JP6178082B2 - 防火部材 - Google Patents
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Description
特許文献1には、建物の同一階に、複数の防火区画を隣接して設けることにより形成された避難経路と、この避難経路に沿って設けられ、視認性を有する耐火ガラスを用いて区画され、一時待避所として利用できる安全区画とを有することを特徴とする避難安全区画システムが記載されている。
特許文献2には、火災時に散水装置により防火壁等を冷却して熱による延焼を防止できるようにした防火ガラスを用いた安全区画システムが記載されている。
特許文献3には、遮蔽部材を建物内に繰り出して複数の区画を形成し、防火、防煙及び遮熱の少なくとも一つの性能が他の部分に比べて低い部分に水を噴霧供給する防火防煙区画形成システムが記載されている。
特許文献4には、ドア体が通常時には通路の床面に水平状態で設置されており、火災発生時には原動機の駆動力により起立させられて通路を閉鎖する防火シャッターが記載されている。
本発明は、温度が上昇する前であっても、煙が進入し得るような隙間の発生を防ぐことを目的とする。
また、好ましくは、前記吸水材は、前記第2の位置へ移動させられたときに前記火災に向かい合うように、前記基材によって保持されるとよい。
また、好ましくは、前記基材は、板状の部材であり、前記吸水材を当該板状のいずれかの面に塗布することにより保持するとよい。
また、好ましくは、前記吸水材は、二酸化ケイ素を含むとよい。
また、好ましくは、前記第1の位置から前記第2の位置へ前記複数の板を誘導するための紐状の誘導部材を有し、前記複数の板は、前記誘導部材を通す孔が設けられ、前記吸水材は、前記孔に保持され、前記水の供給を受けて当該孔を塞ぐように膨張するとよい。
1−1.防火シャッターの構成
図1は、防火シャッター9の構成を示す図である。防火シャッター9は、図1に示すように、防火板1に設けられた孔2にワイヤ3を通すことで、複数の防火板1を連結させて形成される防火部材である。
図2は、防火板1の構成を示す図である。防火板1は、板状の基材11の一方の面に対して吸水材12を塗布して形成される板である。防火板1には、4つの孔2が設けられている。基材11は、例えば、石膏ボード(硫酸カルシウムの水和物などの耐火材)である。なお、基材11の材質に基づき強度の補強として、金網等の補強部材を内部に組み込んだものであってもよい。
図3は、防火シャッター9の形状の変化を示す図である。収納されているとき、防火シャッター9は、図3(a)に示すように、複数の防火板1の表面、すなわち、吸水材12が設けられている面と、裏面、すなわち、基材11の面とが交互に向かい合うように重ねられている。一方、防火シャッター9は、通路を塞ぐときに、図3(b)に示すように、ワイヤ3が張られて表面同士、および、裏面同士がそれぞれ同じ方向に向くように配置される。
なお、防火シャッター9が防火位置A2へ移動したときに、端に配置される防火板1と壁面5との間にも隙間が生じ易い。この隙間は吸水材12同士で挟まれてはいないが、吸水材12が水の供給を受けることで壁面5に向かって膨張するので、隙間を無くすことができる。
以上が実施形態の説明であるが、この実施形態の内容は以下のように変形し得る。また、以下の変形例を組み合わせてもよい。
2−1.変形例1
上述した実施形態において用いられる防火部材は、複数の防火板1によって構成される防火シャッター9であったが、1枚の防火板によって構成された防火部材であってもよい。この場合、この防火部材は、孔2およびワイヤ3を有しないでもよく、壁面5に蝶番などによって一辺を固定されていてもよい。そして、この防火部材は、火災発生時において蝶番を軸として回転して通路を遮断すればよい。なお、この場合においても、防火板と壁面5との間の隙間は、防火板が有する吸水材が水の供給を受けることで壁面5に向かって膨張するので、塞がれる。すなわち、防火部材は、第2の位置において吸水材に水が供給されると通路との隙間を無くす。
上述した実施形態において、防火シャッター9が防火位置A2へ移動させられたとき、各防火板1の吸水材12は、火災に向かい合うように、基材11によって保持されていたが、複数の防火板1同士に挟まれる部分に保持されていてもよい。
上述した実施形態において、防火板1の表面には吸水材12による層がむき出しの状態で設けられていたが、被覆材111によって覆われていてもよい。
この構成によれば、被覆材111が破壊されるまで吸水材12cは空気中の水分から遮断されるので、吸水材12cが空気中の水分を吸って変質することが防止される。
変形例3において被覆材は、防火シャッター9が防火位置A2に移動する際に力を受けて破壊されてもよい。例えば、防火シャッター9が防火位置A2に移動する際に、各防火板1は、表面同士、および、裏面同士が同じ方向を向くように並ぶが、このように並ぶ配置になったときに、防火板1に設けられた突起(図示せず)が、上述した被覆材に突き刺さってこれを破壊してもよい。
この構成によれば、被覆材は、防火シャッター9が収納されているときには破壊されず、防火シャッター9が通路を遮断するときに破壊されるので、収納時において吸水材が給水する可能性は低い。
防火シャッター9によって区画された空間S1と空間S2の差圧に応じて、空間S2の気圧を調整してもよい。例えば、図4に示すように、空間S0を囲う壁面5には、2箇所で管P1,P2が通されており、これらの管P1,P2は差圧計6に接続されている。差圧計6は、防火シャッター9が空間S0を空間S1と空間S2とに区画したときに、空間S1と空間S2との差圧(圧力差)を測定する測定手段である。
この構成によれば、空間S2に人が避難した場合に、空間S1で発生した煙が空間S2に進入しなくなる。
上記実施の形態または変形例として説明した本発明の防火部材としての防火シャッター9を、例えば病院や災害弱者の施設などでろう城避難のための設備に適用した場合について、その応用例として説明する。
図7において、建物30は、耐火壁Wで囲われた避難エリア31と、それ以外の部屋32と、廊下33とを有し、建物30の屋外に、バルコニー34と、避難用階段35とが設けられている。この避難エリア31は、建物30の1フロアの端部に配置され、発生した火災による延焼を受けにくい位置とされている。
このようなろう城避難のための設備を利用する火災発生時の対応について、以下に説明する。
火災警報が行われると、全在館者のうち自力避難可能者は屋外へ避難し、また、要避難介護者は介助者とともに避難エリア31へ誘導される。
また、避難エリア31が火災の影響を受ける場合は、音声警報付き煙CO複合センサ38が作動して、信号を発して図示しない火災受信機や在室表示機49、46に警報表示させ、要介護避難者の屋外への避難を進める。
Claims (1)
- 通路を塞がない第1の位置から、当該通路を塞ぐ位置であって火災発生時に水が供給される第2の位置へと移動可能に構成された防火部材であって、
吸水によって膨張するとともに耐燃性が向上する吸水材と、前記吸水材を保持する基材とをそれぞれ有する複数の板によって構成され、
前記第1の位置から前記第2の位置へ前記複数の板を誘導するための紐状の誘導部材を有し、
前記複数の板は、前記誘導部材を通す孔が設けられ、
前記吸水材は、前記孔に保持され、前記水の供給を受けて当該孔を塞ぐように膨張する
ことを特徴とする防火部材。
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