JP6176902B2 - 発光ダイオードランプ及び照明器具 - Google Patents
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Description
A.発光光束が大きく広く、遠くまで照らすことが出来るため、街路灯や防犯灯など屋外の用途に広く用いられてきた。またベースダウン、ベースアップの器具にも使われてきた。
B.消費電力が高く寿命が短い(約10000時間)。
C.水銀放電で発光するため、発光管内の水銀が蒸発して明るさが安定するまで時間を要する。
A.光の指向性が高く、下面方向への直下照度の改善などある一定方向の照射には向いている(特許文献1:特開2009−4130)。
この場合数個の配置で良く、LED自体が発生する発熱量が少なく、HIDランプのような放電ランプに比べ約40000時間という高い寿命が維持できる。
従来放電ランプと同様にガラスバルブ21に不活性ガスを封入し、封止した後、スクリュー形の口金23を取付けることで、従来放電ランプとの互換性を容易にすると同時にLEDの背後に凹面鏡を設けることでLEDの光の放射角を拡げている(特許文献2:特開昭62−124781)。
B.配光に方向性がなく発光ダイオード11の光がほぼ全方向に配光されれば、下面に主に照射される略水平点灯の街路灯だけでなく、ベースダウン、ベースアップの器具にも対応可能である。
C.特許文献2のLEDランプではHIDランプと遜色ない配光及び発光強度を得ることは難しく、LEDの数を大幅に増やし、HIDランプ同様LEDの光を、全方向に向ける必要がある。
D.多数のLEDの集積によりランプ内が高温となり、LEDが早く劣化して特許文献1のようなLEDランプのような寿命を維持することが難しくなる。また、LEDが発生する熱を逃がすために特許文献1のような金属性の放熱体をLED基板の下面に設置した場合、LEDの数が多く、LEDを縦長の円筒状のバルブに沿って配置するため、放熱体が重くなるだけでなく、縦長配置の長さが長くなるほどその放熱効率は悪くなる。
E.多数のLEDを使用しHIDランプ同様LEDの光を全方向に向けるためには、ランプの長さ方向、円周方向にLEDを分散して配置しなければならず、そのような形状のLED基板を製造するためには、材料費も製造コストも高額となる。
黄色蛍光体を含む色変換用シリコーンと前記色変換用シリコーンで覆われた青色発光半導体素子とを有する発光ダイオードを実装した発光ダイオードユニットと、
前記発光ダイオードユニットの発光面を覆うカバーと、
前記発光ダイオードユニットの発光面と前記カバーの内面との間に充填された透明で絶縁性のある充填シリコーンと
を備え、
前記発光ダイオードは、
前記充填シリコーンが充填されていない場合、10000ケルビン未満の色温度の光を放出し、
前記充填シリコーンが充填されている場合、10000ケルビン以上20000ケルビン以下の色温度の光を放出することを特徴とする。
(1)第1の形態(図1〜図6)
図1に発光ダイオードユニット10の正面側面図、図2に平面図を示す。
発光ダイオードユニット10は、アルミニウム製の八角柱の支持部材13を有する。支持部材13は発光ダイオード11を保持する保持部材である。発光ダイオードユニット10は、支持部材13の頂部に八つの面を持つ台形状の錐体18を有する。
また、八角柱の底面中心にも八角柱の支持部材13の軸方向に軸支柱15が取付けられている。
これらの各支柱の材質はステンレス製である。
発光ダイオード11を搭載する基板は、フレキシブル基板12である。フレキシブル基板12に発光ダイオード11を搭載し、フレキシブル基板12をアルミニウム製の基板に貼り付ける。縦長の基板を連結して角柱形状の多面体構造物を形成する。角柱形状の多面体構造物の頂部を角垂形状にすることで、ガラスバルブ21の半球状またはドーム状の頂部に適合させることができる。角垂形状部分に発光ダイオード11を配置することができる。角垂形状部分の曲げ角度は、ガラスバルブ21の頂部の半径Rに応じて決定する。
発光ダイオードランプ20は、筺体24を備えている。筺体24は、ガラスバルブ21とフレア管22とを有する。筺体24は、すべて透明である。あるいは、発光ダイオード11が配置されていない筺体24の下部は、不透明でもよい。ガラスバルブ21は、上部が半球状の円筒形の形状をしている。
八角柱の支持部材13の底面中心から八角柱の支持部材13の軸方向に導出されている軸支柱15は、フレア管22がピンチされるときに、軸支柱15の端部が埋め込まれるように、フレア管22に埋設される。八角柱の支持部材13の底面から導出された導入線17は、ガラスバルブ21端部に融着されたガラス製のフレア管22がピンチされるときに、導入線17の端部がフレア管22の端部から導出されるように、フレア管22に埋設される。
(2)第2の実施の形態(図なし)
第1の実施の形態での透明で熱伝導性のシリコーン樹脂の代わりに、透明な熱伝導性液体としてパーフルオロカーボン液体が充填されてもよい。パーフルオロカーボン液体は高密度で発光ダイオード11が発生する熱を効率よく吸収しガラスバルブ21に伝達する。パーフルオロカーボン液体は、絶縁性の液体で導入線17等の配線部に接触してもショートの問題はない。
(3)第3の実施の形態(図7〜図13)
以下、実施の形態1,2と異なる点を説明する。
図7に発光ダイオードユニット10の支持部材13の展開図を示す。
図8、図9に発光ダイオードユニット10の正面側面図、平面図を示す。
八角錐の八つの面のうち4つの面発光ダイオード11を各1個を搭載する。また、八角柱の支持部材13の八つの面に発光ダイオード11を1列に各3個搭載する。
上記支持部材13は絶縁処理され、発光ダイオード基板を兼ねる。
多角柱側面の多角柱の軸と垂直方向の幅w:17.15mm、円筒状のバルブの断面の中心から多角柱側面に垂直に伸ばした線の、多角柱側面と交差する点と、垂直に伸ばした線のバルブ内面と交差する点の距離Δkを3.0mm、E39口金23仕様のHIDランプと互換性のあるガラスバルブ21の内径48mmを満足する多角形を選定する。
D:ガラスバルブ21の内径
d:発光ダイオードユニット10の外接円の直径
w:発光ダイオードユニット10の一側面の幅
b:ガラスバルブ21の中心から発光ダイオード11までの距離
Δr:ガラスバルブ21の内径Dと外接円の直径dとの差
Δk:発光ダイオード11からガラスバルブ21の内面までの半径方向の距離
Δg:発光ダイオード11から外接円までの半径方向の距離
発光ダイオードユニット10の一側面の幅wは、発光ダイオード11の幅方向の大きさ以上でありかつ信号線が配線できる幅以上である。また、フレキシブル基板を貼り付ける場合は、幅wは、フレキシブル基板の幅以上でありかつ信号線が配線できる幅以上である。
1.支持部材13の折り曲げ回数は少なくなる。
2.錐体18の頂部の位置合わせが容易になる。
1.発光ダイオード11がガラスバルブ21の内面に近づく。
2.放熱効果が高くなる(後述する実施の形態4)
Sin(180°/n)=w/d
より、
d=w/Sin(180°/n)
で表される。
Δg=d/2−b
b=√((d/2)2−(w/2)2)
より、
Δg=(d/2)−√((d/2)2−(w/2)2)
で表される。
Δr=Δk−Δg
で表される。
D=d+2Δr
=d+2(Δk−Δg)
=d+2(Δk−(d/2)+√((d/2)2−(w/2)2))
=d+2Δk−d+2√((d/2)2−(w/2)2)
=2Δk+2√((d/2)2−(w/2)2)
=2Δk+2√((w/2Sin(180°/n))2−(w/2)2)
で表される。
さらに、E26口金23仕様のHIDランプと互換性のあるガラスバルブ21の内径38.6mmを満足する多角形を、図15の表から選定する。
前述したとおり、Sin(180°/n)=w/dであるから、この式によれば、nを決定すると、wとdの比がわかる。
n=5のとき、Sin(180°/n)=0.59=w/d
n=6のとき、Sin(180°/n)=0.50=w/d
n=7のとき、Sin(180°/n)=0.43=w/d
n=8のとき、Sin(180°/n)=0.38=w/d
n=9のとき、Sin(180°/n)=0.34=w/d
n=10のとき、Sin(180°/n)=0.31=w/d
したがって、nを4〜10としたい場合、wはdの0.71〜0.31にすればよい。
nを6〜8としたい場合、wはdの0.5〜0.38にすればよい。
D=2Δk+2√((w/2Sin(180°/n))2−(w/2)2))
により、nとΔkとが定まれば、wとDとの比が求められる。
D=48mmのとき、w=17.15mmは、Dの0.36である。
D=38.6mmのとき、w=17.15mmは、Dの0.44である。
w=17.15mm、Δk=3.0mmのとき、n=8
w=17.15mm、Δk=4.0mmのとき、n=8
w=15.00mm、Δk=5.0mmのとき、n=8
w=20.00mm、Δk=5.0mmのとき、n=6
w=17.15mm、Δk=3.0mmのとき、n=6
w=17.15mm、Δk=4.0mmのとき、n=6
w=15.00mm、Δk=5.0mmのとき、n=6
w=5.00mm、Δk=5.0mmのとき、n=17
(4)第4の実施の形態(図20〜図29)
好適な発光ダイオードユニット10の高さと径の寸法比および発光ダイオード11とガラスバルブ21内径部の距離について述べる。
(図20〜図23)
・実施の形態3と同様に発光ダイオード基板を兼ねるアルミニウム製の支持体により異なる八角柱の支持部材13の外接円径Dと八角柱の支持部材13の高さhの発光ダイオードユニット10を作成した(図22、図21)。
・頂部の八角錐は省略した。発光ダイオード11は八角柱の支持部材13の側面の各面に縦1列各3個搭載。
・発光ダイオード11の搭載位置は、
A.各面の高さ方向の中点(b点)、
B.上記Aの位置の発光ダイオード11と側面上端辺の中点(a点)、
C.上記Bの位置の発光ダイオード11と側面下端辺の中点(c点)
のそれぞれ1個合計3個、発光ダイオードユニット10全体では24個搭載した。
・実施の形態1及び実施の形態3と同様のガラスバルブ21の端部を封止し、スクリュー形の口金23を装着する方法でランプを作成した。
・ランプは窒素ガスのみを充填して封止したもの、パーフルオロカーボンで空間部のほぼすべての部分を満たした後、窒素ガスを吹き込みながら封止したものの2種類作成(図22)した。
・異なるD:h比の発光ダイオードユニット10はそれぞれが比較できるようにその外接円の径と角柱の高さで構成される体積Vを同一とした。ランプの器具装着性は、器具の形状によっても大きく左右されるが、異なるD:h比の発光ダイオードユニット10のランプの器具装着性について上記Vを同一とすることで簡易的に条件をそろえた。
・発光ダイオード11とガラスバルブ21内径部の距離Δdはガラスバルブ21の径を変えることで変化させた(図23)。
・それぞれのランプを電力、電圧、電流等の条件を同一にして口金23部を下にして点灯した。ガラスバルブ21外面の以下の3点の温度を測定した。
上部の発光ダイオード11の位置(上記B.)に相当する点:a点、
中央部の発光ダイオード11の位置(上記A.)に相当する点:b点、
下部の発光ダイオード11の位置(上記C.)に相当する点:c点
(好適なh/D)
・図24の表−6:窒素ガス封入、透明熱伝導媒体なし。
図25に示すように、h/Dが大きいほど温度が下がる。h/D:1.5前後よりh/Dが大きい範囲においてもっとも温度が高いa点においても100℃を下回る。また、温度の下降程度h/D:1.5前後から2.0にかけて、よりなだらかになる。この傾向はより発光ダイオード11に近く、ランプのより上方の部分であるa点でより顕著となる。・図26の表−7:窒素ガス封入、透明熱伝導媒体(パーフルオロカーボン液体)有。
図27に示すように、表−6に比べ全体的に温度が下がる。透明熱伝導媒体(パーフルオロカーボン液体)の効果である。
h/Dが大きいほど温度が下がる。温度の下降程度h/D:1.5前後から2.0にかけて、よりなだらかになる。この傾向はより発光ダイオード11に近く、ランプのより上方の部分であるa点でより顕著となる等の効果は透明熱伝導媒体なしほど顕著ではないが同様の傾向が見られる。
好適な発光ダイオード11とガラスバルブ21の内面との距離について述べる。
・図28の表−8:窒素ガス封入、透明熱伝導媒体(パーフルオロカーボン液体)有。
・発光ダイオード11の表面とガラスバルブ21内面の半径方向の距離Δdはガラスバルブ21の径を変えることで変化させた(図23)。
(5)第5の実施の形態(図30〜図34)
図30は、八角柱の支持部材13の発光ダイオードランプ20の図である。
図31は六角柱の支持部材13の発光ダイオードランプ20の図である。
図32〜図34に、発光ダイオードランプ20を搭載した照明器具を示す。配光に方向性がなく発光ダイオード11の光がほぼ全方向に配光されるので、下面に主に照射される略水平点灯の街路灯(図32)だけでなく、ベースダウン、ベースアップの照明器具(図33、図34)にも対応可能である。
特徴1.
角柱状または円筒状の支持部材13に発光ダイオード11を実装した発光ダイオードユニット10を筺体24内に配置し、前記発光ダイオードユニット10より導出された導入線17を前記筺体24の端部に嵌合した口金23に配線した発光ダイオードランプ20において、前記発光ダイオードユニット10の発光面を前記筺体24の一部であるガラス製のカバーで覆うとともに、前記ガラス製のカバー内面と前記発光ダイオードユニット10の角柱状または円筒状の支持部材13の側面に実装された発光ダイオード11が近接または接触しており、前記発光ダイオードユニット10の角柱状または円筒状の支持部材13の軸方向の高さが前記角柱状の支持部材13の底面の外接円または前記円柱状の支持部材13の底面の直径より長いことを特徴とする。
前記発光ダイオードユニット10の角柱状または円筒状の支持部材13の軸方向の高さが前記角柱状の支持部材13の底面の外接円または前記円柱状の支持部材13の底面の直径の1.5倍から3.5倍の長さであることを特徴とする。
前記ガラス製のカバー内面と前記発光ダイオードユニット10の角柱状または円筒状の支持部材13の側面に実装された発光ダイオード11が5mm以内に近接していることを特徴とする。
前記発光ダイオードユニット10の発光面とガラス製のカバーの内面の空間には透明で絶縁性を有する熱伝導媒体が充填されていることを特徴とする。
前記透明で絶縁性を有する熱伝導性の媒体は、シリコーン樹脂であることを特徴とする。
前記透明な絶縁性を有する熱伝導性の媒体は、密度1.5以上の流体であることを特徴とする。
前記透明な絶縁性を有する熱伝導性の密度1.5以上の流体は、パーフルオロカーボン液体であることを特徴とする。
前記ガラス製の覆いを含む前記筺体24はすべてガラス製のバルブからなり、前記ガラスバルブ21内には不活性ガスが封入され、前記発光ダイオードユニット10より導出された導入線17をガラスバルブ21外に導出したガラスバルブ21の端部を封止、密閉されていることを特徴とする。
前記発光ダイオードユニット10は前記ガラスバルブ21の封止部側に埋設された支柱により保持されていることを特徴とする。
前記発光ダイオード11は基板に実装され、前記基板は前記支持部材13の側面及び上面に設置されていることを特徴とする。
前記発光ダイオード11は前記支持部材13の側面及び上面に直接実装されていることを特徴とする。
前記ガラスバルブ21の封止端には、スクリュー形の金属口金23が取付けられることを特徴とする。
また、照明器具として、前記発光ダイオードランプ20と点灯装置とを配置したことを特徴とする。
発光ダイオードユニット10の側面の発光面の発光ダイオード11が、樹脂製のカバーより熱容量が大きいガラス製のカバーに覆われて近接または接しており、角柱状または円筒状の支持部材13の軸方向の高さが角柱状の支持部材13の底面の外接円または円柱状の支持部材13の底面の直径より長い発光ダイオードユニット10とすることで、HIDランプ同様にランプの長さ方向により広い配光と発光強度がえられ、かつ発光ダイオードユニット10の側面より効率良く放熱が可能となることにより、より寿命の長い発光ダイオードランプを提供することが出来る。
発光ダイオードユニット10の角柱状または円筒状の支持部材13の角柱状または円筒状の部分の軸方向の高さを角柱状の支持部材13の底面の外接円または円柱状の支持部材13の底面の直径の1.5倍から3.5倍の長さにすることにより、HIDランプ同様にランプの長さ方向により広い配光と発光強度がえられ、かつ発光ダイオードユニット10の側面より効率良く放熱が可能となることにより、より寿命の長い発光ダイオードランプを提供することが出来る。
ガラス製のカバー内面と発光ダイオードユニット10の角柱状または円筒状の支持部材13の側面に実装された発光ダイオード11が10mm以内に近接していることにより、発光ダイオードユニット10の側面より効率良く放熱が可能となり、より寿命の長い発光ダイオードランプ20を提供することが出来る。
発光ダイオードユニット10の発光面とガラス製のカバーの内面の空間に透明で絶縁性を有する熱伝導媒体を充填することにより、発光ダイオードユニット10の側面より効率良く放熱が可能となり、より寿命の長い発光ダイオードランプ20を提供することが出来る。
透明で絶縁性を有する熱伝導性の媒体を、シリコーン樹脂とすることにより、より絶縁性が高く、LEDや配線への電気的な安全性を確保することが出来る。また、ランプの色がより高色温度側にシフトすることで、ランプが明るく見える。
透明な絶縁性を有する熱伝導性の媒体を密度1.5以上の流体とすることにより、熱容量の高い流体の対流によって、ガラスバルブ21または口金23の温度の低い部分に熱を伝達・放出し、より放熱効率が良い発光ダイオードランプ20を提供することが出来る。
透明な絶縁性を有する熱伝導性の密度1.5以上の流体は、パーフルオロカーボン液体であることによりLEDや配線への電気的な安全性を確保し、より放熱効率が良い発光ダイオードランプ20を提供することが出来る。また、ランプの色がより高色温度側にシフトすることで、ランプが明るく見える。
ガラス製の覆いを含む筺体24はすべてガラス製のバルブからなり、ガラスバルブ21内には不活性ガスが封入され、
発光ダイオードユニット10はガラスバルブ21の封止部側に埋設された支柱により保持されていることにより従来HIDランプに近い形状の発光ダイオードランプ20を提供することが出来る。
発光ダイオード11は基板に実装され、基板は支持部材13の側面及び上面に設置されていることにより、筒状のバルブ形状に近い発光ダイオードユニット10とすることが出来、従来HIDランプに近い配光および形状の発光ダイオードランプ20を提供することが出来る。
発光ダイオード11は支持部材13の側面及び上面に直接実装されているため発光ダイオード基板を省略することが出来、より安価に発光ダイオードランプ20を生産することが出来る。
ガラスバルブ21の封止端には、スクリュー形の金属口金23が取付けられることにより、従来HIDランプとほぼ同形状の発光ダイオードランプ20を提供することが出来る。
上記発光ダイオードランプ20は、従来HIDランプを使用していた街路灯、防犯灯等の照明器具に、点灯装置との組み合わせにより、容易に置き換えることが出来るため、従来ランプより更に長寿命で、省エネルギー性の高い街路灯、防犯灯などの照明装置を提供することが出来る。
特徴1.
立体化した支持部材13の複数の面に発光ダイオード11を配置することにより構成された発光ダイオードユニット10を、透明な円筒状のバルブと、前記発光ダイオードユニット10に通電する口金23とで形成された筺体24内に設置し、前記発光ダイオードユニット10より導かれた配線を、口金23を介して筺体24外に導出する発光ダイオードランプ20において、前記支持部材13は底面を正多角形とする多角柱形状であり、前記正多角形の底面の外接円が前記円筒状のバルブと同心円状に配置され、前記多角柱側面の前記多角柱の軸と垂直方向の幅wと、前記円筒状のバルブの断面の中心から前記多角柱側面に垂直に伸ばした線の、前記多角柱側面と交差する点と、前記垂直に伸ばした線の前記バルブ内面と交差する点の距離Δkを固定し、前記多角柱の底面の正多角形を正n角形としたとき、所望のバルブ径を得るためにnの数を調節した正多角形からなる多角柱の発光ダイオードユニット10有する。
立体化した支持部材13の複数の面に発光ダイオード11を配置することにより構成された発光ダイオードユニット10を、透明な円筒状のバルブと、前記発光ダイオードユニット10に通電する口金23とで形成された筺体24内に設置し、前記発光ダイオードユニット10より導かれた配線を、口金23を介して筺体24外に導出する発光ダイオードランプ20において、前記支持部材13は底面を正多角形とする多角柱形状であり、前記正多角形の底面の外接円が前記円筒状のバルブと同心円状に配置され、前記多角柱側面には発光ダイオード11が、前記多角形の軸方向に1列に配置されたことを特徴とする。
前記支持部材13は一体型の板を折り曲げて複数の面を形成して立体化されることを特徴とする。
前記多角柱側面の前記多角柱の軸と垂直方向の幅wは5mmから20mmであることを特徴とする。
前記円筒状のバルブの断面の中心から前記多角柱側面に垂直に伸ばした線の、前記多角柱側面と交差する点と、前記垂直に伸ばした線の前記バルブ内面と交差する点の距離Δkは1mmから6mmであることを特徴とする。
前記立体化した支持部材13の複数の面は発光ダイオード素子基板を兼ね、支持部材13の外面に発光ダイオード11が直接実装されることを特徴とする。
発光ダイオードユニット10は、前記支持部材13の複数の面に発光ダイオード素子基板を貼り付けることにより構成された発光ダイオードユニット10であることを特徴とする。
前記発光ダイオード素子基板は、その基板幅が約10mmであることを特徴とする。
前記発光ダイオード素子基板は、リボン状のフレキシブル基板12であることを特徴とする。
前記多角柱の底面は正n角柱の一部の頂点が欠落した多角形であることを特徴とする。
前記支持部材13は金属製であることを特徴とする。
前記多角柱の高さは前記外接円の直径より高いことを特徴とする。
前記放熱体の頂面には多角錐形状または断面が台形状の多角錐形状であり前記多角錐形状の各面に発光ダイオード11が配置されていることを特徴とする。
照明器具において、上記発光ダイオードランプ20と点灯装置とを配置したことを特徴とする。
立体化した支持部材13の複数の面に発光ダイオード11を配置することにより構成された発光ダイオードユニット10を、透明な円筒状のバルブと、発光ダイオードユニット10に通電する口金23とで形成された筺体24内に設置し、発光ダイオードユニット10より導かれた配線を、口金23を介して筺体24外に導出する発光ダイオードランプ20において、支持部材13は底面を正多角形とする多角柱形状であり、正多角形の底面の外接円が前記円筒状のバルブと同心円状に配置され、多角柱側面の多角柱の軸と垂直方向の幅wと、円筒状のバルブの断面の中心から多角柱側面に垂直に伸ばした線の、多角柱側面と交差する点と、垂直に伸ばした線のバルブ内面と交差する点の距離Δkを固定し、多角柱の底面の正多角形を正n角形としたとき、所望のバルブ径を得るためにnの数を調節した正多角形からなる多角柱の発光ダイオードユニット10有する、発光ダイオードランプ20とすることによって、多角柱側面の幅と側面に配置された発光ダイオード11とガラスバルブ21内面の距離を一定に保ちながら、ガラスバルブ21の径及び発光ダイオードランプ20の明るさを変化させても、部品の共通化及び製造工程の共通化が図れ、かつ発光ダイオード11の熱をガラスバルブ21に効率的に逃がすことが出来、低コストで照明器具互換性が高く、かつ長寿命の発光ダイオードランプ20を得ることが出来る。
立体化した支持部材13の複数の面に発光ダイオード11を配置することにより構成された発光ダイオードユニット10を、透明な円筒状のバルブと、前記発光ダイオードユニット10に通電する口金23とで形成された筺体24内に設置し、発光ダイオードユニット10より導かれた配線を、口金23を介して筺体24外に導出する発光ダイオードランプ20において、支持部材13は底面を正多角形とする多角柱形状であり、正多角形の底面の外接円が円筒状のバルブと同心円状に配置され、多角柱側面には発光ダイオード11が、多角形の軸方向に1列に配置されたことにより、多角柱の側面の数を容易に調節することができ、所望のバルブ径の発光ダイオードランプ20を得ることによって、多角柱側面の幅と側面に配置された発光ダイオード11とガラスバルブ21内面の距離を一定に保ちながら、ガラスバルブ21の径及び発光ダイオードランプ20の明るさを変化させても、部品の共通化及び製造工程の共通化が図れ、かつ発光ダイオード11の熱をガラスバルブ21に効率的に逃がすことが出来、低コストで照明器具互換性が高く、かつ長寿命の発光ダイオードランプ20を得ることが出来る。
支持部材13を一体型の板を折り曲げて複数の面を形成することにより、より部品の共通化及び部品点数の減少化及び製造工程の共通化が図れる発光ダイオードランプ20を得ることが出来る。
多角柱側面の多角柱の軸と垂直方向の幅wを5mmから20mmとすることにより、多角柱側面には発光ダイオード11を多角形の軸方向に1列に配置された状態で、多角柱の側面の数を容易に調節することができ、所望のバルブ径の発光ダイオードランプ20を得ることによって、多角柱側面の幅と側面に配置された発光ダイオード11とガラスバルブ21内面の距離を一定に保ちながら、ガラスバルブ21の径及び発光ダイオードランプ20の明るさを変化させても、部品の共通化及び製造工程の共通化が図れ、かつ発光ダイオード11の熱をガラスバルブ21に効率的に逃がすことが出来、低コストで照明器具互換性が高く、かつ長寿命の発光ダイオードランプ20を得ることが出来る。
前記円筒状のバルブの断面の中心から前記多角柱側面に垂直に伸ばした線の、前記多角柱側面と交差する点と、前記垂直に伸ばした線の前記バルブ内面と交差する点の距離Δkを1mmから6mmとすることにより、発光ダイオードユニット10をガラスバルブ21に収率良く、容易に挿入することが出来かつ、かつ発光ダイオード11の熱をガラスバルブ21に効率的に逃がすことが出来、低コストで照明器具互換性が高く、かつ長寿命の発光ダイオードランプ20を得ることが出来る。
立体化した支持部材13の複数の面は発光ダイオード素子基板を兼ね、支持部材13の外面に発光ダイオード11が直接実装されることにより、発光ダイオード基板を省略することが出来、より安価に発光ダイオードランプ20を生産することが出来る。
発光ダイオードユニット10は、支持部材13の複数の面に発光ダイオード素子基板を貼り付けることにより、既存の一般的な発光ダイオード素子基板を流用することが出来る。
発光ダイオード素子基板を基板幅が約10mmとすることにより、既存に流通しているより一般的な発光ダイオード素子基板を流用することが出来る。
発光ダイオード素子基板はリボン状のフレキシブル基板12であることにより、既存に流通しているより一般的な発光ダイオード素子基板を流用することが出来る。
多角柱の底面は正n角柱の一部の頂点を欠落させた多角形であることにより、特殊な器具形状、特殊な配光に合わせた、発光ダイオードユニット10を得ることが出来る。
支持部材13は金属製であることにより、発光ダイオード11が発生する熱を効率よく吸収、放熱することが出来る。
多角柱の高さは前記外接円の直径より高いことにより発光ダイオード11が発生する熱を効率よく放熱することが出来る。
放熱体の頂面には多角錐形状または断面が台形状の多角錐形状であり多角錐形状の各面に発光ダイオード11が配置されていることによりランプ頂部の配光を間然することが出来る。
上記発光ダイオードランプ20は、従来HIDランプを使用していた街路灯、防犯灯等の照明器具に、点灯装置との組み合わせにより、容易に置き換えることが出来るため、従来ランプより更に長寿命で、省エネルギー性の高い街路灯、防犯灯を提供することが出来る。
実施の形態6では、可視域においてほぼ一様な高い透過率を有する液状もしくはペースト状の熱伝導媒体(例えばシリコーン)を、角柱状または円筒状の支持部材にLEDを実装した発光ダイオードユニット10とガラスバルブ21内面との間に充填する方法を説明する。
従来のHIDランプにシリコーン290を注入する場合は外管バルブ内に内管バルブを挿入し、外管バルブを封止する。そこで、同様に、ガラスバルブ21に発光ダイオードユニット10を挿入し、ガラスバルブ21内面との隙間に熱伝導媒体を充填し、その後ガラスバルブ21を封止してみた。しかし、封止時の熱により熱伝導媒体が焼損してしまい、採用不可の結果となった。たとえば、シリコーン290は摂氏200度以上になると紛失する可能性があり、封止温度が摂氏1000度以上であるため、シリコーン290が変質してしまう。
HIDランプ製造と同様の製法でガラスバルブ21を封止した後、ガラスバルブ21に開口穴をあけ、そこから熱伝導媒体を注入し、注入後、開口穴を加熱することで封止をする案を考えた。これにより、熱伝導媒体を充填する目的は達成できたが、作業が煩雑でありコストがかかり工業的ではない。
本来、真空引きをする排気管をシリコーン注入に利用することを思いついた。排気管内部に注入針を挿入し、この注入針を通じてガラスバルブ21内部に熱伝導媒体を注入した。これにより効率よく熱伝導媒体を注入することが可能となり、また工業的な手段である。
発光ダイオードランプ20の製造方法は、発光ダイオードユニット10を作成し、発光ダイオードユニット10とフレア管22を装着し、発光ダイオードユニット10をガラスバルブ21に挿入して封止する組立工程S20を備えている。
図39が図7と異なる点は、U字状の切り込み218と半円状の切り込み219が存在する点である。切り込み218、219は、支持部材を折り曲げる際に折り曲げやすくする効果と、折り曲げ時の位置きめがしやすくなる効果を有する。切り込み218、219は、U字・半円であるが、三角形、四角形、円形、台形でもよい。
これで、組立工程S20が終了する。
軸支柱15は、発光ダイオードユニット10がガラスバルブに挿入しやすいように軸支柱の軸に対し垂直な方向に柔軟性を持たせるために0.3〜1.5mm程度の細い金属支柱を用いる。最終的には注入されたシリコーンが発光ダイオードユニット10を支えるため、軸支柱はこのように細いものであっても構わない。
次に、発光ダイオードランプ20の製造方法は、排気管221から熱伝導媒体を充填して排気し封止する封止工程を備えている。封止工程S30は、以下の3工程を順に実行する。
排気管221にシリコーンディスペンサーの注入針を挿入し、ガラスバルブ21内部にシリコーンディスペンサーから押し出されたシリコーン290を注入する。この時、排気管221の開口部を上向きにしディスペンサーの注入針を挿入する。つまりLEDランプとしては口金が取り付けられるベース側を上向きに配置し、シリコーン290を重力により注入針の先端から垂らして注入する。
シリコーン290の注入と同時に、注入されたシリコーン290の体積分だけ、ガラスバルブ21内の空気は注入針230と排気口222の内面との隙間から流出する。
注入針を抜き取り、排気管から真空引きを行う(真空引き工程)。これは脱泡のためであるが(真空脱泡)、この時一度に真空引きを行うのではなく、数度に分けて行う。気圧が下がれば、シリコーン内の気体が膨張してシリコーン290の上部に浮いてくることにより、シリコーン290から泡が取り除ける。真空状態から大気圧に戻す際は窒素ガスなどの不活性ガスを注入する(置換工程)。この真空引き工程と置換工程とを数回程度繰り返すことにより、脱泡及び内部の不活性ガス置換が同時に行える。数回の真空引きによりガラスバルブ21内の空気は窒素に徐々に置き換わる。
排気管221のチップオフを行う。
その後、口金が取り付けられる。
シリコーン290の粘度(硬さ)は100Pa・s以下が望ましい。これを越えるとディスペンサーでの吐出が難しくなり、かつ注入したシリコーン290が筐体及びガラスバルブの隙間に均一に入り込まなくなる。特に、50Pa・s以下が望ましいが、より狭い隙間に充填できるようにするためには、1〜数Pa・sがよく、1.0Pa・sが望ましい。
排気管221の太さは最小外径φ4.0mm(最小内径φ0.7mm)、最大外径φ8.0mm(最大内径φ5.0mm)を満たすものがよい。最大外径についてはφ8.0mmを上回るとフレア管22(ステム)として製造が出来なくなり、また最小外径φ4.0mmを下回ると下記に示すようにシリコーン注入と空気を排出する機能が果たせなくなる。
排気管221の長さは最短30mm、最長200mmとするのがよい。排気管221の長さが短くなることはシリコーン注入には有利であるが、最短30mmを下回るとシリコーン注入後のチップオフの作業が出来なくなる。また最長200mmを上回るとシリコーン注入に大幅に不利となる。
ディスペンサー注入針を使用する理由は2つある。
1つ目はシリコーン注入と空気の排出を同時に行うためである。
2つ目は排気管221内部にシリコーン290を付着しないためである。
万が一、排気管221内部にシリコーン290が付着すると、チップオフの際、溶かしたガラスバルブ内部にシリコーン290が混入し、変色、クラックなどの不具合が生じる危険性がある。
脱泡及び窒素などの不活性ガス置換のための真空引きの条件は真空度は21.33キロパスカル以上101.3キロパスカル未満とする。21.0キロパスカルを下回るとシリコーン290の物性が損なわれる危険性がある。真空度は25キロパスカル以上50キロパスカル以下がよく、具体的には30キロパスカル以上40キロパスカル以下がよく、33.3キロパスカルがなおよい。
また、不活性ガス置換には最低1回以上大気圧に戻す必要がある。脱泡及び不活性ガス置換の完成度と20分程度で10回サイクル程度行うのがよい。
なお、排気口222から伝わって垂れた熱伝導媒体の痕跡がフレア管22や基部支柱14や軸支柱15や連結支柱16や導入線17に残るため、熱伝導媒体の痕跡や垂れにより、排気管221からのシリコーン注入方法を採用して製品を製造したことが、目視判別が可能である。
排気管221を装着してガラスバルブを封止する組立工程と、
排気管221から熱伝導媒体を充填して排気し封止する封止工程と
を備えている。
組立工程後、排気管221からガラスバルブ内部に熱伝導媒体を充填する充填工程と、
充填工程後、排気管221からガラスバルブ内部の気体を真空引きする排気工程と、
排気工程後、排気管221を封止するチップオフ工程と
を備えている。
前記充填工程は、排気管221の管長より長い針長を有する注入針を排気管221に挿通して、注入針を介してガラスバルブ内部に熱伝導媒体を注入する。
前記充填工程は、粘度が100パスカル秒以下の熱伝導媒体を注入する。
前記排気工程は、真空引き工程を複数回繰り返し、真空引き工程の間にガラスバルブ内部の気体を不活性ガスに置換する置換工程を有する。
シリコーン290を充填すると以下の効果がある。
(1)発光ダイオードの熱がガラスバルブ21に伝わりやすくなる。(2)シリコーン290に覆われた部分は、酸化しない。
(3)仮にガラスバルブ21に外力が加わっても破壊ににくくなる。
(4)ガラスバルブ21が割れても、ガラス片の防飛効果があり、かつ、シリコーン290に覆われている部分には絶縁効果がある。
図43は、支持部材とガラスバルブ21の間に発光ダイオード11がシリコーン290で覆われている場合を示している。発光ダイオード11の外殻中央に素子が有り、素子及びボンディングワイヤを樹脂250で覆っている。温度が上昇するとシリコーン290が熱膨張して樹脂250の表面に膨張圧力を加え、樹脂250を押しつぶすように変形させる可能性がある。ガラスバルブ21と支持部材とは、シリコーン290よりも熱膨張係数が小さいため、シリコーン290ほど膨張せず、シリコーン290の行き場がなくなり、比較的柔軟な樹脂250に圧力がかかると考えられる。このため樹脂250内部のボンディングワイヤ251の断線や接触不良を起こし素子の点灯不良が起きる可能性がある。
この実施の形態7では、特に、実施の形態1〜6と異なる点について説明する。実施の形態7で特徴となる点は、ガラスバルブ21と発光ダイオードユニット10の形状である。
図46は、図45とは逆方向からのガラスバルブ21の斜視図である。
図47は、実施の形態7における図45のガラスバルブ21のAA断面図である。
外部バルブ211の内径>内部バルブ212の外径
隙間幅F=((外部バルブ211の内径−内部バルブ212の外径)÷2)
隙間幅F>0
外部バルブ211の長さL1>内部バルブ212の長さL2
図49は、実施の形態7における発光ダイオードユニット10の平面図である。
L1>L4>L3>L2
隙間幅F>厚さI
である。
隙間幅F=厚さI
である。放熱性を高めるためには、隙間幅F=厚さIが望ましい。
図51は、実施の形態7における発光ダイオードランプ20の平面図である。
図52は、実施の形態7における口金23のない発光ダイオードランプ20の正面側面図である。
図53は、実施の形態7における発光ダイオードランプ20の寸法図である。
発光ダイオードユニット10は、発光ダイオード11を配置した筒形状の筒部220を有する。
ガラスバルブ21は、発光ダイオードユニット10の筒部220の内部に設けられた内部バルブ212と、発光ダイオードユニット10の筒部220の外部に設けられた外部バルブ211とを有する。
前記ガラスバルブ21は、前記発光ダイオードユニット10を封入している。
前記内部バルブ212は、一端が開放され他端が閉じられ中央に中空部分を有する有底筒形状のガラスバルブである。前記外部バルブ211は、内部バルブ212より長い筒形状のガラスバルブである。
前記ガラスバルブ21は、内部バルブ212の一端と外部バルブ211の一端とを封着した環状端部213と、外部バルブ211の他端を封止した封止部216とを有する。
E:外部バルブ211の外径、
F:隙間幅,
H:外部バルブ211の内面の半径
I:発光ダイオードユニット10の厚さ
図示しないが、発光ダイオードランプ20の前記内部バルブ212の中空部分214に、アルミフィン等の金属放熱部材を備えてもよい。
放熱塗料は明るさを維持するためには透明であることが望ましいが、放熱性をますために金属粒子が混入された灰色・薄色の放熱塗料や放熱シリコーンでもかまわない。
実施の形態7の発光ダイオードランプの製造方法は、
二重管部分を有するガラスバルブ21を製造する工程S11と、
発光素子を配置した筒形状の筒部を備えた発光ダイオードユニット10を製造する工程S12と、
前記ガラスバルブ21の二重管部分の間の空間に、発光ダイオードユニット10を配置する組立工程S2と、
前記ガラスバルブ21を封止する封止工程S3と
を備えたことを特徴とする。
前記発光ダイオードユニット10を製造する工程S12は、実施の形態1〜5で説明した工程を経て発光ダイオードユニット10を製造する。ただし、錐体18は作成しない。底面板金299も使用しない。
前記ガラスバルブ21を製造する工程S11と前記発光ダイオードユニット10を製造する工程S12との順番は問わない。
前記組立工程S2は、発光素子を配置した筒形状の筒部を備えた発光ダイオードユニット10にフレア管22を取り付ける。そして、発光ダイオードユニット10を、外部バルブ211の開放口289から挿入して、筒部220を外部バルブ211と内部バルブ212との間の空間に配置する。
前記組立工程S2と前記封止工程S3とは、実施の形態6で述べたガラスバルブ21にシリコーン290を充填する方法を適用することができる。
実施の形態8では、実施の形態1〜7で述べた発光ダイオードランプ20を、街路灯に用いる場合について説明する。従来から水銀灯等の高輝度放電ランプ(HIDランプ)を用いた街路灯が存在する。一方、LEDランプを街路灯のランプとして用いられ始めている。
支柱310は、下端が地中に埋設されて地上に立設される。支柱310は、電源を配置する電源配置部311を下部に有し、E形ソケットを配置するソケット配置部312を上部に備え、電源とソケットを結ぶ2本の支柱内電線313を内部に収納している。2本の支柱内電線313の各電線は、断面積が2.0平方mm以上の電線である。2本の支柱内電線313は、1000V以上あるいは1500V以上の交流を通電させても絶縁破壊しない電線である。
直流電源315と交流安定器316は、地中を引き回され支柱の下端から引き込まれた100V又は200Vの交流商用電源電線317に接続される2個の入力端子を有している。
直流電源315は、定電流直流回路を有し、100V又は200Vの交流商用電源から、20V700mAあるいは40V・350mAあるいは80V・200mA程度の直流定電流を2本の電線に出力する2個の出力端子を有している。
発光ダイオードランプ20はランプカバー318により覆われている。
街路灯は、支柱とランプとソケットと電源と電線などから構成されているが、故障の原因は、ランプ切れ又は電源回路不良によるものが多い。したがって、街路灯の修理には、交換用ランプや交換用電源を持参して交換する必要がある。
図57は、ランプと電源が正しい組み合わせでも、電線の太さにより不具合が発生する場合を示している。HIDランプは1000V以上(数千V)の交流で動作するため断面積が2平方mm以上の電線を使用しているが、LEDランプは80V以下の直流で動作するため、断面積が0.75平方mmの電線を使用している。したがって、断面積が0.75平方mmの電線に1000V以上の交流が流れた場合は、電線間のショート・断線・破壊などを起こす可能性があり感電の危険がある。特に支柱は金属で製作されていることが多いため、感電・漏電はたいへん危険である。このため、この実施の形態8の街路灯には、断面積が2平方mm以上の太い電線を使用する。太い電線を使用している街路灯であれば、HIDランプでもLEDランプでも安全に点灯させることができる。すなわち、太い電線を使用している街路灯であれば、HIDランプと交流安定器からLEDランプと直流電源に交換してもかまわないし、LEDランプと直流電源からHIDランプと交流電源に交換してもかまわないという安全かつ安心という効果がある。
図58は、ランプと電源が誤った組み合わせで、電線の太さにより不具合が発生する場合を示している。HIDランプと直流電源を組み合わせた場合は、HIDランプが点灯しないだけであり危険はない。
ポール(支柱)を含め街路灯全てをLEDランプの街路灯に換えるためには、既存街路灯の撤去、新規LEDランプ街路灯の購入・設置工事という高額な費用がかかるだけでなく、まだ利用可能なポールの廃却といった環境負荷の問題も発生する。
支柱310、
電源配置部311、
ソケット配置部312、
支柱内電線313、
ランプソケット(E形ソケット)314、
交流商用電源電線317、
ランプカバー318、
HID(水銀、メタルハライド、ナトリウム)ランプ→発光ダイオードランプ20、
交流安定器316→直流電源315、
実施の形態8で用いるLEDランプは実施の形態1〜7で述べた発光ダイオードランプ20であって、E形口金から給電され、かつ一体の口金を含む光源部内には前記LED用の電源を含んでいない。
かつ、既存のポールを含む器具を流用し、発光ダイオードランプ電源は既存の交流安定器を撤去したスペースに設置する。
E形ソケットにはLED駆動用の直流電流が供給される。
発光ダイオードランプ用直流電源はその固定用ねじ穴や固定用穴や固定用フック等の取り付け手段が、既存HID用安定器の取り付け手段と同一又は同様な位置にあり、電源配置部からのHID用安定器の撤去後、そのまま発光ダイオードランプ用電源が電源配置部に設置できる。
E形口金を有する高輝度放電ランプをE形口金を有する発光ダイオードランプに交換するランプ交換工程と、
高輝度放電ランプに給電する交流安定器を、発光ダイオードランプに給電する直流電源に交換する電源交換工程と
を備えている。
前記電源交換工程は、電線を交換せず、この交換しない電線に直流電源を接続する。
屋内体育館のHIDランプ照明においてはその安定器が天井近傍に設置されているのに比べ、通常、屋外街路灯のランプ安定器は支柱下部の交換作業がしやすい位置にあり、カバーを外す事で容易にLED電源の増設もしくは交換工事が可能である。リサイクルの観点からは増設ではなく交換が良い。
図59は、放熱性を高めた発光ダイオードランプ20の一例である。
ガラスバルブ21は、発光ダイオードユニット10の支持部材31の一部を覆うとともに、支持部材13の他部を大気中に露出させる。ガラスバルブ21の頭部に開口が有り、開口から発光ダイオードユニット10の支持部材13の他部が露出かつ突出している。発光ダイオード11が存在する部分は、ガラスバルブ21に覆われている。露出かつ突出しているのは、支持部材13のみである。支持部材13は、アルミニウムなどの金属であり、支持部材の端部が大気に直接触れることにより、放熱性が高まる。
ガラスバルブ21の内面と外面に放熱塗料を塗布すれば、さらに放熱効果が向上する。
ガラス封入LEDランプでは18wクラスが限度であるが、実施の形態9によれば、放熱性が向上するので大容量化が可能である。
ガラスバルブ21の口金近くの基部に金属フィン241を装着する。金属フィン241は、環状であり内径がガラスバルブ21の外形と同じであり、スライドしてガラスバルブ21に嵌め込まれる。金属フィン241はアルミニウムなどの金属羽根であり、金属フィン241が大気に直接触れることにより、ガラスバルブ21からの放熱性が高まる。
金属フィン241は、ガラスエポキシ系接着剤あるいはシリコーン接着剤ではがれないように止める。
金属フィン241の形状、大きさは、ランプカバー318などの邪魔にならないようにする。金属フィン241は、設置空間に応じて、形状、大きさを任意に選択してもよい。その場合は、金属フィン241は、ガラスバルブ21に対して着脱可能にしておく。
ガラス封入LEDランプでは18wクラスが限度であるが、実施の形態9によれば、放熱性が向上するので大容量化が可能である。
以下、前述した実施の形態と異なる点を説明する。
一方、内部を真空にしてチップオフしたガラス封入タイプの発光ダイオードランプを点灯すると、同様に、明るさが低下する恐れがある。
(1)ガラスバルブの内圧が大気圧より高いと、LEDパッケージ内部が圧迫され、明るさが低下する。
(2)ガラスバルブの内圧が大気圧より低いと、LEDパッケージ内部が減圧し、明るさが低下する。
実施例1.ガラスバルブを封止しない。
実施例2.点灯時にガラスバルブの内圧を大気圧にする。
実施例3.ガラスバルブ内から気体を排除する。
以下、各実施例について説明する。
図61は、排気管221をチップオフではなくチップカットした発光ダイオードユニット10の分解図である。
図62は、フレア管22の概念断面図である。
図63は、チップカットした排気管221に口金23を取り付けた発光ダイオードユニット10の断面図である。
チップカットとは、ガラスチップ管のようなガラスの細管(排気管221)を封止せずに切断することをいう。
チップオフすれば、ガラスバルブ21は完全に封止密封され、100%の防水効果がある。
チップカットすれば、ガラスバルブ21は、100%の防水効果はないが、ガラスバルブ21の内部の気圧が大気圧と同じになる効果がある。
排気管221は、フレア管22を左右に貫通している。排気管221の下端には、排気口222があり、排気管221の右端には、開口部231があり、この開口部231のみで、ガラスバルブ21の内部と外部とが通気できるようになっている。
図63の矢印に示すように、空気は以下の経路でリークする。
この実施例では、排気管221を封止していないので、排気管221から水が浸入する恐れがあるので、以下のような防水対策を施すことが望ましい。
図63に示すように、排気管221の開口部231は、口金23の内部空間にある。開口部231を口金23の内部に配置しているので、雨や風が浸入しにくくなり、開口部231に外部からの水分が直接浸入することを防ぐことができる。
また、排気管221の開口部231は、口金23の内部空間の中央(ほぼ中央)にあるのが望ましい。口金23の内壁からできるだけ離すことにより、口金23の内壁を伝わる水から開口部231を遠ざけることができるからである。
また、排気管221の開口部231は、導入線17から遠ざけるほうがよい。あるいは、2本の導入線17の中央に設けるのがよい。導入線17を伝わる水から開口部231を遠ざけることができるからである。
図62、図63に示すように、排気管221は、ガラス胴体228の上端よりも上でチップカットされる。したがって、開口部231は、ガラス胴体228の上端よりも上である。その理由は、凹部223に水がたまった場合、排気管221の先端の開口部231から水がガラスバルブ21の内部に侵入することを防止するためである。図62に示すように、水が凹部223からあふれて流れ出しても、カットラインがガラス胴体228の上端よりも上なので、水の浸入がない。
発光ダイオードユニット10が、図62、図63とは上下反対の状態で使用される場合は、排気管221の先端の開口部231は、下を向く(重力方向を向く)ので、排気管221の先端の開口部231の穴から、水が上に向かって侵入することはない。
外気との圧力差が、所定の圧力差以上の場合に、隙間229(気圧調整部233)により大気を通過させるようにする。例えば、隙間229(気圧調整部233)を密着させてあるいは狭くして、外気との圧力差が、0.1気圧以上の場合に、大気を通過させるようにする。
このような所定の圧力がかからない場合は隙間229(気圧調整部233)から水が浸入することはなく、点灯あるいは消灯によりガラスバルブ21の内部に温度差が生じて内圧が大きく変化した場合だけ通気されることになる。
この外気との圧力差については、以下の「気圧と明るさ」において説明する。
図64は、24時間連続点灯した後の、ガラスバルブ21の気圧と発光ダイオードランプの明るさとのデータである。
図65は、図64のデータをグラフにしたものでる。
図65の横軸は気圧(単位:気圧)である。
図65の縦軸は明るさ(単位:ルーメン)である。
気圧調整部233は、ガラスバルブ21の内圧を常に大気圧と同じにするようにすることが望ましいが、防水機能を付加するために、加圧された場合にのみ大気を通過せるようにしておくのがよい。
この実施例1の発光ダイオードランプの製造方法は、例えば、実施の形態6の製造方法と以下の点を除き同じである。
図66と図67は、チップカットする場合の他の例である。
図66と図67に示すように、口金天面232に口金穴226を設け、口金天面232の外側に口金穴226を塞ぐようにフィルタ227を貼り付けてもよい。フィルタ227は防水機能のある通気性素材でできている。したがって、口金穴226から空気はリークできるが水分は通過できない。フィルタ227は、口金天面232の内側に貼り付けてもよい。口金穴226は、口金天面232ではなく、口金23の側面にあってもよい。
フィルタ227の具体例としては、例えば、1平方センチメートルに数億個〜の微細な孔を含み防水性と通気性を両立させている素材を用いることができる。
フィルタ227がある気圧調整部233の場合は、ガラスバルブ21の内圧を常に大気圧と同じにするようにすることが望ましいが、フィルタ227が加圧された場合にのみ、フィルタ227が大気を通過させるようにしてもよい。
フィルタ227はなく口金穴226だけを気圧調整部233としてもよいが、その場合は、口金穴226を水滴が通過しないような微細な穴にする。
図67に示すように、排気管221を用いないで、フレア管22のガラス胴体228に外気と繋がる孔259を設けてもよい。孔259は、開口部の一例である。
フレア管22の孔259は、フレア管22がガラスバルブ21に溶着された場合でも、開口されており、減圧孔として機能する。
フレア管22の孔は、口金23に覆われており外部から水が浸入することを防止できる。
この孔259にフィルタ227を取り付けて、空気はリークできるが水分は通過できないようにしてもよい。
以上のように、この実施例1の発光ダイオードランプは、
発光ダイオード11を実装した発光ダイオードユニット10と、
前記発光ダイオードユニット10を内部に配置したガラスバルブ21と、
前記ガラスバルブ21に取り付けられた口金23と
を備え、
前記ガラスバルブ21は、口金23の内部に、大気を通す開口部231を有することを特徴とする。
前記口金23は、スクリュー部224にねじ込まれており、前記スクリュー部224との間に前記気圧調整部233となる隙間229を有していることを特徴とする。
そして、前記発光ダイオードランプが点灯された時の熱により上昇した発光ダイオードランプの内圧を減圧させるための減圧孔(開口部231)を前記口金23の内部に設けたことを特徴とする。
前記透光性の容器はガラス製であることを特徴とする。
前記透光性の容器から突出した細管はガラス製であることを特徴とする。
前記口金23は前記透光性の容器の前記もう一方の端部を密閉しない方法で前記透光性の容器にスクリュー構造で固定される。
LEDランプにおいて、放熱のために、カバーや口金に通気孔や換気孔を設けることは、一般的に実施されている。放熱のための通気孔や換気孔があれば、内圧は大気圧と同じになる。
本実施例1は、ガラスバルブを完全密閉しないように、ガラスバルブに取り付けられた口金に覆われたガラスバルブの部分に開口部を設けることにより、ガラスバルブの温度上昇時の圧力上昇時の内部空気は開口部を経由して口金とガラスバルブの隙間からリークし、内部の空気が外部に放出される(温度下降による減圧時は逆の過程をたどる)。
実施の形態6のように、チップ管(細管)を封止し、ガラスバルブ(透光性容器)を密閉構造にする場合は、防水構造とすることができるが、本実施例1は、温度上昇によるガラスバルブ(透光性容器)内の圧力増・圧力減によりLEDの明るさが低下する場合には、ガラスバルブに開口部を設けてガラスバルブを大気に対し解放状態にして温度上昇時にも大気圧と同じに保つことが特徴である。また、とともに、ガラスバルブに開口部を設けたことに伴い、完全ではないが防水対策が施されている点が特徴である。
この実施例2では、ガラスバルブ21の内圧を減圧しておいて排気管221をチップオフしてガラスバルブ21を封止密封し、点灯時に、ガラスバルブ21の内圧を1気圧にする例を説明する。
図64は、封入ガス圧と全光束変化の測定方法を示す図である。
図65は、ガラスバルブ21の気圧と発光ダイオードランプの明るさとのグラフである。
24時間エージング点灯させた前記ランプを用いて、図64に示すように、口金23を外し、ランプをベースアップの方向で排気台にセットする。ここでチップカットした排気口222を、排気台の排気ポジションへセットし、ランプ内部を窒素置換しかつこの窒素圧力を可変させることで、全光束の変化を調べた。
全光束は積分球内で測定できなかったため、ランプ中央部分から1000mm離れて固定された照度計にて代用特性として測定された。ランプの点灯は口金23を外して露出したリード線(導入線17)に直流電源をワニグチクリップで止め、定格点灯をさせた。最初に窒素を0.7気圧程度まで封入しランプを点灯させ、ランプ点灯後特性が安定する1時間程度まってから実験を始めた。安定後、窒素ガスが0.7気圧の状態での照度を測定した。引き続き窒素ガスを上昇させ、再度安定を待って照度測定を繰り返し、最大1.3気圧までの測定を行った。
その結果を図65に示す。
図65の横軸は、封入窒素圧力(単位:気圧)である。
図66の縦軸は、1.0気圧のときの照度を100%とした相対全光束(単位:%)である。
図65で明らかな通り、全光束は1.0気圧で最大となり、全光束はそれ以上でもそれ以下でも減少した。従って、全光束は1.0気圧がピークとなり、図65は、この時の照度を100として相対値で示した。なお実験はすべて摂氏25度の雰囲気で行われた。従って、単純にランプ内窒素ガス圧力のみを変化させること以外は、実質安定な状態を保った。
全光束は大きいほど良いため、全光束の減少を1%まで認めるとすると、ランプ内部の圧力は0.88気圧から1.10気圧の範囲となる。
また、全光束の減少を3%まで認めるとすると、ランプ内部の圧力は0.82気圧から1.15気圧の範囲となる。
ランプ使用時に、発光ダイオードランプが点灯されると、摂氏100度の温度に上昇する。したがって、摂氏100度での内圧が1気圧になるように、製造時に内圧を予め減圧しておけばよい。75度の温度上昇によるガスの体積は、約27.5%(75度×1/273)程度膨張する。このため、ガラスバルブ21の気体が約27.5%増加したとき1気圧になるように予め減圧しておけばよい。
この実施例2の発光ダイオードランプの製造方法は、例えば、実施の形態6の製造方法と以下の点を除き同じである。
すなわち、図38の排気工程S32で、不活性ガスの置換工程の後に真空引き工程を実行し、真空引きをしながらチップオフ工程S33を実施して排気管221をチップオフすることで、実施例2の発光ダイオードランプの製造することができる。その際、真空引きの時間と強度により、減圧の値を調節することができる。
発光ダイオード11を実装した発光ダイオードユニット10と、
前記発光ダイオードユニット10を内部に配置して密閉したガラスバルブ21とを備え、
点灯状態で、ガラスバルブ21内部の気圧が、0.9気圧以上1.1気圧以下になるように、消灯状態でのガラスバルブ21内部の気圧を減圧していることを特徴とする。
この実施例2では、ガラスバルブ内を充填してガラスバルブ21の内部の気体を排除する実施例を説明する。
気体の膨張率と比較して液体や固体の膨張率は小さい。そこで、ガラスバルブ21の内部の気体を排除するために、ガラスバルブ21の内部に液体や固体を充填するのがよい。液体と固体とを混合して充填してもよい。
1.透明な熱伝導性のシリコーン樹脂
2.透明な熱伝導性のパーフルオロカーボン液体
1.住友スリーエム(株)社製「フロリナート(「FLUORINERT」は登録商標)」FC−3283
2.住友スリーエム(株)社製「フロリナート(「FLUORINERT」は登録商標)」FC−72
1.無色透明であること。あるいは、透光性があること。
2.絶縁物であること。
3.気体より熱伝導性が高いほうが望ましい。
4.軽いほうが望ましい。
この実施例3の発光ダイオードランプの製造方法は、例えば、実施の形態6の製造方法と以下の点を除き同じである。
すなわち、図38の充填工程S31で、シリコーン等の充填物を排気管221の排気口222の直下まで充填する。排気工程S32は実施してもよいが、充填終了時点で、ガラスバルブ21の内部の気体がほとんど排出されたならば、排気工程S32は、実行しなくてもよい。排気工程S32を実施する場合、実施例2のように、減圧するようにしてもよい。
実施例3の発光ダイオードランプは、
発光ダイオード11を実装した発光ダイオードユニット10と、
前記発光ダイオードユニット10を内部に配置して密閉したガラスバルブ21とを備え、
点灯状態で、ガラスバルブ内部の気圧が、0.9気圧以上1.1気圧以下になるように、ガラスバルブ内部に気体よりも熱膨張率の小さい充填物を充填したことを特徴とする。
以下、前述した実施の形態と異なる点を説明する。
LED基板257は、支持部材13と絶縁層252と銅箔253とレジスト層254と半田255と発光ダイオード11からなる。
LED基板257は、シリコーン290により被覆されて、ガラスバルブ21に中に密封されている。
クリーム半田には、金属表面洗浄剤としてフラックスが10数%含まれている。半田付け時に、約20%のフラックスが消失し約80%が残存しているとすると、残存したフラックス256は、LED基板257の半田255の周辺に残っていることになる。この残渣フラックスが、高温になって蒸発したり、シリコーン290と発光ダイオード11との間の隙間を表面移動したり、シリコーン290の内部に浸透することにより、発光ダイオード11の樹脂250まで到達し、さらに、樹脂25に侵入して、発光部258の表面に達する恐れがある。
1.密閉状態(ガラスバルブが封止された密閉状態)
2.高温状態(温度負荷の高い状態)
3.被覆状態(LEDパッケージがシリコーンで被覆されている状態)
図69の横軸はフラックス量(単位:ミリグラム)である。
図69の縦軸は明るさ(単位:ルーメン)である。
図69の四角の折れ線グラフは、シリコーン充填剤がない場合(被覆状態でない場合)である。
図69の三角の折れ線グラフは、シリコーン充填剤がある場合(被覆状態の場合)である。
1.32個のLED(64個の端子)を半田付けしたLED基板に使用する半田量:0.45g
2.クリーム半田フラックス含有量:13%
3.LED基板のLED搭載面の表面積:169平方cm
単位面積当たりフラックス量
=0.45g*13%*80%/169平方cm
=0.0002769g
=0.2769mg
従って、1平方cm当たり0.28mg程度のフラックスが残存する可能性がある。
シリコーン充填剤がある場合のほうが、シリコーン充填剤がない場合に比べて、明るさは低下する。
シリコーン充填剤がない場合、単位面積当たりフラックス量が0.16mg以下であれば、1850ルーメンを維持することができる。
シリコーン充填剤がある場合、単位面積当たりフラックス量が0.11mg以下であれば、1850ルーメンを維持することができる。
この実施の形態の発光ダイオードランプは、LED基板257にLEDパッケージを半田付けにより実装し、前記LED基板257を透光性の容器に収納させた発光ダイオードランプであり、半田付け時に使用しLED基板257に付着した金属表面洗浄剤を、LEDパッケージの半田付け後に洗浄したのち、前記LED基板257を前記透光性の容器に収納することにより製造することができる。
金属表面洗浄剤(フラックス256)を用いて発光ダイオード(LED)を半田付けしたLED基板257を有する発光ダイオードユニット10と、
前記発光ダイオードユニット10を内部に配置して密閉したガラスバルブ21とを備え、
前記LED基板257の金属表面洗浄剤(フラックス256)の付着量を、前記LED基板1平方cm当たり0.16mg以下にしたことを特徴とする。
また、前記ガラス製の容器は密閉構造であることを特徴とする。
電子部品を半田付けした電子基板を洗浄することは従来から行われている。しかし、従来通りの洗浄を行っても、明るさ低下が生じた。そこで、明るさ低下の原因を調査したところ、フラックスが原因であることが判明したのであり、この実施の形態は、通常の洗浄では明るさ低下を解決できないところから出発している。
前述したように、1.封止による密閉状態、2.約摂氏100度の高温状態、3.シリコーンによる被覆状態という3状態が重なる環境が、すなわち、3状態が重なるほど、フラックスが明るさ低下の原因になると考えられ、通常の電子基板の使用される環境とは異なる環境で起きることを突き止めたのである。
しかも、この実施の形態は、フラックスの許容範囲を従来のフラックスの許容範囲に比べて非常に少なくするように特定したものであり、従来のフラックスの許容範囲とは、まったく異なるものである。
以下、前述した実施の形態と異なる点を説明する。
そこで、図71に示すように、LEDの端子と端子を結ぶ線と折り曲げ線が水平になるようにLEDを実装する。
この実施の形態の発光ダイオードユニットは、絶縁層を設けた金属製の基板上に、2個の電極端子を有するLEDを配置した後、前記金属製の基板を折り曲げて製造する。前記LEDはその端子と端子を結ぶ線と前記折り曲げられた基板の折り曲げ線が平行になるようにあらかじめ前記LEDが実装される。
前記折り曲げられた基板の折り曲げ部は、折り曲げにより突出する部分の裏側の折り曲げ部に予め切欠き又は凹部を設けておく。
以上のように、この実施の形態の発光ダイオードユニットは、絶縁層252を設け、立体的に折り曲げられた金属製の基板上に、2個の電極端子を有する発光ダイオード11が配置された発光ダイオードユニット10において、前記発光ダイオード11はその端子と端子を結ぶ線と前記折り曲げられた基板の折り曲げ線が平行になるように前記LEDが実装されたことを特徴とする。
前記折り曲げられた基板の折り曲げ線は、折り曲げにより突出した部分の裏側の折り曲げ線上に連続した凹部を設けたことを特徴とする。
以下、前述した実施の形態と異なる点を説明する。
また、発光ダイオードランプのグレア解消・拡散目的にて、ガラスバルブ21を半透明としたいが、光束低下となる。その光束低下を防止するための対策が必要である。
1.透明ガラス(表面が平らなガラス、凹凸なし、乳白なし)
2.凹凸ガラス(表面に凹凸部350を有するガラス、凹凸あり、乳白なし)
3.乳白ガラス(表面に乳白処理を施してガラス外面を乳白にしたガラス、凹凸なし、乳白あり)
なお、凹凸ガラスと乳白ガラスの光束の透過率、もしくは、光の拡散度合いは同じ(又は同等)である。
図76の縦軸は、明るさ(単位はルーメン)である。
点灯時間が30分を経過した定常状態の点灯時を比較すると、以下のことが分かる。
1.乳白ガラスの場合、光束が透明ガラスより6.3%減少する。
2.凹凸ガラスの場合、光束が透明ガラスより4.4%減少する。
図76から、凹凸ガラスは乳白ガラスより光束の低下が少ないことが分かる。
上の表.乳白ガラス(表面に乳白処理を施してガラス外面を乳白にしたガラス、凹凸なし、乳白あり)
下の表.凹凸ガラス(表面に凹凸部350を有するガラス、凹凸あり、乳白なし)
A.測定値:発光ダイオード11の外部表面の温度
(点灯時間が30分を経過した定常状態の点灯時の半田255の温度)
B.熱抵抗:発光ダイオード11の熱抵抗
(発光ダイオード11の外部表面の温度と発光ダイオード11の発光部258のジャンクション温度との差の温度)
C.ジャンクション温度:発光ダイオード11の発光部258の温度(A+B=C)
図77から、点灯時間が30分を経過した定常状態の点灯時の温度について以下のことが分かる。
1.LED1は、凹凸ガラスの場合、乳白ガラスより、温度が7.5度(85.5−78.0)減少する。
2.LED2は、凹凸ガラスの場合、乳白ガラスより、温度が9.8度(82.8−73.0)減少する。
その理由は、LEDは温度が低い方が発光効率が良いので、凹凸部350により放熱効果を高め、LEDの温度を下げる事により、光束値をアップできるからであると考えることができる。
この作用を利用して、通常、乳白ガラスで光束が6.3%減少するところを、凹凸ガラスは、温度低下による発光効率アップにより、減少率を4.4%に改善できる。
凹凸部350の付与→放熱効果→LED温度低下→光束上昇(光束低下を相殺)
ガラスバルブ21の表面は、サンドブラスト加工処理により、すりガラス状にしてもよいし、フッ酸加工とサンドブラスト加工の両方を用いてもよい。結果として、凹凸部350として、4%以上5%以下の光束低下を起こす凹凸が有る場合を許容範囲にすることができる。
発光ダイオード11を実装した発光ダイオードユニット10と、
前記発光ダイオードユニット10の発光面を覆うガラス製のカバー(例えば、ガラスバルブ21)と、
前記発光ダイオードユニット10の発光面とガラス製のカバーの内面との間に充填された熱伝導媒体と
を備え、カバーは、表面に凹凸部350を有することを特徴とする。
以下、前述した実施の形態と異なる点を説明する。
図78において、発光ダイオード11は単一の発光部258(単一チップ)だけで白色発光を放出する白色LEDである。
発光部258は、青色発光半導体素子324である。
また、樹脂250は、YAG系の黄色蛍光体329を含有する色変換用シリコーン325である。
発光ダイオード11(LEDパッケージ)は封じ材として色変換用シリコーン325を使用している。
すなわち、発光部258を黄色蛍光体329(色変換用シリコーン325)で覆った構造をしている。
色変換用シリコーン325の表面からは、発光部258の発光による光と黄色蛍光体329を透過した光の混合が得られる。色変換用シリコーン325の厚さ(黄色蛍光体329を透過する光路長)を調整することで異なる色温度の白色光を得ることができる。
空間326と樹脂250とは光の屈折率が異なるため、界面323で光の反射や屈折が生じる。
発光ダイオード11の光は、界面323を通過した界面通過光321と、界面323で反射された界面反射光322とに分離される。ここで、界面通過光321とは、界面323で一度も反射することなく、界面323を通過した光をいう。界面反射光322とは、界面323で一度以上反射した後、界面323を通過した光をいう。
色変換用シリコーン325を通過する距離が長くなるほど、界面反射光322は、黄色蛍光体329により暖色系の色温度が低い光に変換される。
市販の発光ダイオードには色温度が10000ケルビン以上の寒色形のものは無く、この実施の形態によれば、色温度が7000〜9000ケルビンの発光ダイオード11を用いて、色温度が10000ケルビン以上の発光ダイオードランプの製品をつくることが可能になる。
また、ランプの色温度が高くなることから、あらかじめより色温度の低い発光ダイオード11を使うことが出来る。このことは、青色発光半導体素子324に黄色のYAG蛍光体を塗布してなる最も一般的な擬似白色の発光ダイオード11における劣化の原因である黄色のYAG蛍光体の使用量を減らすことが出来る。
また、パーフルオロカーボン液体を充填した場合は、17000ケルビンから14000ケルビンの色温度になる。色温度は、約1.75倍〜2.12倍になる。
黄色蛍光体329を含む色変換用シリコーン325と色変換用シリコーン325で覆われた青色発光半導体素子324とを有する発光ダイオード11を実装した発光ダイオードユニット10と、
前記発光ダイオードユニット10の発光面を覆うカバー(例えば、ガラスカバー21)と、
前記発光ダイオードユニット10の発光面とカバーの内面との間に充填された透明で絶縁性のある充填シリコーン290とを備えたことを特徴とする。
発光ダイオードランプは、カバー表面から前記所定の色温度の1.2倍以上2.5倍以下の色温度の光を放出する。
前記カバーは、発光ダイオードユニット10を内部に配置したガラスバルブ21であることを特徴とする。
また、上記各実施の形態では、透光性の容器として、ガラスバルブ21の場合を説明したが、ポリカーボネート等の樹脂やプラスチックの場合でもかまわない。
Claims (8)
- 黄色蛍光体を含む色変換用シリコーンと前記色変換用シリコーンで覆われた青色発光半導体素子とを有する発光ダイオードを実装した発光ダイオードユニットと、
前記発光ダイオードユニットの発光面を覆うカバーと、
前記発光ダイオードユニットの発光面と前記カバーの内面との間に充填された透明で絶縁性のある充填シリコーンと
を備え、
前記発光ダイオードは、
前記充填シリコーンが充填されていない場合、10000ケルビン未満の色温度の光を放出し、
前記充填シリコーンが充填されている場合、10000ケルビン以上20000ケルビン以下の色温度の光を放出することを特徴とする発光ダイオードランプ。 - 前記色変換用シリコーンと前記充填シリコーンとの屈折率は同じであることを特徴とする請求項1記載の発光ダイオードランプ。
- 前記発光ダイオードは、前記色変換用シリコーンの表面から空間に対して所定の色温度の光を発光する発光ダイオードであり、
前記発光ダイオードランプは、カバー表面から前記所定の色温度の1.2倍以上2.5倍以下の色温度の光を放出することを特徴とする請求項1又は2記載の発光ダイオードランプ。 - 前記発光ダイオードランプは、カバー表面から前記所定の色温度の1.7倍以上2.2倍以下の色温度の光を放出することを特徴とする請求項3に記載の発光ダイオードランプ。
- 前記発光ダイオードは、
前記充填シリコーンが充填されていない場合、7000ケルビン以上9000ケルビン以下の色温度の光を放出し、
前記充填シリコーンが充填されている場合、12000ケルビン以上20000ケルビン以下の色温度の光を放出することを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の発光ダイオードランプ。 - 前記発光ダイオードは、
前記充填シリコーンが充填されていない場合、8000ケルビンの色温度の光を放出し、
前記充填シリコーンが充填されている場合、14000ケルビン以上15000ケルビン以下の色温度の光を放出することを特徴とする請求項1〜5いずれかに記載の発光ダイオードランプ。 - 前記発光ダイオードユニットは、角柱状または円筒状の支持部材の側面に前記発光ダイオードを実装しており、
前記カバーは、前記発光ダイオードユニットを内部に配置したガラスバルブであることを特徴とする請求項1〜6いずれかに記載の発光ダイオードランプ。 - 請求項1〜7いずれかに記載の前記発光ダイオードランプと点灯装置とを備えたことを特徴とする照明器具。
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