部63は、第一放電電極61の第一側面部61b及び第二放電電極62の第二側面部62b同士を接続するように、第一放電電極61及び第二放電電極62と接する。すなわち、放電誘発部63は、第一及び第二放電電極61,62における互いに対向する部分同士を接続するように形成され、第一放電電極61と第二放電電極62との間の放電を発生し易くする機能を有する。
素体4は、空洞部64を有する(図8及び図10参照)。空洞部64は、放電誘発部63と第2コイルL2との間に位置している。空洞部64を画成する面は、放電誘発部63における第一及び第二放電電極61,62が配置される面63aと、面63aに対向する面64bと、を含んでいる。面63aは、放電誘発部63における第2コイルL2と対向する面でもある。面63aに対向する面64bは、絶縁体層10の積層方向において面63aと第2コイルL2との間に位置している。面63aの上には、第一及び第二放電電極61,62が、その互いに対向する部分である第一及び第二側面部61b,62bが載置されるようにして形成されている。
面63aに対向する面64bは、面63aよりも大きく形成されており、絶縁体層10の積層方向から見て、面63aの全体を覆うように形成されている。すなわち、空洞部64は、第2コイルL2側から積層方向に見て、放電誘発部63の全体を覆うように位置している。空洞部64を画成する面は、放電誘発部63の面63aを含んでいるので、空洞部64は、面63aの上に位置する第一側面部61b及び第二側面部62bと、放電誘発部63とに接する。空洞部64は、放電時における第一放電電極61、第二放電電極62、絶縁体層10及び放電誘発部63の熱膨張を吸収する機能を有する。
第2ESDサプレッサSP2は、同一の絶縁体層10に互いに離間して配置される第一放電電極65と第二放電電極62と、第一放電電極65と第二放電電極62とを接続する放電誘発部66と、放電誘発部66を覆う空洞部67と、を含んで構成されている。
第一放電電極65は、絶縁体層10の短手方向及び長手方向に延在するL字状を呈している。第一放電電極65は、絶縁体層10の短手方向に延在し、端部65aを有している。端部65aは、素体4の側面4fまで引き出され、当該側面4fに露出しており、外部電極46と接続される。すなわち、第一放電電極65は、外部電極46を通して、第2コイルL2の他端E2と電気的に接続される。第一放電電極65は、絶縁体層10の長手方向に延在し、第二放電電極62と対向する第一側面部65bを有している。
第二放電電極62は、絶縁体層10の長手方向に延在し、端部62cと、第一放電電極65の第一側面部65bと対向する第二側面部62dと、を有している。端部62cは、素体4の端面4bまで引き出され、当該端面4bに露出しており、外部電極42と接続される。
第一放電電極65と第二放電電極62とは、積層方向に直交する一の方向に延在する第一側面部65bと、当該一の方向に延在する第二側面部62dとが、対向するように互いに離間して配置されている。これにより、第一側面部65bと第二側面部62dとの間にギャップ部GP2が形成される(図9参照)。このような構成により、外部電極42及び外部電極46の間に所定以上の電圧が印加されると、第一放電電極65と第二放電電極62との間のギャップ部GP2において、放電が生じる。
放電誘発部66は、第一放電電極65及び第二放電電極62と素体4の側面4dとの間に位置している。放電誘発部66は、第一放電電極65の第一側面部65b及び第二放電電極62の第二側面部62d同士を接続するように、第一放電電極65及び第二放電電極62と接する。すなわち、放電誘発部66は、第一及び第二放電電極65,66における互いに対向する部分同士を接続するように形成され、第一放電電極65と第二放電電極62との間の放電を発生し易くする機能を有する。
素体4は、空洞部67を有する(図9参照)。空洞部67は、放電誘発部66と第2コイルL2との間に位置している。空洞部67を画成する面は、放電誘発部66における第一及び第二放電電極65,62が配置される面66aと、面66aに対向する面67bと、を含んでいる。面66aは、放電誘発部66における第2コイルL2と対向する面でもある。面66aに対向する面67bは、絶縁体層10の積層方向において面66aと第2コイルL2との間に位置している。面66aの上には、第一及び第二放電電極65,62が、その互いに対向する部分である第一及び第二側面部65b,62dが載置されるようにして形成されている。
面66aに対向する面67bは、面66aよりも大きく形成されており、絶縁体層10の積層方向から見て、面66aの全体を覆うように形成されている。すなわち、空洞部67は、第2コイルL2側から積層方向に見て、放電誘発部66の全体を覆うように位置している。空洞部67を画成する面は、放電誘発部66の面66aを含んでいるので、空洞部67は、面66aの上に位置する第一側面部65b及び第二側面部62dと、放電誘発部66とに接する。空洞部67は、放電時における第一放電電極65、第二放電電極62、絶縁体層10及び放電誘発部66の熱膨張を吸収する機能を有する。
第3ESDサプレッサSP2と第4ESDサプレッサSP2とは、同一の絶縁体層10上に配置され、絶縁体層10の積層方向において、第1コイルL2よりも素体4の側面4cに近い位置に形成されている。第3ESDサプレッサSP2は、同一の絶縁体層10に互いに離間して配置される第一放電電極68及び第二放電電極69と、第一放電電極68と第二放電電極69とを接続する放電誘発部70と、放電誘発部70を覆う空洞部71と、を含んで構成されている。
第一放電電極68は、絶縁体層10の短手方向及び長手方向に延在するL字状を呈している。第一放電電極68は、絶縁体層10の短手方向に延在し、端部68aを有している。端部68aは、素体4の側面4fまで引き出され、当該側面4fに露出しており、外部電極45と接続される。すなわち、第一放電電極68は、外部電極45を通して、第1コイルL2の他端E2と電気的に接続される。第一放電電極68は、絶縁体層10の長手方向に延在し、第二放電電極69と対向する第一側面部68bを有している。
第二放電電極69は、絶縁体層10の長手方向に延在し、端部69aと、第一放電電極68の側面部68bと対向する第二側面部69bと、を有している。端部69aは、素体4の端面4aまで引き出され、当該端面4aに露出しており、外部電極41と接続される。
第一放電電極68と第二放電電極69とは、積層方向に直交する一の方向に延在する第一側面部68bと、当該一の方向に延在する第二側面部69dとが、対向するように互いに離間して配置されている。これにより、第一側面部68bと第二側面部69bとの間にギャップ部GP2が形成される(図8参照)。このような構成により、外部電極41及び外部電極45の間に所定以上の電圧が印加されると、第一放電電極68と第二放電電極69との間のギャップ部GP2において、放電が生じる。
放電誘発部70は、第一放電電極68及び第二放電電極69と素体4の側面4cとの間に位置している。放電誘発部70は、第一放電電極68の第一側面部68b及び第二放電電極69の第二側面部69b同士を接続するように、第一放電電極68及び第二放電電極69と接する。すなわち、放電誘発部70は、第一及び第二放電電極68,69における互いに対向する部分同士を接続するように形成され、第一放電電極68と第二放電電極69との間の放電を発生し易くする機能を有する。
素体4は、空洞部71を有する(図8参照)。空洞部71は、放電誘発部70と第1コイルL2との間に位置している。空洞部71を画成する面は、放電誘発部70における第一及び第二放電電極68,69が配置される面70aと、面70aに対向する面71bと、を含んでいる。面70aは、放電誘発部70における第1コイルL2と対向する面でもある。面70aに対向する面71bは、絶縁体層10の積層方向において面70aと第1コイルL2との間に位置している。面70aの上には、第一及び第二放電電極68,69が、その互いに対向する部分である第一及び第二側面部68b,69bが載置されるようにして形成されている。
面70aに対向する面71bは、面70aよりも大きく形成されており、絶縁体層10の積層方向から見て、面70aの全体を覆うように形成されている。すなわち、空洞部71は、第1コイルL2側から積層方向に見て、放電誘発部70の全体を覆うように位置している。空洞部71を画成する面は、放電誘発部70の面70aと、面70aに対向する面71bとを含んでいるので、空洞部71は、面70aの上に位置する第一側面部68b及び第二側面部69bと、放電誘発部70とに接する。空洞部71は、放電時における第一放電電極68、第二放電電極69、絶縁体層10及び放電誘発部70の熱膨張を吸収する機能を有する。
第4ESDサプレッサSP2は、同一の絶縁体層10に互いに離間して配置される第一放電電極72と第二放電電極69と、第一放電電極72と第二放電電極69とを接続する放電誘発部73と、放電誘発部73を覆う空洞部74と、を含んで構成されている。
第一放電電極72は、絶縁体層10の短手方向及び長手方向に延在するL字状を呈している。第一放電電極72は、絶縁体層10の短手方向に延在し、端部72aを有している。端部72aは、素体4の側面4eまで引き出され、当該側面4eに露出しており、外部電極44と接続される。すなわち、第一放電電極72は、外部電極44を通して、第2コイルL2の一端E2と電気的に接続される。第一放電電極72は、絶縁体層10の長手方向に延在し、第二放電電極69と対向する第一側面部72bを有している。
第二放電電極69は、絶縁体層10の長手方向に延在し、端部69cと、第一放電電極72の第一側面部72bと対向する第二側面部69dと、を有している。端部69cは、素体4の端面4bまで引き出され、当該端面4bに露出しており、外部電極42と接続される。
第一放電電極72と第二放電電極69とは、積層方向に直交する一の方向に延在する第一側面部72bと、当該一の方向に延在する第二側面部69dとが、対向するように互いに離間して配置されている。これにより、第一側面部72bと第二側面部69dとの間にギャップ部GP2が形成される(図9参照)。このような構成により、外部電極42及び外部電極44の間に所定以上の電圧が印加されると、第一放電電極72と第二放電電極69との間のギャップ部GP2において、放電が生じる。
放電誘発部73は、第一放電電極72及び第二放電電極69と素体4の側面4cとの間に位置している。放電誘発部73は、第一放電電極72の第一側面部72b及び第二放電電極69の第二側面部69d同士を接続するように、第一放電電極72及び第二放電電極69と接する。すなわち、放電誘発部73は、第一及び第二放電電極72,69における互いに対向する部分同士を接続するように形成され、第一放電電極72と第二放電電極69との間の放電を発生し易くする機能を有する。
素体4は、空洞部74を有する(図9及び図10参照)。空洞部74は、放電誘発部73と第1コイルL2との間に位置している。空洞部74を画成する面は、放電誘発部73における第一及び第二放電電極72,69が配置される面73aと、面73aに対向する面74bと、を含んでいる。面73aは、放電誘発部73における第1コイルL2と対向する面でもある。面73aに対向する面74bは、絶縁体層10の積層方向において面73aと第1コイルL2との間に位置している。面73aの上には、第一及び第二放電電極72,69が、その互いに対向する部分である第一及び第二側面部72b,69dが載置されるようにして形成されている。
面73aに対向する面74bは、面73aよりも大きく形成されており、絶縁体層10の積層方向から見て、面73aの全体を覆うように形成されている。すなわち、空洞部74は、第1コイルL2側から積層方向に見て、放電誘発部73の全体を覆うように位置している。空洞部74を画成する面は、放電誘発部73の面73aを含んでいるので、空洞部74は、面73aの上に位置する第一側面部72b及び第二側面部69dと、放電誘発部73とに接する。空洞部74は、放電時における第一放電電極72、第二放電電極69、絶縁体層10及び放電誘発部73の熱膨張を吸収する機能を有する。
以上のように、本第2実施形態においても、上述した第1実施形態と同様に、第1コイルL2側から積層方向に見たときに、空洞部64は放電誘発部63の全体を覆うように位置し、空洞部67は放電誘発部66の全体を覆うように位置している。第2コイルL2側から積層方向に見たときに、空洞部71は放電誘発部70の全体を覆うように位置し、空洞部74は放電誘発部73の全体を覆うように位置している。よって、各空洞部64,67,71,74が、第1コイルL2及び第2コイルL2(内部導体51〜54)と各放電誘発部63,66,70,73との間に位置している。したがって、内部導体51〜54を構成する材料が拡散し得る状態であっても、各空洞部64,67,71,74により、内部導体51〜54を構成する材料が各放電誘発部63,66,70,73に拡散するのが抑制される。この結果、各放電誘発部63,66,70,73の特性の変化を抑制することができる。
各放電誘発部63,66,70,73よりも低誘電率の各空洞部64,67,71,75が、第1コイルL2及び第2コイルL2(内部導体51〜54)と各放電誘発部63,66,70,73との間に位置している。したがって、各放電誘発部63,66,70,73が金属粒子を含有することにより誘電率が高い状態であっても、空洞部64,67,71,74により、放電誘発部13の誘電率に起因して発生する寄生容量が低減される。この結果、第1コイルL2と第3ESDサプレッサSP2及び第4ESDサプレッサSP2との間に発生する寄生容量を低減することができると共に、第2コイルL2と第1ESDサプレッサSP2及び第2ESDサプレッサSP2との間に発生する寄生容量を低減することができる。
(第3実施形態)
次に、図6及び図11〜図13を参照して、第3実施形態に係る静電気保護部品3の構成を説明する。図11は、第3実施形態に係る静電気保護部品が備える素体の構成を示す分解斜視図である。図12は、第3実施形態に係る静電気保護部品の、第1ESDサプレッサ及び第2ESDサプレッサを含む断面構成を示す図である。図13は、第3実施形態に係る静電気保護部品の、第3ESDサプレッサ及び第4ESDサプレッサ及び第6ESDサプレッサを含む断面構成を示す図である。図14は、第3実施形態に係る静電気保護部品の、第1ESDサプレッサ及び第3ESDサプレッサを含む断面構成を示す図である。
本実施形態に係る静電気保護部品3は、図6及び図11〜図13に示されるように、素体4と、素体4の外表面に配置された外部電極41、外部電極42、外部電極43、外部電極44、外部電極45及び外部電極46と、素体4の内部に配置された第1コイルL3と、第2コイルL3と、素体4の内部に配置されたESD吸収性能を有する第1ESDサプレッサSP3、第2ESDサプレッサSP3、第3ESDサプレッサSP3、及び第4ESDサプレッサSP3と、素体4の内部に配置された第1コンデンサC3、第2コンデンサC3、第3コンデンサC3、第4コンデンサC3と、を備えている。素体4及び外部電極41〜46の構成は、第2実施形態に係る静電気保護部品2と同様である。
第1コイルL3と第2コイルL3とは、絶縁体層10の積層方向において、第1〜第4ESDサプレッサSP3,SP3,SP3,SP3と第1〜第4コンデンサC3,C3,C3,C3との間に形成されている。第1コイルL3は、素体4の内部において絶縁体層10の積層方向に併置される複数の内部導体である導体75、導体76、導体77及び導体78の端部同士が、各導体75〜78の間に位置する各スルーホール導体79〜81で接続されることにより構成されている。各導体75〜78は、絶縁体層10の積層方向に、素体4の側面4cに近い方から、導体75、導体76、導体77、及び導体78の順に併置されている。
スルーホール導体79は、導体75と導体76との間に位置し、導体75と導体76とを電気的に接続する。スルーホール導体80は、導体76と導体77との間に位置し、導体76と導体77とを電気的に接続する。スルーホール導体81は、導体77と導体78との間に位置し、導体77と導体78とを電気的に接続する。各スルーホール導体79〜81は、第1コイルL3の一部として機能する。
導体78の端部78aは、素体4の側面4eまで引き出され当該側面4eに露出しており、外部電極43と接続される。導体75の端部75aは、素体4の側面4fまで引き出され当該側面4fに露出しており、外部電極45と接続される。導体78の端部78aは第1コイルL3の一端E3に対応し、導体75の端部75aは第1コイルL3の他端E3に対応する。よって、第1コイルL3は、各外部電極43,45と電気的に接続される。
第2コイルL3は、素体4の内部において絶縁体層10の積層方向に併置される複数の内部導体である導体75、導体76、導体77及び導体78の端部同士が、各導体75〜78の間に位置する各スルーホール導体79〜81で接続されることにより構成されている。各導体75〜78は、各導体75〜78と、それぞれ同一の絶縁体層10上に配置されている。すなわち、各導体75〜78は、絶縁体層10の積層方向に、素体4の側面4cに近い方から、導体75、導体76、導体77、及び導体78の順に併置されている。
スルーホール導体79は、導体75と導体76との間に位置し、導体75と導体76とを電気的に接続する。スルーホール導体80は、導体76と導体77との間に位置し、導体76と導体77とを電気的に接続する。スルーホール導体81は、導体77と導体78との間に位置し、導体77と導体78とを電気的に接続する。各スルーホール導体79〜81は、第2コイルL3の一部として機能する。
導体78の端部78aは、素体4の側面4eまで引き出され当該側面4eに露出しており、外部電極44と接続される。導体75の端部75aは、素体4の側面4fまで引き出され当該側面4fに露出しており、外部電極46と接続される。導体78の端部78aは第2コイルL3の一端E3に対応し、導体75の端部75aは第2コイルL3の他端E3に対応する。よって、第2コイルL3は、各外部電極44,46と電気的に接続される。
第1ESDサプレッサSP3、第2ESDサプレッサSP3、第3ESDサプレッサSP3、及び第4ESDサプレッサSP3は、同一の絶縁体層10上に配置され、絶縁体層10の積層方向において、第1コイルL3及び第2コイルL3よりも素体4の側面4dに近い位置に形成されている。第1ESDサプレッサSP3、は、同一の絶縁体層10に互いに離間して配置される第一放電電極82及び第二放電電極84と、第一放電電極82と第二放電電極84とを接続する放電誘発部85と、放電誘発部85を覆う空洞部86と、を含んで構成されている。第2ESDサプレッサSP3、は、同一の絶縁体層10に互いに離間して配置される第一放電電極83及び第二放電電極84と、第一放電電極83と第二放電電極84とを接続する放電誘発部85と、放電誘発部85を覆う空洞部86と、を含んで構成されている。
第一放電電極82は、絶縁体層10の短手方向及び長手方向に延在するL字状を呈している。第一放電電極82は、絶縁体層10の短手方向に延在し、端部82aを有している。端部82aは、素体4の側面4eまで引き出され、当該側面4eに露出しており、外部電極43と接続される。すなわち、第一放電電極82は、外部電極43を通して、第1コイルL3の一端E3と電気的に接続される。第一放電電極82は、絶縁体層10の長手方向に延在し、第二放電電極84と対向する第一側面部82bを有している。
第一放電電極83は、絶縁体層10の短手方向及び長手方向に延在するL字状を呈している。第一放電電極83は、絶縁体層10の短手方向に延在し、端部83aを有している。端部83aは、素体4の側面4fまで引き出され、当該側面4fに露出しており、外部電極45と接続される。すなわち、第一放電電極83は、外部電極45を通して、第1コイルL3の他端E3と電気的に接続される。第一放電電極83は、絶縁体層10の長手方向に延在し、第二放電電極84と対向する第一側面部83bを有している。
第二放電電極84は、絶縁体層10の長手方向に延在し、端部84aと、各第一放電電極82,83の各第一側面部82b,83bと対向する側面部84bと、を有している。端部84aは、素体4の端面4aまで引き出され、当該端面4aに露出しており、外部電極41と接続される。
第一放電電極82と第二放電電極84とは、積層方向に直交する一の方向に延在する第一側面部82bと、当該一の方向に延在する第二側面部84bとが、対向するように互いに離間して配置されている。これにより、第一側面部82bと第二側面部84bとの間にギャップ部GP3が形成される(図12参照)。このような構成により、外部電極41及び外部電極43の間に所定以上の電圧が印加されると、第一放電電極82と第二放電電極84との間のギャップ部GP3において、放電が生じる。
第一放電電極83と第二放電電極84とは、積層方向に直交する一の方向に延在する第一側面部83bと、当該一の方向に延在する第二側面部84bとが、対向するように互いに離間して配置されている。これにより、第一側面部83bと第二側面部84bとの間にギャップ部GP3が形成される(図12参照)。このような構成により、外部電極41及び外部電極45の間に所定以上の電圧が印加されると、第一放電電極83と第二放電電極84との間のギャップ部GPにおいて、放電が生じる。
放電誘発部85は、各第一放電電極82,83及び第二放電電極84と素体4の側面4dとの間に位置している。放電誘発部85は、各第一放電電極82,83の各第一側面部82b,83b及び第二放電電極84の第二側面部84b同士を接続するように、各第一放電電極82,83及び第二放電電極84と接する。すなわち、放電誘発部85は、各第一放電電極82,83及び第二放電電極84における互いに対向する部分同士を接続するように形成され、各第一放電電極82,83と第二放電電極84との間の放電を発生し易くする機能を有する。
素体4は、空洞部86を有する(図12及び図14参照)。空洞部86は、放電誘発部85と第1コイルL3及び第2コイルL3との間に位置している。空洞部86を画成する面は、放電誘発部85における各第一放電電極82,83及び第二放電電極84が配置される面85aと、面85aに対向する面86bと、を含んでいる。面85aは、放電誘発部85における第1コイルL3及び第2コイルL3と対向する面でもある。面85aに対向する面86bは、絶縁体層10の積層方向において面85aと第1コイルL3及び第2コイルL3との間に位置している。面85aの上には、各第一放電電極82,83と第二放電電極84とが、その互いに対向する部分である各第一側面部82b,83b及び第二側面部84bが載置されるようにして形成されている。
面85aに対向する面86bは、面85aよりも大きく形成されており、絶縁体層10の積層方向から見て、面85aの全体を覆うように形成されている。すなわち、空洞部86は、第1コイルL3及び第2コイルL3側から積層方向に見て、放電誘発部85の全体を覆うように位置している。空洞部86を画成する面は、放電誘発部85の面85aを含んでいるので、空洞部86は、面85aの上に位置する第一側面部82b及び第二側面部84bと、第一側面部83b及び第二側面部84bと、放電誘発部85とに接する。空洞部86は、放電時における各第一放電電極82,83、第二放電電極84、絶縁体層10及び放電誘発部85の熱膨張を吸収する機能を有する。
第3ESDサプレッサSP3は、同一の絶縁体層10に互いに離間して配置される第一放電電極87及び第二放電電極84と、第一放電電極87と第二放電電極84とを接続する放電誘発部89と、放電誘発部89を覆う空洞部90と、を含んで構成されている。第4ESDサプレッサSP3、は、同一の絶縁体層10に互いに離間して配置される第一放電電極88及び第二放電電極84と、第一放電電極88と第二放電電極84とを接続する放電誘発部89と、放電誘発部89を覆う空洞部90と、を含んで構成されている。
第一放電電極87は、絶縁体層10の短手方向及び長手方向に延在するL字状を呈している。第一放電電極87は、絶縁体層10の短手方向に延在し、端部87aを有している。端部87aは、素体4の側面4eまで引き出され、当該側面4eに露出しており、外部電極44と接続される。すなわち、第一放電電極87は、外部電極44を通して、第2コイルL3の一端E3と電気的に接続される。第一放電電極87は、絶縁体層10の長手方向に延在し、第二放電電極84と対向する第一側面部87bを有している。
第一放電電極88は、絶縁体層10の短手方向及び長手方向に延在するL字状を呈している。第一放電電極88は、絶縁体層10の短手方向に延在し、端部88aを有している。端部88aは、素体4の側面4fまで引き出され、当該側面4fに露出しており、外部電極46と接続される。すなわち、第一放電電極88は、外部電極46を通して、第1コイルL3の他端E3と電気的に接続される。第一放電電極88は、絶縁体層10の長手方向に延在し、第二放電電極84と対向する第一側面部88bを有している。
第二放電電極84は、絶縁体層10の長手方向に延在し、端部84cと、各第一放電電極87,88の各第一側面部87b,88bと対向する第二側面部84dと、を有している。端部84cは、素体4の端面4bまで引き出され、当該端面4bに露出しており、外部電極42と接続される。
第一放電電極87と第二放電電極84とは、積層方向に直交する一の方向に延在する第一側面部87bと、当該一の方向に延在する第二側面部84dとが、対向するように互いに離間して配置されている。これにより、第一側面部87bと第二側面部84dとの間にギャップ部GP3が形成される(図13参照)。このような構成により、外部電極42及び外部電極44の間に所定以上の電圧が印加されると、第一放電電極87と第二放電電極84との間のギャップ部GP3において、放電が生じる。
第一放電電極88と第二放電電極84とは、積層方向に直交する一の方向に延在する第一側面部88bと、当該一の方向に延在する第二側面部84dとが、対向するように互いに離間して配置されている。これにより、第一側面部88bと第二側面部84dとの間にギャップ部GP3が形成される(図13参照)。このような構成により、外部電極42及び外部電極46の間に所定以上の電圧が印加されると、第一放電電極88と第二放電電極84との間のギャップ部GP3において、放電が生じる。
放電誘発部89は、各第一放電電極87,88及び第二放電電極84と素体4の側面4dとの間に位置している。放電誘発部89は、各第一放電電極87,88の各第一側面部87b,88b及び第二放電電極84の第二側面部84d同士を接続するように、各第一放電電極87,88及び第二放電電極84と接する。すなわち、放電誘発部89は、各第一放電電極87,88及び第二放電電極84における互いに対向する部分同士を接続するように形成され、各第一放電電極87,88と第二放電電極84との間の放電を発生し易くする機能を有する。
素体4は、空洞部90を有する(図13及び図14参照)。空洞部90は、放電誘発部89と第1コイルL3及び第2コイルL3との間に位置している。空洞部90を画成する面は、放電誘発部89における各第一放電電極87,88及び第二放電電極84が配置される面89aと、面89aに対向する面90bと、を含んでいる。面89aは、放電誘発部89における第1コイルL3及び第2コイルL3と対向する面でもある。面89aに対向する面90bは、絶縁体層10の積層方向において面89aと第1コイルL3及び第2コイルL3との間に位置している。面89aの上には、各第一放電電極87,88と第二放電電極84とが、その互いに対向する部分である各第一側面部87b,88b及び第二側面部84dが載置されるようにして形成されている。
面89aに対向する面90bは、面89aよりも大きく形成されており、絶縁体層10の積層方向から見て、面89aの全体を覆うように形成されている。すなわち、空洞部90は、第1コイルL3及び第2コイルL3側から積層方向に見て、放電誘発部89の全体を覆うように位置している。空洞部90を画成する面は、放電誘発部89の面89aを含んでいるので、空洞部90は、面89aの上に位置する第一側面部87b及び第二側面部84dと、第一側面部88b及び第二側面部84dと、放電誘発部89とに接する。空洞部90は、放電時における各第一放電電極87,88、第二放電電極84、絶縁体層10及び放電誘発部89の熱膨張を吸収する機能を有する。
第1コンデンサC3、第2コンデンサC3、第3コンデンサC3、及び第4コンデンサC3は、絶縁体層10の積層方向において、第1及び第2コイルL3,L3よりも素体4の側面4cに近い位置に形成されている。第1コンデンサC3は、素体4の内部において絶縁体層10の積層方向に併置される複数の内部導体である導体91及び導体92により構成されている。導体91及び導体92は、絶縁体層10の積層方向に、素体4の側面4cに近い方から、導体91及び導体92の順に併置されている。
導体91の端部91aは、素体4の側面4fまで引き出され当該側面4fに露出しており、外部電極45と接続される。すなわち、導体91は、外部電極45を通して、第1コイルL3の他端E3及び第2ESDサプレッサSP3に含まれる第一放電電極83の端部83aと電気的に接続される。導体92の端部92aは、素体4の端面4aまで引き出され当該端面4aに露出しており、外部電極41と接続される。すなわち、導体92は、外部電極41を通して、第1及び第2ESDサプレッサSP3,SP3に含まれる第二放電電極84の端部84aと電気的に接続される。
第2コンデンサC3は、素体4の内部において絶縁体層10の積層方向に併置される複数の内部導体である導体91及び導体92により構成されている。導体91及び導体92は、それぞれ導体91及び導体92と同一の絶縁体層上に配置されている。すなわち、導体91及び導体92は、絶縁体層10の積層方向に、素体4の側面4cに近い方から、導体91及び導体92の順に併置されている。
導体91の端部91aは、素体4の側面4fまで引き出され当該側面4fに露出しており、外部電極46と接続される。すなわち、導体91は、外部電極46を通して、第2コイルL3の他端E3及び第4ESDサプレッサSP3に含まれる第一放電電極88の端部88aと電気的に接続される。導体92の端部92aは、素体4の端面4bまで引き出され当該端面4bに露出しており、外部電極42と接続される。すなわち、導体92は、外部電極42を通して、第3及び第4ESDサプレッサSP3,SP3に含まれる第二放電電極84の端部84cと電気的に接続される。
第3コンデンサC3は、素体4の内部において絶縁体層10の積層方向に併置される複数の内部導体である導体91及び導体92により構成されている。導体91及び導体92は、絶縁体層10の積層方向に、素体4の側面4cに近い方から、導体92及び導体91の順に併置されている。
導体91の端部91aは、素体4の側面4eまで引き出され当該側面4eに露出しており、外部電極43と接続される。すなわち、導体91は、外部電極43を通して、第1コイルL3の一端E3及び第1ESDサプレッサSP3に含まれる第一放電電極82の端部82aと電気的に接続される。
第4コンデンサC3は、素体4の内部において絶縁体層10の積層方向に併置される複数の内部導体である導体91及び導体92により構成されている。導体91及び導体92は、それぞれ導体91及び導体92と同一の絶縁体層上に配置されている。すなわち、導体91及び導体92は、絶縁体層10の積層方向に、素体4の側面4cに近い方から、導体92及び導体91の順に併置されている。
導体91の端部91aは、素体4の側面4eまで引き出され当該側面4eに露出しており、外部電極44と接続される。すなわち、導体91は、外部電極44を通して、第2コイルL3の一端E3及び第3ESDサプレッサSP3に含まれる第一放電電極87の端部87aと電気的に接続される。
以上、本第3実施形態においても、上述した第1及び第2実施形態と同様に、第1及び第2コイルL3,L3側から積層方向に見たときに、空洞部86は放電誘発部85の全体を覆うように位置し、空洞部90は放電誘発部89の全体を覆うように位置している。よって、各空洞部86,90が、第1及び第2コイルL3,L3(内部導体75〜78,75〜78)と各放電誘発部85,89との間に位置している。したがって、内部導体75〜78,75〜78を構成する材料が拡散し得る状態であっても、各各空洞部86,90により、内部導体75〜78,75〜78を構成する材料が各放電誘発部85,89に拡散するのが抑制される。この結果、各放電誘発部85,89の特性の変化を抑制することができる。
各放電誘発部85,89よりも低誘電率の各空洞部86,90が、第1及び第2コイルL3,L3(内部導体75〜78,75〜78)と各放電誘発部85,89との間に位置している。したがって、各放電誘発部85,89が金属粒子を含有することにより誘電率が高い状態であっても、各空洞部86,90により、各放電誘発部85,89の誘電率に起因して発生する寄生容量が低減される。この結果、第1及び第2コイルL3,L3と第1〜第4ESDサプレッサSP2,SP2,SP2,SP2との間に発生する寄生容量を低減することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で変形し、又は他のものに適用したものであってもよい。
第一放電電極11,61,65,68,72,82,83,87,88及び第二放電電極12,62,69,84の構成は、図2、図7及び図11に示す構成に限定されず、長さや幅、ギャップ部GPの大きさを適宜変更してもよい。
放電誘発部13,63,66,70,73,85,90及び空洞部14,64,67,74,86,90の位置は、図2〜図4及び図7〜図14に示された位置に限定されない。
1,2,3…静電気保護部品、10…絶縁体層、11,61,65,68,72,82,83,87,88…第一放電電極、11b,61b,65b,68b,72b,82b,83b,87b,88b…第一側面部、12,62,69,84…第二放電電極、12b,62b,62d,69b,69d,84b,84d…第二側面部、13,63,66,70,73,85,89…放電誘発部、14,64,67,74,86,90…空洞部、21〜24,51〜54,75〜78,75〜78…内部導体、L1,L2,L2,L3,L3…コイル、SP1,SP2,SP2,SP2,SP2,SP3,SP3,SP3,SP3…ESDサプレッサ。

Claims (3)

  1. 複数の絶縁体層が積層されてなる素体と、
    複数の内部導体が互いに接続されることにより構成され、前記素体内に配置されるコイルと、
    互いに離間して配置された第一及び第二放電電極と、前記第一及び第二放電電極における互いに対向する部分同士を接続するように前記第一及び第二放電電極に接し且つ金属粒子を含有する放電誘発部と、を含んで構成され、前記複数の絶縁体層の積層方向で前記コイルと並ぶように前記素体内に配置されるESDサプレッサと、を備え、
    前記第一及び第二放電電極は、前記積層方向で見て、前記放電誘発部よりも前記コイル側に位置し、
    前記素体は、空洞部を有し、
    前記空洞部は、前記コイルと前記放電誘発部との間に位置すると共に前記コイル側から前記積層方向に見たときに前記放電誘発部の全体を覆うように位置し、かつ、前記第一及び第二放電電極における互いに対向する前記部分同士並びに前記放電誘発部に接する
    静電気保護部品。
  2. 前記内部導体を構成する材料の融点は、前記金属粒子を構成する材料の融点よりも低い、
    請求項1に記載の静電気保護部品。
  3. 前記第一放電電極は、前記積層方向に直交する一の方向に延在する第一側面部を有し、
    前記第二放電電極は、前記一の方向に延在する第二側面部を有し、
    前記第一及び第二放電電極は、前記第一側面部と前記第二側面部とが対向するように互いに離間するように配置されている、
    請求項1又は2に記載の静電気保護部品。
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