JP6179080B2 - 高分子電解質材料の製造方法 - Google Patents
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Description
このような問題に対して、従来パーフルオロスルホン酸系ポリマーであるナフィオン(登録商標)(デュポン社製)が高分子電解質膜に広く用いられてきた。しかしながら、ナフィオン(登録商標)は、多段階合成を経て製造されるため非常に高価であり、加えて、燃料クロスオーバーが大きいという課題があった。また膨潤乾燥によって膜の機械強度や物理的耐久性が失われるという問題、軟化点が低く高温で使用できないという問題、さらには、使用後の廃棄処理の問題や材料のリサイクルが困難といった課題が指摘されてきた。
本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、低加湿条件下においても優れたプロトン伝導性を有し、なおかつ機械強度および燃料遮断性に優れる上に、固体高分子型燃料電池としたときに高出力、高エネルギー密度、長期耐久性を達成可能な高分子電解質材料を与えるスルホン酸エステル基含有ポリマー、およびそれを脱エステル化してなるスルホン酸基含有ポリマー、ならびに芳香族スルホン酸エステル誘導体を提供せんとするものである。
また、本発明のスルホン酸エステル基含有ポリマーはかかる芳香族スルホン酸エステル誘導体を用いて重合してなること、ならびに下記一般式(P1)で表される構成単位を含有することを特徴とするものである。
本発明の芳香族スルホン酸エステル誘導体を用いて重合したスルホン酸エステル基含有ポリマー、ならびにそれを脱エステル化してなるスルホン酸基含有ポリマーから構成される高分子電解質材料によれば、低加湿条件下における優れたプロトン伝導性および高い機械強度、高い化学的安定性と、固体高分子型燃料電池としたときの高出力性能や優れた物理的耐久性を達成可能であり、それを用いた高分子電解質成型体、触媒層付き電解質膜および固体高分子型燃料電池を提供することができる。
すなわち、本発明の芳香族スルホン酸エステル誘導体は、下記一般式(M1)で表されることを特徴とするものである。
ここで、X1、X2の具体例として、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられるが、なかでも反応性の点で、フッ素、塩素がより好ましく、フッ素が最も好ましい。また、電子求引性基Zの具体例としては、−CO−、−CONH−、−(CF2)n−(nは1〜10の整数)、−C(CF3)2−、−COO−、−SO2−、−SO−、−PO(R1)−(R1は任意の有機基)などが挙げられるが、中でも、−CO−、−(CF2)n−(nは1〜10の整数)、−C(CF3)2−、−SO2−、−PO(R1)−(R1は任意の有機基)が好ましく、化学的安定性とコストの点から、−CO−、−SO2−がより好ましく、物理的耐久性の点から−CO−が最も好ましい。
Rとしては、スルホン酸エステル基ごとにそれぞれ異なっていてもよく、炭素数1〜20の炭化水素基ならびにヘテロ原子を含む炭化水素基を表す。好ましくは、炭素数4〜20の炭化水素基(ヘテロ原子を含んでいても良い)であり、具体的には、tert-ブチル基、iso-ブチル基、n-ブチル基、sec−ブチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基、アダマンチル基、アダマンチルメチル基、2−エチルヘキシル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルメチル基、テトラヒドロフルフリル基、2−メチルブチル基、3,3−ジメチル−2,4−ジオキソランメチル基などの直鎖状炭化水素基、分岐状炭化水素基、脂環式炭化水素基に加え、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フルオレニル基などの炭化水素系アリーレン基、ピリジル基、キノキサリル基、チオフェニル基などのヘテロアリーレン基などが挙げられる。これらのうち、n−ブチル基、iso-ブチル基、ネオペンチル基、テトラヒドロフルフリル基、シクロペンチルメチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、アダマンチルメチル基、ビシクロ[2、2、1]ヘプチルメチル基、フェニル基、ナフチル基、およびビフェニル基が好ましく、合成の容易さ、重合を阻害しない点でネオペンチル基、フェニル基がより好ましく、ネオペンチル基が最も好ましい。
次に本発明のスルホン酸エステル基含有ポリマーについて説明する。
でも、合成の容易さの点で、(Y−10)、(Y−11)、(Y−13)、(Y−14)、(Y−15)で表される2価フェノール化合物が好ましく、結晶性、寸法安定性の点で、(Y−10)、(Y−14)、(Y−15)で表される2価フェノール化合物がより好ましく、(Y−14)で表される2価フェノール化合物が最も好ましい。
例えば、一般式(M1)で表される芳香族スルホン酸エステル誘導体(ジハライド化合物)と一般式(Y−14)で表される2価フェノール化合物との芳香族求核置換反応により得られる構成単位は、下記一般式(P1)で表され、本発明のスルホン酸エステル基含有ポリマーの構成単位として特に好ましい具体例である。
本発明におけるスルホン酸エステル基含有ポリマーの好ましい態様のひとつは、前記一般式(P1)で表される構成単位を有するスルホン酸エステル基含有ポリマーである。一般式(P1)で表される構成単位を含まない場合、有機溶媒に対する溶解性が低下し、重合、製膜が困難になり、本発明の効果が十分に得られない場合があり好ましくない。
また、本発明のスルホン酸エステル基含有ポリマーは、少なくとも前記一般式(P1)で表される構成単位を有するセグメント(A1)とイオン性基を含有しない構成単位を有するセグメント(A2)とを有し、共重合様式がブロック共重合であることが好ましい。
次に、本発明のブロック共重合体について、好ましい具体例を挙げる。本発明のブロック共重合体は、スルホン酸エステル基を脱エステル化してなるスルホン酸基を含有する親水性セグメントがドメインを形成することで、高分子電解質材料や高分子電解質膜として、幅広い湿度条件で高いプロトン伝導度を示す。 本発明のスルホン酸エステル基を含有するブロック共重合体において、脱エステル化によりスルホン酸基とした場合のイオン交換容量は、プロトン伝導性と耐水性のバランスから、0.1〜5meq/gが好ましく、より好ましくは1meq/g以上、最も好ましくは1.4meq/g以上である。また、3.5meq/g以下がより好ましく、最も好ましくは3meq/g以下である。イオン交換容量が0.1meq/gより小さい場合には、プロトン伝導性が不足する場合があり、5meq/gより大きい場合には、耐水性が不足する場合がある。
(1)プロトン置換し、純粋で十分に洗浄した電解質膜の膜表面の水分を拭き取った後、100℃にて12h以上真空乾燥し、乾燥重量を求める。
(2)電解質に5wt%硫酸ナトリウム水溶液を50mL加え、12h静置してイオン交換する。
(3)0.01mol/L水酸化ナトリウム水溶液を用いて、生じた硫酸を滴定する。指示薬として市販の滴定用フェノールフタレイン溶液0.1w/v% を加え、薄い赤紫色になった点を終点とする。
(4)イオン交換容量は下記の式により求める。
〔水酸化ナトリウム水溶液の濃度(mmol/ml)×滴下量(ml)〕/試料の乾燥重量(g)
このようにして得られる本発明のブロック共重合体の分子量は、ポリスチレン換算重量平均分子量で、5万〜100万、好ましくは10万〜60万である。5万未満では、成型した膜にクラックが発生するなど機械強度、物理的耐久性、耐溶剤性のいずれかが不十分な場合がある。一方、100万を超えると、溶解性が不十分となり、また溶液粘度が高く、加工性が不良になるなどの問題が生じることがある。
ここで、Ar1〜Ar4として好ましい2価のアリーレン基は、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基、フルオレンジイル基などの炭化水素系アリーレン基、ピリジンジイル、キノキサリンジイル、チオフェンジイルなどのヘテロアリーレン基などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。Ar1〜Ar4はイオン性基を含有せず、またイオン性基以外の基で置換されていてもよいが、無置換である方がプロトン伝導性、化学的安定性、物理的耐久性の点でより好ましい。さらに、好ましくはフェニレン基で、最も好ましくはp−フェニレン基である。 イオン性基を含有しないセグメント(A2)が含有する一般式(P2)で表される構成単位のより好ましい具体例としては、原料入手性の点で、下記一般式(О1)で表される構成単位が挙げられる。中でも、結晶性による機械強度、寸法安定性、物理的耐久性の点から、下記式(P3)で表される構成単位がさらに好ましい。イオン性基を含有しないセグメント(A2)中に含まれる一般式(P2)で表される構成単位の含有量としては、より多い方が好ましく、20モル%以上がより好ましく、50モル%以上がさらに好ましく、80モル%以上が最も好ましい。含有量が20モル%未満である場合には、結晶性による機械強度、寸法安定性、物理的耐久性に対する本発明の効果が不足する場合があり好ましくない。
一般式(Q1)中のZ1およびZ2として好ましい有機基としては、Z1がフェニレン基、かつ、Z2が下記一般式(X−1)、(X−2)、(X−4)、(X−5)から選ばれた少なくとも1種であることがより好ましい。また、イオン性基以外の基で置換されていてもよいが、無置換である方が結晶性付与の点でより好ましい。Z1およびZ2としては、さらに好ましくはフェニレン基、最も好ましくはp−フェニレン基である
前記(P1)と同様に、本発明の前記一般式(P2)、(Q1)、(P3)で表されるイオン性基を含有しないセグメントを得るために、2価フェノール化合物に保護基を導入し、重合後または成型後に脱保護せしめて、一般式(P2)、(Q1)、(P3)で表される構造に変換することも好ましい。保護基を有する2価フェノール化合物の好適な具体例としては、反応性と化学的安定性の点から、前記一般式(r1)〜(r10)で表される化合物、並びにこれらの2価フェノール化合物由来の誘導体を挙げることができる。 これら2価フェノール化合物のなかでも、安定性の点から一般式(r4)〜(r10)で表される化合物がより好ましく、さらに好ましくは一般式(r4)、(r5)および(r9)で表される化合物、最も好ましくは一般式(r4)で表される化合物である。スルホン酸エステル基を含有するセグメント、イオン性基を含有しないセグメントの数平均分子量は、相分離構造のドメインサイズに関係し、低加湿でのプロトン伝導性と物理的耐久性のバランスから、0.5万以上がより好ましく、さらに好ましくは1万以上、最も好ましくは1.5万以上である。また、5万以下がより好ましく、さらに好ましくは、4万以下、最も好ましくは3万以下である。
(1) トリフルオロ酢酸などの強酸中で前記スルホン酸エステル基含有ポリマーを8 0 〜 1 2 0 ℃ 程度の温度で5 〜 1 0時間程度反応させる方法
(2) 少量の塩酸を含む過剰量の水またはアルコールに、前記スルホン酸エステル基含有ポリマーを投入し、5 分以上撹拌する方法
(3) スルホン酸エステル基含有ポリマー中のスルホン酸エステル基1 モルに対して1 〜 3 倍モルのリチウムブロマイドまたは4級ハロゲン化有機アンモニウム塩を含む溶液中で、前記スルホン酸エステル基含有ポリマーを8 0 〜 1 5 0 ℃ 程度の温度で3 〜 1 0 時間程度反応させた後、酸添加によりプロトン置換する方法
(4)少量の水酸化ナトリウムを含む過剰量の水またはアルコールに、前記スルホン酸エステル基含有ポリマーを投入し、5分以上攪拌した後、酸添加によりプロトン置換する方法
などを挙げることができるが、この例に限定されるものでない。
本発明によって得られる高分子電解質膜は、結晶性により、強靱で耐溶剤性に優れるため、前記塗布方式、転写法のいずれの場合であっても、触媒層付電解質膜としても特に好適に使用できる。
中和滴定法により測定した。測定は3回実施し、その平均値を取った。
1.プロトン置換し、純粋で十分に洗浄した電解質膜の膜表面の水分を拭き取った後、100℃にて12h以上真空乾燥し、乾燥重量を求めた。
2.電解質に5wt%硫酸ナトリウム水溶液を50mL加え、12h静置してイオン交換した。
3.0.01mol/L水酸化ナトリウム水溶液を用いて、生じた硫酸を滴定した。指示薬として市販の滴定用フェノールフタレイン溶液0.1w/v% を加え、薄い赤紫色になった点を終点とした。
4.イオン交換容量は下記の式により求めた。
イオン交換容量(meq/g)=
〔水酸化ナトリウム水溶液の濃度(mmol/ml)×滴下量(ml)〕/試料の乾燥重量(g)
(2)プロトン伝導度
膜状の試料を25℃の純水に24時間浸漬した後、恒温恒湿槽中に入れ、80℃、相対湿度95%の範囲で、定電位交流インピーダンス法によりプロトン伝導度の湿度依存性を測定した。
ポリマーの数平均分子量、重量平均分子量をGPCにより測定した。紫外検出器と示差屈折計の一体型装置として東ソー製HLC−8022GPCを、またGPCカラムとして東ソー製TSK gel SuperHM−H(内径6.0mm、長さ15cm)2本を用い、N−メチル−2−ピロリドン溶媒(臭化リチウムを10mmol/L含有するN−メチル−2−ピロリドン溶媒)にて、サンプル濃度0.1wt%、流量0.2mL/min、温度40℃で測定し、標準ポリスチレン換算により数平均分子量、重量平均分子量を求めた。
ミツトヨ製グラナイトコンパレータスタンドBSG−20にセットしたミツトヨ製ID−C112型を用いて測定した。
下記条件のガスクロマトグラフィー(GC)により定量分析した。
カラム:DB−5(J&W社製) L=30m Φ=0.53mm D=1.50μm
キャリヤー:ヘリウム(線速度=35.0cm/sec)
分析条件
Inj.temp. 300℃
Detct.temp. 320℃
Oven 50℃×1min
Rate 10℃/min
Final 300℃×15min
SP ratio 50:1
(6)核磁気共鳴スペクトル(NMR)
下記の測定条件で、NMRの測定を行い、芳香族スルホン酸誘導体の構造確認を行った。
共鳴周波数 :270MHz(1H−NMR)
測定温度 :室温
溶解溶媒 :DMSO−d6
内部基準物質:TMS(0ppm)
積算回数 :16回
(7)耐熱水性
電解質膜の耐熱水性は95℃、熱水中での寸法変化率を測定することにより評価した。電解質膜を長さ約5cm、幅約1cmの短冊に切り取り、25℃の水中に24時間浸漬後、ノギスで長さ(L1)を測長した。該電解質膜を95℃の熱水中に8時間浸漬後、再度ノギスで長さ(L2)を測長し、その寸法変化の大きさを目視で観察した。
染色剤として2wt%酢酸鉛水溶液中に試料片を浸漬させ、25℃下で48時間放置した。染色処理された試料を取りだし、可視硬化樹脂で包埋し、可視光を30 秒照射し固定した。
下記式(G1)で表される2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3−ジオキソラン(K−DHBP)の合成
下記式(G2)で表されるジソジウムー3,3’−ジスルホネート−4,4’−ジフルオロベンゾフェノンの合成
(下記式(G3)で表される芳香族スルホン酸エステル誘導体の合成)
実施例5
(スルホン酸エステル誘導体として、前記(G3)を使用した下記一般式(G7)で表されるスルホン酸基含有ポリマー)
(スルホン酸エステル誘導体として、前記(G4)を使用した前記一般式(G7)で表されるスルホン酸基含有ポリマー)
スルホン酸エステル誘導体(G3)に変えて、(G4) 30.8gを入れた以外は実施例5と同様の方法で、ケタール基およびスルホン酸エステル基を有する前駆体ポリマーを得た。重量平均分子量は、41万であった。
(スルホン酸エステル誘導体として、前記(G5)を使用した前記一般式(G7)で表されるスルホン酸基含有ポリマー)
スルホン酸エステル誘導体(G3)に変えて、(G5) 28.0 gを入れた以外は実施例5と同様の方法で、ケタール基およびスルホン酸エステル基を有する前駆体ポリマーを得た。重量平均分子量は、43万であった。
実施例8
(スルホン酸エステル誘導体として、前記(G3)を使用した前記一般式(G8)で表されるスルホン酸基含有ポリマー)
(スルホン酸エステル誘導体として、前記(G3)を使用した前記一般式(G9)で表されるスルホン酸基含有ポリマー)
プロトン伝導度は、80℃、相対湿度85%で520mS/cm、80℃、相対湿度25%で0.2mS/cmであった。スルホン酸基密度が高い分、寸法変化率は52%と大きかったが、高分子量化の効果で比較的強靭な膜であり、目視では透明で均一な膜であった。またNMRにおいてケタール基、エステル基の存在は認められなかった。 実施例10 (下記一般式(G10)で表されるイオン性基を含有しないオリゴマーa1’の合成)
かき混ぜ機、窒素導入管、Dean−Starkトラップを備えた1000mL三口フラスコに、炭酸カリウム16.59g(アルドリッチ試薬、120mmol)、前記合成例1で得たK−DHBP25.8g(100mmol)および4,4’−ジフルオロベンゾフェノン20.3g(アルドリッチ試薬、93mmol)を入れ、窒素置換後、N−メチルピロリドン(NMP)300mL、トルエン100mL中で160℃で脱水後、昇温してトルエン除去、180℃で1時間重合を行った。多量のメタノールに再沈殿精製を行い、イオン性基を含有しないオリゴマーa1(末端:ヒドロキシル基)を得た。数平均分子量は10000であった。
かき混ぜ機、窒素導入管、Dean−Starkトラップを備えた1000mL三口フラスコに、炭酸カリウム27.6g(アルドリッチ試薬、200mmol)、前記合成例1で得たK−DHBP25.8g(100mmol)、前記実施例1で得たスルホン酸エステル誘導体(G3)48.2g(93mmol)を入れ、窒素置換後、N−メチルピロリドン(NMP)300mL、トルエン100mL中で、170℃で脱水後、昇温してトルエン除去、180℃で1時間重合を行った。多量のイソプロピルアルコールで再沈殿することで精製を行い、下記式(G11)で示されるスルホン酸エステル基を含有するオリゴマーa2(末端:ヒドロキシル基)を得た。数平均分子量は16000であった。
かき混ぜ機、窒素導入管、Dean−Starkトラップを備えた500mL三口フラスコに、炭酸カリウム0.56g(アルドリッチ試薬、4mmol)、スルホン酸エステル基を含有するオリゴマーa2(末端:ヒドロキシル基)を16g(1mmol)を入れ、窒素置換後、N−メチルピロリドン(NMP)100mL、シクロヘキサン30mL中で100℃で脱水後、昇温してシクロヘキサン除去し、イオン性基を含有しないオリゴマーa1’(末端:フルオロ基)11g(1mmol)を入れ、105℃で24時間反応を行った。多量のイソプロピルアルコールへの再沈殿精製により、ブロック共重合体b1を得た。重量平均分子量は49万、数平均分子量は15万であった。
中和滴定から求めたイオン交換容量は1.6meq/g、1H−NMRから求めたモル組成比(A1/A2)は、48モル/52モル=0.92、ケタール基、エステル基の残存は認められなかった。極めて強靱な電解質膜であり、目視では透明で均一な膜であった。プロトン伝導度は、80℃、相対湿度85%で260mS/cm、80℃、相対湿度25%で3mS/cmであり、低加湿プロトン伝導性に優れていた。また、寸法変化率は8%と小さく、耐熱水性にも優れていた。さらに、TEM観察により、ドメインサイズ21nmの共連続様の相分離構造が確認できた。
実施例11 (上記一般式(G10)で表されるイオン性基を含有しないオリゴマーa3’の合成)
かき混ぜ機、窒素導入管、Dean−Starkトラップを備えた1000mL三口フラスコに、炭酸カリウム16.59g(アルドリッチ試薬、120mmol)、前記合成例1で得たK−DHBP25.8g(100mmol)および4,4’−ジフルオロベンゾフェノン20.7g(アルドリッチ試薬、95mmol)を入れ、窒素置換後、N−メチルピロリドン(NMP)300mL、トルエン100mL中で160℃で脱水後、昇温してトルエン除去、180℃で1時間重合を行った。多量のメタノールに再沈殿精製を行い、イオン性基を含有しないオリゴマーa3(末端:ヒドロキシル基)を得た。数平均分子量は20000であった。
かき混ぜ機、窒素導入管、Dean−Starkトラップを備えた1000mL三口フラスコに、炭酸カリウム27.6g(アルドリッチ試薬、200mmol)、前記合成例1で得たK−DHBP25.8g(100mmol)、前記実施例1で得たスルホン酸エステル誘導体(G3)49.2g(95mmol)を入れ、窒素置換後、N−メチルピロリドン(NMP)300mL、トルエン100mL中で170℃で脱水後、昇温してトルエン除去、180℃で1時間重合を行った。多量のイソプロピルアルコールで再沈殿することで精製を行い、上記式(G11)で示されるスルホン酸エステル基を含有するオリゴマーa4(末端:ヒドロキシル基)を得た。数平均分子量は32000であった。
かき混ぜ機、窒素導入管、Dean−Starkトラップを備えた500mL三口フラスコに、炭酸カリウム0.56g(アルドリッチ試薬、4mmol)、スルホン酸エステル基を含有するオリゴマーa4(末端:ヒドロキシル基)を32g(1mmol)を入れ、窒素置換後、N−メチルピロリドン(NMP)100mL、シクロヘキサン30mL中で100℃で脱水後、昇温してシクロヘキサン除去し、イオン性基を含有しないオリゴマーa3’(末端:フルオロ基)21g(1mmol)を入れ、105℃で24時間反応を行った。多量のイソプロピルアルコールへの再沈殿精製により、ブロック共重合体b2を得た。重量平均分子量は39万、数平均分子量は13万であった。
中和滴定から求めたイオン交換容量は1.7meq/g、1H−NMRから求めたモル組成比(A1/A2)は、50モル/50モル=1、ケタール基、エステル基の残存は認められなかった。極めて強靱な電解質膜であり、目視では透明で均一な膜であった。プロトン伝導度は、80℃、相対湿度85%で300mS/cm、80℃、相対湿度25%で3.5mS/cmであり、低加湿プロトン伝導性に優れていた。また、寸法変化率は9%と小さく、耐熱水性にも優れていた。さらに、TEM観察により、ドメインサイズ49nmの共連続様の相分離構造が確認できた。
(スルホン酸エステル基を含有するセグメント(A1)としてオリゴマーa4、イオン性基を含有しないセグメント(A2)としてオリゴマーa1、リンカー部位としてオクタフルオロビフェニレンを含有するブロック共重合体b3の合成)
イオン性基を含有しないオリゴマーa3’に変えて、a1’(末端:フルオロ基)を11g(1mmol)入れる以外は、実施例11と同様の方法でブロック共重合体b3を得た。重量平均分子量は41万、数平均分子量は13万であった。
中和滴定から求めたイオン交換容量は2.5meq/g、1H−NMRから求めたモル組成比(A1/A2)は、65モル/35モル=1.86、ケタール基、エステル基の残存は認められなかった。極めて強靱な電解質膜であり、目視では透明で均一な膜であった。プロトン伝導度は、80℃、相対湿度85%で520mS/cm、80℃、相対湿度25%で3.8mS/cmであり、低加湿プロトン伝導性に優れていた。また、寸法変化率は18%と比較的小さく、耐熱水性にも優れていた。さらに、TEM観察により、ドメインサイズ50nmの相分離構造が確認できた。
(上記一般式(G11)で表されるイオン性基を含有するオリゴマーa5の合成)
前記実施例1で得たスルホン酸エステル誘導体(G3)を48.1g(93mmol)に変えた以外は実施例11に記載の方法で前記式(G11)で示されるスルホン酸エステル基を含有するオリゴマーa5(末端:ヒドロキシル基)を得た。数平均分子量は40000であった。
(スルホン酸エステル基を含有するセグメント(A1)としてオリゴマーa5、イオン性基を含有しないセグメント(A2)としてオリゴマーa1、リンカー部位としてオクタフルオロビフェニレンを含有するブロック共重合体b4の合成)
イオン性基を含有するオリゴマーa2に変えて、a5(末端:ヒドロキシル基)を40g(1mmol)入れる以外は、実施例10と同様の方法でブロック共重合体b4を得た。重量平均分子量は40万、数平均分子量は13万であった。
中和滴定から求めたイオン交換容量は2.7meq/g、1H−NMRから求めたモル組成比(A1/A2)は、70モル/30モル=1.86、ケタール基、エステル基の残存は認められなかった。極めて強靱な電解質膜であり、目視では透明で均一な膜であった。プロトン伝導度は、80℃、相対湿度85%で550mS/cm、80℃、相対湿度25%で4mS/cmであり、低加湿プロトン伝導性に優れていた。また、寸法変化率は20%と比較的小さく、耐熱水性にも優れていた。さらに、TEM観察により、ドメインサイズ50nmの相分離構造が確認できた。
実施例10記載のブロック共重合体b1を溶解させた25重量%N−メチルピロリドン(NMP)溶液をガラス繊維フィルターを用いて加圧ろ過後、ガラス基板上に流延塗布し、100℃にて4h乾燥することで、スルホン酸エステル基含有ポリケタールケトン膜(膜厚24μm)を得た。ポリマーの溶解性は極めて良好であった。次に、60℃の10重量%硫酸水溶液に24時間浸漬して、脱保護処理を実施した。NMRにより、ケタール基の残存なく、スルホン酸エステル基が残存していることを確認した。窒素下300℃で10分加熱処理を実施した後、続いて、95℃の臭化リチウム水溶液に浸漬、脱エステル化反応を進行させ、塩酸処理、大過剰量の純水に24時間浸漬して充分洗浄し、スルホン酸基含有ポリマーからなる高分子電解質膜を得た。
実施例10記載のブロック共重合体b1を溶解させた25重量%N−メチルピロリドン(NMP)溶液をガラス繊維フィルターを用いて加圧ろ過後、ガラス基板上に流延塗布し、100℃にて4h乾燥した後、さらに窒素下、300℃で10分加熱処理し、スルホン酸エステル基含有ポリケタールケトン膜(膜厚24μm)を得た。ポリマーの溶解性は極めて良好であった。NMRにより、ケタール基とスルホン酸エステル基の残存を確認した。95℃の臭化リチウム水溶液に膜を浸漬、脱エステル化反応を進行させた後、60℃の10重量%硫酸水溶液に24時間浸漬して、スルホン酸基のプロトン置換とケタールの脱保護処理を実施し、大過剰量の純水に24時間浸漬して充分洗浄することで、スルホン酸基含有ポリマーからなる高分子電解質膜を得た。
(スルホン酸エステル誘導体として、前記(G6)を使用した下記一般式(G12)で表されるスルホン酸基含有ポリマー)
プロトン伝導度は、80℃、相対湿度85%で450mS/cm、80℃、相対湿度25%で0.1mS/cmであった。ジフェニルスルホン骨格を含みかつスルホン酸基密度が高い分、寸法変化率は68%と大きかったが、エステル基による高分子量化の効果で比較的強靭な膜であり、目視では透明で均一な膜であった。またNMRにおいてケタール基、エステル基の存在は認められなかった。 比較例1 市販のナフィオン(登録商標)NRE211CS膜(デュポン社製)を用い、各種特性を評価した。中和滴定から求めたイオン交換容量は0.9meq/gであった。目視では透明で均一な膜であり、TEM観察において明確な相分離構造は確認されなかった。プロトン伝導度は、80℃、相対湿度85%で100mS/cm、80℃、相対湿度25%で3mS/cmであった。また、熱水中に浸漬すると激しく膨潤し、取り扱いが困難で掴むと破れてしまうこともあった。
比較例2
(上記一般式(G7)で表されるスルホン酸基含有ポリマー) かき混ぜ機、窒素導入管、Dean−Starkトラップを備えた500mL三口フラスコに、炭酸カリウム15.6g(アルドリッチ試薬、113mmol)、前記合成例1で得たK−DHBP12.9g(50mmol)、前記合成例2で得たジソジウムー3,3’−ジスルホネート−4,4’−ジフルオロベンゾフェノン 22.2g(52.5mmol)を入れ、窒素置換後、N−メチルピロリドン(NMP)150mL、トルエン50mL中で180℃で脱水後、昇温してトルエン除去、210℃で6時間重合を行った。多量のイソプロピルアルコールに再沈殿することで精製を行い、ケタール基を有する前躯体ポリマーを得た。重量平均分子量は18万であった。
比較例3 (下記一般式(G13)で表されるイオン性基を含有するオリゴマーa6の合成)
かき混ぜ機、窒素導入管、Dean−Starkトラップを備えた1000mL三口フラスコに、炭酸カリウム27.6g(アルドリッチ試薬、200mmol)、前記合成例1で得たK−DHBP25.8g(100mmol)、前記合成例2で得たジソジウムー3,3’−ジスルホネート−4,4’−ジフルオロベンゾフェノン39.3g(93mmol)を入れ、窒素置換後、N−メチルピロリドン(NMP)300mL、トルエン100mL中で170℃で脱水後、昇温してトルエン除去、180℃で1時間重合を行った。多量のイソプロピルアルコールで再沈殿することで精製を行い、下記式(G13)で示されるイオン性基を含有するオリゴマーa5(末端:ヒドロキシル基)を得た。数平均分子量は16000であった。
かき混ぜ機、窒素導入管、Dean−Starkトラップを備えた500mL三口フラスコに、炭酸カリウム0.56g(アルドリッチ試薬、4mmol)、イオン性基を含有するオリゴマーa6(末端:ヒドロキシル基)を16g(1mmol)を入れ、窒素置換後、N−メチルピロリドン(NMP)100mL、シクロヘキサン30mL中で100℃で脱水後、昇温してシクロヘキサン除去し、イオン性基を含有しないオリゴマーa1’(末端:フルオロ基)11g(1mmol)を入れ、105℃で24時間反応を行った。多量のイソプロピルアルコールへの再沈殿精製により、ブロック共重合体b3を得た。重量平均分子量は32万、数平均分子量は6.5万であった。
中和滴定から求めたイオン交換容量は1.6meq/g、1H−NMRから求めたモル組成比(A1/A2)は、50モル/50モル=1、ケタール基、エステル基の残存は認められなかった。極めて強靱な電解質膜であり、目視では透明で均一な膜であった。プロトン伝導度は、80℃、相対湿度85%で240mS/cm、80℃、相対湿度25%で2mS/cmであり、低加湿プロトン伝導性に優れていたが、ブロック共重合体の実施例に劣っていた。また、寸法変化率は7%と小さく、耐熱水性に優れていた。さらに、TEM観察により、ドメインサイズ18nmの共連続様の相分離構造が確認できた。
比較例4 (上記一般式(G13)で表されるイオン性基を含有するオリゴマーa7の合成)
かき混ぜ機、窒素導入管、Dean−Starkトラップを備えた1000mL三口フラスコに、炭酸カリウム27.6g(アルドリッチ試薬、200mmol)、前記合成例1で得たK−DHBP25.8g(100mmol)、前記合成例2で得たジソジウムー3,3’−ジスルホネート−4,4’−ジフルオロベンゾフェノン 40.1g(95mmol)を入れ、窒素置換後、N−メチルピロリドン(NMP)300mL、トルエン100mL中で170℃で脱水後、昇温してトルエン除去、180℃で1時間重合を行った。多量のイソプロピルアルコールで再沈殿することで精製を行い、上記一般式(G13)で示されるイオン性基を含有するオリゴマーa7(末端:ヒドロキシル基)を得た。数平均分子量は32000であった。
かき混ぜ機、窒素導入管、Dean−Starkトラップを備えた500mL三口フラスコに、炭酸カリウム0.56g(アルドリッチ試薬、4mmol)、イオン性基を含有するオリゴマーa7(末端:ヒドロキシル基)を32g(1mmol)を入れ、窒素置換後、N−メチルピロリドン(NMP)100mL、シクロヘキサン30mL中で100℃で脱水後、昇温してシクロヘキサン除去し、イオン性基を含有しないオリゴマーa3’(末端:フルオロ基)21g(1mmol)を入れ、105℃で24時間反応を行った。多量のイソプロピルアルコールへの再沈殿精製により、ブロック共重合体b4を得た。重量平均分子量は28万、数平均分子量は5.5万であった。
中和滴定から求めたイオン交換容量は1.7meq/g、1H−NMRから求めたモル組成比(A1/A2)は、48モル/52モル=0.92、ケタール基の残存は認められなかった。極めて強靱な電解質膜であり、目視では透明で均一な膜であった。プロトン伝導度は、80℃、相対湿度85%で270mS/cm、80℃、相対湿度25%で2.5mS/cmであり、低加湿プロトン伝導性に優れていたが、ブロック共重合体の実施例に劣っていた。また、寸法変化率は8%と小さく、耐熱水性に優れていた。さらに、TEM観察により、ドメインサイズ45nmの共連続様の相分離構造が確認できた。
特開2005−197235号および実施例2記載の方法に従って、スルホン酸基含有ブロックポリマーを合成した。
窒素気流下、2,2−ジメチル−1−プロパノール86.7gとピリジン99.7gの混合溶液中に、氷浴で冷却5℃以下に冷却しながら、3−(2,5−ジクロロベンゾイル)ベンゼンスルホン酸クロライド)42.0gを徐々に添加した。その後、室温まで昇温し、2時間反応させた、水600mLを加え、酢酸エチル900mLで抽出した。5%塩酸水溶液600mL,5%NaOH水溶液300mLおよび飽和NaCl水溶液600mLで洗浄後、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥した。エバポレーターを用いて溶媒を留去し、得られた粗生成物を酢酸エチル/ヘキサンで再結晶、スルホン酸エステル誘導体(G14)を24.0得た。構造は1H−NMRで確認した。
攪拌機、温度計、Dean-stark管、窒素導入管、冷却管を取り付けた1Lの三口フラスコに、2,6−ジクロロベンゾニトリル48.8g、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン89.5g、炭酸カリウム47.8gを秤量した。窒素置換後、スルホラン346mL、トルエン173mLを加えて攪拌した。オイルバスで反応液を150℃で加熱還流させた。反応によって生成する水はDean-stark管にトラップした。3時間後、水の生成がほとんど認められなくなったところで、トルエンをDean-stark管から系外に除去した。徐々に反応温度を200℃に上げ、3時間攪拌を続けた後、2,6−ジクロロベンゾニトリル9.2gを加え、さらに5時間反応させた。
攪拌機、温度計、窒素導入管をとりつけた1Lの三口フラスコに、3−(2,5−ジクロロベンゾイル)ベンゼンスルホン酸ネオペンチル135.2g、前記方法で得られたオリゴマー(数平均分子量9万)48.7g、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルジクロリド6.71g、ヨウ化ナトリウム1.54g、トリフェニルホスフィン35.9g、亜鉛53.7gを秤量、乾燥窒素置換した。ここにN,N -ジメチルアセトアミド(DMAc)430mLを加え、反応温度を80℃に保持しながら3時間攪拌を続けた後、D MAc730mLを加えて希釈し、不溶物を濾過した。重量平均分子量は25万であった。 得られたポリマーを実施例2記載の方法で製膜し、前駆体ポリマー膜を得た(膜厚24μm)。成型前のスルホン酸エステル基含有ポリマーの溶解性は極めて良好であった。続いて、実施例5記載の方法で脱エステル化、プロトン置換、水洗浄し、スルホン酸基含有ブロックポリマーからなる高分子電解質膜を得た。
中和滴定から求めたイオン交換容量は1.7meq/g、1H−NMR分析で、エステル基の残存は認められなかった。硬くて脆い電解質膜であったが、目視では透明で均一な膜であった。プロトン伝導度は、80℃、相対湿度85%で250mS/cm、80℃、相対湿度25%で1.2mS/cmであり、実施例に劣っていた。また、寸法変化率は40%と大きく、耐熱水性についてもブロック共重合体の実施例に劣っていた。さらに、TEM観察により、ドメインサイズ25nmの相分離構造が確認できた。
実施例10記載のブロック共重合体b1を溶解させた25重量%N−メチルピロリドン(NMP)溶液をガラス繊維フィルターを用いて加圧ろ過後、ガラス基板上に流延塗布し、100℃にて4h乾燥し、スルホン酸エステル基含有ポリケタールケトン膜(膜厚24μm)を得た。ポリマーの溶解性は極めて良好であった。95℃の臭化リチウム水溶液に膜を浸漬、脱エステル化反応を進行させた後、少量、短時間の塩酸処理、大過剰量の純水で24時間浸漬して充分洗浄し、スルホン酸基含有ポリマーからなる高分子電解質膜を得た。
NMRにより、スルホン酸エステル基の残存なく、ケタール基の残存を確認した。次に窒素雰囲気下、300℃で10分熱処理を実施した後に、60℃の10重量%硫酸水溶液に24時間浸漬して、ケタールを脱保護、大過剰量の純水に24時間浸漬して充分洗浄することで、スルホン酸基含有ポリマーからなる高分子電解質膜を得た。
Claims (3)
- 下記一般式(M1)で表される芳香族スルホン酸エステル誘導体と、2価フェノール化合物とを芳香族求核置換反応により重合してなるスルホン酸エステル基含有芳香族ポリエーテルケトンを脱エステル化する高分子電解質材料の製造方法であって、前記2価フェノール化合物として、下記一般式(r1)〜(r10)で表される、ケトン部位をアセタールまたはケタール部位で保護した保護基を有する化合物またはこれらの誘導体を用いるとともに、前記スルホン酸エステル基含有ポリエーテルケトンを成型した後、前記保護基の少なくとも一部を酸処理により脱保護せしめ、その後熱処理を行い、その後脱エステル化を行って前記アセタールまたはケタール部位をケトン部位とする高分子電解質材料の製造方法。
- 前記熱処理の温度が150〜600℃である、請求項1に記載の高分子電解質材料の製造方法。
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