JP6179225B2 - 厚さ検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、厚さ検出装置に関し、さらに詳しくは、紙、プラスチック等からなるシートの厚さを高精度で検出することが可能な厚さ検出装置に関する。
自動販売機や両替機等においては、紙幣の真偽を判定するための磁気信号検出装置が用いられている(例えば、特許文献1、2参照)。この種の磁気信号検出装置においては、磁気センサとローラーとを対向させ、磁気センサとローラーとの間に紙幣を通過させるようになっている。磁気センサとローラーとの間に紙幣を通過させると、磁気センサは、磁性インクにより印刷された紙幣上の磁気情報を読み取る。
また、例えば、プリンターにおいては、カセット上に載置された紙を1枚づつ感光体ユニットに搬送する搬送装置を備えている。感光体ユニットに紙が送られると、感光体ユニットは、紙面上にトナーを転写する。
このような厚さの薄いシートが連続的に搬送される各種機器においては、搬送装置の不具合や静電気等により複数枚のシートが重なった状態で供給される場合がある。このような場合において、搬送されたシートの厚さを測定することができれば、複数枚のシートが重なっているか否かを判定することができる。
しかしながら、シートを搬送する際に、搬送途中のシートの厚みをその場で検出することが可能な手段が提案された例は、従来にはない。
実開平01−077974号公報 実開昭61−060377号公報
本発明が解決しようとする課題は、紙、プラスチック等からなるシートの厚さを高精度で検出することが可能な厚さ検出装置を提供することにある。
また、本発明が解決しようとする他の課題は、厚さの薄いシートが連続的に搬送される機器において、複数枚のシートの重なりをその場で検出することが可能な厚さ検出装置を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係る厚さ検出装置は、以下の構成を備えていることを要旨とする。
(1)前記厚さ検出装置は、
電子伝導体からなる導体部と、
前記導体部を励磁するための励磁コイルと、
前記導体部に対向して配置され、励磁された前記導体部から漏れ出す磁束を検出するための1又は2以上の磁気センサと、
シートの厚さに応じて、前記導体部と前記磁気センサとの間の相対距離を変動させる距離変動手段と、
前記シートが前記距離変動手段を介して前記導体部と前記磁気センサとの間の距離を変動させた時に、前記磁気センサで検出される磁束の変化を前記シートの厚さに変換する変換手段と
を備えている。
(2)前記磁気センサは、
軟磁性材料からなり、かつ、ギャップを介して対抗している一対の薄膜ヨークと、
巨大磁気抵抗(GMR)効果を有する材料からなり、かつ、前記ギャップ内又はその近傍に形成されたGMR膜と
を備えている。
導体部と磁気センサとを対向して配置し、両者の間に厚さの薄いシートを通過させると、シートの厚さに応じて、距離変動手段により導体部と磁気センサとの間の距離が変動する。一方、励磁コイルを用いて導体部を励磁させると、導体部と磁気センサとの間の距離に応じて、磁気センサが検出する漏れ磁束の大きさが変化する。そのため、磁気センサで検出される漏れ磁束の大きさから、導体部と磁気センサとの間の距離、すなわち、シートの厚さを算出することができる。
GMR膜の両端に軟磁性材料からなる薄膜ヨークが配置された磁気センサは、導体部−磁気センサ間の距離と、導体部から発生する漏れ磁界の大きさとの間に線形関係が成り立つ。そのため、シートの厚さの検出にこのような磁気センサを用いると、薄いシートであっても高精度、かつ、簡便に厚さを検出することができる。
また、厚さ情報は、磁気センサから逐次送信される。そのため、厚さの薄いシートが連続的に搬送される機器に本発明を適用すれば、複数枚のシートの重なりをその場で検出することが可能となる。
さらに、薄いシートから厚いシートまでを一つの装置で検知できるだけでなく、構造が極めて単純になるので、装置を小型化することができる。また、紙だけでなく、透明なシートや布にも適用することができる。
本発明の一実施の形態に係る厚さ検出装置の概略図である。 本発明に係る厚さ検出装置に備えられる変換手段の一例を示す回路図である。 本発明に係る厚さ検出装置を用いてアルミニウムと磁気センサとの間の距離を測定する方法を説明するための概略図(左図)、及び、磁気センサとアルミニウム表面までの距離と、磁気センサで計測した磁束密度との関係を示す図(右図)である。
以下、本発明の一実施の形態について詳細に説明する。
[1. 厚さ検出装置]
本発明に係る厚さ検出装置は、
電子伝導体からなる導体部と、
前記導体部を励磁するための励磁コイルと、
前記導体部に対向して配置され、励磁された前記導体部から漏れ出す磁束を検出するための1又は2以上の磁気センサと、
シートの厚さに応じて、前記導体部と前記磁気センサとの間の相対距離を変動させる距離変動手段と、
前記シートが前記距離変動手段を介して前記導体部と前記磁気センサとの間の距離を変動させた時に、前記磁気センサで検出される磁束の変化を前記シートの厚さに変換する変換手段と
を備えている。
[1.1. 導体部]
導体部は、後述する励磁コイルにより励磁され、漏れ磁束を発生させるためのものである。そのため、導体部の材料は、電子伝導体である必要がある。導体部の材料は、電子伝導体である限りにおいて、特に限定されない。
導体部の材料としては、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、Ti、Crなどがある。
また、導体部の構造は、特に限定されるものではなく、シートの厚さに応じて、導体部と磁気センサとの間の距離を変動させることが可能なものであればよい。導体部は、シートと直接接触することによって導体部−磁気センサ間距離を直接的に変動させるものであっても良い。あるいは、他の部材がシートと直接接触することにより他の部材の動きを導体部に伝達し、これによって導体部−磁気センサ間距離を間接的に変動させるものであっても良い。
導体部は、例えば、シート表面を直接転動する電子伝導体からなるローラーであっても良い。
あるいは、シート表面に対して平行に回転軸を配置し、回転軸のいずれかの部分に、シート表面を直接転動するローラー(必ずしも電子伝導体である必要はない)を設置すると同時に、回転軸のいずれかの部分に、電子伝導体からなる導体部(シートと直接接触しない導体部)を設置しても良い。
あるいは、シート表面を直接転動するローラー(必ずしも電子伝導体である必要はない)を支持するための支持部材をシート表面に対してほぼ垂直方向に配置し、ローラーとは反対側の支持部材の端部に、電子伝導体からなる導体部を設置しても良い。
[1.2. 励磁コイル]
励磁コイルは、導体部を励磁するためのものである。励磁コイルは、導体部を励磁可能なものである限りにおいて、その大きさや形状等は、特に限定されない。
また、励磁コイル−導体部間距離は、導体部−磁気センサ間の距離に連動して変動するが、磁気センサ−励磁コイル間の距離は、一定に保たれている必要がある。これは、励磁コイルが磁気センサの励起にも用いられるためである。
例えば、導体部が電子伝導体からなるローラーである場合、励磁コイル及び磁気センサの双方を、シートを搬送するためのテーブル内に埋設しても良い。この場合、励磁コイル−導体部間距離は、導体部−磁気センサ間の距離に連動して変動する。
あるいは、テーブルを導体部とし、ローラー(必ずしも電子伝導体である必要はない)側に励磁コイル及び磁気センサを設けても良い。
[1.3. 磁気センサ]
磁気センサは、励磁された導体部から漏れ出す磁束(漏れ磁束)を検出するためのものであり、導体部に対向して配置される。本発明において、磁気センサには、薄膜ヨークのギャップ内又はギャップ近傍にGMR膜が形成された薄膜センサが用いられる。磁気センサの構造の詳細については、後述する。
また、磁気センサは、後述する距離変動手段により、シートの厚さに応じて、導体部と磁気センサとの間の相対距離が変動するようになっている。
本発明に係る厚さ検出装置は、1個の磁気センサのみを備えたものでも良い。しかしながら、磁気センサを構成するGMR膜の電気抵抗Rは、温度によって変化する。GMR膜の電気抵抗Rが外部磁界以外の要因で変動すると、測定誤差の原因となる。
温度による基準電位の変動を防ぐためには、2個の磁気センサを直列に接続し、ハーフブリッジ回路を構成するのが好ましい。ハーフブリッジ回路の中点電位を計測すると、温度の影響を受けることなく、外部磁界を検出することができる。
また、4個の磁気センサを用いてフルブリッジ回路を構成しても良い。フルブリッジ回路の中点電位の差分を計測すると、出力を倍にしたり、あるいは、外乱ノイズを低減することができる。
さらに、本発明に係る検出装置は、1個の磁気センサ、1個のハーフブリッジ回路、又は、1個のフルブリッジ回路のみを備えているものでも良く、あるいは、これらのいずれか2以上を備えているものでも良い。
[1.4. 距離変動手段]
距離変動手段は、シートの厚さに応じて、前記導体部と前記磁気センサとの間の相対距離を変動させる手段である。すなわち、距離変動手段は、磁気センサが固定され、導体部がシートの厚さに応じて移動するものでも良く、あるいは、導体部が固定され、磁気センサがシートの厚さに応じて移動するものでも良い。
距離変動手段は、導体部−磁気センサ間の相対距離を変動可能なものである限りにおいて、特に限定されない。図1に、距離変動手段を備えた厚さ検出装置の概略図を示す。
図1に示す厚さ検出装置10において、励磁コイル12及び磁気センサ14は、テーブル16に埋設されている。導体部は、シート18、18…の表面を転動するローラー20からなる。ローラー20は、シート18、18…の表面(及び、テーブル16の表面)に対して垂直方向に配置された支持部材22、22により支持されている。支持部材22、22には、ローラー20をテーブル16に付勢する付勢手段(図示せず)が設けられている。すなわち、図1に示す例において、距離変動手段は、付勢手段からなる。
そのため、ローラー20とテーブル16との間にシート18が無い場合、ローラー20は、最も低い位置にある。また、ローラー20は、テーブル16の表面を転動する。
この状態からローラー20とテーブル16との間に1枚のシート18が挿入された場合、付勢手段の付勢力に抗して、1枚のシート18の厚さに相当する距離だけ、ローラー20が上方に移動する。また、ローラー20は、シート18の表面を転動する。
また、不可抗力によりローラー20とテーブル16との間に複数枚のシート18、18が挿入された場合、付勢手段の付勢力に抗して、複数枚のシート18、18の厚さに相当する距離だけ、ローラー20が上方に移動する。
ローラー20とテーブル16との間からシート18が完全に排出されると、図示しない付勢手段により付勢された支持部材22、22が再度、ローラー20を最も低い位置まで押し下げられる。
[1.5. 変換手段]
変換手段は、前記シートが前記距離変動手段を介して前記導体部と前記磁気センサとの間の距離を変動させた時に、前記磁気センサで検出される磁束の変化を前記シートの厚さに変換する手段である。
距離変動手段により、シートの厚さに応じて導体部−磁気センサ間の相対距離が変動すると、磁気センサで検出される漏れ磁束の大きさが変化する。この漏れ磁束の変化を厚さの変化に換算する。
変換手段は、漏れ磁束の変化を厚さの変化に換算できるものである限りにおいて、特に限定されない。図2に、本発明に係る厚さ検出装置に備えられる変換手段の一例(回路図)を示す。
図2に示す例において、厚さ検出装置は、4個の前記磁気センサからなるフルブリッジ回路を備えている。フルブリッジ回路の一端は電源に接続され、他端は接地されている。
励磁コイルは、励起磁場発生回路で発生させた励起磁場を導体部に作用させるためのものである。励磁コイルの一端は励起磁場発生回路に接続され、他端は接地されている。励起磁場発生回路の出力側は、位相検波回路に接続されている。
励磁コイルで導体部が励磁されると、導体部から磁束が漏れ出す。磁気センサは、この漏れ磁束(検出磁場)を検出する。
第1差動増幅回路は、フルブリッジ回路から出力される信号の差分(中点電位の差分)を増幅するためのものである。第1差動増幅回路の出力側は、位相検波回路の入力側に接続されている。
位相検波回路は、励磁コイルを励磁するための励起磁場発生回路から出力される交流:sin(ωt+α)を基準搬送波とし、基準搬送波に第1差動増幅回路から出力される信号:Asin(ωt+β)を乗算するための回路である。位相検波回路の出力側は、ローパスフィルタの入力側に接続されている。
ローパスフィルタは、位相検波回路で位相検波された信号(Asin(ωt+β)×sin(ωt+α)=A/2[cos(β−α)−cos(2ωt+β+α)])から高周波成分(cos(2ωt+β+α))を除去するためのものである。ローパスフィルタの出力側は、第2差動増幅回路の入力側(+)に接続されている。ローパスフィルタから信号:(A/2)cos(β−α)が出力される。励磁コイルに電流を流し磁場を発生させるまでの位相差、第1差動増幅回路での位相差等が発生しない場合、すなわち、α=βである場合、ローパスフィルタから出力される信号は、A/2となる。
ローパスフィルタと第2差動増幅回路との間には、ホールド回路が並列に接続されている。ホールド回路の出力側は、第2差動増幅回路の入力側(−)に接続されている。ホールド回路は、シートがない時(すなわち、シートの厚さがゼロの時)にローパスフィルターから出力される信号を保存するためのものである。ホールド回路から信号:(A’/2)cos(β−α)(β=αならばA’/2)が出力される。
第2差動増幅回路は、ローパスフィルタから抽出された信号の振幅Aと、ホールド回路から出力される信号の振幅A’との差分ΔA(=A−A’)を増幅するための回路である。第2差動増幅回路から出力される差分ΔAは、演算手段(図示せず)に送られる。
演算手段は、差分ΔAを用いてシートの厚さを算出する手段である。演算手段は、差分ΔAをシートの厚さに換算可能なものである限りにおいて、特に限定されない。
差分ΔAをシートの厚さに換算する方法としては、例えば、以下のような方法がある。
(1)差分ΔAとシートの厚さの関係式を記憶手段に記憶させておき、第2差動増幅回路から実際に出力される差分ΔAを関係式に代入し、シートの厚さを算出する方法。
(2)図3に示すグラフのようなテーブルを参照し、検出した磁束密度から距離を算出する方法。Aのときの距離とA’のときの距離の差分が通過したシートの総厚さとなり、総厚さをシート1枚の厚さで割り算すれば、シートの枚数となる。
[1.6. その他の構成要素]
本発明に係る厚さ検出装置は、上述した構成に加えて、追加の構成要素をさらに備えていても良い。
例えば、厚さ検出装置は、前記シートを前記距離変動手段に供給する搬送装置をさらに備えていても良い。
あるいは、厚さ検出装置は、前記シートの厚さが規定値を超えた時に、警告信号を送信する警告手段を備えていても良い。
警告手段としては、例えば、
(1)アラームによる報知、
(2)ディスプレイ上への警告表示、
(3)搬送装置を備えている場合には、シートの搬送を停止させる信号の送信、
などがある。
[1.7. シート]
本発明に係る厚さ検出装置により厚さが検出されるシートの材料は、特に限定されるものではない。シートの材料としては、例えば、紙、プラスチック、布などがある。
また、シートの形状や大きさも特に限定されるものではなく、目的に応じて任意に選択することができる。本発明に係る厚さ検出装置は、磁気センサとして後述する構成を備えたものを用いているので、厚さの検出感度が高い。具体的には、厚さが0.1mm以下、0.050mm以下、あるいは、0.010mm以下のシートであっても、その厚さを高精度に検出することができる。
[2. 磁気センサ]
本発明に係る厚さ検出装置に用いられる磁気センサは、
軟磁性材料からなり、かつ、ギャップを介して対抗している一対の薄膜ヨークと、
巨大磁気抵抗(GMR)効果を有する材料からなり、かつ、前記ギャップ内又はその近傍に形成されたGMR膜と
を備えている。
[2.1. 薄膜ヨーク]
薄膜ヨークは、ギャップを介して対向しており、GMR膜は、ギャップ内又はその近傍において、薄膜ヨークと電気的に接続される。
ここで、「ギャップ近傍」とは、薄膜ヨーク先端に発生する増幅された大きな磁界の影響を受ける領域をいう。薄膜ヨーク間に発生する磁界は、ギャップ内が最も大きくなるので、GMR膜は、ギャップ内に形成するのが最も好ましいが、GMR膜に作用する磁界が実用上十分な大きさであるときは、その全部又は一部がギャップ外(例えば、薄膜ヨークの上面側又は下面側)にあっても良いことを意味する。
薄膜ヨークは、GMR膜の磁界感度を高めるためのものであり、軟磁性材料からなる。弱磁界に対する高い磁界感度を得るためには、薄膜ヨークには、透磁率μ及び/又は飽和磁化Msの高い材料を用いるのが好ましい。具体的には、その透磁率μは、100以上が好ましく、さらに好ましくは、1000以上である。また、その飽和磁化Msは、5(kGauss)以上が好ましく、さらに好ましくは、10(kGauss)以上である。
薄膜ヨークを構成する軟磁性材料は、結晶系又は微結晶系の軟磁性材料であっても良く、あるいは、アモルファス系の軟磁性材料であっても良い。
結晶系又は微結晶系の軟磁性材料は、一般に、成膜直後には良好な軟磁気特性が得られない(透磁率が低い、保磁力が大きいなど)。軟磁気特性を向上させるためには、成膜後に熱処理を行う必要がある。
これに対し、アモルファス系の軟磁性材料は、室温で成膜するだけで必要な性能が得られ、軟磁気特性を向上させるための熱処理が不要であるという特徴がある。
薄膜ヨークを構成する軟磁性材料としては、具体的には、
(a)40〜90%Ni−Fe合金、Fe74Si9Al17、Fe12Ni82Nb6、Fe75.6Si13.28.5Nb1.9Cu0.8、Fe83Hf611、Fe85Zr105合金、Fe93Si34合金、Fe711118合金、
(b)40〜90%Ni−Fe合金/SiO2多層膜、
(c)Fe71.3Nd9.619.1ナノグラニュラー合金、Co70Al1020ナノグラニュラー合金、Co65Fe5Al1020ナノグラニュラー合金、
(d)Co35Fe35Mg1020ナノグラニュラー合金、
(e)(Co94Fe6)70Si1515アモルファス合金、Co88Nb6Zr6アモルファス合金、
などが好適である。
[2.2. GMR膜]
GMR膜は、外部磁界の変化を電気抵抗Rの変化として感じ、結果的に電圧の変化として検出するためのものであり、巨大磁気抵抗(GMR)効果を有する材料からなる。外部磁界の変化を高い感度で検出するためには、GMR膜のMR比の絶対値は、大きいほど良い。GMR膜のMR比の絶対値は、具体的には、5%以上が好ましく、さらに好ましくは、10%以上である。
また、GMR膜は、薄膜ヨークと直接、電気的に接続されるので、GMR膜には、薄膜ヨークより高い電気比抵抗ρを有するものが用いられる。一般に、GMR膜の電気比抵抗ρが小さすぎると、薄膜ヨーク間が電気的に短絡するので好ましくない。一方、GMR膜の電気比抵抗ρが高すぎる場合には、ノイズが増加し、外部磁界の変化を電圧変化として検出するのが困難となる。GMR膜の電気比抵抗ρは、具体的には、103μΩcm以上1012μΩcm以下が好ましく、さらに好ましくは、104μΩcm以上1011μΩcm以下である。
このような条件を満たす材料には、種々の材料があるが、中でも上述した金属−絶縁体系ナノグラニュラー材料が特に好適である。金属−絶縁体系ナノグラニュラー材料は、高いMR比と高い電気比抵抗ρを有するだけでなく、僅かな組成変動によってMR比が大きく変動することがないので、安定した磁気特性を有する薄膜を、再現性良く、かつ低コストで作製することができるという利点がある。
GMR膜として用いられる金属−絶縁体系ナノグラニュラー材料としては、具体的には、
(1)Co−Y23系ナノグラニュラー合金、Co−Al23系ナノグラニュラー合金、Co−Sm23系ナノグラニュラー合金、Co−Dy23系ナノグラニュラー合金、FeCo−Y23系ナノグラニュラー合金等の酸化物系ナノグラニュラー合金、
(2)Fe−MgF2、FeCo−MgF2、Fe−CaF2、FeCo−AlF3等のフッ化物系ナノグラニュラー合金、
などがある。
[3. 作用]
導体部と磁気センサとを対向して配置し、両者の間に厚さの薄いシートを通過させると、シートの厚さに応じて、距離変動手段により導体部と磁気センサとの間の距離が変動する。一方、励磁コイルを用いて導体部を励磁させると、導体部と磁気センサとの間の距離に応じて、磁気センサが検出する漏れ磁束の大きさが変化する。そのため、磁気センサで検出される漏れ磁束の大きさから、導体部と磁気センサとの間の距離、すなわち、シートの厚さを算出することができる。
GMR膜の両端に軟磁性材料からなる薄膜ヨークが配置された磁気センサは、導体部−磁気センサ間の距離と、導体部から発生する漏れ磁界の大きさとの間に線形関係が成り立つ。そのため、シートの厚さの検出にこのような磁気センサを用いると、薄いシートであっても高精度、かつ、簡便に厚さを検出することができる。
また、厚さ情報は、磁気センサから逐次送信される。そのため、厚さの薄いシートが連続的に搬送される機器に本発明を適用すれば、複数枚のシートの重なりをその場で検出することが可能となる。
さらに、薄いシートから厚いシートまでを一つの装置で検知できるだけでなく、構造が極めて単純になるので、装置を小型化することができる。また、紙だけでなく、透明なシートや布にも適用することができる。
(実施例1)
[1. 試験方法]
図3の左図に、本発明に係る厚さ検出装置を用いてアルミニウムと磁気センサとの間の距離を測定する方法を説明するための概略図を示す。図3の左図に示すように、アルミニウム板の上方に、励磁コイル及び磁気センサを配置した。励磁コイルに交流を流し、アルミニウム板を交流磁束で励磁した。また、アルミニウム板と磁気センサの間の距離を変えて、アルミニウム板から漏れ出す漏れ磁束を磁気センサで検出した。
[2. 結果]
図3の右図に、磁気センサとアルミニウム表面までの距離と、磁気センサで計測した磁束密度との関係を示す。図3の右図より、以下のことが分かる。
(1)磁気センサ−アルミニウム間距離と、漏れ磁束との間には、ほぼ線形関係が成り立つ。
(2)磁気センサによる距離の分解能は、0.005mm(5μm)程度である。
(3)励起周波数により漏れ磁束の大きさは変動するが、分解能はほとんど変わらない。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。
本発明に係る厚さ検出装置は、
(1)プリンタやコピーにおける給紙状況の監視、
(2)紙幣、はがき、プラスチックシートなどの一定の大きさを有する小型のシートの枚数計測、
などに用いることができる。
10 厚さ検出装置
12 励磁コイル
14 磁気センサ
18 シート
20 ローラー

Claims (5)

  1. 以下の構成を備えた厚さ検出装置。
    (1)前記厚さ検出装置は、
    電子伝導体からなる導体部と、
    前記導体部を励磁するための励磁コイルと、
    前記導体部に対向して配置され、励磁された前記導体部から漏れ出す磁束を検出するための1又は2以上の磁気センサと、
    シートの厚さに応じて、前記導体部と前記磁気センサとの間の相対距離を変動させる距離変動手段と、
    前記シートが前記距離変動手段を介して前記導体部と前記磁気センサとの間の距離を変動させた時に、前記磁気センサで検出される磁束の変化を前記シートの厚さに変換する変換手段と
    を備えている。
    (2)前記磁気センサは、
    軟磁性材料からなり、かつ、ギャップを介して対抗している一対の薄膜ヨークと、
    巨大磁気抵抗(GMR)効果を有する材料からなり、かつ、前記ギャップ内又はその近傍に形成されたGMR膜と
    を備えている。
    (3)前記励磁コイル及び前記磁気センサは、テーブルに埋設されており、
    前記導体部は、前記テーブルの表面、及び前記テーブルの上に前記シートが載置されているときは前記シートの表面を転動するローラーからなり、
    前記距離変動手段は、前記ローラーを前記テーブルに付勢する付勢手段である。
  2. 前記シートを前記距離変動手段に供給する搬送装置をさらに備えた請求項1に記載の厚さ検出装置。
  3. 前記厚さ検出装置は、4個の前記磁気センサからなるフルブリッジ回路を備え、
    前記変換手段は、
    前記フルブリッジ回路から出力される信号の差分を増幅する第1差動増幅回路と、
    前記励磁コイルを励磁するための励起磁場発生回路から出力される交流を基準搬送波とし、前記基準搬送波に前記第1差動増幅回路から出力される信号を乗算するための位相検波回路と、
    前記位相検波回路で位相検波された信号から高周波成分を除去するためのローパスフィルタと、
    前記シートがない時に前記ローパスフィルターから出力される信号を保存するためのホールド回路と、
    前記ローパスフィルタから抽出された信号の振幅Aと、前記ホールド回路から出力される信号の振幅A’との差分ΔA(=A−A’)を増幅する第2差動増幅回路と、
    前記第2差動増幅回路から出力される前記差分ΔAを用いて前記シートの厚さを算出する演算手段と、
    を備えている請求項1又は2に記載の厚さ検出装置。
  4. 前記シートの厚さが規定値を超えた時に、警告信号を送信する警告手段をさらに備えた請求項1から3までのいずれか1項に記載の厚さ検出装置。
  5. 前記シートの厚さは、0.1mm以下である請求項1から4までのいずれか1項に記載の厚さ検出装置。
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